条文の要点と過去問10年分
二級建築士試験 学科Ⅱ(建築法規)の No.17(年度によっては No.18・No.19)で毎年出題される「A点の高さの最高限度」の計算の問題について、斜線制限の式とみなしの決まりを今の法令でまとめ、令和8年〜平成29年の10年分の過去問を解説します。過去問の解説は、年度別の記事と同じく出題当時の法令によります。

No.17 高さ関係①(斜線制限の計算・図)の出題の傾向(令和8年〜平成29年)
A点の高さの最高限度の計算は、10年とも出題されました。2以上の前面道路(令第132条)が5回、水路・川・高低差のみなしが3回、2つの用途地域にわたる敷地が2回です。
過去問の問題文と選択肢は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している二級建築士試験の問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各選択肢の枠の右下に出典)。正答は、同センターの「合格基準点等(正答肢)」と照らし合わせています。
「条文の要点」は今の法令でまとめています。過去問の解説は、年度別の記事と同じく出題当時の法令(各年の法令の基準日)によります。その後の改正で答えが変わる選択肢には「🔶 現在の法令では」、条文の番号や言い方だけが変わった選択肢には「ℹ️ その後の改正」の枠を付けています。
📐 斜線制限の式(法第56条)
📖 3つの斜線と適用距離
A点の高さの最高限度は、道路斜線・隣地斜線・北側斜線(第一種・第二種低層住居専用、田園住居、第一種・第二種中高層住居専用地域)をそれぞれ計算し、いちばん低いものです。
| 斜線 | 式(住居系の地域) | 条文 |
|---|---|---|
| 道路斜線 | (A点から前面道路の反対側の境界線までの水平距離+後退距離)×1.25 | 法第56条第1項第一号・第2項 |
| 隣地斜線 | 20m+(隣地境界線までの水平距離+後退距離)×1.25 | 第1項第二号 |
| 北側斜線(低層住居専用・田園住居) | 5m+真北方向の水平距離×1.25 | 第1項第三号 |
| 北側斜線(中高層住居専用) | 10m+真北方向の水平距離×1.25 | 第1項第三号 |
近隣商業・商業・準工業・工業・工業専用地域は、道路斜線の勾配が1.5、隣地斜線が「31m+距離×2.5」です(法別表第3・法第56条第1項第二号)。
| 道路斜線の適用距離(住居系の地域・法別表第3) | 距離 |
|---|---|
| 容積率の限度20/10以下 | 20m |
| 20/10を超え30/10以下 | 25m |
| 30/10を超え40/10以下 | 30m |
| 40/10を超える | 35m |
前面道路の反対側の境界線からの水平距離が適用距離を超える部分には、道路斜線はかかりません。
🛣️ 前面道路のみなし(令第132条・第134条・第135条の2)
📖 前面道路の幅員と反対側の境界線
道路斜線の計算で、前面道路の幅員や反対側の境界線の位置を「みなす」決まりがあります。
| 場合 | どうみなすか | 条文 |
|---|---|---|
| 前面道路が2以上 | 幅員の最大な前面道路の境界線から、その幅員の2倍以内かつ35m以内の区域と、ほかの前面道路の中心線から10mを超える区域では、全部の前面道路を最大の幅員とみなす | 令第132条第1項 |
| 反対側に公園・広場・水面など | 前面道路の反対側の境界線は、公園・広場・水面などの反対側の境界線にあるとみなす | 令第134条第1項 |
| 敷地が道路より1m以上高い | 前面道路は、(高低差−1m)×1/2 だけ高い位置にあるとみなす | 令第135条の2第1項 |
| 2項道路 | 道の中心線から2m(片側が川などなら川の側の境界線から4m)の線が道路の境界線 | 法第42条第2項 |
✏️ 過去問:2以上の前面道路がある敷地(10年で5問)
図や計算の問題は、問題ごとに載せています。法令集を引きながら解いてから「解答・解説を見る」を開いてください。
令和6年 No.17A点の建築物の高さの最高限度(2つの前面道路・図)
図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間の高低差並びに門及び塀はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。
図を押すと大きく表示します 112.50 m215.00 m316.25 m417.50 m518.75 m出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年二級建築士試験 学科Ⅱ(建築法規)」No.17
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第一種中高層住居専用地域(容積率20/10)は、法別表第3より道路高さ制限の勾配1.25・適用距離20m。
