全25問の解答・解説
令和2年(2020年7月5日実施)の二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)全25問を、選択肢ごとに正誤の理由を示して解説します。建築史・環境工学・各種建築物の計画・建築設備の4つの分野から出題されます。まず自分で解き、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

令和2年 二級建築士試験(学科)の概要
問題文は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)の試験問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各問の枠の右下に出典)。正答は、同センターの合格基準点等(正答肢)と全問を照らし合わせています。
解説は、出題当時の法令・基準によります(法令がからむ問題は令和2年1月1日時点の法令)。その後の改正や基準の改定で答えが変わる問題には「🔶 現在の基準では」、言い方だけが変わった問題には「ℹ️ その後の改正」の枠を付けています。
分野ごとの問題一覧
計画の25問は、毎年ほぼ同じ順番で、分野ごとに出題されます。解きたい問題を押すと、その問題へ移動します。
🏯 建築史(No.1〜No.2)
No.1日本の歴史的な建築物(姫路城大天守・三仏寺投入堂・厳島神社・さざえ堂・伊勢神宮内宮正殿)
日本の歴史的な建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、( )内は、所在地を示す。
1姫路城大天守(兵庫県)は、白漆喰で塗り籠められた外壁が特徴的な城郭建築最盛期を代表する建築物である。2三仏寺投入堂(鳥取県)は、修験の道場として山中に営まれた三仏寺の奥院であり、岩山の崖の窪みに建てられた懸造りの建築物である。3厳島神社社殿(広島県)は、両流れ造りの屋根をもつ本殿と摂社客神社が主要な社殿で、拝殿、祓殿、舞台、回廊などで構成された建築物である。4旧正宗寺三匝堂(福島県)は、通称さざえ堂と呼ばれ、二重螺旋の連続斜路を有する建築物である。5伊勢神宮内宮正殿(三重県)は、神明造りの建築様式であり、全ての柱が礎石の上に立てられている建築物である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.1
▼ 解答・解説を見る(No.1)▲ 解答・解説を閉じる
姫路城大天守は、外壁を白漆喰で塗り籠めた城郭建築で、城郭建築の最盛期を代表する建築物。
三仏寺投入堂は、修験の道場の奥院で、岩山の崖の窪みに長い束柱で床を支えて建てた懸造りの建築物。
厳島神社は、両流れ造りの本殿と摂社客神社を中心に、拝殿・祓殿・舞台・回廊などで構成された社殿群。
旧正宗寺三匝堂(さざえ堂)は、上りと下りが交わらない二重螺旋の斜路をもつ建築物。
伊勢神宮内宮正殿は神明造りで、柱は地面に直接埋め込んだ掘立柱。全ての柱を礎石の上に立てているのではない。
No.2住宅作品と設計者の組合せ(ロビー邸・ファンズワース邸・フィッシャー邸・塔の家・小篠邸)
住宅作品とその設計者との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
1ロビー邸フランク・ロイド・ライト2ファンズワース邸ミース・ファン・デル・ローエ3フィッシャー邸ルイス・カーン4塔の家坂倉準三5小篠邸安藤忠雄出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.2
▼ 解答・解説を見る(No.2)▲ 解答・解説を閉じる
ロビー邸(アメリカ・シカゴ)は、フランク・ロイド・ライトのプレーリースタイルの住宅。
ファンズワース邸(アメリカ)は、ミース・ファン・デル・ローエのガラス張りの住宅。
フィッシャー邸(アメリカ)は、ルイス・カーンの住宅。
塔の家は、東孝光の自邸。坂倉準三の設計ではない。
小篠邸は、安藤忠雄の設計(兵庫県)。
🌤️ 環境工学(No.3〜No.10)
No.3用語と単位の組合せ(立体角投射率・日射量・熱伝達率・比熱・光束)
用語とその単位との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
1立体角投射率%2日射量W/㎡3熱伝達率W/(m・K)4比熱kJ/(kg・K)5光束lm出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.3
▼ 解答・解説を見る(No.3)▲ 解答・解説を閉じる
立体角投射率は、窓などが天空を見込む割合で、単位は%。
日射量の単位はW/㎡。
熱伝達率の単位はW/(㎡・K)。W/(m・K)は熱伝導率の単位。
比熱は、物質1kgの温度を1K上げるのに必要な熱量で、単位はkJ/(kg・K)。
光束の単位はlm(ルーメン)。
No.4室内の空気環境(送風機の位置・空気齢・温度差換気・透湿・ホルムアルデヒドの等級)
