全20問の解答・解説
令和7年(2025年7月27日実施)の一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)の全20問を、選択肢ごとに正誤の理由を示して解説します。建築史・各種建築物の計画・都市計画・住まい・建築生産(契約・積算・マネジメント)などから出題されます。まず自分で解き、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

令和7年 一級建築士試験(学科)の概要
問題文は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)の試験問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各問の枠の右下に出典)。正答は、同センターの合格基準点等(正答肢)と全問を照らし合わせています。
解説は、出題当時の法令・基準によります(法令がからむ問題は令和7年1月1日時点の法令)。その後の改正や基準の改定で答えが変わる問題には「🔶 現在の基準では」、言い方だけが変わった問題には「ℹ️ その後の改正」の枠を付けています。
分野ごとの問題一覧
計画の20問は、毎年おおむね同じ順番で、分野ごとに出題されます。解きたい問題を押すと、その問題へ移動します。
🏯 計画の考え方・建築史(No.1〜No.3)
No.1建築・都市の計画の用語(循環経済・ウォーカブルシティ・アフォーダンス・フェーズフリー)
建築及び都市の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1循環経済(サーキュラーエコノミー)の実現のため、建設リサイクルの高度化、良好なストック形成、インフラの長寿命化のほか、空き家活用、地域交通、二拠点居住等による循環資源に資する地域生活圏の形成などが目指されている。2ウォーカブルシティは、歩いて暮らせる都市づくりを目指すものであり、「まちなかウォーカブル推進事業(国土交通省)」などにより、居心地が良く歩きたくなる空間づくりが推進されている。3アフォーダンス理論では、知覚者が何かの行動をできそうだと感じるよう引き出す、環境が備えている資質をアフォーダンスと呼び、知覚されるアフォーダンスは知覚者の性格や経験、能力、要求等によって異なると説明されている。4フェーズフリーデザインは、障害の有無、年齢や性別、体型、出身、身体や認知機能等の差によらず、できるだけ安全かつ便利に利用しやすいようにあらかじめ配慮されたものであり、公共施設等の整備の理念として広く普及している。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.1
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循環経済(サーキュラーエコノミー)は、資源を使い捨てにせず循環させる経済の考え方。国の計画でも、建設リサイクルの高度化、良好なストックの形成、インフラの長寿命化、空き家の活用、二拠点居住などによる地域生活圏の形成が目指されている。
ウォーカブルシティは、歩いて暮らせる都市づくりの考え方。国土交通省の「まちなかウォーカブル推進事業」などで、「居心地が良く歩きたくなる」まちなかの空間づくりが進められている。
アフォーダンスは、環境が人に「こうできそうだ」と感じさせ、行動を引き出す性質のこと(ギブソンが提唱)。どう知覚されるかは、人の性格・経験・能力・求めるものによって違う。
障害の有無・年齢・性別・体型・出身・身体や認知の機能の違いにかかわらず、できるだけ多くの人が使いやすいようにあらかじめ配慮する考え方は、ユニバーサルデザイン。フェーズフリーは、ふだん(日常時)と災害時という「フェーズ(時期)」を分けずに、日常に使っているものや空間が災害時にも役立つようにする考え方。
No.2日本の歴史的な建築物(日光東照宮・慈照寺東求堂同仁斎・東大寺二月堂・出雲大社)
日本の歴史的な建築物(所在地)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1日光東照宮社殿(栃木県)は、本殿と拝殿を石の間でつないだ、権現造の例である。2慈照寺東求堂同仁斎(京都府)は、現存最古とされる違い棚と付書院をもつ、数寄屋造の例である。3東大寺二月堂(奈良県)は、斜面の上に張り出した床を束柱で支えた、懸造の例である。4出雲大社本殿(島根県)は、切妻造・妻入で、正面の2つの柱間の片方を入口とした左右非対称の形式をもつ、大社造の例である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.2
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日光東照宮の社殿は、本殿と拝殿を「石の間」でつないだ権現造の代表例。
慈照寺(銀閣寺)東求堂の同仁斎は、現存最古とされる違い棚と付書院を備えた四畳半の座敷で、書院造の初期の例。数寄屋造は、茶室(数寄屋)の手法を住宅に取り入れた、桂離宮などに見られる様式で、同仁斎の説明ではない。
東大寺二月堂は、斜面の上に床を張り出し、それを長い束柱で支えた懸造の例(清水寺本堂も同じ)。
出雲大社本殿は、切妻造・妻入りで、正面の2つの柱間の片側を入口とした左右非対称の形をもつ大社造の代表例。
No.3西洋の歴史的な建築物(パルテノン神殿・パンテオン・ハギア・ソフィア大聖堂・サン・カルロ聖堂)
