全25問の解答・解説
令和8年(2026年7月5日実施)の二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)全25問を、選択肢ごとに正誤の理由を示して解説します。建築史・環境工学・各種建築物の計画・建築設備の4つの分野から出題され、令和8年は平均点が高かったため、計画の合格基準点が13点から14点に補正されました。まず自分で解き、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

令和8年 二級建築士試験(学科)の概要
問題文は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)の試験問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各問の枠の右下に出典)。正答は、同センターの合格基準点等(正答肢)と全問を照らし合わせています。
解説は、出題当時の法令・基準によります(法令がからむ問題は令和8年1月1日時点の法令)。その後の改正や基準の改定で答えが変わる問題には「🔶 現在の基準では」、言い方だけが変わった問題には「ℹ️ その後の改正」の枠を付けています。
分野ごとの問題一覧
計画の25問は、毎年ほぼ同じ順番で、分野ごとに出題されます。解きたい問題を押すと、その問題へ移動します。
🏯 建築史(No.1〜No.2)
No.1日本の歴史的な建築物(円覚寺舎利殿・浄土寺浄土堂・清水寺本堂・厳島神社・正倉院正倉)
日本の歴史的な建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1円覚寺舎利殿(神奈川県)は、部材が細く、組物が精密に細工されており、屋根の反りが強い禅宗様の建築物である。2浄土寺浄土堂(兵庫県)は、阿弥陀三尊を囲む四本の柱に太い 繁虹梁 が架かり、円束と挿肘木による組物が支える大仏様の建築物である。3清水寺本堂(京都府)は、急な崖に建ち、前面の舞台を長い束柱で支える懸造りの建築物である。4厳島神社社殿(広島県)は、式年遷宮によって造替が続けられており、柱は全て掘立柱で2本の棟持柱をもつ神明造りの建築物である。5正倉院正倉(奈良県)は、北倉・南倉が短い柱の上に三角形断面の校木を横に積み上げた高床の校倉造りで、中倉が板倉造りの建築物である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.1
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円覚寺舎利殿は、禅宗様の代表的な建築物。細い部材、柱の上だけでなく柱の間にも置かれた精密な組物、強い屋根の反りなどが特徴。
浄土寺浄土堂は、大仏様(天竺様)の代表的な建築物。阿弥陀三尊を囲む四本の柱に繋虹梁を架け、柱に差し込んだ挿肘木などで組物を支える、構造をそのまま見せるつくり。(問題文の「繁虹梁」は原文のままの表記で、一般には「繋虹梁(つなぎこうりょう)」と書く)
清水寺本堂の舞台は、急な崖に長い束柱を立てて床を支える懸造り。
厳島神社社殿は、海の上に社殿を並べ、回廊でつないだ神社建築で、本殿は両流造。式年遷宮(一定の年ごとに社殿を建て替えること)や、掘立柱・2本の棟持柱をもつ神明造りは、伊勢神宮の正殿の特徴で、厳島神社の説明ではない。
正倉院正倉は、北倉と南倉が三角形断面の校木を積み上げた校倉造り、中倉が板倉造りの、床の高い高床式の倉。
No.2住宅作品と設計者(塔の家・スカイハウス・住吉の長屋・シュレーダー邸・落水荘)
住宅作品に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1塔の家(東京都)は、都市部の狭い不整形な敷地に対し、住空間は極めて狭いながら垂直方向に積層して広がりをもたせた住宅であり、坂倉準三が設計した。2スカイハウス(東京都)は、取替えや位置の変更が可能な「ムーブネット」と呼ばれる設備ユニットを備え、4枚の壁柱に支えられた住宅であり、菊竹清訓が設計した。3住吉の長屋(大阪府)は、ファサードに玄関以外の開口部がなく、住宅の中央部に光庭を設けた住宅であり、安藤忠雄が設計した。4シュレーダー邸(オランダ)は、建具や家具による住空間づくりを特徴とし、2階の広い空間は、可動の間仕切りにより区分けすることもできる住宅であり、ヘリット・トーマス・リートフェルトが設計した。5落水荘(アメリカ)は、2層の床スラブが滝のある渓流の上に張り出し、周囲の自然の眺めを味わえるように意図された住宅であり、フランク・ロイド・ライトが設計した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.2
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塔の家は、東孝光が設計した自邸。都市部の狭い三角形の敷地に、打放しコンクリートの塔のような住まいを積み重ねた都市型住宅。坂倉準三の設計ではない。
スカイハウスは、菊竹清訓の自邸。4枚の壁柱で持ち上げた正方形の住まいに、取り替えられる設備ユニット「ムーブネット」を備えている。
住吉の長屋は、安藤忠雄の設計。打放しコンクリートの箱の中央に光庭(中庭)を設け、道路側には玄関以外の開口部がない。
シュレーダー邸は、リートフェルトの設計(オランダ・ユトレヒト)。2階は可動の間仕切りで、仕切ったりひとつながりにしたりできる。
落水荘(カウフマン邸)は、フランク・ロイド・ライトの設計。滝の上に床スラブを張り出し、自然と一体になった住宅。
🌤️ 環境工学(No.3〜No.10)
No.3建築環境工学の用語と単位(総合熱伝達率・絶対湿度・残響時間・音響透過損失・光束)
