【過去問題】No.17「高さ関係① 図形・図面形式」二級建築士 建築法規【徹底解説】※完全無料

問題No.17【高さ関係① 図形・図面形式】の概要

主な関係法令【高さ関係① 図形・図面形式】
  • 法第55条、法第56条
  • 令第130条の10~令第135条の10

建築法規の17問目で出題されるのが、高さ関係に関する図形・図面形式の問題です。

高さ制限等の種類
  • 道路斜線による高さ制限(法第56条第1項第1号)
  • 隣地斜線による高さ制限(法第56条第1項第2号)
  • 北側斜線による高さ制限(法第56条第1項第3号)
  • 低層住居地域等の絶対高さ制限(法第55条)
  • 日影規制による高さ制限(法第56条の2)

道路斜線、隣地斜線、北側斜線の3つの高さ制限について検討し、ある点における地盤面からの建築物の高さの最高限度を求めます。
過去の問題の傾向から、道路高さ制限が、高さの最高限度となるパターンが多いので、道路高さ制限からまずは検討すると思考時間の短縮になります。
異なる用途地域にわたる敷地条件で出題されるため、しっかり対策しよう。

では早速、過去の出題のパターンから、出題傾向を見ていきましょう。

建築物の高さの制限

令第2条(面積、高さ等の算定方法)第1項第六号より、建築物の高さについて定義されています。

建築物の高さ

建築物の高さとは、地盤面からの高さです。
ただし、道路斜線制限による高さの算定については、前面道路の路面の中心からの高さです。

塔屋等の高さ不算入部分

ロ号及びハ号より、塔屋等については、その一部を高さに算入しません。
塔屋等の取扱いについては、以下の表のとおりです。

建築物の部分

階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓等の屋上部分

高さ制限高さの適用
道路斜線水平投影面積の合計が建築面積の1/8以内の場合は、その部分の高さは、12mまでは高さに算入しない
隣地斜線
北側斜線高さに算入する
絶対高さ水平投影面積の合計が建築面積の1/8以内の場合は、その部分の高さは、5mまでは高さに算入しない
日影規制水平投影面積の合計が建築面積の1/8以内の場合は、その部分の高さは、5mまでは高さに算入しない

建築物の部分

棟飾、防火壁の屋上突出部等の屋上突出物

高さ制限高さの適用
すべて高さに算入しない

道路斜線による高さ制限

道路斜線による高さ制限の概要

法第56条(建築物の各部分の高さ)第1項1号より、道路斜線制限について定められています。

道路斜線制限

道路斜線制限による建築物の高さは、敷地の前面道路の反対側の境界線までの「水平距離」に「斜線勾配」を乗じた数値以下とします。
ただし、「適用距離」を超えれば、道路斜線制限は適用されません。

道路斜線制限による高さの限度=水平距離×斜線勾配(1.25又は1.5)

適用地域

都市計画区域内すべて

道路斜線勾配

法別表第3より、地域ごとの斜線勾配は、以下のとおりです。
住居系の用途地域:1.25※
商業系の用途地域:1.5
工業系の用途地域:1.5
指定なし:1.25または1.5

※第一種住居、第二種住居、準住居について定められた高層住居誘導地区内の建築物であつて、その住宅の用途に供する部分の床面積の合計がその延べ面積の2/3以上であるものの斜線勾配は、1.5となります。

前面道路の境界線から後退した建築物

道路斜線制限の「前面道路の反対側の境界線」とあるのは、最小の水平距離だけ、さらに外側にあるものとします

道路斜線による高さ制限の緩和規定等

施行令の条文に、道路斜線による高さ制限の緩和規定等について定められています。

道路斜線制限の緩和規定等

後退距離の算定上、建築物の部分から除外するもの

該当法令令第130条の12(前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限に係る建築物の後退距離の算定の特例)

