条文の要点と過去問 一級12回・二級2回分
建築基準適合判定資格者検定 考査Aで毎回出題される「容積率・建蔽率」について、容積率の計算の手順、特定道路による幅員の加算、延べ面積に入れない部分、高度利用地区・特定街区、建蔽率の加算と制限を受けない建築物の条文の要点を今の法令でまとめ、一級12回(令和7年〜平成27年)の計算問題と、二級2回(令和7年・令和6年)の過去問を解説します。過去問の解説は、年度別の記事と同じく出題当時の法令によります。

容積率・建蔽率の出題の傾向
容積率・建蔽率は、一級では毎回1問(おもに No.13。令和3年は No.14)、二級では1回に4問出題されます。一級は12回のうち10回が計算の問題で、そのうち7回が、用途地域・前面道路の幅員・特定道路などを組み合わせた容積率の最高限度の計算です。
🧮 容積率の計算(法第52条・令第135条の18)
📖 容積率の計算の手順
延べ面積の最高限度は、用途地域ごとに「都市計画の容積率」と「前面道路の幅員による容積率」の小さいほうを使い、その部分の敷地面積に掛けて足します。
| 手順 | すること | 条文 |
|---|---|---|
| ① 前面道路の幅員 | 前面道路が2以上あるときは、幅員の最大のもの。12m以上なら②はない | 法第52条第2項 |
| ② 幅員による容積率 | 幅員×4/10(低層住居専用、中高層住居専用、第一種・第二種住居、準住居、田園住居地域)、幅員×6/10(その他の地域) | 法第52条第2項第一号〜第三号 |
| ③ 特定道路 | 幅員15m以上の道路(特定道路)に接続する幅員6m以上12m未満の前面道路で、特定道路から70m以内の部分に接する敷地は、幅員に Wa=(12−Wr)×(70−L)/70 を加える | 法第52条第9項・令第135条の18 |
| ④ 合計 | 用途地域ごとに、小さいほうの容積率×その部分の敷地面積を出して足す | 法第52条第7項 |
特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域では、4/10・6/10と違う数値になる場合があります(問題文の「指定はない」を確かめます)。
✏️ 過去問:容積率の最高限度の計算(14回で7問)
計算や図の問題は、問題ごとに載せています。法令集を引きながら解いてから「解答・解説を見る」を開いてください。
一級 令和6年 再検定 No.13容積率の最高限度(2つの用途地域・特定道路による幅員の加算・2項道路の後退・計算)
図のような敷地において、建築基準法上、新築することができる建築物の容積率(同法第52条に規定する容積率)の最高限度として、最も適当な値は、次のうちどれか。ただし、図に記載されているものを除き、地域、地区等の指定等及び特定行政庁の指定、許可等は考慮しないものとする。
図を押すと大きく表示します 126.4/10226.5/10334.8/10435.0/10535.2/10出典:国土交通省「令和6年建築基準適合判定資格者検定(再検定) 考査A」No.13
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①敷地面積:南側の道は法第42条第2項の道で、中心線から2mの線が道路境界線とみなされる。現況の幅員は2mなので、敷地側に1m後退し、令第2条第1項第一号より、その部分は敷地面積に算入しない。商業地域の部分は30m×5m=150㎡、第一種住居地域の部分は30m×(20m−1m)=570㎡、合計720㎡。
②前面道路の幅員:西側の道路(幅員6m)は、幅員15m以上の道路(特定道路=北側の幅員20mの道路)に接続し、特定道路から敷地までの延長Lは35m(70m以内)なので、法第52条第9項・令第135条の18より、Wa=(12−Wr)×(70−L)/70=(12−6)×(70−35)/70=3mを加えて、6+3=9mとする。
③商業地域の部分:法第52条第2項第三号より、9×6/10=54/10と都市計画の60/10の小さいほうで54/10
④第一種住居地域の部分:同項第二号より、9×4/10=36/10と都市計画の30/10の小さいほうで30/10
⑤敷地全体(法第52条第7項・加重平均):(54/10×150+30/10×570)/720=(810+1,710)/720=35.0/10
解き方西側の6m道路は幅員20mの特定道路に接続し、敷地までの延長は35m。Wa=(12−6)×(70−35)/70=3mを加えた9mが前面道路の幅員。南側の2項道路は中心線から2mの線が道路境界線とみなされ、敷地は1m減る。
法第42条第2項、法第52条第1項・第2項・第7項・第9項、令第2条第1項第一号、令第135条の18
一級 令和6年 No.13容積率の最高限度(2つの用途地域・特定道路による幅員の加算・計算)
図のような敷地において、建築基準法上、新築することができる建築物の容積率(同法第52条に規定する容積率)の最高限度として、最も適当な値は、次のうちどれか。ただし、図に記載されているものを除き、地域、地区等の指定等及び特定行政庁の指定、許可等は考慮しないものとする。
図を押すと大きく表示します 133.6/10238.4/10339.6/10440.8/10542.0/10出典:国土交通省「令和6年一級建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.13
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①前面道路の幅員:法第52条第2項より、前面道路が2以上あるときは、その幅員の最大のものによる。東側の道路(幅員6m)は、幅員15m以上の道路(特定道路=北側の幅員20mの道路)に接続し、特定道路から敷地までの延長Lは20m+15m=35m(70m以内)なので、法第52条第9項・令第135条の18より、Wa=(12−Wr)×(70−L)/70=(12−6)×(70−35)/70=3mを加えて、6+3=9m。南側の道路(7m)より大きいので、前面道路の幅員は9mとする。
②第一種住居地域の部分(30m×30m=900㎡):9×4/10=36/10と都市計画の30/10の小さいほうで30/10
③商業地域の部分(20m×30m=600㎡):9×6/10=54/10と都市計画の60/10の小さいほうで54/10
④敷地全体(法第52条第7項・加重平均):(30/10×900+54/10×600)/1,500=(2,700+3,240)/1,500=39.6/10
解き方東側の6m道路は幅員20mの特定道路に接続し、特定道路から敷地までの延長は20m+15m=35m。Wa=(12−6)×(70−35)/70=3m を加えた9mが前面道路の幅員になり、南側の7mより大きい。
法第52条第1項・第2項・第7項・第9項、令第135条の18
一級 令和3年 No.14容積率の最高限度(2つの用途地域・特定道路による幅員の加算・2項道路の後退・計算)
図のような敷地において、建築基準法上、新築することができる建築物の容積率(同法第52条に規定する容積率)の最高限度として、最も適当な値は、次のうちどれか。ただし、図に記載されている事項を除き、特定行政庁等の指定等は考慮しないものとする。