建築環境工学の用語・単位に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1総合熱伝達率は、対流熱伝達率と放射熱伝達率との和であり、その単位はW/(㎡・K)で表される。2絶対湿度は、湿り空気中の乾燥空気1 kgと混合している水蒸気の質量であり、その単位はkg/kg(DA)で表される。3残響時間は、音源から発生した音の停止後、定常状態の音響エネルギー密度レベルが60 dB減衰するまでの時間であり、その単位は秒で表される。4音響透過損失は、音響透過率の逆数の常用対数を10倍したものであり、その単位はdBで表される。5光束は、光源から放射されるエネルギーを人間の目の感度特性で重みづけした測光量であり、その単位はlxで表される。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.3
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総合熱伝達率=対流熱伝達率+放射熱伝達率で、単位はW/(㎡・K)。
絶対湿度は、乾燥空気1kgと一緒にある水蒸気の質量で、単位はkg/kg(DA)(DA=乾燥空気)。
残響時間は、音を止めてから、室内の音のエネルギー密度レベルが60dB下がるまでの時間(秒)。
音響透過損失=10×log₁₀(1/τ)(τ=音響透過率)で、単位はdB。値が大きいほど、音を通しにくい(遮音性能が高い)。
光束の単位はlm(ルーメン)。lx(ルクス)は、面に入る光の量を表す照度の単位(1lx=1lm/㎡)。
No.4換気(換気回数・総合開口面積・温度差換気・風力換気・第3種換気)
換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1換気回数は、室の換気量が一定の場合、その室の容積の大小によって変化する。2複数の開口部を合成した総合開口面積は、並列合成の場合、各相当開口面積の和で求められる。3温度差による換気量は、室内外の温度差の平方根に比例する。4開口部に風圧力が作用したときの換気量は、外部風速と開口条件が一定の場合、風上側と風下側の風圧係数の差に比例する。5浴室においては、排気側のみに設置した送風機によって強制的に排気する、第3種換気方式が適している。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.4
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換気回数(回/h)=換気量(㎥/h)÷室の容積(㎥)。換気量が同じなら、容積が大きい室ほど換気回数は少なくなる。
並列(同じ壁面に並ぶなど)の開口部をまとめた総合開口面積は、各開口部の相当開口面積(αA)を足し合わせて求める。
温度差による換気(重力換気)の換気量は、室内外の温度差の平方根と、開口部の高さの差の平方根に比例する。
風力による換気の換気量は、外部風速に比例し、風上側と風下側の風圧係数の差の平方根に比例する。「差に比例」ではない。
第3種換気(機械で排気・自然に給気)は、室内が負圧になるので、湿気やにおいがほかの室へ漏れにくい。浴室・便所などに適している。
No.5伝熱(熱伝導・対流熱伝達・中空層・断熱材の水分・総合熱伝達率)
伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1稠密な固体や静止している流体の中では、熱伝導、熱対流、熱放射のうち、熱伝導のみが生じる。2対流熱伝達は、固体の表面とその固体に接する流体との間で熱が移動する現象をいう。3中空層の熱抵抗は、一般に、その厚さが同じ場合、半密閉中空層より密閉中空層のほうが大きい。4断熱材の熱伝導抵抗は、一般に、水分を含むと小さくなる。5壁体の屋外側表面の総合熱伝達率は、一般に、室内側表面の総合熱伝達率よりも小さい。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.5
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すき間のない固体や、動いていない流体の中では、熱は熱伝導だけで伝わる(熱対流は流体が動くことで、熱放射は物体の表面どうしの間で起こる)。
対流熱伝達は、固体の表面と、それに接する空気などの流体との間で熱が移動する現象。
厚さが同じなら、空気が動きにくい密閉中空層のほうが、外気が出入りする半密閉中空層より熱抵抗が大きい。
断熱材が水分を含むと、水は空気より熱を伝えやすいので熱伝導率が大きくなり、熱伝導抵抗は小さくなる。
屋外側の表面は風を受けるので対流熱伝達率が大きく、屋外側の総合熱伝達率は、一般に室内側より大きい。
No.6外皮平均熱貫流率の計算
イ~ニの条件に示す室の外皮平均熱貫流率の値として、最も近いものは、次のうちどれか。ただし、温度差係数は全て1.0とする。
条件イ.屋根(天井):面積16㎡、熱貫流率0.2 W/(㎡・K)ロ.外壁(窓を除く):面積22㎡、熱貫流率0.3 W/(㎡・K)ハ.窓:面積18㎡、熱貫流率2.0 W/(㎡・K)ニ.床:面積16㎡、熱貫流率0.2 W/(㎡・K)10.1 W/(㎡・K)20.3 W/(㎡・K)30.5 W/(㎡・K)40.7 W/(㎡・K)51.0 W/(㎡・K)出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.6
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外皮平均熱貫流率=(各部位の面積×熱貫流率×温度差係数)の合計 ÷ 外皮の面積の合計。温度差係数はすべて1.0。
・屋根(天井):16㎡×0.2=3.2
・外壁(窓を除く):22㎡×0.3=6.6
・窓:18㎡×2.0=36.0
・床:16㎡×0.2=3.2
・合計:3.2+6.6+36.0+3.2=49.0(W/K)
・外皮の面積の合計:16+22+18+16=72(㎡)
・外皮平均熱貫流率:49.0÷72≒0.68 W/(㎡・K) → 最も近いのは0.7
No.7日照・日射・照明(可照時間・設計用全天空照度・天空日射量・反射グレア・演色評価数)