室内の空気環境に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1送風機を給気側又は排気側のどちらかに設ける場合、室内の汚染空気を他室へ流出させないようにするには、排気側へ設ける。2室内のある点の空気が、流出口までに達するのに要する平均時間を空気齢という。3温度差による自然換気の効果を高めるためには、給気口と排気口の高低差を大きくする。4透湿とは、多孔質材料等の壁の両側に水蒸気圧差がある場合、水蒸気圧の高いほうから低いほうへ壁を通して湿気が移動することである。5JIS及びJASにおけるホルムアルデヒド放散量による等級区分の表示記号では、「F☆☆☆」より「F☆☆☆☆」のほうが放散量は小さい。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.4
▼ 解答・解説を見る(No.4)▲ 解答・解説を閉じる
送風機を排気側に設ける(第3種換気)と室内が負圧になり、汚染空気がほかの室へ流れ出にくい。
空気齢は、給気口(流入口)から入った空気が室内のある点に届くまでの平均時間。ある点から流出口に達するまでの時間は空気余命という。
温度差による換気量は、給気口と排気口の高低差の平方根に比例するので、高低差を大きくすると効果が高まる。
透湿は、壁の両側の水蒸気圧の差で、高いほうから低いほうへ湿気が壁を通って移動すること。
JIS・JASのホルムアルデヒド放散量の等級は、☆の数が多いほど放散量が小さい。F☆☆☆☆が最も小さい。
No.5伝熱(熱伝導・熱放射・対流熱伝達・稠密な固体・熱容量と蓄熱)
伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1熱伝導は、物質内部に温度差がある場合、温度が高いほうから低いほうへ熱エネルギーが移動する現象をいう。2熱放射は、ある物体から他の物体へ直接伝達される熱の移動現象であり、真空中においても生じる。3壁面と壁面に接する流体との間で熱が移動する現象は、対流熱伝達である。4稠密な固体や静止している流体の中では、熱伝導、熱対流、熱放射のうち、熱伝導のみが生じる。5物質の熱容量が小さくなると、熱の吸収による温度上昇と放出による温度降下とが遅くなり、蓄熱という現象が生じる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.5
▼ 解答・解説を見る(No.5)▲ 解答・解説を閉じる
熱伝導は、物質の内部に温度差があるとき、温度の高い所から低い所へ熱が移動する現象。
熱放射は、電磁波で物体から物体へ直接熱が伝わる現象で、真空中でも生じる。
壁面と、それに接する流体との間の熱の移動は対流熱伝達。
すき間のない固体や静止した流体の中では、熱は熱伝導だけで伝わる。
熱容量が大きい物質ほど、熱を吸収しても温度が上がりにくく、放出しても下がりにくい(蓄熱の効果が大きい)。熱容量が小さいと、温度はすぐに上がり下がりする。
No.6湿り空気線図(加熱・結露・水蒸気量・加湿量・混合)
図に示す湿り空気線図中のA点の湿り空気(乾球温度20℃、相対湿度30%)及びB点の湿り空気(乾球温度30℃、相対湿度60%)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
図を押すと大きく表示します 1A点の空気を乾球温度30℃まで加熱すると、相対湿度は約17%まで低下する。2B点の空気が15℃の壁面に触れると、壁の表面に結露が発生する。3A点の空気に含まれる水蒸気量は、B点の空気に含まれる水蒸気量の約50%である。4A点の空気をB点の空気と同様な状態にするには、加熱と同時に乾燥空気1 kg当たり約12 gの加湿が必要となる。5A点の空気とB点の空気とを同じ量だけ混合すると、「乾球温度約25℃、相対湿度約50%」の空気となる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.6
▼ 解答・解説を見る(No.6)▲ 解答・解説を閉じる
加熱しても水蒸気の量(絶対湿度 約4.3g/kg(DA))は変わらないので、A点から真横に30℃まで移動する。その点の相対湿度は約17%。
B点から真横に左へ移動して相対湿度100%の線と交わる温度(露点温度)は約21℃。15℃の壁面は露点温度より低いので、表面に結露が発生する。
線図の縦軸(絶対湿度)を読むと、A点は約4.3g/kg(DA)、B点は約16g/kg(DA)。4.3÷16≒約27%で、約50%ではない。
A点からB点へは、加熱して20℃から30℃にし、絶対湿度を約4.3から約16g/kg(DA)へ、乾燥空気1kg当たり約12g加湿する。
同じ量を混合した空気は、A点とB点を結んだ直線の中点になる。乾球温度は約25℃、絶対湿度は(4.3+16)÷2≒10.2g/kg(DA)で、相対湿度は約50%。
No.7日射・採光・照明(採光の評価・均斉度・冬至の直達日射量・不快グレア・平均演色評価数)
日射・採光・照明に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1室内の採光性能を評価する場合は、一般に、直射日光は除き、天空光のみを対象とする。2照度の均斉度は、室全体の照度分布の均一さを評価する指標であり、その数値が1に近いほど均一であることを示している。3冬至の日の1日当たりの直達日射量は、水平面より南向き鉛直面のほうが大きい。4視野内に高輝度な光が入ることによって、視認性の低下にかかわらず、不快感を生じさせるまぶしさを不快グレアという。5人工光源の平均演色評価数の値が小さいほど、自然光の下での物体色の見え方に近い。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.7
