二級建築士 建築法規 問題No.4【一般構造①】徹底解説※完全無料

主な関係法令【一般構造①】
  • 法第19条(敷地の衛生及び安全)
  • 法第28条(居室の採光及び換気)
  • 法第28条の2(石綿その他の物質の飛散又は発散に対する衛生上の措置)
  • 法第29条(地階における住宅等の居室)
  • 法第30条(長屋又は共同住宅の各戸の界壁)
  • 法第31条(便所)
  • 法第32条(電気設備)
  • 法第33条(避雷設備)
  • 法第34条(昇降機)
  • 施行令第2章 一般構造(令第19条~令第35条)

建築法規の問題で、毎年4問目に出題されるのが、「一般構造」です。

敷地の安全性、採光、換気、シックハウス、界壁の遮音性、天井高、床高、階段、便所等から、五肢択一式の問題で出題されます。

法と施行令を確認する必要がありますが、比較的絞り込みは容易です。

敷地の衛生及び安全

法第19条

敷地の衛生及び安全について、確認するは以下の4点です。

敷地の衛生及び安全

敷地の地盤高
建築物の敷地は、道路境や周囲より高くし排水や防湿に支障がないようしなければならない。
ただし、排水又防湿の必要がない場合は、この限りでない。

衛生及び安全上問題のある土地
湿潤な土地、出水のおそれの多い土地、ごみなどで埋め立てられた土地に建築物を建築する場合は、盛土、地盤の改良等の措置を講じなければならない。

排水設備
建築物の敷地には、雨水及び汚水を排出し、又は処理するための適当な下水管、下水溝又はためます等をしなければならない。

がけ崩れ等の防止
建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合は、擁壁の設置等の措置を講じなければならない。

敷地の衛生及び安全から出題された過去問題

【令和4年問題】
敷地内の排水に支障がなかったので、建築物の敷地は、これに接する道の境よりも低くした。

設問は、適合する。

法第19条第1項より、建築物の敷地は、これに接する道の境より高くなければならず、建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くなければならない。ただし、敷地内の排水に支障がない場合又は建築物の用途により防湿の必要がない場合においては、この限りでない。

【平成30年問題】

敷地内の排水に支障がなかったので、建築物の敷地は、これに接する道の境よりも低くした。

設問は、適合する

法第19条第1項より、建築物の敷地は、これに接する道の境より高くなければならず、建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くなければならない。ただし、敷地内の排水に支障がない場合又は建築物の用途により防湿の必要がない場合においては、この限りでない。

居室の採光

法第28条第1項
令第19条

採光に有効な部分の面積の割合

住宅の場合、居室の床面積に対しての1/7以上です。
住宅以外の場合、採光に有効な部分の面積の割合は、以下の表のとおりです。

居室の種類割合
幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校又は幼保連携型認定こども園の教室1/5
保育所及び幼保連携型認定こども園の保育室
病院又は診療所の病室1/7
寄宿舎の寝室又は下宿の宿泊室
児童福祉施設等の寝室(入所する者の使用するものに限る。)
児童福祉施設等(保育所を除く。)の居室のうちこれらに入所し、又は通う者に対する保育、訓練、日常生活に必要な便宜の供与などの目的のために使用されるもの居室
①に掲げる学校以外の学校の教室1/10
病院、診療所及び児童福祉施設等の居室のうち入院患者又は入所する者の談話、娯楽などの目的のために使用されるもの居室

採光の有効面積の算定方法

有効採光面積=W×A
W:窓の面積、A:採光補正係数

A=d/h×α-β ただし、A≦3
d:窓の直上にある建築物の各部分から隣地境界線等までの水平距離
h:窓の中心から直上の建築物の各部分までの垂直距離

用途地域αβ
住居系地域61.4
工業系地域81
商業系地域101

天窓:A×3.0
窓の外側に幅90㎝以上の縁側がある開口部:A×0.7

開口部が、道に面する場合にあつては当該道の反対側の境界線とし、公園、広場、川その他これらに類する空地又は水面に面する場合にあつては当該公園、広場、川その他これらに類する空地又は水面の幅の1/2だけ隣地境界線の外側にある線とする。

