二級建築士 建築法規 問題No.2【総則② 確認の手続き】徹底解説※完全無料

主な関係法令【総則② 確認の手続き】
  • 法第6条(建築物の建築等に関する申請及び確認)
  • 法第87条(用途の変更に対するこの法律の準用)
  • 法第87条の4(建築設備への準用)
  • 法第88条(工作物への準用)
  • 法別表第1(耐火建築物等としなければならない特殊建築物)
  • 令第138条(工作物の指定)
  • 令第146条(確認等を要する建築設備)

建築法規の問題の2問目に出題されるのが、「確認済証の交付が必要(又は不要)な建築物」です。

主に法6条から出題され、建物の規模、構造、用途、建築行為の種類、地域等に応じて、確認済証の交付が必要(又は不要)な建築物について、五肢択一式の問題で出題されます。

防火・準防火地域外の10㎡以内の増改築や建築物でないものは、確認済証の交付は不要ですので、注意してください。

また、建築設備や工作物の築造による確認済証の交付が必要(又は不要)についてもよく出題されます。

建築物の建築等に関する確認

法第6条第1項
法別表第1

法6条1項1号~3号の建築物は、全国どの場所においても、確認済証の交付を受ける必要があります。
建物の規模や用途、構造から確認済証の交付を受ける必要があるかを判断します。

  • 用途を確認します。
    法別表第1の特殊建築物に該当して、その用途の床面積が200㎡超えるのであれば1号建築物となり確認済証の交付を受ける必要があります。
  • 構造規模を確認します。
    木造または木造以外のどちらかを確認し、階数、延べ面積、高さから、2号または3号建築物となる場合は、確認済証の交付を受ける必要があります。

法第6条1項1号の建築物

対象建築物
法別表第1の特殊建築物

規模
用途の床面積200㎡超え

工事種別
新築、増築、改築、移転、大規模の修繕、大規模の模様替、用途変更

特殊建築物の一覧表

区分用途
不特定多数(集中)
施行令未制定
劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場
宿泊就寝
令15条の3第一号
病院、診療所(患者の収容施設があるもの)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設等
児童福祉施設等(令19条)
特定多数
令15条の3第二号
学校、体育館
博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場又はスポーツの練習場
不特定多数
令15条の3第三号
百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場
公衆浴場、待合、料理店、飲食店、物品販売業を営む店舗(床面積10㎡以内除く)
火災荷重大
施行令未制定
倉庫
火災危険大
令15条の3第四号
自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ、テレビスタジオ
映画スタジオ、テレビスタジオ

法第6条1項2号の建築物

対象建築物
木造の建築物

規模
階数3以上又は延べ面積500㎡又は高さ13m超え又は軒高9m超え

工事種別
新築、増築、改築、移転、大規模の修繕、大規模の模様替

法第6条1項3号の建築物

対象建築物
木造以外の建築物

規模
階数2以上又は延べ面積200㎡超え

工事種別
新築、増築、改築、移転、大規模の修繕、大規模の模様替

建築物の建築等に関する確認(木造建築物)から出題された過去問題

【令和4年問題】
木造 2 階建て、延べ面積 200㎡、高さ 9mの旅館の新築

確認済証の交付を受ける必要がない。

法第6条(建築物の建築等に関する申請及び確認)第1項第一号より、法別表第1(耐火建築物等としなければならない特殊建築物)(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものは、確認済証の交付を受ける必要がある。
法第6条第1項第二号は、木造の建築物で3以上の階数を有し、又は延べ面積が500㎡、高さが13m若しくは軒の高さが9mを超えるものである。
木造 2 階建て、延べ面積 200㎡、高さ 9mの旅館の新築は、どちらにも該当しないため、確認済証の交付を受ける必要がない。

【令和3年問題】

木造 2 階建て、延べ面積 200㎡、高さ 9 mの集会場の新築

確認済証の交付を受ける必要がない。

法第6条第1項第一号は、別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものである。
法第6条第1項第二号は、木造の建築物で3以上の階数を有し、又は延べ面積が500㎡、高さが13m若しくは軒の高さが9mを超えるものである。
床面積が200㎡を超えず、高さも13mを超えないことから、確認済証の交付を受ける必要がない。