▼ 解答・解説を見る(No.7)▲ 解答・解説を閉じる
室内の採光性能は、変化の大きい直射日光を除き、天空光だけを対象に評価する(昼光率など)。
照度の均斉度は、照度の分布の均一さを表し、1に近いほど均一。
冬至の日は太陽の高度が低いので、1日の直達日射量は、水平面より南向き鉛直面のほうが大きい。
見えにくくはならないが、不快感を生じるまぶしさを不快グレアという(見えにくくなるのは減能グレア)。
平均演色評価数(Ra)は、値が大きいほど自然光(基準の光)の下での色の見え方に近い(最大100)。小さいほど近いのではない。
No.8音(縦波・面音源・エコー・音速・音の三要素)
音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1音波は、波の伝搬方向と媒質粒子の振動方向が等しい縦波である。2無限大の面音源から放射された音は、距離減衰することなく伝搬する。3直接音と反射音の行路差が17 m以上になると、エコー(反響)が生じる可能性がある。4空気中の音速は、気温にかかわらず、340 m/sである。5音における聴感上の三つの要素は、音の大きさ、音の高さ、音色である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.8
▼ 解答・解説を見る(No.8)▲ 解答・解説を閉じる
音波は、空気などの粒子が波の進む方向と同じ向きに振動する縦波。
無限に広い面音源から出た音は、広がらずに平面波として進むので、距離による減衰がない。
直接音と反射音の行路差が約17m以上(時間差約1/20秒以上)になると、エコーが生じやすい。
空気中の音速は気温によって変わり、およそ331.5+0.6t(m/s)(t=気温℃)。340m/sは約15℃のときの値。
音の聴感上の三要素は、音の大きさ・音の高さ・音色。
No.9吸音・遮音(質量則・D値・吸音材料の遮音性能・多孔質材料・残響時間)
吸音・遮音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1同じ厚さの一重壁であれば、一般に、壁の単位面積当たりの質量が2倍になると、垂直入射する音の透過損失は3 dB大きくなる。2室間音圧レベル差(D値)は、隣接する2室間の空気音の遮音性能を評価するものであり、その数値が大きいほど性能が優れている。3吸音材料は、一般に、音の透過性が高いので、遮音性能を期待できない。4多孔質材料の吸音率は、一般に、低音域より高音域のほうが大きい。5残響時間は、音源から発生した音が停止してから、室内の平均音圧レベルが60 dB低下するまでの時間をいう。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.9
▼ 解答・解説を見る(No.9)▲ 解答・解説を閉じる
質量則により、一重壁の単位面積当たりの質量が2倍になると、透過損失は約6dB大きくなる。3dBではない。
室間音圧レベル差(D値)は、隣の室との空気音の遮音性能を表し、数値が大きいほど性能がよい。
吸音材料は音を通しやすいので、それだけでは遮音性能を期待できない。
多孔質材料は、一般に高音域の吸音率が大きい。
残響時間は、音を止めてから室内の平均音圧レベルが60dB下がるまでの時間。
No.10屋外気候(年較差・日射量と気温・真夏日と真冬日・風配図・クリモグラフ)
屋外気候に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1月平均気温の1年の最高気温と最低気温の差を年較差といい、高緯度地域で大きく、低緯度地域で小さくなる傾向がある。2我が国において、一般に、全天積算日射量は夏至の頃に最大となるが、月平均気温は地面の熱容量のため夏至より遅れて最高となる。3日平均気温が、30℃以上の日を真夏日、0℃未満の日を真冬日という。4ある地域の特定の季節・時刻における風向の出現頻度を円グラフに表したものを、風配図という。5縦軸に月平均気温、横軸に月平均湿度をプロットし、年間の推移を示した図をクリモグラフという。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.10
▼ 解答・解説を見る(No.10)▲ 解答・解説を閉じる
年較差は、一般に高緯度ほど大きく、低緯度ほど小さい。
日射量は夏至のころに最大になるが、地面などが暖まるのに時間がかかるので、気温が最も高くなるのは夏至より遅れる。
真夏日は日最高気温が30℃以上の日、真冬日は日最高気温が0℃未満の日。日平均気温で決めるのではない。
風配図は、風向ごとの出現頻度を放射状に表した図。
クリモグラフは、月平均気温と月平均湿度をプロットし、1年の変化を線で結んだ図。
🏫 各種建築物の計画・伝統的な木造住宅(No.11〜No.18)
No.11住宅の計画(アイランド型・コア型・高齢者の照度・寝室の気積・階段の勾配)
住宅の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1家族や来客等、複数人で四方を取り囲んで調理ができるように、台所の形式をアイランド型とした。2開放的な室内空間にするため、平面形式を、水回りや階段などを1箇所にまとめて配置するコア型とした。3高齢者の使用する書斎において、机上面の照度は、JISにおける照度基準の2倍程度とした。4寝室の気積を、1人当たり6㎥とした。5高齢者に配慮して、階段の勾配を7/11以下となるようにし、踏面の寸法を300 mmとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.11
