全20問の解答・解説
令和3年(2021年7月11日実施)の一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)の全20問を、選択肢ごとに正誤の理由を示して解説します。建築史・各種建築物の計画・都市計画・住まい・建築生産(契約・積算・マネジメント)などから出題されます。令和3年は計画の合格基準点が10点に補正されました。まず自分で解き、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

令和3年 一級建築士試験(学科)の概要
問題文は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)の試験問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各問の枠の右下に出典)。正答は、同センターの合格基準点等(正答肢)と全問を照らし合わせています。
解説は、出題当時の法令・基準によります(法令がからむ問題は令和3年1月1日時点の法令)。その後の改正や基準の改定で答えが変わる問題には「🔶 現在の基準では」、言い方だけが変わった問題には「ℹ️ その後の改正」の枠を付けています。
分野ごとの問題一覧
計画の20問は、毎年おおむね同じ順番で、分野ごとに出題されます。解きたい問題を押すと、その問題へ移動します。
🏯 計画の用語・都市史・建築史(No.1〜No.3)
No.1計画の用語(SDGs・QOL・ZEB・修景事業)
次の用語に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1SDGsは、誰一人取り残さない、持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の17の開発目標からなり、その目標の一つに「持続可能な都市」がある。2QOLは、近年、生活の質的向上を目指そうとする気運の高まりとともに、建築計画においても、医療福祉等の分野で重要性が増している。3ZEBは、資源の有効な利用を確保する観点から、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」(建設リサイクル法)によって定められた分別解体及び再資源化等の実施義務の対象となる建築物のことである。4重要伝統的建造物群保存地区における「修景事業」は、伝統的建造物以外の建造物や新築される建造物が歴史的風致と調和するよう、外観を整備するために行う事業のことである。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.1
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SDGs(持続可能な開発目標)は、「誰一人取り残さない」持続可能な社会を目指す17の目標で、その一つに「住み続けられるまちづくりを(持続可能な都市)」がある。
QOL(生活の質)は、生活の質的な向上を目指す考え方で、建築計画でも医療・福祉の分野などで重要になっている。
ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)は、高断熱・日射遮蔽・高効率な設備などで省エネルギーを図り、太陽光発電などでエネルギーをつくって、年間の一次エネルギーの消費量の収支をゼロにすることを目指した建築物。建設リサイクル法の分別解体・再資源化の対象となる建築物のことではない。
重要伝統的建造物群保存地区の修景事業は、伝統的建造物以外の建物や新しく建てる建物の外観を、歴史的な風致と調和するように整える事業。
No.2海外の都市(ミレトス・カンピドリオ広場・レッチワース・チャンディガール)
海外の都市に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1ミレトス(トルコ、紀元前5世紀頃)は、ヒッポダモスの計画による、城壁内全体に格子状に直交道路網を敷設し、都市の中央部に行政・宗教・商業施設を、その南北に住宅地を配した都市である。2ローマのカンピドリオ広場(イタリア、16世紀)は、ミケランジェロの計画による、台形状の広場とアプローチとしての大階段、三つのパラッツォを対称的に配置することで、軸線を強調した、バロック的な広場計画の初期の事例である。3レッチワース(イギリス、20世紀初頭)は、パトリック・ゲデスの「保存的外科手術」という概念のもと、都市の歴史性を保存しながら再開発が行われた都市である。4チャンディガール(インド、20世紀後半)は、ル・コルビュジエの都市計画理念に基づく、格子状に分割した区域(ユニット)と7段階に機能分けした道路網からなる都市である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.2
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ミレトスは、ヒッポダモスが計画したとされる古代ギリシアの都市で、城壁の中に格子状の道路網を敷き、中央部に行政・宗教・商業の施設、その南北に住宅地を配した。
ローマのカンピドリオ広場(ミケランジェロ)は、台形の広場・大階段・3つのパラッツォを対称に配して軸線を強調した、バロック的な広場計画の初期の例。
レッチワースは、エベネザー・ハワードの「田園都市論」に基づいて20世紀初めにつくられた最初の田園都市。パトリック・ゲデスの「保存的外科手術」は、都市の歴史を保存しながら必要な所だけを手直しして再生する考え方(エディンバラの旧市街などで実践)で、レッチワースの説明ではない。
