全25問の解答・解説
平成29年(2017年7月23日実施)の一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)の全25問を、選択肢ごとに正誤の理由を示して解説します。施工計画・現場の管理・各種工事(地業・鉄筋・コンクリート・鉄骨・仕上げ・設備・改修)・契約から出題されます。まず自分で解き、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

平成29年 一級建築士試験(学科)の概要
問題文は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)の試験問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各問の枠の右下に出典)。正答は、同センターの合格基準点等(正答肢)と全問を照らし合わせています。
解説は、出題当時の法令・基準によります(法令がからむ問題は平成29年1月1日時点の法令)。その後の改正や基準の改定で答えが変わる問題には「🔶 現在の基準では」、言い方だけが変わった問題には「ℹ️ その後の改正」の枠を付けています。
分野ごとの問題一覧
施工の25問は、毎年おおむね同じ順番で、分野ごとに出題されます。解きたい問題を押すと、その問題へ移動します。
📋 監理業務・材料と品質の管理・技術者の配置・届出・地盤調査と仮設(No.1〜No.5)
No.1監理者が行う一般的な監理業務(監理方針の説明・請負代金内訳書の検討・工程表の検討・確認の方法)
監理者が行う一般的な監理業務に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1監理者は、監理業務の着手に先立って、監理体制・監理業務内容・監理業務の進め方等の監理方針を策定し、建築主、工事施工者等に対してその監理方針を説明する。2監理者は、工事施工者から提出される請負代金内訳書に記載されている項目・数量・単価等の適否について、合理的な方法により検討を行い、その結果を建築主に報告する。3監理者は、工事請負契約の定めにより工事施工者から提出される工程表について、工事請負契約に定められた工期又は設計図書等に定められた品質が確保できないおそれがあると判断した場合には、速やかにその旨を工事施工者に報告する。4監理者は、工事監理に当たり、設計図書等に定めのある方法による確認のほか、目視による確認、抽出による確認、工事施工者から提出される品質管理記録の確認等、確認対象工事に応じた合理的方法により確認を行う。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.1
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監理者は、監理業務の着手に先立って、監理体制・業務内容・進め方などの監理方針を定め、建築主や工事施工者などに説明する。
工事施工者から提出される請負代金内訳書の項目・数量・単価などの適否を合理的な方法で検討し、結果を建築主に報告する。
工程表を検討して、工期や品質が確保できないおそれがあると判断したときは、速やかにその旨を建築主に報告する(業務報酬基準の工事監理に関する標準業務)。工事施工者に報告するのではない。
工事監理では、設計図書に定めのある方法のほか、目視・抽出・品質管理記録の確認など、工事に応じた合理的な方法で確認する。
No.2材料管理、品質管理等(硬質ポリ塩化ビニル管の保管・高強度コンクリートのスランプの許容差・押出成形セメント板の保管・GRCパネルの寸法許容差)
材料管理、品質管理等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1呼び径150mm以下の硬質ポリ塩化ビニル管の屋外での保管については、ビニル管の反りや変形防止のため、通気性のよいシートで覆い直射日光を避けた平坦な場所に、角材の上に井げた積みで、その高さが1.5m以下であることを確認した。2調合管理強度36N/mm²、スランプ21cmの高性能AE減水剤を使用したJIS規格品のコンクリートについては、スランプの変動幅が大きくなるため、スランプの許容差が±2.5cmであることを確認した。3外壁工事に用いる押出成形セメント板の保管については、屋内の平坦で乾燥した場所に、台木の上に積置きで、その高さが1.0m以下であることを確認した。4外壁工事に用いるGRC(ガラス繊維補強セメント)パネルについては、特記がなかったので、パネルの辺長の寸法許容差が±3mmであることを確認した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.2
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硬質ポリ塩化ビニル管を屋外で保管するときは、通気性のよいシートで覆って直射日光を避け、平坦な場所に角材を敷いて井げた積みとし、高さ1.5m以下とする。
スランプ21cmの許容差は、調合管理強度27N/mm²以上で高性能AE減水剤を使う場合でも ±2cm(JIS A 5308)。±2.5cmは、スランプ8cm以上18cm以下の場合の許容差。
押出成形セメント板は、屋内の平坦で乾燥した場所に、台木の上に積み置き、高さ1.0m以下で保管する。
GRCパネルの辺長の寸法許容差は、特記がなければ±3mm。
No.3建設工事における技術者の配置、施工管理等(専門技術者・解体工事業の経過措置・公共工事の施工体制台帳・専任の監理技術者)
建設工事における技術者の配置、施工管理等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1元請として建築一式工事を施工する特定建設業者は、当該工事に含まれる請負代金の額が500万円の屋根工事を自ら施工する場合には、当該屋根工事について所定の要件に該当する専門技術者を工事現場に置かなくてはならない。2解体工事業の業種区分の見直しにおいて、平成28年5月31日以前にとび・土工工事業の許可を受けて工作物等の解体工事を営んでいた建設業者は、平成28年6月1日から3年間は経過措置として、解体工事業の許可を受けることなく引き続き解体工事を施工することができる。3地方公共団体から直接建設工事を請け負った建設業者は、特定建設業又は一般建設業の許可にかかわらず、下請契約を締結する全ての工事において、施工体制台帳を作成し、建設工事の目的物を引き渡すまで工事現場ごとに備え置かなければならない。4元請として診療所併用住宅の建築一式工事を施工する特定建設業者は、診療所部分に相当する請負金額が7,000万円以上の場合、原則として、当該工事には専任の監理技術者を置かなくてよい。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.3