▼ 解答・解説を見る(No.11)▲ 解答・解説を閉じる
アイランド型は、調理台が島のように独立し、周りを複数の人で囲んで調理できる。
水回りや階段を1か所にまとめるコア型は、ほかの部分を開放的な空間にしやすい。
高齢者は視力が低下しやすいので、書斎の机上面の照度をJISの照度基準の2倍程度に高くする。
寝室の気積(室の容積)は、就寝中の二酸化炭素の増加などを考え、1人当たり10㎥以上が目安とされる。6㎥では小さすぎる。
高齢者に配慮した階段として、勾配を7/11以下、踏面を300mmとするのは、上り下りしやすい計画。
No.12集合住宅の計画(コレクティブハウス・中廊下型・コーポラティブハウス・スキップフロア型・リビングアクセス型)
集合住宅の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1コレクティブハウスは、厨房や食堂などを共用しながら、各居住者が独立した生活を確保することができる。2中廊下型は、片廊下型に比べて、プライバシー・遮音・採光などの居住性を確保しやすい。3コーポラティブハウスは、住宅入居希望者が組合を作り、協力して企画・設計から入居・管理まで運営していく方式の集合住宅である。4スキップフロア型は、一般に、共用廊下を介さずに、外気に接する2方向の開口部を有した住戸を設けることができる。5リビングアクセス型は、一般に、共用廊下側に居間を配置することで、各住戸の表情を積極的に表に出すことなどを意図しているが、プライバシーの確保には注意を要する。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.12
▼ 解答・解説を見る(No.12)▲ 解答・解説を閉じる
コレクティブハウスは、厨房や食堂などを共用しながら、各居住者が独立した住戸で生活する集合住宅。
中廊下型は、中央の廊下の両側に住戸が並ぶので、廊下側の窓が取りにくく、片側にしか開口がない住戸もでき、プライバシー・遮音・採光などの居住性は、片廊下型より確保しにくい。
コーポラティブハウスは、入居希望者が組合をつくり、企画・設計から入居・管理までを共同で進める集合住宅。
スキップフロア型は、共用廊下のない階の住戸で、外気に面した2方向の開口部を設けやすい。
リビングアクセス型は、共用廊下側に居間を置いて、住戸の表情を外に出す形式で、プライバシーの確保に注意が必要。
No.13事務所ビルの計画(レンタブル比・エレベーターの台数・机の配置・パーティションの高さ・オフィスランドスケープ)
事務所ビルの計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1レンタブル比は、貸事務所ビルの収益性に関する指標の一つであり、収益部分の床面積に対する非収益部分の床面積の割合である。2高層の事務所ビルにおける乗用エレベーターの台数については、一般に、最も利用者が多い時間帯の5分間に利用する人数を考慮して計画する。3事務室の机の配置方式において、特に業務に集中することが必要な場合、一般に、対向式レイアウトよりも並行式レイアウトのほうが適している。4事務室において、人が椅子に座ったときの視界を遮り、立ったときに全体を見通すことができるパーティションの高さは、120 cm程度である。5オフィスランドスケープは、一般に、固定間仕切を使用せず、ローパーティション・家具・植物などによって事務室のレイアウトを行う手法である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.13
▼ 解答・解説を見る(No.13)▲ 解答・解説を閉じる
レンタブル比は、延べ面積(又は基準階の床面積)に対する収益部分(貸室)の床面積の割合。収益部分に対する非収益部分の割合ではない。
乗用エレベーターの台数は、出勤時などの最も利用者が多い時間帯の5分間の利用者数をもとに計画する。
並行式レイアウト(全員が同じ方向を向く)は、向かい合わないので、業務に集中しやすい。
座ると視線がさえぎられ、立つと見通せるパーティションの高さは、120cm程度。
オフィスランドスケープは、固定の間仕切りを使わず、低いパーティション・家具・植物などでレイアウトする手法。
No.14社会福祉施設・高齢者等に配慮した計画(避難通路・ユニットケア・屋外スロープの勾配・浴槽・サービス・ステーション)
社会福祉施設等又は高齢者、身体障がい者等に配慮した建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1車椅子使用者に配慮し、避難施設となる屋内の通路には、車椅子を円滑に利用できる有効幅員、ゆとりある空間を確保し、原則として段を設けない。2ユニットケアは、入居者の個性や生活リズムに応じて暮らしていけるようにサポートする介護手法であり、ユニットごとに「入居者の個室」と「入居者が他の入居者や介護スタッフ等と交流するための共同生活室」とを備えていることが特徴的である。3車椅子使用者に配慮し、エントランスから道路境界線まで50 cmの高低差が生じるアプローチを計画する場合、スロープの勾配は、1/8程度を基本とする。4車椅子使用者が利用する浴室は、浴槽の深さを50 cm程度、エプロンの高さを40~45 cm程度とする。5特別養護老人ホームにおけるサービス・ステーションは、一般に、療養室に近接して設ける。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.14