後退距離の算定上、建築物の部分から除外するものは、次のとおりです。

建築物の部分条件
地盤面下にあるもの
物置その他これに類する用途の部分
※右記の条件すべて該当するもの
軒の高さが2.3m以下で、かつ、床面積の合計が5㎡以内
当該部分の水平投影の前面道路に面する長さ/敷地の前面道路に接する部分の水平投影の長さ≦1/5
当該部分から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものが1m以上であるもの
ポーチその他これに類する部分
※右記の条件すべて該当するもの
高さが5m以下であるもの
当該部分の水平投影の前面道路に面する長さ/敷地の前面道路に接する部分の水平投影の長さ≦1/5
当該部分から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものが1m以上であるもの
道路に沿って設けられる門又は塀高さ2m以下の門又は塀
(高さが1.2mを超えるものにあつては、当該1.2mを超える部分が網状その他これに類する形状)
隣地境界線に沿って設けられる門又は塀
歩廊渡り廊下その他これらに類する建築物の部分特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況を考慮して規則で定めたもの
上記以外の部分高さが1.2m以下のもの

建築物の敷地が2以上の区域にわたる場合

該当法令令第130条の11(建築物の敷地が2以上の地域、地区又は区域にわたる場合の法別表第3(は)欄に掲げる距離の適用の特例)

建築物の敷地が2以上の区域にわたる場合においては、それぞれの区域の建築物の部分の制限を適用します。

前面道路が2以上ある場合

該当法令令第132条(2以上の前面道路がある場合)第1項

前面道路が2以上ある場合で、以下に該当する区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなします

  • 幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2倍以内で、かつ、35m以内の区域
  • その他の前面道路の中心線からの水平距離が10mをこえる区域

公園、広場、水面等がある場合

該当法令令第134条(前面道路の反対側に公園、広場、水面その他これらに類するものがある場合)第1項

前面道路の反対側に公園、広場、水面等がある場合前面道路の反対側の境界線は、公園、広場、水面等の反対側にあるものとみなします

地盤面が高い場合

該当法令令第135条の2(道路面と敷地の地盤面に高低差がある場合)第1項

建築物の敷地の地盤面が前面道路より1m以上高い場合前面道路の高さは、敷地の地盤面と前面道路との高低差から1mを減じたものの1/2だけ高い位置にあるものとみなします。
前面道路の高さ+((敷地の地盤面と前面道路との高低差-1m)×1/2)

隣地斜線による高さ制限

隣地斜線による高さ制限の概要

法第56条(建築物の各部分の高さ)第1項2号より、隣地斜線制限について定められています。

隣地斜線制限

隣地斜線制限による建築物の高さは、隣地境界線までの「水平距離」に「斜線勾配」を乗じた数値に、立上高さ「20m又は31m」を加算した数値以下とします。

隣地斜線制限による高さの限度=水平距離×斜線勾配(1.25又は2.5)+立上高さ(20m又は31m)

適用地域

第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、田園住居地域以外の都市計画区域内

隣地斜線勾配と立上がり

用途地域ごとの斜線勾配および立上がり高さは、以下のとおりです。

住居系の用途地域
勾配:1.25、立上がり:20m

商業系の用途地域
勾配:2.5、立上がり:31m

工業系の用途地域
勾配:2.5、立上がり:31m

指定なし
勾配:1.25または2.5、立上がり:20または31m

※第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、田園住居地域内は隣地斜線制限の適用を受けません。

隣地斜線による高さ制限の緩和規定等

施行令の条文に、隣地斜線による高さ制限の緩和規定等について定められています。

隣地斜線制限の緩和規定等

公園、広場、水面等に接する場合

該当法令令第135条の3(隣地との関係についての建築物の各部分の高さの制限の緩和)1項1号

建築物の敷地が公園、広場、水面等に接する場合隣地境界線は、その公園、広場、水面等の幅の1/2だけ外側にあるものとみなします。

地盤面が低い場合

該当法令令第135条の3第1項2号

建築物の敷地の地盤面が隣地の地盤面より1m以上低い場合は、敷地の地盤面は、当該高低差から1mを減じたものの1/2だけ高い位置にあるものとみなします。
敷地の地盤面+((敷地の地盤面と隣地との高低差-1m)×1/2)

北側斜線による高さ制限

北側斜線による高さ制限の概要

法第56条(建築物の各部分の高さ)第1項3号より、北側斜線制限について定められています。

北側斜線制限

北側斜線制限による建築物の高さは、前面道路の反対側の境界線又は隣地境界線までの「真北方向の水平距離」に「斜線勾配1.25」を乗じた数値に、立上高さ「5m又は10m」を加算した数値以下とします。

北側斜線制限による高さの限度=真北方向の水平距離×斜線勾配(1.25)+立上高さ(5m又は10m)