図を押すと大きく表示します 142.00/10249.35/10350.00/10462.25/10563.33/10出典:国土交通省「令和3年建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.14
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①敷地面積:南側の道は法第42条第2項の道で、中心線から2mの線が道路境界線とみなされる。現況の幅員は2mなので、敷地側に1m後退し、令第2条第1項第一号より、その部分は敷地面積に算入しない。商業地域の部分は40m×20m=800㎡、準住居地域の部分は40m×(11m−1m)=400㎡、合計1,200㎡。
②前面道路の幅員:西側の道路(幅員8m)は、幅員15m以上の道路(特定道路=北側の幅員15mの道路)に接続し、特定道路から敷地までの延長Lは35m(70m以内)なので、法第52条第9項・令第135条の18より、Wa=(12−Wr)×(70−L)/70=(12−8)×(70−35)/70=2mを加えて、8+2=10mとする。
③商業地域の部分:法第52条第2項第三号より、10×6/10=60/10と都市計画の80/10の小さいほうで60/10
④準住居地域の部分:同項第二号より、10×4/10=40/10と都市計画の30/10の小さいほうで30/10
⑤敷地全体(法第52条第7項・加重平均):(60/10×800+30/10×400)/1,200=(4,800+1,200)/1,200=5.0=50.00/10
解き方西側の8m道路は幅員15mの特定道路に接続し、敷地までの延長は35m。Wa=(12−8)×(70−35)/70=2mを加えた10mが前面道路の幅員。南側の2項道路は中心線から2mの線が道路境界線とみなされ、敷地は1m減る(令第2条第1項第一号)。
ほかの選択肢1(42.00/10)は特定道路による加算を忘れた値、2(49.35/10)は2項道路の後退を忘れた値、5(63.33/10)は前面道路の幅員による制限を考えない値、4(62.25/10)は前面道路の制限と2項道路の後退の両方を忘れたときの値(7,720÷1,240≒6.226)に近い値。
法第42条第2項、法第52条第1項・第2項・第7項・第9項、令第2条第1項第一号、令第135条の18
一級 令和元年 No.13容積率の最高限度(2つの用途地域・特定道路による幅員の加算・川に沿う2項道路の後退・計算)
図のような敷地において、建築基準法上、新築することができる建築物の容積率(同法第52条に規定する容積率)の最高限度として、最も適当な値は、次のうちどれか。ただし、図に記載されている事項を除き、特定行政庁等の指定等は考慮しないものとする。
図を押すと大きく表示します 143.76/10244.12/10348.85/10449.23/10549.63/10出典:国土交通省「令和元年建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.13
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①敷地面積:東側の道は、法第42条第2項ただし書きの道で、川に沿っている。同項ただし書より、川の道の側の境界線から4mの線がその道の境界線とみなされるので、幅員2mの道に対して敷地側に2m後退し、令第2条第1項第一号より、その部分は敷地面積に算入しない。商業地域の部分は25m×20m=500㎡、準住居地域の部分は(10m−2m)×20m=160㎡、合計660㎡。
②前面道路の幅員:南側の道路(幅員6m)は、幅員15m以上の道路(特定道路=西側の幅員16mの道路)に接続し、特定道路から敷地までの延長Lは27m+8m=35m(70m以内)なので、法第52条第9項・令第135条の18より、Wa=(12−Wr)×(70−L)/70=(12−6)×(70−35)/70=3mを加えて、6+3=9m。西側の道路(8m)より大きいので、前面道路の幅員は9mとする。
③商業地域の部分:法第52条第2項第三号より、9×6/10=54/10と都市計画の60/10の小さいほうで54/10
④準住居地域の部分:同項第二号より、9×4/10=36/10と都市計画の40/10の小さいほうで36/10
⑤敷地全体(法第52条第7項・加重平均):(54/10×500+36/10×160)/660=(2,700+576)/660≒4.963=49.63/10
解き方南側の6m道路は幅員16mの特定道路に接続し、敷地までの延長は27m+8m=35m。Wa=(12−6)×(70−35)/70=3mを加えた9mが、西側の8mより大きいので前面道路の幅員になる。東側の道は川に沿う2項道路(法第42条第2項ただし書)なので、川の側の境界線から4mの線が道路境界線となり、敷地は2m減る。
ほかの選択肢4(49.23/10)は川に沿う道を中心線から2mと考えた値(1m後退)、3(48.85/10)は後退を忘れた値、2(44.12/10)は特定道路による加算を忘れた値、1(43.76/10)は加算を忘れ、かつ1m後退とした値。
法第42条第2項、法第52条第1項・第2項・第7項・第9項、令第2条第1項第一号、令第135条の18
一級 平成30年 No.13容積率の最高限度(2つの用途地域・特定道路による幅員の加算・2項道路の後退・計算)
図のような敷地において、建築基準法上、新築することができる建築物の容積率(同法第52条に規定する容積率)の最高限度として、最も適当な値は、次のうちどれか。ただし、図に記載されている事項を除き、特定行政庁等の指定等は考慮しないものとする。
図を押すと大きく表示します 160.31/10260.38/10360.61/10475.33/10575.44/10出典:国土交通省「平成30年建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.13
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①敷地面積:東側の道は法第42条第2項の道で、中心線から2mの線が道路境界線とみなされる。現況の幅員は2mなので、敷地側に1m後退し、令第2条第1項第一号より、その部分は敷地面積に算入しない(敷地の東西は30m−1m=29m)。用途地域の境界は、図の西側の道路の東端から30mの線(敷地の西端から12.5m)と、敷地の北端から5mの線。第二種住居地域の部分は(17.5m−1m)×5m=82.5㎡、商業地域の部分は12.5m×25m+(17.5m−1m)×20m=312.5+330=642.5㎡、合計725㎡。
②前面道路の幅員:南側の道路(幅員6m)は、幅員15m以上の道路(特定道路=西側の幅員16mの道路)に接続し、特定道路から敷地までの延長Lは17.5mなので、法第52条第9項・令第135条の18より、Wa=(12−Wr)×(70−L)/70=(12−6)×(70−17.5)/70=4.5mを加えて、6+4.5=10.5mとする。
③商業地域の部分:法第52条第2項第三号より、10.5×6/10=63/10と都市計画の80/10の小さいほうで63/10
④第二種住居地域の部分:同項第二号より、10.5×4/10=42/10と都市計画の40/10の小さいほうで40/10