チェックポイント
  • 住宅の居室と令第19条の居室以外は、採光に有効な部分の面積の割合が定められていないよ。
  • 「天窓」や「縁側」による採光補正係数の割増しや低減があるよ。
  • 開口部が道路や公園等に面する場合の隣地境界線等までの水平距離を整理しよう。
  • ふすま等で仕切られた2室は1室とみなすよ。

居室の採光から出題された過去問題

【令和4年問題】
居室に設ける開口部で、公園に面するものについて、採光に有効な部分の面積を算定するに当たり、その公園の反対側の境界線を隣地境界線とした。

設問は、適合しない。

令第20条第2項第一号より、採光に有効な部分の面積を算定する場合の隣地境界線は、公園、広場、川その他これらに類する空地又は水面に面する場合にあつては当該公園、広場、川その他これらに類する空地又は水面の幅の1/2だけ隣地境界線の外側にある線とする。

【平成30年問題】

居室に設ける開口部で、川に面するものについて、採光に有効な部分の面積を算定する場合、当該川の反対側の境界線を隣地境界線とした。

設問は、適合しない

令第20条第2項第一号より、採光に有効な部分の面積を算定する場合の隣地境界線は、公園、広場、川その他これらに類する空地又は水面に面する場合にあつては当該公園、広場、川その他これらに類する空地又は水面の幅の1/2だけ隣地境界線の外側にある線とする

居室の換気・火気使用室の換気設備

居室の換気

法第28条第2項
令第20条の2
令第129条の2の5

居室には換気のための窓や換気設備を設けなければなりません。

窓等による換気は、居室の床面積に対し1/20以上とする。

ただし、以下のいずれかの換気設備を設けた場合はこの限りではない。

  • 自然換気
  • 機械換気
  • 中央管理方式の空調設備

※法別表1表(い)欄(1)項の特殊建築物の居室は、自然換気は除きます。

火気使用室の換気設備

法第28条第3項
令第20条の3

火気使用室とは、調理室等をいい、法第28条第3項より、換気設備を設けなければならない。
ただし、令第20条の3より、以下の1~3の場合は火気使用室から除かれています

火気使用室から除かれる場合
  1. 「密閉式燃焼器具等」のみが設置されている場合
  2. 床面積の合計が100㎡以内の住宅の調理室で、発熱量の合計が12kw以下で、床面積の1/10かつ0.8㎡以上の開口部のある場合
  3. 住宅の調理室以外の室で、発熱量の合計が6kw以下で、換気上有効な開口部のある場合

居室の換気・火気使用室の換気設備から出題された過去問題

【令和5年問題】
木造2階建て、延べ面積 100 ㎡の一戸建て住宅の計画に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。
発熱量の合計が 12 ㎾の火を使用する器具(「密閉式燃焼器具等又は煙突を設けた器具」ではない。)のみを設けた調理室(床面積 7 ㎡)に、0.7 ㎡の有効開口面積を有する開口部を換気上有効に設けたので、その他の換気設備を設けなかった。

設問は、適合しない

法第28条第3項より、建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたものには、政令で定める技術的基準に従つて、換気設備を設けなければならない。
ただし、令第20条の3第1項各号に定めるものは除く。第二号より、住宅の床面積が100㎡以内火を使用する器具の発熱量が12kW以下調理室の床面積の1/10以上かつ0.8㎡以上の換気上有効な開口部が設置されているものは、換気設備を設けなくてよい。
設問の調理室は10㎡×1/10=1㎡以上の換気上有効な開口部が必要であるため、換気設備を設けなければならない。

