本サイトでは、二級建築士試験「建築法規」の過去問題について、どこよりも詳しく解説しています。
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令和4年 二級建築士試験 学科Ⅱ(建築法規)全過去問題の解答及び解説付
令和4年 建築法規 No.1
〔No. 1 〕 図のような建築物の建築面積として、建築基準法上、正しいものは、次のうちどれか。ただし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の部分はないものとする。
- 68 ㎡
- 72 ㎡
- 82 ㎡
- 88 ㎡
- 106 ㎡
正しいものは、2である。
建築面積は、72㎡である。
令第2条第1項第二号より、建築面積とは、建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。
地階で地盤面上1m以下にある部分を除きます。
軒、ひさし、はね出し縁で水平距離1m以上突き出たものがある場合や、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物又はその部分については、その端から水平距離1m以内の部分の水平投影面積は、当該建築物の建築面積に算入しない。
地階で地盤面上1m以下にある部分を除き、ひさし部分は1m後退した線とする。
よって、8m×(11m-2m)=72㎡
令和4年 建築法規 No.2
〔No. 2 〕 次の行為のうち、建築基準法上、全国どの場所においても、確認済証の交付を受ける必要があるものはどれか。
- 鉄筋コンクリート造、高さ 2mの擁壁の築造
- 鉄骨造平家建て、延べ面積 200㎡の飲食店の新築
- 木造 3 階建て、延べ面積 200㎡、高さ 9mの一戸建て住宅における、鉄骨造平家建て、床面積10㎡の倉庫の増築
- 木造 2 階建て、延べ面積 200㎡、高さ 9mの旅館の新築
- 木造 2 階建て、延べ面積 300㎡、高さ 8mの事務所から物品販売業を営む店舗への用途の変更
確認済証の交付を受ける必要があるものは、5である。
- 鉄筋コンクリート造、高さ 2mの擁壁の築造
確認済証の交付を受ける必要がない。
法第88条第1項より、工作物で政令で指定するものについては、法第6条の規定が準用されるため、確認済証の交付を受ける必要がある。
令第138条第1項第五号より、工作物で指定するものは、高さが2mを超える擁壁である。
2mを超えないため確認済証の交付を受ける必要がない。
- 鉄骨造平家建て、延べ面積 200㎡の飲食店の新築
確認済証の交付を受ける必要がない。
法第6条第1項第一号より、法別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものは、確認済証の交付を受ける必要がある。
法第6条第1項第三号より、木造以外の建築物で2以上の階数を有し、又は延べ面積が200㎡を超えるものは、確認済証の交付を受ける必要がある。
鉄骨造平家建て、延べ面積 200㎡の飲食店の新築は、どちらにも該当しないため、確認済証の交付を受ける必要がない。
- 木造 3 階建て、延べ面積 200㎡、高さ 9mの一戸建て住宅における、鉄骨造平家建て、床面積10㎡の倉庫の増築
確認済証の交付を受ける必要がない。
法第6条第2項より、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であるときについては、適用しない。
よって、確認済証の交付を受ける必要がない。
- 木造 2 階建て、延べ面積 200㎡、高さ 9mの旅館の新築
確認済証の交付を受ける必要がない。
法第6条第1項第一号より、法別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものは、確認済証の交付を受ける必要がある。
法第6条第1項第二号は、木造の建築物で3以上の階数を有し、又は延べ面積が500㎡、高さが13m若しくは軒の高さが9mを超えるものである。
木造 2 階建て、延べ面積 200㎡、高さ 9mの旅館の新築は、どちらにも該当しないため、確認済証の交付を受ける必要がない。
- 木造 2 階建て、延べ面積 300㎡、高さ 8mの事務所から物品販売業を営む店舗への用途の変更
確認済証の交付を受ける必要がある。
法第87条第1項より、建築物の用途を変更して法第6条第1項第一号の特殊建築物のいずれかとする場合(当該用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間におけるものである場合を除く。)においては、同条の規定を準用する。
なお、法第6条第1項第一号より、法別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものは、確認済証の交付を受ける必要がある。
物品販売業を営む店舗は、別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物であり、200㎡を超えるため、確認済証の交付を受ける必要がある。
令和4年 建築法規 No.3
〔No. 3 〕 次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
- 建築主は、鉄筋コンクリート造 3 階建て、延べ面積 300㎡の共同住宅の新築において、 2 階の床及びこれを支持する梁に鉄筋を配置する工程に係る工事を終えたときは、建築主事又は指定確認検査機関の中間検査を申請しなければならない。
- 建築主は、建築物の用途の変更に係る確認済証の交付を受けた場合において、当該工事を完了したときは、建築主事に届け出なければならない。
- 建築主は、都市計画区域内において、木造 2 階建て、延べ面積 150㎡の一戸建て住宅を新築し、建築主事に完了検査を申請する場合、原則として、当該工事が完了した日から 7 日以内に建築主事に到達するようにしなければならない。
- 一戸建て住宅の一部である床面積 20㎡の部分を除却しようとする場合、当該除却の工事を施工する者は、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
- 鉄骨造 2 階建て、延べ面積 300㎡の倉庫の新築において、指定確認検査機関が、安全上、防火上及び避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合していることを認めたときは、当該建築物の建築主は、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用し、又は使用させることができる。
誤っているものは、3である。
- 建築主は、鉄筋コンクリート造 3 階建て、延べ面積 300㎡の共同住宅の新築において、 2 階の床及びこれを支持する梁に鉄筋を配置する工程に係る工事を終えたときは、建築主事又は指定確認検査機関の中間検査を申請しなければならない。
設問は、正しい。
法第7条の3第1項より、建築主は、階数が 3 以上である鉄筋コンクリート造の共同住宅を新築する場合、 2 階の床及びこれを支持する梁に鉄筋を配置する工程に係る工事を終えたときは、建築主事又は指定確認検査機関の中間検査を申請しなければならない。
- 建築主は、建築物の用途の変更に係る確認済証の交付を受けた場合において、当該工事を完了したときは、建築主事に届け出なければならない。
設問は、正しい。
法第87条第1項より、法第7条第1項の規定を準用において、第7条第1項中「建築主事の検査を申請しなければならない」とあるのは、「建築主事に届け出なければならない」と読み替えるものとする。
- 建築主は、都市計画区域内において、木造 2 階建て、延べ面積 150㎡の一戸建て住宅を新築し、建築主事に完了検査を申請する場合、原則として、当該工事が完了した日から 7 日以内に建築主事に到達するようにしなければならない。
設問は、誤っている。
法第7条第2項より、完了検査の申請は、工事が完了した日から4日以内に建築主事に到達するように、しなければならない。
- 一戸建て住宅の一部である床面積 20㎡の部分を除却しようとする場合、当該除却の工事を施工する者は、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
設問は、正しい。
法第15条第1項より、建築主が建築物を建築しようとする場合又は建築物の除却の工事を施工する者が建築物を除却しようとする場合においては、これらの者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
なお、同条ただし書きより、建築物又は当該工事に係る部分の床面積の合計が10㎡以内である場合においては、その旨を都道府県知事に届け出る必要はない。
- 鉄骨造 2 階建て、延べ面積 300㎡の倉庫の新築において、指定確認検査機関が、安全上、防火上及び避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合していることを認めたときは、当該建築物の建築主は、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用し、又は使用させることができる。
設問は、正しい。
法第7条の6第1項ただし書きによる第二号の規定より、指定確認検査機関が安全上、防火上及び避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合していることを認めたときは、当該建築物の建築主は、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用し、又は使用させることができる。
令和4年 建築法規 No.4
〔No. 4 〕 木造 2 階建て、延べ面積 100㎡の一戸建て住宅の計画に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。
- 敷地内の排水に支障がなかったので、建築物の敷地は、これに接する道の境よりも低くした。
- 居室に設ける開口部で、公園に面するものについて、採光に有効な部分の面積を算定するに当たり、その公園の反対側の境界線を隣地境界線とした。
- 居間(床面積 16㎡、天井の高さ 2.5m)に機械換気設備を設けるに当たり、「居室を有する建築物の換気設備についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準」による有効換気量を、20㎥/hとした。
