全30問の解答・解説
令和6年(2024年7月28日実施)の一級建築士試験 学科Ⅲ(建築法規)全30問を、選択肢ごとに根拠の条文を示して解説します。法令の基準日は令和6年1月1日で、2024年4月の改正(特定主要構造部・建築副主事など)や2025年4月の改正(確認の対象・省エネ基準の適合義務の見直しなど)より前の条文で出題されています。その後の改正で条文が変わった所には注記を付けました。まず法令集を引きながら自分で解き、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

令和6年 一級建築士試験(学科)の概要
問題文は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)の試験問題(PDF)から、解説に必要な範囲で引用しています(各問の枠の右下に出典)。正答は、同センターの合格基準点等(正答肢)と全問を照らし合わせています。
解説は、出題当時(令和6年1月1日時点)の法令によります。その後の改正で答えが変わる問題には「🔶 現在の法令では」、条文の番号や言い方だけが変わった問題には「ℹ️ その後の改正」の枠を付けています。
分野ごとの問題一覧と正答一覧
法規の30問は、毎年おおむね同じ順番で、分野ごとに出題されます。解きたい問題を押すと、その問題へ移動します。
=その後の改正で、今の法令では答えが変わる問題
▼ 正答一覧(No.1〜No.30)を開く ※答えが表示されます
| No. | 内容 | 問題の形 | 正答 | 改正 |
|---|---|---|---|---|
| No.1 | 用語(建築設備・建築材料の品質・設計図書・延焼のおそれのある部分) | 誤っているもの | 3 | |
| No.2 | 面積・高さ・階数(計画道路と敷地面積・北側高さ制限の緩和・軒の高さ・階数) | 誤っているもの | 2 | |
| No.3 | 手続き(観覧車の確認・工事中の安全計画・高さ60m超の建築物・避難施設等の工事中の使用) | 誤っているもの | 2 | ℹ️ |
| No.4 | 用途の変更(類似の用途・劇場から公会堂・既存不適格の原動機・工事完了の届出先) | 誤っているもの | 4 | ℹ️ |
| No.5 | 一般構造(機械室の階段・職員室の採光・地階の住宅の居室・採光補正係数と縁側) | 正しいものの組合せ | 2 | |
| No.6 | 防火区画・防火壁(スプリンクラー設備による緩和・管の貫通・木造の小学校の防火壁・竪穴区画の防火設備) | 誤っているもの | 3 | ℹ️ |
| No.7 | 防火(準防火地域の屋根・耐火構造と準耐火構造の耐力壁・防火構造の軒裏・準防火性能) | 誤っているもの | 2 | ℹ️ |
| No.8 | 避難施設(非常用の進入口の間隔・特別避難階段の付室の面積・共同住宅の直通階段・集会場の出口と通路) | 誤っているもの | 1 | ℹ️ |
| No.9 | 防火・避難の総合(無窓の居室・屋外避難階段の出入口・映画館の内装・自動車車庫の内装) | 適合しないもの | 2 | ℹ️ |
| No.10 | 建築設備(非常用エレベーターのバルコニー・中央管理室・合併処理浄化槽・エスカレーターの積載荷重) | 誤っているもの | 4 | 🔶 |
| No.11 | 構造計算と仕様規定(保有水平耐力計算と帯筋比・耐力壁の厚さ/限界耐力計算と高力ボルトの間隔・鉄筋の末端) | 誤っているもの | 2 | |
| No.12 | 構造計算(地下部分の地震力・層間変形角・保有水平耐力計算と剛性率・高さ31mの建築物の構造計算) | 誤っているもの | 1 | |
| No.13 | 荷重と許容応力度(教室の積載荷重の低減・木材の引張り・ステンレス鋼の高力ボルト・突合せ溶接のせん断) | 誤っているもの | 4 | |
| No.14 | 道路(幅員6mの区域・自動車専用道路のみに接する敷地・地盤面下の建築物・予定道路の上空の渡り廊下) | 誤っているもの | 4 | |
| No.15 | 用途の制限(田園住居地域の老人福祉センター・近隣商業地域の印刷所・地方公共団体の支所・用途地域の指定のない区域の店舗) | 誤っているもの | 1 | |
| No.16 | 容積率の算定の基礎となる延べ面積の最大(2つの用途地域・川に沿う2項道路・図) | 計算・図 | 1 | |
| No.17 | 建築物の高さの最高限度(道路高さ制限の適用距離・隣地高さ制限・北側高さ制限・図) | 計算・図 | 3 | |
| No.18 | 防火地域・準防火地域にわたる建築物(A〜Dの4棟・図) | 誤っているもの | 3 | |
| No.19 | 雑則(一団地の認定と用途の制限・都市計画区域外の建築協定・低層住居専用地域の高さ12m・ホテルの非常用の照明装置) | 誤っているもの | 1 | |
| No.20 | 雑則(根切り・山留め・工事中の建築物の使用制限・全体計画の認定・建築監視員の工事停止命令) | 誤っているもの | 3 | ℹ️ |
| No.21 | 工事監理(工事監理受託契約の書面・報酬の基準・免許証の提示と工事監理報告書・設計図書と違う工事の報告先) | 誤っているもの | 4 | |
| No.22 | 建築士事務所の開設者と工事監理(保険・業務報告書の罰則・再委託・工事監理報告書の保存期間) | 誤っているもの | 4 | |
| No.23 | 建築士事務所の開設者と所属建築士(技術的事項の総括・閲覧書類・管理建築士・重要事項説明) | 誤っているもの | 1 | |
| No.24 | 都市計画法(市街化調整区域の地区計画・軽微な変更の届出・予定建築物等以外の建築・都市計画施設の区域内の新築) | 誤っているもの | 3 | |
| No.25 | 消防法(倉庫の屋内消火栓・飲食店の消火器具・開口部のない耐火構造の区画・大学の避難口誘導灯) | 誤っているもの | 2 | ℹ️ |
| No.26 | バリアフリー法(ホテルの車椅子使用者用客室・車椅子使用者用駐車施設・計画の認定・エレベーターの乗降ロビー) | 誤っているもの | 3 | ℹ️ |
| No.27 | 建築物省エネ法(特定建築物の増築・分譲型一戸建て規格住宅・分譲型規格共同住宅等・向上計画の認定) | 誤っているもの | 1 | ℹ️ |
| No.28 | 設計者の判断(木造・地上4階建て・2,000㎡の物品販売業を営む店舗:構造計算・耐火性能・構造設計一級建築士・定期報告) | 誤っているもの | 4 | ℹ️ |
| No.29 | 設計者の判断(第一種住居地域の4,000㎡の店舗:用途の許可・省エネ設備の容積率特例・直通階段・異種用途区画) | 誤っているもの | 3 | ℹ️ |
| No.30 | 関係法令(産業廃棄物処理施設・景観計画区域の届出・土砂災害特別警戒区域の分譲住宅・特定盛土等規制区域) | 誤っているもの | 4 |
🔶=その後の改正で答えが変わる問題 ℹ️=条文の番号や言い方が変わった問題(答えは同じ) 表は横にスクロールできます
📐 総則・手続き(No.1〜No.4)
No.1用語(建築設備・建築材料の品質・設計図書・延焼のおそれのある部分)
次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1建築物に設ける消火用の貯水槽は、「建築設備」に該当する。2建築材料の品質における「安全上、防火上又は衛生上重要である建築物の部分」には、屋外階段で防火上重要であるものとして国土交通大臣が定めるものも含まれる。3高さ4mの記念塔の工事用の図面は、「設計図書」に含まれる。4同一敷地内に二つの地上2階建ての建築物(延べ面積はそれぞれ400㎡及び200㎡とし、いずれも耐火構造の壁等はないものとする。)を新築する場合において、当該建築物相互の外壁間の距離を5mとする場合は、二つの建築物は「延焼のおそれのある部分」を有している。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.1
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法第2条第三号より、建築設備とは、建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針をいう。消火用の貯水槽は、消火の設備として建築設備に該当する。
法第37条・令第144条の3第五号より、指定建築材料の品質の規定が適用される安全上、防火上又は衛生上重要である建築物の部分には、主要構造部以外の間仕切壁、揚げ床、最下階の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段、バルコニーその他これらに類する部分で防火上重要であるものとして国土交通大臣が定めるものが含まれる。
法第2条第十二号より、設計図書とは、建築物、その敷地又は法第88条第1項から第3項までに規定する工作物に関する工事用の図面(現寸図その他これに類するものを除く)及び仕様書をいう。令第138条第1項第三号より、法第88条第1項の工作物となる記念塔は高さが4mを超えるもの。高さ4mの記念塔はこれに当たらないので、その工事用の図面は設計図書に含まれない。
法第2条第六号より、延焼のおそれのある部分は、隣地境界線、道路中心線又は同一敷地内の2以上の建築物(延べ面積の合計が500㎡以内の建築物は一の建築物とみなす)相互の外壁間の中心線から、1階にあっては3m以下、2階以上にあっては5m以下の距離にある建築物の部分。延べ面積の合計は400㎡+200㎡=600㎡で500㎡を超えるので、二つの建築物の外壁間の中心線(それぞれの外壁から2.5m)を基準とし、どちらの建築物も延焼のおそれのある部分を有する。
選択肢3設計図書は、建築物と、法第88条の工作物(確認が必要な工作物)の工事用の図面・仕様書。記念塔は高さ4mを「超える」ものが工作物なので、高さ4mの記念塔の図面は設計図書に当たらない。
選択肢4同一敷地内の建築物は、延べ面積の合計が500㎡以内なら一の建築物とみなす。400㎡+200㎡=600㎡は別々の建築物として、外壁間の中心線から延焼のおそれのある部分を判断する。
法第2条第三号・第六号・第十二号、法第37条、法第88条第1項、令第138条第1項第三号、令第144条の3第五号
No.2面積・高さ・階数(計画道路と敷地面積・北側高さ制限の緩和・軒の高さ・階数)
面積、高さ又は階数に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1建築物の敷地内に都市計画において定められた計画道路(都市計画法等による新設又は変更の事業計画のある道路で、2年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したものを除く。)がある場合において、特定行政庁の許可を受けて当該計画道路を容積率の算定に当たっての前面道路とみなす場合は、当該敷地のうち計画道路に係る部分の面積は、敷地面積又は敷地の部分の面積に算入しない。2北側高さ制限において、建築物の敷地が北側で公園に接する場合、当該公園に接する隣地境界線は、当該公園の幅の1/2だけ外側にあるものとみなす。3前面道路の境界線から後退した建築物の各部分の高さの制限において、当該建築物の後退距離の算定の特例を受ける場合の「軒の高さ」の算定については、前面道路の路面の中心からの高さによる。4建築物の敷地が斜面又は段地である場合その他建築物の部分によって階数を異にする場合においては、これらの階数のうち最大なものを、当該建築物の階数とする。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.2
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法第52条第10項より、敷地内に都市計画において定められた計画道路(法第42条第1項第四号に該当するものを除く)がある場合に、特定行政庁が許可した建築物については、計画道路を前面道路とみなして容積率の規定を適用する。この場合、敷地のうち計画道路に係る部分の面積は、敷地面積又は敷地の部分の面積に算入しない。
令第135条の4第1項第一号より、北側高さ制限(法第56条第1項第三号)で、建築物の敷地が北側で水面、線路敷その他これらに類するものに接する場合は、それに接する隣地境界線は、その幅の1/2だけ外側にあるものとみなす。公園はこれに含まれないので、公園に接する隣地境界線を外側にみなすことはできない(道路高さ制限・隣地高さ制限の緩和とは違う)。
令第2条第1項第七号より、軒の高さは地盤面から算定するが、令第130条の12第一号イの場合(前面道路の境界線から後退した建築物の後退距離の算定の特例)は、前面道路の路面の中心から算定する。
令第2条第1項第八号後段より、建築物の一部が吹抜きとなっている場合、建築物の敷地が斜面又は段地である場合その他建築物の部分によって階数を異にする場合は、これらの階数のうち最大なものによる。
選択肢2北側高さ制限で隣地境界線を「幅の1/2だけ外側」とみなせるのは、北側に水面・線路敷などがある場合。公園は含まれない(令第135条の4第1項第一号)。
法第52条第10項、法第56条第1項第三号、令第2条第1項第七号・第八号、令第130条の12、令第135条の4第1項第一号
No.3手続き(観覧車の確認・工事中の安全計画・高さ60m超の建築物・避難施設等の工事中の使用)