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建築一式工事に含まれる500万円以上の屋根工事(附帯する専門工事)を自ら施工するときは、その工事の専門技術者を工事現場に置く(建設業法 第26条の2第2項)。
解体工事業の新設(平成28年6月1日施行)で、それ以前にとび・土工工事業の許可で解体工事を営んでいた業者は、3年間は経過措置として引き続き解体工事を施工できた。
公共工事を請け負った建設業者は、金額にかかわらず、下請契約を締結する全ての工事で施工体制台帳を作り、工事現場ごとに備え置く(公共工事入札契約適正化法 第15条)。
診療所のように多くの人が利用する施設の工事は、専任の技術者が必要な重要な工事に当たる(個人住宅などを除く)。診療所部分の請負金額が7,000万円以上(建築一式工事・平成29年当時)なら、専任の監理技術者を置かなければならない(建設業法 第26条第3項・建設業法施行令 第27条)。
建設業法 第26条の2第2項・第26条第3項、建設業法施行令 第27条(平成29年1月1日当時:請負代金3,500万円以上、建築一式工事は7,000万円以上で専任)、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 第15条
No.4建築工事に関する届出等の組合せ(土地の形質の変更届出書・産業廃棄物管理票交付等状況報告書・安全上の措置等に関する計画届・特定建築物の届出)
建築工事に関する届出等に関する組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
届出等 届出者等 届出先等 1. 「土壌汚染対策法」に基づく「一定の規模以上の土地の形質の変更届出書」 土地の形質の変更をしようとする者 都道府県知事 2. 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づく「産業廃棄物管理票交付等状況報告書」 産業廃棄物管理票を交付した排出事業者 都道府県知事 3. 「建築基準法」に基づく工事中における「安全上の措置等に関する計画届」 建築主 都道府県知事 4. 「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」に基づく「特定建築物についての届出」 特定建築物の所有者等 都道府県知事 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.4
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一定規模以上の土地の形質の変更は、着手の30日前までに、変更をしようとする者が都道府県知事に届け出る(土壌汚染対策法 第4条)。
産業廃棄物管理票(マニフェスト)を交付した排出事業者は、交付等の状況を都道府県知事に報告する(廃棄物処理法 第12条の3)。
工事中の建築物を使う場合の安全上の措置等に関する計画は、建築主が特定行政庁に届け出る(建築基準法 第90条の3)。都道府県知事あてではない。
特定建築物の所有者等は、使用を始めたときなどに都道府県知事(保健所を設置する市では市長)に届け出る(建築物衛生法 第5条)。
土壌汚染対策法 第4条、廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第12条の3、建築基準法 第90条の3、建築物における衛生的環境の確保に関する法律 第5条
No.5地盤調査及び仮設工事(揚水試験・平板載荷試験・枠組足場の作業床の隙間・吊り足場のワイヤロープの安全係数)
地盤調査及び仮設工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1根切り底以深の地盤が粘性土層と砂質土層との互層となっていたので、砂質土層において揚水試験を行い、被圧地下水位、透水係数等を求めて、根切り工事の地下水処理工法を検討した。2地盤の変形や強さ等の支持力特性を直接把握するため、根切り工事後に平板載荷試験を実施した。3枠組足場において、高さ2m以上に設ける作業床の設置に当たり、墜落防止措置のため、床材と建地(支柱)との隙間を12cm未満とした。4吊り足場(ゴンドラの吊り足場を除く。)における作業床の最大積載荷重を定めるに当たり、吊りワイヤロープの安全係数を5とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.5
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粘性土層と砂質土層の互層では、砂質土層で揚水試験を行い、被圧地下水位や透水係数を求めて地下水処理工法を検討する。
平板載荷試験は、地盤の変形や強さなどの支持力特性を直接調べる試験で、根切り工事後に行う。
高さ2m以上の作業床は、墜落防止のため、床材と建地との隙間を12cm未満とする(労働安全衛生規則 第563条)。
吊り足場(ゴンドラの吊り足場を除く)の吊りワイヤロープの安全係数は 10以上とする(労働安全衛生規則 第562条)。5では小さすぎる。
労働安全衛生規則 第562条(吊り足場の吊りワイヤロープの安全係数は10以上)・第563条(作業床の床材と建地との隙間は12cm未満)
🏗️ 土工事・杭・鉄筋・型枠・コンクリート・プレキャスト(No.6〜No.12)
No.6土工事及び山留め工事(ボイリング対策・腹起しの継手の位置・乱した床付け面の処置・切ばり支柱の切欠き)
土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1砂質地盤の掘削工事において、ボイリングの発生する可能性が高いと判断したので、動水勾配を減らすため、止水性のある山留め壁の根入れ長を延長した。2山留め工事における腹起しの継手は、火打材と切ばりとの間の曲げ応力の小さい位置とし、補強プレートとボルトとを使用して連結した。3土工事における根切りについて、粘性土地盤の床付け面を乱してしまったので、掘削土を使用して直ちにローラーによる転圧や締固めを行った。4山留め工事において、切ばりが切ばり支柱の一部と平面的に重なってしまったので、切ばり支柱の一部を切り欠いて補強を行ったうえで、切ばりを通りよくまっすぐに設置した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.6