チャンディガール(インド)は、ル・コルビュジエの都市計画の考え方に基づき、格子状に区切った区域(セクター)と、7段階に機能を分けた道路網(7V)でつくられた都市。
No.3図に示す日本の歴史的建築物(薬師寺東塔・東大寺南大門・法隆寺金堂・清水寺本堂)
図に示す日本の歴史的な建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(注)図については、著作権法上の関係から、その出所等を明示しています。また、著作権法上の関係から、肢1及び肢2の図は、試験実施時と類似の図を掲載しています。肢1:「薬師寺東塔及び南門修理工事報告書」(奈良県教育委員会文化財保存課、昭和31年3月発行)第3図 東塔正面 第4図 東塔断面肢2:「東大寺南大門史及昭和修理要録」(奈良県庁内 東大寺南大門修理工事事務所、昭和5年4月発行)実測図版 第八 竣成(横断面)肢3:「法隆寺国宝保存工事報告書第14冊附図国宝法隆寺金堂修理工事報告書」肢4:「国宝清水寺本堂修理工事報告書」(京都府教育庁文化財保護課)1三重塔の各層に裳階を付け、六つの屋根が交互に出入りする独特の構造を有する建築物である。2貫で軸部を水平方向に固め、挿肘木を重ねて軒の荷重を支える大仏様の建築物である。3主体部の柱と裳階の柱を海老虹梁でつなぎ、組物を柱の上のみならず柱と柱の間にも組んで詰組とする禅宗様の建築物である。4長い束柱を貫で固めた足代によって、急な崖の上に張り出した床を支える懸造の建築物である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.3
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肢1の図は薬師寺東塔(問題の注記の出典)。三重塔の各層に裳階を付けた塔で、大小の屋根が交互に重なり、六重の塔のように見える。※この問題の図は修理工事報告書などの図(センター以外の著作物)のため、この記事には載せていない。
肢2の図は東大寺南大門。貫で柱を水平につなぎ、挿肘木を何段も重ねて軒を支える大仏様の代表例。
肢3の図は法隆寺金堂で、飛鳥様式の建築物(雲斗・雲肘木、卍崩しの高欄などが特徴。裳階は後世に付けられた)。主体部の柱と裳階の柱を海老虹梁でつなぎ、組物を柱の間にも置く詰組とするのは、円覚寺舎利殿などの禅宗様の特徴で、法隆寺金堂の説明ではない。
肢4の図は清水寺本堂。長い束柱を貫で固めた足代(あししろ)の上に床を張り出した、急な崖に建つ懸造の代表例。
📐 各部の計画・音・寸法・バリアフリー(No.4〜No.9)
No.4建築計画(インクルーシブ教育・インタースティシャル・スペース・客室のバリアフリー改修・貴重書の書庫)
建築計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1小学校の計画に当たり、インクルーシブ教育システム構築のため、障害のある児童と障害のない児童とが、交流及び共同学習できる施設とした。2病院の計画に当たり、医療行為を中断することなく設備更新が行えるように、手術室のある階の上階に設備階(インタースティシャル・スペース)を設けた。3ホテルの一般客室を、車椅子使用者用客室へ改修するに当たり、二つの客室の間仕切り壁を撤去して一室化し、客室内にスロープを設置し、客室全体の床の高さを、トイレ・浴室等の床の高さと合わせた。4図書館の計画に当たり、地上階に開架書庫や地域住民が利用する施設等を配置したので、半地下階に貴重書保存用書庫を設け、年間を通じて自然換気を行うこととした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.4
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インクルーシブ教育システムの考え方に沿い、障害のある児童とない児童がともに交流し学べる施設とするのは適当。
手術室の階の上に設備階(インタースティシャル・スペース)を設けると、下の階の医療を止めずに配管・ダクトなどの設備を更新できる。
一般客室を車椅子使用者用客室に改修するとき、2室をつないで1室にし、客室全体の床の高さをトイレ・浴室の床の高さにそろえて段差をなくすのは有効。
貴重書の書庫は、温度と湿度を一定に保つ(恒温恒湿の)空調で管理し、外の湿気やほこりが入らないようにする。湿気がこもりやすい半地下に設け、自然換気を行うのは、資料の劣化やカビの原因になり不適当。
No.5建築物の各部(光ダクト・通風の開口・木材の燃えしろ・心材)
建築物の各部に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1外壁や屋上から離れている居室に設ける光ダクトの設計において、ダクト内の光の反射回数を減らすために、ダクトの曲がりを少なく、断面積を大きくした。2建築物の通風計画において、効果的に室内に外の風を取り込むために、風上開口を風下開口よりも大きくした。3木材の構造材を現し仕上げとするに当たり、燃焼時に木材の表面が炭化し、中心に向けて燃える速度が遅くなるので、木材の部材断面を大きくすることで、耐火性を高めた。4木材を構造材として使用するに当たり、腐朽しにくく、乾燥に伴う収縮や反りが少ない心材を採用した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.5
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光ダクトは、内面を反射率の高い材料にしたダクトで、外の光を奥の部屋まで導く。反射の回数が多いほど光が減るので、曲がりを少なく、断面を大きくする。