次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1原動機を使用する観覧車の築造については、確認済証の交付を受けなければならない。2延べ面積3,000㎡、地上3階建ての病院の避難施設等に関する工事の施工中において当該建築物を使用する場合においては、建築主は、あらかじめ、当該工事の施工中における当該建築物の安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出なければならない。3高さが60mを超える建築物を建築しようとする場合において、建築主は、所定の構造計算によって安全性が確かめられたものとして国土交通大臣の認定を受ける必要があるが、都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関の構造計算適合性判定を受ける必要はない。4鉄骨造、地上8階建ての共同住宅の増築の工事で、避難施設等に関する工事を含むものをする場合においては、建築主は、原則として、検査済証の交付を受けた後でなければ、当該避難施設等に関する工事に係る建築物又は建築物の部分を使用することができない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.3
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法第88条第1項・令第138条第2項第三号より、メリーゴーラウンド、観覧車、オクトパス、飛行塔その他これらに類する回転運動をする遊戯施設で原動機を使用するものは、確認が必要な工作物に当たる。
法第90条の3・令第147条の2第二号より、工事中に使用する場合に安全上の措置等に関する計画の届出が必要な病院は、5階以上の階におけるその用途に供する部分の床面積の合計が1,500㎡を超えるもの。延べ面積3,000㎡の地上3階建ての病院はこれに当たらないので、届出は不要。
法第20条第1項第一号より、高さが60mを超える建築物は、所定の構造計算によって安全性が確かめられたものとして国土交通大臣の認定を受けたものでなければならない。法第6条の3第1項より、構造計算適合性判定が必要になるのは、法第20条第1項第二号又は第三号に定める基準(特定構造計算基準)に適合するかどうかの審査を要する場合で、高さ60mを超える建築物(第一号)はその対象ではない。
法第7条の6第1項より、法第6条第1項第一号から第三号までの建築物(共同住宅以外の住宅などを除く)の増築などの工事で、廊下、階段、出入口その他の避難施設、消火設備、排煙設備などに関する工事を含むものをする場合は、原則として、検査済証の交付を受けた後でなければ、その避難施設等に関する工事に係る建築物又は建築物の部分を使用できない(仮使用の認定を受けた場合などを除く)。
選択肢2工事中の安全計画の届出(法第90条の3)が必要な病院は、5階以上の階の病院の部分の床面積の合計が1,500㎡を超えるもの(令第147条の2第二号)。3階建てなら不要。
選択肢3高さ60m超は大臣認定(法第20条第1項第一号)。構造計算適合性判定は、法第20条第1項第二号・第三号の建築物(特定構造計算基準)が対象。
2025年4月1日施行の改正で法第6条第1項の号が組み替えられ、法第7条の6第1項(検査済証の交付を受けるまでの使用の制限)の対象は「第6条第1項第一号若しくは第二号に掲げる建築物」になった。鉄骨造・地上8階建ての共同住宅は今の第一号に当たり、答えは変わらない。
法第6条の3第1項、法第7条の6第1項、法第20条第1項第一号、法第88条第1項、法第90条の3、令第138条第2項第三号、令第147条の2第二号
選択肢1は「確認の要・不要」の分野です。
No.4用途の変更(類似の用途・劇場から公会堂・既存不適格の原動機・工事完了の届出先)
建築物の用途の変更に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、増築、改築、大規模の修繕又は大規模の模様替を伴わないものとする。
1商業地域内において、鉄筋コンクリート造、延べ面積400㎡、地上3階建ての診療所(患者の収容施設があるもの)の用途を変更して、地域活動支援センターとする場合においては、確認済証の交付を受ける必要がない。2鉄筋コンクリート造、延べ面積800㎡、地上2階建ての劇場の用途を変更して、公会堂とする場合においては、確認済証の交付を受けなければならない。3原動機の出力の合計が3.0kWの空気圧縮機を使用する自動車修理工場において、その建築後に用途地域が変更されたため、原動機の出力の合計が現行の用途地域の規定に適合せず、建築基準法第3条第2項の規定の適用を受けているものについては、原動機の出力の合計を3.5kWに変更することができる。4建築物の用途の変更についての確認済証の交付を指定確認検査機関から受けた場合においては、建築主は、建築物の用途の変更に係る工事が完了したときは、当該指定確認検査機関に届け出なければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.4
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法第87条第1項より、用途を変更して特殊建築物とする場合は確認が必要だが、政令で指定する類似の用途相互間の用途変更は除かれる。令第137条の18第三号より、診療所(患者の収容施設があるもの)と児童福祉施設等(地域活動支援センターを含む)は類似の用途なので、商業地域内での用途変更は確認不要。
令第137条の18より、類似の用途は、第一号「劇場、映画館、演芸場」、第二号「公会堂、集会場」などのグループごとに定められている。劇場と公会堂は別のグループなので類似の用途に当たらず、延べ面積800㎡の公会堂(法別表第1(い)欄(1)項の特殊建築物で200㎡を超える)への用途変更は、確認済証の交付を受けなければならない。
法第87条第3項第三号・令第137条の19第2項第二号より、用途地域の規定(法第48条)に適合しない事由が原動機の出力による既存不適格建築物は、用途変更後の出力の合計が基準時の1.2倍を超えない範囲であれば、法第48条の規定は準用されない。3.0kW×1.2=3.6kWなので、3.5kWに変更できる。
法第87条第1項より、用途変更の確認には法第7条第1項が準用され、「建築主事の検査を申請しなければならない」は「建築主事に届け出なければならない」と読み替えられる。指定確認検査機関から確認済証の交付を受けた場合でも、工事が完了したときの届出先は建築主事で、指定確認検査機関ではない。
選択肢4用途変更の確認を受けた場合の工事完了の届出は、指定確認検査機関で確認を受けたときも、建築主事に届け出る(法第87条第1項の読替え)。
選択肢2劇場・映画館・演芸場は互いに類似の用途だが、公会堂・集会場とは別のグループ(令第137条の18第一号・第二号)。
2024年4月1日施行の改正で建築副主事の制度ができ、法第87条第1項の読替えは「建築主事等(当該用途の変更が大規模建築物に係るものである場合にあつては、建築主事)に届け出なければならない」になった。工事完了の届出先が建築主事等(指定確認検査機関ではない)である点は同じで、答えは変わらない。
法第87条第1項・第3項、令第137条の18、令第137条の19第2項第二号
🔥 一般構造・防火・避難・設備(No.5〜No.10)
No.5一般構造(機械室の階段・職員室の採光・地階の住宅の居室・採光補正係数と縁側)
イ~ニの記述について、建築基準法上、正しいもののみの組合せは、次のうちどれか。
イ.劇場における昇降機機械室用階段の蹴上げ及び踏面の寸法は、それぞれ23cm及び15cmとすることができる。ロ.高等学校における職員室には、採光のための窓その他の開口部を設けなければならない。ハ.住宅の居室で地階に設けるものは、所定の基準によりからぼりに面する一定の開口部を設け、かつ、居室内の湿度を調節する設備を設けなければならない。ニ.準工業地域内の有料老人ホームの入所者の使用する寝室(天窓を有しないもの)で、外側に幅1mの縁側(ぬれ縁を除く。)を有する開口部(道に面しないもの)の採光補正係数は、水平距離が6mであり、かつ、採光関係比率が0.24である場合においては、0.7とする。1イとロ2イとニ3ロとハ4ハとニ出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.5
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令第129条の9第五号より、エレベーターの機械室に通ずる階段のけあげ及び踏面は、それぞれ23cm以下及び15cm以上とする(両側に側壁などがない場合は手すりを設ける)。劇場の昇降機機械室用階段も同じ。
法第28条第1項・令第19条第2項・第3項より、採光のための開口部が必要な居室は、住宅の居住のための居室、学校の教室、病院の病室、寄宿舎の寝室、保育所の保育室など。高等学校の職員室は含まれないので、採光のための開口部を設ける決まりはない。
法第29条・令第22条の2第一号より、住宅の居室で地階に設けるものは、イ(からぼりその他の空地に面する開口部)、ロ(換気設備)、ハ(居室内の湿度を調節する設備)のいずれかに該当すればよい(あわせて同条第二号の外壁等の防水の措置が必要)。からぼりに面する開口部と湿度を調節する設備の両方を設ける必要はない。
令第20条第2項第二号より、準工業地域の採光補正係数は、採光関係比率×8.0−1.0=0.24×8.0−1.0=0.92。同号ロより、開口部が道に面しない場合で、水平距離が5m以上であり、かつ、算定値が1.0未満となるときは1.0とする。同項本文より、外側に幅90cm以上の縁側(ぬれ縁を除く)がある開口部は、その数値に0.7を乗じるので、1.0×0.7=0.7。
ハ地階の住宅の居室は、からぼりに面する開口部・換気設備・湿度を調節する設備の「いずれか」があればよい(令第22条の2第一号)。「かつ」両方は不要。
ニ採光補正係数は、算定値が1.0未満でも、道に面しない開口部で水平距離5m以上なら1.0。縁側があるときはその数値に0.7を乗じる(1.0×0.7=0.7)。
法第28条第1項、法第29条、令第19条第2項・第3項、令第20条第2項第二号、令第22条の2第一号、令第129条の9第五号
No.6防火区画・防火壁(スプリンクラー設備による緩和・管の貫通・木造の小学校の防火壁・竪穴区画の防火設備)
防火区画、防火壁及び防火床に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1主要構造部を耐火構造とした建築物について、区画された部分の床面積を3,000㎡とする場合の自動式のスプリンクラー設備を設けた部分の床面積には、手動式の補助散水栓による部分の床面積は含まれない。2給水管、配電管等が防火壁又は防火床を貫通する場合においては、当該管等と当該防火壁又は防火床との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。3耐火建築物及び準耐火建築物以外の延べ面積が1,000㎡を超える木造の小学校は、原則として、床面積の合計1,000㎡以内ごとに準耐火構造の防火壁又は防火床で有効に区画しなければならない。4避難階が地上1階であり、地下1階から地上2階の各階に居室を有する事務所の用途に供する建築物で、主要構造部を耐火構造としたものにおいては、地下1階から地上2階に通ずる階段の部分とその他の部分との区画に用いる防火設備は、避難上及び防火上支障のない遮煙性能を有するものでなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.6
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令第112条第1項より、面積区画の床面積の算定では、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備その他これらに類するもので自動式のものを設けた部分の床面積の1/2を除く(1,500㎡の区画が実質3,000㎡になる)。手動式の補助散水栓による部分はこれに含まれない。
令第113条第2項より、防火壁又は防火床には令第112条第20項の規定が準用され、給水管、配電管その他の管が防火壁又は防火床を貫通する場合は、当該管と防火壁又は防火床との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。
法第26条より、延べ面積が1,000㎡を超える建築物(耐火建築物・準耐火建築物などを除く)は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画し、各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000㎡以内としなければならない。令第113条第1項第一号より、防火壁は耐火構造としなければならないので、準耐火構造の防火壁では足りない。
令第112条第11項より、主要構造部を準耐火構造とした建築物(主要構造部を耐火構造とした建築物もこれに当たる)又は令第136条の2第一号ロ若しくは第二号ロの基準に適合する建築物で、地階又は3階以上の階に居室を有するものの竪穴部分(階段の部分など)は、その他の部分と区画しなければならない。令第112条第19項第二号ロより、竪穴区画に用いる防火設備は、避難上及び防火上支障のない遮煙性能を有し、常時閉鎖又は作動をした状態にあるもの以外のものは煙の発生により自動的に閉鎖又は作動をするものとする。地下1階から地上2階に通ずる階段は、避難階からその直上階・直下階のみに通ずるもの(令第112条第11項第一号)に当たらない。
選択肢3防火壁は耐火構造(令第113条第1項第一号)。準耐火構造の防火壁では足りない。
選択肢1面積区画の床面積を緩和できるのは、スプリンクラー設備など「自動式のもの」を設けた部分(令第112条第1項)。手動式の補助散水栓は含まれない。