【道路高さ制限(南側の7mの道路)】建築物は南側の道路境界線から2m後退しているので、法第56条第2項より、反対側の境界線は2m外側にあるとみなす。A点からの水平距離は 5m+7m+2m=14m(適用距離20m以内)。
14m×1.25=17.50m
【道路高さ制限(西側の4mの道路)】A点は、幅員の最大な前面道路(7m)の境界線から5mで、幅員の2倍(14m)以内かつ35m以内の区域にあるので、令第132条第1項より、西側の道路も幅員7mとみなす。建築物は西側の道路境界線から1m後退しているので、水平距離は 5m+7m+1m=13m。
13m×1.25=16.25m
【北側高さ制限】法第56条第1項第三号より、10m+1.25×7m=18.75m
【隣地高さ制限】20m+1.25×(距離)で、20mを超えるので制限にならない。
よって、最も小さい16.25mが最高限度となる。
解き方前面道路が2つあるときは、幅員の最大な前面道路(7m)の境界線から幅員の2倍(14m)以内かつ35m以内の区域では、狭い道路(4m)も7mとみなす(令第132条第1項)。後退距離は道路ごとに考える。
法第56条第1項第一号〜第三号・第2項、法別表第3、令第132条第1項
令和4年 No.17道路斜線・北側斜線による高さの最高限度(図)
図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間の高低差並びに門及び塀はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。
図を押すと大きく表示します 18.75 m211.25 m315.00 m416.25 m518.75 m出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年二級建築士試験 学科Ⅱ(建築法規)」No.17
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【東側の道路の幅員】令第132条第1項より、前面道路が2以上ある場合、幅員の最大な前面道路(南側6m)の境界線から、その幅員の2倍以内かつ35m以内の区域では、ほかの前面道路も最大の幅員と同じとみなす。A点は南側の道路境界線から6m(12m以内)なので、東側の道路(4m)も6mとみなす。
【道路斜線(法第56条第1項第一号・第2項)】建築物が道路境界線から後退しているので、前面道路の反対側の境界線から後退距離だけ外側の線から測る。
・東側:(2m+6m+1m)×1.25=11.25m(A点から東の道路境界線まで2m、後退距離1m)
・南側:(6m+6m+3m)×1.25=18.75m(A点から南の道路境界線まで6m、後退距離3m)
【北側斜線(法第56条第1項第三号)】10m+5m×1.25=16.25m(A点から北側の隣地境界線まで5m)
最も低い11.25mが最高限度となる。
解き方前面道路が2以上あるときは、狭い道路も広い道路の幅員とみなせる範囲がある(令第132条)。道路斜線は、後退距離を道路の反対側にも足す。
法第56条第1項第一号・第三号・第2項、令第132条第1項
令和2年 No.18高さの最高限度(道路斜線・2以上の前面道路・図)
図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間の高低差並びに門及び塀はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。
図を押すと大きく表示します 110.00 m211.25 m312.50 m413.75 m515.00 m出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅱ(建築法規)」No.18
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【北側の道路の幅員】令第132条第1項より、前面道路が2以上ある場合、幅員の最大な前面道路(西側5m)の境界線から、その幅員の2倍(10m)以内かつ35m以内の区域では、ほかの前面道路も最大の幅員と同じとみなす。A点は西の道路境界線から5mなので、北側の道路(4m)も5mとみなす。
【道路斜線(法第56条第1項第一号・第2項)】建築物が道路境界線から後退しているので、前面道路の反対側の境界線から後退距離だけ外側の線から測る。勾配は1.25(第二種住居地域)。
・北側:(4m+5m+1m)×1.25=12.50m(A点から北の道路境界線まで4m、みなし幅員5m、後退距離1m)
・西側:(5m+5m+2m)×1.25=15.00m(A点から西の道路境界線まで5m、幅員5m、後退距離2m)
【隣地斜線(同項第二号)】20m+1.25×(隣地境界線までの距離+後退距離)で、12.50mより高くなる。