【令和2年問題】

居室以外の室において、密閉式燃焼器具のみを設けたので、換気設備を設けなかった。

設問は、適合する

法第28条第2項より、居室以外の室には、換気設備は設けなくてよい。
また、同条第3項及び令第20条の3第1項第一号より、密閉式燃焼器具は、火を使用する設備若しくは器具を設けたものから除かれているため、換気設備を設けなくてよい。

【令和元年問題】

木造 2 階建て、延べ面積 120㎡の一戸建て住宅の計画に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。
発熱量の合計が 10 kWの火を使用する器具(「密閉式燃焼器具等又は煙突を設けた器具」ではない。)のみを設けた調理室(床面積 8㎡)に、 1㎡の有効開口面積を有する開口部を換気上有効に設けたので、換気設備を設けなかった。

設問は、適合しない

法第28条第3項より、建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたものには、政令で定める技術的基準に従つて、換気設備を設けなければならない。
ただし、令第20条の3第1項各号に定めるものは除く。第二号より、住宅の床面積が100㎡以内火を使用する器具の発熱量が12kW以下調理室の床面積の1/10以上かつ0.8㎡以上の換気上有効な開口部が設置されているものは、換気設備を設けなくてよい。
設問は、床面積の合計が100㎡を超える住宅の調理室のため、換気設備を設けなければならない。

【平成29年問題】

 木造2階建て、延べ面積 100㎡の一戸建て住宅の計画に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。
発熱量の合計が 12㎾の火を使用する器具(「密閉式燃焼器具等又は煙突を設けた器具」ではない。)のみを設けた調理室(床面積 10㎡)に、0.9㎡の有効開口面積を有する開口部を換気上有効に設けたので、その他の換気設備を設けなかった。

設問は、適合しない

法第28条第3項より、建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたものには、政令で定める技術的基準に従つて、換気設備を設けなければならない。
ただし、令第20条の3第1項各号に定めるものは除く。第二号より、住宅の床面積が100㎡以内火を使用する器具の発熱量が12kW以下調理室の床面積の1/10以上かつ0.8㎡以上の換気上有効な開口部が設置されているものは、換気設備を設けなくてよい。
設問の調理室は10㎡×1/10=1㎡以上の換気上有効な開口部が必要であるため、換気設備を設けなければならない。

シックハウス対策

法第28条の2
令第20条の4
令第20条の5
令第20条の6
令第20条の7
令第20条の8

化学物質ごとの規制内容

法第28条の2より、シックハウス対策が定められており、対象となる化学物質ごとの、規制内容については政令で定められています

化学物質ごとの規制内容

石綿(アスベスト)
建築材料に石綿を添付しないこと。
石綿を添付した建築材料を使用しないこと。

クロルピリホス
居室を有する建築物の建築材料について、クロルピリホスを添付した建築材料を使用しないこと。

ホルムアルデヒド
内装の仕上げの制限:居室の種類及び換気回数に応じた、ホルムアルデヒド発散材の面積制限
換気設備の義務づけ:24時間換気設備の設置の義務付け
天井裏等の制限(下のいずれか)

  • F☆☆☆等級以上の建材使用
  • 気密層、通気止めによる措置
  • 換気設備による措置
チェックポイント
  • 法第28条の2第一号の「石綿等」は、「石綿」のみ。
  • 法第28条の2第三号の「石綿等以外の物質」は、「クロムピリホス」と「ホルムアルデヒド」

必要有効換気量の算定

令第20条の8より、機械換気設備による場合は、有効換気量が次の式によって計算した必要有効換気量以上であることが定められています。

必要有効換気量の算定式

Vr=nAh
Vr 必要有効換気量(単位 ㎥/h)
n 住宅等の居室にあつては0.5、その他の居室にあつては0.3
A 居室の床面積(単位 ㎡)
h 居室の天井の高さ(単位 m)