2024年4月1日施行の改正で、法第26条に第2項が加わり、防火壁又は防火床で区画された部分(特定部分)が耐火構造・準耐火構造などの所定の基準に適合する場合は、その部分とほかの部分を別の建築物とみなすことになった。また、令第112条第1項・第11項は「特定主要構造部を耐火構造とした建築物を含む」書き方に変わった。選択肢3の木造の小学校(区画がないもの)や選択肢1・4の扱いは同じで、答えは変わらない。なお、2026年11月1日施行の改正で、面積区画(令第112条第1項)と竪穴区画(同条第11項)の対象から、構造・用途・周囲の状況を考慮して防火上(竪穴区画は避難上及び防火上)支障がないものとして国土交通大臣が定める建築物が除かれる。
法第26条、令第112条第1項・第11項・第19項・第20項、令第113条第1項・第2項
No.7防火(準防火地域の屋根・耐火構造と準耐火構造の耐力壁・防火構造の軒裏・準防火性能)
次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1準防火地域内における共同住宅の屋根の構造は、市街地における通常の火災による火の粉により、防火上有害な発炎をしないものであり、かつ、屋内に達する防火上有害な溶融、亀裂その他の損傷を生じないものでなければならない。2耐火構造の耐力壁と準耐火構造の耐力壁は、いずれも、通常の火災による火熱がそれぞれについて定められた時間加えられた場合に、加熱終了後も構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものでなければならない。3防火構造として、建築物の軒裏の構造は、軒裏に建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後30分間当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)の温度が可燃物燃焼温度以上に上昇しないものでなければならない。4準防火性能に関する技術的基準に適合する構造として、建築物の耐力壁以外の外壁の構造は、外壁に建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)の温度が可燃物燃焼温度以上に上昇しないものでなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.7
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法第62条・令第136条の2の2より、防火地域又は準防火地域内の建築物の屋根は、市街地における通常の火災による火の粉により、防火上有害な発炎をしないもの(第一号)であり、かつ、屋内に達する防火上有害な溶融、亀裂その他の損傷を生じないもの(第二号)でなければならない。
法第2条第七号より、耐火構造の耐火性能は「通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するため」の性能で、令第107条第一号は、耐力壁などに通常の火災による火熱が所定の時間(1時間〜)加えられた場合に、構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないこととしている(加熱が終わった後も損傷を生じないことまで求めている)。一方、法第2条第七号の二より、準耐火構造の準耐火性能は「通常の火災による延焼を抑制するため」の性能で、令第107条の2第一号は、「加熱開始後」所定の時間(耐力壁は45分間)損傷を生じないこととしていて、加熱終了後までは求めていない。準耐火構造の耐力壁まで加熱終了後も損傷を生じないものとしなければならないわけではない。
令第108条第二号より、防火構造の外壁及び軒裏は、建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後30分間当該加熱面以外の面(屋内に面するもの)の温度が可燃物燃焼温度以上に上昇しないものでなければならない。
令第109条の9(準防火性能の技術的基準)第二号より、外壁は、建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間当該加熱面以外の面(屋内に面するもの)の温度が可燃物燃焼温度以上に上昇しないものでなければならない(耐力壁はあわせて第一号の非損傷性も必要)。
選択肢2耐火構造の耐火性能は「通常の火災が終了するまでの間」倒壊・延焼を防止する性能(法第2条第七号)で、加熱が終わった後も損傷を生じないことまで求める。準耐火構造は「加熱開始後45分間」など所定の時間だけで(令第107条の2第一号)、加熱終了後までは求められない。
2024年4月1日施行の改正で、準防火性能の技術的基準は令第109条の9から令第109条の10に、条番号が繰り下がった(内容は同じ)。答えは変わらない。
法第2条第七号・第七号の二、法第62条、令第107条第一号、令第107条の2第一号、令第108条第二号、令第109条の9、令第136条の2の2
No.8避難施設(非常用の進入口の間隔・特別避難階段の付室の面積・共同住宅の直通階段・集会場の出口と通路)
避難施設等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1建築物の高さ31m以下の部分にある3階以上の各階において、非常用の進入口の設置が必要な場合、外壁面の長さ40m以内ごとにこれを設けなければならない。2地上23階建てのホテルの特別避難階段について、15階以上の各階における階段室及びこれと屋内とを連絡するバルコニー又は付室の床面積(バルコニーで床面積がないものにあっては、床部分の面積)の合計は、当該階に設ける各居室の床面積に3/100を乗じたものの合計以上としなければならない。3主要構造部が耐火構造である地上5階建ての共同住宅において、各階の居室の床面積の合計が200㎡である場合、避難階以外の階から避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなくてもよい。4延べ面積1,200㎡、地上3階建ての集会場の客用に供する屋外への出口の戸は内開きとはせず、敷地内には当該出口から道又は公園、広場その他の空地に通ずる幅員が1.5m以上の通路を設けなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.8
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令第126条の7第一号・第二号より、非常用の進入口は、道又は道に通ずる幅員4m以上の通路その他の空地に面する各階の外壁面に設け、進入口の間隔は40m以下とする。外壁面の長さ40m以内ごとに設ける決まりではない(外壁面の長さ10m以内ごとに設けるのは、非常用の進入口に代わる窓など(令第126条の6第二号)の決まり)。
令第123条第3項第十二号より、15階以上の階に通ずる特別避難階段の15階以上の各階における階段室及びバルコニー又は付室の床面積の合計は、当該階に設ける各居室の床面積に、法別表第1(い)欄(1)項又は(4)項の用途に供する居室は8/100、その他の居室は3/100を乗じたものの合計以上とする。ホテル((2)項)は3/100。
令第121条第1項第五号より、共同住宅の用途に供する階で居室の床面積の合計が100㎡(同条第2項より、主要構造部が準耐火構造(耐火構造を含む)又は不燃材料の建築物は200㎡)を超えるものには2以上の直通階段が必要だが、各階200㎡は「超える」に当たらない。地上5階建てで、6階以上の階の決まり(同項第六号イ)にも当たらないので、2以上の直通階段を設けなくてよい。
令第125条第2項より、集会場の客用に供する屋外への出口の戸は、内開きとしてはならない。令第128条より、敷地内には、屋外への出口から道又は公園、広場その他の空地に通ずる幅員が1.5m以上の通路を設けなければならない(階数3以下で延べ面積200㎡未満の建築物は90cm以上)。
選択肢1非常用の進入口は、道又は道に通ずる幅員4m以上の通路などに面する外壁面に設け、間隔を40m以下とする(令第126条の7)。「外壁面の長さ10m以内ごと」は代替進入口(窓など)の決まり。
選択肢3について、2024年4月1日施行の改正で、令第121条第2項の「主要構造部が準耐火構造であるか、又は不燃材料で造られている建築物」は「主要構造部が準耐火構造である建築物(特定主要構造部が耐火構造である建築物を含む。)又は主要構造部が不燃材料で造られている建築物」の書き方になった(かっこ書は令第120条第2項による)。床面積を2倍に読み替えることは同じで、答えは変わらない。
令第121条第1項第五号・第2項、令第123条第3項第十二号、令第125条第2項、令第126条の7、令第128条
選択肢1は「排煙・非常用の照明・進入口・検証法」の分野です。
No.9防火・避難の総合(無窓の居室・屋外避難階段の出入口・映画館の内装・自動車車庫の内装)
次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。
1一戸建て住宅の窓のない床面積30㎡のシアタールームについて、これを区画する主要構造部を耐火構造とする代わりに、自動火災報知設備を設置した。2屋内から屋外避難階段に通ずる出入口に、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後10分間当該加熱面以外の面に火炎を出さない防火設備を設置した。3耐火建築物である地上2階建ての映画館において、客席(天井の高さが7m)の床面積の合計を500㎡としたので、客席の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを、難燃材料とした。4延べ面積200㎡、平家建ての自動車車庫において、当該用途に供する部分の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを、準不燃材料とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.9
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法第35条の3・令第111条第1項より、窓その他の開口部を有しない居室は、その居室を区画する主要構造部を耐火構造とし、又は不燃材料で造らなければならないが、避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合する居室は除かれる。その基準(令和2年国土交通省告示第249号)では、床面積が30㎡以内の居室(寝室など人の就寝の用に供するものを除く)で、自動火災報知設備を設けた建築物の居室などが定められている。床面積30㎡のシアタールームに自動火災報知設備を設ければ、適合する。
令第123条第2項第二号より、屋外に設ける避難階段の屋内から階段に通ずる出入口には、同条第1項第六号の防火設備を設けなければならない。その防火設備は、法第2条第九号の二ロの防火設備(通常の火災による火熱が加えられた場合に加熱開始後20分間加熱面以外の面に火炎を出さないもの(令第109条の2))で、令第112条第19項第二号の構造(遮煙性能など)のもの。10分間の遮炎性能では適合しない。
令第128条の4第1項第一号の表の(一)より、映画館(法別表第1(い)欄(1)項)は、主要構造部を耐火構造とした建築物などでは客席の床面積の合計が400㎡以上のもの、その他の建築物では100㎡以上のものが内装の制限を受けるので、客席500㎡の映画館は内装の制限を受ける。令第128条の5第1項より、居室の壁(床面からの高さ1.2m以下の部分を除く)及び天井の仕上げは難燃材料(3階以上の階に居室を有する建築物の居室の天井は準不燃材料)とする。地上2階建てなので、客席の壁・天井を難燃材料で仕上げれば適合する。
令第128条の4第1項第二号より、自動車車庫は規模にかかわらず内装の制限を受け、令第128条の5第2項より、その用途に供する部分及び地上に通ずる主たる通路の壁及び天井の仕上げを準不燃材料(同条第1項第二号の仕上げ)とする。
選択肢2屋外避難階段の屋内から通ずる出入口の防火設備は、遮炎性能20分(法第2条第九号の二ロ)で、遮煙性能・自動閉鎖の構造のもの(令第123条第2項第二号・第1項第六号)。10分間防火設備では足りない。
2024年4月1日施行の改正で「特定主要構造部」(主要構造部のうち、防火上及び避難上支障がない部分以外の部分)という言葉ができ、令第128条の4第1項第一号の表は「法第2条第九号の三イに該当する建築物(特定主要構造部を耐火構造とした建築物を含む。)であつて1時間準耐火基準に適合するもの」などの書き方に変わった。客席500㎡の映画館が内装の制限を受けることなど、答えは変わらない。
法第35条の3、令第111条第1項、令第123条第1項第六号・第2項第二号、令第128条の4第1項第一号・第二号、令第128条の5第1項・第2項、令和2年国土交通省告示第249号
選択肢1は「防火」、選択肢2は「避難施設」の分野です。
No.10建築設備(非常用エレベーターのバルコニー・中央管理室・合併処理浄化槽・エスカレーターの積載荷重)
建築設備に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、エレベーター及びエスカレーターは、所定の特殊な構造又は使用形態のものを除くものとする。