▼ 解答・解説を見る(No.14)▲ 解答・解説を閉じる
避難に使う屋内の通路は、車椅子が通れる有効幅とゆとりを確保し、原則として段を設けない。
ユニットケアは、少人数のユニットごとに、個室と共同生活室を設けて、一人ひとりの生活のリズムに合わせて介護する手法。
バリアフリー法施行令第18条第2項第七号では、敷地内の通路の傾斜路の勾配は1/12以下(高さ16cm以下なら1/8以下)としている。高低差50cmのアプローチを1/8とするのは急すぎ、屋外では雨などで滑りやすいので、1/15程度とするのが望ましい。
車椅子使用者の浴室では、浴槽の深さ50cm程度、エプロン(縁)の高さを車椅子の座面と同じ40〜45cm程度とする。
サービス・ステーションは、介護職員が入居者の様子に目が届くよう、療養室(居室)に近接して設ける。
バリアフリー法施行令 第18条第2項第七号(移動等円滑化経路を構成する敷地内の通路の傾斜路の勾配)
No.15建築物の計画(劇場のサービス出入口・X線撮影室・幼稚園の昇降口・BDS・博物館の燻蒸室)
建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1劇場において、大道具などを搬出入するサービス用出入口の位置は、観客動線からは切り離し、車両が道路から進入しやすいものとする。2診療所において、X線撮影室は、一般に、診察室及び処置室に近接させる。3幼稚園において、園舎と園庭との出入りのための昇降口を設ける場合、一般に、園舎等の周囲を迂回せず園庭へ出やすい位置に計画する。4図書館において、図書の無断持ち出しを防ぐために、BDS(ブック・ディテクション・システム)を導入する。5博物館の荷解室及び収蔵庫は、収蔵品に付着した害虫等を駆除するための燻蒸室からできるだけ離して配置する。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.15
▼ 解答・解説を見る(No.15)▲ 解答・解説を閉じる
大道具を搬出入するサービス用出入口は、観客の動線と分け、車両が道路から入りやすい位置にする。
X線撮影室は、診察や処置の流れの中で使うので、診察室・処置室に近接させる。
幼稚園の昇降口は、園舎の周りを回らずに園庭へ出やすい位置にする。
BDS(ブック・ディテクション・システム)は、手続きをしていない本の持ち出しを出入口で検知する装置。
博物館では、搬入した収蔵品を荷解きし、燻蒸して害虫を駆除してから収蔵庫に入れるので、荷解室・燻蒸室・収蔵庫は近接させて配置する。離すのではない。
No.16各部寸法と床面積(4床室・親子用便所のブース・ほふく室・エレベーターの鏡・段差解消機)
建築計画における各部寸法及び床面積に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1一般の病室において、4床室の内法寸法を、幅6 m、奥行5.8 mとした。2乳幼児連れの親子が利用する便所のブースの広さは、ベビーカーを折りたたまずに入ることを考慮して、内法寸法を、幅1,000 mm、奥行1,200 mmとした。3保育所において、乳児及び2歳未満の幼児を対象とした定員10人のほふく室の床面積を40㎡とした。4出入口が一つのエレベーターにおいて、車椅子使用者の利用を考慮し、かご入口正面の壁面における床上400 mmから1,500 mm程度の範囲に、出入口状況確認用の安全ガラスの鏡を設けた。5鉛直型段差解消機の乗降スペースは、車椅子での転回を考慮し、幅1,600 mm、奥行1,600 mmを確保した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.16
▼ 解答・解説を見る(No.16)▲ 解答・解説を閉じる
病室の床面積は、内法で患者1人につき6.4㎡以上(医療法施行規則第16条第1項第三号)。4床室なら25.6㎡以上が必要で、6m×5.8m=34.8㎡は満たしている。
ベビーカーを折りたたまずに親子で入るには、内法でおおむね幅1,500mm×奥行1,600mm程度以上が必要とされ、幅1,000mm×奥行1,200mmでは小さすぎる。
ほふく室の面積は、乳児又は満2歳に満たない幼児1人につき3.3㎡以上(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第32条第三号)。10人×3.3㎡=33㎡なので、40㎡は満たしている。
出入口が一つのエレベーターでは、車椅子使用者が後ろ向きに出るときに出入口の様子を確かめられるよう、正面の壁の床上400mm〜1,500mm程度の範囲に鏡を設ける。
鉛直型段差解消機の乗降スペースを1,600mm角とすると、車椅子で向きを変えられる。
医療法施行規則 第16条第1項第三号(病室の床面積)、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第32条第三号(ほふく室の面積)