日照・日射・照明に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1可照時間は、天候や障害物の影響を受けない。2設計用全天空照度は、「快晴の青空」より「薄曇り」のほうが小さな値となる。3天空日射量は、一般に、大気透過率が高くなるほど減少する。4反射グレアは、視対象そのものや視対象の方向のショーウィンドウなどに、輝度の高い部分が正反射して生じるグレアである。5人工光源の演色性を表す演色評価数は、その数値が大きくなるほど、色の見え方に関する光源の特性が自然光に近くなる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.7
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可照時間は、日の出から日の入りまでの時間で、天候や周りの建物などには左右されない(実際に日が照った時間は日照時間)。
設計用全天空照度は、雲が日光を散らして空全体が明るくなる薄曇りのほうが大きい。日本建築学会の値では、快晴の青空が10,000lx、薄曇り(特に明るい日)が50,000lx。
大気透過率が高い(空気が澄んでいる)ほど、日射は散らされずに地表に届くので、直達日射量は増え、天空日射量は減る。
反射グレアは、見ようとするものや、その方向にあるショーウィンドウのガラスなどに、明るい光源などが正反射して起こるまぶしさ。
演色評価数は、基準の光で見たときと比べた色の見え方のずれを表す数値で、最大は100。大きいほど、自然光(基準の光)に近い色の見え方になる。
No.8色彩(プルキンエ現象・マンセル表色系・同化現象・補色)
色彩に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1明所視において同じ比視感度の青と赤であっても、暗所視では青より赤のほうが明るく見える。2マンセル色立体における彩度は、中心軸から半径方向に配置され、中心軸から遠ざかるにつれて彩度が高くなる。3マンセル表色系における明度は、完全な白を10、完全な黒を0として表す。4他の色に囲まれた色が周囲の色に近づいて見えることを、色の同化現象という。5混色によって無彩色を作ることができる二つの色は、相互に補色の関係にある。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.8
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暗い所では、目の感度が短い波長(青のほう)に寄るので、明るい所で同じ明るさに見える青と赤でも、暗い所では青のほうが明るく見える(プルキンエ現象)。
マンセル色立体では、明度が中心軸(縦)、色相が軸の周り、彩度は中心軸からの距離で表され、軸から遠いほど彩度が高い。
マンセル表色系の明度は、理想的な白を10、理想的な黒を0として表す。
囲まれた色が周りの色に近づいて見えるのが同化現象。反対に、違いが強調されて見えるのは対比現象。
混ぜると無彩色(灰色)になる2つの色の関係を補色という。
No.9音(音の大きさ・エコー・音速・カクテルパーティ効果・サウンドスケープ)
音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1同じ音圧レベルでも、音の大きさの感覚量は周波数によって異なる。2直接音と反射音の行路差が17 m以上になると、エコー(反響)が生じる可能性がある。3空気中の音速は、気温にかかわらず、340 m/sである。4複数の音が同時に存在するような騒がしい場面でも、着目する音のみを選択的に聞き取ることができる心理的効果を、カクテルパーティ効果という。5環境音に付随する音の意味性や審美性、機能性に焦点を当て、景観の中に存在する音を含めた「音の風景」としての捉え方を、サウンドスケープという。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.9
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人の耳の感度は周波数によって違うので、同じ音圧レベルでも、周波数が違うと音の大きさの感じ方は変わる(等ラウドネス曲線)。
直接音と反射音の到達の時間差が約1/20秒(0.05秒)以上になると、エコーとして聞こえやすい。音速約340m/s×0.05秒≒17m。
空気中の音速は気温によって変わり、およそ331.5+0.6t(m/s)(t=気温〔℃〕)。気温が15℃なら約340m/sになるが、「気温にかかわらず」一定ではない。
騒がしい中でも聞きたい音だけを聞き取れる心理的な効果を、カクテルパーティ効果という。
景観の一部として音をとらえる「音の風景」の考え方を、サウンドスケープという。
No.10環境評価・地球環境(CASBEE・PMVとPPD・LCCO₂・カーボンニュートラル・ヒートアイランド)
環境評価・地球環境等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1CASBEE(建築環境総合性能評価システム)は、環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価するシステムである。2PMV(予測平均温冷感申告)は、温熱環境6要素から求められ、PMVの値が0であれば、PPD(予測不満足者率)も0%となる。3建築物のLCCO2(ライフサイクルCO2)は、資材生産から施工・運用・解体除却までの全過程の二酸化炭素排出量を推定して算出する。4カーボンニュートラルは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から、植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることである。5ヒートアイランド現象は、人工排熱、地表面の人工被覆、及び都市密度の高度化などの人間活動が原因で都市の気温が周囲より高くなる現象である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.10