1非常用エレベーターの乗降ロビーの構造が、通常の火災時に生ずる煙が乗降ロビーを通じて昇降路に流入することを有効に防止できるものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものである場合においては、バルコニーの設置を要しない。2排煙設備及び非常用エレベーターを設けた建築物の中央管理室は、排煙設備の制御及び作動状態の監視並びに非常用エレベーターの籠を呼び戻す装置の作動を行うことができるものとしなければならない。3特定行政庁が衛生上特に支障があると認めて規則で指定する区域における処理対象人員400人の合併処理浄化槽は、原則として、放流水に含まれる大腸菌群数が3,000個/cm³以下、かつ、通常の使用状態において、生物化学的酸素要求量の除去率が70%以上、合併処理浄化槽からの放流水の生物化学的酸素要求量が60mg/ℓ以下とする性能を有するものでなければならない。4建築物に設けるエスカレーターで、踏段面の水平投影面積が13㎡であるものの踏段の積載荷重は、33kNとすることができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.10
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令第129条の13の3第3項第二号より、非常用エレベーターの乗降ロビーにはバルコニーを設けるが、同条第13項より、昇降路又は乗降ロビーの構造が、通常の火災時に生ずる煙が乗降ロビーを通じて昇降路に流入することを有効に防止できるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものである場合は、適用しない。
令第126条の3第1項第十一号より、法第34条第2項に規定する建築物(高さ31mを超える建築物)などの排煙設備の制御及び作動状態の監視は、中央管理室において行うことができるものとする。令第129条の13の3第7項より、非常用エレベーターの籠を呼び戻す装置の作動は、避難階又はその直上階若しくは直下階の乗降ロビー及び中央管理室において行うことができるものとする。
令第32条第1項第一号の表より、特定行政庁が衛生上特に支障があると認めて規則で指定する区域で、処理対象人員51人以上500人以下の合併処理浄化槽は、生物化学的酸素要求量の除去率が70%以上、放流水の生物化学的酸素要求量が60mg/ℓ以下。同項第二号より、放流水に含まれる大腸菌群数は1cm³につき3,000個以下とする。
令第129条の12第3項より、エスカレーターの踏段の積載荷重は、P=2,600A(P:積載荷重(N)、A:踏段面の水平投影面積(㎡))以上としなければならない。2,600×13=33,800N=33.8kN以上必要なので、33kNとすることはできない。
選択肢4エスカレーターの踏段の積載荷重 P=2,600A(N)。A=13㎡なら2,600×13=33,800N=33.8kNで、33kNでは足りない。
2025年4月1日から、令第32条第1項第二号の放流水の基準は「大腸菌数が、1mLにつき800コロニー形成単位以下」に変わりました(令和6年政令第1号)。今の法令では、3の「大腸菌群数が3,000個/cm³以下」は今の基準と違うため3も誤りとなり、誤っているものは3と4の2つになります。
令第32条第1項、令第126条の3第1項第十一号、令第129条の12第3項、令第129条の13の3第3項第二号・第7項・第13項
🧱 構造強度(No.11〜No.13)
No.11構造計算と仕様規定(保有水平耐力計算と帯筋比・耐力壁の厚さ/限界耐力計算と高力ボルトの間隔・鉄筋の末端)
建築物の構造計算に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、高さが4mを超える建築物とする。
1鉄筋コンクリート造の建築物において、保有水平耐力計算によって安全性を確かめる場合、構造耐力上主要な部分である柱の帯筋比は、0.2%以上としなくてもよい。2鉄筋コンクリート造の建築物において、保有水平耐力計算によって安全性を確かめる場合、耐力壁の厚さは、12cm以上としなくてもよい。3鉄骨造の建築物において、限界耐力計算によって安全性を確かめる場合、高力ボルト、ボルト又はリベットの相互間の中心距離は、その径の2.5倍以上としなくてもよい。4鉄筋コンクリート造の建築物において、限界耐力計算によって安全性を確かめる場合、柱の出すみ部分の異形鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げて、コンクリートから抜け出ないように定着しなくてもよい。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.11
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令第36条第2項第一号より、保有水平耐力計算によって安全性を確かめる場合は、令第77条第二号から第六号までの規定を適用しなくてよい。柱の帯筋比を0.2%以上とする規定(同条第四号)は、これに含まれる。
令第36条第2項第一号で、保有水平耐力計算のときに適用しなくてよいとされる鉄筋コンクリート造の規定は、令第73条、令第77条第二号から第六号まで、令第77条の2第2項、令第78条(プレキャストの接合部)、令第78条の2第1項第三号など。耐力壁の厚さを12cm以上とする規定(令第78条の2第1項第一号)は除かれていないので、適用される。
令第36条第2項第二号より、限界耐力計算によって安全性を確かめる場合は、耐久性等関係規定に適合する構造方法を用いればよい。高力ボルト、ボルト又はリベットの相互間の中心距離を径の2.5倍以上とする規定(令第68条第1項)は、耐久性等関係規定(令第36条第1項)に含まれないので、適用しなくてよい。
令第73条第1項より、鉄筋の末端は、柱の出すみ部分などではかぎ状に折り曲げてコンクリートから抜け出ないように定着しなければならないが、令第73条は耐久性等関係規定に含まれないので、限界耐力計算によって安全性を確かめる場合(令第36条第2項第二号)は適用しなくてよい。
選択肢2保有水平耐力計算で適用しなくてよい鉄筋コンクリート造の規定は、令第77条第二号〜第六号、令第78条の2第1項第三号など。耐力壁の厚さ12cm以上(令第78条の2第1項第一号)は適用される。
選択肢3・4限界耐力計算で確かめると、耐久性等関係規定以外の仕様規定(高力ボルトの間隔・鉄筋の末端のかぎ状の折曲げなど)は適用しなくてよい。
令第36条第1項・第2項第一号・第二号、令第68条第1項、令第73条第1項、令第77条第四号、令第78条の2第1項
No.12構造計算(地下部分の地震力・層間変形角・保有水平耐力計算と剛性率・高さ31mの建築物の構造計算)
鉄筋コンクリート造、高さ31mの建築物の構造計算に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1許容応力度等計算を行う場合、建築物の地下部分の各部分に作用する地震力は、当該部分の固定荷重と積載荷重との和に、原則として、所定の式に適合する地震層せん断力係数を乗じて計算しなければならない。2許容応力度等計算を行う場合、建築物の地上部分については、所定の地震力によって各階に生ずる層間変形角が所定の数値以内であることを確かめなければならない。3保有水平耐力計算を行う場合、各階の剛性率がそれぞれ6/10以上であることを確かめなくてもよい。4限界耐力計算によって安全性を確かめた場合には、保有水平耐力計算又はこれと同等以上に安全性を確かめることができるものとして国土交通大臣が定める基準に従った構造計算を行わなくてもよい。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.12
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令第88条第4項より、建築物の地下部分の各部分に作用する地震力は、当該部分の固定荷重と積載荷重との和に、所定の式(k≧0.1(1−H/40)Z)に適合する水平震度を乗じて計算する。地震層せん断力係数(同条第1項)を乗じるのは地上部分の地震力。
許容応力度等計算(令第81条第2項第二号イ・令第82条の6)では、令第82条の2より、建築物の地上部分について、地震力によって各階に生ずる層間変形角が1/200(著しい損傷が生ずるおそれのない場合は1/120)以内であることを確かめる。
各階の剛性率が6/10以上であることを確かめるのは、許容応力度等計算(令第82条の6第二号イ)の決まり。保有水平耐力計算(令第82条から第82条の4まで)では確かめなくてよい(剛性率による影響は必要保有水平耐力の計算で考慮する)。
令第81条第2項第二号より、高さが31m以下の建築物は、許容応力度等計算又は前号(高さ31m超の建築物)に定める構造計算(保有水平耐力計算・限界耐力計算など)によればよい。高さ31mの建築物を限界耐力計算で確かめた場合は、保有水平耐力計算を行わなくてよい。
選択肢1地下部分の地震力は「固定荷重+積載荷重」×水平震度k(令第88条第4項)。地震層せん断力係数Ciを使うのは地上部分。
選択肢4高さ31m「以下」の建築物は、許容応力度等計算のほか、保有水平耐力計算や限界耐力計算でもよい(令第81条第2項第二号)。31mちょうどは「以下」。
令第81条第2項、令第82条、令第82条の2、令第82条の6第二号、令第88条第1項・第4項
選択肢1は「荷重・外力・許容応力度」の分野です。
No.13荷重と許容応力度(教室の積載荷重の低減・木材の引張り・ステンレス鋼の高力ボルト・突合せ溶接のせん断)
建築物の構造計算に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1建築物の実況によらないで、柱の垂直荷重による圧縮力を計算する場合、教室で柱の支える床の数が2のときは、床の積載荷重として採用する数値を1,995N/㎡とすることができる。2木材の繊維方向における、長期に生ずる力に対する引張りの許容応力度は、原則として、木材の種類及び品質に応じて国土交通大臣が定める引張りに対する基準強度の1.1/3の数値である。3ステンレス鋼の高力ボルトの引張りに対する材料強度は、鋼材等の種類及び品質に応じて国土交通大臣が定める基準強度と同じ数値である。4鋼材の突合せ溶接における、溶接継目ののど断面に対する、短期に生ずる力に対するせん断の許容応力度は、溶接される鋼材の種類及び品質に応じて国土交通大臣が定める溶接部の基準強度の1/(1.5√3)の数値である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.13
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令第85条第1項の表の(三)より、教室の柱の構造計算に用いる積載荷重は(ろ)欄の2,100N/㎡。同条第2項より、柱のささえる床の数が2のときは0.95を乗じた数値まで減らせるので、2,100×0.95=1,995N/㎡とすることができる。
令第89条第1項より、木材の繊維方向の長期に生ずる力に対する引張りの許容応力度は、1.1Ft/3(Ft:国土交通大臣が定める引張りに対する基準強度)。
令第96条の表より、ステンレス鋼の高力ボルトの引張りに対する材料強度は、F(国土交通大臣が定める基準強度)と同じ数値。
令第92条の表より、突合せ溶接の溶接継目ののど断面に対するせん断の許容応力度は、長期がF/(1.5√3)で、短期は長期の1.5倍なのでF/√3。基準強度の1/(1.5√3)は長期の数値で、短期の数値ではない。
選択肢4突合せ溶接ののど断面のせん断の許容応力度:長期F/(1.5√3)、短期は長期の1.5倍=F/√3(令第92条)。F/(1.5√3)は長期の数値。
令第85条第1項・第2項、令第89条第1項、令第92条、令第96条
🗺️ 道路・用途・容積率・高さ・防火地域(No.14〜No.18)
No.14道路(幅員6mの区域・自動車専用道路のみに接する敷地・地盤面下の建築物・予定道路の上空の渡り廊下)
都市計画区域内の道路に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1その地方の気候などにより必要な場合には、特定行政庁により道路の幅員を6m以上とする区域が指定されることがある。2自動車のみの交通の用に供する道路のみに接している敷地には、原則として、建築物を新築することができない。3道路の地盤面下に、建築物に附属する地下通路を設ける場合には、特定行政庁の許可を受けることなく新築することができる。4地区計画等の区域内において、建築物の敷地内に予定道路が指定された場合、当該予定道路の上空に設けられる渡り廊下は、特定行政庁の許可を受けることなく新築することができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.14
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法第42条第1項より、道路の幅員は原則4m以上だが、特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内では、6m以上となる。
法第43条第1項第一号より、建築物の敷地は道路に2m以上接しなければならないが、この道路から自動車のみの交通の用に供する道路は除かれる。自動車専用道路のみに接している敷地には、原則として建築物を新築できない。
法第44条第1項第一号より、建築物は道路内に建築してはならないが、地盤面下に設ける建築物は除かれている。建築物に附属する地下通路は、特定行政庁の許可を受けずに新築できる。