- 回り階段の部分における踏面の寸法を、踏面の狭い方の端から 30㎝の位置において、15㎝とした。
- 階段(高さ 3.0 mの屋内の直階段)の高さ 1.5mの位置に、踏幅 1.1mの踊場を設けた。
適合しないものは、2である。
- 敷地内の排水に支障がなかったので、建築物の敷地は、これに接する道の境よりも低くした。
設問は、適合する。
法第19条第1項より、建築物の敷地は、これに接する道の境より高くなければならず、建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くなければならない。ただし、敷地内の排水に支障がない場合又は建築物の用途により防湿の必要がない場合においては、この限りでない。
- 居室に設ける開口部で、公園に面するものについて、採光に有効な部分の面積を算定するに当たり、その公園の反対側の境界線を隣地境界線とした。
設問は、適合しない。
令第20条第2項第一号より、採光に有効な部分の面積を算定する場合の隣地境界線は、公園、広場、川その他これらに類する空地又は水面に面する場合にあつては当該公園、広場、川その他これらに類する空地又は水面の幅の1/2だけ隣地境界線の外側にある線とする。
- 居間(床面積 16㎡、天井の高さ 2.5m)に機械換気設備を設けるに当たり、「居室を有する建築物の換気設備についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準」による有効換気量を、20㎥/hとした。
設問は、適合する。
令第20条の8第1項第一号イ(1)より、必要有効換気量の算定式は、
Vr=nAh
Vr 必要有効換気量(単位 ㎥/h)
n 住宅等の居室にあつては0.5、その他の居室にあつては0.3
A 居室の床面積(単位 ㎡)
h 居室の天井の高さ(単位 m)
Vr=0.5×16㎡×2.5m=20.0㎥/h
よって必要有効換気量は、20.0㎥/hである。
- 回り階段の部分における踏面の寸法を、踏面の狭い方の端から 30㎝の位置において、15㎝とした。
設問は、適合する。
令第23条第1項より、住宅の階段(共同住宅の共用の階段を除く。)の蹴上げは23㎝以下、踏面は15㎝以上とすることができる。
同条第2項より、回り階段の部分における踏面の寸法は、踏面の狭い方の端から30㎝の位置において測るものとする。
- 階段(高さ 3.0 mの屋内の直階段)の高さ 1.5mの位置に、踏幅 1.1mの踊場を設けた。
設問は、適合する。
令第24条より、第23条第1項の表の(1)又は(2)に該当する階段でその高さが3mをこえるものにあつては高さ3m以内ごとに、その他の階段でその高さが4mをこえるものにあつては高さ4m以内ごとに、踏幅1.2m以上の踊場を設けなければならない。
住宅は、(1)又は(2)に該当しないため、4m以内ごとに踊場を設ければよいため、設問は踏幅1.2m以上の踊場を設ける必要はない。
令和4年 建築法規 No.5
〔No. 5 〕 図のような一様に傾斜した勾配天井部分をもつ居室の天井の高さとして、建築基準法上、正しいものは、次のうちどれか。
- 2.4 m
- 2.5 m
- 2.7 m
- 2.8 m
- 3.0 m
正しいものは、4である。
天井の高さは、2.8mである。
令第21条第2項より、居室の天井の高さは、室の床面から測り、1室で天井の高さの異なる部分がある場合においては、その平均の高さによるものとする。
居室の体積を、居室の床面積で除して、平均の天井高さを算出する。
平均の高さ=居室の容積(㎥)/居室の床面積(㎡)
居室の容積(㎥)=(36㎡×3m)+(24㎡×(2m+3m)/2)=168㎥
よって、平均の高さ=168㎥/60㎡=2.8m
令和4年 建築法規 No.6
〔No. 6 〕 図のような平面を有する木造平家建ての倉庫の構造耐力上必要な軸組の長さを算定するに当たって、張り間方向と桁行方向における「壁を設け又は筋かいを入れた軸組の部分の長さに所定の倍率を乗じて得た長さの合計(構造耐力上有効な軸組の長さ)」の組合せとして、建築基準法上、正しいものは、次のうちどれか。
正しいものは、1である。
構造耐力上必要な軸組の長さの、張り間方向は40m、桁行方向は26mである。
令第46条第4項の表1より、軸組の種類ごとの倍率は、
木ずりを柱及び間柱の両面に打ち付けた壁を設けた軸組の倍率は、1
木ずりを柱及び間柱の片面に打ち付けた壁を設けた軸組の倍率は、0.5
厚さ4.5㎝で幅9.0㎝の木材の筋かいをたすき掛けに入れた軸組の倍率は、4
厚さ4.5㎝で幅9.0㎝の木材の筋かいを入れた軸組の倍率は、2
構造耐力上有効な軸組の長さは、軸組の長さに倍率を乗じて、長さの合計を算出する。
張り間方向は、2m×1×4ヶ所+2m×4×4ヶ所=40m
桁行方向は、2m×1×4ヶ所+2m×2×4ヶ所+2m×0.5×2ヶ所=26m
令和4年 建築法規 No.7
〔No. 7 〕 次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算による安全性の確認は行わないものとする。
- 木造 3 階建て、延べ面積 250㎡の一戸建て住宅に対し、鉄骨造平家建て、床面積 60㎡の診療所を、エキスパンションジョイントその他の相互に応力を伝えない構造方法のみで接する形で増築する場合には、建築基準法第 20 条第 1 項に規定する基準の適用については、それぞれ別の建築物とみなされる。
- 木造 2 階建て、延べ面積 300㎡の一戸建て住宅において、構造耐力上主要な部分である 1 階の柱と基礎とをだぼ継ぎその他の国土交通大臣が定める構造方法により接合し、かつ、当該柱に構造耐力上支障のある引張応力が生じないことが国土交通大臣が定める方法によって確かめられた場合には、土台を設けなくてもよい。
- 木造 2 階建て、延べ面積 200㎡の集会場において、床組及び小屋ばり組には木板その他これに類するものを国土交通大臣が定める基準に従って打ち付けし、小屋組には振れ止めを設けなければならない。
- 特定天井の構造は、構造耐力上安全なものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。
- 工事を施工するために現場に設ける事務所において、柱に用いる鋼材は、その品質が、国土交通大臣の指定する日本産業規格に適合しなければならない。
誤っているものは、5である。
- 木造 3 階建て、延べ面積 250㎡の一戸建て住宅に対し、鉄骨造平家建て、床面積 60㎡の診療所を、エキスパンションジョイントその他の相互に応力を伝えない構造方法のみで接する形で増築する場合には、建築基準法第 20 条第 1 項に規定する基準の適用については、それぞれ別の建築物とみなされる。
設問は、正しい。
法第20条第2項、令第36条の4より、エキスパンションジョイントその他の相互に応力を伝えない構造方法のみで接する形で増築する場合には、建築基準法第20条第1項に規定する基準の適用については、それぞれ別の建築物とみなされる。
- 木造 2 階建て、延べ面積 300㎡の一戸建て住宅において、構造耐力上主要な部分である 1 階の柱と基礎とをだぼ継ぎその他の国土交通大臣が定める構造方法により接合し、かつ、当該柱に構造耐力上支障のある引張応力が生じないことが国土交通大臣が定める方法によって確かめられた場合には、土台を設けなくてもよい。
設問は、正しい。
令第42条第1項第三号より、当該柱と基礎とをだぼ継ぎその他の国土交通大臣が定める構造方法により接合し、かつ、当該柱に構造耐力上支障のある引張応力が生じないことが国土交通大臣が定める方法によつて確かめられた場合は、土台を設けなくてもよい。
- 木造 2 階建て、延べ面積 200㎡の集会場において、床組及び小屋ばり組には木板その他これに類するものを国土交通大臣が定める基準に従って打ち付けし、小屋組には振れ止めを設けなければならない。
設問は、正しい。
令第46条第3項より、床組及び小屋ばり組には木板その他これに類するものを国土交通大臣が定める基準に従つて打ち付け、小屋組には振れ止めを設けなければならない。
- 特定天井の構造は、構造耐力上安全なものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。
設問は、正しい。
令第39条第3項より、特定天井の構造は、構造耐力上安全なものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。
- 工事を施工するために現場に設ける事務所において、柱に用いる鋼材は、その品質が、国土交通大臣の指定する日本産業規格に適合しなければならない。
設問は、誤っている。
法第85条第2項より、災害があつた場合において建築する停車場、官公署その他これらに類する公益上必要な用途に供する応急仮設建築物又は工事を施工するために現場に設ける事務所、下小屋、材料置場その他これらに類する仮設建築物については、第6条から第7条の6まで、第12条第1項から第4項まで、第15条、第18条(第25項を除く。)、第19条、第21条から第23条まで、第26条、第31条、第33条、第34条第2項、第35条、第36条(第19条、第21条、第26条、第31条、第33条、第34条第2項及び第35条に係る部分に限る。)、第37条、第39条及び第40条の規定並びに第3章の規定は、適用しない。
法第37条による建築材料の品質の規定は、適用しないことから、設問は誤っている。
令和4年 建築法規 No.8
〔No. 8〕 建築物の構造強度に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
- 風圧力の計算に当たり、建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物がある場合においては、その方向における速度圧は、所定の数値の 1/2 まで減らすことができる。
- 雪下ろしを行う慣習のある地方においては、その地方における垂直積雪量が 1mを超える場合においても、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を 1mまで減らして計算することができる。
- ローム層の地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度は、国土交通大臣が定める方法による地盤調査を行わない場合、50 kN/㎡とすることができる。