⑤敷地全体(法第52条第7項・加重平均):(63/10×642.5+40/10×82.5)/725=(4,047.75+330)/725≒6.038=60.38/10
解き方南側の6m道路は幅員16mの特定道路に接続し、敷地までの延長は17.5m。Wa=(12−6)×(70−17.5)/70=4.5mを加えた10.5mが前面道路の幅員。東側の2項道路は中心線から2mの線が道路境界線とみなされ、敷地は1m減る。
ほかの選択肢1(60.31/10)は2項道路の後退を忘れた値、5(75.44/10)は前面道路の幅員による制限を考えない値、4(75.33/10)はその両方を忘れた値。
法第42条第2項、法第52条第1項・第2項・第7項・第9項、令第2条第1項第一号、令第135条の18
一級 平成29年 No.13容積率の最高限度(2つの用途地域・特定道路による幅員の加算・2項道路の後退・計算)
図のような敷地において、建築基準法上、新築することができる建築物の容積率(同法第52条に規定する容積率)の最高限度は、次のうちどれか。ただし、図に記載されている事項を除き、特定行政庁等の指定等は考慮しないものとする。
図を押すと大きく表示します 144.3/10244.8/10355.4/10456.0/10572.0/10出典:国土交通省「平成29年建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.13
▼ 解答・解説を見る(平成29年 No.13)▲ 解答・解説を閉じる
①敷地面積:南側の道は法第42条第2項の道で、中心線から2mの線が道路境界線とみなされる。現況の幅員は2mなので、敷地側に1m後退し、令第2条第1項第一号より、その部分は敷地面積に算入しない。商業地域の部分は40m×20m=800㎡、準住居地域の部分は40m×(6m−1m)=200㎡、合計1,000㎡。
②前面道路の幅員:西側の道路(幅員8m)は、幅員15m以上の道路(特定道路=北側の幅員16mの道路)に接続し、特定道路から敷地までの延長Lは35m(70m以内)なので、法第52条第9項・令第135条の18より、Wa=(12−Wr)×(70−L)/70=(12−8)×(70−35)/70=2mを加えて、8+2=10mとする。
③商業地域の部分:法第52条第2項第三号より、10×6/10=60/10と都市計画の80/10の小さいほうで60/10
④準住居地域の部分:同項第二号より、10×4/10=40/10と都市計画の40/10で40/10
⑤敷地全体(法第52条第7項・加重平均):(60/10×800+40/10×200)/1,000=(4,800+800)/1,000=56.0/10
解き方西側の8m道路は幅員16mの特定道路に接続し、敷地までの延長は35m。Wa=(12−8)×(70−35)/70=2mを加えた10mが前面道路の幅員。南側の2項道路は中心線から2mの線が道路境界線とみなされ、敷地は1m減る。
ほかの選択肢2(44.8/10)は特定道路による加算を忘れた値、1(44.3/10)は加算と2項道路の後退の両方を忘れた値、3(55.4/10)は後退を忘れた値、5(72.0/10)は前面道路の幅員による制限を考えない値。
法第42条第2項、法第52条第1項・第2項・第7項・第9項、令第2条第1項第一号、令第135条の18
一級 平成27年 No.13容積率の最高限度(2つの用途地域・特定道路による幅員の加算・川に沿う2項道路の後退・計算)
図のような敷地において、建築基準法上、新築することができる建築物の容積率(同法第52条に規定する容積率)の最高限度は、次のうちどれか。ただし、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定、許可等は考慮しないものとする。
図を押すと大きく表示します 126.40/10231.50/10333.60/10436.00/10543.20/10出典:国土交通省「平成27年建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.13
▼ 解答・解説を見る(平成27年 No.13)▲ 解答・解説を閉じる
①敷地面積:南側の道は、法第42条第2項の道で、川に沿っている。同項ただし書より、川の道の側の境界線から4mの線がその道の境界線とみなされるので、幅員2mの道に対して敷地側に2m後退し、令第2条第1項第一号より、その部分は敷地面積に算入しない(敷地の南北は32m−2m=30m)。商業地域の部分は20m×30m=600㎡、準住居地域の部分は30m×30m=900㎡、合計1,500㎡。
②前面道路の幅員:西側の道路(幅員6m)は、幅員15m以上の道路(特定道路=北側の幅員20mの道路)に接続し、特定道路から敷地までの延長Lは20m+15m=35m(70m以内)なので、法第52条第9項・令第135条の18より、Wa=(12−Wr)×(70−L)/70=(12−6)×(70−35)/70=3mを加えて、6+3=9mとする。
③商業地域の部分:法第52条第2項第三号より、9×6/10=54/10と都市計画の60/10の小さいほうで54/10
④準住居地域の部分:同項第二号より、9×4/10=36/10と都市計画の20/10の小さいほうで20/10
⑤敷地全体(法第52条第7項・加重平均):(54/10×600+20/10×900)/1,500=(3,240+1,800)/1,500=33.60/10
解き方西側の6m道路は幅員20mの特定道路に接続し、敷地までの延長は20m+15m=35m。Wa=(12−6)×(70−35)/70=3mを加えた9mが前面道路の幅員。南側の道は川に沿う2項道路(法第42条第2項ただし書)なので、川の側の境界線から4mの線が道路境界線となり、敷地は2m減る。
ほかの選択肢1(26.40/10)は特定道路による加算を忘れた値、4(36.00/10)は前面道路の幅員による制限を考えない値、5(43.20/10)は準住居地域の部分で都市計画の容積率(20/10)を考えず9×4/10=36/10とした値。なお、南側の2項道路の後退は商業地域・準住居地域の両方の部分で同じ幅なので、後退があってもなくても加重平均の値は変わらない。
法第42条第2項、法第52条第1項・第2項・第7項・第9項、令第2条第1項第一号、令第135条の18
📖 容積率の延べ面積に入れない部分(令第2条第3項・法第52条第3項・第6項)
容積率の算定の基礎となる延べ面積(法第52条第1項)には、次の部分の床面積を入れません。限度の数字(1/5・1/50・1/100・1/3)の入れ替えが、毎年のように出題されます。
| 延べ面積に入れない部分 | 限度 | 条文 |
|---|---|---|
| 自動車車庫・自転車の駐車施設など | 各階の床面積の合計の1/5 | 令第2条第1項第四号イ・第3項第一号 |
| 専ら防災のために設ける備蓄倉庫 | 1/50 | 第四号ロ・第3項第二号 |
| 蓄電池(床に据え付けるもの)を設ける部分 | 1/50 | 第四号ハ・第3項第三号 |
| 自家発電設備・貯水槽・宅配ボックスを設ける部分 | 1/100 | 第四号ニ〜ヘ・第3項第四号〜第六号 |