法第68条の7第4項より、予定道路が指定された場合は、予定道路を法第42条第1項の道路とみなして法第44条(道路内の建築制限)を適用する。予定道路の上空に設ける渡り廊下は、法第44条第1項第四号の建築物として特定行政庁の許可を受けなければ新築できない。
選択肢4予定道路が指定されると、予定道路を道路とみなして法第44条(道路内の建築制限)が適用される(法第68条の7第4項)。上空の渡り廊下は特定行政庁の許可が必要。
法第42条第1項、法第43条第1項第一号、法第44条第1項第一号・第四号、法第68条の7第4項
No.15用途の制限(田園住居地域の老人福祉センター・近隣商業地域の印刷所・地方公共団体の支所・用途地域の指定のない区域の店舗)
建築物の用途の制限に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、用途地域以外の地域、地区等の指定はなく、また、特定行政庁の許可等は考慮しないものとする。
1田園住居地域内において、「延べ面積700㎡、平家建ての老人福祉センター」は、新築することができる。2近隣商業地域内において、「延べ面積1,000㎡、地上2階建ての日刊新聞の印刷所」は、新築することができる。3全ての用途地域内において、「延べ面積500㎡、地上2階建ての地方公共団体の支所」は、新築することができる。4用途地域の指定のない区域(市街化調整区域を除く。)内において、「延べ面積10,000㎡、地上2階建ての店舗」は、新築することができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.15
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法別表第2(ち)項第一号より、田園住居地域内に建築できるのは、(い)項第一号から第九号までに掲げるものなど。(い)項第九号・令第130条の4第二号より、老人福祉センター、児童厚生施設、地方公共団体の支庁又は支所などは、延べ面積が600㎡以内のものに限られる。延べ面積700㎡の老人福祉センターは新築できない。
法別表第2(り)項第一号・(ぬ)項第二号より、近隣商業地域内では、原動機を使用する工場で作業場の床面積の合計が150㎡を超えるものは建築できないが、日刊新聞の印刷所は除かれている。延べ面積1,000㎡の日刊新聞の印刷所は新築できる。
法別表第2(い)項第九号・令第130条の4第二号より、地方公共団体の支所で延べ面積が600㎡以内のものは、第一種低層住居専用地域内でも建築できる公益上必要な建築物。ほかの用途地域でも禁止されていないので、延べ面積500㎡の支所は全ての用途地域内で新築できる。
法別表第2(か)項より、用途地域の指定のない区域(市街化調整区域を除く)内では、店舗、飲食店、展示場、遊技場などの用途に供する部分の床面積の合計が1万㎡を超えるものは建築できない。延べ面積10,000㎡は「超える」に当たらないので、新築できる。
選択肢1第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域で建築できる老人福祉センター・児童厚生施設・地方公共団体の支所などは、延べ面積600㎡以内(令第130条の4第二号)。
選択肢4用途地域の指定のない区域で店舗などが建築できないのは、床面積の合計が1万㎡を「超える」もの。1万㎡ちょうどは建築できる。
法第48条、法別表第2(い)項・(ち)項・(り)項・(ぬ)項・(か)項、令第130条の4第二号
No.16容積率の算定の基礎となる延べ面積の最大(2つの用途地域・川に沿う2項道路・図)
図のような敷地において、建築基準法上、新築することができる建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積の最大のものは、次のうちどれか。ただし、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定、許可等は考慮しないものとする。
図を押すと大きく表示します 1640㎡2720㎡3800㎡4810㎡出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.16
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【敷地面積】南側の道は法第42条第2項の道(幅員2m)で、その向こう側は川。同項ただし書より、道の中心線から水平距離2m未満で川などに沿う場合は、川の側の境界線から道の側に水平距離4mの線を道路の境界線とみなす。道の幅員は2mなので、敷地側に 4m−2m=2m 後退し、その部分は敷地面積に算入しない(令第2条第1項第一号)。敷地の南北の長さは 10m−2m=8m。
・商業地域の部分:10m×8m=80㎡
・準住居地域の部分:10m×8m=80㎡
【前面道路の幅員】法第52条第2項より、前面道路が2以上あるときは幅員の最大のものによる。西側の8m(南側は4m)。
【各地域の容積率】
・商業地域:8m×6/10=48/10(同項第三号)。都市計画の50/10より小さいので48/10
・準住居地域:8m×4/10=32/10(同項第二号)。都市計画の40/10より小さいので32/10
【延べ面積の最大】法第52条第7項より、地域ごとに計算して合計する。
80㎡×48/10+80㎡×32/10=384㎡+256㎡=640㎡
※中心線から2mの後退(1m)で計算すると720㎡(選択肢2)、後退しないで計算すると800㎡(選択肢3)になる。
解き方2項道路の片側が川・崖地などのときは、中心線から2mではなく、川の側の境界線から道の側へ4mの線が道路の境界線(法第42条第2項ただし書)。幅員2mなら敷地側に2m後退する。
法第42条第2項、法第52条第1項・第2項・第7項、令第2条第1項第一号
No.17建築物の高さの最高限度(道路高さ制限の適用距離・隣地高さ制限・北側高さ制限・図)
図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間に高低差はなく、門、塀等はないものとする。また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁による指定、許可等並びに天空率に関する規定は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。
図を押すと大きく表示します 120.00m223.75m325.00m426.25m出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.17
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A点は、南側の道路境界線から 5m+1m=6m、西側の隣地境界線から 2m+1m=3m、北側の隣地境界線から 18m−6m=12m、東側の隣地境界線から 16m−3m=13m の位置にある。
【道路高さ制限】前面道路の幅員による容積率の限度は 10m×4/10=40/10で、都市計画の20/10が限度。法別表第3(一)の項より、適用距離は20m、勾配は1.25。建築物の後退距離は5mなので(法第56条第2項)、A点から道路の反対側の境界線を5m外側にずらした線までは 6m+10m+5m=21m。適用距離20mを超えるので、A点には道路高さ制限がかからない。
【隣地高さ制限】法第56条第1項第二号イより、20m+1.25×(隣地境界線までの水平距離+後退距離)。
・西側:20m+1.25×(3m+2m)=26.25m
・北側:20m+1.25×(12m+3m)=38.75m
・東側:20m+1.25×(13m+2m)=38.75m
【北側高さ制限】法第56条第1項第三号より、第二種中高層住居専用地域では、10m+1.25×(真北方向の隣地境界線までの水平距離)。A点から北側の隣地境界線までは12mなので、10m+1.25×12m=25.00m(後退距離の緩和はない)。
【最高限度】最も小さい25.00m。
解き方道路高さ制限は、前面道路の反対側の境界線(後退距離だけ外側の線)から適用距離(容積率20/10以下の住居系は20m)を超える部分にはかからない。
解き方第一種・第二種中高層住居専用地域は北側高さ制限(10m+1.25×真北方向の距離)もかかる。北側高さ制限には後退距離の緩和はない。
法第56条第1項第一号・第二号・第三号・第2項、法別表第3
No.18防火地域・準防火地域にわたる建築物(A〜Dの4棟・図)
図のような敷地において、用途上不可分の関係にあるA~Dの建築物を新築する場合、建築基準法上、誤っているものは、次のうちどれか。ただし、いずれの建築物も防火壁を設けていないものとし、建築物に附属する門又は塀はないものとする。また、図に記載されているものを除き、地域、地区等の制限については考慮しないものとし、危険物の貯蔵等は行わないものとする。
図を押すと大きく表示します 1Aは、耐火建築物若しくは準耐火建築物又はこれらと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。2Bは、耐火建築物若しくは準耐火建築物又はこれらと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。3Cは、耐火建築物若しくは準耐火建築物又はこれらと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。4Dは、耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.18
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Aは防火地域内で、地上2階建て・延べ面積90㎡。法第61条・令第136条の2第二号より、防火地域内にある建築物のうち階数が2以下で延べ面積が100㎡以下のものは、準耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止時間となる建築物(耐火建築物などを含む)としなければならない。
Bは指定のない区域と準防火地域にわたる。法第65条第1項より、防火壁で区画されていないので、全部について準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。法第61条・令第136条の2第二号より、準防火地域内で地階を除く階数が3で延べ面積が1,500㎡以下の建築物は、準耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止時間となる建築物(耐火建築物などを含む)としなければならない。
Cは防火地域にかかる建築物で、防火壁で区画されていないので、法第65条第1項・第2項より、全部について防火地域内の建築物に関する規定を適用する。法第61条・令第136条の2第一号より、防火地域内で延べ面積が100㎡を超える建築物は、耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。延べ面積140㎡の自動車車庫は、準耐火建築物などでは足りない。
Dは準防火地域内の地上4階建て。法第61条・令第136条の2第一号より、準防火地域内で地階を除く階数が4以上の建築物は、耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。
選択肢3防火地域にわずかでもかかる建築物(防火壁で区画していないもの)は、全部に防火地域の規定がかかる(法第65条)。延べ面積140㎡は防火地域の100㎡超なので耐火建築物等。
法第61条、法第65条第1項・第2項、令第136条の2第一号・第二号
📋 雑則(No.19〜No.20)
No.19雑則(一団地の認定と用途の制限・都市計画区域外の建築協定・低層住居専用地域の高さ12m・ホテルの非常用の照明装置)
次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、特定行政庁の許可は考慮しないものとする。
1一団地内に建築される1又は2以上の構えを成す建築物のうち、特定行政庁がその位置及び構造が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものに対する用途地域等による用途の制限の規定の適用については、当該一団地は一の敷地とみなされる。2建築協定は、都市計画区域及び準都市計画区域外であっても定められることがある。3都市計画において建築物の高さの限度が10mと定められた第二種低層住居専用地域内においては、その敷地内に政令で定める空地を有し、かつ、その敷地面積が政令で定める規模以上である建築物であって、特定行政庁が低層住宅に係る良好な住居の環境を害するおそれがないと認めるものについては、建築物の高さの限度は、12mとすることができる。4避難階を1階とするホテルにおける3階以上の階の宿泊室(床面積が30㎡を超えるもの)には、採光上有効な窓がある場合であっても、非常用の照明装置を設けなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.19
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法第86条第1項より、一団地の認定を受けた建築物について一の敷地とみなされるのは、法第23条、第43条、第52条第1項から第14項まで、第53条第1項・第2項、第56条などの特例対象規定の適用についてだけ。用途地域による用途の制限(法第48条)は特例対象規定に含まれないので、一団地は一の敷地とみなされない。
法第69条より、市町村は、その区域の一部について、土地の所有者等が建築協定を締結することができる旨を条例で定めることができる。建築協定の規定(法第4章)は都市計画区域・準都市計画区域内に限られないので、区域外でも建築協定が定められることがある。