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ボイリングのおそれがある場合は、止水性のある山留め壁の根入れを延ばし、動水勾配を小さくする。
腹起しの継手は、火打材と切ばりの間の曲げ応力の小さい位置に設け、補強プレートとボルトで連結する。
粘性土の床付け面を乱した場合は、乱した土を取り除いて砂質土や砂利に置き換えて締め固めるか、セメント系固化材で地盤改良する。掘削した粘性土で転圧しても、強度は回復しない。
切ばりが切ばり支柱と平面的に重なる場合は、支柱の一部を切り欠いて補強したうえで、切ばりを通りよく設置する。
No.7杭地業工事(支持地盤への掘削深さと根入れ深さ・打込み杭の施工精度・鉄筋かごの主筋の重ね配置・安定液中のコンクリートの単位セメント量)
杭地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、特記がなかったので、アースオーガーの支持地盤への掘削深さについては1.5m程度とし、杭の支持地盤への根入れ深さについては0.5m程度とした。2打込み工法による既製コンクリート杭工事において、打込み完了後の杭頭の水平方向の施工精度の目安については、杭径の1/4以下、かつ、100mm以下とした。3場所打ちコンクリート杭工事において、鉄筋かごの主筋間隔が10cm以下になると、コンクリートの充塡性が悪くなるので、主筋を2本重ねて配置し、適切な主筋間隔を確保した。4アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭工事において、孔壁の崩落防止に安定液を使用したので、杭に使用するコンクリートの単位セメント量を340kg/㎥とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.7
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セメントミルク工法の支持地盤への掘削深さは1.5m程度、杭の支持地盤への根入れ深さは1.0m以上とするのが一般的(JASS 4)。根入れ0.5m程度では不足する。
打込み工法の既製杭の杭頭の水平方向の施工精度は、杭径の1/4以下、かつ、100mm以下が目安。
鉄筋かごの主筋の間隔が10cm以下になるとコンクリートの充塡性が悪くなるので、主筋を2本重ねて配置するなどして間隔を確保する。
安定液を使う場所打ちコンクリート杭のコンクリートの単位セメント量の最小値は340kg/㎥(公共建築工事標準仕様書 表4.5.1 の値と同じ)。
No.8鉄筋工事(大梁主筋の柱内折曲げ定着の投影定着長さ・溶接継手の位置・ガス圧接部の膨らみの長さの修正・キャップタイのフック)
鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1大梁の主筋の定着に当たり、所定のフックあり定着の長さを確保することができなかったので、大梁の主筋を柱仕口内に90度縦に折り曲げて定着することとし、柱仕口面から大梁の主筋の鉄筋外面までの投影定着長さを柱せいの1/2とした。2溶接継手を用いる大梁の主筋は、隣り合う鉄筋の溶接継手の位置を400mm以上離れるようにずらして配筋した。3大梁の主筋のガス圧接継手の外観検査において、圧接部の膨らみの直径が母材の鉄筋径の1.4倍であったが、膨らみの長さが母材の鉄筋径の1.1倍未満であったので、再加熱し、圧力を加えて所定の膨らみの長さに修正した。4大梁にU字形のあばら筋とともに用いるキャップタイについては、梁天端と段差のないスラブが取り付く側を90度フックとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8
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大梁の主筋を柱内に折り曲げて定着するときの投影定着長さは、表の値以上、かつ、柱せいの3/4倍以上とする(公共建築工事標準仕様書 5.3.4)。柱せいの1/2では短い。
溶接継手の隣り合う鉄筋の継手位置は、400mm以上ずらす。
圧接部の膨らみの直径や長さが規定値に満たない場合は、再加熱し、圧力を加えて所定の膨らみに修正する(公共建築工事標準仕様書 5.4.10)。
U字形のあばら筋と組み合わせるキャップタイは、梁天端と段差のないスラブが取り付く側を90度フック(反対側は135度フック)とできる。
No.9型枠工事(柱と壁の側圧・ポンプ工法の積載荷重・支保工の取外しの判断に使う供試体・スラブ支柱の盛替え)
型枠工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1型枠の構造計算を行うに当たり、コンクリートの打込み速さを10m/h以下、コンクリートの打込み高さを1.5mとして予定していたので、柱の側圧と壁の側圧とを同じ値とした。2型枠支保工の構造計算を行うに当たり、通常のポンプ工法による場合の打込み時の積載荷重として、1.5kN/㎡を採用することを確認した。3梁下の支保工を材齢28日以前に取り外す必要があったので、標準養生した供試体の圧縮強度が、設計基準強度以上であることを確認した。4資材の搬出入に伴い、やむを得ずスラブ支柱の盛替えを行う必要がある旨の報告を受けたので、その範囲と方法を定めた施工計画書を作成させ、承認した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.9
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打込み速さ10m/h以下、打込み高さ1.5m以下の場合は、柱と壁の側圧を同じ値としてよい。
通常のポンプ工法の打込み時の積載荷重は1.5kN/㎡とする。
材齢28日以前に梁下の支保工を外すかどうかは、工事現場での水中養生または封かん養生の供試体なら、圧縮強度が設計基準強度以上かで判断する(JASS 5)。標準養生の供試体は構造体より強度が高く出やすいので、使うときはその材齢での標準養生と構造体の強度の差を差し引いた値で比べる。差し引かないまま設計基準強度以上を確かめるのは誤り。