チェックポイント
  • 必要有効換気量の算定は演習しておきましょう。
  • 居室には、ガラリ等により相互に通気が確保されている廊下等の部分を含むよ。

シックハウス対策から出題された過去問題

【令和4年問題】
居間(床面積 16㎡、天井の高さ 2.5m)に機械換気設備を設けるに当たり、「居室を有する建築物の換気設備についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準」による有効換気量を、20㎥/hとした。

設問は、適合する。

令第20条の8第1項第一号イ(1)より、必要有効換気量の算定式は、
Vr=nAh
Vr 必要有効換気量(単位 ㎥/h)
n 住宅等の居室にあつては0.5、その他の居室にあつては0.3
A 居室の床面積(単位 ㎡)
h 居室の天井の高さ(単位 m)
Vr=0.5×16㎡×2.5m=20.0㎥/h
よって必要有効換気量は、20.0㎥/hである。

【令和3年問題】

建築材料には、クロルピリホスを添加しなかった。

設問は、適合する

令第20条の6より、建築材料にクロルピリホスは添付してはいけない

【令和2年問題】

居間(床面積 20㎡、天井の高さ 2.4 m)に機械換気設備を設けるに当たり、「居室を有する建築物の換気設備についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準」による有効換気量を、20㎥/hとした。

設問は、適合しない

令第20条の8第1項第一号イ(1)より、有効換気量が、次の式によつて計算した必要有効換気量以上であること。
Vr=nAh
Vr 必要有効換気量(単位 ㎥/h)
n 住宅等の居室にあつては0.5、その他の居室にあつては0.3
A 居室の床面積(単位 ㎡)
h 居室の天井の高さ(単位 m)
Vr=0.5×20㎡×2.4m=24㎥/h
必要有効換気量24㎥/h>有効換気量20㎥/hであるため、適合しない。

【平成30年問題】

居間(床面積16㎡、天井の高さ2.5m)に機械換気設備を設けるに当たり、「居室を有する建築物の換気設備についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準」による有効換気量を、20㎥/hとした。

設問は、適合する
令第20条の8第1項第一号イ(1)より、必要有効換気量の算定式は、
Vr=nAh
Vr 必要有効換気量(単位 ㎥/h)
n 住宅等の居室にあつては0.5、その他の居室にあつては0.3
A 居室の床面積(単位 ㎡)
h 居室の天井の高さ(単位 m)
Vr=0.5×16㎡×2.5m よって必要有効換気量は、20.0㎥/hである。

【平成30年問題】

「居室を有する建築物の建築材料についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準」において、寝室と廊下が常時開放された開口部を通じて相互に通気が確保されていたので、廊下に所定の機械換気設備を設けた。

設問は、適合する
令第20条の7第1項第一号より、居室には、常時開放された開口部を通じてこれと相互に通気が確保される廊下その他の建築物の部分を含むため、寝室と廊下が常時開放された開口部を通じて相互に通気が確保されていたので、廊下に所定の機械換気設備を設けてもよい。

長屋又は共同住宅の各戸の界壁

法第30条(長屋又は共同住宅の各戸の界壁)
令第22条の3(長屋又は共同住宅の界壁の遮音構造等)

長屋又は共同住宅の各戸の界壁に求められる性能等は次に掲げる基準に適合するものです。

  • 振動数の音に対する透過損失がそれぞれ表に掲げる数値以上であること。
  • 小屋裏又は天井裏に達するものであること。
    ※天井の構造が技術的基準に適合するもので、大臣が定めた構造方法又は大臣認定である場合においては、適用しない。
振動数(単位 Hz)透過損失(単位 dB)
12525
50040
2,00050
チェックポイント
  • 対象建築物は、長屋と共同住宅です。(遮音により各戸のプライバシー確保)

長屋又は共同住宅の各戸の界壁から出題された過去問題

【令和3年問題】

各戸の界壁を小屋裏又は天井裏に達するものとしなかったので、遮音性能については、天井の構造を天井に必要とされる技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとした。