【令和2年問題】

木造 2 階建て、延べ面積 200㎡、高さ 9 mの共同住宅の新築

確認済証の交付を受ける必要がない。

法第6条第1項第一号は、別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものである。
法第6条第1項第二号は、木造の建築物で3以上の階数を有し、又は延べ面積が500㎡、高さが13m若しくは軒の高さが9mを超えるものである。
木造 2 階建て、延べ面積 200㎡、高さ 9 mの共同住宅の新築は、これにあたらない。
よって、確認済証の交付を受ける必要がない。

【令和元年問題】

木造 2 階建て、延べ面積 100㎡、高さ 9 mの集会場の新築

確認済証の交付を受ける必要がない

法第6条第1項第一号より、確認済証の交付を受ける必要があるものは、別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものである。
法第6条第1項第二号より、確認済証の交付を受ける必要があるものは、木造の建築物で3以上の階数を有し、又は延べ面積が500㎡、高さが13m若しくは軒の高さが9mを超えるものである。
床面積が200㎡を超えず、高さも13mを超えないことから、確認済証の交付を受ける必要がない。

【令和元年問題】

木造 2 階建て、延べ面積 200㎡、高さ 8 mの一戸建て住宅の新築

確認済証の交付を受ける必要がない

法第6第1項第二号より、確認済証の交付を受ける必要があるものは、木造の建築物で3以上の階数を有し、又は延べ面積が500㎡、高さが13m若しくは軒の高さが9mを超えるものである。

【平成29年問題】

木造2階建て、延べ面積 500㎡、高さ8mの一戸建て住宅の大規模の修繕

確認済証の交付を受ける必要がない

法第6第1項第二号より、確認済証の交付を受ける必要があるものは、木造の建築物で3以上の階数を有し、又は延べ面積が500㎡、高さが13m若しくは軒の高さが9mを超えるものである。よって、確認済証の交付を受ける必要がない。

【平成29年問題】

木造平家建て、延べ面積 150㎡、高さ5mのアトリエ兼用住宅(アトリエ部分は床面積 50㎡)の大規模の模様替

確認済証の交付を受ける必要がない

法第6第1項第二号より、確認済証の交付を受ける必要があるものは、木造の建築物で3以上の階数を有し、又は延べ面積が500㎡、高さが13m若しくは軒の高さが9mを超えるものである。よって、確認済証の交付を受ける必要がない。

建築等に関する確認(木造以外建築物)から出題された過去問題

【令和5年問題】
鉄骨造2階建て、延べ面積 100 ㎡の一戸建て住宅の新築

確認済証の交付を受ける必要がある

法第6条第1項第三号より、木造以外の建築物で2以上の階数を有し、又は延べ面積が200㎡を超えるものは、確認済証の交付を受ける必要がある。

【令和4年問題】
鉄骨造平家建て、延べ面積 200㎡の飲食店の新築

確認済証の交付を受ける必要がない。

法第6条(建築物の建築等に関する申請及び確認)第1項第一号より、法別表第1(耐火建築物等としなければならない特殊建築物)(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものは、確認済証の交付を受ける必要がある。
法第6条第1項第三号より、木造以外の建築物で2以上の階数を有し、又は延べ面積が200㎡を超えるものは、確認済証の交付を受ける必要がある。
鉄骨造平家建て、延べ面積 200㎡の飲食店の新築は、どちらにも該当しないため、確認済証の交付を受ける必要がない。

【令和3年問題】

鉄骨造平家建て、延べ面積 300㎡の診療所(患者の収容施設を有しないもの)の大規模の模様替

確認済証の交付を受ける必要がある

法第6条第1項第三号より、木造以外の建築物で2以上の階数を有し、又は延べ面積が200㎡を超えるものは、確認済証の交付を受ける必要がある。

【令和2年問題】

鉄骨造平家建て、延べ面積 100㎡の一戸建て住宅における、鉄骨造平家建て、床面積 100㎡の事務所の増築

確認済証の交付を受ける必要がない。

法第6条第1項各号より、鉄骨造平家建て、延べ面積 100㎡の一戸建て住宅における、鉄骨造平家建て、床面積 100㎡の事務所の増築は、これにあたらない。よって、確認済証の交付を受ける必要がない。