やむを得ずスラブ支柱の盛替えを行う場合は、範囲と方法を定めた施工計画書を作らせ、承認する。
No.10コンクリートの計画調合の表(水セメント比・細骨材率・空気量・単位容積質量)
表は、コンクリートの計画調合において使用する材料の絶対容積及び質量を記号で表したものである。この表の材料を使用したコンクリートに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、細骨材及び粗骨材は、表面乾燥飽水状態とする。
絶対容積(l/㎥) 質量(kg/㎥) 水 セメント 細骨材 粗骨材 水 セメント 細骨材 粗骨材 A B C D E F G H 1水セメント比(%)は、 E/F ×100である。2細骨材率(%)は、 G/(G+H) ×100である。3空気量(%)は、 {1,000-(A+B+C+D)}/1,000×100である。4フレッシュコンクリートの単位容積質量(t/㎥)は、 (E+F+G+H)/1,000である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.10
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水セメント比は、水の質量 E とセメントの質量 F の比なので、E/F×100(%)。
細骨材率は、骨材全体に対する細骨材の絶対容積の割合なので、C/(C+D)×100(%)。G/(G+H)は質量の比で、細骨材率ではない。
空気量は、1㎥(1,000 l)から水・セメント・細骨材・粗骨材の絶対容積を引いた残りの割合なので、{1,000−(A+B+C+D)}/1,000×100(%)。
単位容積質量(t/㎥)は、各材料の質量の合計(kg/㎥)を1,000で割った値なので、(E+F+G+H)/1,000。
No.11コンクリート工事(先送りモルタル・棒形振動機の使い方・打込み翌日の墨出し・寒冷期の養生温度)
コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1コンクリートポンプによるコンクリートの圧送に当たり、コンクリートの圧送に先立って圧送する富調合モルタルについては、型枠内に打ち込まずに全て破棄した。2コンクリート棒形振動機によるコンクリートの締固めにおいては、打込み層ごとに行い、その下層に振動機の先端が入るようにほぼ垂直に挿入し、挿入間隔を60cm以下としたうえで、コンクリートの上面にセメントペーストが浮くまで加振した。3床スラブのコンクリートの打込みをした翌日に、やむを得ず次工程の墨出しを行わなければならなかったので、適切な養生を行いコンクリートに振動や衝撃等の悪影響を与えない作業に限定して承認した。4普通ポルトランドセメントを使用したコンクリートの養生において、外気温の低い時期であったので、コンクリートを寒気から保護し、コンクリートの温度が2℃を下まわらない期間を3日とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.11
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圧送に先立って圧送する富調合モルタル(先送りモルタル)は、型枠内に打ち込まず廃棄する。
棒形振動機は、打込み層ごとに下層に先端が入るようにほぼ垂直に挿入し、挿入間隔60cm以下で、上面にセメントペーストが浮くまで加振する。
やむを得ず打込みの翌日に墨出しを行う場合は、適切な養生を行い、振動や衝撃を与えない作業に限って承認する。
寒冷期は、打込み後5日間以上(早強ポルトランドセメントは3日間以上)、コンクリートの温度を2℃以上に保つ(公共建築工事標準仕様書 6.7.1)。普通ポルトランドセメントで3日では短い。
No.12プレキャスト鉄筋コンクリート工事(加熱養生・立て起こして脱型する場合の脱型時所要強度・エンクローズ溶接・現場打ちとの接合部)
プレキャスト鉄筋コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1プレキャスト部材の製造に当たり、コンクリートの加熱養生において、前養生時間を3時間とし、養生温度の上昇勾配を15℃/hとした。2プレキャスト部材の製造に当たり、板状のプレキャスト部材の脱型時所要強度については、脱型時にベッドを70~80度に立て起こしてから吊り上げる計画としたので、コンクリートの圧縮強度を5N/mm²とした。3工事現場において、プレキャスト部材のエンクローズ溶接継手については、溶接後の鉄筋の残留応力を小さくするため、同一接合部の溶接作業を連続して行った。4工事現場において、プレキャスト部材と現場打ちコンクリートとの接合部については、コンクリートの打込みに先立ち、豆板等の欠陥を防止するため、散水してせき板及びプレキャスト部材の接合面を湿潤状態にした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.12
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加熱養生で、前養生3時間、養生温度の上昇勾配15℃/hとするのは適当。
ベッドを70〜80度に立て起こしてから吊り上げる場合でも、脱型時所要強度は 8〜10N/mm²程度とする(JASS 10)。5N/mm²では吊上げ時にひび割れや破損のおそれがある。
エンクローズ溶接継手は、溶接後の鉄筋の残留応力を小さくするため、同一接合部の溶接作業を連続して行う。
現場打ちコンクリートとの接合部は、打込みに先立ち、散水してせき板と部材の接合面を湿潤状態にし、豆板などを防ぐ。
🔩 鉄骨工事・木工事(No.13〜No.15)
No.13鉄骨工事(低温時の予熱・板厚差による段違い・高力ボルト接合の肌すき・トルシア形高力ボルトの回転量)
鉄骨工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1溶接作業において、作業場所の気温が0℃であったので、溶接線の両側約100mmの範囲の母材部分を加熱(ウォームアップ)して溶接した。2完全溶込み溶接とする板厚の異なる突合せ継手において、部材の板厚差による段違いが薄いほうの板厚の1/4以下、かつ、10mm以下であったので、薄いほうの部材から厚いほうの部材へ溶接表面が滑らかに移行するように溶接した。3高力ボルト接合において、接合部に生じた肌すきが2mmであったので、フィラープレートを挿入しないこととした。4トルシア形高力ボルトの締付けの確認において、ナット回転量に著しいばらつきが認められるボルト群に対して、その群の全てのボルトのナット回転量を測定して平均回転角度を算出し、平均回転角度±30度の範囲であったものを合格とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.13