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CASBEEは、建物の環境品質(室内環境・サービス性能・敷地内の室外環境)と、環境負荷の両面から、建物を総合的に評価する仕組み。
PMVは、温熱環境の6要素(気温・湿度・気流・放射〔周りの表面の温度〕・代謝量〔活動の量〕・着衣量)から求める。PMVが0(暑くも寒くもない)でも、感じ方には個人差があるので、PPDは最小で5%になり、0%にはならない。
LCCO₂は、資材の製造から、建設・運用・解体まで、建物の一生を通した二酸化炭素の排出量。
カーボンニュートラルは、温室効果ガスの排出量から、森林などによる吸収量を差し引いて、実質ゼロにすること。
ヒートアイランド現象は、人工の排熱、地表面の舗装や建物、都市の密度の高まりなどで、都市の気温が周りより高くなる現象。
🏫 各種建築物の計画(No.11〜No.18)
No.11住宅の計画(パントリー・車椅子の廊下・パッシブデザイン・ダイニングの広さ・江戸間)
住宅の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1調理などの作業効率を高めるために、パントリーをキッチンに隣接させた。2車椅子使用者が利用する直線の廊下は、有効幅を1,000 mmとし、段差がない計画とした。3省エネルギーに配慮した計画において、建築的な工夫によって、自然の熱、風及び光を積極的に活用して、暖房効果や冷却効果、照明効果等を得るアクティブデザインの設計手法を取り入れた。4食器棚(幅1,800 mm、奥行450 mm)と6人掛けの食卓(椅子式)があるダイニングの広さを、内法面積で13㎡とした。5和室を江戸間(田舎間)とするに当たり、柱心間の寸法を、基準寸法(910 mm)の整数倍とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.11
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パントリー(食品などの収納庫)をキッチンの隣に置くと、出し入れの動きが短くなり、作業しやすい。
有効幅1,000mmで段差のない直線の廊下は、車椅子で通りやすい。
庇・断熱・通風・採光など、建物のつくりの工夫で自然の熱・風・光を活かす手法はパッシブデザイン。アクティブデザインは、空調機や太陽光発電などの設備機器を使って環境を整える手法。
6人掛けの食卓(椅子式)と食器棚を置くダイニングとして、内法面積13㎡は十分な広さ。
江戸間(田舎間)は、柱の中心間の寸法を基準寸法(910mm)の整数倍で割り付ける「心々制」。畳の大きさを基準に割り付けるのは京間。
No.12集合住宅の計画(フライングコリドー・テラスハウス・コーポラティブハウス・重量床衝撃音・L+DK型)
集合住宅の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1フライングコリドーは、プライバシーに配慮し、片廊下型などの共用廊下を住戸から離して設けたものである。2テラスハウスは、共用の中庭を中心に、それを囲んで配置される形式の集合住宅である。3コーポラティブハウスは、入居希望者が集まり、企画・設計から入居・管理までを共同運営していく方式の集合住宅である。4子どもの飛び跳ねなどによって生じる重量床衝撃音が下階に伝わることを防ぐ対策として、床スラブを厚くすることが有効である。5L+DK型は、リビングの独立性を保ちやすく、食事の準備や片付けなど家事労働の効率化を図ることができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.12
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フライングコリドーは、共用廊下を住戸から離して設け、ブリッジで住戸に渡る形式。廊下側の窓のプライバシーを守りやすい。
テラスハウスは、各住戸が専用の庭をもつ、低層の連続住宅。共用の中庭を囲んで住戸を配置する形式の説明ではない(共用の庭をもつ連続住宅は、一般にタウンハウスと呼ばれる)。
コーポラティブハウスは、入居を希望する人が集まって組合をつくり、企画・設計から入居・管理までを共同で進める方式。
子どもの飛び跳ねなどによる重量床衝撃音には、床スラブを厚くする(重く、かたくする)ことが有効。
L+DK型は、居間(L)を独立させ、食事室と台所(DK)をひとつにした型。居間が落ち着き、食事の準備や片付けもしやすい。
No.13オフィスビルの計画(階高・BCP・ABW・パーティションの高さ・センターコア)
オフィスビルの計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1基準階の階高は、天井高、天井ふところ寸法及び二重床の高さを考慮する。2BCP(Business Continuity Plan)は、企業が自然災害、大火災等の緊急事態に遭遇した場合において、早期復旧を可能とするために、あらかじめ事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画である。3ABW(Activity Based Working)は、オフィス内だけでなく、カフェやコワーキングスペースなど、業務活動に合わせて最適な時間と場所を働き手が主体的に選択する働き方であり、オフィス内においては多様な執務空間が求められる。4執務室において、人が椅子に座ったときに視界を遮り、立ったときに全体を見通すことができるパーティションの高さは、120 cm程度である。5基準階の平面プランにおけるセンターコアタイプは、コア部分に、外光・眺望・外気を取入れやすい計画である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.13
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基準階の階高は、天井高、天井ふところ(設備のための空間)、二重床(OAフロア)の高さなどを考えて決める。
BCP(事業継続計画)は、災害などのときに大切な業務を続け、早く元に戻すための方法や手段を前もって決めておく計画。