| 住宅・老人ホーム等の地階(天井が地盤面から1m以下) | 住宅・老人ホーム等の部分の床面積の合計の1/3 | 法第52条第3項 |
| エレベーターの昇降路、共同住宅・老人ホーム等の共用の廊下・階段 | 限度なし(全部入れない) | 法第52条第6項第一号・第二号・令第135条の16 |
住宅・老人ホーム等の給湯設備などの機械室で、特定行政庁が認めるものも入れません(法第52条第6項第三号)。
✏️ 過去問:容積率の算定の基礎となる延べ面積の計算(14回で2問)
計算や図の問題は、問題ごとに載せています。法令集を引きながら解いてから「解答・解説を見る」を開いてください。
一級 令和7年 No.13容積率の算定の基礎となる延べ面積(計算)
階別及び用途別の床面積が下表のとおりである地下1階、地上5階建ての共同住宅を新築する場合、建築基準法上、容積率の算定の基礎となる延べ面積は、次のうちどれか。ただし、高層住居誘導地区の指定はないものとし、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に基づく認定特定建築物には該当しないものとする。
共同住宅の階別及び用途別の床面積(単位:㎡)
階 住戸 共用の廊下、階段及びエレベーターの昇降路 自動車の駐車場 自転車の駐輪場 防災備蓄倉庫 合計 5階 500 100 0 0 0 600 4階 550 100 0 0 0 650 3階 600 100 0 0 0 700 2階 600 100 0 0 0 700 1階 300 150 50 300 100 900 地下1階 200 100 650 0 0 950 合計 2,750 650 700 300 100 4,500 (注)地盤面は、地下1階の天井の高さの位置にあるものとする。
12,550㎡22,560㎡32,660㎡42,860㎡53,060㎡出典:国土交通省「令和7年一級建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.13
▼ 解答・解説を見る(令和7年 No.13)▲ 解答・解説を閉じる
延べ面積(各階の床面積の合計)は4,500㎡。ここから次の部分を除く。
①共同住宅の共用の廊下・階段・エレベーターの昇降路:法第52条第6項より、全て算入しない→650㎡
②自動車の駐車場・自転車の駐輪場:令第2条第1項第四号・第3項第一号より、自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設(自動車車庫等部分)は、各階の床面積の合計の1/5を限度として算入しない。700+300=1,000㎡、限度は4,500×1/5=900㎡→900㎡
③防災備蓄倉庫:同項第二号より、1/50を限度として算入しない。100㎡、限度は4,500×1/50=90㎡→90㎡
④地下1階の住戸:法第52条第3項より、天井が地盤面からの高さ1m以下にある地階の住宅の用途に供する部分は、住宅の用途に供する部分の床面積の合計の1/3を限度として算入しない。地下1階の天井は地盤面の位置にあり、住戸200㎡は限度(住戸だけで見ても2,750×1/3≒916㎡)以内→200㎡
4,500−650−900−90−200=2,660㎡
解き方駐車場と駐輪場は、合わせて「自動車車庫等部分」として延べ面積の1/5が限度。共用の廊下・階段・昇降路は全部、防災備蓄倉庫は1/50が限度、地階の住宅は住宅部分の1/3が限度。
法第52条第3項・第6項、令第2条第1項第四号・第3項
一級 令和4年 No.13容積率の算定の基礎となる延べ面積(計算)
階別及び用途別の床面積が下表のとおりである地下1階地上5階建ての共同住宅を新築する場合、建築基準法上、容積率の算定の基礎となる延べ面積は、次のうちどれか。ただし、高層住居誘導地区の指定はないものとし、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」における認定特定建築物には該当しないものとする。
共同住宅の階別及び用途別の床面積(単位:㎡)
階 住戸 共用の廊下、階段及びエレベーターの昇降路 自動車の駐車場 自転車の駐輪場 合計 5階 400 100 0 0 500 4階 400 100 0 0 500 3階 500 100 0 0 600 2階 500 100 0 0 600 1階 350 150 0 400 900 地下1階 200 100 600 0 900 合計 2,350 650 600 400 4,000 (注)地盤面は、地下1階の天井の高さの位置にあるものとする。
12,150㎡22,190㎡32,350㎡42,550㎡52,950㎡出典:国土交通省「令和4年建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.13
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延べ面積(各階の床面積の合計)は4,000㎡。ここから次の部分を除く。
①共同住宅の共用の廊下・階段・エレベーターの昇降路:法第52条第6項より全て算入しない→650㎡
②自動車の駐車場・自転車の駐輪場:令第2条第1項第四号・第3項第一号より、自動車車庫等部分は延べ面積の1/5を限度として算入しない。600+400=1,000㎡、限度は4,000×1/5=800㎡→800㎡
③地下1階の住戸:法第52条第3項より、天井が地盤面からの高さ1m以下にある地階の住宅の部分は、住宅の用途に供する部分の床面積の合計の1/3を限度として算入しない。地下1階の天井は地盤面の位置にあり、住戸200㎡は限度(住宅の用途に供する部分=表の住戸の合計2,350㎡の1/3≒783㎡)以内→200㎡
4,000−650−800−200=2,350㎡
解き方駐車場と駐輪場は合わせて自動車車庫等部分(延べ面積の1/5が限度)。共用の廊下・階段・昇降路は全部、地階の住戸は住宅部分の1/3が限度。
2023年4月1日施行の改正(令和4年法律第69号)で、法第52条第6項は号に分かれ(第一号=昇降機の昇降路、第二号=共同住宅又は老人ホーム等の共用の廊下又は階段、第三号=住宅等の給湯設備などの機械室で特定行政庁が認めるもの)、同条第3項の書き方も改められました。この問題の計算の答えは同じです。
法第52条第3項・第6項、令第2条第1項第四号・第3項
✏️ 過去問:延べ面積に入れない部分・前面道路の幅員(14回で8肢)
正しいか誤りかを考えてから「正しい? 誤り?」を開いてください。解説は出題当時の法令によります。
問題:容積率又は建蔽率に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
建築物の容積率を算定する場合、宅配ボックス設置部分の床面積は、当該敷地内の建築物の各階の床面積の合計(同一敷地内に2以上の建築物がある場合においては、それらの建築物の各階の床面積の合計の和)に1/100を乗じて得た面積を限度として、容積率の算定の基礎となる延べ面積には算入しない。
出典:国土交通省「令和2年建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.13 選択肢3