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気温が低い(−5℃以上5℃以下)場合は、溶接線の両側約100mmの範囲の母材を加熱して溶接する。
板厚差による段違いが薄いほうの板厚の1/4以下かつ10mm以下なら、薄いほうから厚いほうへ溶接表面が滑らかに移るように溶接すればよい。
接合部の材厚の差などによる1mmを超える肌すきは、フィラープレートで補う(公共建築工事標準仕様書 7.4.6)。2mmの肌すきでフィラープレートを入れないと、摩擦面が密着せず所定の耐力が得られない。
トルシア形高力ボルトで回転量に著しいばらつきがある群は、群の全てのボルトの回転量を測って平均回転角度を出し、平均±30度の範囲にあるものを合格とする。
No.14鉄骨工事(高温時の錆止め塗装・ベースモルタルの中心塗り・耐火被覆の確認ピン・建築物の倒れの管理許容差)
鉄骨工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1工事現場における鉄骨の錆止め塗装において、鋼材表面の温度が50℃以上となり、塗膜に泡を生ずるおそれがあったので、塗装作業を中止した。2鉄骨の建方に先立って行うあと詰め中心塗り工法におけるベースモルタルの施工において、モルタル中心塗り部分のモルタルの塗厚さを60mmとし、養生期間を2日とした。3ロックウール吹付け工法による耐火被覆の施工において、柱の耐火材の吹付け厚さについては確認ピンを使用し、柱の1面に各1箇所以上を差し込んで確認した。4鉄骨の建方精度の管理において、建築物の倒れの管理許容差を、特記がなかったので、鉄骨精度検査基準((一社)日本建築学会「建築工事標準仕様書 鉄骨工事 付則6」)に従い、建築物の高さの1/4,000に7mmを加えた値以下、かつ、30mm以下とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.14
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鋼材表面の温度が50℃以上で、塗膜に泡を生じるおそれがある場合は、塗装作業を中止する。
あと詰め中心塗り工法のベースモルタルは、塗厚を30mm以上50mm以内とし、3日以上養生してから建方を行う(JASS 6)。塗厚60mm・養生2日は不適当。
吹付けロックウールの厚さは確認ピンで確かめ、柱は1面に各1か所以上差し込む。
建築物の倒れの管理許容差は、建築物の高さの1/4,000に7mmを加えた値以下、かつ、30mm以下(JASS 6 付則6)。
No.15木造軸組工法による木工事(桁の短材・建方精度・ボルト孔の大きさ・防腐防蟻処理)
木造軸組工法による木工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1桁に使用する木材については、継伸しの都合上、やむを得ず短材を使用する必要があったので、その長さを2m内外とし、継手部分は短ざく金物で補強した。2建方精度の許容値は、特記がなかったので、垂直の誤差の範囲を1/1,000以下、水平の誤差の範囲を1/500以下とした。3ボルト径が16mmの孔あけ加工は、特記がなかったので、ボルトが木部のボルト孔に密着するように、ボルト孔の径をボルト径に2.0mmを加えた大きさとした。4地表面から高さ1m以下の外周壁内及び水まわり部分に接する壁内における柱、間柱、筋かい、構造用面材及び胴縁類には、特記がなかったので、JIS規格品の表面処理用木材保存剤を塗布した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.15
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桁にやむを得ず短材を使う場合は、長さを2m内外とし、継手部分は短ざく金物で補強する。
建入れ直し後の建方精度の許容値は、特記がなければ、垂直・水平とも誤差の範囲を1/1,000以下とする(公共建築木造工事標準仕様書 5.5.6)。水平を1/500以下とするのは大きすぎる。
木部のボルト孔は、ボルトが密着するように、ボルト径16mm以上ではボルト径に2.0mmを加えた大きさとする(公共建築木造工事標準仕様書 表5.4.2)。
地面から高さ1m以下の外周壁内や水まわりに接する壁内の柱・間柱・筋かい・構造用面材・胴縁には、特記がなければ JIS の表面処理用木材保存剤を塗る。
🧱 防水・左官・石・タイル・金属・ガラス・内外装・設備・各種工事(No.16〜No.21)
No.16防水工事(ひび割れ誘発目地の三面接着・砂付あなあきルーフィング・密着工法の下地の出隅と入隅・プレキャスト化した塔屋の基壇部)
防水工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1シーリング工事において、鉄筋コンクリート造の建築物の外壁に設けるひび割れ誘発目地については、目地底にボンドブレーカーを使用せずに、シーリング材を充塡する三面接着とした。2屋根保護防水絶縁工法によるアスファルト防水工事において、砂付あなあきルーフィングを一般平場部に使用したが、立上り部については省略した。3屋根保護防水密着工法によるアスファルト防水工事において、防水層の下地の立上り部の出隅部は面取りとし、入隅部は直角の納まりとした。4アスファルト防水工事において、工期短縮を図るため、プレキャスト化した「塔屋の壁基壇部」と「現場打ちコンクリートのスラブ」とを一体化して防水層の下地とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.16
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ひび割れ誘発目地のシーリングは、目地底にボンドブレーカーを使わない三面接着とする。
砂付あなあきルーフィングは平場の絶縁用で、立上り部には使わない。