通風で室内に風を取り込むときは、風下側の開口(流出口)を風上側の開口(流入口)より大きくすると、室内に入る風の速さが大きくなりやすい。風上開口を風下開口より大きくするのは逆。
木材は燃えると表面に炭化層ができ、内部へ燃え進む速さが遅くなる。断面を大きくして燃えしろを確保すると、火災のときも構造上必要な断面を残しやすい。
心材(赤身)は、辺材(白太)に比べて腐朽しにくく、乾燥による収縮や反りも少ないので、構造材に適している。
No.6人間のまわりの空間と距離(ホール・ソマー・メルテンス・ニューマン)
人間のまわりの空間や距離等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1エドワード・ホールは、人間同士の距離のとり方等の空間の使い方は、それ自体がコミュニケーションとしての機能をもつと考え、距離をコミュニケーションと対応させて四つの距離帯に分類した。2ロバート・ソマーは、テリトリー(なわばり)は個人についてまわり、持ち運びができ、その空間のかたちは必ずしも球形ではなく、前方に比べ横のほうは未知の人が近づいても寛容になれることを示した。3H. メルテンスは、「建築物の高さ」と「視点から建築物までの水平距離」の比によって建築物の見え方の変化を尺度化した。4オスカー・ニューマンは、物理的・象徴的障壁と見通しのよさをもち、住民たちがそこを「自分たちの場所」と感じているような環境をディフェンシブルスペース(まもりやすい空間)と定義した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.6
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エドワード・ホールは、人と人との距離のとり方そのものがコミュニケーションの働きをもつと考え、密接距離・個体距離・社会距離・公衆距離の4つに分けた。
ロバート・ソマーが、個人について回り、持ち運べて、形は必ずしも球形ではなく、前方に比べて横は知らない人が近づいても寛容になれる、としたのはパーソナルスペース。テリトリー(なわばり)は、比較的固定された場所で、目に見える境界(塀・囲い・目印など)で示される空間。
H. メルテンスは、建物の高さ(H)と、視点から建物までの水平距離(D)の比(D/H)によって、建物の見え方(閉鎖感・開放感)の変化を尺度化した。
オスカー・ニューマンは、物理的・象徴的な障壁と見通しのよさをもち、住民が「自分たちの場所」と感じている環境を、ディフェンシブルスペース(まもりやすい空間)と定義した。
No.7建築物内の音(孔あき板の吸音・凹曲面・オープンプランの廊下・独立間柱)
建築物内で発生する音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1室内の反射音を防ぐために、壁と天井の仕上げに孔あき板を採用し、低音域の吸音率を向上させるために、その仕上げとコンクリート躯体との間に空気層を十分に確保した。2音圧が極端に弱くなることにより、音が聞こえにくくなる場所(デッドスポット)の発生を防ぐために、天井面や壁面を大きな凹曲面で構成した。3オープンプラン型の小学校において、隣接する教室からの音の伝播を防止するため、廊下の天井の仕上げに表面をガラスクロスで覆ったグラスウールを使用した。4隣り合う部屋の間仕切りにおいて、せっこうボードを両面張りとした壁の遮音性能を向上させるため、共通間柱構造から、壁のボードを各面ごとに別々の間柱に取り付ける独立間柱構造に変更した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.7
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孔あき板は、背後の空気層と組み合わせて吸音する。空気層を厚くとると、低い音の吸音率を高められる。
天井や壁を大きな凹曲面にすると、音が一か所に集まる音の焦点ができ、そのほかの場所では音が弱くなって、かえってデッドスポットや音のむらが生じやすい。デッドスポットを防ぐには、凹曲面を避けたり、拡散させる形にしたりする。
オープンプランの教室では、廊下(オープンスペース)の天井に、表面をガラスクロスで覆ったグラスウールなどの吸音材を使うと、隣の教室への音の伝わりを抑えられる。
両面にボードを張った壁は、共通の間柱にすると、片面の振動が間柱を通して反対側に伝わる。両面のボードを別々の間柱に取り付ける独立間柱構造にすると、片面の振動が反対側に伝わりにくくなり、遮音性能が高まる。
No.8建築物の各部の高さ(おむつ交換台・トイレの押しボタン・フロントカウンター・パーティション)
建築物の各部の高さに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1百貨店のトイレ・洗面所の計画において、乳幼児用おむつ交換台の高さを、50cmとした。2庁舎の車椅子使用者用トイレの計画において、ドアを開閉するための押しボタンスイッチの高さを、110cmとした。3ホテルのフロントカウンターの計画において、一般用の高さを100cmとし、車椅子使用者用の高さを70cmとした。4事務所ビルの事務室の計画において、椅子に座ったときの視界を遮るためのパーティションの高さを、120cmとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.8
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乳幼児用おむつ交換台は、大人が立ったまま乳幼児を寝かせて世話をしやすい高さにする。建築設計標準の図の例では床から70cm程度で、50cmでは低すぎて、かがんだ無理な姿勢になる。
