【過去問題】No.14「用途地域等② 図面・図形形式」二級建築士 建築法規【徹底解説】※完全無料

主な関係法令【用途地域等② 図形・図面形式
  • 法第48条(用途地域等)
  • 法第91条(建築物の敷地が区域、地域又は地区の内外にわたる場合の措置)
  • 法別表第2(用途地域等内の建築物の制限)
  • 令第130条の3~令第130条の9の8

建築法規の14問目で出題されるのが用途地域等の図形・図面形式の問題です。
図面の敷地条件で法別表第2から政令(令第130条の3~令第130条の9の8)の順番で法令集を確認し、それぞれの用途地域に建築することができる(又は、建築してはならない)建築物を判断します。

異なる用途制限を受ける地域の内外にわたる敷地条件で出題されるため、法第91条の規定を確認しておきましょう。

法別表第2及び政令の該当箇所に色分けして線引きしておくことで、一目で建築することが「できる」「してはならない」が判断できるよう必ず対策を行いましょう。
毎年出題のパターンは同じですので、必ず正答できるように対策しましょう。

用途地域等 図面・図形形式

  • 法第48条(用途地域等)
  • 法別表第2(用途地域等内の建築物の制限)
  • 政令(令130条の3~令第130条の9の8)

用途地域の種類

用途地域は、都市計画法で定められ、住居系8地域、商業系2地域、工業系3地域の13地域に分類されています。

住居系

  • 第一種低層住居専用地域
    低層住宅のための良好な住居の環境を保護するための地域
  • 第二種低層住居専用地域
    主として低層住宅のための良好な住居の環境を保護するための地域
  • 第一種中高層住居専用地域
    中高層住宅のための良好な住居の環境を保護するための地域
  • 第二種中高層住居専用地域
    主として中高層住宅のための良好な住居の環境を保護するための地域
  • 第一種住居地域
    住居の環境を保護するための地域
  • 第二種住居地域
    主として住居の環境を保護するための地域
  • 準住居地域
    道路の沿岸として地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するための地域
  • 田園住居地域
    農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するための地域

商業系

  • 近隣商業地域
    近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業、その他の業務の利便を図る地域
  • 商業地域
    主として商業その他の業務の利便を増進するための地域

工業系

  • 準工業地域
    主として環境の悪化をもたらすおそれのない工場の利便を図る地域
  • 工業地域
    主として工業の利便を増進するための地域
  • 工業専用地域
    工業の利便を増進するための地域
法令の確認する順番
  1. 法別表第2(用途地域等内の建築物の制限)
  2. 政令(令130条の3~令第130条の9の8)

法別表第2から政令(令第130条の3~令第130条の9の8)の順番で法令集を確認し、それぞれの用途地域に建築することができる(又は、建築してはならない)建築物を判断します。

建築物の敷地が2以上の用途地域にわたる場合

法第91条(建築物の敷地が区域、地域又は地区の内外にわたる場合の措置)

建築物の敷地が2以上の用途地域にわたる場合は、敷地の過半の属する地域の制限を受けます。

チェックポイント

敷地が複数の用途地域にまたがる場合は、敷地の過半の属する用途地域の制限を受けるよ
建物の過半じゃないから気をつけてね。

用途地域等から出題された過去問題

【令和5年問題】
図のような敷地及び建築物( 3 階建て、各階の床面積 100 ㎡、延べ面積 300 ㎡)の配置において、建築基準法上、新築することができる建築物は、次のうちどれか。ただし、特定行政庁の許可は受けないものとし、用途地域以外の地域、地区等は考慮しないものとする。

  1. 旅館
  2. 学習塾
  3. 保健所
  4. 事務所兼用住宅( 1 階が事務所、2 階及び 3 階が住宅)
  5. カラオケボックス

新築することができる建築物は、3.保健所である。

法第91条より、建築物の敷地が用途制限を受ける区域の内外にわたる場合においては、敷地の過半の属する区域内の規定を適用する。
近隣商業地域400㎡<第一種中高層住居専用地域500㎡より、第一種中高層住居専用地域の用途の制限を受ける。
法別表第2(は)項第七号及び令第130条の5の4第一号より、新築することができる建築物は、保健所である。

【令和4年問題】
図のような敷地及び建築物( 2 階建て、延べ面積 400㎡)の配置において、建築基準法上、新築してはならない建築物は、次のうちどれか。ただし、特定行政庁の許可は受けないものとし、用途地域以外の地域、地区等は考慮しないものとする。

  1. 事務所
  2. 倉庫業を営む倉庫
  3. 病院
  4. ホテル
  5. 客席の部分の床面積の合計が 300㎡の劇場

新築してはならない建築物は、5.客席の部分の床面積の合計が 300㎡の劇場である。

法第91条(建築物の敷地が区域、地域又は地区の内外にわたる場合の措置)より、建築物の敷地が用途制限を受ける区域の内外にわたる場合においては、敷地の過半の属する区域内の規定を適用する。準住居地域400㎡>第一種住居地域200㎡より、準住居地域の用途の制限を受ける。
法別表第2(用途地域等内の建築物の制限)(と)項第五号より、劇場、映画館、演芸場若しくは観覧場のうち客席の部分の床面積の合計が200㎡以上のものは、新築してはならない。