設問は、適合する

法第30条第2項より、長屋又は共同住宅の天井の構造が、隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するために天井に必要とされる性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものである場合においては、適用しない。

【令和2年問題】

各戸の界壁は、その構造を界壁に必要とされる遮音性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣の認定を受けたものとし、かつ、小屋裏又は天井裏に達するものとした。

設問は、適合する

法第30条第1項各号より、共同住宅の各戸の界壁は、その構造を界壁に必要とされる遮音性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣の認定を受けたものとし、かつ、小屋裏又は天井裏に達するものとする。

居室の天井の高さ

令第21条

居室の天井の高さ

居室の天井高さは、2.1m以上でなければならない。

1室で天井高さが異なるときは、平均の高さによる。
平均の高さ=居室の容積(㎥)/居室の床面積(㎡)

チェックポイント
  • 天井高さが定められているのは「居室」だけだよ。
  • 天井高さが異なる場合の天井高さの算定は、演習しておこう。

居室の天井の高さから出題された過去問題

【令和3年問題】

居間の天井の高さを 2.3 mとし、便所の天井の高さを 2.0 mとした。

設問は、適合する

令第21条第1項より、居室の天井の高さは、2.1m以上でなければならない。
法第2条第四号より、居間は居室であるが、便所は居室ではない。

【令和2年問題】

寝室の天井の高さを 2.4 mとし、便所の天井の高さを 2.0 mとした。

設問は、適合する

令第21条第1項より、居室の天井の高さは、2.1m以上でなければならない。
法第2条第四号より、寝室は居室であり、便所は居室ではない。

【平成29年問題】

子ども部屋のクロゼット(収納スペース)の天井の高さを、2.0mとした。

設問は、適合する

令第21条第1項より、居室の天井の高さは、2.1m以上でなければならない。
法第2条第四号より、クロゼットは居室ではないので、天井高さの制限を受けない。

居室の床の高さ及び防湿方法

令第22条

最下階の居室の床が木造である場合、床高及び防湿方法の基準は以下のとおりです。

床の高さ及び防湿方法

床高
直下の地面からその床の上面まで45㎝以上とすること。

防湿方法
外壁の床下部分には、壁の長さ5m以下ごとに、面積300㎠以上の換気孔を設け、これにねずみの侵入を防ぐための設備をすること。

適用除外
床下をコンクリート等の材料で覆う場合及び地面から発生する水蒸気によつて腐食しないものとして、大臣の認定を受けたものである場合

居室の床の高さ及び防湿方法から出題された過去問題

【令和5年問題】
1 階に設ける納戸について、床を木造とし、直下の地面からその床の上面までを 40 ㎝とした。

設問は、適合する

令第22条より、最下階の居室の床が木造である場合、床の高さは、直下の地面からその床の上面まで45㎝以上とすることが定められている。

法第2条四号より、納戸は居室ではないのでこの規定は適用されません。

【令和5年問題】
1 階の居室の床下をコンクリートで覆ったので、床の高さを、直下の地面からその床の上面まで 40 ㎝とした。

設問は、適合する

令第22条ただし書きより、床下をコンクリート、たたきその他これらに類する材料で覆う場合においては、直下の地面からその床の上面まで 45㎝未満とできる

【令和元年問題】

1 階の居室の床下をコンクリートで覆ったので、床の高さを、直下の地面からその床の上面まで 40㎝とした。

設問は、適合する

令第22条ただし書きより、床下をコンクリート、たたきその他これらに類する材料で覆う場合においては、直下の地面からその床の上面まで 45㎝未満とできる

【平成29年問題】

1階の居室の床下をコンクリートで覆ったので、床の高さを、直下の地面からその床の上面まで 30㎝とした。

設問は、適合する

令第22条ただし書きより、床下をコンクリート、たたきその他これらに類する材料で覆う場合においては、直下の地面からその床の上面まで 45㎝未満とできる

階段の規定

階段・踊場の幅・蹴上げ・踏面の寸法

令第23条
令第24条

令第23条より、建物の用途ごとの階段の幅、けあげ、踏面等の寸法が定められており、令第24条より、踊場の位置等が定められています。
なお、回り階段の部分における踏面の寸法は、踏面の狭い方の端から30㎝の位置において測ります。