アスファルト防水の下地の入隅と出隅は、どちらも通りよく45°の面取りとする(公共建築工事標準仕様書 9.2.4)。入隅を直角にすると、ルーフィングが浮いたり破れたりしやすい。
工期短縮のため、プレキャスト化した塔屋の壁の基壇部と現場打ちのスラブを一体化して防水層の下地とすることがある。
No.17左官工事、石張り工事及びタイル工事(吸水調整材・床石張りの敷モルタル・屋外の有機系接着剤・床タイルの伸縮調整目地)
左官工事、石張り工事及びタイル工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1コンクリート壁下地へのモルタル塗りにおいて、下塗りは、吸水調整材の乾燥後に行った。2コンクリート床の石張り工事において、敷モルタルは、容積比でセメント1に対し砂4に少量の水を加え、手で握って形が崩れない程度の硬練りモルタルとした。3接着剤による陶磁器質タイル後張り工法において、屋外に使用する有機系接着剤は、JIS規格品の一液反応硬化形の変成シリコーン樹脂系のものとした。4セメントモルタルによるタイル後張り工法において、床タイル張り面の伸縮調整目地の位置については、特記がなかったので、縦・横ともに5mごとに設けた。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.17
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モルタルの下塗りは、吸水調整材が乾燥した後に行う。
床石張りの敷モルタルは、セメント1:砂4(容積比)に少量の水を加え、手で握って形が崩れない程度の硬練りとする。
屋外に使う有機系接着剤は、JIS の一液反応硬化形の変成シリコーン樹脂系とする。
床タイル張り面の伸縮調整目地は、特記がなければ縦・横とも4m以内ごとに設ける。5mごとでは間隔が広すぎる。
No.18金属工事及びガラス工事(ふところの大きい天井の補強・クリップのつめの向き・強化ガラスの自然破損・複層ガラスの掛り代)
金属工事及びガラス工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、建築物の天井は、特定天井又はシステム天井に該当しない吊り天井とする。
1軽量鉄骨天井下地において、天井のふところが1.5mであったので、吊りボルトの水平補強及び斜め補強に当たり、[-19×10×1.2(mm)の鋼材を使用した。2軽量鉄骨天井下地において、野縁を野縁受に留め付ける留付けクリップのつめの向きについては、野縁受の溝に確実に折り曲げられるように、向きを揃えて留め付けた。3設計図書において、強化ガラスの指定があったが、自然破損の危険性があるので、設計者、建築主、監理者、工事施工者等で協議して合わせガラス仕様に変更した。4アルミニウム製建具へのフロート板ガラスによる複層ガラス(6mm+A6+6mm)のはめ込みに当たり、不定形シーリング材構法における複層ガラスの掛り代を、特記がなかったので、15mm以上確保した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.18
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天井のふところが1.5m以上ある場合は、吊りボルトの水平補強・斜め補強を行い、補強材には[−19×10×1.2(mm)などの鋼材を使う。
クリップは、野縁受けの溝に確実に折り曲げ、つめの向きを交互にして留め付ける。向きをそろえると、力が一方向にかかって野縁がねじれやすい。
強化ガラスは、まれに自然破損(ニッケル硫化物による破損)のおそれがあるので、関係者で協議して合わせガラスに変更することがある。
不定形シーリング材構法で複層ガラス(6mm+A6+6mm)をはめ込む場合の掛り代は、特記がなければ15mm以上確保する。
No.19内外装工事(グリッパー工法の張力・防湿層の継目・PCカーテンウォールのガスケットの溝・システム天井の湿度管理)
内外装工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1カーペットのグリッパー工法において、上敷きの敷詰めは、隙間及び不陸をなくすように伸長用工具により幅500mmにつき200N程度の張力をかけて伸長し、グリッパーに固定した。2木造軸組構法の壁の充塡断熱工法(はめ込み工法)における防湿層の設置については、ポリエチレンフィルムの防湿層の継目を柱等の木下地部分に設け、その重ね幅を30mm以上とした。3プレキャストコンクリートカーテンウォールの開口部にY型構造ガスケットの使用に当たり、コンクリート端面からY型ガスケットをプレキャスト版にはめ込むための溝の中心までの寸法を、60mm以上とした。4システム天井において、天井パネルにロックウール化粧吸音板を使用したので、吸音板の軟化を防止するため、工事中の室内湿度が80%を超えないようにした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.19
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グリッパー工法の上敷きは、伸長用工具で幅300mmにつき200N程度の張力をかけて伸ばし、グリッパーに固定する(公共建築工事標準仕様書 19.3.4)。幅500mmにつき200N程度では張力が不足し、しわやたるみが出る。
防湿層のポリエチレンフィルムの継目は、柱などの木下地のある部分で重ね、重ね幅を30mm以上とする。
Y型構造ガスケットをはめ込む溝の中心は、コンクリート端面から60mm以上離す(端部の欠けを防ぐため)。
ロックウール化粧吸音板は湿気で軟化するので、工事中の室内湿度が80%を超えないようにする。
No.20設備工事(ロックウールフェルトの密度・スラブに埋設する電線管の結束・防火区画を貫通する電線管・エスカレーターの隙間)