車椅子使用者用便房の戸の開閉の押しボタンは、車椅子に座ったまま操作しやすい高さ(建築設計標準では100cm程度)にする。110cmは使える範囲。
フロントカウンターは、立って使う一般用を100cm程度、車椅子使用者用を70cm程度(下に膝が入るように)とするのが一般的。
椅子に座ったときの目の高さは110cm程度なので、座ったときの視界を遮るパーティションは120cm程度とする(立つと見通せる)。
高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(令和3年3月)第2章 2.7 便所・洗面所(乳幼児用おむつ交換台の図=高さ70cm程度・戸の開閉盤の高さ100cm程度)
No.9建築設計標準による敷地内の傾斜路(踊り場・水平距離・有効幅・立ち上がり)
図は、公共施設が建つ敷地内の主要な経路上の傾斜路を計画した模式図である。「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(国土交通省)」に照らして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
図を押すと大きく表示します 1転倒防止や休憩、減速ができるように、傾斜路の途中に設置した踊り場の踏幅Aを、1,600mmとした。2車椅子使用者が自力で上り下りできるように、傾斜路の水平距離Bを、8,000 mmとした。3人と車椅子使用者がすれ違えるように、傾斜路の有効幅Cを、1,500mmとした。4白等による危険の認知、車椅子のキャスター等の脱輪防止のため、側壁がない傾斜路及び踊り場側端の立ち上がりDを、50mmとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.9
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高さが75cmを超える傾斜路では、高さ75cm以内ごとに踏幅150cm以上の踊場を設ける(建築設計標準 2.1)。図の傾斜路は1段が750mmの高さなので、途中の踊り場の踏幅1,600mmは適当。
図の傾斜路は、水平距離Bの間に750mm上がる。主要な経路の傾斜路の勾配は1/12以下(屋外では1/15以下が望ましい)とするので、水平距離は少なくとも750mm×12=9,000mm必要。8,000mmでは勾配が約1/10.7となり、急すぎて車椅子で自力で上り下りしにくい。
段に代わる傾斜路の幅は120cm以上、人と車椅子使用者がすれ違えるように150cm以上とすることが望ましい(建築設計標準 2.1)。1,500mmは適当。
側壁がない傾斜路の側端には、杖による危険の認知や車椅子のキャスターの脱輪防止のため、5cm以上の立ち上がりを設けることが望ましい(建築設計標準 2.1)。50mmは適当。
高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(令和3年3月)第2章 2.1 敷地内の通路(傾斜路の勾配は1/12以下・望ましくは1/15以下、高さ75cm以内ごとに踏幅150cm以上の踊場、幅は段に代わるもの120cm以上・望ましくは150cm以上、側壁がない側端に5cm以上の立ち上がり)
🏙️ 都市計画・住まい(No.10〜No.13)
No.10官民連携等(指定管理者制度・街なみ環境整備事業・TMO・サウンディング型市場調査)
施設を計画・運営する際の官民連携等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1指定管理者制度とは、文化会館や保育所、公園等の公の施設の管理運営を、ノウハウを有する民間事業者等が行うことで、住民サービスの質の向上を図り、施設設置の目的を効果的に達成するための制度のことである。2街なみ環境整備事業とは、住環境の整備改善を必要とする区域において、地方公共団体及び街づくり協定等を結んだ住民が協力して、美しい景観の形成、良好な居住環境の整備を支援する事業のことである。3TMOとは、商業・業務機能が集積した地区において、「中心市街地活性化基本計画」等をもとに活性化事業等を推進する民間主体の組織のことである。4サウンディング型市場調査とは、地方公共団体等の事業完了後に、住民との意見交換等を通し、事業に対しての様々な意見や改善点を把握する調査のことである。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.10
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指定管理者制度は、文化会館・保育所・公園などの公の施設の管理運営を、ノウハウのある民間事業者などに行わせて、サービスの向上と効果的な運営を図る制度(地方自治法 第244条の2)。
街なみ環境整備事業は、住環境の整備改善が必要な区域で、地方公共団体と街づくり協定を結んだ住民が協力して、美しい景観の形成や良好な居住環境の整備を進めるのを支援する事業。
TMO(タウンマネジメント機関)は、中心市街地活性化基本計画などをもとに、商業・業務が集まった地区の活性化事業を進める民間主体の組織。
サウンディング型市場調査は、事業の発案や検討の段階で、民間事業者との対話を通して、事業の実現性や参加の意向、よりよいアイデアを把握する調査。事業が終わった後に住民と意見交換する調査ではない。
No.11都市開発・まちづくり(札幌市・富山市・高松市・北九州市)
