- 法第2条(用語の定義)
- 令第1条(用語の定義)
- 令第2条(面積、高さ等の算定方法)
建築法規の問題で、毎年1問目に出題されるのが、「用語の定義」です。
各用語の定義について、正誤を五肢択一式ので選択する問題で出題されることがほとんどです。
また、各用途の建築物が特殊建築物に該当するかや、面積や階数等の算定について図形・図面形式問題が出題されることがあります。
用語の定義
主な用語の定義は、法第2条、令第1条、令第2条にあります。
一 建築物
二 特殊建築物
三 建築設備
四 居室
五 主要構造部
六 延焼のおそれのある部分
七 耐火構造、耐火性能
七の二 準耐火構造、準耐火性能
八 防火構造、防火性能
九 不燃材料、不燃性能
九の二 耐火建築物、防火設備
九の三 準耐火建築物
十 設計
十一 工事監理者
十二 設計図書
十三 建築
十四 大規模の修繕
十五 大規模の模様替
十六 建築主
十七 設計者
十八 工事施工者
十九~三十四〔省略〕
三十五 特定行政庁
一 敷地
二 地階
三 構造耐力上主要な部分
四 耐水材料
五 準不燃材料
六 難燃材料
一 敷地面積
二 建築面積
三 床面積
四 延べ面積
五 築造面積
六 建築物の高さ
七 軒の高さ
八 階数
2 地盤面
法第6条 建築基準関係規定
法第23条 準防火性能
令第13条 避難階
令第107条 耐火性能
令第107条の2 準耐火性能
令第108条 防火性能
令第108条の2 不燃性能
令第109条 防火設備
令第109条の2 遮延性能
令第109条の9 準防火性能
令第112条第1項 特定防火設備
・・・etc
建築物
建築物とは
土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの
(これに類する構造のものを含む。)
さらに次のものも建築物に該当します。
- 建築物に附属する門若しくは塀
- 観覧のための工作物
- 地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設
- 建築設備
特殊建築物
特殊な用途の建築物で、例として次の建築物があげられます。
学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物をいう。
「特殊建築物」に該当するかを問われたら
- 法第2条第二号
- 法別表第1(い)欄
- 令第19条第1項
- 令第115条の3各号
を確認します。
法別表第1 特殊建築物の一覧表
区分 | 用途 |
---|---|
不特定多数(集中) 施行令未制定 | 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場 |
宿泊就寝 令15条の3第一号 | 病院、診療所(患者の収容施設があるもの)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設等 |
児童福祉施設等(令19条) | |
特定多数 令15条の3第二号 | 学校、体育館 |
博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場又はスポーツの練習場 | |
不特定多数 令15条の3第三号 | 百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場 |
公衆浴場、待合、料理店、飲食店、物品販売業を営む店舗(床面積10㎡以内除く) | |
火災荷重大 施行令未制定 | 倉庫 |
火災危険大 令15条の3第四号 | 自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ、テレビスタジオ |
映画スタジオ、テレビスタジオ |
建築設備
建築物に設ける設備で次にあげるものです。
電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙、汚物処理の設備、煙突、昇降機、避雷針
居室
居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室のことで、具体的には次にあげるものです。
居間、寝室、応接室、書斎、店舗の売場、工場の作業室、当直室、会議室、待合室、観客席等
主要構造部
防火上重要な部分をいい、次にあげるものです。
壁、柱、床、はり、屋根、階段
延焼のおそれのある部分
隣接する場所で火災が起きた際に、延焼のおそれのある部分として一定の距離が定められています。
- 隣地境界線
- 道路中心線
- 同一敷地内の2以上の建築物相互の外壁間の中心線
これらから1階にあつては3m以下、2階以上にあつては5m以下の距離にある建築物の部分
耐火構造
壁、柱、床等の主要構造部の構造が、政令で定める耐火性能を有する鉄筋コンクリート造、れんが造その他の構造で、大臣が定めた構造方法を用いるもの又は大臣認定を受けたものをいう。
耐火性能とは
通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。
準耐火構造
壁、柱、床等の主要構造部の構造が、政令で定める準耐火性能を有するもので、大臣が定めた構造方法を用いるもの又は大臣認定を受けたものをいう。
準耐火性能とは
通常の火災による延焼を抑制するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。
防火構造
建築物の外壁又は軒裏の構造のうち、防火性能に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄網モルタル塗、しつくい塗その他の構造で、大臣が定めた構造方法を用いるもの又は大臣認定を受けたものをいう。
防火性能とは
建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼を抑制するために当該外壁又は軒裏に必要とされる性能をいう。
不燃材料
建築材料のうち、不燃性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
不燃性能とは
通常の火災時における火熱により燃焼しないことその他の政令で定める性能をいう。
準不燃材料