最も低い12.50mが最高限度となる。
解き方北側の道路(4m)は、令第132条で最大の前面道路と同じ5mとみなす。後退距離(北1m・西2m)は道路の反対側にも足す。
法第56条第1項第一号・第2項、法別表第3、令第132条第1項
平成30年 No.17道路斜線(2以上の前面道路・後退距離・図)
図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間の高低差並びに門及び塀はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。
図を押すと大きく表示します 17.50m28.75m310.00m410.50m511.25m出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅱ(建築法規)」No.17
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【2以上の前面道路】令第132条第1項より、幅員の最大な前面道路(東側6m)の境界線から、その幅員の2倍(12m)以内で、かつ、35m以内の区域では、他の前面道路も同じ幅員6mとみなす。A点は東側の道路境界線から8mなので、北側の道路も幅員6mとみなす。
【北側の道路斜線(法第56条第1項第一号・第2項)】勾配1.25(第一種住居地域)。後退距離は、北側の道路から建築物までの最小の距離1m。
(A点から北側の道路境界線まで2m+道路6m+後退距離1m)×1.25=11.25m
(9mは、容積率20/10の適用距離20m〔法別表第3〕以内)
【東側の道路斜線】(8m+6m+2m)×1.25=20.0m
【隣地斜線】20mを超える部分にかかるので、道路斜線より高い
最も低い11.25mが最高限度となる。
解き方2以上の前面道路があるときは、幅員の最大な道路(6m)の境界線から2倍(12m)以内の区域では、北側の道路も幅員6mとみなす。後退距離は、建築物から道路境界線までの最小の距離(1m)。
法第56条第1項第一号・第二号・第2項、法別表第3、令第132条第1項
平成29年 No.19道路斜線と北側高さ制限(2以上の前面道路・図)
図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間の高低差並びに門及び塀はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。
図を押すと大きく表示します 111.25 m212.50 m313.75 m415.00 m516.25 m出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年二級建築士試験 学科Ⅱ(建築法規)」No.19
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【2以上の前面道路】令第132条第1項より、幅員の最大な前面道路(西側5m)の境界線から、その幅員の2倍(10m)以内で、かつ、35m以内の区域では、他の前面道路も同じ幅員5mとみなす。A点は西側の道路境界線から9m(後退1m+建築物8m)なので、南側の道路も幅員5mとみなす。
【南側の道路斜線(法第56条第1項第一号・第2項)】勾配1.25(第一種中高層住居専用地域)。後退距離は、南側の道路から建築物までの最小の距離2m。
(A点から南側の道路境界線まで5m+道路5m+後退距離2m)×1.25=15.00m
(12mは、容積率20/10の適用距離20m〔法別表第3〕以内)
【西側の道路斜線】(9m+5m+1m)×1.25=18.75m
【北側高さ制限(同項第三号)】10m+1.25×(A点から北側の隣地境界線まで5m)=16.25m
【隣地斜線】20mを超える部分にかかるので、これより高い
最も低い15.00mが最高限度となる。
解き方南側の道路(4m)は、西側の道路(5m)の境界線から10m以内の区域では幅員5mとみなす。北側高さ制限(16.25m)より道路斜線(15.00m)が低い。
法第56条第1項第一号・第三号・第2項、法別表第3、令第132条第1項
✏️ 過去問:水路・川・高低差がある敷地(10年で3問)
図や計算の問題は、問題ごとに載せています。法令集を引きながら解いてから「解答・解説を見る」を開いてください。
令和8年 No.17A点の建築物の高さの最高限度(道路・隣地・北側の高さ制限・図)
図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地、広場及び道路の相互間の高低差並びに門及び塀はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。