ABWは、業務の内容に合わせて、働く人が場所と時間を自分で選ぶ働き方。オフィス内にも集中・打合せなど多様な場所が求められる。
座ると視線がさえぎられ、立つと全体を見通せるパーティションの高さは、120cm程度。
センターコアは、平面の中央にコア(階段・エレベーター・便所・設備など)をまとめる形式。外光・眺望・外気を取り入れやすいのは、外周にある執務室で、中央のコアではない。
No.14教育施設・図書館の計画(多目的スペース・メディアセンター・明度対比・ブラウジングコーナー)
教育施設の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1小学校において、多様化する学習形態に合せたワークスペースとして、多目的スペースを普通教室に隣接して設けた。2中学校において、図書室・視聴覚室・コンピューター室の機能を統合したメディアセンターを計画した。3中学校の教室において、「黒板や掲示板」と「その周辺の壁」との明度対比が大きくなり過ぎないように、色彩調整を行った。4地域図書館において、新聞や雑誌などを気軽に読む空間として、レファレンスコーナーを設けた。5地域図書館において、一般閲覧室と児童閲覧室とは分けて配置し、貸出しカウンターは共用とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.14
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普通教室の隣の多目的スペースは、少人数の学習やグループ学習など、いろいろな学習のしかたに使える。
図書室・視聴覚室・コンピューター室の機能をまとめたメディアセンターは、調べ学習などの拠点になる。
黒板・掲示板と周りの壁の明度の差が大きすぎると、目が疲れやすく見えにくい。色彩を調整して差を抑える。
新聞や雑誌を気軽に読むコーナーはブラウジングコーナー。レファレンスコーナーは、利用者の調べもの(資料探し)の相談に職員が応じる場所。
一般閲覧室と児童閲覧室は、使い方や声の大きさが違うので分けて配置し、貸出しカウンターは両方から使いやすい位置に共用で設ける。
No.15公共建築等の計画(保育所・自走式駐車場の斜路・プロセニアムステージ・シューボックス型)
公共建築等の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1保育所において、定員10人のほふく室の床面積を40㎡とした。2保育所において、乳児と幼児の生活パターンの違いに配慮し、「乳児室・ほふく室」と「保育室」とはエリアを分けて計画した。3自走式の屋内駐車場において、自動車用の斜路の本勾配を1/8とし、平坦部と斜路との連結部分に緩和勾配を設ける計画とした。4劇場において、ステージと客席との空間を分ける、プロセニアムステージ形式を採用した。5コンサートホールにおいて、演奏者と聴衆との一体感を生み出すことを意図して、ステージを客席が取り囲むシューボックス型を採用した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.15
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ほふく室の面積は、乳児又は満2歳に満たない幼児1人につき3.3㎡以上(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第32条第三号)。10人×3.3㎡=33㎡なので、40㎡は満たしている。
乳児と幼児では、睡眠や食事などの生活の流れが違うので、乳児室・ほふく室と保育室のエリアを分けて計画する。
1/8=12.5%。駐車場法施行令第8条第三号ハでは、建築物である路外駐車場の車路の傾斜部の縦断勾配を17%以下としていて、1/8はこれより緩い。平坦部とのつなぎ目に緩和勾配を設けると、車の底がこすれにくい。
プロセニアムステージは、舞台と客席を額縁のような開口(プロセニアムアーチ)で分ける形式。
シューボックス型は、靴箱のような直方体のホールで、ステージは一方の端にある。ステージを客席が取り囲む形式は、ヴィンヤード型(アリーナ型)。
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第32条第三号(ほふく室の面積)、駐車場法施行令 第8条第三号ハ(車路の傾斜部の縦断勾配)
No.16各部寸法(ワークトライアングル・傾斜路の踊場・車椅子のすれ違い・棚の高さ・パニックバー)
建築計画における各部寸法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1キッチンの機器の配置において、L字型とする場合に、シンク、コンロ、冷蔵庫の各前面の中心を結ぶ動線によってできる三角形の3辺の和が、4 m程度となるようにした。2車椅子使用者が利用する屋内傾斜路において、高さ900 mmごとに踊場を設けた。3屋内の通路において、車椅子使用者同士がすれ違うことができるように、通路幅を2,100 mm、曲がり角の出隅壁の面取りを450 mmとした。4車椅子使用者が日常的に使用する収納スペースの最上段の棚板の高さを、床面から1,200 mmとした。5物販店舗の非常用外開き戸において、パニックバーの取付け高さを、床面から1,000 mmとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.16
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シンク・コンロ・冷蔵庫を結ぶ三角形(ワークトライアングル)は、長すぎると移動が増え、短すぎると作業の場所が狭くなる。3辺の和4m程度は、使いやすい範囲。
車椅子使用者が使う傾斜路は、高さ75cm以内ごとに、踏幅150cm以上の踊場を設ける(バリアフリー法施行令第19条第2項第四号ハ、誘導基準省令第6条第三号)。高さ900mmごとでは間隔が長すぎる。