法第55条第2項より、都市計画において建築物の高さの限度が10mと定められた第一種・第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内で、敷地内に政令で定める空地を有し、かつ、敷地面積が政令で定める規模以上の建築物で、特定行政庁が低層住宅に係る良好な住居の環境を害するおそれがないと認めるものは、高さの限度を12mとする。
令第126条の4より、法別表第1(い)欄(2)項の用途(ホテル)の特殊建築物の居室には、非常用の照明装置を設けなければならない。同条ただし書第二号で除かれるのは病院の病室、下宿の宿泊室、寄宿舎の寝室などで、ホテルの宿泊室は除かれていない。3階以上の階の居室は、避難階の直上階・直下階の居室の例外(同条ただし書第四号)にも当たらない。
選択肢1一団地の認定で一の敷地とみなされるのは特例対象規定(接道・容積率・建蔽率・高さ制限・防火地域など)だけ。用途地域の用途の制限(法第48条)は含まれない。
法第48条、法第55条第2項、法第69条、法第86条第1項、令第126条の4
選択肢3は「高さの制限」、選択肢4は「排煙・非常用の照明・進入口・検証法」の分野です。
No.20雑則(根切り・山留め・工事中の建築物の使用制限・全体計画の認定・建築監視員の工事停止命令)
次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1建築工事等における根切り及び山留めについては、その工事の施工中必要に応じて点検を行い、山留めを補強し、排水を適当に行う等これを安全な状態に維持するための措置を講ずるとともに、矢板等の抜取りに際しては、周辺の地盤の沈下による危害を防止するための措置を講じなければならない。2模様替の工事中に使用されている共同住宅について、特定行政庁により、避難上著しく支障があると認められた場合には、使用制限が命ぜられることがある。3建築基準法第3条第2項の規定により排煙設備の規定の適用を受けない建築物について、2以上の工事に分けて増築を含む工事を行う場合、特定行政庁による工事に係る全体計画の認定を受けていれば、いずれの工事の完了後であっても、現行基準に適合するように排煙設備を設置するための改修を行う必要はない。4建築基準法令の規定に違反することが明らかな増築の工事中の建築物については、緊急の必要があって所定の手続によることができない場合に限り、建築監視員により、これらの手続によらないで、当該工事の請負人等に対して、当該工事の施工の停止が命ぜられることがある。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.20
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令第136条の3第6項より、建築工事等における根切り及び山留めについては、工事の施工中必要に応じて点検を行い、山留めを補強し、排水を適当に行う等安全な状態に維持するための措置を講ずるとともに、矢板等の抜取りに際しては、周辺の地盤の沈下による危害を防止するための措置を講じなければならない。
法第90条の2第1項より、特定行政庁は、修繕若しくは模様替などの工事の施工中に使用されている法第6条第1項第一号から第三号までの建築物(共同住宅など)が、安全上、防火上又は避難上著しく支障があると認める場合は、建築主や所有者などに対して、相当の猶予期限を付けて、使用禁止又は使用制限などを命ずることができる。
法第86条の8第1項より、既存不適格建築物について2以上の工事に分けて工事を行う場合に、特定行政庁が全体計画を認定すると、工事中や工事の間は既存不適格の扱いが続く。ただし、認定の基準として、全体計画に係る全ての工事の完了後には建築基準法令の規定に適合することとなることが必要(同項第二号)なので、最後の工事の完了後には排煙設備を現行の基準に適合させなければならない。
法第9条第10項より、特定行政庁は、建築基準法令の規定に違反することが明らかな建築などの工事中の建築物については、緊急の必要があって所定の手続によることができない場合に限り、手続によらないで、建築主や工事の請負人などに対して、工事の施工の停止を命ずることができる。法第9条の2より、この権限は建築監視員に行わせることができる。
選択肢3全体計画の認定で既存不適格のままでよいのは、工事中と工事の間だけ。全ての工事の完了後は現行の基準に適合させる(法第86条の8第1項第二号)。
2025年4月1日施行の改正で法第6条第1項の号が組み替えられ、法第90条の2第1項の対象は「第6条第1項第一号又は第二号に掲げる建築物」になった。工事中に使用されている共同住宅に使用制限などが命ぜられることがある点は同じで、答えは変わらない。
法第9条第10項、法第9条の2、法第86条の8第1項、法第90条の2第1項、令第136条の3第6項
選択肢3は「既存建築物・用途変更・仮設建築物」の分野です。
👷 建築士法(No.21〜No.23)
No.21工事監理(工事監理受託契約の書面・報酬の基準・免許証の提示と工事監理報告書・設計図書と違う工事の報告先)
建築士が行う「工事監理」に関する次の記述のうち、建築士法上、誤っているものはどれか。
1工事監理受託契約の当事者は、延べ面積が300㎡を超える建築物の新築に係る工事監理受託契約の締結に際して、工事監理の実施の状況に関する報告の方法や、工事監理に従事する建築士の氏名等を記載した書面を相互に交付しなければならない。2工事監理受託契約を締結しようとする者は、国土交通大臣が定めた報酬の基準に準拠した委託代金で工事監理受託契約を締結するよう努めなければならない。3工事監理を行う建築士は、工事監理の委託者から請求があったときには、建築士免許証又は建築士免許証明書を提示し、工事監理を終了したときには、直ちに、その結果を建築主に工事監理報告書を提出して報告しなければならない。4工事監理を行う建築士は、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めるときは、直ちに、工事施工者に対して、その旨を指摘し、当該工事を設計図書のとおりに実施するよう求め、当該工事施工者がこれに従わないときは、その旨を特定行政庁に報告しなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.21
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建築士法第22条の3の3第1項より、延べ面積が300㎡を超える建築物の新築に係る工事監理受託契約の当事者は、契約の締結に際して、工事と設計図書との照合の方法及び工事監理の実施の状況に関する報告の方法(第二号)、工事監理に従事することとなる建築士の氏名など(第三号)を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。
建築士法第22条の3の4より、設計受託契約又は工事監理受託契約を締結しようとする者は、同法第25条に規定する報酬の基準に準拠した委託代金で契約を締結するよう努めなければならない。
建築士法第19条の2より、建築士は、設計等の委託者から請求があったときは、建築士免許証又は建築士免許証明書を提示しなければならない。同法第20条第3項より、建築士は、工事監理を終了したときは、直ちに、その結果を文書(工事監理報告書)で建築主に報告しなければならない。
建築士法第18条第3項より、建築士は、工事監理を行う場合に、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めるときは、直ちに、工事施工者に対してその旨を指摘し、設計図書のとおりに実施するよう求め、工事施工者がこれに従わないときは、その旨を建築主に報告しなければならない。特定行政庁に報告する決まりではない。
選択肢4工事施工者が設計図書どおりに直さないときの報告先は「建築主」(建築士法第18条第3項)。特定行政庁ではない。
建築士法第18条第3項、第19条の2、第20条第3項、第22条の3の3第1項、第22条の3の4
No.22建築士事務所の開設者と工事監理(保険・業務報告書の罰則・再委託・工事監理報告書の保存期間)
建築士事務所の開設者に係る「工事監理」に関する次の記述のうち、建築士法上、誤っているものはどれか。
1建築士事務所の開設者は、工事監理の業務に関し生じた損害を賠償するために必要な金額を担保するための保険契約の締結その他の措置を講ずるよう努めなければならない。2建築士事務所の開設者は、工事監理の実績を含む「設計等の業務に関する報告書」を都道府県知事に事業年度ごとに提出しなかった場合、30万円以下の罰金に処せられる。3建築士事務所の開設者は、建築物の新築工事に係る工事監理の業務について、延べ面積が300㎡以下の建築物であれば、委託者の許諾を得たうえで、一括して他の建築士事務所の開設者に委託することができる。4建築士事務所の開設者は、その建築士事務所の業務に関する工事監理報告書を、作成した日から起算して5年間保存しなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.22
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建築士法第24条の9より、建築士事務所の開設者は、設計等(工事監理を含む)の業務に関し生じた損害を賠償するために必要な金額を担保するための保険契約の締結その他の措置を講ずるよう努めなければならない。
建築士法第23条の6より、建築士事務所の開設者は、事業年度ごとに、業務の実績の概要などを記載した設計等の業務に関する報告書を作成し、毎事業年度経過後3月以内に都道府県知事に提出しなければならない。同法第40条第十号より、これに違反して報告書を提出しなかったときは、30万円以下の罰金に処せられる。
建築士法第24条の3第2項より、一括して他の建築士事務所の開設者に委託することが禁止されるのは、延べ面積が300㎡を超える建築物の新築工事に係る設計又は工事監理の業務。延べ面積300㎡以下の建築物であれば、委託者の許諾を得て、一括して他の建築士事務所の開設者に委託できる(建築士事務所の開設者以外の者への委託は、許諾があっても禁止=同条第1項)。
建築士法第24条の4第2項・同法施行規則第21条第4項第二号・第5項より、建築士事務所の開設者は、工事監理報告書などの図書を、作成した日から起算して15年間保存しなければならない。5年間ではない。
選択肢4建築士事務所の業務に関する図書(工事監理報告書を含む)の保存期間は15年(建築士法施行規則第21条第5項)。5年ではない。
選択肢3一括再委託が禁止されるのは延べ面積300㎡を超える建築物の新築工事の設計・工事監理(建築士法第24条の3第2項)。
建築士法第23条の6、第24条の3、第24条の4第2項、第24条の9、第40条第十号、同法施行規則第21条第4項・第5項
No.23建築士事務所の開設者と所属建築士(技術的事項の総括・閲覧書類・管理建築士・重要事項説明)
建築士事務所の開設者と、当該建築士事務所に属する建築士(以下「所属建築士」という。)との関係に関する次の記述のうち、建築士法上、誤っているものはどれか。
1建築士事務所の開設者は、所属建築士の監督及びその業務遂行の適正の確保に関する技術的事項を自ら総括しなければならない。2建築士事務所の開設者は、設計等を委託しようとする者の求めに応じて閲覧させる書類として、所属建築士の氏名及び業務の実績を記載したものを当該建築士事務所に備え置かなければならない。3建築士事務所の開設者は、当該建築士事務所を管理する専任の所属建築士を置かなければならない。4建築士事務所の開設者は、設計受託契約を建築主と締結しようとするときは、あらかじめ、当該建築主に対し、所属建築士から、設計受託契約の内容について、これらの事項を記載した書面を交付して説明をさせなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.23
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建築士法第24条第3項第四号より、建築士事務所に属する建築士その他の技術者の監督及びその業務遂行の適正の確保などの技術的事項を総括するのは、管理建築士。開設者が自ら総括しなければならない決まりはない(管理建築士が開設者と異なる場合は、開設者に意見を述べる=同条第4項)。
建築士法第24条の6第二号より、建築士事務所の開設者は、建築士事務所に属する建築士の氏名及び業務の実績を記載した書類などを、建築士事務所に備え置き、設計等を委託しようとする者の求めに応じ、閲覧させなければならない。
建築士法第24条第1項より、建築士事務所の開設者は、建築士事務所ごとに、その建築士事務所を管理する専任の建築士(管理建築士)を置かなければならない。
建築士法第24条の7第1項より、建築士事務所の開設者は、設計受託契約又は工事監理受託契約を建築主と締結しようとするときは、あらかじめ、建築主に対し、管理建築士その他の建築士事務所に属する建築士をして、契約の内容などを記載した書面を交付して説明をさせなければならない(重要事項説明)。
選択肢1所属建築士の監督など技術的事項を総括するのは「管理建築士」(建築士法第24条第3項)。開設者が自ら総括する決まりではない。
建築士法第24条第1項・第3項、第24条の6、第24条の7第1項
📚 関係法令(No.24〜No.27)
No.24都市計画法(市街化調整区域の地区計画・軽微な変更の届出・予定建築物等以外の建築・都市計画施設の区域内の新築)
次の記述のうち、都市計画法上、誤っているものはどれか。