No.17高齢者・障がい者等に配慮した計画(階段の手すり・エレベーターの操作盤・便所の出入口・棚の高さ・電光表示板の色)
高齢者や身体障がい者等に配慮した建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1住宅の改修において、階段の手摺については、両側に設置する余裕がなかったので、高齢者が降りるときの利き手側に設置した。2エレベーターのかご内の車椅子使用者対応の操作盤の位置は、床面から操作ボタンの中心までの高さを、1,000 mmとした。3車椅子使用者が利用する便所のブースの出入口の有効幅を、900 mmとした。4車椅子使用者が日常的に使用する収納スペースの最上段の棚板の高さを、床面から1,200 mmとした。5弱視者や色弱者に配慮して、病院の呼び出しカウンターに設置した電光表示板は、黒色の下地に濃い赤色の文字で表示した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.17
▼ 解答・解説を見る(No.17)▲ 解答・解説を閉じる
手すりを片側にしか設けられないときは、転落の危険が大きい降りるときの利き手側に設ける。
車椅子使用者対応の操作盤は、座ったまま押せるよう、床からボタンの中心まで1,000mm程度とする。
車椅子使用者が使う便所のブースの出入口を有効幅900mmとすると、車椅子で出入りしやすい。
車椅子使用者が日常的に使う棚の最上段は、座ったまま手が届く床から1,200mm程度までとする。
黒の下地に濃い赤の文字は、明るさ(明度)の差が小さく、赤が見分けにくい色弱者や弱視者には読みにくい。黒地に白や黄色など、明度の差の大きい組合せにする。
No.18伝統的な木造住宅(海老束・床框・落し掛け・欄間・竿縁天井)
伝統的な木造住宅に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1床脇の違い棚の上棚と下棚を連結する部材を、海老束という。2床の間を座敷より一段高くする場合、小口を隠すため、床板や床畳の前端に床框を設ける。3落し掛けは、床の間の前面垂れ壁の下端に取り付ける横木である。4欄間は、通風、換気等のために、小屋裏に設ける開口部である。5床の間がある和室を竿縁天井とする場合、一般に、竿縁の方向は床の間と平行に配置する。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.18
▼ 解答・解説を見る(No.18)▲ 解答・解説を閉じる
海老束は、床脇の違い棚の上の棚と下の棚をつなぐ短い束。
床框は、床の間を一段高くしたときに、床板や床畳の前端の小口を隠すために設ける横木。
落し掛けは、床の間の前面の垂れ壁の下端に取り付ける横木。
欄間は、通風・採光・装飾のために、鴨居と天井の間(室と室の境の上部など)に設ける開口部。小屋裏に設けるのではない。
竿縁天井では、竿縁を床の間と平行に配置するのが一般的(床の間に向けて突き刺す「床刺し」は避ける)。
🔧 建築設備(No.19〜No.25)
No.19建築設備の用語と説明の組合せ(COP・UPS・SHF・PBX・VAV)
建築設備に関する用語とその説明との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
1COP加湿器における飽和効率のことであり、その加湿器で実際に加湿できる範囲を示す数値である。2UPS無停電電源装置のことであり、停電等の際に、一時的に電力供給を行うために用いられる。3SHF空調機により空気に加えられる、又は、空気から除去される熱量のうち、顕熱量の占める割合である。4PBX構内電話交換機のことであり、「事業所内などでの電話機相互の接続」と「電話局の回線と事業所内の電話機との接続」を行う装置である。5VAV変風量方式のことであり、空調対象室の熱負荷の変動に応じて、給気量を変動させる空調方式である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.19
▼ 解答・解説を見る(No.19)▲ 解答・解説を閉じる
COPは、ヒートポンプなどの成績係数(冷暖房した熱量÷消費したエネルギー)で、エネルギー効率を表す。加湿器の飽和効率ではない。
UPS(無停電電源装置)は、停電などのときに一時的に電力を供給する装置。
SHF(顕熱比)は、空調機で加える(除く)熱量のうち、顕熱量が占める割合。
PBX(構内電話交換機)は、事業所内の電話機どうしや、外の回線と事業所内の電話機をつなぐ装置。
VAV(変風量方式)は、室の熱負荷の変化に応じて給気量を変える空調方式。
No.20空気調和設備(定風量と変風量・低温送風・マルチパッケージ・床放射暖房・二重ダクト)
空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1定風量単一ダクト方式は、熱負荷のピークの同時発生がない場合、変風量単一ダクト方式に比べて、空調機やダクトサイズを小さくすることができる。210~12℃程度の低温冷風を利用した低温送風空調方式は、送風搬送動力の低減が可能であり、空調機やダクトサイズを小さくすることができる。3マルチパッケージ型空調機の個別空調方式は、各室やゾーンごとの単独運転が可能であり、一般に、中小規模の事務所などに適している。4室内の床に放熱管を埋め込んだ放射暖房方式は、温風暖房方式に比べて、室内における上下の温度差が少なくなる。5二重ダクト空調方式は、冷風と温風の2系統のダクトによる給気を混合させて温度制御を行うので、個別制御性は高いが、エネルギー損失は大きい。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.20