対象の地域

  • 第一種低層住居専用地域
  • 第二種低層住居専用地域
  • 田園住居地域
  • 第一種中高層住居専用地域※
  • 第二種中高層住居専用地域※

※ただし、日影規制が適用される中高層専用地域内の建築物は除きます。

北側斜線勾配と立上がり

用途地域ごとの斜線勾配および立上がり高さは、以下のとおりです。

第一種低層住居専用、第二種低層住居専用、田園住居地域
勾配:1.25、立上がり:5m

第一種中高層住居専用第二種中高層住居専用地域
勾配:1.25、立上がり:10m

北側斜線による高さ制限の緩和規定等

施行令の条文に、北側斜線による高さ制限の緩和規定等について定められています。

北側斜線制限の緩和規定等

水面、線路敷等のある場合

該当法令令第135条の4(北側の前面道路又は隣地との関係についての建築物の各部分の高さの制限の緩和)1項1号

北側の前面道路の反対側又は敷地の北側の水面、線路敷等のある場合敷地境界線は、当該水面、線路敷等の幅の1/2だけ外側にあるものとみなす。

地盤面が低い場合

該当法令令第135条の4第1項2号

建築物の敷地の地盤面が北側の隣地の地盤面より1m以上低い場合、敷地の地盤面は、高低差から1mを減じたものの1/2だけ高い位置にあるものとみなす。
敷地の地盤面+((敷地の地盤面と北側の隣地との高低差-1m)×1/2)

高さ関係 図形・図面形式から出題された過去問題

【令和5年問題】
図のように、前面道路の路面の中心から 1.4 m高い位置にある敷地(道路からの高低差処理は法面とし、門及び塀はないものとする。)において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、道路側を除き、隣地との高低差はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。

  1. 7.35 m
  2. 11.10 m
  3. 11.25 m
  4. 11.30 m
  5. 11.80 m

地盤面からの建築物の高さの最高限度は、11.25mである。

【道路斜線による高さ制限】
令第135条の2第1項より、建築物の敷地の地盤面が前面道路より1m以上高い場合においては、その前面道路は、敷地の地盤面と前面道路との高低差から1mを減じたものの1/2だけ高い位置にあるものとみなす
よって、前面道路の高さは、(1.4m-1m)×1/2=0.2mだけ高い位置にあるものとみなす。
法第56条第2項より、前面道路の境界線から後退した建築物に対する前項第一号の規定の適用については、同号中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは、「前面道路の反対側の境界線から当該建築物の後退距離(当該建築物から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。)に相当する距離だけ外側の線」とする。
法第56条第1項第一号より、道路斜線による高さ制限は
((4m+3m3m)×1.25)+(1.4m-0.2m)=11.3m

【北側斜線による高さ制限】
法第56条第1項第三号より、北側斜線による高さ制限は
(1m×1.25)+10m=11.25m

11.3m>11.25m
よって、最高限度は、11.25mである。

【令和4年問題】
図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間の高低差並びに門及び塀はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。

  1.   8.75 m
  2.  11.25 m
  3.  15.00 m
  4.  16.25 m
  5.  18.75 m

地盤面からの建築物の高さの最高限度は、11.25mである。

令第132条(2以上の前面道路がある場合)第1項より、建築物の前面道路が2以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2倍以内で、かつ、35m以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が10mをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。よって、東側の道路幅員は、北側の道路幅員と同じ、6mとみなす。
法第56条(建築物の各部分の高さ)第2項より、前面道路の境界線から後退した建築物に対する前項第一号の規定の適用については、同号中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは、「前面道路の反対側の境界線から当該建築物の後退距離(当該建築物から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。)に相当する距離だけ外側の線」とする。
同条第1項第一号より、道路高さ制限は、(6m+1m1m+1m)×1.25=11.25m
よって、最高限度は、11.25mである。

【令和3年問題】

 図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、第一種低層住居専用地域の都市計画において定められた建築物の高さの最高限度は 10 mであり、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間の高低差並びに門及び塀はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。

  1.  6.25 m
  2.  10.00 m
  3.  11.25 m
  4.  18.75 m
  5.  21.25 m

最高限度は、11.25mである。

法第56条第5項及び令第130条の11より、道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限について建築物が2以上の区域にわたる場合においては、それぞれの区域の建築物の部分の制限を適用する。
法第56条第1項第一号より、道路斜線制限は、(11m+4m+2m)×1.25=21.25m
法第56条第1項第二号より、隣地斜線制限は、((1m+1m)×1.25)+20m=22.5m
法第56条第1項第三号より、北側斜線制限は、(1m×1.25)+10m=11.25m
よって、高さの最高限度は11.25mである。