車椅子同士がすれ違うには、幅180cm以上が目安(誘導基準省令第3条第一号は、多数の者が利用する廊下等の幅を180cm以上としている)。2,100mmは満たしている。曲がり角の出隅を面取りすると、車椅子で曲がりやすく見通しもよい。
車椅子に座ったまま手が届く高さは限られるので、日常的に使う棚の最上段を床から1,200mmにすると、座ったまま使いやすい。
パニックバーは、押すだけで開けられる非常口の金物。床から1,000mmは、手や体で押しやすい高さ。
バリアフリー法施行令 第19条第2項第四号ロ・ハ(傾斜路の勾配・踊場)、誘導基準省令 第3条第一号(廊下等の幅)・第6条第三号(傾斜路の踊場)
No.17高齢者・障がい者に配慮した住宅の改修(駐車スペース・上吊り引戸・フラッシュライト・キックプレート・コンセント)
高齢者や身体障がい者に配慮した一戸建て住宅の改修計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1駐車場において、駐車スペースの幅は、車椅子使用者の乗降を考慮して、350 cmとした。2側壁のあるトイレの外開き戸を、床にレールのないソフトクローザー付きの上吊り式引戸に替えた。3聴覚障がい者に配慮して、玄関チャイムと連動したフラッシュライトを設置した。4屋内の廊下において、キックプレートと兼用した幅木の高さは、車椅子使用者に配慮して、床面から25 cmとした。5居室において、壁付コンセントの中心高さは、車椅子使用者に配慮して、床面から40 cmとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.17
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車椅子使用者が乗り降りするには、車の横に車椅子を置く幅が必要。バリアフリー法施行令第18条第2項第一号では、車椅子使用者用駐車施設の幅を350cm以上としていて、住宅でも同じ考え方で350cmとする。
外開き戸は、開け閉めのときに体を大きく動かす必要がある。上吊り式の引戸なら床にレールの段差がなく、ソフトクローザーで閉まる速さもゆるやかになる。
耳の不自由な人には、玄関チャイムの音を光で知らせるフラッシュライトが有効。
キックプレートを兼ねた幅木は、車椅子のフットサポート(足をのせる所)が壁に当たる高さまで覆う必要がある。床から25cmでは低く、35cm程度とする。
コンセントの高さを床から40cmと高めにすると、車椅子使用者や高齢者が深くかがまずに抜き差しできる。
バリアフリー法施行令 第18条第2項第一号(車椅子使用者用駐車施設の幅=不特定多数の人が使う駐車場の基準。住宅でも参考になる)
No.18防犯環境設計(CPTED)の考え方
一戸建て住宅の計画におけるCPTED(防犯環境設計)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1近隣との良好なコミュニティ形成のために、住宅の維持管理や花・植木等の手入れがしやすい計画とした。2物置は、住宅への侵入の足場とならない位置に計画した。3バルコニーは、敷地付近の電柱、雨水のたて樋、高さのある庭木などから離した位置に計画した。4庭へ出入りすることができる掃出し窓に、防犯建物部品等のサッシ及びガラスを使用する計画とした。5駐車・駐輪スペースは、車、自転車、オートバイの盗難などを防止するために、道路・居室の窓等から見えにくい位置に計画した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.18
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手入れの行き届いた住まいは、住む人の目が行き届いていることを示し(領域性の強化)、近所とのよい関係も防犯に役立つ。
物置などが2階へよじ登る足場にならない位置にする(接近の制御)。
電柱・たて樋・高い庭木は、バルコニーへよじ登る手がかりになるので離す(接近の制御)。
侵入されやすい掃出し窓に、防犯性能の試験に合格した防犯建物部品(CPマーク付き)を使う(対象物の強化)。
駐車・駐輪スペースは、道路や居室の窓から見えやすい位置にする(自然監視性の確保)。見えにくい場所は、盗難やいたずらに狙われやすい。
🔧 建築設備(No.19〜No.25)
No.19建築設備の用語(力率・VAV方式・特殊継手排水システム・吐水口空間・光天井照明)
建築設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1力率は、交流回路に電力を供給する際における「皮相電力」を、「有効電力」で除したものである。2VAV方式は、変風量方式のことであり、空調対象室の熱負荷の変動に応じて、給気量を変動させる空調方式である。3特殊継手排水システムは、排水立て管の排水の流下速度を減速させ、管内圧力を小さく抑える工夫をした伸頂通気システムの一種である。4吐水口空間は、給水栓の吐水口最下端からその水受け容器のあふれ縁の上端までの垂直距離のことである。5光天井照明は、天井全面を拡散透過性をもつ材料で覆い、その上部に光源を配置した照明方式である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.19
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力率=有効電力÷皮相電力。有効電力は実際に仕事をする電力、皮相電力は電圧×電流。記述は分子と分母が逆。力率は1以下で、1に近いほど電力を有効に使えている。
VAV方式(変風量方式)は、各室の熱負荷の変化に応じて、吹き出す空気の量を変える方式。
特殊継手排水システムは、継手の工夫で排水の流れる速さを抑え、管内の圧力の変動を小さくした伸頂通気方式の一種。
吐水口空間は、給水栓の吐水口の最下端から、水受け容器のあふれ縁の上端までの垂直距離。使った水が給水管へ逆流するのを防ぐために設ける。
光天井照明は、天井全体を光を拡散して通す材料で覆い、その上に光源を置く照明方式。
No.20空気調和設備(ダクト・自然冷媒・ふく流型吹出し口・配管の膨張・低温送風)