図を押すと大きく表示します 119.38 m220.00 m321.25 m422.50 m523.75 m出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅱ(建築法規)」No.17
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第一種中高層住居専用地域(容積率20/10)なので、道路高さ制限・隣地高さ制限・北側高さ制限を求め、最も小さいものが最高限度になる。
【道路高さ制限】法第56条第1項第一号・法別表第3より、適用距離20m・数値1.25。前面道路の反対側に水路があるので、令第134条第1項より、前面道路の反対側の境界線は水路の反対側の境界線にあるものとみなす(5m+3m=8m)。建築物は道路境界線から3m後退しているので、法第56条第2項より、さらに3m外側の線とする。A点から道路境界線までは3m+3m=6m。
(6m+8m+3m)×1.25=17m×1.25=21.25m
【隣地高さ制限】法第56条第1項第二号イより、20m+1.25×(隣地境界線までの水平距離+高さ20mを超える部分の後退距離)。東側の隣地境界線までの水平距離は1m、後退距離も1m。
20m+1.25×(1m+1m)=22.50m
【北側高さ制限】法第56条第1項第三号より、10m+1.25×(真北方向の隣地境界線までの水平距離)。北側は広場だが、北側高さ制限の緩和(令第135条の4第1項第一号)は水面、線路敷その他これらに類するものに限られ、広場は当たらない。A点から北側の隣地境界線までは5m+3m=8m。
10m+1.25×8m=20.00m
よって、最も小さい20.00mが最高限度となる。
解き方北側高さ制限では、広場は緩和されない(緩和は水面・線路敷など)。道路高さ制限では、道路の反対側の水路も道路の幅に加え、建築物の後退距離も加える。
法第56条第1項第一号〜第三号・第2項、法別表第3、令第134条第1項、令第135条の4第1項第一号
令和5年 No.18道路斜線と北側斜線による高さの最高限度
図のように、前面道路の路面の中心から1.4 m高い位置にある敷地(道路からの高低差処理は法面とし、門及び塀はないものとする。)において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、道路側を除き、隣地との高低差はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。
図を押すと大きく表示します 17.35 m211.10 m311.25 m411.30 m511.80 m出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅱ(建築法規)」No.18
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【道路斜線(法第56条第1項第一号・第2項)】
令第135条の2第1項より、敷地の地盤面が前面道路より1m以上高いときは、前面道路は(高低差-1m)×1/2 だけ高い位置にあるものとみなす。(1.4m-1m)×1/2=0.2m
法第56条第2項より、建築物が道路の境界線から3m後退しているので、前面道路の反対側の境界線から3m外側の線から測る。
みなした道路面からの高さ:(3m+4m+3m)×1.25=12.5m
地盤面は、みなした道路面より 1.4m-0.2m=1.2m 高いので、地盤面からは 12.5m-1.2m=11.3m
【北側斜線(法第56条第1項第三号)】
第一種中高層住居専用地域は、地盤面から 10m+真北方向の隣地境界線までの水平距離×1.25。A点から北側の隣地境界線までは1mなので、10m+1m×1.25=11.25m
11.3m>11.25m なので、低いほうの11.25mが最高限度となる。
解き方道路斜線は道路の路面の中心から測るので、最後に地盤面との差(1.2m)を引く。北側斜線は地盤面から測る。
法第56条第1項第一号・第三号・第2項、法別表第3、令第135条の2第1項
令和元年 No.17道路斜線(川に沿う2項道路・2以上の前面道路・図)
図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地、道路及び道の相互間の高低差並びに門及び塀はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。
図を押すと大きく表示します 112.5 m215.0 m320.0 m422.5 m525.0 m出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年二級建築士試験 学科Ⅱ(建築法規)」No.17