西洋の歴史的な建築物(所在地)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1パルテノン神殿(アテネ)は、外周にドリス式の円柱が並び、クリアストーリーと呼ばれる高窓をとおして神室内に光を取り入れた、古代ギリシアの建築物である。2パンテオン(ローマ)は、レンガとコンクリート等を用いて建造された直径約43mのドームが架けられ、その頂部にある天窓をとおして内部空間に光を取り入れる、古代ローマの建築物である。3ハギア・ソフィア大聖堂(イスタンブール)は、ペンデンティヴと呼ばれる技術を用いた巨大なドームが架けられ、キリスト教会堂のバシリカ式と集中式が融合した内部空間をもつ、ビザンチン様式の建築物である。4サン・カルロ・アッレ・クァットロ・フォンターネ聖堂(ローマ)は、凹凸の湾曲面や曲線が使用されたファサードをもち、内部には楕円形平面のドームが架けられた、バロック様式の建築物である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.3
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パルテノン神殿は、外周にドリス式の円柱を並べた古代ギリシアの神殿だが、神室に光を入れるクリアストーリー(高窓)はない。クリアストーリーは、身廊の屋根を側廊より高くして、その間の壁に設けた高窓のことで、古代ローマのバシリカや中世の聖堂などに見られる。
パンテオンは、コンクリートなどでつくった直径約43mのドームを架け、頂部の天窓(オクルス)から光を取り入れる古代ローマの建築物。
ハギア・ソフィア大聖堂は、四隅の球面三角形(ペンデンティヴ)で巨大なドームを支え、バシリカ式(長方形の平面)と集中式(ドームを中心とした平面)を融合させたビザンチン様式の建築物。
サン・カルロ・アッレ・クァットロ・フォンターネ聖堂(ボッロミーニ)は、凹凸のある湾曲したファサードと楕円形の平面のドームをもつ、バロック様式の代表作。
📐 各部の計画・材料・寸法・バリアフリー(No.4〜No.9)
No.4建築物の各部(特定天井の隙間・遮音壁・寒冷地の外壁タイル・オープンジョイント)
建築物の各部に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1特定天井の設計に当たり、天井と壁との間に一定の隙間を設けることにより、天井材の損傷・脱落防止を図る仕様ルートを採用したので、60mm以上の隙間を設けた。2軽量鉄骨下地の遮音壁の設計に当たり、軽量鉄骨の支柱(スタッド)は千鳥配置とし、中空部分にはグラスウールを充塡した。3外壁をタイル仕上げとするに当たり、寒冷地で使用することから、Ⅰ類(磁器質に相当)からⅢ類(陶器質に相当)に変更した。4外壁をカーテンウォールとするに当たり、部材間の接合部から雨水が浸入することを防ぐため、内外の空気圧を等圧にすることにより重力で排水するオープンジョイントとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.4
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特定天井を仕様ルート(告示の仕様どおりにつくる方法)で設計する場合は、地震で天井が壁にぶつかって壊れないよう、天井と壁などとの間に6cm(60mm)以上の隙間を設ける(平成25年国土交通省告示第771号)。
遮音壁の軽量鉄骨の支柱(スタッド)を千鳥に配置すると、両側のボードが同じスタッドでつながらないので、音が伝わりにくくなる。中空部分にグラスウールを入れるとさらに遮音性が上がる。
寒冷地の外壁タイルは、吸水した水が凍って割れたりはがれたりする凍害を防ぐため、吸水率の低いⅠ類(磁器質に相当)を使う。吸水率の高いⅢ類(陶器質に相当)に変えるのは逆で不適当。
オープンジョイントは、接合部の外側と内側の空気圧を等しくして(等圧)、雨水を押し込む力をなくし、入った水は重力で排水する方式。シーリングに頼らずに雨水の浸入を防げる。
平成25年国土交通省告示第771号(特定天井の構造方法・仕様ルートの壁などとの隙間6cm以上)
No.5既存建築物の活用・資源循環(空き家の数・特定建設資材・長期優良住宅の維持保全計画・法定耐用年数)
既存建築物の活用や資源循環に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1「令和5年住宅・土地統計調査(総務省)」によると、2023年10月1日現在、日本全体では約900万戸の空き家があり、周囲に悪影響を及ぼす前の有効活用や適切な管理等の総合的な強化が必要とされている。2「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」(建設リサイクル法)によって規定された特定建設資材は、コンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリートである。3「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」における長期優良住宅の認定を受けるには、住宅の構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分、給水又は排水のための設備等について、定期的な点検・補修等に関する計画(維持保全計画)の策定が必要となる。4「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」により、減価償却期間の算定に用いる法定耐用年数が定められており、これにより、建築物を居住用途として使用できる期間が規定されている。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.5
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令和5年住宅・土地統計調査(総務省)では、2023年10月1日現在の空き家は約900万戸で、過去最多となった。管理されない空き家が周りに悪い影響を与える前に、活用や管理の対策を強めることが求められている。
建設リサイクル法の特定建設資材は、コンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリートの4つ(施行令 第1条)。