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令第2条第1項第四号ヘ・同条第3項第六号より、容積率の算定の基礎となる延べ面積には、宅配ボックス設置部分の床面積は、敷地内の建築物の各階の床面積の合計(同一敷地内に2以上の建築物がある場合はその合計)の1/100を限度として算入しない。
問題:容積率又は建蔽率に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
老人ホームの共用の廊下の用に供する部分の床面積については、容積率の算定の基礎となる延べ面積には、算入しない。
出典:国土交通省「令和2年建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.13 選択肢4
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法第52条第6項より、容積率の算定の基礎となる延べ面積には、政令で定める昇降機の昇降路の部分又は共同住宅若しくは老人ホーム等の共用の廊下若しくは階段の用に供する部分の床面積は、算入しない。
2023年4月1日施行の改正で法第52条第6項は号に分けられ、共同住宅・老人ホーム等の共用の廊下・階段は今は同項第二号です(住宅・老人ホーム等の機械室などの部分も加わりました)。
建築基準法第52条第1項に規定する延べ面積には、物品販売業を営む店舗に設置するエレベーター及びエスカレーターの昇降路の部分の床面積は算入しない。
出典:国土交通省「令和7年二級建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.39
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法第52条第6項第一号・令第135条の16より、容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入しない昇降路は、政令で定める昇降機=エレベーターの昇降路の部分。エスカレーターの部分は含まれないので算入する。
不算入はエレベーターの昇降路だけ。エスカレーターは算入。
建築基準法第52条第1項に規定する延べ面積には、蓄電池(床に据え付けるものに限る。)を設ける部分の床面積は、当該建築物の各階の床面積の合計の1/100を限度として算入しない。
出典:国土交通省「令和6年二級建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.40
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法第52条第3項・第6項以外の不算入として、令第2条第1項第四号・第3項第三号より、蓄電池(床に据え付けるもの)を設ける部分は、各階の床面積の合計の1/50を限度として容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入しない。1/100ではない。
不算入の限度:自動車車庫等1/5、備蓄倉庫・蓄電池1/50、自家発電設備・貯水槽・宅配ボックス1/100。
問題:容積率又は建ぺい率に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
容積率の制限の緩和の適用において、住宅の地階を判定するための地盤面を、地方公共団体が、条例で、区域を限り、別に定める場合には、建築物が周囲の地面と接する位置のうち最も低い位置の高さ以上の高さとしなければならない。
出典:国土交通省「平成28年建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.13 選択肢5
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法第52条第5項・令第135条の15第一号より、地方公共団体が、条例で、区域を限り、住宅の地階の容積率の緩和(法第52条第3項)に用いる地盤面を別に定める場合には、建築物が周囲の地面と接する位置のうち最も低い位置の高さ以上の高さに定めなければならない。
問題:容積率又は建蔽率に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
都市計画で定められた容積率の限度が40/10の第一種住居地域内で、幅員15mの道路に接続する幅員6mの道路を前面道路とする建築物の敷地が、幅員15mの道路から当該敷地が接する前面道路の部分の直近の端までの延長が35mの場合には、容積率の限度は40/10である。
出典:国土交通省「令和2年建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.13 選択肢5
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法第52条第9項・令第135条の18より、幅員15m以上の道路(特定道路)に接続する幅員6m以上12m未満の前面道路で、特定道路からの延長が70m以内の部分に敷地が接する場合は、前面道路の幅員に(12−6)×(70−35)/70=3mを加えて9mとする。法第52条第2項第二号より、第一種住居地域では9×4/10=36/10となり、都市計画の40/10より小さいので、容積率の限度は36/10。
特定道路による加算Wa=(12−6)×(70−35)/70=3mで、前面道路の幅員は9m。第一種住居地域は9×4/10=36/10となり、都市計画の40/10より小さいので、容積率の限度は36/10。
問題:容積率又は建ぺい率に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
幅員15mの道路に接続する幅員8mの道路を前面道路とする建築物の敷地が、幅員15mの道路から当該敷地が接する前面道路の部分の直近の端までの延長が42mの場合、容積率の算定に係る当該前面道路の幅員に加える数値は1.6mとする。
出典:国土交通省「平成28年建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.13 選択肢1
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法第52条第9項・令第135条の18より、幅員15m以上の道路(特定道路)に接続する幅員6m以上12m未満の前面道路のうち、特定道路からの延長が70m以内の部分において敷地が接する場合は、前面道路の幅員にWa=(12−Wr)×(70−L)/70を加える。(12−8)×(70−42)/70=1.6m。
Wa=(12−Wr)×(70−L)/70=(12−8)×(70−42)/70=1.6m。
幅員15mの道路に接続する幅員8mの道路を前面道路とする建築物の敷地が、幅員15mの道路から当該敷地が接する前面道路の部分の直近の端までの延長が42mの場合、容積率の算定に係る当該前面道路の幅員に加える数値は1.6mとする。
出典:国土交通省「令和7年二級建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.40