1市街化調整区域内における地区整備計画が定められた地区計画の区域内において、当該地区計画に定められた内容に適合する病院の建築の用に供する目的で行う開発行為は、所定の要件に該当すれば、都道府県知事の許可を受けることができる。2開発許可を受けた開発区域内において、都道府県知事の許可を受ける必要のない国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。3開発許可を受けた開発区域内の土地に用途地域等が定められている場合、当該開発行為に関する工事が完了した旨の公告があった後に、当該開発許可に係る予定建築物等以外の建築物を新築するときは、都道府県知事の許可を受けなければならない。4都市計画施設の区域内において、地階を有しない木造、地上2階建ての飲食店を新築する場合は、原則として、都道府県知事等の許可を受けなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.24
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都市計画法第34条第十号より、市街化調整区域内の開発行為でも、地区計画(地区整備計画が定められている区域に限る)の区域内において、当該地区計画に定められた内容に適合する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為は、所定の要件(同法第33条の基準など)に該当すれば、都道府県知事の許可を受けることができる。
都市計画法第35条の2第3項より、開発許可を受けた者は、変更の許可を要しない国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
都市計画法第42条第1項より、開発許可を受けた開発区域内では、工事完了の公告があった後は、予定建築物等以外の建築物を新築してはならない(都道府県知事の許可を受けた場合を除く)が、同項ただし書より、開発区域内の土地について用途地域等が定められているときは、この制限は適用されない。
都市計画法第53条第1項より、都市計画施設の区域内で建築物の建築をしようとする者は、原則として都道府県知事等の許可を受けなければならない。同項第一号・同法施行令第37条より、許可が不要な軽易な行為は、階数が2以下で地階を有しない木造の建築物の改築又は移転で、新築は含まれない。
選択肢3工事完了公告後の予定建築物等以外の建築の制限(都市計画法第42条第1項)は、開発区域に用途地域等が定められているときは適用されない(ただし書)。
選択肢4都市計画施設の区域内で許可が不要な軽易な行為は、2階以下・地階なしの木造の建築物の「改築又は移転」だけ(同法施行令第37条)。新築は許可が必要。
都市計画法第34条第十号、第35条の2第3項、第42条第1項、第53条第1項、同法施行令第37条
No.25消防法(倉庫の屋内消火栓・飲食店の消火器具・開口部のない耐火構造の区画・大学の避難口誘導灯)
次の記述のうち、消防法上、誤っているものはどれか。ただし、建築物は、いずれも無窓階を有しないものとし、指定可燃物の貯蔵又は取扱いは行わないものとする。
1延べ面積2,500㎡、地上3階建ての倉庫に設ける屋内消火栓は、当該倉庫の階ごとに、その階の各部分から一のホース接続口までの水平距離が25m以下となるように設けなければならない。2延べ面積150㎡、地上2階建ての飲食店については、消火器又は簡易消火用具を設置しなくてもよい。3物品販売業を営む店舗と共同住宅とが開口部のない耐火構造の床又は壁で区画されているときは、その区画された部分は、消防用設備等の設置及び維持の技術上の基準の規定の適用については、それぞれ別の防火対象物とみなす。4地上5階建ての大学には、避難口誘導灯を設けなくてもよい。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.25
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消防法施行令第11条第1項第二号より、別表第1(14)項の倉庫で延べ面積が700㎡以上のものには屋内消火栓設備が必要。同条第3項第一号イより、(12)項イ又は(14)項の防火対象物の屋内消火栓は、階ごとに、その階の各部分から一のホース接続口までの水平距離が25m以下となるように設ける(いわゆる1号消火栓)。
消防法施行令第10条第1項より、別表第1(3)項ロの飲食店は、火を使用する設備又は器具を設けたもの(第一号ロ)は規模にかかわらず、それ以外のものも延べ面積が150㎡以上のもの(第二号ロ)には、消火器又は簡易消火用具を設置しなければならない。延べ面積150㎡は「以上」に当たるので、設置が必要。
消防法施行令第8条より、防火対象物が開口部のない耐火構造の床又は壁で区画されているときは、その区画された部分は、消防用設備等の設置及び維持の技術上の基準(同令第2章第3節)の規定の適用については、それぞれ別の防火対象物とみなす。
消防法施行令第26条第1項第一号より、避難口誘導灯は、別表第1(1)項から(4)項、(5)項イ、(6)項、(9)項などの防火対象物には全体に、(7)項(大学などの学校)などの防火対象物には地階、無窓階及び11階以上の部分に設置する。地上5階建ての大学は、地階・11階以上の部分がなく、問題の条件で無窓階もないので、設けなくてよい。
選択肢2飲食店(別表第1(3)項)は、火を使用する設備を設けていれば規模にかかわらず、そうでなくても延べ面積150㎡「以上」なら消火器具が必要(消防法施行令第10条第1項)。
2024年4月1日施行の改正で、消防法施行令第8条は「次に掲げる当該防火対象物の部分で区画されているとき」の形になり、第一号「開口部のない耐火構造の床又は壁」に、第二号(防火上有効な措置として総務省令で定める措置が講じられた床・壁・防火設備)が加わった。選択肢3の記述は今も正しく、答えは変わらない。
消防法第17条第1項、同法施行令第8条、第10条第1項第一号・第二号、第11条第1項・第3項第一号、第26条第1項第一号
No.26バリアフリー法(ホテルの車椅子使用者用客室・車椅子使用者用駐車施設・計画の認定・エレベーターの乗降ロビー)
床面積の合計が2,000㎡のホテルを新築しようとする場合における次の記述のうち、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」上、誤っているものはどれか。
1客室の総数が120室の場合は、車椅子使用者用客室を2室以上設けなければならない。2車椅子使用者用駐車施設を設ける場合は、当該施設から利用居室までの経路の長さができるだけ短くなる位置に設けなければならない。3建築主等は、特定建築物の建築等及び維持保全の計画を作成し、所管行政庁の認定を申請しなければならない。4移動等円滑化経路を構成するエレベーター(所定の特殊な構造又は使用形態のものを除く。)の乗降ロビーの幅及び奥行きは、それぞれ150cm以上としなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.26
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バリアフリー法施行令第15条第1項より、ホテル又は旅館には、客室の総数が50以上の場合は、車椅子使用者用客室を客室の総数の1/100以上(1未満の端数は切り上げ)設けなければならない。120室×1/100=1.2 → 2室以上。床面積の合計2,000㎡のホテルは特別特定建築物(同令第5条)で2,000㎡以上(同令第9条)なので、適用される。
バリアフリー法施行令第17条第2項第二号より、車椅子使用者用駐車施設は、その施設から利用居室までの経路(同令第18条第1項第三号の経路)の長さができるだけ短くなる位置に設けなければならない。
バリアフリー法第17条第1項より、建築主等は、特定建築物の建築等をしようとするときは、特定建築物の建築等及び維持保全の計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる(任意)。申請しなければならない決まりはない。
バリアフリー法施行令第18条第2項第五号ニより、移動等円滑化経路を構成するエレベーターの乗降ロビーは、高低差がないものとし、その幅及び奥行きは150cm以上としなければならない。
選択肢3特定建築物の建築等及び維持保全の計画の認定は「申請することができる」(任意・バリアフリー法第17条第1項)。申請の義務はない。
2025年6月1日施行の改正(劇場等の客席の車椅子使用者用部分の新設、車椅子使用者用駐車施設の数の見直しなど)で、バリアフリー法施行令の条番号が1つずつ繰り下がった(車椅子使用者用客室:第15条→第16条、駐車場:第17条→第18条、移動等円滑化経路:第18条→第19条)。選択肢1・2・4の内容は同じで、答えは変わらない。
バリアフリー法第14条第1項、第17条第1項、同法施行令第5条、第9条、第15条第1項、第17条第2項第二号、第18条第2項第五号
No.27建築物省エネ法(特定建築物の増築・分譲型一戸建て規格住宅・分譲型規格共同住宅等・向上計画の認定)
次の記述のうち、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」上、誤っているものはどれか。
1建築主は、特定建築物の増築(非住宅部分の増築に係る部分の床面積の合計が300㎡以上であるものに限る。)をしようとするときは、当該特定建築物(非住宅部分に限る。)を建築物エネルギー消費性能基準に適合するよう努めなければならない。2分譲型一戸建て規格住宅を1年間に150戸以上新築し、これを分譲することを業として行う建築主は、当該住宅をエネルギー消費性能の一層の向上のために必要な住宅の構造及び設備に関する基準に適合させるよう努めなければならない。3分譲型規格共同住宅等を1年間に1,000戸以上新築し、これを分譲することを業として行う建築主は、当該住宅をエネルギー消費性能の一層の向上のために必要な住宅の構造及び設備に関する基準に適合させるよう努めなければならない。4建築主等は、エネルギー消費性能の一層の向上のための建築物に設けた空気調和設備等の改修をしようとするときは、建築物エネルギー消費性能向上計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.27
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当時の建築物省エネ法第11条第1項・同法施行令第4条より、建築主は、特定建築行為(非住宅部分の床面積の合計が300㎡以上の特定建築物の新築、非住宅部分の増築又は改築の床面積の合計が300㎡以上のものなど)をしようとするときは、特定建築物(非住宅部分に限る)を建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならない(適合義務)。努力義務ではない。
当時の建築物省エネ法第28条第1項・同法施行令第9条第1項より、1年間に新築する分譲型一戸建て規格住宅の戸数が150戸以上の特定一戸建て住宅建築主は、その住宅をエネルギー消費性能の一層の向上のために必要な基準(同法第29条第1項)に適合させるよう努めなければならない。
当時の建築物省エネ法第28条第2項・同法施行令第9条第2項より、1年間に新築する分譲型規格共同住宅等の住戸の数が1,000戸以上の特定共同住宅等建築主は、その住宅をエネルギー消費性能の一層の向上のために必要な基準に適合させるよう努めなければならない。
当時の建築物省エネ法第34条第1項より、建築主等は、エネルギー消費性能の一層の向上に資する建築物の新築又はエネルギー消費性能の一層の向上のための建築物の増築、改築若しくは修繕等(同法第6条第2項:修繕、模様替、空気調和設備等の設置又は改修)をしようとするときは、建築物エネルギー消費性能向上計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。
選択肢1当時の法律では、非住宅部分300㎡以上の特定建築物の新築・増改築(非住宅部分300㎡以上)は、省エネ基準への適合が「義務」(旧第11条第1項)。努力義務ではない。
2025年4月1日施行の改正(令和4年法律第69号)で、建築物省エネ法は全面的に見直され、原則として全ての建築物の新築・増改築に省エネ基準への適合が義務付けられた(第10条)。分譲型規格住宅の決まりは第21条、向上計画の認定は第29条などに条番号が変わった。選択肢1は、今の法律でも「適合させなければならない」(努力義務ではない)ので、答えは変わらない。
建築物省エネ法(当時の題名「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」)第6条第2項、第11条第1項、第28条第1項・第2項、第34条第1項、同法施行令第4条、第9条
🧩 設計者の判断(総合)・関係法令(No.28〜No.30)
No.28設計者の判断(木造・地上4階建て・2,000㎡の物品販売業を営む店舗:構造計算・耐火性能・構造設計一級建築士・定期報告)
以下の条件に該当する建築物の新築に係る設計に際して、建築基準法その他の法令の規定の適用に関する設計者の判断として、次の記述のうち、誤っているものはどれか。
【条件】
・用途:物品販売業を営む店舗
・規模:地上4階建て(避難階は1階)、高さ15m、延べ面積2,000㎡
・構造:木造(主要構造部に木材を用いたもの)
・所有者となる建築主:民間事業者