【令和3年問題】
図のような敷地及び建築物( 2 階建て、延べ面積 600 ㎡)の配置において、建築基準法上、新築することができる建築物は、次のうちどれか。ただし、特定行政庁の許可は受けないものとし、用途地域以外の地域、地区等は考慮しないものとする。

  1. 料理店
  2. 旅館
  3. 貸本屋
  4. 演芸場(客席の部分の床面積の合計が 190 ㎡)
  5. 消防署

新築することができる建築物は、5.消防署である。

法第91条より、建築物の敷地が用途制限を受ける区域の内外にわたる場合においては、敷地の過半の属する区域内の規定を適用する。準住居地域400㎡<第一種中高層住居専用地域420㎡より、第一種中高層住居専用地域の用途の制限を受ける。
法別表第2(は)項第七号及び令第130条の5の4第一号より、新築することができる建築物は、消防署である。

【令和2年問題】
 図のような敷地及び建築物(平家建て、延べ面積 100㎡)の配置において、建築基準法上、新築してはならない建築物は、次のうちどれか。ただし、特定行政庁の許可は受けないものとし、用途地域以外の地域、地区等は考慮しないものとする。

  1. パン屋の工場(作業場の床面積の合計が 50㎡で、原動機の出力の合計が 0.75 kWのもの)
  2. 畜舎
  3. 宅地建物取引業を営む店舗
  4. 畳屋(作業場の床面積の合計が 50㎡で、原動機の出力の合計が 0.75 kWのもの)
  5. 診療所

新築してはならない建築物は、2.畜舎である。

法第91条より、建築物の敷地が用途制限を受ける区域の内外にわたる場合においては、敷地の過半の属する区域内の規定を適用する。第一種住居地域500㎡<第二種中高層住居専用地域625㎡より、第二種中高層住居専用地域の用途の制限を受ける。
法別表第2(に)項第六号及び令第130条の7より、床面積の合計が15㎡を超える畜舎は、新築してはならない。

【令和元年問題】
図のような敷地及び建築物( 2 階建て、延べ面積 600㎡)の配置において、建築基準法上、新築してはならない建築物は、次のうちどれか。ただし、特定行政庁の許可は受けないものとし、用途地域以外の地域、地区等は考慮しないものとする。

  1. 老人福祉センター
  2. ホテル
  3. 銀行の支店
  4. ゴルフ練習場
  5. ぱちんこ屋

新築してはならない建築物は、5.ぱちんこ屋である。

法第91条より、建築物の敷地が用途制限を受ける区域の内外にわたる場合においては、敷地の過半の属する区域内の規定を適用する。第二種住居地域600㎡<第一種住居地域900㎡より、第一種住居地域の用途の制限を受ける。
法別表第2(ほ)項第二号より、ぱちんこ屋は、新築してはならない。

【平成30年問題】
図のような敷地及び建築物の配置において、建築基準法上、新築することができる建築物は、次のうちどれか。ただし、特定行政庁の許可は受けないものとし、用途地域以外の地域、地区等は考慮しないものとする。

  1. バッティング練習場
  2. 客席の部分の床面積の合計が150㎡の劇場
  3. 原動機を使用する自動車修理工場で、作業場の床面積の合計が150㎡のもの
  4. 出力の合計が0.75㎾の原動機を使用する塗料の吹付を事業として営む工場
  5. 倉庫業を営む倉庫

新築することができる建築物は、1.バッティング練習場である。

法第91条より、建築物の敷地が用途制限を受ける区域の内外にわたる場合においては、敷地の過半の属する区域内の規定を適用する。第二種住居地域750㎡>準住居地域600㎡より、第二種住居地域の用途の制限を受ける。
法別表第2(へ)項各号に該当しないので、バッティング練習場は、新築することができる。

【平成29年問題】
 図のような敷地及び建築物の配置において、建築基準法上、新築してはならない建築物は、次のうちどれか。ただし、特定行政庁の許可は受けないものとし、用途地域以外の地域、地区等は考慮しないものとする。

  1. 延べ面積 200㎡の倉庫業を営む倉庫
  2. 警察署
  3. 延べ面積 300㎡の旅館
  4. 作業場の床面積の合計が 50㎡で、原動機の出力の合計が 1.5㎾の空気圧縮機を使用する自動車修理工場
  5. 老人福祉センター

新築してはならない建築物は、1.延べ面積 200㎡の倉庫業を営む倉庫である。

法第91条より、建築物の敷地が用途制限を受ける区域の内外にわたる場合においては、敷地の過半の属する区域内の規定を適用する。第一種住居地域500㎡>第二種低層住居専用地域487.5㎡より、第一種住居地域の用途の制限を受ける。
法別表第2(ほ)項一号及び(へ)項第五号により、第一種住居地域に倉庫業を営む倉庫は、新築してはならない。

問題No.14【用途地域等② 図面・図形形式】のまとめ

図面の敷地条件で法別表第2から政令(令第130条~令第130条の9の8)の順番で法令集を確認し、それぞれの用途地域に建築することができる(又は、建築してはならない)建築物を判断します。
異なる用途制限を受ける地域の内外にわたる敷地条件で出題されるため、法第91条の規定を確認しておきましょう。

問題No.13【用途地域等①】と一緒に学習することで、効率的に対策できます。

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