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法第52条第9項・令第135条の18より、幅員15m以上の道路(特定道路)に接続する幅員6m以上12m未満の前面道路で、特定道路からの延長が70m以内の場合、前面道路の幅員に加える数値Waは、Wa=(12−Wr)×(70−L)/70。Wr=8m、L=42mのとき、(12−8)×(70−42)/70=4×28/70=1.6mとなる。
🏙️ 高度利用地区・特定街区・壁面線の特例
📖 計画道路・壁面線がある場合(法第52条第10項・第11項)
敷地内や前面道路の側に計画道路・壁面線があるとき、特定行政庁が許可した建築物は、容積率の計算で前面道路の位置をみなすことができます。その場合、みなした部分の面積は敷地面積に入れません。
| 場合 | みなし方 | 敷地面積 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 敷地が計画道路に接する・敷地内に計画道路がある(法第42条第1項第四号の道路を除く) | 特定行政庁が許可した建築物は、計画道路を前面道路とみなす(法第52条第2項〜第7項・第9項) | 計画道路に係る部分の面積は入れない | 法第52条第10項 |
| 前面道路の境界線(又は反対側の境界線)から後退して壁面線の指定がある | 特定行政庁が許可した建築物は、境界線が壁面線にあるとみなす(法第52条第2項〜第7項・第9項) | 前面道路と壁面線との間の部分の面積は入れない | 法第52条第11項 |
📖 高度利用地区(法第59条)
| 決まり | 内容(条文の要点) | 条文 |
|---|---|---|
| 高度利用地区の容積率など | 高度利用地区内では、都市計画で定めた容積率の最高限度・最低限度、建蔽率の最高限度、建築面積の最低限度に適合しなければならない | 法第59条第1項 |
| 適用しない建築物 | 木造・鉄骨造などで階数2以下・地階なしの移転が容易な建築物公衆便所・巡査派出所など公益上必要なもの学校・駅舎・卸売市場など公益上必要な建築物で、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの | 法第59条第1項第一号〜第三号 |
✏️ 過去問:高度利用地区・特定街区・壁面線・2以上の地域(14回で4肢)
正しいか誤りかを考えてから「正しい? 誤り?」を開いてください。解説は出題当時の法令によります。
問題:容積率又は建ぺい率に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
特定街区内における建築物の容積率は、特定街区に関する都市計画において定められた限度以下で、かつ、前面道路の幅員が12m未満である場合は、当該前面道路の幅員のメートルの数値に、住居系の用途地域にあっては4/10を、その他の用途地域にあっては6/10を乗じたもの以下でなければならない。
出典:国土交通省「平成28年建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.13 選択肢3
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法第60条第3項より、特定街区内の建築物については、法第52条から法第59条の2まで(及び法第60条の3第1項)の規定は、適用しない。特定街区内の容積率は、特定街区に関する都市計画で定められた限度によればよく、前面道路の幅員による制限は受けない。
特定街区内の建築物には、法第52条(容積率)から法第59条の2までの規定は適用されない(法第60条第3項)。前面道路の幅員による容積率の制限もかからない。
高度利用地区内において公益上必要な公衆便所を建築する場合、建築物の容積率は、高度利用地区に関する都市計画において定められた内容に適合するものでなければならない。
出典:国土交通省「令和6年二級建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.39
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法第59条第1項より、高度利用地区内の建築物の容積率などは高度利用地区に関する都市計画に適合するものでなければならないが、同項第二号より、公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で、公益上必要なものは除かれる。
前面道路の境界線から後退して壁面線の指定がある場合において、特定行政庁が所定の基準に適合すると認めて許可した建築物については、当該建築物の敷地のうち前面道路と壁面線との間の部分の面積は、敷地面積又は敷地の部分の面積に算入できる。
出典:国土交通省「令和6年二級建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.41
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法第52条第11項より、前面道路の境界線から後退して壁面線の指定がある場合に、特定行政庁が許可した建築物については、前面道路の境界線は壁面線にあるものとみなして容積率の規定を適用する。この場合、当該建築物の敷地のうち前面道路と壁面線との間の部分の面積は、敷地面積又は敷地の部分の面積に算入しない。
建築物の敷地が、建築基準法第52条第1項及び第2項の規定による建築物の容積率に関する制限を受ける地域、地区又は区域の2以上にわたる場合においては、当該建築物の容積率は、その建築物又はその敷地の全部について敷地の過半の属する地域、地区又は区域内の建築物に関する同条の規定を適用する。
出典:国土交通省「令和6年二級建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.42
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法第52条第7項より、敷地が容積率の制限の異なる地域等の2以上にわたる場合は、それぞれの地域等の容積率の限度に、その地域等にある敷地の部分の面積の割合を乗じて得たものの合計(加重平均)を、その敷地の容積率の限度とする。敷地の過半の属する地域の規定を全部に適用するのではない(法第91条でも容積率は除かれている)。
📐 建蔽率・建築面積・敷地面積の最低限度(法第53条・法第53条の2)
📖 建蔽率の加算と制限なし
建蔽率の限度は、用途地域ごとに都市計画で定めます(法第53条第1項)。防火地域・準防火地域内の建築物と角地の建築物は、次のように1/10ずつ加えます。
| 条件 | 加える数値 | 条文 |
|---|---|---|
| 防火地域内の耐火建築物等(建蔽率8/10の地域を除く) | +1/10 | 法第53条第3項第一号 |
| 準防火地域内の耐火建築物等・準耐火建築物等 | +1/10 | 第3項第一号 |
| 特定行政庁が指定する角地など | +1/10 | 第3項第二号 |
| 上の2つ(第一号と第二号)の両方に当たる | +2/10 | 第3項 |
| 建蔽率8/10の地域内で、防火地域内の耐火建築物等 | 制限なし | 第6項第一号 |