建築材料のうち、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後10分間政令で定める要件を満たしているものとして、大臣が定めたもの又は大臣の認定受けたものをいう。
難燃材料
建築材料のうち、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後5分間政令で定める要件を満たしているものとして、大臣が定めたもの又は大臣の認定受けたものをいう。
耐火建築物
耐火建築物は主要構造部の性能と外壁の開口部で延焼のおそれのある部分の性能が定められています。
主要構造部が次のいずれかに該当すること。
- 耐火構造であること。
- 次に掲げる性能に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。
(外壁以外の主要構造部にあつては、1に掲げる性能に限る。)
- 当該建築物の構造、建築設備及び用途に応じて屋内において発生が予測される火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
- 当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備を有すること。
防火設備とは
その構造が遮炎性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、大臣が定めた構造方法を用いるもの又は大臣認定を受けたものに限る。
遮炎性能とは
通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。
準耐火建築物
耐火建築物は主要構造部等の性能と外壁の開口部で延焼のおそれのある部分の性能が定められています。
準耐火構造は、主要構造部等の性能で大きく3種類に分けられます。
- 準耐火構造(イ準耐)
主要構造部を準耐火構造としたもの - 準耐火構造(ロ準耐)
1号:外壁耐火構造の準耐火建築物
2号:主要構造部不燃の準耐火建築物
外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備を有すること。
設計
設計とは、建築士がその者の責任において建築物の建築工事の実施のために必要な図面(現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書を作成することをいう。
工事監理者
工事監理とは、建築士がその者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することをいう。
設計図書
建築物、その敷地又工作物に関する工事用の図面(現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書をいう。
建築
建築物を新築、増築、改築、移転することをいう。
- 新築とは
更地に新たに建築物をつくること。 - 増築とは
既存の建築物がある敷地内に、新たに建築物をつくること。 - 改築とは
従前の建築物を取り壊して、位置、用途、構造、階数、規模がほぼ同程度の建築物をつくること。 - 移転とは
同一敷地内において建築物の位置を移動すること。
大規模の修繕
建築物の主要構造部の1種以上について行う過半の修繕をいう。
大規模の模様替
建築物の主要構造部の1種以上について行う過半の模様替をいう。
建築主
建築物に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。
設計者
その者の責任において、設計図書を作成した者をいい、一定の規模、用途、構造のものは、建築士等の資格がなければ行うことはできない。
工事施工者
建築物、その敷地若しく工作物に関する工事の請負人又は請負契約によらないで自らこれらの工事をする者をいう。
敷地
1の建築物又は用途上不可分の関係にある2以上の建築物のある一団の土地をいう。
地階
床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの1/3以上のものをいう。
構造耐力上主要な部分
基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材等)、床版、屋根版又は横架材(はり、けた等)で、建築物の自重若しくは積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいう。
耐水材料
れんが、石、人造石、コンクリート、アスファルト、陶磁器、ガラスその他これらに類する耐水性の建築材料をいう。
敷地面積
敷地の水平投影面積をいう。
ただし、2項道路の後退部分(道路中心線から2mの範囲)は含まない。
建築面積
建築物の外壁又は柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積をいう。
床面積
建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積をいう。
延べ面積
建築物の各階の床面積の合計による。
建築物の高さ
地盤面からの高さによる。
地盤面とは
建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する位置の高低差が3mを超える場合においては、その高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面をいう。
軒の高さ
地盤面から建築物の小屋組又はこれに代わる横架材を支持する壁、敷桁又は柱の上端までの高さによる。
階数
階数は、建築物の各階の合計です。
用語の定義から出題された過去問題
【令和3年問題】
学校の教室は、「居室」である。
設問は、正しい。
法第2条第四号より、居室とは、居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。
【令和3年問題】
建築物を同一敷地内に移転することは、「建築」である。
設問は、正しい。
法第2条第十三号より、建築とは、建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。
【令和3年問題】
建築物の構造上重要でない最下階の床について行う過半の修繕は、「大規模の修繕」である。
設問は、誤っている。