- 仕上げをモルタル塗としたコンクリート造の床の固定荷重は、実況に応じて計算しない場合、当該部分の床面積に 150 N/㎡(仕上げ厚さ 1㎝ごとに、そのcmの数値を乗ずるものとする。)を乗じて計算することができる。
- 保有水平耐力計算により、地震時における構造耐力上主要な部分の断面に生ずる短期の応力度を計算する場合、特定行政庁が指定する多雪区域においては、積雪荷重を考慮する。
誤っているものは、4である。
- 風圧力の計算に当たり、建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物がある場合においては、その方向における速度圧は、所定の数値の 1/2 まで減らすことができる。
設問は、正しい。
令第87条第3項より、建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物、防風林その他これらに類するものがある場合においては、その方向における速度圧は、所定の数値の1/2まで減らすことができる。
- 雪下ろしを行う慣習のある地方においては、その地方における垂直積雪量が 1mを超える場合においても、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を 1mまで減らして計算することができる。
設問は、正しい。
令第86条第6項より、雪下ろしを行う慣習のある地方においては、その地方における垂直積雪量が1mを超える場合においても、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができる。
- ローム層の地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度は、国土交通大臣が定める方法による地盤調査を行わない場合、50 kN/㎡とすることができる。
設問は、正しい。
令第93条の表より、ローム層の地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度は、国土交通大臣が定める方法による地盤調査を行わない場合、50 kN/㎡とすることができる。
- 仕上げをモルタル塗としたコンクリート造の床の固定荷重は、実況に応じて計算しない場合、当該部分の床面積に 150 N/㎡(仕上げ厚さ 1㎝ごとに、そのcmの数値を乗ずるものとする。)を乗じて計算することができる。
設問は、誤っている。
令第84条の表より、仕上げをモルタル塗としたコンクリート造の床の固定荷重は、実況に応じて計算しない場合、当該部分の床面積に 200 N/㎡を乗じて計算することができる。
- 保有水平耐力計算により、地震時における構造耐力上主要な部分の断面に生ずる短期の応力度を計算する場合、特定行政庁が指定する多雪区域においては、積雪荷重を考慮する。
設問は、正しい。
令第82条第二号の表より、地震時における構造耐力上主要な部分の断面に生ずる短期の応力度を計算する場合、特定行政庁が指定する多雪区域においては、積雪荷重を考慮する。
令和4年 建築法規 No.9
〔No. 9 〕 建築物の防火区画、防火壁、間仕切壁に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
- 主要構造部を準耐火構造とした 3 階建て、延べ面積 150㎡の一戸建て住宅( 3 階部分に居室を有するもの)においては、階段の部分とその他の部分とを防火区画しなくてよい。
- 給水管が準耐火構造の防火区画を貫通する場合においては、当該管と準耐火構造の防火区画との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。
- 配電管が防火壁を貫通する場合においては、当該管と防火壁との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。
- 防火区画(建築基準法施行令第 112 条第 18 項に規定するものを除く。)を構成する床に接する外壁については、その接する部分を含み幅 90㎝以上の部分を準耐火構造とするか、外壁面から 50㎝以上突出した準耐火構造のひさし等で防火上有効に遮らなければならない。
- 病院の用途に供する建築物の当該用途に供する部分の防火上主要な間仕切壁は、天井の全部が強化天井であっても、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。
誤っているものは、5である。
- 主要構造部を準耐火構造とした 3 階建て、延べ面積 150㎡の一戸建て住宅( 3 階部分に居室を有するもの)においては、階段の部分とその他の部分とを防火区画しなくてよい。
設問は、正しい。
令第112条第11項のただし書きより、階数が3以下で延べ面積が200㎡以内の一戸建ての住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸のうちその階数が3以下で、かつ、床面積の合計が200㎡以内であるものにおける吹抜きとなつている部分、階段の部分、昇降機の昇降路の部分その他これらに類する部分は、防火区画しなくてよい。
- 給水管が準耐火構造の防火区画を貫通する場合においては、当該管と準耐火構造の防火区画との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。
設問は、正しい。
令第112条第20項より、給水管が防火区画を貫通する場合においては、当該管と準耐火構造の防火区画との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。
- 配電管が防火壁を貫通する場合においては、当該管と防火壁との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。
設問は、正しい。
令第113条第2項による令第112条第20項の準用により、配電管が防火壁を貫通する場合においては、当該管と防火壁との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。
- 防火区画(建築基準法施行令第 112 条第 18 項に規定するものを除く。)を構成する床に接する外壁については、その接する部分を含み幅 90㎝以上の部分を準耐火構造とするか、外壁面から 50㎝以上突出した準耐火構造のひさし等で防火上有効に遮らなければならない。
設問は、正しい。
令第112条第16項より、防火区画(建築基準法施行令第 112 条第 18 項に規定するものを除く。)を構成する床に接する外壁については、その接する部分を含み幅 90㎝以上の部分を準耐火構造とするか、外壁面から50㎝以上突出した準耐火構造のひさし等で防火上有効に遮らなければならない。
- 病院の用途に供する建築物の当該用途に供する部分の防火上主要な間仕切壁は、天井の全部が強化天井であっても、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。
設問は、誤っている。
令第114条第2項より、病院の用途に供する建築物の当該用途に供する部分の防火上主要な間仕切壁は、第112条第4項各号のいずれかに該当する部分を除き、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。
令第112条第4項より、天井の全部が強化天井である場合は、除かれている。
令和4年 建築法規 No.10
〔No. 10 〕 建築物の避難施設等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、いずれの建築物も各階に建築基準法施行令第 116 条の2第1 項第一号の規定に該当する「窓その他の開口部を有しない居室」を有するものとし、避難階は 1 階とする。
- 集会場における客席からの出口の戸は、内開きとしてはならない。
- 集会場に設置する非常用の照明装置には、予備電源を設けなければならない。
- 木造 2 階建ての一戸建て住宅においては、 2 階の居室の各部分から 1 階又は地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離の制限を受けない。
- 木造 2 階建ての一戸建て住宅において、 2 階にあるバルコニーの周囲には、安全上必要な高さが 1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。
- 木造 2 階建て、延べ面積 100㎡の一戸建ての住宅においては、廊下の幅に制限はない。
誤っているものは、3である。
- 集会場における客席からの出口の戸は、内開きとしてはならない。
設問は、正しい。
令第118条より、劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂又は集会場における客席からの出口の戸は、内開きとしてはならない。
- 集会場に設置する非常用の照明装置には、予備電源を設けなければならない。
設問は、正しい。
令第126条の5第一号ハより、非常用の照明装置には、予備電源を設けなければならない。
- 木造 2 階建ての一戸建て住宅においては、 2 階の居室の各部分から 1 階又は地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離の制限を受けない。
設問は、誤っている。
令第117条第1項より、令第120条の規定は、法別表第1(い)欄(1)項から(4)項までに掲げる用途に供する特殊建築物、階数が3以上である建築物、令第116条の2第1項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室を有する階又は延べ面積が1,000㎡をこえる建築物に限り適用する。
令第116条の2第1項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室を有する階である場合、木造 2 階建ての一戸建て住宅においては、 2 階の居室の各部分から 1 階又は地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離の制限を受ける。