空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1空調・換気用のダクトの主材料には、一般に、亜鉛めっき鋼板やステンレス鋼板などが用いられている。2冷凍機の自然冷媒には、アンモニアや二酸化炭素などが用いられている。3吹出し口のふく流型は、軸流型と比較して気流の広がり角が小さく、到達距離が長くなる。4密閉回路の冷温水配管系において、一般に、冷水より温水の供給時のほうが配管内の水の膨張量が多くなる。510~12℃程度の冷風を利用した低温送風空調方式は、送風搬送動力の低減が可能であり、空調機やダクトサイズを小さくすることができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.20
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ダクトの材料は、一般に亜鉛めっき鋼板。湿気の多い所の排気などには、ステンレス鋼板なども使われる。
自然冷媒(アンモニア・二酸化炭素など)は、もともと自然にある物質の冷媒で、フロン類に比べて地球環境への影響が小さい。
ふく流型(アネモ型など)は、空気を放射状に広く吹き出すので、軸流型(ノズル型など)より広がり角が大きく、到達距離は短い。
水は温度が高くなるほど体積が大きくなるので、冷水より温水の供給時のほうが膨張量が多い(膨張タンクで吸収する)。
低温送風空調方式は、吹出し温度を下げて送る空気の量を減らすので、送風の動力を小さくでき、空調機やダクトも小さくできる。
No.21給排水衛生設備①(直結直圧方式・中水・サーモスタット混合水栓・排水立て管・FF式給湯機)
給排水衛生設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1水道直結直圧方式は、水道本管の水圧のみで建築物内の必要箇所に給水する方式である。2便器の洗浄水に中水を利用する場合、温水洗浄便座の給水には、別途、上水を用いる。3サーモスタット湯水混合水栓は、あらかじめ温度調整ハンドルで設定した温度で吐水するので、火傷の心配が少ない水栓である。4自然流下式の排水立て管の管径は、一般に、上層階より下層階のほうを大きくする。5FF式給湯機を用いる場合は、燃焼のための換気設備を別に設ける必要はない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.21
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水道直結直圧方式は、受水槽やポンプを使わず、水道本管の水圧だけで給水する方式。
中水(雑用水)は飲用に適さないので、体に触れる温水洗浄便座には、別に上水を使う。
サーモスタット湯水混合水栓は、設定した温度で湯を出すので、急に熱い湯が出る心配が少ない。
自然流下式の排水立て管は、いちばん下の部分(排水の量が最も多い所)に合わせた管径で、上層階から下層階まで同じ管径にするのが一般的。下層階だけを太くするのではない。
FF式(強制給排気式)は、燃焼の空気を屋外から取り入れ、排ガスを屋外に出す密閉式の器具なので、その室に燃焼のための換気設備を別に設ける必要はない(建築基準法施行令第20条の3第1項第一号)。
建築基準法施行令 第20条の3第1項第一号(密閉式燃焼器具等だけを設けた室は換気設備がいらない)
No.22給排水衛生設備②(節水形便器・ガス給湯機の号数・バキュームブレーカー・水優先吐水機構)
給排水衛生設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1JISにおいて、洗浄水量6.5 L以下の大便器は節水形とされている。2JISにおいて、洗浄水量4.0 L以下の小便器は節水形とされている。3ガス瞬間式給湯機の20号は、1分間で20 Lの水を20℃上昇させる能力を有することを示している。4バキュームブレーカーは、吐水した水又は使用した水が、逆サイホン作用により給水管に逆流することを防止するために設ける。5シングルレバー式混合水栓における水優先吐水機構は、湯の使用量を削減するために、レバーハンドルが中央位置でも湯を吐出しないものなどをいう。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.22
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JIS A 5207では、洗浄水量6.5L以下の大便器を節水形(節水Ⅱ形)としている。
JIS A 5207では、洗浄水量4.0L以下の小便器を節水形としている。
ガス瞬間式給湯機の号数は、水温を25℃上げた湯を1分間に出せる量(L)。20号は、1分間に20Lの水を25℃上昇させる能力を表す。
バキュームブレーカーは、給水管の中が負圧になったときに空気を入れて、使った水が給水管へ逆流する(逆サイホン作用)のを防ぐ。
水優先吐水機構は、レバーを中央にしたときに水だけが出るようにして、知らないうちに湯(給湯機)を使うのを減らす仕組み。
JIS A 5207(衛生器具-便器・洗面器類)
No.23電気設備(接地工事の種類・許容電流・分波器・ケーブルラック・合成樹脂管の曲げ半径)
電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1400 Vの低圧用電動機には、D種接地工事を行う。2配線の許容電流値は、主に周囲温度、電線離隔距離により変化する。3テレビ共同受信設備における分波器は、混合された異なる周波数帯域信号を選別して取り出すための機器である。4低圧屋内配線におけるケーブルラックには、一般に、絶縁電線を直接敷設してはならない。5合成樹脂管を曲げる場合は、原則として、曲げ半径を配管の内側で管内径の6倍以上とし、断面が著しく変形しないように施工する。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.23