設備工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1空気調和設備工事に用いるロックウール保温材のうち、ロックウールフェルトについては、特記がなかったので、フェルトの密度が20kg/㎥のものを使用した。2合成樹脂製可とう電線管をコンクリートスラブに埋設するので、電線管をスラブ配筋の上端筋と下端筋との間に配管し、コンクリートの打込み時に管が移動しないように専用支持具等を使用して、曲り部分については0.5m以下の間隔で下端筋に結束した。3防火区画の壁を貫通する配電管は、呼び径82mm(外径89mm)の硬質塩化ビニル電線管とし、当該配電管と防火区画との隙間をモルタルで充塡した。4エスカレーターの上下乗り場及び踏段で行う検査において、踏段相互間及びスカートガードと踏段との隙間については、エスカレーターの全長にわたって接触することなく5mm以下であることを確認した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.20
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空気調和設備の保温に使うロックウールフェルトは、密度40kg/㎥以上のものとする(公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)平成28年版 3.1.2)。20kg/㎥では保温性能が不足する。
スラブに埋設する合成樹脂製可とう電線管は、上端筋と下端筋の間に配管し、専用支持具などで固定して、曲り部分は0.5m以下の間隔で結束する。
防火区画を貫通する呼び径82mm(外径89mm)の硬質塩化ビニル電線管で、管と防火区画との隙間をモルタルで埋めるのは適当とされる。
エスカレーターの踏段相互間や、スカートガードと踏段との隙間は、全長にわたって接触せず5mm以下であることを確かめる。
No.21各種工事(折板のけらば包み・あご付きパラペットとルーフドレン・笠木の取付け順序・防火扉の危害防止装置の検査)
各種工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1鋼板製屋根用折板を使用した屋根工事において、折板のけらば包みを1.8mの間隔で端部用タイトフレームに取り付けた。2鉄筋コンクリート造の建築物の屋根スラブに縦形ルーフドレンを取り付けるに当たり、梁との干渉がないことを確認のうえ、ルーフドレンの径が150mmであったので、あご付きパラペットのあごの垂直面からルーフドレンの中心までの距離が400mm確保されていることを確認した。3屋上のパラペットにおいて、オープン形式のアルミニウム製笠木の取付けに当たり、笠木部の固定金具の取付け完了後、コーナー部分の笠木を先に取り付け、直線部分の笠木については、両端から定尺部材を取り付け、中央部に調整部材を取り付けた。4建具工事において、防火扉の危害防止装置の検査については、扉の閉鎖時間をストップウォッチにより測定し、扉の質量により運動エネルギーを確認するとともに、プッシュプルゲージにより閉鎖力を測定した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.21
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折板のけらば包みは、1.2m以下の間隔で下地に取り付ける(公共建築工事標準仕様書 13.3.3)。1.8m間隔では風で浮いたりあおられたりするおそれがある。
あご付きパラペットのあごの垂直面からルーフドレンの中心までの距離を400mm程度確保するのは適当(防水層の施工や清掃がしやすい)。
アルミニウム製笠木は、固定金具を取り付けた後、コーナー部分を先に取り付け、直線部分は両端から定尺部材を取り付けて、中央部で調整部材を取り付ける。
防火扉の危害防止装置の検査では、閉鎖時間を測って運動エネルギーを確かめ、プッシュプルゲージで閉鎖力を測る。
📐 改修工事・用語(図)・契約(No.22〜No.25)
No.22耐震改修工事(既存構造体の目荒し・新設耐力壁の打止め位置・あと施工アンカーの穿孔の傾き・確認試験荷重)
耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1鉄筋コンクリート造の増打ち耐震壁の増設工事において、打継ぎ面となる既存構造体コンクリートの表面については、特記がなかったので、目荒しとしてコンクリートを30mm程度斫り、既存構造体の鉄筋を露出させた。2鉄筋コンクリート造の耐力壁の新設工事において、新規に打ち込むコンクリートについては、壁頭部にグラウト材を注入することとしたので、梁下200mm程度の位置でコンクリートを打ち止めた。3金属系あと施工アンカーの穿孔作業において、穿孔した傾斜角が施工面への垂線に対して5度以内であったので合格とした。4金属系あと施工アンカーの施工後の現場非破壊試験において、引張試験を行うための確認試験荷重は、特記がなかったので、計算で得られた、「アンカーの鋼材による引張荷重」又は「コンクリート破壊による引張荷重」の小さいほうの2/3程度の値とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.22
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増打ち耐震壁の打継ぎ面となる既存コンクリートの目荒しは、平均深さ2〜5mm程度の凹凸を付ける程度とする。30mm程度はつって既存の鉄筋を露出させるのは、既存構造体を傷めるので不適当。
壁頭部にグラウト材を注入する場合は、梁下200mm程度の位置でコンクリートを打ち止める。
あと施工アンカーの穿孔の傾きは、施工面への垂線に対して5度以内なら合格とする。
確認試験荷重は、特記がなければ、計算上の鋼材による引張荷重とコンクリート破壊による引張荷重の小さいほうの2/3程度とする。
No.23各種改修工事(かぶせ工法・塗膜はく離剤工法・モザイクタイルの浮きの改修・シーリング再充塡工法)
各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1かぶせ工法により既存建具を新規建具とする改修において、既存建具の方立・無目・障子等を撤去したうえで、外周枠を残し、その上から新規金属製建具を取り付けた。2塗膜はく離剤工法における既存の防水形複層塗材の塗り仕上げ外壁の改修において、特記がなかったので、試験施工を行ったうえで、既存の弾性を有する有機系塗膜を全面除去した。3タイル張り仕上げ外壁の改修において、モザイクタイルの広範囲にわたる浮きの改修については、注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法を採用した。4シーリング再充塡工法による防水改修において、既存シーリング材の除去については、目地被着体に沿ってカッターにより切込みを入れ、既存シーリング材をできる限り除去した後に、サンダー掛け等により清掃を行った。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.23