長期優良住宅の認定を受けるには、構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分、給水・排水の設備などについて、定期的な点検・補修などの維持保全の計画を立てることが必要。
「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の法定耐用年数は、税金の計算(減価償却)のために決められた年数で、建築物を住まいとして使える期間(物理的な寿命)を決めたものではない。法定耐用年数を過ぎても、適切に維持管理すれば建物は使い続けられる。
建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律施行令 第1条(特定建設資材)、長期優良住宅の普及の促進に関する法律 第5条(長期優良住宅建築等計画・維持保全の方法)
No.6木材(ポリウレタン樹脂塗料・オイルステイン・ヤマトシロアリ・木材の腐朽)
木材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1ポリウレタン樹脂塗料は、光沢があり、付着性、耐摩耗性、耐水性等に優れ、木床等に用いられる。2オイルステインは、木材に塗膜を形成し、耐久性を向上させることができるので、木材を使用した外壁等に用いられる。3ヤマトシロアリは、湿潤で腐朽した木材を好んで食べるため、被害は地面に近い建築物の下部や水回りに多く発生する。4木材の腐朽は、木材腐朽菌の繁殖条件である酸素・温度・水分・栄養源のうち、いずれか一つでも除去することにより防止することができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.6
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ポリウレタン樹脂塗料は、つやがあり、付着性・耐摩耗性・耐水性にすぐれるので、木の床の仕上げなどに使われる。
オイルステインは、木材にしみ込んで着色する塗料で、表面に塗膜をつくらない。木目を生かせるが、塗膜で保護する塗料に比べて耐久性を高める効果は小さい。「塗膜を形成し」は誤り。
ヤマトシロアリは、湿った木材や腐りかけた木材を好むので、被害は土台など地面に近い部分や、浴室・台所などの水回りに多い。
木材を腐らせる菌は、酸素・温度・水分・栄養源(木材)がそろうと繁殖する。どれか一つを取り除けば(たとえば乾燥させて水分をなくせば)、腐朽を防げる。
No.7事務所ビルの平面計画・配置計画(天空率・コアの配置・センターコア・セキュリティの動線)
事務所ビルの平面計画・配置計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1斜線制限の規定を適用せずに天空率を用いることで、基準階の合理化、床面積と地上部分の空地の確保を実現した。2基準階の平面形状は、南北面にコアを配置することで南北面の窓を減らし、東西面に開口部を設けることで、夏期の熱負荷の影響を軽減させた。3一つの階を分割して貸し出すことを想定した場合、両端コアタイプを採用するとレンタブル比が低下するおそれがあったので、共用廊下、エレベーター、避難階段、トイレ等の共用部分を集約したセンターコアタイプとした。4公道から敷地内や建築物内、事務室等への動線は、セキュリティレベルの低いほうから高いほうへと連続させた。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.7
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天空率を使うと、斜線制限(道路斜線・隣地斜線など)に合わせて建物を削らなくてよい場合があるので、基準階の形を整えたり、床面積と地上の空地を確保したりしやすくなる(建築基準法 第56条第7項)。
夏の熱負荷を減らすには、朝夕に低い角度から日射が入る東西面にコアを配置して東西の窓を減らすのが有効。南北面にコアを置いて南北の窓を減らし、東西面に開口部を設けると、東西からの日射で熱負荷がかえって大きくなる。
一つの階を分けて貸す場合は、共用廊下・エレベーター・階段・トイレなどの共用部分をまとめたセンターコアタイプにすると、貸せる面積の割合(レンタブル比)を高くしやすい。
セキュリティの計画では、公道 → 敷地 → 建物 → 事務室のように、だれでも入れる所から、限られた人しか入れない所へ、レベルを段階的に上げていく。
No.8建築物等の各部の寸法(階段の頭上の高さ・車椅子使用者用の浴槽・駐車場の車路・カウンターの高さ)
建築物等の各部の寸法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1集合住宅において、避難時に使用する共用階段は、階段の段裏から段鼻までの最小寸法を2mとした。2ホテルにおいて、車椅子使用者用客室内の浴室は、浴槽深さを500mmとし、移乗台の高さとエプロン高さを450mmとした。3大規模な路外駐車場において、普通自動車用の一方通行の車路を幅3m、対面通行の車路を幅6mとした。4庁舎において、受付や窓口のカウンターは、高齢者、障害者等の利用に配慮し、ローカウンターの高さを700mm、ハイカウンターの高さを1,000mmとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.8
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避難に使う階段では、頭をぶつけないよう、段鼻から上の段の裏(段裏)までの高さを十分にとる。2m程度は確保したい寸法。
車椅子使用者の浴室では、浴槽の深さは50cm程度、エプロン(浴槽の縁)の高さは車椅子の座面と同じ45cm程度とし、浴槽の脇にエプロンと同じ高さの移乗台を設ける(建築設計標準 2.9 客室)。
路外駐車場の車路の幅は、一方通行は3.5m以上、対面通行(その他の車路)は5.5m以上(駐車場法施行令 第8条第二号)。一方通行3mは足りない。対面通行6mは基準を満たすが、一方通行が不適当。