【令和2年問題】

鉄筋コンクリート造平家建て、延べ面積 300㎡の事務所の大規模の修繕

確認済証の交付を受ける必要がある。

法第6条第1項三号より、木造以外の建築物で2以上の階数を有し、又は延べ面積が200㎡を超えるものは、確認済証の交付を受ける必要がある。

【令和元年問題】

鉄骨造 2 階建て、延べ面積 90㎡の一戸建て住宅の大規模の修繕

確認済証の交付を受ける必要がある

法第6条第1項第三号より、木造以外の建築物で2以上の階数を有し、又は延べ面積が200㎡を超えるものの大規模修繕は、確認済証の交付を受ける必要がある。

【平成30年問題】
鉄骨造平家建て、延べ面積200㎡の診療所(患者の収容施設を有しないもの)の大規模の修繕

確認済証の交付を受ける必要がない

法第6条第1項第一号より、確認済証の交付を受ける必要があるものは、別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものである。患者の収容施設を有しない診療所は、別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物に該当しない。また、延べ面積200㎡も超えていない。
法第6条第1項第三号より、確認済証の交付を受ける必要があるものは、木造以外の建築物で2以上の階数を有し、又は延べ面積が200㎡を超えるものである。よって、確認済証の交付を受ける必要がない。

【平成30年問題】

鉄骨造2階建て、延べ面積100㎡の事務所の改築

確認済証の交付を受ける必要がある

法第6条第1項第三号より、木造以外の建築物で2以上の階数を有し、又は延べ面積が200㎡を超えるものの改築は、確認済証の交付を受ける必要がある。

【平成29年問題】

鉄筋コンクリート造平家建て、延べ面積 200㎡の事務所の新築

確認済証の交付を受ける必要がない

法第6条第1項第三号より、確認済証の交付を受ける必要があるものは、木造以外の建築物で2以上の階数を有し、又は延べ面積が200㎡を超えるものである。よって、確認済証の交付を受ける必要がない。

10㎡以内の増改築

法第6条第2項

防火地域、準防火地域外で増築、改築、移転で延べ面積10㎡以内のものは、確認申請は不要となります。

10㎡以内の増改築から出題された過去問題

【令和5年問題】
木造3階建て、延べ面積 210 ㎡、高さ9 mの一戸建て住宅における、木造平家建て、床面積10 ㎡の倉庫の増築

確認済証の交付を受ける必要がない。

法第6条第2項より、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であるときについては、適用しない。
よって、確認済証の交付を受ける必要がない。

【令和4年問題】
木造 3 階建て、延べ面積 200㎡、高さ 9mの一戸建て住宅における、鉄骨造平家建て、床面積10㎡の倉庫の増築

確認済証の交付を受ける必要がない。

法第6条(建築物の建築等に関する申請及び確認)第2項より、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であるときについては、適用しない。
よって、確認済証の交付を受ける必要がない。

【令和3年問題】

鉄骨造 3 階建て、延べ面積 300㎡の美術館における床面積 10㎡の増築

確認済証の交付を受ける必要がない。

法第6条第2項より、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であるときについては、適用しない。よって、確認済証の交付を受ける必要がない。

【令和元年問題】

鉄骨造 3 階建て、延べ面積 300㎡の倉庫における床面積 10㎡の増築

確認済証の交付を受ける必要がない

法第6条第2項より、増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であるときについては、確認済証の交付を受ける必要がない。

【平成30年問題】

鉄骨造2階建て、延べ面積400㎡の工場における床面積10㎡の増築

確認済証の交付を受ける必要がない

法第6条第2項より、増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であるときについては、確認済証の交付を受ける必要がない。

【平成29年問題】

木造3階建て、延べ面積 210㎡、高さ9mの一戸建て住宅における木造平家建て、床面積 10㎡の倉庫の増築

確認済証の交付を受ける必要がない

法第6条第2項より、増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であるときについては、確認済証の交付を受ける必要がない。

建築物に該当しないもの

法第2条第一号

建築物に該当しなければ、確認済証の交付を受ける必要はありません。

建築物とは
土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの
(これに類する構造のものを含む。)
さらに次のものも建築物に該当します。

  • 建築物に附属する門若しくは塀
  • 観覧のための工作物
  • 地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設
  • 建築設備
建築物に該当しないもの

次のものは建築物ではありません。

  • 鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋
  • プラットホームの上家
  • 貯蔵槽等