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電気機械器具の金属製の外箱などの接地は、使用電圧が300V以下の低圧ならD種、300Vを超える低圧ならC種(電気設備の技術基準の解釈 第29条)。400Vの電動機はC種接地工事。
電線の許容電流は、周囲の温度が高いほど、また電線どうしが近くて熱がこもるほど小さくなる。
分波器は、混ざって送られてくる異なる周波数帯の信号(地上デジタル・衛星放送など)を分けて取り出す機器。
ケーブルラックに敷設するのは、外装で保護されたケーブル。外装のない絶縁電線は、管などに収めて保護する。
合成樹脂管の曲げ半径(内側の半径)は、管内径の6倍以上とする(公共建築工事標準仕様書〔電気設備工事編〕)。
電気設備の技術基準の解釈 第29条(29-1表)、公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)令和7年版 第2編2.3.3・2.4.3(管の曲げ半径)
No.24消防用設備等(水噴霧消火設備・屋内消火栓・住宅用消火器・非常ベル・定温式感知器)
消防用設備等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1水噴霧消火設備は、油火災の消火に適している。2屋内消火栓設備は、屋内に設置された消火栓箱の中に収納されたホース、ノズルなどを引き出して消火にあたる設備である。3住宅用消火器は、蓄圧式で再充塡ができる。4非常警報設備の非常ベルは、音響装置の中心から1 m離れた位置で90 dB以上の音圧が必要である。5自動火災報知設備の定温式感知器は、周囲温度が一定の温度以上になったときに作動する。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.24
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水噴霧消火設備は、細かい霧状の水で冷やし、できた水蒸気で空気を遮るので、油火災の消火にも使える。
屋内消火栓設備は、消火栓箱に収めたホースやノズルを引き出して、人が放水して消火する設備。
住宅用消火器は、蓄圧式で、かつ消火剤を再充てんできない構造でなければならない(消火器の技術上の規格を定める省令 第39条)。使ったら交換する。
非常ベルの音圧は、音響装置の中心から1m離れた位置で90dB以上(非常警報設備の基準 第三第三号(二))。
定温式感知器は、周りの温度が一定の温度以上になると作動する。温度の上がり方で作動するのは差動式。
消火器の技術上の規格を定める省令 第39条(住宅用消火器)、非常警報設備の基準(昭和48年消防庁告示第6号)第三第三号(二)(非常ベルの音圧)
No.25省エネルギー(分電盤の位置・ルーバー・人感センサ・配電電圧・COP)
省エネルギー等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1分電盤の二次側配線距離が長くなると、電圧降下のため配線サイズを太くする必要があるので、分電盤は電力負荷の中心に配置することが望ましい。2夏期の冷房時において、南面よりも東西面の窓に水平ルーバーを設けるほうが、窓面からの日射負荷の低減に有効である。3照明設備における人感センサによる制御は、人の動きを熱線センサにより感知し、トイレなどでは必要時だけ点灯するので、省エネルギー効果を期待できる。4電気設備において、配電電圧が高いほうが、配電線路における電力損失が少ない。5空気熱源マルチパッケージ型空調機は、COP(成績係数)の大きい機器を採用すると省エネルギー効果を期待できる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.25
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分電盤から負荷までの配線が長いと電圧降下が大きくなり、太い電線が必要になる。分電盤を負荷の中心に置くと配線が短くなる。
夏の南面は太陽の高度が高いので、水平ルーバー(庇)で日射を遮りやすい。東西面は朝夕の低い角度から日射が入るので、水平ルーバーでは遮りにくく、縦ルーバーのほうが有効。
人感センサで人がいるときだけ点灯させると、消し忘れがなくなり省エネルギーになる。
同じ電力を送るなら、電圧が高いほど電流が小さくなり、配線での電力損失(電流の2乗×抵抗)が少なくなる。
COP(成績係数)=冷暖房の能力÷消費電力。COPが大きい機器ほど効率がよく、省エネルギーになる。
令和8年の合格基準点(学科の試験)
配点は各問題1点(各科目25点・合計100点)で、各科目の基準点と総得点の基準点のすべてに達した人が合格です。
| 学科Ⅰ 計画 | 学科Ⅱ 法規 | 学科Ⅲ 構造 | 学科Ⅳ 施工 | 総得点 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 合格基準点 | 14点※ | 13点 | 13点 | 13点 | 60点 |
※ 令和8年は、学科Ⅰ(建築計画)の平均点が例年に比べて著しく高く、試験問題の難易度の差によると認められたため、学科Ⅰの基準点が13点から14点に補正されました。
出典:建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験『学科の試験』の合格基準点等について」
令和8年の計画の基準点は14点(原則の13点から補正)でした。計画は法令集を使えない科目で、建築史・環境工学・各種建築物の計画・建築設備と範囲が広いので、毎年ほぼ同じ順番で出る分野ごとに、過去問で正誤の理由まで説明できるようにしておくと安心です。
ほかの年度・ほかの科目の過去問
この記事の問題文は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和8年 二級建築士試験(学科の試験)の問題から、著作権法第32条の引用として掲載しています。著作権は同センターにあります。
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