車椅子使用者が使うローカウンターは、上端の高さ70〜75cm程度(下端65〜70cm程度で膝が入るようにする)が目安(建築設計標準 2.12)。立って使うハイカウンターは1,000mm前後が一般的。700mm・1,000mmは適当。
駐車場法施行令 第8条第二号ロ・ハ(一方通行の車路3.5m以上・その他の車路5.5m以上)、建築設計標準(令和3年3月)2.9 客室(車椅子使用者用浴室等の浴槽)・2.12(ローカウンター)
No.9建築設計標準(令和3年3月)による便所・洗面所(おむつ交換台・バリアフリートイレ・操作部の配置・手すりの高さ)
便所・洗面所に関する次の記述のうち、「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(国土交通省)」(令和3年3月)に照らして、最も不適当なものはどれか。
1乳幼児用おむつ交換台は、壁面と直交する方向の利用を想定した壁取り付け方式を採用したので、引出し寸法(奥行寸法)を500mmとした。2バリアフリートイレは、直径1.8mの内接円、かつ、内法寸法で2m ×2mの空間を確保し、オストメイト用の流しや手荷物置き台、車椅子使用者が利用できる洗面台を設置した。3腰掛け便器の便房内の操作部は、視覚障害者が識別しやすいよう、紙巻器の直上に洗浄ボタンを設け、呼出しボタンを洗浄ボタンと同じ高さで腰掛け便器の後方側に200mm離した位置に配置した。4車椅子使用者用便房には、L型手すりと可動手すりを設け、いずれの手すりも水平部は便座の座面から250mmの高さとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.9
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乳幼児用おむつ交換台は、乳幼児を寝かせておむつを替える台なので、奥行(引き出したときの寸法)に余裕が必要。建築設計標準の図の例では、取付け方式や使う向きによって60〜80cm程度で、500mmでは足りない。
車椅子使用者用便房(バリアフリートイレ)の内法寸法は200cm以上×200cm以上が標準で、大きな建築物(床面積2,000㎡以上など)の1以上の便房は、座位変換型の電動車椅子も回転できる直径180cm以上の円が内接できる広さとする。オストメイト用の流し・手荷物置き台・車椅子使用者が使える洗面台も設ける。
便房内の操作部(紙巻器・便器洗浄ボタン・呼出しボタン)は、JIS S 0026 の配置にそろえる。洗浄ボタンを紙巻器の上に、呼出しボタンを洗浄ボタンと同じ高さで便器の後ろ側に離して置くと、目の見えない人も位置を覚えて迷わず使える。
便器の横の水平手すりは、便座の座面から20〜25cm程度の高さに取り付ける(建築設計標準 2.7)。250mmは適当。
高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(令和3年3月)第2章 2.7 便所・洗面所(車椅子使用者用便房の内法寸法・直径180cmの円・水平手すりの高さ・JIS S 0026 による操作部の配置・乳幼児用おむつ交換台の図)
🏙️ 都市計画・住まい(No.10〜No.13)
No.10都市計画・都市デザイン(パリ改造・近隣住区理論・アテネ憲章・東京計画1960)
都市計画・都市デザインに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1オスマンの「パリ改造」は、中世以来の高密度化した市街地の一部を取り壊して直線的な大通りを通し、幹線道路網や道路沿いの景観を整備することで、パリを近代的な都市につくり変えた。2C.A.ペリーの「近隣住区理論」は、都市と田園の利点をあわせもつ自立した小都市を計画する理論であり、その理論に基づいて、レッチワース(イギリス)などが計画された。3ル・コルビュジエらによりまとめられた「アテネ憲章」は、1933年の近代建築国際会議(CIAM)の議論に基づき、居住・労働・余暇・交通の4つの機能によって都市を捉える考え方を示した。4丹下健三研究室による「東京計画1960」では、求心・放射型の都市構造の閉鎖性を否定し、都市軸の概念を導入することによって開放的な線形発展を可能にする都市構造を提案した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.10
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セーヌ県知事オスマンの「パリ改造」(19世紀半ば)は、過密な中世の市街地を一部取り壊して直線の大通りを通し、道路網と沿道の景観を整えて、パリを近代都市につくり変えた。
都市と田園の利点をあわせもつ自立した小都市(田園都市)を計画する理論は、エベネザー・ハワードの「田園都市論」で、レッチワースはその最初の例。C.A.ペリーの「近隣住区理論」は、小学校区を単位として、幹線道路で囲まれた住区の中に学校・公園・商店などを配置する住宅地の計画の考え方。
「アテネ憲章」は、1933年の近代建築国際会議(CIAM)の議論をもとにル・コルビュジエらがまとめたもので、都市を居住・労働・余暇(休養)・交通の4つの機能でとらえた。
丹下健三研究室の「東京計画1960」は、都心から放射状に広がる求心型の都市構造の行き詰まりを否定し、東京湾の上に都市軸を延ばして、線のように発展できる開放的な都市構造を提案した。
No.11都市計画・まちづくりの制度(総合設計制度・緑化地域・高度利用地区・伝統的建造物群保存地区)