都市開発やまちづくりに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1北海道札幌市では、都市再生特別地区の指定により、建築物の形態意匠の制限の他、建築物の高さの最高限度や敷地面積の最低限度を定めることで市街地の良好な景観形成に取り組んでいる。2富山県富山市では、レジリエンス戦略を策定し、自然災害による大きな被害や少子高齢化等の社会構造の変化に直面しても、速やかに復興し、さらに成長する能力や強靭さを有する都市づくりに取り組んでいる。3香川県高松市では、タウンマネジメント・プログラムにより、第三セクターを設立し、地域住民や事業者、地権者を主体としたまちづくりが実践されている。4福岡県北九州市では、民間自立型による家守事業者の設立や定期的なリノベーションスクールの開催により、遊休不動産を活用した「リノベーションまちづくり」が実践されている。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.11
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建築物の形態意匠の制限、高さの最高限度、敷地面積の最低限度などを定めて良好な景観をつくるのは、景観法の景観地区。都市再生特別地区は、都市再生緊急整備地域の中で、既存の用途地域などの規制にとらわれない自由度の高い計画を認めて、都市の再生を図る地区(札幌駅周辺などで指定)で、説明が合わない。
富山市は、レジリエンス戦略を策定し、災害や社会の変化に直面しても、すばやく立ち直り成長できる強いまちづくりに取り組んでいる。
高松市(丸亀町商店街)では、第三セクターのまちづくり会社を設立し、地域の住民・事業者・地権者が主体となったまちづくりを進めている。
北九州市(小倉)では、民間が自立して事業を行う家守会社の設立や、リノベーションスクールの開催などにより、空き店舗などの遊休不動産を活用する「リノベーションまちづくり」が進められている。
No.12日本の伝統的な住宅・集落(卯建・築地塀・曲り屋・輪中)
日本の伝統的な住宅・集落等の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1卯建とは、一般に、妻壁を屋根面より高く突き出し、小屋根を付けた部分のことで、建築物の装飾としてだけではなく、防火性能を兼ね備えている。2築地塀とは、一般に、方形の平瓦を並べ四隅を釘留めし、目地に漆喰を盛り上げた外壁仕上げである。3岩手県下に多く見られた曲り屋造りとは、L字型の平面形状を有し、突出部は厩で母屋の土間とつながる民家形式の一つである。4輪中とは、河川の氾濫する低湿地帯で、周囲に堤防を築き、集落と耕地を守る水防のための集落形態のことである。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.12
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卯建は、町家の妻壁を屋根より高く突き出し、小屋根を付けた部分。装飾のほか、隣家からの延焼を防ぐ防火の役割もある。
築地塀は、土を突き固めて(版築で)つくり、上に屋根をのせた土塀。方形の平瓦を並べて四隅を釘で留め、目地に漆喰を盛り上げた外壁の仕上げは、なまこ壁。
曲り屋(南部曲り屋)は、岩手県に多い民家の形式で、L字形の平面の突き出た部分が厩(馬屋)となり、母屋の土間とつながっている。
輪中は、川が氾濫しやすい低湿地で、集落と耕地のまわりを堤防で囲んで水害から守る集落の形(木曽三川の下流域など)。
No.13自然災害からの復興の住宅・住宅地(防災集団移転・応急借上げ住宅・陸前高田のみんなの家・グループハウス尼崎)
自然災害からの復興支援のための住宅、住宅地等の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1防災集団移転促進事業とは、災害が発生した地域又は建築基準法に基づく災害危険区域のうち、住民の居住に適当でないと認められる区域内にある住居の集団的移転を促進することを目的としたものである。2応急借上げ住宅とは、地方自治体が民間賃貸住宅を借り上げて仮設住宅として供与するものであり、東日本大震災以降は「みなし仮設住宅」とも呼ばれているものである。3陸前高田のみんなの家(岩手県)は、東日本大震災の津波で立ち枯れたスギの丸太を用い、被災した人々の集いの場としてつくられた集会場である。4グループハウス尼崎(兵庫県)は、阪神・淡路大震災後に被災者を対象に建設された、高齢者向け住戸と一般向け住戸で構成され、サポート拠点(サポートセンター)を併設した災害公営住宅である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.13
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防災集団移転促進事業は、災害が起きた地域や災害危険区域のうち、住むのに適当でない区域の住居を、安全な場所へ集団で移転させることを促す事業。
応急借上げ住宅は、自治体が民間の賃貸住宅を借り上げて仮設住宅として提供するもので、東日本大震災以降「みなし仮設住宅」とも呼ばれる。
陸前高田のみんなの家は、東日本大震災の津波で立ち枯れたスギの丸太を柱に使い、被災した人たちが集う場としてつくられた集会所。
グループハウス尼崎は、阪神・淡路大震災のあとのケア付き仮設住宅の形を受け継いで、1998年に尼崎市の市営住宅として建てられた、高齢者どうしが支え合って暮らすグループハウス(生活援助員が常駐)。高齢者向けの住戸と一般向けの住戸で構成し、サポートセンターを併設した住宅ではない。