- 木造 2 階建ての一戸建て住宅において、 2 階にあるバルコニーの周囲には、安全上必要な高さが 1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。
設問は、正しい。
令第126条第1項より、屋上広場又は2階以上の階にあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。
- 木造 2 階建て、延べ面積 100㎡の一戸建ての住宅においては、廊下の幅に制限はない。
設問は、正しい。
令第117条第1項より、廊下幅の規定は、法別表第1(い)欄(1)項から(4)項までに掲げる用途に供する特殊建築物、階数が3以上である建築物、令第116条の2第1項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室を有する階又は延べ面積が1,000㎡をこえる建築物に限り適用する。
また、令第116条の2第1項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室を有する階であっても、令第119条より、3室以下の専用のものを除き居室の床面積の合計が200㎡(地階にあつては、100㎡)を超える階におけるものが制限を受ける。
よって、木造 2 階建て、延べ面積 100㎡の一戸建ての住宅においては、廊下の幅に制限はない。
令和4年 建築法規 No.11
〔No. 11 〕 建築基準法第 35 条の 2 の規定による内装の制限に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、内装の制限を受ける「窓その他の開口部を有しない居室」はないものとする。また、火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分として、国土交通大臣が定めるものはないものとする。
- 主要構造部を耐火構造とした中学校は、その規模にかかわらず、内装の制限を受けない。
- 内装の制限を受ける調理室等の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げには、準不燃材料を使用することができる。
- 住宅に附属する鉄骨造平家建て、延べ面積 30㎡の自動車車庫は、内装の制限を受けない。
- 内装の制限を受ける居室の天井の回り縁は、内装の制限の対象とはならない。
- 内装の制限を受ける特殊建築物の居室から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の床については、内装の制限を受けない。
誤っているものは、3である。
- 主要構造部を耐火構造とした中学校は、その規模にかかわらず、内装の制限を受けない。
設問は、正しい。
令第128条の4第2項より、学校等の用途に供するものは、内装制限を受けない。
- 内装の制限を受ける調理室等の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げには、準不燃材料を使用することができる。
設問は、正しい。
令第128条の5第6項より、内装の制限を受ける調理室等の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げは、準不燃材料を使用することができる。
- 住宅に附属する鉄骨造平家建て、延べ面積 30㎡の自動車車庫は、内装の制限を受けない。
設問は、誤っている。
令第128条の4第1項第二号より、自動車車庫又は自動車修理工場の用途に供する特殊建築物は、その構造及び規模にかかわらず、内装の制限を受ける。
- 内装の制限を受ける居室の天井の回り縁は、内装の制限の対象とはならない。
設問は、正しい。
令第128条の5第1項より、天井の回り縁は、内装の制限の対象とはならない。
- 内装の制限を受ける特殊建築物の居室から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の床については、内装の制限を受けない。
設問は、正しい。
令第128条の5第1項より、内装制限の対象部分は、壁及び天井である。
床については、内装の制限を受けない。
令和4年 建築法規 No.12
〔No. 12 〕 都市計画区域内における道路等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
- 幅員 25mの自動車のみの交通の用に供する道路のみに 6m接している敷地には、原則として、建築物を建築することができない。
- 建築基準法上の道路に該当しない幅員 6mの農道のみに 2m以上接する敷地における、延べ面積 150㎡の一戸建て住宅については、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める場合には建築することができる。
- 非常災害があった場合において、非常災害区域等(防火地域以外の区域とする。)内に、地方公共団体が、災害救助を目的として、その災害が発生した日から 1 月以内にその工事に着手する応急仮設建築物の敷地は、道路に 2m以上接しなければならない。
- 土地区画整理法による幅員 8mの道路の地盤面下に設ける建築物は、特定行政庁の許可を受けることなく建築することができる。
- 公衆便所は、特定行政庁が通行上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可した場合においては、道路内に建築することができる。
誤っているものは、3である。
- 幅員 25mの自動車のみの交通の用に供する道路のみに 6m接している敷地には、原則として、建築物を建築することができない。
設問は、正しい。
法第43条第1項第一号より、自動車のみの交通の用に供する道路にのみ接している敷地には、原則として、建築物を建築することができない。
- 建築基準法上の道路に該当しない幅員 6mの農道のみに 2m以上接する敷地における、延べ面積 150㎡の一戸建て住宅については、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める場合には建築することができる。
設問は、正しい。
法第43条第2項第一号より、その敷地が幅員4m以上の道に2m以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める場合には建築することができる。
- 非常災害があった場合において、非常災害区域等(防火地域以外の区域とする。)内に、地方公共団体が、災害救助を目的として、その災害が発生した日から 1 月以内にその工事に着手する応急仮設建築物の敷地は、道路に 2m以上接しなければならない。
設問は、誤っている。
法第85条第1項より、非常災害があった場合において、非常災害区域等(防火地域以外の区域とする。)内に、地方公共団体が、災害救助を目的として、その災害が発生した日から 1 月以内にその工事に着手する応急仮設建築物の敷地は、建築基準法令の規定は、適用しない。
したがって、法第43条の適用はなく、道路に 2 m以上接しなくてもよい。
- 土地区画整理法による幅員 8mの道路の地盤面下に設ける建築物は、特定行政庁の許可を受けることなく建築することができる。
設問は、正しい。
法第44条第1項のただし書第一号より、地盤面下に設ける建築物は、特定行政庁の許可を受けることなく、道路内に建築することができる。
- 公衆便所は、特定行政庁が通行上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可した場合においては、道路内に建築することができる。
設問は、正しい。
法第44条第1項のただし書第二号より、公衆便所、巡査派出所その他これらに類する公益上必要な建築物で特定行政庁が通行上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものは、道路内に建築することができる。
令和4年 建築法規 No.13
〔No. 13 〕 次の建築物のうち、建築基準法上、新築することができるものはどれか。ただし、特定行政庁の許可は受けないものとし、用途地域以外の地域、地区等は考慮しないものとする。
- 第一種低層住居専用地域内における 3 階建て、延べ面積 700㎡の児童厚生施設
- 第二種低層住居専用地域内における 2 階建て、延べ面積 200㎡の銀行の支店
- 第一種中高層住居専用地域内における 2 階建て、延べ面積 500㎡の旅館
- 工業地域内における 2 階建て、延べ面積 250㎡の食堂兼用住宅で、居住の用に供する部分の床面積が 100㎡のもの
- 工業専用地域内における平家建て、延べ面積 200㎡のバッティング練習場
新築することができるものは、4である。
- 第一種低層住居専用地域内における 3 階建て、延べ面積 700㎡の児童厚生施設
設問の建築物は、新築できない。
法別表第2(い)項第九号及び令第130条の4第二号より、第一種低層住居専用地域内に建築することができる公益上必要な建築物は、地方公共団体の支庁又は支所の用に供する建築物、老人福祉センター、児童厚生施設その他これらに類するもので延べ面積が600㎡以内のものである。
- 第二種低層住居専用地域内における 2 階建て、延べ面積 200㎡の銀行の支店
設問の建築物は、新築できない。
法別表第2(ろ)項各号に該当しないため、第二種低層住居専用地域内に銀行の支店は建築できない。
- 第一種中高層住居専用地域内における 2 階建て、延べ面積 500㎡の旅館
設問の建築物は、新築できない。
法別表第2(は)項各号に該当しないため、第一種中高層住居専用地域内に旅館は建築できない。
- 工業地域内における 2 階建て、延べ面積 250㎡の食堂兼用住宅で、居住の用に供する部分の床面積が 100㎡のもの
設問の建築物は、新築できる。
法別表第2(を)項各号に該当しないため、工業地域内に、 2 階建て、延べ面積 250㎡の食堂兼用住宅で、居住の用に供する部分の床面積が 100㎡のものは、建築できる。
- 工業専用地域内における平家建て、延べ面積 200㎡のバッティング練習場
設問の建築物は、新築できない。
法別表第2(わ)項七号及び令第130条の6の2より、工業専用地域内にバッティング練習場は建築できない。
令和4年 建築法規 No.14
〔No. 14 〕 図のような敷地及び建築物( 2 階建て、延べ面積 400㎡)の配置において、建築基準法上、新築してはならない建築物は、次のうちどれか。ただし、特定行政庁の許可は受けないものとし、用途地域以外の地域、地区等は考慮しないものとする。