都市計画やまちづくりに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1建築基準法に基づく、いわゆる「総合設計制度」は、一定規模以上の敷地において、一定割合以上の空地を確保する建築計画に対して、その内容を総合的な配慮のもと、市街地環境の向上に資すると思われる場合は、特定行政庁の許可により、容積率等を緩和する制度である。2都市緑地法に基づく「緑化地域」は、良好な都市環境の形成に必要な緑地が不足している市街地等において、一定規模以上の建築物の新築や増築を行う場合に、敷地面積の一定割合以上の緑化が義務付けられる地域である。3都市計画法に基づく「高度利用地区」は、地区の課題や特徴を踏まえ、住民と市町村とが連携しながら、地区の目指すべき将来像を設定し、その実現に向けてまちづくりを進めていく地区である。4文化財保護法に基づく「伝統的建造物群保存地区」は、伝統的建造物群及びそれと一体をなして価値を形成している環境を保存するため、市町村が都市計画や条例で定める地区である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.11
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総合設計制度は、一定規模以上の敷地で、一定割合以上の公開空地を設けるなど市街地の環境の向上に役立つ計画について、特定行政庁の許可で容積率や高さの制限を緩和する制度(建築基準法 第59条の2)。
緑化地域は、緑地が不足している市街地などで定める地域で、一定規模以上の建築物の新築・増築では、敷地面積の一定割合以上の緑化が義務になる(都市緑地法 第34条・第35条)。
高度利用地区は、用途地域内の市街地で、土地の合理的で健全な高度利用と都市機能の更新を図るため、容積率の最高限度・最低限度、建蔽率の最高限度、建築面積の最低限度、壁面の位置の制限を定める地区(都市計画法 第9条第19項)。住民と市町村が連携して地区の将来像を決め、まちづくりを進めるのは、地区計画などの説明。
伝統的建造物群保存地区は、伝統的建造物群とそれと一体をなして価値をつくっている環境を保存するため、市町村が都市計画または条例で定める地区(文化財保護法 第142条・第143条)。
建築基準法 第59条の2(総合設計)、都市緑地法 第34条(緑化地域)、都市計画法 第9条第19項(高度利用地区)、文化財保護法 第142条・第143条(伝統的建造物群保存地区)
No.12住まいの計画(最低居住面積水準・子育て支援型共同住宅・シルバーハウジング・サービス付き高齢者向け住宅)
住まいの計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1「住生活基本計画(全国計画)」(令和3年3月19日)における最低居住面積水準は、世帯の人数に応じて、健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準のことで、単身世帯の場合、原則として、住戸専用面積25㎡である。2「子育て支援型共同住宅推進事業」は、共同住宅を対象に、子どもの安全・安心対策や、子育て期の親同士の交流機会の創出に関する施設設置を支援するものであり、転落防止の手すりや補助錠の設置等に対し、一定の条件を満たすことで補助を受けることができる。3シルバーハウジング・プロジェクトは、高齢者の世帯が地域社会の中で自立して安全かつ快適な生活を営むことができるよう配慮した住宅及び付帯施設の供給並びにライフサポートアドバイザーによりサービスの提供を行う事業であり、事業主体の長が認める時は、障害者世帯の利用も可能である。4サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリー構造を有し、介護・医療と連携してリハビリテーションサービスを受けながら暮らすことで、家庭への復帰を目指すケア付きの住宅であり、高齢期の居住の安定の確保に寄与している。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.12
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住生活基本計画(全国計画・令和3年3月19日)の最低居住面積水準は、健康で文化的な住生活の基礎として必要な面積の水準で、単身世帯は原則25㎡。
子育て支援型共同住宅推進事業は、共同住宅の、子どもの事故防止(転落防止の手すり・補助錠など)や、子育て世帯の交流の場をつくる工事などを補助する国土交通省の事業。
シルバーハウジング・プロジェクトは、バリアフリーの公営住宅などと、生活援助員(ライフサポートアドバイザー)による生活相談・安否確認などのサービスを合わせて提供する事業。事業主体の長が認めれば、障害者世帯も利用できる。
サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリーの構造で、状況把握(安否確認)と生活相談のサービスが付いた高齢者向けの賃貸住宅などで、住み続けることを前提とした住まい。リハビリテーションを受けながら家庭への復帰(在宅復帰)を目指す施設は、介護老人保健施設。
No.13団地再生・災害復興(ゆいま~る多摩平の森・堀川団地・釜石市天神復興住宅・真野ふれあい住宅)
団地再生及び災害復興(所在地)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1ゆいま~る多摩平の森(東京都)は、団地内にある階段室型の鉄筋コンクリート造の住棟にエレベーターと共用廊下を増築し、介護施設棟や、入居者のみならず誰もが利用できる食堂等が設けられている。2堀川団地出水団地第1棟・第2棟(京都府)は、戦後建設された鉄筋コンクリート造の店舗併用集合住宅であり、改修により、耐震補強やエレベーター設置のほか、多世代向けの住戸改修とDIY可能な住戸の導入などがされている。3釜石市天神復興住宅(岩手県)は、東日本大震災による被災者のための公営住宅であり、リビングアクセス形式の採用や、1フロア毎に共用廊下の配置を反転させることで、高齢居住者の見守りがしやすい環境づくりが行われている。4真野ふれあい住宅(兵庫県)は、阪神・淡路大震災の復興事業として計画されたグループハウスであり、建築物の中央にある中庭を軸に左右対称に各ユニットの玄関、共用のLDK、居室が配置され、各居室からも直接外部に出ることができるように平家建てで計画されている。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.13