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【北側の道の道路境界線】法第42条第2項ただし書より、道の中心線から2m未満で川に沿う場合は、川の側の境界線から道の側に4mの線が道路境界線とみなされる。道の幅は2mなので、敷地のうち2mは道路とみなされる。建築物はみなし道路境界線から1m後退し、A点はみなし道路境界線から5m(1m+4m)。
【川の扱い】令第134条第1項より、前面道路の反対側に水面がある場合、前面道路の反対側の境界線は、水面の反対側の境界線にあるものとみなす(川の幅6mを加える)。前面道路が2以上あるので、同条第2項より、令第132条によらず、北側の道の境界線から(川6m+道4m)×2=20m以内の区域では、南側の道路も同じ幅員で反対側に同様の水面があるものとみなす。
【道路斜線(法第56条第1項第一号・第2項)】勾配1.25(第一種住居地域)
・北側:(5m+4m+6m+1m)×1.25=20.0m(A点からみなし道路境界線まで5m、道4m、川6m、後退距離1m)
(A点から反対側の境界線までの16mは、第一種住居地域・容積率20/10の適用距離20m〔法別表第3〕以内)
・南側:A点から南の道路境界線まで8m・後退距離4mで、北側より離れているため、北側の20.0mより高くなる(南の道路の幅員8mで計算しても(8+8+4)×1.25=25.0m)
【隣地斜線(同項第二号)】20m+1.25×(4m+4m)=30m(東の隣地境界線まで4m、後退距離4m)
最も低い20.0mが最高限度となる。
解き方川に沿う2項道路は、川の側の境界線から4mの線が道路境界線(法第42条第2項ただし書)。前面道路の反対側の川は、その幅も道路斜線の距離に加える(令第134条第1項)。
法第42条第2項、法第56条第1項第一号・第二号・第2項、法別表第3、令第134条第1項・第2項
🗺️ 2つの用途地域にわたる敷地(法第56条第5項)
📖 地域ごとに斜線を当てはめる
斜線制限は、法第91条(敷地の過半の地域の規定を全体に適用)の対象外です。敷地が2つの用途地域にわたるときは、建築物の部分ごとに、その部分がある地域の制限を受けます。
| 決まり | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 隣地斜線・北側斜線 | 建築物が2以上の地域にわたるときは、建築物の部分ごとに、その地域の式を使う | 法第56条第5項 |
| 道路斜線の適用距離 | 前面道路に面する方向にある、前面道路に接する敷地の部分の地域で決める | 令第130条の11 |
| 絶対高さ(10m・12m) | 第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域の部分だけにかかる | 法第55条第1項 |
✏️ 過去問:2つの用途地域にわたる敷地(10年で2問)
図や計算の問題は、問題ごとに載せています。法令集を引きながら解いてから「解答・解説を見る」を開いてください。
令和7年 No.18A点の建築物の高さの最高限度(2つの用途地域・北側高さ制限・図)
図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間の高低差並びに門及び塀はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。
図を押すと大きく表示します 17.50 m212.50 m316.25 m418.75 m520.00 m出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年二級建築士試験 学科Ⅱ(建築法規)」No.18
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法第91条は、法第56条(高さの制限)には適用されない。高さの制限は、建築物の部分がある地域ごとに適用する。A点は用途地域の境界線より北(第一種中高層住居専用地域)にあるので、第一種中高層住居専用地域の制限による(第一種低層住居専用地域の10mの絶対高さの制限〔法第55条第1項〕も受けない)。
【北側高さ制限】法第56条第1項第三号より、10m+1.25×(真北方向の隣地境界線までの水平距離)。A点から北側の隣地境界線までは2m。
10m+1.25×2m=12.50m
【道路高さ制限】A点から道路境界線までは 2m+4m+1m+2m=9m。建築物は道路境界線から2m後退しているので(法第56条第2項)、9m+4m(道路の幅員)+2m=15m。適用距離(令第130条の11・法別表第3)は20mなので適用され、15m×1.25=18.75m
【隣地高さ制限】法第56条第1項第二号イより、20m+1.25×(距離)で、20mを超えるので制限にならない。
よって、最も小さい12.50mが最高限度となる。
解き方高さの制限は、建築物のその部分がある地域ごとに適用する(法第91条は斜線制限に適用されない)。A点は第一種中高層住居専用地域にあるので、北側高さ制限は「10m+1.25×距離」(「5m+」は第一種低層住居専用地域)。