階段・踊場の幅・蹴上げ・踏面の寸法

住宅の階段

  • 建物の用途:住宅
  • 階段・踊場の幅:75㎝以上
  • 蹴上げ:23㎝以上
  • 踏面:15㎝以上
  • 踊場の位置:高さ4m以内ごと
  • 直通階段の踊場の踏面:1.2m以上

令23条 表(1)の階段

  • 建物の用途:小学校の児童用
  • 階段・踊場の幅:140㎝以上
  • 蹴上げ:16㎝以上
  • 踏面:26㎝以上
  • 踊場の位置高さ:3m以内ごと
  • 直通階段の踊場の踏面:1.2m以上

令23条 表(2)の階段

  • 建物の用途
    中学校・高等学校・中等教育学校の生徒用、物販店舗で床面積1,500㎡超え、劇場・映画館・演芸場・観覧場・公会堂・集会場の客用
  • 階段・踊場の幅:140㎝以上
  • 蹴上げ:18㎝以上
  • 踏面:26㎝以上
  • 踊場の位置:高さ3m以内ごと
  • 直通階段の踊場の踏面:1.2m以上

令23条 表(3)の階段

  • 建物の用途
    直通階の居室の床面積の合計200㎡超えの地上階用、居室の床面積の合計100㎡超えの地階・高工作物内用
  • 階段・踊場の幅:120㎝以上
  • 蹴上げ:20㎝以上
  • 踏面:24㎝以上
  • 踊場の位置高さ:4m以内ごと
  • 直通階段の踊場の踏面:1.2m以上

令23条 表(4)の階段

  • 建物の用途:表(1)から(3)以外のもの
  • 階段・踊場の幅:75㎝以上
  • 蹴上げ:22㎝以上
  • 踏面:21㎝以上
  • 踊場の位置高さ:4m以内ごと
  • 直通階段の踊場の踏面:1.2m以上

その他の階段

屋外階段の幅は、避難用直通階段は90㎝以上、それ他の階段は60㎝以上
昇降機の機械室用は、蹴上げ23㎝以上、踏面15㎝以上

階段の手すり

令第25条

手すりに関する規定は以下のとおりです。

階段の手すり
  • 階段には手すりを設けなければならない
  • 階段及び踊場の両側(手すりが設けられた側を除く)には、側壁又はこれに代わるものを設けなければならない
  • 階段の幅が3mをこえる場合においては、中間に手すりを設けなければならない
緩和規定
  • 高さ≦1mの階段、傾斜路の部分には、適用しない
  • けあげ≦15㎝、かつ踏面≧30㎝の階段の場合、中間の手すりの規定は適用されない
  • 手すりの突出した部分は、10㎝を限度としてないものとみなして階段幅を算定する

傾斜路

令第26条

傾斜路(スロープ)に関する規定は以下のとおりです。

傾斜路(スロープ)
  • 勾配は1/8を超えないこと
  • 表面は、粗面とし、又はすべりにくい材料で仕上げること
  • 踊場の幅、手すりの設置などは、令23条~令25条までの規定を準用する