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ゆいま~る多摩平の森は、UR の団地の階段室型の住棟にエレベーターと共用廊下を増築して、サービス付き高齢者向け住宅などに再生した例。介護施設の棟や、だれでも使える食堂なども設けられている。
京都府の堀川団地は、戦後に建てられた店舗併用の集合住宅で、出水団地第1棟・第2棟では、耐震補強・エレベーターの設置のほか、多世代向けの住戸改修やDIYができる住戸の導入が行われた。
釜石市天神復興住宅は、東日本大震災の被災者のための災害公営住宅。リビングを共用廊下側に設けるリビングアクセス形式とし、階ごとに共用廊下の位置を反転させて、高齢の住民を見守りやすくしている。
真野ふれあい住宅(神戸市)は、阪神・淡路大震災の復興住宅として建てられた、共同の食堂・居間などをもつ協同居住型(コレクティブハウジング)の集合住宅。中庭を中心に左右対称にユニットを配置した平家建てのグループハウスではない(そのような高齢者のグループハウスとしては、グループハウス尼崎が知られている)。
🏫 各種建築物の計画(No.14〜No.17)
No.14商業建築物等の計画(全館避難安全検証法・劇場の内装の色・車椅子使用者用駐車スペース・ビル風対策)
商業建築物等の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1大規模店舗において、竣工後に短期間で容易にテナントの入れ替えや区画変更ができるよう、全館避難安全検証法の性能設計のうち国土交通大臣の個別認定による安全検証を行った。2劇場において、エントランスホールから客席までのアプローチを十分に確保したうえで、段階的に暗くし、暗さに目が慣れるのを早めるため、客席空間は赤色を基調とした内装とした。3百貨店において、駐車場の適正利用を図るため、駐車場内の一般駐車スペースと区別がつくように車椅子使用者用駐車スペースの路面を青色に塗装してゾーン分けを行った。4高層事務所ビルにおいて、ビル風対策のため、建築物の外壁の出隅部分を曲面にするほか、クスノキやシラカシ等の常緑樹の高木を建築物の外周部に植栽した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.14
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国土交通大臣の個別の認定による安全検証(全館避難安全検証法の大臣認定ルート)は、認定を受けた計画に合わせて安全性を確かめるものなので、テナントの入れ替えや区画の変更で計画が変わると、認定の取り直しが必要になることがある。短期間で容易に区画を変えるための方法としては不適当。
明るい所から暗い所に入ると、目が暗さに慣れる(暗順応)までに時間がかかるので、エントランスから客席へ段階的に暗くする。暗い所で働く目の細胞(桿体)は赤い光をほとんど感じないので、赤色を基調とした客席は暗さに慣れるのを妨げにくい。また、暗い所では赤色は暗く見える(プルキンエ現象)ので、照明を落とすと客席が暗く沈み、舞台に集中しやすい。
車椅子使用者用駐車スペースの路面を青色などに塗り分けると、一般のスペースと区別しやすくなり、不適正な駐車を減らすのに役立つ。
高層の建物のビル風(強い風)を弱めるには、外壁の出隅を曲面にしたり面取りしたりするほか、一年中葉のある常緑の高木(クスノキ・シラカシなど)を建物の周りに植えるのが有効。
No.15公共建築物の計画(美術館の自然採光・保育所の避難階段・図書館のお話しコーナー・公民館のマンホールトイレ)
公共建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1美術館において、紫外線カットフィルムを用いたハイサイドライトから自然採光によって展示室全体の均質照度を確保し、光量不足を補うためにLED照明による調光を行った。2保育所において、4階に保育室を設置するため、特別避難階段に準じた屋内避難階段の付室には排煙設備を設け、乳幼児が安全に一定時間待避できるよう十分な広さを確保した。3地域図書館において、児童開架室に設けたお話しコーナーは床座としたので、靴の履き替えをスムーズに行わせるために100mmの段差を設けた。4公民館において、避難所としての利用を想定し、マンホールトイレを避難時の居住エリアから離れた人目につきにくい場所に設置できる計画とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.15
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美術館の展示室で自然光を使う場合は、紫外線をカットしたハイサイドライトなどで、作品をいためないようにしながら均一な明るさを確保し、足りない光はLED照明の調光で補う。
保育室を4階以上に設ける保育所は、避難用の階段として、屋内と階段室をバルコニーまたは排煙設備などを備えた付室を通じて連絡する、特別避難階段に準じた屋内階段などが必要(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第32条第八号ロ)。付室に、乳幼児が一時的に安全に待てる広さを確保するのは適当。
児童開架室のお話しコーナーを床に座る形にする場合、段差を設けて靴を脱ぐ場所をはっきりさせると、靴の履き替えがしやすい。
避難所のトイレは、夜間も安心して使えるよう、避難した人の居住エリアから近く、人目があり明るい場所に設けることが大切(防犯や、トイレを我慢して体調を崩すことの防止のため)。人目につきにくい離れた場所に設置する計画は不適当。
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第32条第八号(保育室等を4階以上に設ける保育所の避難用の階段)