・設計者:「構造設計一級建築士」及び「設備設計一級建築士」いずれの資格も有していない一級建築士1構造計算において、「応力度の計算等による構造耐力上主要な部分の安全性」、「層間変形角」、「屋根ふき材等における風圧に対する構造耐力上の安全性」、「各階の剛性率」、「各階の偏心率」及び「建築物の地上部分の地震に対する安全性」を確かめた。2「通常火災終了時間が80分」及び「特定避難時間が70分」と算出されたため、柱及びはりを80分間の性能を有する準耐火構造とした。3他の構造設計一級建築士に構造関係規定に適合するかどうかの確認を求めたが、他の設備設計一級建築士に設備関係規定に適合するかどうかの確認を求めなかった。4建築主に対して、5年の間隔をおいて、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員に建築物の状況の調査をさせ、かつ、その結果を特定行政庁に報告する義務がある旨を伝えた。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.28
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高さ15m(13m超)の木造建築物は、法第20条第1項第二号の建築物で、高さ31m以下なので、許容応力度等計算(令第81条第2項第二号イ)で安全性を確かめることができる。令第82条の6より、許容応力度等計算は、応力度の計算(令第82条各号)、層間変形角(令第82条の2)、屋根ふき材等の風圧(令第82条の4)、剛性率・偏心率(令第82条の6第二号)、地上部分の地震に対する安全性(同条第三号)を確かめる構造計算。
地階を除く階数が4の木造建築物は法第21条第1項(大規模の木造建築物)の対象で、主要構造部を通常火災終了時間が経過するまで倒壊・延焼を防止できる構造(令第109条の5)とする。3階以上の階を物品販売業を営む店舗の用途に供するので法第27条第1項の対象にもなり、特定避難時間(令第110条)の性能も必要。柱・はりは、長い方の80分間の性能を有する準耐火構造とすれば、両方を満たす。
建築士法第3条第1項第二号より、高さ13mを超える木造の建築物は一級建築士でなければ設計できない建築物で、建築基準法第20条第1項第二号の建築物にも当たる。建築士法第20条の2第2項より、構造設計一級建築士以外の一級建築士がその構造設計を行った場合は、構造設計一級建築士に構造関係規定に適合するかどうかの確認を求めなければならない。設備設計一級建築士の関与(同法第20条の3)は、階数3以上で床面積の合計が5,000㎡を超える建築物が対象なので、2,000㎡の店舗では不要。
法第12条第1項より、定期報告が必要な特定建築物の所有者は、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員に調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。規則第5条第1項より、報告の時期は、建築物の用途、構造、延べ面積等に応じて、おおむね6月から3年までの間隔をおいて特定行政庁が定める時期。5年の間隔ではない。
選択肢4定期報告の時期は、おおむね6月から3年までの間隔で特定行政庁が定める(規則第5条第1項)。5年ではない。
選択肢3設備設計一級建築士の関与が必要なのは、階数3以上で床面積の合計5,000㎡を超える建築物(建築士法第20条の3)。2,000㎡なら不要。
2025年4月1日施行の改正で、木造の建築物の基準は「高さ13m又は軒の高さ9mを超える」から「地階を除く階数が4以上又は高さ16mを超える」に変わった(法第20条第1項第二号・建築士法第3条第1項第二号)。この建築物は地上4階建てなので、今の条文でも法第20条第1項第二号の建築物・一級建築士でなければ設計できない建築物に当たる。また、2024年4月1日施行の改正で、法第21条・第27条の「主要構造部」は「特定主要構造部」になった。どちらも答えは変わらない。
法第12条第1項、法第20条第1項第二号、法第21条第1項、法第27条第1項、令第82条の6、建築士法第3条第1項、第20条の2、第20条の3、規則第5条第1項
選択肢1は「構造計算」、選択肢2は「防火」、選択肢3は「建築士」の分野です。
No.29設計者の判断(第一種住居地域の4,000㎡の店舗:用途の許可・省エネ設備の容積率特例・直通階段・異種用途区画)
以下の条件に該当する建築物の新築に係る設計に際して、建築基準法その他の法令の規定の適用に関する設計者の判断として、次の記述のうち、誤っているものはどれか。
【条件】
・立地:第一種住居地域
容積率の最高限度300%
・用途:1階の一部飲食店
1階の一部及び2~4階物品販売業を営む店舗(各階に売場を有する)
・規模:地上4階建て(避難階は1階のみ)
延べ面積4,000㎡(各階の床面積は1,000㎡)
敷地面積1,300㎡1用途地域に基づく建築物の用途の制限に関し、住居の環境を害するおそれがないものとして特定行政庁の許可を受けることとした。2太陽光発電設備の設置によって容積率の最高限度を超えた建築計画となったことから、建築物のエネルギー消費性能が「建築物エネルギー消費性能誘導基準」に適合するように設計し、「建築物エネルギー消費性能向上計画」の認定を受けることとした。32階から4階までの各階の売場から1階に通ずる直通階段を三つ設け、このうちの二つを「避難階段」とし、他の一つは「避難階段」及び「特別避難階段」のいずれにも該当しないものとすることとした。41階における物品販売業を営む店舗と飲食店とを防火区画する代わりに、火災の発生を感知し、そのことを各階に報知することができる自動火災報知設備を設けることとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.29
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法別表第2(ほ)項第四号より、第一種住居地域内では、(は)項に掲げる建築物以外の建築物の用途に供する部分の床面積の合計が3,000㎡を超えるものは建築できない。延べ面積4,000㎡の店舗・飲食店はこれに当たるが、法第48条第5項ただし書より、特定行政庁が第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合は建築できる。
当時の建築物省エネ法第40条第1項より、認定建築物エネルギー消費性能向上計画に係る建築物の床面積のうち、建築物エネルギー消費性能誘導基準に適合させるための措置(エネルギー消費性能の向上のための設備の設置など)をとることにより通常の建築物の床面積を超えることとなる場合の政令で定める床面積は、容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入しない。太陽光発電設備の設置で容積率の最高限度を超える場合も、この認定を受けて計画することができる。
令第122条第2項より、3階以上の階を物品販売業を営む店舗の用途に供する建築物は、各階の売場及び屋上広場に通ずる2以上の直通階段を設け、これを避難階段又は特別避難階段としなければならない。売場に通ずる直通階段を三つ設けた場合は、三つとも避難階段又は特別避難階段とする必要があり、一つを避難階段・特別避難階段のいずれにも該当しないものとすることはできない。
令第112条第18項より、建築物の一部が法第27条各項のいずれかに該当する場合は、その部分とその他の部分とを防火区画(異種用途区画)しなければならないが、同項ただし書より、国土交通大臣が定める基準に従い、警報設備を設けることその他これに準ずる措置が講じられている場合は不要。その基準(令和2年国土交通省告示第250号)では、ホテル、旅館、飲食店、物品販売業を営む店舗などの部分とそれに接する部分に、自動火災報知設備を設けることなどが定められている。
選択肢33階以上の階を物品販売業を営む店舗とする建築物は、各階の売場に通ずる2以上の直通階段を設け、「これを」避難階段又は特別避難階段とする(令第122条第2項)。売場に通ずる直通階段の一つを普通の階段のままにはできない。
選択肢4異種用途区画は、ホテル・飲食店・物品販売業を営む店舗などの部分に自動火災報知設備を設けるなどの措置で不要にできる(令第112条第18項ただし書・令和2年国土交通省告示第250号)。
2025年4月1日施行の改正(令和4年法律第69号)で、建築物省エネ法の条番号が変わり、向上計画の認定を受けた建築物の容積率の特例は第35条、向上計画の認定は第29条になった。内容は同じで、答えは変わらない。
法第48条第5項、法別表第2(ほ)項第四号、令第112条第18項、令第122条第2項、建築物省エネ法第40条第1項(当時)、令和2年国土交通省告示第250号
選択肢1は「用途の制限」、選択肢2は「建築物省エネ法」、選択肢4は「防火」の分野です。
No.30関係法令(産業廃棄物処理施設・景観計画区域の届出・土砂災害特別警戒区域の分譲住宅・特定盛土等規制区域)
次の記述のうち、関係法令上、誤っているものはどれか。
1「建築基準法」に基づき、工業地域内において、1日当たりの処理能力が6t以下の廃プラスチック類を破砕する産業廃棄物処理施設の用途に供する建築物は、特定行政庁の許可を受けずに新築することができる。2「景観法」に基づき、景観計画区域内において、建築物の外観を変更することとなる模様替をしようとする者は、原則として、あらかじめ、行為の種類、場所、設計又は施行方法等について、景観行政団体の長に届け出なければならない。3「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」に基づき、特別警戒区域内において、予定建築物が分譲住宅である開発行為をしようとする者は、原則として、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。4「宅地造成及び特定盛土等規制法」に基づき、特定盛土等規制区域内において、盛土で高さ3mの崖を生ずる工事をしようとする者は、原則として、当該工事に着手する日の30日前までに、都道府県知事に届け出なければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.30
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建築基準法第51条ただし書・同法施行令第130条の2の3第1項第三号より、工業地域内で、1日当たりの処理能力が6t以下の廃プラスチック類の破砕施設は、政令で定める規模の範囲内として、都市計画でその敷地の位置が決定していなくても、特定行政庁の許可を受けずに新築できる。
景観法第16条第1項第一号より、景観計画区域内において、建築物の新築、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更をしようとする者は、あらかじめ、行為の種類、場所、設計又は施行方法などを景観行政団体の長に届け出なければならない。
土砂災害防止法第10条第1項・第2項より、土砂災害特別警戒区域内で、予定建築物の用途が制限用途(住宅(自己の居住の用に供するものを除く)、社会福祉施設、学校、医療施設など)である開発行為(特定開発行為)をしようとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。分譲住宅は自己の居住の用に供するものではないので、制限用途に当たる。
宅地造成及び特定盛土等規制法第30条第1項・同法施行令第28条第1項・第23条第一号より、特定盛土等規制区域内で、盛土で高さが2mを超える崖を生ずることとなるものなどの工事は、着手する前に都道府県知事の許可を受けなければならない。高さ3mの崖を生ずる盛土はこれに当たるので、30日前までの届出(同法第27条第1項:許可の対象より小さい規模のもの)ではなく、許可が必要。
選択肢4特定盛土等規制区域で、盛土で高さ2mを超える崖を生ずる工事は、届出ではなく、都道府県知事の許可が必要(盛土規制法第30条第1項・同法施行令第28条・第23条第一号)。
建築基準法第51条、同法施行令第130条の2の3第1項第三号、景観法第16条第1項、土砂災害防止法第10条、宅地造成及び特定盛土等規制法第27条第1項、第30条第1項、同法施行令第23条、第28条
選択肢1は「用途の制限」の分野です。
令和6年の合格基準点(学科の試験)
配点は各問題1点(学科Ⅰ・Ⅱは各20点、学科Ⅲ・Ⅳは各30点、学科Ⅴは25点、合計125点)で、各科目の基準点と総得点の基準点のすべてに達した人が合格です。
| 学科Ⅰ 計画 | 学科Ⅱ 環境・設備 | 学科Ⅲ 法規 | 学科Ⅳ 構造 | 学科Ⅴ 施工 | 総得点 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 合格基準点 | 11点 | 11点 | 16点 | 16点 | 13点 | 92点 |
※ 合格基準点は、各科目は過半の得点、総得点はおおむね90点程度を基本的な水準として想定し、令和6年は総じて難度が低かったことから、総得点の基準点が92点とされました。
出典:建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験『学科の試験』の合格基準点等について」
法規の基準点は16点(30点中)です。法令集を持ち込める科目なので、条文を引けば確かめられる問題が多く、ほかの科目の取りこぼしを補う得点源にしやすい科目です。本番は1問あたり約3分半なので、法令集の引き方に慣れておくことが大切です(勉強の進め方は関連記事の「一級建築士は独学で合格できる」で紹介しています)。
ほかの年度の過去問・分野別の解説
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