法第2条第十四号より、大規模の修繕は、建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。
また、法第2条第五号より、主要構造部とは、壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床、回り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。
【令和2年問題】
建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼を抑制するために当該建築物の外壁又は軒裏に必要とされる性能を、「防火性能」という。
設問は、正しい。
法第2条第八号より、防火性能とは、建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼を抑制するために当該外壁又は軒裏に必要とされる性能をいう。
【令和2年問題】
木造 2 階建ての一戸建て住宅において、 1 階から 2 階に通ずる屋内階段の過半の修繕は、「大規模の修繕」である。
設問は、正しい。
法第2条第十四号より、大規模の修繕とは、建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。
また、法第2条第五号より、主要構造部とは、壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいう。
【令和元年問題】
建築物に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者は、「建築主」である。
設問は、正しい。
法第2条第十六号より、建築主とは、建築物に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。
【令和元年問題】
建築物の自重及び積載荷重を支える最下階の床版は、「構造耐力上主要な部分」である。
設問は、正しい。
令第1条第三号より、構造耐力上主要な部分とは、基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材、床版、屋根版又は横架材で、建築物の自重若しくは積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいう。
【令和元年問題】
建築物の床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの 1/2 のものは、「地階」である。
設問は、正しい。
令第1条第二号より、地階とは、床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの1/3以上のものをいう。
【令和元年問題】
原則として、地盤面から建築物の小屋組又はこれに代わる横架材を支持する壁、敷桁又は柱の上端までの高さを、「軒の高さ」という。
設問は、正しい。
令第2条第1項第七号より、軒の高さとは、地盤面から建築物の小屋組又はこれに代わる横架材を支持する壁、敷桁又は柱の上端までの高さによる。
【令和3年問題】
ドレンチャーは、「防火設備」である。
設問は、正しい。
令第109条第1項より、ドレンチャーは、防火設備である。
【令和2年問題】
建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼の抑制に一定の効果を発揮するために外壁に必要とされる性能を、「準防火性能」という。
設問は、正しい。
法第23条より、準防火性能とは、建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼の抑制に一定の効果を発揮するために外壁に必要とされる性能をいう。
【令和2年問題】
避難上有効なバルコニーがある階は、「避難階」である。
設問は、誤っている。
令第13条第一号より、避難階とは、直接地上へ通ずる出入口のある階をいう。
【令和3年問題】
幼保連携型認定こども園の用途に供する建築物は、「特殊建築物」である。
設問は、正しい。
令第115条の3第一号より、幼保連携型認定こども園の用途に供する建築物は、児童福祉施設等に含まれるため、特殊建築物である。
【令和2年問題】
地域活動支援センターの用途に供する建築物は、「特殊建築物」である。
設問は、正しい。
令第19条より、地域活動支援センターの用途に供する建築物は、児童福祉施設等に含まれるため、特殊建築物である。
面積及び高さ等の算定から出題された過去問題
【令和5年問題】
図のような地面の一部が一様に傾斜した敷地に建てられた建築物に関する建築物の高さ、階数、建築面積及び敷地面積の組合せとして、建築基準法上、正しいものは、次のうちどれか。ただし、図に記載されているものを除き、特定行政庁の指定等はないものとし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の部分はないものとする。
正しいのは、5である。
建築物の高さは、7.5mである。
令第2条第1項第六号より、建築物の高さとは、地盤面からの高さです。
棟飾、防火壁の屋上突出部その他これらに類する屋上突出物は、当該建築物の高さに算入しない。
地盤面とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面です。高低差が3mを超える場合は、その高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面。
よって、1.5m+3m+3m=7.5mとなる。
階数は、3である。
令第2条第1項第八号より、階数には、建築物の各階の合計です。
昇降機塔、装飾塔、物見塔などの建築物の屋上部分又は地階の倉庫、機械室などの建築物の部分で、水平投影面積の合計がそれぞれ当該建築物の建築面積の1/8以下のものは、当該建築物の階数に算入しない。
建築面積132㎡×1/8=16.5㎡
地階9×12=108㎡>16.5㎡
PH階3×6=18㎡>16.5㎡
よって、地階及びPH階は階数に算入するため、階数は3となる。
建築面積は、132㎡である。
令第2条第1項第二号より、 建築面積とは、建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積です。
地階で地盤面上1m以下にある部分は、算入しない。