【令和2年問題】

図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間の高低差並びに門及び塀はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天
空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。

  1.  10.00 m
  2.  11.25 m
  3.  12.50 m
  4.  13.75 m
  5.  15.00 m

最高限度は、12.50mである。

令第132条第1項より、建築物の前面道路が2以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2倍以内で、かつ、35m以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が10mをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。よって、北側の道路幅員は、西側の道路幅員と同じ、5mとみなす。
法第56条第2項より、前面道路の境界線から後退した建築物に対する前項第一号の規定の適用については、同号中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは、「前面道路の反対側の境界線から当該建築物の後退距離(当該建築物から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。)に相当する距離だけ外側の線」とする。
同条第1項第一号より、道路高さ制限は、(5m+1m+3m+1m)×1.25=12.50m
よって、最高限度は、12.50mである。

【令和元年問題】

 図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地、道路及び道の相互間の高低差並びに門及び塀はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。

  1.  12.5 m
  2.  15.0 m
  3.  20.0 m
  4.  22.5 m
  5.  25.0 m

最高限度は、20.0mである。

法第42条第2項より、当該道がその中心線からの水平距離2m未満で崖地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該崖地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離4mの線をその道路の境界線とみなす。
令第134条第1項より、前面道路の反対側に公園、広場、水面その他これらに類するものがある場合においては、当該前面道路の反対側の境界線は、当該公園、広場、水面その他これらに類するものの反対側の境界線にあるものとみなす。
法第56条第2項より、前面道路の境界線から後退した建築物に対する前項第一号の規定の適用については、同号中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは、「前面道路の反対側の境界線から当該建築物の後退距離(当該建築物から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。)に相当する距離だけ外側の線」とする。
同条第1項第一号より、道路高さ制限は、(1m+6m+4m+1m+4m)×1.25=20.0m
よって、最高限度は、20.0mである。

【平成30年問題】

図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間の高低差並びに門及び塀はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。

  1.  7.50m
  2.  8.75m
  3.  10.00m
  4.  10.50m
  5.  11.25m

最高限度は、11.25mである。

令第132条第1項より、建築物の前面道路が2以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2倍以内で、かつ、35m以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が10mをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。よって、北側の道路幅員は、東側の道路幅員と同じ、6mとみなす。
法第56条第2項より、前面道路の境界線から後退した建築物に対する前項第一号の規定の適用については、同号中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは、「前面道路の反対側の境界線から当該建築物の後退距離(当該建築物から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。)に相当する距離だけ外側の線」とする。
同条第1項第一号より、道路高さ制限は、(6m+2m+1m)×1.25=11.25m
よって、最高限度は、11.25mである。

【平成29年問題】

図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間の高低差並びに門及び塀はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。

  1.  11.25 m
  2.  12.50 m
  3.  13.75 m
  4.  15.00 m
  5.  16.25 m

地盤面からの建築物の高さの最高限度は、15.00mである。

令第132条第1項より、建築物の前面道路が2以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2倍以内で、かつ、35m以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が10mをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。よって、北側の道路幅員は、西側の道路幅員と同じ、5mとみなす。
法第56条第2項より、前面道路の境界線から後退した建築物に対する前項第一号の規定の適用については、同号中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは、「前面道路の反対側の境界線から当該建築物の後退距離(当該建築物から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。)に相当する距離だけ外側の線」とする。
同条第1項第一号より、道路高さ制限は、(5m+2m3m+2m)×1.25=15.00m
よって、最高限度は、15.00mである。

問題No.17【高さ関係① 図形・図面形式】のまとめ

  • 図形・図面の問題では、道路斜線、隣地斜線、北側斜線の3つの高さ制限について検討し、ある点における地盤面からの建築物の高さの最高限度を求めます。
  • 道路斜線による高さ制限が、高さの最高限度となるパターンが多いので、道路斜線による高さ制限からまずは検討すると思考時間の短縮になります。

過去問題No.18【高さ関係②】と一緒に学習することで、効率的に対策できます。

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