特殊階段

令第27条

令23条~令25条までの規定は、昇降機機械室用階段、物見塔用階段その他特殊の用途に専用する階段には、適用しない。

階段から出題された過去問題

【令和5年問題】
階段に代わる高さ 1.2 mの傾斜路に幅 10 ㎝の手すりを設けたので、当該傾斜路の幅の算定に当たっては、手すりはないものとみなした。

設問は、適合する

令第23条第3項より、階段及びその踊場に手すり及び階段の昇降を安全に行うための設備でその高さが50㎝以下のものが設けられた場合における階段及びその踊場の幅は、手すり等の幅が10㎝を限度として、ないものとみなして算定する。
また、令第26条第2項より、この規定は傾斜路に準用する。

【令和4年問題】
回り階段の部分における踏面の寸法を、踏面の狭い方の端から 30㎝の位置において、15㎝とした。

設問は、適合する

令第23条第1項より、住宅の階段(共同住宅の共用の階段を除く。)の蹴上げは23㎝以下、踏面は15㎝以上とすることができる。
同条第2項より、回り階段の部分における踏面の寸法は、踏面の狭い方の端から30㎝の位置において測るものとする。

【令和4年問題】
階段(高さ 3.0 mの屋内の直階段)の高さ 1.5mの位置に、踏幅 1.1mの踊場を設けた。

設問は、適合する。

令第24条より、第23条第1項の表の(1)又は(2)に該当する階段でその高さが3mをこえるものにあつては高さ3m以内ごとに、その他の階段でその高さが4mをこえるものにあつては高さ4m以内ごとに、踏幅1.2m以上の踊場を設けなければならない。
住宅は、(1)又は(2)に該当しないため、4m以内ごとに踊場を設ければよいため、設問は踏幅1.2m以上の踊場を設ける必要はない。

【令和3年問題】

 木造 2 階建て、延べ面積 180㎡の長屋の計画に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。
階段の片側にのみ幅 12㎝の手すりを設けたので、階段の幅は、77㎝とした。

設問は、適合する

令第23条第1項より、住宅の階段の幅は、75 ㎝以上としなければならない。
また、同条第3項より、手すり等の幅が10㎝を限度として、ないものとみなして算定する。

【令和2年問題】

 木造 2 階建て、延べ面積 200㎡の共同住宅の計画に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。ただし、国土交通大臣が定めた構造方法は考慮しないものとする。
階段(高さ 3.0 mの屋外の直階段)の高さ 1.5 mの位置に、踏幅 1.0 mの踊場を設けた。

設問は、適合する

令第24条より、第23条第1項の表の(1)又は(2)に該当する階段でその高さが3mをこえるものにあつては高さ3m以内ごとに、その他の階段でその高さが4mをこえるものにあつては高さ4m以内ごとに、踏幅1.2m以上の踊場を設けなければならない。
共同住宅は、(1)又は(2)に該当しないため、4m以内ごとに踊場を設ければよいため、設問は踏幅1.2m以上の踊場を設ける必要はない。

【平成29年問題】

木造2階建て、延べ面積 100㎡の一戸建て住宅の計画に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。
階段(高さ 3.0mの屋内の直階段)の高さ 1.5mの位置に、踏幅 1.1mの踊場を設けた。

設問は、適合する

令第24条より、第23条第1項の表の(1)又は(2)に該当する階段でその高さが3mをこえるものにあつては高さ3m以内ごとに、その他の階段でその高さが4mをこえるものにあつては高さ4m以内ごとに、踏幅1.2m以上の踊場を設けなければならない。
住宅は、(1)又は(2)に該当しないため、4m以内ごとに踊場を設ければよいため、設問は踏幅1.2m以上の踊場を設ける必要はない。

【令和元年問題】

木造 2 階建て、延べ面積 120㎡の一戸建て住宅の計画に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。
階段(直階段)の蹴上げの寸法を 23㎝、踏面の寸法を 15㎝とした。

設問は、適合する

令第23条第1項より、住宅の階段(共同住宅の共用の階段を除く。)の蹴上げは23㎝以下、踏面は15㎝以上とすることができる。

【令和元年問題】

木造 2 階建て、延べ面積 120㎡の一戸建て住宅の計画に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。
高さ 1 m以下の階段の部分には、手すりを設けなかった。