法第55条第1項、法第56条第1項第一号〜第三号・第2項、法第91条、法別表第3、令第130条の11
令和3年 No.17高さの最高限度(道路斜線・隣地斜線・北側斜線・図)
図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、第一種低層住居専用地域の都市計画において定められた建築物の高さの最高限度は10 mであり、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間の高低差並びに門及び塀はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。
図を押すと大きく表示します 16.25 m210.00 m311.25 m418.75 m521.25 m出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年二級建築士試験 学科Ⅱ(建築法規)」No.17
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A点は第一種中高層住居専用地域内にある。建築物が2つの地域にわたる場合、隣地斜線・北側斜線は建築物の部分ごとにその地域の制限を受ける(法第56条第5項)。第一種低層住居専用地域の高さの限度10m(法第55条第1項)も、法第91条(敷地の過半の地域の規定を全体に適用)の対象外なので、その地域内の部分だけにかかり、A点にはかからない。
【道路斜線(法第56条第1項第一号・第2項)】A点から南の道路境界線まで11m(2m+5m+2m+2m)、道路の幅員4m、後退距離2m → (11m+4m+2m)×1.25=21.25m
【隣地斜線(同項第二号)】A点から北の隣地境界線まで1m、後退距離1m → 20m+(1m+1m)×1.25=22.5m
【北側斜線(同項第三号)】A点から真北方向の隣地境界線まで1m → 10m+1m×1.25=11.25m
最も低い11.25mが最高限度となる。
解き方A点は第一種中高層住居専用地域内にあるので、第一種低層住居専用地域の高さの限度(10m)はかからない。北側斜線は、後退距離を足さない。
法第55条第1項、法第56条第1項第一号〜第三号・第2項・第5項、法第91条、法別表第3、令第130条の11
法令集で開く条文
No.17(年度によっては No.18・No.19)の高さの計算の問題は、主に次の条文で解きます。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 法第56条第1項・第2項・第5項 | 道路斜線・隣地斜線・北側斜線、後退距離、2以上の地域にわたる場合 |
| 法別表第3 | 道路斜線の適用距離と勾配 |
| 令第132条 | 2以上の前面道路がある場合 |
| 令第134条 | 前面道路の反対側に公園・広場・水面などがある場合 |
| 令第135条の2 | 道路面と敷地の地盤面に高低差がある場合 |
| 令第135条の4 | 北側斜線の緩和(水面・線路敷、高低差) |
| 令第130条の11 | 2以上の地域にわたる敷地の適用距離 |
法別表第3の(は)欄(適用距離)と(に)欄(勾配)には、問題でよく出る「住居系・容積率20/10以下=20m・1.25」に印を付けておくと、毎回の確認が早くなります。
試験に持ち込む法令集に認められている書き込みは、次の4つだけです。
- 目次・見出し・関連する条文の指示(法令名・章・節・条などの名称、番号、ページまで)
- 改正年月日
- アンダーライン(二重線・囲み枠を含む)
- ○・△・×の記号
言葉の書き足しや、表・図・計算式の書き込み・貼り付けは「解説」「早見表」にあたり、認められません。紛らわしい書き込みがあると、確認が終わるまで法令集なしで受験することになる場合もあります。
どこに線を引き、どこにインデックスを貼るかは、文章で読むより見本を見るほうが確実です。法令集の出版社や資格学校が出している「線引き見本」を見ながら進めてください。
✏️法令集の線引き・インデックスの進め方「二級建築士 建築法規 攻略ガイド」の「STEP 2:法令集の初期セットアップ」で、見本の入手から作業の手順まで紹介しています›出典:建築技術教育普及センター「使用が認められる法令集について」(試験当日の注意事項のページから)
まとめ:No.17 高さ関係①(斜線制限の計算・図)で覚えておく数字
試験の前に見直す数字を、章ごとにまとめました。数字の右の説明が「何の数字か」です。「要点 ›」を押すと、くわしい説明に戻ります。
ほかの分野の解説・年度別の過去問
分野別の解説(No.1〜No.20)の一覧です。
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