🏫 各種建築物の計画・保存再生(No.14〜No.17)
No.14建築物と周辺環境(TIME’S・アオーレ長岡・太田市美術館・図書館・代官山ヒルサイドテラス)
建築物と周辺環境に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1TIME’S Ⅰ,Ⅱ(京都府)は、屋根全体を大階段の展望広場とし、その大階段を二分するスリット状のアプローチが人々をエントランスに導くように計画された。2アオーレ長岡(新潟県)は、駅前に建てられた市民協働・市民交流の拠点であり、大通りに開かれた屋根付き広場を中心に、アリーナ、市民交流スペース、市役所、議会等を配置した複合施設として計画された。3太田市美術館・図書館(群馬県)は、建築物の屋内外を巡るスロープや階段、テラス、緑化された屋上を備え、駅前からは施設の賑わいが見え、また、施設からは街が眺められるように計画された。4代官山ヒルサイドテラス(東京都)は、建築群が内包する広場や路地等を主要素として外部空間を形成し、周囲の純和式建築物や庭園とゲートによってつながるように計画された。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.14
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TIME’S Ⅰ,Ⅱ(京都市・安藤忠雄)は、高瀬川に面して、川面近くにテラスや通路を設け、水辺と一体になった空間をつくった商業施設。屋根全体を大階段の展望広場とし、大階段を二分するスリット状のアプローチでエントランスへ導くのは、同じ安藤忠雄の大阪府立近つ飛鳥博物館の特徴。
アオーレ長岡(隈研吾)は、長岡駅前の市民協働・交流の拠点で、大通りに開いた屋根付きの広場(ナカドマ)を中心に、アリーナ・市民交流スペース・市役所・議会などを配置した複合施設。
太田市美術館・図書館(平田晃久)は、建物の内外をめぐるスロープや階段・テラス・緑化された屋上をもち、駅前からにぎわいが見え、施設からはまちを眺められるように計画された。
代官山ヒルサイドテラス(槇文彦)は、建物群がつくる広場や路地などの外部空間を大切にし、周りの古い和風建築や庭園ともゲートでつながるように、長い年月をかけて段階的につくられた。
No.15公共建築物等の計画(博多小学校・立命館大学大阪いばらきキャンパス・石巻市庁舎・大田区役所本庁舎)
公共建築物等の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1福岡市立博多小学校(福岡県)は、オープンプラン型を採用し、旧来型の職員室の代わりに壁のない教員コーナーやワーキングスペースを設けることで、複数の教員で児童を見守ることのできる空間整備が行われた。2立命館大学大阪いばらきキャンパス(大阪府)は、工場跡地において、官民が連携し、防災公園と一体化して計画された。3石巻市庁舎(宮城県)は、百貨店を転用したもので、既存エスカレーターをそのまま活用し、売り場は執務スペースへ、映画館は議場へと改修された。4大田区役所本庁舎(東京都)は、1960年代に建てられた民間の事務所ビルを転用したもので、外部及び内部デザインを継承しながら、3階エントランスは各種イベントに対応できるように、設備改修が施された。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.15
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福岡市立博多小学校は、オープンプラン型を採用し、職員室の代わりに壁のない教員コーナーやワーキングスペースを設けて、複数の教員で児童を見守れるようにした。
立命館大学大阪いばらきキャンパスは、工場跡地に、官民が連携して防災公園と一体に計画された(キャンパスを地域に開いている)。
石巻市庁舎は、百貨店の建物を転用したもので、既存のエスカレーターをそのまま使い、売り場を執務スペースに、映画館を議場に改修した。
大田区役所本庁舎は、蒲田駅の近くに民間の商業ビルとして建てられた建物を、区が購入・改修して庁舎に転用したもの(平成10年に移転)。1960年代に建てられた民間の事務所ビルを転用し、外部・内部のデザインを継承したのは、目黒区総合庁舎(1966年竣工の旧千代田生命本社ビル・村野藤吾。2003年に区の庁舎として開庁)の説明。
No.16高齢者施設(グループホームの定員・小規模多機能の宿泊室・ユニットの共同生活室・トイレの配置)
高齢者施設に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1認知症高齢者グループホームにおいて、家庭にできるだけ近い環境で生活できるように、1ユニットの定員を8人とした。2小規模多機能型居宅介護施設において、要介護者が短期間宿泊するための宿泊室は個室とし、その床面積を、1室当たり10㎡とした。3二つのユニットを有する個室ユニットケア型特別養護老人ホームにおいて、隣接するユニットの共同生活室は共用として、二つのユニットが一体的に使えるようにした。4個室ユニットケア型特別養護老人ホームにおいて、入居者の個室内にトイレを設けない場合、排泄リズムの重なる場合が多いことを配慮し、個室からトイレに至る動線を短くし、トイレを個室3部屋に対し一つ以上設けた。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.16
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認知症高齢者グループホームの1ユニット(共同生活住居)の定員は5人以上9人以下(基準 第93条)。8人は適当。