- 事務所
- 倉庫業を営む倉庫
- 病院
- ホテル
- 客席の部分の床面積の合計が 300㎡の劇場
新築してはならない建築物は、5である。
新築してはならない建築物は、5.客席の部分の床面積の合計が 300㎡の劇場である。
法第91条より、建築物の敷地が用途制限を受ける区域の内外にわたる場合においては、敷地の過半の属する区域内の規定を適用する。準住居地域400㎡>第一種住居地域200㎡より、準住居地域の用途の制限を受ける。
法別表第2(と)項第五号より、劇場、映画館、演芸場若しくは観覧場のうち客席の部分の床面積の合計が200㎡以上のものは、新築してはならない。
令和4年 建築法規 No.15
〔No. 15 〕 都市計画区域内における建築物の容積率、建蔽率及び敷地面積に関する次の記述のうち、建築基準法上、正しいものはどれか。ただし、用途地域及び準防火地域以外の地域、地区等並びに特定行政庁の指定・許可等は考慮しないものとする。
- 田園住居地域内の専用住宅の容積率は、その敷地内に政令で定める規模以上の空地(道路に接して有効な部分が政令で定める規模以上であるものに限る。)を有し、かつ、その敷地面積が政令で定める規模以上である場合、当該地域に関する都市計画において定められた容積率の 1.5倍以下とすることができる。
- 用途地域の指定のない区域内の耐火建築物は、容積率の制限を受けない。
- 敷地に接する道路の幅員によって、建築物の建蔽率の制限が異なる。
- 近隣商業地域(都市計画で定められた建蔽率は 8/10 )内、かつ、準防火地域内で、準耐火建築物を建築する場合の建蔽率の最高限度は 9/10 である。
- 用途地域に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められた地域内に巡査派出所を新築しようとする場合については、その敷地面積を当該最低限度以上としなければならない。
正しいものは、4である。
- 田園住居地域内の専用住宅の容積率は、その敷地内に政令で定める規模以上の空地(道路に接して有効な部分が政令で定める規模以上であるものに限る。)を有し、かつ、その敷地面積が政令で定める規模以上である場合、当該地域に関する都市計画において定められた容積率の 1.5倍以下とすることができる。
設問は、誤っている。
法第52条第8項より、条件を満たす場合、専用住宅の容積率は、当該地域に関する都市計画において定められた容積率の 1.5倍以下とすることができる。
田園住居地域は、この条件に該当しないため、容積率の 1.5倍以下とすることができない。
- 用途地域の指定のない区域内の耐火建築物は、容積率の制限を受けない。
設問は、誤っている。
法第52条第1項第八号より、用途地域の指定のない区域内の建築物は、容積率の制限を受ける。
- 敷地に接する道路の幅員によって、建築物の建蔽率の制限が異なる。
設問は、誤っている。
敷地に接する道路の幅員と建蔽率の制限は関係しない。
なお、法第52条第2項より、容積率は、敷地に接する道路の幅員によって、制限が異なる。
- 近隣商業地域(都市計画で定められた建蔽率は 8/10 )内、かつ、準防火地域内で、準耐火建築物を建築する場合の建蔽率の最高限度は 9/10 である。
設問は、正しい。
法第53条第3項第一号ロより、準防火地域内で、準耐火建築物を建築する場合、都市計画で定められた建蔽率に1/10を加えたものを建蔽率の限度とする。
よって、建蔽率の最高限度は、8/10+1/10=9/10となる。
- 用途地域に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められた地域内に巡査派出所を新築しようとする場合については、その敷地面積を当該最低限度以上としなければならない。
設問は、誤っている。
法第53条の2第1項ただし書き二号より、巡査派出所は除外されているため、その敷地面積を当該最低限度以上としなくてもよい。
令和4年 建築法規 No.16
〔No. 16 〕 図のような共同住宅(宅配ボックス設置部分を有するもの)を新築する場合、建築基準法上、容積率の算定の基礎となる延べ面積は、次のうちどれか。ただし、自動車車庫等の用途に供する部分及びエレベーターはないものとし、地域、地区等及び特定行政庁の指定等は考慮しないものとする。
- 165 ㎡
- 168 ㎡
- 170 ㎡
- 195 ㎡
- 200 ㎡
容積率の算定の基礎となる延べ面積は、2である。
容積率の算定の基礎となる延べ面積は、168㎡である。
法第52条第6項により、共同住宅の共用の廊下若しくは階段の用に供する部分の床面積は、算入しないものとする。
令第2条第1項第四号へ及び同条第3項第六号より、宅配ボックス設置部分は、建築物の各階の床面積の合計に1/100に定める割合を乗じて得た面積は床面積に算入しない。
建築物の各階の床面積の合計200㎡×1/100=2㎡
1階の算入する床面積100㎡−20㎡(共用の廊下等)-2㎡(宅配ボックス)= 78㎡
2階の算入する床面積100㎡-10㎡(共用の廊下等)=90㎡
よって、容積率の算定の基礎となる延べ面積は、78㎡+90㎡= 168㎡
令和4年 建築法規 No.17
〔No. 17 〕 図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間の高低差並びに門及び塀はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。
- 8.75 m
- 11.25 m
- 15.00 m
- 16.25 m
- 18.75 m
地盤面からの建築物の高さの最高限度は、2である。
地盤面からの建築物の高さの最高限度は、11.25mである。
令第132条第1項より、建築物の前面道路が2以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2倍以内で、かつ、35m以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が10mをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。よって、東側の道路幅員は、北側の道路幅員と同じ、6mとみなす。
法第56条第2項より、前面道路の境界線から後退した建築物に対する前項第一号の規定の適用については、同号中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは、「前面道路の反対側の境界線から当該建築物の後退距離(当該建築物から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。)に相当する距離だけ外側の線」とする。
同条第1項第一号より、道路高さ制限は、(6m+1m1m+1m)×1.25=11.25m
よって、最高限度は、11.25mである。
令和4年 建築法規 No.18
〔No. 18 〕 建築物の高さの制限又は日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、用途地域以外の地域、地区等及び地形の特殊性に関する特定行政庁の定め等は考慮しないものとする。
- 第一種中高層住居専用地域内にある高さが 10mを超える建築物において、特定行政庁が土地の状況等により周囲の居住環境を害するおそれがないと認めて建築審査会の同意を得て許可した場合は、日影規制は適用されない。
- 建築物の敷地の前面道路に沿って塀(前面道路の路面の中心からの高さが 1.2mのもの)が設けられている場合においては、前面道路の境界線から後退した建築物に対する道路高さ制限の緩和を適用することができる。
- 第一種低層住居専用地域内においては、隣地高さ制限は適用されない。
- 日影規制において、建築物の敷地が用途地域の異なる地域の内外にわたる場合は、その建築物の全部について敷地の過半の属する地域の規定が適用される。
- 前面道路の境界線から後退した建築物に対する道路高さ制限において、後退距離は、原則として、当該建築物から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。
誤っているものは、4である。
- 第一種中高層住居専用地域内にある高さが 10mを超える建築物において、特定行政庁が土地の状況等により周囲の居住環境を害するおそれがないと認めて建築審査会の同意を得て許可した場合は、日影規制は適用されない。
設問は、正しい。
法第56条の2第1項ただし書きより、特定行政庁が土地の状況等により周囲の居住環境を害するおそれがないと認めて建築審査会の同意を得て許可した場合又は当該許可を受けた建築物を周囲の居住環境を害するおそれがないものとして政令で定める位置及び規模の範囲内において増築し、改築し、若しくは移転する場合においては、日影規制は適用されない。
- 建築物の敷地の前面道路に沿って塀(前面道路の路面の中心からの高さが 1.2mのもの)が設けられている場合においては、前面道路の境界線から後退した建築物に対する道路高さ制限の緩和を適用することができる。
設問は、正しい。
令第130条の12より、道路に沿つて設けられる高さが2m以下の門又は塀(高さが1.2mを超えるものにあつては、当該1.2mを超える部分が網状その他これに類する形状であるものに限る。)は、後退距離の算定上、建築物の部分から除外するため、前面道路の境界線から後退した建築物に対する道路高さ制限の緩和を適用することができる。
- 第一種低層住居専用地域内においては、隣地高さ制限は適用されない。
設問は、正しい。
法第56条第1項第二号より、第一種低層住居専用地域内においては、隣地高さ制限は適用されない。
- 日影規制において、建築物の敷地が用途地域の異なる地域の内外にわたる場合は、その建築物の全部について敷地の過半の属する地域の規定が適用される。
設問は、誤っている。
令第135条の13より、日影時間の制限の異なる区域の内外にわたる場合は、日影を生じさせる区域ごとにその区域の日影時間の制限を受ける。
- 前面道路の境界線から後退した建築物に対する道路高さ制限において、後退距離は、原則として、当該建築物から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。
設問は、正しい。