No.16総合病院の計画(病室の出入口・内視鏡検査部門・中央材料部門・LDR)
総合病院の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1病室の出入口の有効幅員は、円滑に患者をベッドごと搬送できるように、1.35mとした。2下部内視鏡検査を行う部門の患者待合エリアには、検査衣に着替えるための更衣室や前処置のためのトイレを併設した。3中央材料部門は、手術室で使用した器材の洗浄・滅菌を行うため、手術部と専用の搬送設備で直結させたうえで、手術部以外の部門に対しては廊下経由の搬送経路を確保した。4産科部門は、LDR(Labor Delivery Recovery)を採用し、陣痛・分娩・回復という出産の過程に応じて、専用の部屋をそれぞれ設けた。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.16
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患者をベッドごと運ぶ病室の出入口は、ベッドと付き添いの人が通れる有効幅員が必要。1.35mは適当。
下部内視鏡(大腸の内視鏡)検査では、検査衣への着替えや、検査前の処置(腸の中をきれいにする)でトイレを何度も使うので、待合の近くに更衣室とトイレを設ける。
中央材料部門は、手術室などで使った器材を洗浄・滅菌して供給する部門。手術部とは専用の搬送設備で直結させ、ほかの部門へは廊下を通って運ぶ経路を確保する。
LDR(Labor Delivery Recovery)は、陣痛・分娩・回復を一つの部屋で行う方式。妊婦が出産の過程ごとに部屋を移動しなくてよいのが特徴で、それぞれ専用の部屋を設けるのは誤り。
No.17駅・駅前施設(岩見沢複合駅舎・東京駅丸の内駅舎・京都駅ビル・延岡駅前複合施設エンクロス)
駅及び駅前施設(所在地)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1岩見沢複合駅舎(北海道)は、赤レンガの壁と、古いレールをマリオンとして再利用したカーテンウォールの外観を特徴にもつ、駅、交流施設等による複合施設である。2東京駅丸の内駅舎(東京都)は、戦災後の復興工事による外観を保存し、免震構造が採用された、駅、ホテル、ギャラリー等による複合施設である。3京都駅ビル(京都府)は、中央にあるコンコースを谷に見立て、段丘を東西方向に延ばし、中央にガラスに覆われたアトリウムを特徴にもつ、駅、ホテル、商業施設等による複合施設である。4延岡市駅前複合施設エンクロス(宮崎県)は、プレキャストコンクリート柱と鉄筋コンクリート梁に囲まれたグリッドで構成された、鉄道やバスの総合待合、図書閲覧スペース、駅前広場等による複合施設である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.17
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岩見沢複合駅舎は、赤レンガの壁と、古いレールを窓の方立(マリオン)に再利用したカーテンウォールが特徴の、駅と交流施設などの複合施設。
東京駅丸の内駅舎は、保存・復原工事(2012年完成)で、戦災で失われた3階部分やドーム屋根を創建時(1914年)の姿に復原した。戦災後の復興工事の外観を保存したのではない。地下に免震装置を入れて免震構造としている。
京都駅ビル(原広司)は、中央のコンコースを谷に見立て、東西に段丘状の建物を延ばし、大きなガラスの屋根で覆ったアトリウムをもつ、駅・ホテル・商業施設などの複合施設。
延岡市駅前複合施設エンクロスは、プレキャストコンクリートの柱と鉄筋コンクリートの梁でできたグリッドで構成された、鉄道・バスの待合、図書の閲覧スペースなどをもつ駅前の複合施設。
📋 建築生産(契約・積算・マネジメント)(No.18〜No.20)
No.18四会連合協定「建築設計・監理等業務委託契約約款」(情報の提供・再委託・著作者の表示・進捗の報告)
四会連合協定「建築設計・監理等業務委託契約約款」に照らして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
1委託者は、受託者に対し、設計業務等を遂行するにあたり必要となる情報を、受託者の求めに応じて、速やかに提供しなければならない。2受託者は、設計業務、監理業務又は調査・企画業務の全部を一括して第三者に委託する場合は、あらかじめ書面による委託者の同意を得なければならない。3受託者は、著作建築物に受託者の実名又は変名を表示する場合、委託者の承諾を得なければならない。4受託者は、契約に定めがない場合においても、委託者の請求があるときは、設計業務の進捗状況について、委託者に説明・報告しなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.18
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委託者は、受託者が業務を進めるのに必要な情報を、受託者の求めに応じて速やかに提供する。
受託者は、設計業務・監理業務などの全部を一括して第三者に委託することはできない(委託者の同意があっても認められない)。あらかじめ書面で委託者の同意を得れば一括して委託できる、とするのは誤り。建築士法 第24条の3 にも、委託者の許諾を得た場合でも、延べ面積300㎡を超える建築物の新築工事の設計・工事監理の業務を一括して他の建築士事務所に委託してはならない、という規定がある。
受託者は、著作建築物に受託者の実名や変名(ペンネームなど)を表示するときは、委託者の承諾を得なければならない。
受託者は、契約に定めがなくても、委託者から求められたときは、設計業務の進み具合を委託者に説明・報告しなければならない。
建築士法 第24条の3第2項(委託者の許諾を得た場合でも、延べ面積300㎡を超える建築物の新築工事の設計・工事監理の業務を一括して他の建築士事務所の開設者に委託してはならない)