小規模多機能型居宅介護の宿泊室は、個室の場合、1室7.43㎡以上(基準 第67条)。10㎡は適当。
ユニット型の特別養護老人ホームの共同生活室は、いずれかのユニットに属するものとし、そのユニットの入居者が交流し、共同で日常生活を営む場所とする(基準 第35条)。隣のユニットと共用にして2つのユニットを一体で使うのは、少人数の家庭的なケアというユニットケアの考え方に合わない。
個室にトイレを設けない場合は、排泄の時間が重なることを考え、個室からトイレまでの動線を短くし、3室に1つ以上の割合で設けるなど、十分な数を確保する。
指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準 第67条(宿泊室は7.43㎡以上)・第93条第2項(グループホームの入居定員5〜9人)、特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準 第35条(共同生活室はいずれかのユニットに属する)
No.17歴史的建築物の改修・保存(倉敷アイビースクエア・金沢市民芸術村・千葉市美術館・ロームシアター京都)
歴史的建築物の改修や保存に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1倉敷アイビースクエア(岡山県)は、明治初期に建設された工場を商業施設に改修し、中央に設けたガラス屋根のアトリウムを市民に開放することで、公共性の高い空間を実現したものである。2金沢市民芸術村(石川県)は、大正から昭和初期に建設された紡績工場の倉庫を改修し、工房、レストラン、オープンスペース等から構成される芸術文化施設へ再生させたものである。3千葉市美術館(千葉県)は、昭和初期に銀行として建設された既存建築物全体を新築の建築物で覆う「鞘堂」という日本古来の方式により整備したものである。4ロームシアター京都(旧京都会館)(京都府)は、昭和30年代に建設された既存建築物を保存し、意匠的な要素を再現しながら、増築と一部建て替えを行うことで、機能拡充が図られたものである。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.17
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倉敷アイビースクエアは、明治時代の倉敷紡績所ののこぎり屋根の工場を、一部を撤去してつくった広場を中心に、ホテル・展示施設などの複合施設に再生したもの(浦辺鎮太郎)。明治初期の工場を商業施設に改修し、中央にガラス屋根のアトリウムを設けて市民に開放したのは、サッポロファクトリー(札幌市)の説明。
金沢市民芸術村は、大正から昭和初期の紡績工場の倉庫群を改修し、工房・レストラン・オープンスペースなどからなる芸術文化施設に再生した。
千葉市美術館は、昭和初期に建てられた旧川崎銀行千葉支店の建物全体を、新しい建物で覆って保存する「鞘堂」の方式で整備した。
ロームシアター京都(旧京都会館・前川國男)は、昭和30年代の建物を保存し、意匠を再現しながら、増築と一部建て替えで劇場の機能を拡充した。
📋 建築生産(契約・積算・マネジメント)(No.18〜No.20)
No.18報酬の基準(平成31年国土交通省告示第98号)(業務経費・特別経費・設計意図の伝達・施工図の検討)
設計・監理業務等に関する次の記述のうち、建築士法第25条の規定に基づく「建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準(平成31年国土交通省告示第98号)」に照らして、最も不適当なものはどれか。
1業務経費は、それぞれ算定される直接人件費、特別経費、直接経費及び間接経費の合計額であり、これらの経費には課税仕入れの対価に含まれる消費税に相当する額は含まれない。2特別経費は、設計等の業務において発揮される技術力、創造力等の対価として支払われる費用である。3設計者は、設計図書の定めにより、工事施工段階において行うことに合理性がある工事材料、設備機器等及びそれらの色、柄、形状等の選定に関して、設計意図の観点からの検討を行い、必要な助言を建築主に対して行う。4工事監理者は、設計図書の定めにより、工事施工者が作成し、提出する施工図、製作見本、見本施工等が設計図書の内容に適合しているかについて検討し、建築主に報告する。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.18
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業務経費は、直接人件費・特別経費・直接経費・間接経費の合計で、これらの経費には、課税仕入れの対価に含まれる消費税相当額は含まない(告示)。
特別経費は、出張旅費・特許使用料など、建築主の特別の依頼に基づいて必要となる費用。設計などの業務で発揮される技術力・創造力などの対価は、技術料等経費。
工事施工段階で選ぶほうが合理的な工事材料・設備機器やその色・柄・形状などの選定について、設計者が設計意図の観点から検討し、建築主に助言するのは、告示の別添一の「工事施工段階で設計者が行うことに合理性がある実施設計に関する標準業務」(設計意図を正確に伝えるための業務)に含まれる。
工事監理者は、工事施工者が出す施工図・製作見本・見本施工などが設計図書の内容に適合しているかを検討し、建築主に報告する(工事監理に関する標準業務)。