▼ 解答・解説を見る(No.20)▲ 解答・解説を閉じる
定風量(CAV)方式は、各室の最大負荷に合わせた風量を送り続けるので、空調機・ダクトは小さくできない。負荷のピークの時刻のずれを見込んで空調機やダクトを小さくできるのは変風量(VAV)方式。
低温送風空調方式は、吹出し温度を下げて送風量を減らすので、搬送動力を小さくでき、空調機・ダクトも小さくできる。
マルチパッケージ型空調機の個別空調方式は、室やゾーンごとに単独運転でき、中小規模の事務所などに適している。
床に放熱管を埋め込んだ放射暖房は、温風暖房より室内の上下の温度差が小さい。
二重ダクト方式は、冷風と温風を混ぜて温度を調整するので、個別制御性は高いが、エネルギーの損失は大きい。
No.21給排水衛生設備①(タンクレス便器・さや管ヘッダ工法・減圧弁・封水の補給・中水)
給排水衛生設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1住宅用のタンクレス型洋式大便器は、一般に、給水管内の水圧を直接利用して洗浄するので、設置箇所の給水圧を確認する必要がある。2さや管ヘッダ工法は、ヘッダから器具までの配管に継手を使用しないため、管の更新性に劣る。3高層の集合住宅において、ポンプ直送方式の給水区分を1系統とする場合、下層階では給水管に減圧弁を設置して給水圧を調整する。4使用頻度の少ないトラップに生じる蒸発作用の防止策として、封水の補給装置等が有効である。5便器の洗浄水に中水を利用する場合、温水洗浄便座の給水には、別途、上水を用いなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.21
▼ 解答・解説を見る(No.21)▲ 解答・解説を閉じる
タンクレス便器は、給水管の水圧で直接洗浄するので、設置する所の給水圧を確認する必要がある。
さや管ヘッダ工法は、さや管の中に樹脂管を通しているので、内装を壊さずに樹脂管を引き抜いて入れ替えられ、管の更新性に優れる。
高層の集合住宅でポンプ直送方式を1系統にすると、下層階の水圧が高くなりすぎるので、減圧弁で調整する。
使用頻度の少ないトラップは、封水が蒸発して切れやすいので、封水の補給装置などが有効。
中水は飲用に適さないので、温水洗浄便座の給水には別に上水を使う。
No.22給排水衛生設備②(揚水ポンプの揚程・飲料用冷水器の間接排水・ディスポーザ・クロスコネクション・給湯の配管方式)
給排水衛生設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1高置水槽へ給水する揚水ポンプの揚程は、実揚程、管内摩擦損失及び速度水頭(吐水口における速度水頭に相当する高さ)との合計で決定する。2飲料用冷水器は、一般排水系統からの逆流等を防止するために、間接排水とする。3ディスポーザ排水処理システムは、ディスポーザ、専用の排水配管及び排水処理装置により構成されており、居住者の生ごみ廃棄の負担軽減や清潔性向上の効果がある。4断水時に備えて、上水高置水槽と井水の雑用水高置水槽とを管で接続し、弁で切り離すことは、クロスコネクションに該当する。5短時間に出湯する必要があるホテル等の場合、給湯方式には、一般に、単管式を採用する。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.22
▼ 解答・解説を見る(No.22)▲ 解答・解説を閉じる
揚水ポンプの揚程は、実揚程、管内の摩擦損失、吐水口での速度水頭の合計で決める。
飲料用冷水器の排水は、排水系統からの逆流で汚染されないよう、間接排水とする。
ディスポーザ排水処理システムは、ディスポーザ・専用の排水管・排水処理装置からなり、生ごみ処理の負担を減らし、清潔さを保てる。
上水の系統とほかの系統を管でつなぐことは、弁で切り離していてもクロスコネクションに当たる。
単管式は、給湯管だけで湯を送る方式で、使い始めにしばらく冷めた水が出る。ホテルなど短時間で湯を出す必要がある建物では、返湯管で湯を循環させる複管式(二管式)を採用する。
No.23照明計画(色温度・LEDランプ・昼光照明・光天井照明・光束法と反射率)
照明計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1色温度の低い照明光源は、暖かみを感じさせる。2LEDランプは、水銀の使用がなく、蛍光ランプに比べて熱放射が少なく寿命が長い。3昼光照明は、明るさの変動はあるが、省エネルギーに寄与するため、特に大空間においては、効果的な計画が必要である。4光天井照明とは、天井に埋め込まれる小形で狭配光の器具を天井面に数多く配置する照明方式である。5光束法による全般照明の平均照度計算においては、天井面や壁面等の光の反射率を考慮する必要がある。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.23
▼ 解答・解説を見る(No.23)▲ 解答・解説を閉じる