建築物に該当しないものから出題された過去問題

【令和5年問題】
鉄骨造平家建て、延べ面積 300 ㎡の、鉄道のプラットホームの上家の新築

確認済証の交付を受ける必要がない

法第2条第一号より、プラットホームの上家は建築物ではないため、確認済証の交付を受ける必要がない。

【平成30年問題】

鉄骨造平家建て、延べ面積300㎡の、鉄道のプラットホームの上家の新築

確認済証の交付を受ける必要がない

法第2条第一号より、プラットホームの上家は建築物ではないため、確認済証の交付を受ける必要がない。

用途変更による確認等の手続きの準用

法第87条
法第6条
法別表第1
令第137条の18

建築物の用途を変更して、第6条第1項第一号の特殊建築物のいずれかとする場合、確認申請等の手続きの規定が一部準用されます。
この場合、工事完了後の手続きは、完了検査申請ではなく、完了の届出となります。

用途を変更して確認が必要な建築物

対象建築物
法別表第1の特殊建築物

規模
用途の床面積200㎡超え

特殊建築物の一覧表

区分用途
不特定多数(集中)
施行令未制定
劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場
宿泊就寝
令15条の3第一号
病院、診療所(患者の収容施設があるもの)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設等
児童福祉施設等(令19条)
特定多数
令15条の3第二号
学校、体育館
博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場又はスポーツの練習場
不特定多数
令15条の3第三号
百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場
公衆浴場、待合、料理店、飲食店、物品販売業を営む店舗(床面積10㎡以内除く)
火災荷重大
施行令未制定
倉庫
火災危険大
令15条の3第四号
自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ、テレビスタジオ
映画スタジオ、テレビスタジオ
確認等を要しない類似の用途

類似の用途相互間におけるものである場合は、確認申請の手続きは除かれます

用途変更による確認等の手続きの準用から出題された過去問題

【令和5年問題】
鉄筋コンクリート造2階建て、延べ面積 300 ㎡の共同住宅から事務所への用途の変更

確認済証の交付を受ける必要がない。

法第87条第1項より、建築物の用途を変更して第6条第1項第一号の特殊建築物のいずれかとする場合(当該用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間におけるものである場合を除く。)においては、同条の規定を準用する。
事務所は別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物ではないため、確認済証の交付を受ける必要がない。

【令和4年問題】
木造 2 階建て、延べ面積 300㎡、高さ 8mの事務所から物品販売業を営む店舗への用途の変更

確認済証の交付を受ける必要がある。

法第87条(用途の変更に対するこの法律の準用)第1項より、建築物の用途を変更して法第6条(建築物の建築等に関する申請及び確認)第1項第一号の特殊建築物のいずれかとする場合(当該用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間におけるものである場合を除く。)においては、同条の規定を準用する。
なお、法第6条第1項第一号より、法別表第1(耐火建築物等としなければならない特殊建築物)(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものは、確認済証の交付を受ける必要がある。
物品販売業を営む店舗は、別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物であり、200㎡を超えるため、確認済証の交付を受ける必要がある。

【令和3年問題】

木造 2 階建て、延べ面積 150 ㎡、高さ 8 mの一戸建て住宅から旅館への用途の変更

確認済証の交付を受ける必要がない。

法第87条第1項より、建築物の用途を変更して第6条第1項第一号の特殊建築物のいずれかとする場合(当該用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間におけるものである場合を除く。)においては、同条の規定を準用する。
なお、法第6条第1項第一号は、別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものである。
旅館は別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物であるが、200㎡をこえていないため、確認済証の交付を受ける必要がない。

【令和3年問題】

鉄筋コンクリート造 3 階建て、延べ面積 400㎡の共同住宅から事務所への用途の変更

確認済証の交付を受ける必要がない。

法第87条第1項より、建築物の用途を変更して第6条第1項第一号の特殊建築物のいずれかとする場合(当該用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間におけるものである場合を除く。)においては、同条の規定を準用する。
事務所は別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物ではないため、確認済証の交付を受ける必要がない。

【令和2年問題】

鉄骨造 2 階建て、延べ面積 300㎡の倉庫から事務所への用途の変更

確認済証の交付を受ける必要がない。

法第87条第1項より、建築物の用途を変更して第6条第1項第一号の特殊建築物のいずれかとする場合、同条の規定を準用する。
法第6条第1項第一号及び法別表第1より、事務所はこれにあたらない。
よって、確認済証の交付を受ける必要がない。

【令和2年問題】

木造 2 階建て、延べ面積 150㎡、高さ 8 mの一戸建て住宅から老人福祉施設への用途の変更

確認済証の交付を受ける必要がない。

法第87条第1項より、建築物の用途を変更して第6条第1項第一号の特殊建築物のいずれかとする場合においては、同条の規定を準用する。
なお、法第6条第1項第一号は、別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものである。
令第19条第1項及び令第115条の3第一号より、老人福祉施設は児童福祉施設等に含まれるため、別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物であるが、200㎡をこえていないため、確認済証の交付を受ける必要がない。