法第56条第2項より、建築物の後退距離とは、当該建築物(地盤面下の部分その他政令で定める部分を除く。)から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。
令和4年 建築法規 No.19
〔No. 19 〕 次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、地階及び防火壁はないものとし、防火地域及び準防火地域以外の地域、地区等は考慮しないものとする。
- 準防火地域内の建築物で、外壁が準耐火構造のものは、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。
- 準防火地域内において、一戸建て住宅を新築する場合、屋根の構造は、市街地における通常の火災による火の粉により、防火上有害な発炎をしないものであり、かつ、屋内に達する防火上有害な溶融、亀裂その他の損傷を生じないものとしなければならない。
- 準防火地域内において、鉄筋コンクリート造 2 階建ての一戸建て住宅に附属する高さ 2mを超える塀を設ける場合、その塀は、延焼防止上支障のない構造としなくてもよい。
- 防火地域内において、建築物の屋上に設ける看板は、その主要な部分を不燃材料で造り、又は覆わなければならない。
- 敷地が防火地域及び準防火地域にわたる場合において、当該敷地の準防火地域内の部分のみに新築される建築物には、準防火地域内の建築物に関する規定が適用される。
誤っているものは、1である。
- 準防火地域内の建築物で、外壁が準耐火構造のものは、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。
設問は、誤っている。
法第63条より、防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。
設問は、準耐火構造のため、誤っている。
- 準防火地域内において、一戸建て住宅を新築する場合、屋根の構造は、市街地における通常の火災による火の粉により、防火上有害な発炎をしないものであり、かつ、屋内に達する防火上有害な溶融、亀裂その他の損傷を生じないものとしなければならない。
設問は、正しい。
法第62条及び令第136条の2の2より、防火地域又は準防火地域内の建築物の屋根の構造は、市街地における通常の火災による火の粉により、防火上有害な発炎をしないもの及び屋内に達する防火上有害な溶融、亀裂その他の損傷を生じないものとしなければならない。
- 準防火地域内において、鉄筋コンクリート造 2 階建ての一戸建て住宅に附属する高さ 2mを超える塀を設ける場合、その塀は、延焼防止上支障のない構造としなくてもよい。
設問は、正しい。
令第136条の2第五号より、高さ2mを超える門又は塀で、防火地域内にある建築物に附属するもの又は準防火地域内にある木造建築物等に附属するものは、延焼防止上支障のない構造としなければならない。
設問は、鉄筋コンクリート造に附属する塀の場合のため、延焼防止上支障のない構造としなくてもよい。
- 防火地域内において、建築物の屋上に設ける看板は、その主要な部分を不燃材料で造り、又は覆わなければならない。
設問は、正しい。
法第64条より、防火地域内にある看板、広告塔、装飾塔その他これらに類する工作物で、建築物の屋上に設けるもの又は高さ3mを超えるものは、その主要な部分を不燃材料で造り、又は覆わなければならない。
- 敷地が防火地域及び準防火地域にわたる場合において、当該敷地の準防火地域内の部分のみに新築される建築物には、準防火地域内の建築物に関する規定が適用される。
設問は、正しい。
法第65条より、建築物が2つの地域の内外にわたる場合、防火壁で区画されている場合を除き、建築物全体について厳しい方の制限を受ける。
設問は、敷地の準防火地域内の部分のみに新築される建築物であり、建築物が2つの地域の内外にわたっていないため、準防火地域内の建築物に関する規定が適用される。
令和4年 建築法規 No.20
〔No. 20 〕 次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
- 「簡易な構造の建築物に対する制限の緩和」の規定の適用を受ける建築物は、建築基準法第 20 条(構造耐力)の規定が適用されない。
- 建築工事等において深さ 1.5m以上の根切り工事を行なう場合に設けなければならない山留めについては、土圧によって山留めの主要な部分の断面に生ずる応力度が、コンクリートの場合にあっては、短期に生ずる力に対する許容応力度を超えないことを計算によって確かめなければならない。
- 建築基準法第 27 条(耐火建築物等としなければならない特殊建築物)の規定に違反があった場合において、その違反が建築主の故意によるものであるときは、設計者又は工事施工者を罰するほか、当該建築主も罰則の適用の対象となる。
- 建築基準法第 48 条(用途地域等)第 1 項から第 14 項までの規定に違反した場合における当該建築物の建築主は、100 万円以下の罰金に処せられる。
- 災害危険区域に関する規定は、都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域においても適用される。
誤っているものは、1である。
- 「簡易な構造の建築物に対する制限の緩和」の規定の適用を受ける建築物は、建築基準法第 20 条(構造耐力)の規定が適用されない。
設問は、誤っている。
法第84条の2より、壁を有しない自動車車庫、屋根を帆布としたスポーツの練習場その他の政令で指定する簡易な構造の建築物又は建築物の部分で、政令で定める基準に適合するものについては、第22条から第26条まで、第27条第1項及び第3項、第35条の2、第61条、第62条並びに第67条第1項の規定は、適用しない。
よって、法第 20 条(構造耐力)の規定は適用される。
- 建築工事等において深さ 1.5m以上の根切り工事を行なう場合に設けなければならない山留めについては、土圧によって山留めの主要な部分の断面に生ずる応力度が、コンクリートの場合にあっては、短期に生ずる力に対する許容応力度を超えないことを計算によって確かめなければならない。
設問は、正しい。
令第136条の3第5項第三号ロより、土圧によって山留めの主要な部分の断面に生ずる応力度が、コンクリートの場合にあっては、短期に生ずる力に対する許容応力度を超えないことを計算によって確かめなければならない。
- 建築基準法第 27 条(耐火建築物等としなければならない特殊建築物)の規定に違反があった場合において、その違反が建築主の故意によるものであるときは、設計者又は工事施工者を罰するほか、当該建築主も罰則の適用の対象となる。
設問は、正しい。
法第98条第2項より、法第 27 条の規定に違反があった場合において、その違反が建築主の故意によるものであるときは、設計者又は工事施工者を罰するほか、当該建築主にも罰則が適用される。
- 建築基準法第 48 条(用途地域等)第 1 項から第 14 項までの規定に違反した場合における当該建築物の建築主は、100 万円以下の罰金に処せられる。
設問は、正しい。
法第101条第1項第五項より、法第48条(用途地域等)第 1 項から第 14 項までの規定に違反した場合における当該建築物の建築主は、100 万円以下の罰金に処せられる。
- 災害危険区域に関する規定は、都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域においても適用される。
設問は、正しい。
法第39条第1項より、地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができる。
都市計画区域及び準都市計画区域に限り適用される規定は法第3章であり、法第2章の災害危険区域の規定は、都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域においても適用される。
令和4年 建築法規 No.21
〔No. 21 〕 次の記述のうち、建築士法上、誤っているものはどれか。
- 二級建築士は、設計図書の一部を変更した場合においては、その設計図書に二級建築士である旨の表示をして記名しなければならない。
- 二級建築士は、原則として、木造 2 階建て、延べ面積 800㎡、高さ 12m、軒の高さ 9mの共同住宅の新築に係る設計をすることができない。
- 二級建築士は、他の二級建築士の設計した設計図書の一部を変更しようとするときは、当該二級建築士の承諾を求めなければならないが、承諾が得られなかったときは、自己の責任において、その設計図書の一部を変更することができる。
- 都道府県知事は、二級建築士の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、二級建築士に対しその業務に関し必要な報告を求めることができる。
- 建築士事務所に属する二級建築士は、直近の二級建築士定期講習を受けた日の属する年度の翌年度の開始の日から起算して 3 年以内に、二級建築士定期講習を受けなければならない。
誤っているものは、2である。
- 二級建築士は、設計図書の一部を変更した場合においては、その設計図書に二級建築士である旨の表示をして記名しなければならない。
設問は、正しい。
建築士法第20条第1項より、一級建築士、二級建築士又は木造建築士は、設計を行つた場合においては、その設計図書に一級建築士、二級建築士又は木造建築士である旨の表示をして記名及び押印をしなければならない。設計図書の一部を変更した場合も同様とする。
- 二級建築士は、原則として、木造 2 階建て、延べ面積 800㎡、高さ 12m、軒の高さ 9mの共同住宅の新築に係る設計をすることができない。
設問は、誤っている。
設問の建築物は、建築士法第3条第1項各号に該当しないため、二級建築士が設計してよい。
- 二級建築士は、他の二級建築士の設計した設計図書の一部を変更しようとするときは、当該二級建築士の承諾を求めなければならないが、承諾が得られなかったときは、自己の責任において、その設計図書の一部を変更することができる。
設問は、正しい。
建築士法第19条より、一級建築士、二級建築士又は木造建築士は、他の一級建築士、二級建築士又は木造建築士の設計した設計図書の一部を変更しようとするときは、当該一級建築士、二級建築士又は木造建築士の承諾を求めなければならない。ただし、承諾を求めることのできない事由があるとき、又は承諾が得られなかつたときは、自己の責任において、その設計図書の一部を変更することができる。