No.19建築数量積算基準(直接仮設・災害防止・木躯体・コンクリート躯体)
建築積算に関する次の記述のうち、建築工事積算研究会「建築数量積算基準・同解説」に照らして、最も不適当なものはどれか。
1仮設における直接仮設は、工事種目ごとの工事科目で単独に使用する仮設をいう。2仮設における災害防止は、工事関係者及び第三者の災害防止のために設置する垂直養生、安全ネット、外周・開口部養生手すり等の安全設備をいう。3木躯体(軸組構法)は、積算上一般に軸組、床組、小屋組、壁、階段及びその他の各部分に区分され、接合金物・接合具及び防腐・防蟻処理等を含むものとする。4コンクリート躯体は、ラーメン構造において、積算上一般に基礎、柱、梁、床板、壁、階段、その他の各部分に区分され、その接続は原則として「さきの部分」に「あとの部分」が接続するものとして計測・計算する。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.19
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直接仮設は、工事種目ごとの複数の工事科目に共通して使用する仮設(足場・墨出しなど)。工事科目ごとに単独で使う仮設は専用仮設という(公共建築数量積算基準 第2編 第1章 第2節)。
災害防止は、工事関係者や第三者の災害を防ぐための垂直養生・安全ネット・外周や開口部の養生手すりなどの安全設備をいう。
木躯体(軸組構法)は、積算では軸組・床組・小屋組・壁・階段・その他に分け、接合金物・接合具や防腐・防蟻処理なども含めて計測する。
ラーメン構造のコンクリート躯体は、基礎・柱・梁・床板・壁・階段・その他に分け、部分どうしの接続は「さきの部分」に「あとの部分」が接続するものとして、重複しないように計測・計算する。
公共建築数量積算基準 第2編 第1章 第2節(仮設の区分:直接仮設=工事種目ごとの複数の工事科目に共通して使用する仮設、専用仮設=工事種目ごとの工事科目で単独に使用する仮設)
No.20建築のマネジメント(PPP・詳細設計付工事発注方式・デザインビルド方式・オープンブック方式)
建築のマネジメントに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1PPP(Public Private Partnership)は、公共サービスの提供に民間が参画する手法を幅広くとらえた概念で、民間資本や民間の創意工夫等を活用し、公共サービスの効率化や質の向上を目指すものである。2詳細設計付工事発注方式は、構造物の構造形式や主要諸元、構造一般図等を確定したうえで、施工のために必要な仮設等を含む詳細設計を施工と一括して発注する方式である。3デザインビルド方式は、設計者が設計を行い、施工者が設計者の作成した設計図書をもとに工事を行うことで設計者の責任と施工者の責任を明確化し、それぞれの専門性を発揮させるプロジェクト実施方式である。4オープンブック方式は、工事費用を施工者に支払う過程において、支払金額とその対価の公正さを明らかにするため、施工者が発注者にコストに関する情報を開示し、その内容について発注者又は第三者が監査を行う方式である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.20
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PPP(Public Private Partnership)は、公共サービスの提供に民間が参画する手法を幅広くとらえた考え方で、民間の資金やノウハウを生かして、公共サービスの効率化と質の向上を目指す(PFI はその一つ)。
詳細設計付工事発注方式は、構造形式や主要な寸法などを決めたうえで、施工に必要な仮設などを含む詳細設計を、施工と一括して発注する方式。
デザインビルド方式は、設計と施工を一括して一つの事業者(または共同企業体)に発注する方式。設計者と施工者を分けて、それぞれの責任を明確にする方式は、設計・施工分離方式。
オープンブック方式は、施工者が工事費の内訳などのコストの情報を発注者に開示し、発注者や第三者がその内容を監査することで、支払いの公正さと透明性を確保する方式。
令和7年の合格基準点(学科の試験)
配点は各問題1点(学科Ⅰ・Ⅱは各20点、学科Ⅲ・Ⅳは各30点、学科Ⅴは25点、合計125点)で、各科目の基準点と総得点の基準点のすべてに達した人が合格です。
| 学科Ⅰ 計画 | 学科Ⅱ 環境・設備 | 学科Ⅲ 法規 | 学科Ⅳ 構造 | 学科Ⅴ 施工 | 総得点 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 合格基準点 | 11点 | 11点 | 16点 | 16点 | 13点 | 88点 |
※ 合格基準点は、各科目は過半の得点、総得点はおおむね90点程度を基本的な水準として想定し、令和7年は総じて難度が高かったことから、総得点の基準点が88点とされました。
出典:建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験『学科の試験』の合格基準点等について」
令和7年の計画の基準点は11点(20点中)でした。計画は法令集を使えない科目で、20問と問題数が少ないぶん1問の重みが大きく、建築史・各種建築物の計画・都市計画・建築生産と範囲も広いので、過去問で正誤の理由まで説明できるようにしておくと安心です。
ほかの年度・ほかの科目の過去問
この記事の問題文は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和7年 一級建築士試験(学科の試験)の問題から、著作権法第32条の引用として掲載しています。著作権は同センターにあります。
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