防火地域内の準耐火建築物は、1/10を加えません。建蔽率の限度が8/10とされているのは、第一種・第二種住居、準住居、準工業、近隣商業、商業地域で、都市計画で8/10と定められたところ(商業地域は8/10だけ)です。
📖 建築面積の計算の手順
建築面積の最高限度は、用途地域ごとに「その部分の敷地面積×建蔽率」を出して足します(法第53条第2項)。
| 手順 | すること | 条文 |
|---|---|---|
| ① 敷地面積 | 2項道路は、道の中心線から2mの線が道路の境界線。その線と道との間は敷地面積に入れない | 法第42条第2項・令第2条第1項第一号 |
| ② 建蔽率 | 都市計画の数値に、防火地域・準防火地域の耐火建築物等・準耐火建築物等、角地の1/10を加える | 法第53条第3項 |
| ③ 制限なし | 建蔽率8/10の地域内で、防火地域内の耐火建築物等は10/10で計算する | 法第53条第6項第一号 |
| ④ 合計 | 用途地域ごとの建築面積の限度を足す | 法第53条第2項 |
✏️ 過去問:建蔽率(建築面積)の計算(14回で1問)
計算や図の問題は、問題ごとに載せています。法令集を引きながら解いてから「解答・解説を見る」を開いてください。
一級 令和5年 No.13建蔽率の計算(防火地域・準防火地域にわたる敷地・耐火建築物・2項道路の後退)
図のような敷地において、耐火建築物の事務所を新築する場合、建築基準法上、建築することができる建築物の建築面積の最大のものは、次のうちどれか。ただし、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定、許可等は考慮しないものとする。
図を押すと大きく表示します 11,194㎡21,284㎡31,363㎡41,374㎡51,453㎡出典:国土交通省「令和5年建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.13
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①敷地面積:東側の道は法第42条第2項の道で、中心線から2mの線が道路境界線とみなされる。現況の幅員は2m(道の東側も宅地)なので、敷地側に1m後退し、令第2条第1項第一号より、その部分は敷地面積に算入しない。近隣商業地域の部分は30m×30m=900㎡、第一種住居地域の部分は30m×20m+(20m−1m)×10m=600+190=790㎡。
②防火地域の扱い:敷地が防火地域(近隣商業地域)と準防火地域(第一種住居地域)にわたり、建築物は耐火建築物なので、法第53条第7項より、敷地は全て防火地域内にあるものとみなす。
③近隣商業地域の部分:建蔽率の限度が8/10の地域で防火地域内の耐火建築物なので、法第53条第6項第一号より、建蔽率の制限は適用しない(10/10)。900㎡×10/10=900㎡
④第一種住居地域の部分:防火地域内の耐火建築物なので、法第53条第3項第一号より6/10に1/10を加え7/10。790㎡×7/10=553㎡
⑤敷地全体(法第53条第2項):900+553=1,453㎡
解き方敷地内の建築物が全部耐火建築物なので、敷地は全て防火地域とみなす(法第53条第7項)。近隣商業地域(8/10)の部分は建蔽率の制限なし(同条第6項第一号)、第一種住居地域の部分は6/10+1/10=7/10(同条第3項第一号)。2項道路の後退1mの部分は敷地面積に入れない。
法第42条第2項、法第53条第1項・第2項・第3項第一号・第6項第一号・第7項、令第2条第1項第一号
📖 面積・高さ・階数の算定方法(令第2条)
面積・高さ・階数の算定方法は令第2条にまとまっています。一級では、令和4年 No.1 で図を使った算定の問題が出ています。
| 算定するもの | 算定方法(条文の要点) | よく出る所 |
|---|---|---|
| 敷地面積令第2条第1項第一号 | 敷地の水平投影面積 | 法第42条第2項などで道路の境界線とみなされる線と道との間の部分は算入しない |
| 建築面積第二号 | 外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積。軒・ひさしなどが中心線から1m以上突き出たときは、その端から1m後退した線まで | 地階で地盤面上1m以下にある部分は算入しない |
| 床面積・延べ面積第三号・第四号 | 各階の壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積。延べ面積は各階の床面積の合計 | 容積率の延べ面積からは自動車車庫などの部分を一定の限度まで除く(下の「容積率の延べ面積に入れない部分」で解説) |
| 建築物の高さ第六号 | 地盤面からの高さ。階段室・昇降機塔などの屋上部分で、水平投影面積の合計が建築面積の1/8以内のものは、高さ12m(低層住居専用地域の高さの限度などでは5m)までは算入しない(避雷設備・北側斜線などの高さでは算入する)。棟飾・防火壁の屋上突出部などは算入しない | 道路斜線などは前面道路の路面の中心から |
| 軒の高さ第七号 | 地盤面から、小屋組又はこれに代わる横架材を支持する壁・敷桁・柱の上端までの高さ | 棟の高さではない |
| 階数第八号 | 昇降機塔などの屋上部分や地階の倉庫・機械室などで、水平投影面積の合計がそれぞれ建築面積の1/8以下のものは階数に算入しない。部分によって階数が違うときは最大のもの | 斜面の敷地は、いちばん多い階数 |
| 地盤面令第2条第2項 | 建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面。接する位置の高低差が3mを超えるときは、3m以内ごとの平均の高さ | 日影規制の「平均地盤面からの高さ」は、周囲の地面と接する位置の平均の高さの水平面から測る(3mごとに分けない。法別表第4 備考) |
建蔽率の算定の基礎となる建築面積に限り、工場・倉庫で荷の積み卸しなどのために設ける軒等のうち、国土交通大臣が定めるもの(特例軒等)は、算入の仕方が別に定められています(令第2条第1項第二号のかっこ書き)。
✏️ 過去問:建蔽率・建築面積・敷地面積の最低限度(14回で6肢)
正しいか誤りかを考えてから「正しい? 誤り?」を開いてください。解説は出題当時の法令によります。
問題:容積率又は建蔽率に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
建築物の地階で、地盤面上1m以下にある部分の外壁の中心線で囲まれた部分の水平投影面積は、当該建築物の建築面積に算入しない。
出典:国土交通省「令和2年建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.13 選択肢1
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令第2条第1項第二号より、建築面積は、建築物(地階で地盤面上1m以下にある部分を除く)の外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。
問題:容積率又は建蔽率に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