建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準(平成31年国土交通省告示第98号。令和6年1月に令和6年国土交通省告示第8号に改められた)第二・第四・別添一
No.19建築数量積算基準(計画数量・仕上の欠除・鉄骨のダクト孔・改修の余幅)
建築積算に関する次の記述のうち、建築工事建築数量積算研究会「建築数量積算基準」に照らして、最も不適当なものはどれか。
1「計画数量」は、設計図書に基づいた施工計画により求めた数量をいい、仮設や土工等の数量がこれに該当する。2主仕上の数量において、衛生器具、電気器具、換気孔、配管、配線等の器具の類による各部分の仕上の欠除が1か所当たり0.5㎡以下の欠除については、原則として、ないものとして計測・計算する。3鉄骨の数量において、1か所当たり0.5㎡以下のダクト孔による鋼材の欠除については、原則として、ないものとして計測・計算する。4仕上改修において、設計図書に改修に必要な余幅の図示がないときは、適切な余幅を加えて計測・計算することができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.19
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計画数量は、設計図書に基づく施工計画によって求める数量で、仮設や土工などの数量がこれに当たる。
主仕上の数量では、衛生器具・電気器具・換気孔・配管・配線などの器具類による仕上の欠除が1か所当たり0.5㎡以下のときは、原則としてないものとして計測・計算する。
鉄骨の数量で、原則としてないものとするダクト孔などによる鋼材の欠除は、1か所当たり面積0.1㎡以下のもの(公共建築数量積算基準 第4編 躯体)。0.5㎡以下ではない。
仕上改修で、設計図書に改修に必要な余幅の図示がないときは、適切な余幅を加えて計測・計算することができる。
公共建築数量積算基準(計画数量の定義・鉄骨:1か所当たり面積0.1㎡以下のダクト孔等による欠除はないものとする)
No.20建築のマネジメント(コンセッション方式・デザインレビュー・フロントローディング・CRE戦略)
建築のマネジメントに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1コンセッション方式とは、料金の徴収を行う公共施設において、施設の所有権と運営権を民間業者へ移行する方式のことである。2デザインレビューとは、設計や施工等の各部門の専門家が、設計段階で性能・機能・信頼性等を価格、納期等を考慮しながら、設計について審査し改善を図ることである。3フロントローディングとは、施工段階や維持管理段階における問題点の早期発見や作業全体の効率化を目指し、設計段階で各種の技術検討を行うことである。4CRE戦略とは、企業が保有している不動産について、企業価値向上の観点から、経営戦略的視点に立って見直しを行い、不動産投資の効率性を最大限向上させるための考え方である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅰ(計画)」No.20
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コンセッション方式は、利用料金を取る公共施設について、施設の所有権は公共に残したまま、運営権を民間事業者に設定する方式。所有権まで民間に移すのではない。
デザインレビューは、設計・施工などの専門家が、設計の段階で、性能・機能・信頼性などを、価格や納期も考えながら審査し、設計の改善を図ること。
フロントローディングは、施工や維持管理の段階で起こる問題を早めに見つけ、作業全体を効率よくするため、設計の初期の段階に検討を前倒しして行うこと。
CRE(企業不動産)戦略は、企業が持つ不動産を、企業価値の向上の観点から、経営戦略として見直し、不動産投資の効率を最大限に高める考え方。
令和3年の合格基準点(学科の試験)
配点は各問題1点(学科Ⅰ・Ⅱは各20点、学科Ⅲ・Ⅳは各30点、学科Ⅴは25点、合計125点)で、各科目の基準点と総得点の基準点のすべてに達した人が合格です。
| 学科Ⅰ 計画 | 学科Ⅱ 環境・設備 | 学科Ⅲ 法規 | 学科Ⅳ 構造 | 学科Ⅴ 施工 | 総得点 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 合格基準点 | 10点※ | 11点 | 16点 | 16点 | 13点 | 87点 |
※ 合格基準点は、各科目は過半の得点、総得点はおおむね90点程度を基本的な水準として想定し、令和3年は学科Ⅰの難易度が高く、総じて難易度が高かったことから、学科Ⅰ(計画)の基準点が10点、総得点の基準点が87点とされました。
出典:建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験『学科の試験』の合格基準点等について」
令和3年の計画の基準点は10点(20点中)で、原則の点から補正されました。計画は法令集を使えない科目で、20問と問題数が少ないぶん1問の重みが大きく、建築史・各種建築物の計画・都市計画・建築生産と範囲も広いので、過去問で正誤の理由まで説明できるようにしておくと安心です。
ほかの年度・ほかの科目の過去問
この記事の問題文と図は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和3年 一級建築士試験(学科の試験)の問題から、著作権法第32条の引用として掲載しています。著作権は同センターにあります。
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