色温度の低い光源(電球色など)は、赤みを帯びて暖かみを感じさせる。
LEDランプは水銀を使わず、蛍光ランプより熱放射が少なく寿命が長い。
昼光照明は明るさが変動するが、照明の電力を減らせるので、大空間では特に効果的に計画することが大切。
記述は、小形の器具を天井に数多く埋め込むダウンライトの説明。光天井照明は、天井全面を光を拡散して通す材料で覆い、その上に光源を置く照明方式。
光束法では、天井・壁などの反射率と室指数から照明率を求めて計算するので、反射率を考慮する。
No.24防災・消防設備(非常ベルの音圧・閉鎖型スプリンクラー・不活性ガス消火設備・非常用照明の免除・水噴霧消火設備)
防災・消防設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1非常警報設備の非常ベルは、音響装置の中心から1 m離れた位置で90 dB以上の音圧が必要である。2閉鎖型スプリンクラー設備には、湿式、乾式及び予作動式の3種類がある。3不活性ガス消火設備は、電気室などの電気火災の消火には適さない。4非常用の照明装置は、床面積が30㎡の居室で地上への出口があるものには、設置しなくてもよい。5水噴霧消火設備は、油火災の消火に適している。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.24
▼ 解答・解説を見る(No.24)▲ 解答・解説を閉じる
非常ベルの音圧は、音響装置の中心から1m離れた位置で90dB以上(非常警報設備の基準)。
閉鎖型スプリンクラー設備には、湿式・乾式・予作動式の3種類がある。
不活性ガス消火設備は、窒素や二酸化炭素などで酸素の濃度を下げて消火し、水を使わず電気を通さないので、電気室などの電気火災に適している。
避難階などにある床面積30㎡以下の居室で、地上への出口があるものなどは、告示により非常用の照明装置を設けなくてよい。
水噴霧消火設備は、細かい水の粒で冷却・窒息させるので、油火災にも使える。
No.25環境・省エネルギー(コージェネレーション・Low-Eガラスの位置・ライトシェルフ・災害時の自然換気・ダイレクトゲイン)
環境・省エネルギー等に配慮した建築計画・設備計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1年間を通じて安定した給湯需要のある建築物に対して、コージェネレーションシステムを採用することは、省エネルギー効果を期待できる。2Low‒Eガラスを使用した複層ガラスにおいて、一般に、屋内側よりも屋外側にLow‒Eガラスを用いたほうが、暖房時の断熱性が高い。3ライトシェルフは、窓の外側に設ける水平庇により、庇下部の窓面からの日射を遮蔽しつつ、庇上部の窓面から自然光を室内に導く採光手法である。4災害時に災害対策室の設置や避難者の受入れが想定される施設については、ライフライン途絶時においても必要な居住環境を確保するため、自然換気についても考慮する必要がある。5太陽熱利用のダイレクトゲイン方式とは、窓から入射する日射熱を直接、床や壁に蓄熱し、夜間時に放熱させる方式である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.25
▼ 解答・解説を見る(No.25)▲ 解答・解説を閉じる
コージェネレーションは、発電の排熱を給湯などに使うので、給湯の需要が年間を通じて安定している建物で省エネルギーの効果が大きい。
Low‒Eガラスは、熱放射を反射する金属膜をコーティングしたガラス。暖房時の断熱性を高めるには、室内の熱を室内側へ反射させるよう屋内側に用いる。屋外側に用いるのは、夏の日射熱を遮る(遮熱)目的の場合。
ライトシェルフは、窓の中間の外側に設けた庇で、下の窓の日射を遮りつつ、上面で反射させた光を上の窓から室内の奥へ導く。
災害時に使う施設は、停電などでも居住環境を確保できるよう、自然換気も考えておく。
ダイレクトゲイン方式は、窓から入る日射熱を床や壁に直接蓄え、夜に放熱させるパッシブソーラーの方式。
令和2年の合格基準点(学科の試験)
配点は各問題1点(各科目25点・合計100点)で、各科目の基準点と総得点の基準点のすべてに達した人が合格です。
| 学科Ⅰ 計画 | 学科Ⅱ 法規 | 学科Ⅲ 構造 | 学科Ⅳ 施工 | 総得点 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 合格基準点 | 13点 | 13点 | 13点 | 13点 | 60点 |
出典:建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験『学科の試験』の合格基準点等について」
令和2年の計画の基準点は13点でした。計画は法令集を使えない科目で、建築史・環境工学・各種建築物の計画・建築設備と範囲が広いので、毎年ほぼ同じ順番で出る分野ごとに、過去問で正誤の理由まで説明できるようにしておくと安心です。
ほかの年度・ほかの科目の過去問
この記事の問題文と図は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和2年 二級建築士試験(学科の試験)の問題から、著作権法第32条の引用として掲載しています。著作権は同センターにあります。
関連記事
二級建築士の過去問の一覧や、学科の教材は次の記事で紹介しています。