- 都道府県知事は、二級建築士の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、二級建築士に対しその業務に関し必要な報告を求めることができる。
設問は、正しい。
建築士法第10条の2第2項より、都道府県知事は、建築士の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、二級建築士若しくは木造建築士に対しその業務に関し必要な報告を求め、又はその職員に、建築士事務所その他業務に関係のある場所に立ち入り、図書その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
- 建築士事務所に属する二級建築士は、直近の二級建築士定期講習を受けた日の属する年度の翌年度の開始の日から起算して 3 年以内に、二級建築士定期講習を受けなければならない。
設問は、正しい。
建築士法第22条の2第二号及び同法施行規則第17条の36より、建築士事務所に属する二級建築士は、直近の二級建築士定期講習を受けた日の属する年度の翌年度の開始の日から起算して3年以内に、二級建築士定期講習を受けなければならない。
令和4年 建築法規 No.22
〔No. 22 〕 建築士事務所に関する次の記述のうち、建築士法上、誤っているものはどれか。
- 管理建築士は、重要事項を記載した書面の交付に代えて、建築主の承諾を得た場合であっても、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法により提供してはならない。
- 建築士事務所の登録は、 5 年間有効であり、その更新の登録を受けようとする者は、有効期間満了の日前 30 日までに登録申請書を提出しなければならない。
- 建築士事務所の開設者は、事業年度ごとに、設計等の業務に関する報告書を作成し、毎事業年度経過後 3 月以内に当該建築士事務所に係る登録をした都道府県知事に提出しなければならない。
- 建築士は、他人の求めに応じ報酬を得て、建築工事の指導監督のみを業として行おうとする場合であっても、建築士事務所を定めて、その建築士事務所について、都道府県知事(都道府県知事が指定事務所登録機関を指定したときは、原則として、当該指定事務所登録機関)の登録を受けなければならない。
- 建築士事務所に属する建築士が当該建築士事務所の業務として作成した設計図書又は工事監理報告書で、建築士事務所の開設者が保存しなければならないものの保存期間は、当該図書を作成した日から起算して 15 年間である。
誤っているものは、1である。
- 管理建築士は、重要事項を記載した書面の交付に代えて、建築主の承諾を得た場合であっても、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法により提供してはならない。
設問は、誤っている。
建築士法第20条第4項及び24条の8第2項より、重要事項を記載した書面の交付に代えて、建築主の承諾を得た場合は、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法により提供してよい。
- 建築士事務所の登録は、 5 年間有効であり、その更新の登録を受けようとする者は、有効期間満了の日前 30 日までに登録申請書を提出しなければならない。
設問は、正しい。
建築士法第23条第2項より、登録の有効期間は、登録の日から起算して5年とする。
また、同条3項より、登録の有効期間の満了後、引き続き、他人の求めに応じ報酬を得て、設計等を業として行おうとする者は、その建築士事務所について更新の登録を受けなければならない。
建築士法施行規則第18条より、更新の登録を受けようとする者は、有効期間満了の日前 30 日までに登録申請書を提出しなければならない。
- 建築士事務所の開設者は、事業年度ごとに、設計等の業務に関する報告書を作成し、毎事業年度経過後 3 月以内に当該建築士事務所に係る登録をした都道府県知事に提出しなければならない。
設問は、正しい。
建築士法第23条の6より、建築士事務所の開設者は、国土交通省令で定めるところにより、事業年度ごとに、設計等の業務に関する報告書を作成し、毎事業年度経過後3月以内に当該建築士事務所に係る登録をした都道府県知事に提出しなければならない。
- 建築士は、他人の求めに応じ報酬を得て、建築工事の指導監督のみを業として行おうとする場合であっても、建築士事務所を定めて、その建築士事務所について、都道府県知事(都道府県知事が指定事務所登録機関を指定したときは、原則として、当該指定事務所登録機関)の登録を受けなければならない。
設問は、正しい。
建築士法第23条第1項より、一級建築士、二級建築士若しくは木造建築士又はこれらの者を使用する者は、他人の求めに応じ報酬を得て、設計、工事監理、建築工事契約に関する事務、建築工事の指導監督、建築物に関する調査若しくは鑑定又は建築物の建築に関する法令若しくは条例の規定に基づく手続の代理を業として行おうとするときは、一級建築士事務所、二級建築士事務所又は木造建築士事務所を定めて、その建築士事務所について、都道府県知事の登録を受けなければならない。
- 建築士事務所に属する建築士が当該建築士事務所の業務として作成した設計図書又は工事監理報告書で、建築士事務所の開設者が保存しなければならないものの保存期間は、当該図書を作成した日から起算して 15 年間である。
設問は、正しい。
建築士法第24条の4第2項より、建築士事務所の開設者は、国土交通省令で定めるところにより、その建築士事務所の業務に関する図書で国土交通省令で定めるものを保存しなければならない。
建築士法施行規則第21条第5項より、建築士事務所の開設者は、建築士法第24条の4第2項に規定する図書を作成した日から起算して15年間当該図書を保存しなければならない。
令和4年 建築法規 No.23
〔No. 23 〕 次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」上、建築主等は、特定建築物の建築をしようとするときは、特定建築物の建築等及び維持保全の計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。
- 「都市の低炭素化の促進に関する法律」上、特定建築物の整備に関する事業を施行しようとする者は、集約都市開発事業計画を作成し、市町村長の認定を申請することができる。
- 「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」上、建築主は、特定建築行為をしようとするときは、特定建築物のエネルギー消費性能の確保のための構造及び設備に関する計画を提出して、所管行政庁又は登録建築物エネルギー消費性能判定機関の建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けなければならない。
- 「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」上、特定建築物所有者等は、当該特定建築物が使用されるに至ったときは、その日から 1 箇月以内に、当該特定建築物の所在場所、用途、延べ面積及び構造設備の概要等を都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市長又は区長)に届け出なければならない。
- 「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」上、住宅の建築をしてその構造及び設備を長期使用構造等とし、自らその建築後の住宅の維持保全を行おうとする者は、当該住宅の長期優良住宅建築等計画を作成し、建築主事又は指定確認検査機関の認定を申請することができる。
誤っているものは、5である。
- 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」上、建築主等は、特定建築物の建築をしようとするときは、特定建築物の建築等及び維持保全の計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。
設問は、正しい。
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第17条第1項より、建築主等は、特定建築物の建築、修繕又は模様替をしようとするときは、主務省令で定めるところにより、特定建築物の建築等及び維持保全の計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。
- 「都市の低炭素化の促進に関する法律」上、特定建築物の整備に関する事業を施行しようとする者は、集約都市開発事業計画を作成し、市町村長の認定を申請することができる。
設問は、正しい。
都市の低炭素化の促進に関する法律第9条より、特定建築物を施行しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、集約都市開発事業計画を作成し、市町村長の認定を申請することができる。
- 「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」上、建築主は、特定建築行為をしようとするときは、特定建築物のエネルギー消費性能の確保のための構造及び設備に関する計画を提出して、所管行政庁又は登録建築物エネルギー消費性能判定機関の建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けなければならない。
設問は、正しい。
建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律第12条第1項より、建築主は、特定建築行為をしようとするときは、その工事に着手する前に、建築物エネルギー消費性能確保計画を提出して所管行政庁の建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けなければならない。
また、同法第15条より、所管行政庁は、登録建築物エネルギー消費性能判定機関に、建築物エネルギー消費性能適合性判定の全部又は一部を行わせることができる。