軒、ひさし、はね出し縁などは、その端から水平距離1m以内の部分は、算入しない。
高い開放性を有する建築物は、その端から水平距離1m以内の部分は、算入しない。
よって、11m×12m=132㎡となる。
敷地面積は、320㎡である。
令第2条第1項第一号より、敷地面積とは、敷地の水平投影面積です。
ただし、道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地は、算入しない。
西側は、線路敷地と道の境界線から水平距離4mの線をその道路の境界線とみなす。
よって、(17m-1m)×20m=320㎡となる。
【令和4年問題】
図のような建築物の建築面積として、建築基準法上、正しいものは、次のうちどれか。ただし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の部分はないものとする。
- 68 ㎡
- 72 ㎡
- 82 ㎡
- 88 ㎡
- 106 ㎡
建築面積は、72㎡である。
令第2条第1項第二号より、建築面積とは、建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積です。
地階で地盤面上1m以下にある部分は、算入しない。
軒、ひさし、はね出し縁などは、その端から水平距離1m以内の部分は、算入しない。
高い開放性を有する建築物は、その端から水平距離1m以内の部分は、算入しない。
よって、8m×(11m-2m)=72㎡
【平成30年問題】
図のような建築物に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、図に記載されているものを除き、特定行政庁の指定等はないものとし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の部分はないものとする。
- 敷地面積は、475㎡である。
- 建築面積は、180㎡である。
- 延べ面積は、384㎡である。
- 高さは、10mである。
- 階数は、3である。
敷地面積は、475㎡である。
設問は、正しい。
令第2条第1項第一号より、敷地面積とは、敷地の水平投影面積です。
ただし、道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地は、算入しない。
東側は、道路の中心線から水平距離2mの線をその道路の境界線とみなす。
よって、25m×(20m-1m)=475㎡
建築面積は、180㎡である。
設問は、正しい。
令第2条第1項第二号より、建築面積とは、建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積です。
地階で地盤面上1m以下にある部分は、算入しない。
軒、ひさし、はね出し縁などは、その端から水平距離1m以内の部分は、算入しない。
高い開放性を有する建築物は、その端から水平距離1m以内の部分は、算入しない。
よって、15m×(14m-1m-1m)=180㎡
延べ面積は、384㎡である。
設問は、正しい。
令第2条第1項第四号より、延べ面積とは、建築物の各階の床面積の合計です。
よって、1階150㎡+2階150㎡+PH階24㎡+地階60㎡=384㎡
高さは、10mである。
設問は、正しい。
令第2条第1項第六号より、建築物の高さとは、地盤面からの高さです。
よって、3.5m+3.5m+3.0m=10m
階数は、3である。
設問は、誤っている。
令第2条第1項第八号より、階数には、建築物の各階の合計です。
昇降機塔、装飾塔、物見塔などの建築物の屋上部分又は地階の倉庫、機械室などの建築物の部分で、水平投影面積の合計がそれぞれ当該建築物の建築面積の1/8以下のものは、当該建築物の階数に算入しない。
建築面積180㎡×1/8=22.5㎡
地階60㎡>22.5㎡
PH階24㎡>22.5㎡
よって、地階及びPH階は階数に算入する。
階数は4である。
【平成29年問題】
図のような地面の一部が一様に傾斜した敷地に建てられた建築物に関する建築物の高さ、建築面積及び敷地面積の組合せとして、建築基準法上、正しいものは、次のうちどれか。ただし、図に記載されているものを除き、特定行政庁の指定等はないものとし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の部分はないものとする。
建築物の高さは、7.5mである。
令第2条第1項第六号より、建築物の高さとは、地盤面からの高さです。
棟飾、防火壁の屋上突出部その他これらに類する屋上突出物は、当該建築物の高さに算入しない。
地盤面とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面です。高低差が3mを超える場合は、その高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面。
よって、1.5m+3m+3m=7.5mとなる。
建築面積は、168㎡である。
令第2条第1項第二号より、 建築面積とは、建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積です。
地階で地盤面上1m以下にある部分は、算入しない。
軒、ひさし、はね出し縁などは、その端から水平距離1m以内の部分は、算入しない。
高い開放性を有する建築物は、その端から水平距離1m以内の部分は、算入しない。
よって、14m×12m=168㎡となる。
敷地面積は、380㎡である。
令第2条第1項第一号より、敷地面積とは、敷地の水平投影面積です。
ただし、道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地は、算入しない。
東側は、川と道の境界線から水平距離4mの線をその道路の境界線とみなす。
よって、(21m-2m)×20m=380㎡となる。
問題No.1【総則① 用語の定義】のまとめ
- 主に法第2条、令第1条、令第2条の条文に記載のある、各用語の定義について出題されます。
- 「特殊建築物」に該当するかを問われたら、法第2条第二号、法別表第1(い)欄、令第19条第1項、令第115条の3各号、を確認します。
- 令第2条の面積や階数等の算定について図形・図面形式問題が出題されることがあります。