【平成29年問題】

鉄骨造平家建て、延べ面積 300㎡の診療所(患者の収容施設がない。)から幼保連携型認定こども園への用途の変更

確認済証の交付を受ける必要がある

法第87条第1項より、建築物の用途を変更して第6条第1項第一号の特殊建築物のいずれかとする場合、同条の規定を準用する。
法第6条第1項第一号より、確認済証の交付を受ける必要があるものは、別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものである。
法別表第1(2)項及び令第115条の3第一号より、幼保連携型認定こども園はこれに該当する。
よって、確認済証の交付を受ける必要がある。

建築設備への準用

法第87条の4
令第146条

昇降機(エレベーター及びエスカレーター、小荷物専用昇降機)その他の建築設備を法第6条第1項第1号から第3号までに掲げる建築物に設ける場合においては、確認済証の交付を受ける必要があります。

確認が必要な昇降機

対象の建築設備
エレベーター、エスカレーター、小荷物専用昇降機

対象工事
法第6条第1項第1号から第3号までに掲げる建築物に設ける工事

工作物への準用

法第88条
令第138条

指定する工作物を築造する場合は、確認済証の交付を受ける必要があります。

指定工作物
  • 煙突(高さ6m超え)
  • 鉄筋コンクリート造の柱、鉄柱、木柱(高さ15m超え)
  • 広告塔、広告板、装飾塔、記念塔(高さ4m超え)
  • 高架水槽、サイロ、物見塔(高さ8m超え)
  • 擁壁(高さ2m超え)
  • 観光用のエレベーター又はエスカレーター
  • 高架の遊戯施設(ウオーターシユート、コースターなど)
  • 原動機を使用する回転運動をする遊戯施設(メリーゴーラウンド、観覧車、オクトパス、飛行塔など)
  • 製造施設、貯蔵施設、遊戯施設、自動車車庫、処理場等

工作物への準用(法第88条)から出題された過去問題

【令和5年問題】
鉄筋コンクリート造、高さ2mの擁壁の築造

確認済証の交付を受ける必要がない。

法第88条第1項より、工作物で政令で指定するものについては、法第6条の規定が準用されるため、確認済証の交付を受ける必要がある。
令第138条第1項第五号より、工作物で指定するものは、高さが2mを超える擁壁である。
2mを超えないため確認済証の交付を受ける必要がない。

【令和4年問題】
鉄筋コンクリート造、高さ 2mの擁壁の築造

確認済証の交付を受ける必要がない。

法第88条(工作物への準用)第1項より、工作物で政令で指定するものについては、法第6条(建築物の建築等に関する申請及び確認)の規定が準用されるため、確認済証の交付を受ける必要がある。
令第138条(工作物の指定)第1項第五号より、工作物で指定するものは、高さが2mを超える擁壁である。
2mを超えないため確認済証の交付を受ける必要がない。

【令和元年問題】

鉄筋コンクリート造、高さ 4 mの記念塔の築造

確認済証の交付を受ける必要がない

法第88条第1項より、工作物で政令で指定するものについては、法第6条の規定が準用されるため、確認済証の交付を受ける必要がある。
令第138条第1項第三号より、工作物で指定するものは、高さが4mを超える広告塔、広告板、装飾塔、記念塔その他これらに類するものであり、4mを超えないため確認済証の交付を受ける必要がない。

【平成30年問題】

鉄筋コンクリート造、高さ2mの擁壁の築造

確認済証の交付を受ける必要がない

法第88条第1項より、工作物で政令で指定するものについては、法第6条の規定が準用されるため、確認済証の交付を受ける必要がある。
令第138条第1項第五号より、工作物で指定するものは、高さが2mを超える擁壁であり、2mを超えないため確認済証の交付を受ける必要がない。

問題No.2【総則② 確認の手続き】のまとめ

  • 用途と構造そして規模を確認し、法第6条第1項第一から三号に該当する建築物であれば確認済証の交付を受ける必要があります。
  • 10㎡以内の増改築は、確認済証の交付を受ける必要はありません。
  • 建築物の用途を変更して、法第6条第1項第一号に該当する建築物とする場合においては、確認済証の交付を受ける必要があります。
  • 令第138条で指定する工作物は、確認済証の交付を受ける必要があります。
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