- 「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」上、特定建築物所有者等は、当該特定建築物が使用されるに至ったときは、その日から 1 箇月以内に、当該特定建築物の所在場所、用途、延べ面積及び構造設備の概要等を都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市長又は区長)に届け出なければならない。
設問は、正しい。
建築物における衛生的環境の確保に関する法律第5条第1項より、特定建築物所有者等は、当該特定建築物が使用されるに至つたときは、その日から1箇月以内に、厚生労働省令の定めるところにより、当該特定建築物の所在場所、用途、延べ面積及び構造設備の概要、建築物環境衛生管理技術者の氏名その他厚生労働省令で定める事項を都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市長又は区長。)に届け出なければならない。
- 「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」上、住宅の建築をしてその構造及び設備を長期使用構造等とし、自らその建築後の住宅の維持保全を行おうとする者は、当該住宅の長期優良住宅建築等計画を作成し、建築主事又は指定確認検査機関の認定を申請することができる。
設問は、誤っている。
長期優良住宅の普及の促進に関する法律第5条第1項より、住宅の建築をしてその構造及び設備を長期使用構造等とし、自らその建築後の住宅の維持保全を行おうとする者は、国土交通省令で定めるところにより、当該住宅の長期優良住宅建築等計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。
建築主事又は指定確認検査機関ではないため、設問は誤っている。
令和4年 建築法規 No.24
〔No. 24 〕 次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 「都市計画法」上、都市計画施設の区域内における地上 2 階建ての木造の建築物の改築をしようとする者は、都道府県知事等の許可を受けなくてもよい。
- 「消防法」上、住宅の用途に供される防火対象物の関係者は、原則として、市町村条例に定める基準に従い、住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備を設置し、及び維持しなければならない。
- 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」上、工場は、「特別特定建築物」である。
- 「宅地建物取引業法」上、 2 以上の都道府県の区域内に事務所を設置して宅地建物取引業を営もうとする者は、国土交通大臣の免許を受けなければならない。
- 「建設業法」上、建設業の許可は、 5 年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
誤っているものは、3である。
- 「都市計画法」上、都市計画施設の区域内における地上 2 階建ての木造の建築物の改築をしようとする者は、都道府県知事等の許可を受けなくてもよい。
設問は、正しい。
都市計画法第53条第1項ただし書き第一号及び都市計画法施行令第37条より、許可を受けなくてもよい軽易な行為は、階数が2以下で、かつ、地階を有しない木造の建築物の改築又は移転とする。
- 「消防法」上、住宅の用途に供される防火対象物の関係者は、原則として、市町村条例に定める基準に従い、住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備を設置し、及び維持しなければならない。
設問は、正しい。
消防法第9条の2第1項より、住宅の用途に供される防火対象物の関係者は、住宅用防災機器の設置及び維持に関する基準に従つて、住宅用防災機器を設置し、及び維持しなければならない。
また、同条第2項より、住宅用防災機器の設置及び維持に関する基準その他住宅における火災の予防のために必要な事項は、市町村条例で定めることが規定されている。
消防法施行令第5条の6各号より、住宅用防災機器は、住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備である。
- 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」上、工場は、「特別特定建築物」である。
設問は、誤っている。
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法施行令第5条各号より、工場は、「特別特定建築物」に該当しない。
- 「宅地建物取引業法」上、 2 以上の都道府県の区域内に事務所を設置して宅地建物取引業を営もうとする者は、国土交通大臣の免許を受けなければならない。
設問は、正しい。
宅地建物取引業法第4条第1項より、宅建業の免許を受けようとする者は、二以上の都道府県の区域内に事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては国土交通大臣に、一の都道府県の区域内にのみ事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事に、免許申請書を提出しなければならない。
- 「建設業法」上、建設業の許可は、 5 年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
設問は、正しい。
建設業法第3条第3項より、建設業の許可は、 5 年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
令和4年 建築法規 No.25
〔No. 25 〕 次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 「土地区画整理法」上、個人施行者が施行する土地区画整理事業の施行地区内において、その施行についての認可の公告があった日後、換地処分があった旨の公告のある日までは、建築物の改築を行う場合には、都道府県知事等の許可を受けなければならない。
- 「建築物の耐震改修の促進に関する法律」上、建築物の耐震改修の計画が建築基準法第 6 条第 1 項の規定による確認を要するものである場合において、所管行政庁が計画の認定をしたときは、同法第 6 条第 1 項の規定による確認済証の交付があったものとみなす。
- 「宅地建物取引業法」上、自ら所有する不動産の賃貸及び管理をする行為は、宅地建物取引業に該当する。
- 「消防法」上、旅館において使用するカーテンは、政令で定める基準以上の防炎性能を有するものでなければならない。
- 「建設業法」上、元請の建設業者が請け負った、木造 2 階建て、延べ面積 300㎡の共同住宅の新築工事の場合は、あらかじめ発注者の書面による承諾を得たとしても、一括して他人に請け負わせることができない。
誤っているものは、3である。
- 「土地区画整理法」上、個人施行者が施行する土地区画整理事業の施行地区内において、その施行についての認可の公告があった日後、換地処分があった旨の公告のある日までは、建築物の改築を行う場合には、都道府県知事等の許可を受けなければならない。
設問は、正しい。
土地区画整理法第76条1項第四号より、市町村又は都道府県が施行する土地区画整理事業の施行地区内において、事業計画の決定の公告があった日後、換地処分があった旨の公告のある日までは、建築物の新築、改築若しくは増築を行おうとする者は、都道府県知事等の許可を受けなければならない。
- 「建築物の耐震改修の促進に関する法律」上、建築物の耐震改修の計画が建築基準法第 6 条第 1 項の規定による確認を要するものである場合において、所管行政庁が計画の認定をしたときは、同法第 6 条第 1 項の規定による確認済証の交付があったものとみなす。
設問は、正しい。
建築物の耐震改修の促進に関する法律第17条第10項より、建築物の耐震改修の計画が建築基準法第 6 条第 1項の規定による確認を要するものである場合において、所管行政庁が計画の認定をしたときは、同法第 6 条第 1 項の規定による確認済証の交付があったものとみなす。
- 「宅地建物取引業法」上、自ら所有する不動産の賃貸及び管理をする行為は、宅地建物取引業に該当する。
設問は、誤っている。
宅地建物取引業法第2条第二号より、宅地建物取引業とは、宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うものをいう。
自ら所有する不動産の賃貸及び管理をする行為は、宅地建物取引業に該当しない。
- 「消防法」上、旅館において使用するカーテンは、政令で定める基準以上の防炎性能を有するものでなければならない。
設問は、正しい。
消防法第第8条の3第1項より、旅館において使用するカーテンは、政令で定める基準以上の防炎性能を有するものでなければならない。
- 「建設業法」上、元請の建設業者が請け負った、木造 2 階建て、延べ面積 300㎡の共同住宅の新築工事の場合は、あらかじめ発注者の書面による承諾を得たとしても、一括して他人に請け負わせることができない。
設問は、正しい。
建設業法施行令第6条の3より、一括下請負の禁止の対象となる多数の者が利用する施設又は工作物に関する重要な建設工事は、共同住宅を新築する建設工事とされており、共同住宅の新築工事の場合は、あらかじめ発注者の書面による承諾を得たとしても、一括して他人に請け負わせることができない。
令和4年 二級建築士試験 「学科の試験」 合格基準点等
配点は、それぞれの科目の正答数をその科目の得点とし、各科目の得点の合計を総得点とします。
(各問題1点、各科目25点満点、合計100点満点)
令和4年の合格基準点は、各科目及び総得点の基準点は下表のとおりです。
学科Ⅰ (建築計画) | 学科Ⅱ (建築法規) | 学科Ⅲ (建築構造) | 学科Ⅳ (建築施工) | 総得点 | |
---|---|---|---|---|---|
合格基準点 | 13点 | 14点 | 14点 | 13点 | 60点 |
※基準点については、例年、各科目とも13点、総得点60点を原則とします。令和4年については、学科Ⅱ(建築法規)及び学科Ⅲ(建築構造)の平均点が例年に比べ著しく高く、そのことが試験問題の難易度の差に起因すると認められたため、学科Ⅱ(建築法規)及び学科Ⅲ(建築構造)の基準点の補正を行っています。