設問は、適合する

令第25条第4項より、高さ 1 m以下の階段の部分には、手すりを設けなくてよい

【平成30年問題】

木造2階建て、延べ面積100㎡の一戸建て住宅の計画に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。ただし、国土交通大臣が定めた構造方法及び国土交通大臣の認定は考慮しないものとする。
回り階段の部分における踏面の寸法を、踏面の狭い方の端から30㎝の位置において、15㎝とした。

設問は、適合する

令第23条第1項より、住宅の階段(共同住宅の共用の階段を除く。)の蹴上げは23㎝以下、踏面は15㎝以上とすることができる。
同条第2項より、回り階段の部分における踏面の寸法は、踏面の狭い方の端から30㎝の位置において測るものとする。

【平成29年問題】

木造2階建て、延べ面積 100㎡の一戸建て住宅の計画に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。
階段に代わる高さ 1.2mの傾斜路に幅 10㎝の手すりを設けたので、当該傾斜路の幅の算定に当たっては、手すりはないものとみなした。

設問は、適合する

令第23条第3項より、階段及びその踊場に手すり及び階段の昇降を安全に行うための設備でその高さが50㎝以下のものが設けられた場合における階段及びその踊場の幅は、手すり等の幅が10㎝を限度として、ないものとみなして算定する。
また、令第26条第2項より、この規定は傾斜路に準用する

便所の規定

法第31条(便所)
令第28条(便所の採光及び換気)

便所は、排水処理及び採光換気が定められています。

便所の規定

排水処理

  • 下水道の処理区域内においては、便所は、水洗便所とし、汚水管が公共下水道に連結させます。
  • 終末処理場を有する公共下水道以外に放流しようとする場合は、屎尿浄化槽又は合併浄化槽を設けます。

採光・換気

直接外気に接する窓を設けます。
ただし、水洗便所で、照明、換気設備を設けた場合は、この限りでない。

便所から出題された過去問題

【令和5年問題】
下水道法第 2 条第八号に規定する処理区域内であったので、便所については、水洗便所とし、その汚水管を下水道法第 2 条第三号に規定する公共下水道に連結した。

設問は、適合する

法第31条第1項より、下水道法第2条第八号に規定する処理区域内においては、便所は、水洗便所とし、汚水管が公共下水道に連結されたものに限られている。

【令和3年問題】

下水道法第 2 条第八号に規定する処理区域内であったので、便所を水洗便所とし、その汚水管を合併処理浄化槽に連結させ、便所から排出する汚物を公共下水道以外に放流した。

設問は、適合しない

法第31条第1項より、下水道法第2条第八号に規定する処理区域内においては、便所は、水洗便所とし、汚水管が公共下水道に連結されたものに限られている。

【令和元年問題】

下水道法第 2 条第八号に規定する処理区域内であったので、便所については、水洗便所とし、その汚水管を下水道法第 2 条第三号に規定する公共下水道に連結した。

設問は、適合する

法第31条第1項より、下水道法第2条第八号に規定する処理区域内においては、便所は、水洗便所とし、汚水管が公共下水道に連結されたものに限られている。

問題No.4【一般構造①】のまとめ

  • 出題の範囲は、一般構造の規定「敷地の衛生及び安全、有効採光面積、火気使用室の換気設備、シックハウス対策、界壁の遮音性、天井高、床高、階段、便所」となります。
  • 法律(法第19条、法第28条~法第34条)と施行令第2章 一般構造(令19条~令35条)を確認します。

問題No.5【一般構造② 図形・図面形式】と出題される法令の範囲は同じですので、一緒に対策することで、効率的に学習することができます。

二級建築士 建築法規 問題No.5【一般構造② 図形・図面形式】徹底解説※完全無料 【過去問題一覧】二級建築士試験「建築法規」【解答・解説付】※完全無料