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かぶせ工法は、既存建具の方立・無目・障子などを撤去し、外周枠を残して、その上から新しい建具を取り付ける。
塗膜はく離剤工法で防水形複層塗材の弾性のある塗膜を除去する場合は、試験施工を行ったうえで全面除去する。
モザイクタイルの広い範囲の浮きは、注入口付アンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法などで改修する。注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法は、小口平以上の大きさのタイル1枚ごとの陶片浮きに使う工法で、小さなモザイクタイルには使えない。
シーリング再充塡工法では、目地の被着体に沿ってカッターで切込みを入れ、既存シーリング材をできる限り除去した後、サンダー掛けなどで清掃する。
No.24V形開先の突合せ継手の各部の名称(開先角度・ベベル角度・ルート面・ルート間隔)
鉄骨工事におけるV形開先の突合せ継手において、図に示す記号部とその名称の組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。
図を押すと大きく表示します
A B C D 1. ベベル角度 開先角度 ルート深さ ギャップ 2. ベベル角度 開先角度 ルート面 ルート間隔 3. 開先角度 ベベル角度 ルート面 ルート間隔 4. 開先角度 ベベル角度 ルート深さ ギャップ 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.24
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A は両側の開先面がなす角度なので開先角度、B は片側の開先面の角度なのでベベル角度。A と B が逆。
A(開先角度)と B(ベベル角度)が逆になっている。
A:開先角度(両側の開先面がなす角度)、B:ベベル角度(片側の開先面と、板の表面に垂直な線とがなす角度)、C:ルート面(開先の底で、開先加工をしていない平らな部分の高さ)、D:ルート間隔(底部の母材どうしのすき間)。正しい組合せは3。
C はルート面、D はルート間隔。「ルート深さ」「ギャップ」は、この図の名称として正しくない。
No.25監理業務委託契約・工事請負契約(協議事項の書面化・原設計者への設計変更の委託・立会いの通知・完成時の検査)
建築物の監理業務委託契約又は工事請負契約に関する次の記述のうち、四会連合協定「建築設計・監理等業務委託契約約款」又は民間(旧四会)連合協定「工事請負契約約款」に照らして、最も不適当なものはどれか。
1監理業務委託契約において、委託者及び受託者は、受託者が監理業務を行うに当たり協議をもって決定した事項については、原則として速やかに、書面を作成し、記名・押印する。2監理業務委託契約において、監理業務を原設計者と異なる建築士に委託したとき、委託者は、監理業務の段階において、設計成果物について変更の必要が生じた場合、原則として、設計変更業務を原設計者に別途委託しなければならない。3工事請負契約において、受注者は、設計図書等に発注者又は監理者の立会いのうえ施工することを定めた工事を施工するときは、事前に発注者又は監理者に通知する。4工事請負契約において、受注者は、工事を完了したときは、設計図書等のとおりに実施されていることを確認して、監理者に検査を求め、監理者は、速やかにこれに応じて検査を行う。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.25
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委託者と受託者が協議して決めた事項は、原則として速やかに書面を作成し、記名・押印する(四会連合協定 建築設計・監理等業務委託契約約款)。
監理業務を原設計者と異なる建築士に委託した場合、監理の段階で設計変更が必要になったときは、原則として設計変更業務を原設計者に別途委託する(同約款)。
設計図書などで発注者・監理者の立会いのうえ施工すると定めた工事を施工するときは、受注者は事前に発注者または監理者に通知する(民間(旧四会)連合協定 工事請負契約約款)。
受注者は、工事を完了したときは、設計図書等のとおりに実施されていることを確かめて、発注者に対し、監理者立会いのもとに行う検査を求める(民間(旧四会)連合協定 工事請負契約約款 第23条)。検査を求める相手は発注者で、監理者に検査を求めて監理者が検査を行うのではない。
平成29年の合格基準点(学科の試験)
配点は各問題1点(学科Ⅰ・Ⅱは各20点、学科Ⅲ・Ⅳは各30点、学科Ⅴは25点、合計125点)で、各科目の基準点と総得点の基準点のすべてに達した人が合格です。
| 学科Ⅰ 計画 | 学科Ⅱ 環境・設備 | 学科Ⅲ 法規 | 学科Ⅳ 構造 | 学科Ⅴ 施工 | 総得点 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 合格基準点 | 11点 | 11点 | 16点 | 16点 | 13点 | 87点 |
※ 平成29年の合格基準点は、各科目が計画11点・環境設備11点・法規16点・構造16点・施工13点、総得点が87点でした。
出典:建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験『学科の試験』の合格者基準点等について」
平成29年の施工の基準点は13点(25点中)でした。施工は工事の数値(寸法・温度・日数など)が多く問われる科目なので、公共建築工事標準仕様書の数値と結びつけて、過去問で正誤の理由まで説明できるようにしておくと安心です。
ほかの年度・ほかの科目の過去問
この記事の問題文と図は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している平成29年 一級建築士試験(学科の試験)の問題から、著作権法第32条の引用として掲載しています。著作権は同センターにあります。
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