建蔽率の限度の適用については、準防火地域内において、準耐火建築物と同等以上の延焼防止性能を有する政令で定める建築物(街区の角にある敷地内にある建築物ではない。)にあっては、都市計画において定められた数値に1/10を加えた数値とする。
出典:国土交通省「令和2年建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.13 選択肢2
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法第53条第3項第一号ロより、準防火地域内にある耐火建築物等又は準耐火建築物等(準耐火建築物と同等以上の延焼防止性能を有する政令で定める建築物を含む)は、建蔽率の限度に1/10を加えた数値とする(街区の角にある敷地の緩和(第二号)と合わせると2/10)。
商業地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物は、建蔽率の制限を受けない。
出典:国土交通省「令和7年二級建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.41
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法第53条第6項第一号より、防火地域(同条第1項第二号から第四号までの規定により建蔽率の限度が8/10とされている地域に限る)内にある耐火建築物等には、建蔽率の制限は適用されない。商業地域の建蔽率の限度は8/10なので、防火地域内の耐火建築物は建蔽率の制限を受けない。
問題:容積率又は建ぺい率に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
第一種中高層住居専用地域内にある建築物の敷地が防火地域及び準防火地域にわたる場合において、その敷地内の建築物の全部が耐火建築物であるときは、その敷地は、すべて防火地域内にあるものとみなして、建ぺい率の制限の緩和が適用される。
出典:国土交通省「平成28年建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.13 選択肢4
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法第53条第6項より、建築物の敷地が防火地域の内外にわたる場合において、その敷地内の建築物の全部が耐火建築物であるときは、その敷地は、すべて防火地域内にあるものとみなして、同条第3項第一号(防火地域内の耐火建築物の建蔽率の1/10の緩和)などを適用する。
2019年6月25日施行の改正で法第53条が組み替えられ、防火地域の内外にわたる敷地の規定は今は同条第7項で、「耐火建築物」は「耐火建築物等」(耐火建築物と同等以上の延焼防止性能の建築物を含む)となりました。
第一種中高層住居専用地域内で建築物の敷地が防火地域及び準防火地域にわたる場合において、その敷地内の建築物の全部が耐火建築物であるときは、その敷地は、全て防火地域内にあるものとみなして、建蔽率の制限の緩和が適用される。
出典:国土交通省「令和7年二級建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.42
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法第53条第7項より、建築物の敷地が防火地域の内外にわたる場合で、その敷地内の建築物の全部が耐火建築物等であるときは、その敷地は、全て防火地域内にあるものとみなして、同条第3項第一号(防火地域内の耐火建築物等の1/10の緩和)又は第6項第一号を適用する。
問題:容積率又は建ぺい率に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
用途地域に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められた場合であっても、都市計画で定められた建ぺい率の限度が8/10とされている地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物の敷地には、当該最低限度の規定は適用されない。
出典:国土交通省「平成28年建築基準適合判定資格者検定 考査A」No.13 選択肢2
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法第53条の2第1項第一号より、敷地面積の最低限度の規定は、法第53条第5項第一号に掲げる建築物(建蔽率の限度が8/10とされている地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物)の敷地には適用しない。
法令集で開く条文
容積率・建蔽率の問題は、主に次の条文から出題されます。一級は、図の敷地で容積率の最高限度や延べ面積・建築面積を計算する問題が毎年出ます。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 法第52条 | 容積率(用途地域ごとの限度・前面道路の幅員による限度・特定道路・延べ面積に入れない部分・2以上の地域にわたる場合) |
| 令第2条第1項第二号〜第四号・令第2条第3項 | 建築面積・床面積・延べ面積の算定(自動車車庫・備蓄倉庫・宅配ボックスなど) |
| 令第135条の18 | 特定道路による前面道路の幅員の加算 |
| 法第53条 | 建蔽率(加算・制限を受けない建築物・防火地域の内外にわたる敷地) |
| 法第53条の2 | 敷地面積の最低限度 |
| 法第59条・法第60条 | 高度利用地区・特定街区 |
考査Aでは、建築基準法・建築士法などの法令集を持ち込めます(原則1冊。本編に付いている告示編などは1セットとして使える)。使える法令集は「建築士試験に準じる」とされていて、建築士試験で認められている書き込みは、次の4つだけです。
- 目次・見出し・関連する条文の指示(法令名・章・節・条などの名称、番号、ページまで)
- 改正年月日
- アンダーライン(二重線・囲み枠を含む)
- ○・△・×の記号
言葉の書き足しや、表・図・計算式の書き込み・貼り付けは「解説」「早見表」にあたり、認められません。紛らわしい書き込みがあると、使用が認められないか、判断が出るまで法令集なしで受検することになる場合があります。
どこに線を引き、どこにインデックスを貼るかは、文章で読むより見本を見るほうが確実です。法令集の出版社や資格学校が出している「線引き見本」を見ながら進めてください。
✏️法令集の線引き・インデックスの進め方二級建築士向けの「建築法規 攻略ガイド」の「STEP 2:法令集の初期セットアップ」で、見本の入手から作業の手順まで紹介しています›出典:国土交通省「令和8年 一級/二級建築基準適合判定資格者検定要領」・建築技術教育普及センター「使用が認められる法令集について」(試験当日の注意事項のページから)
まとめ:容積率・建蔽率で覚えておく数字
試験の前に見直す数字を、章ごとにまとめました。数字の右の説明が「何の数字か」です。「要点 ›」を押すと、くわしい説明に戻ります。
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