全30問の解答・解説
平成30年(2018年7月22日実施)の一級建築士試験 学科Ⅲ(建築法規)全30問を、選択肢ごとに根拠の条文を示して解説します。法令の基準日は平成30年1月1日で、2018年9月・2019年6月の改正(接道の特例・防火規定の見直し:法第27条・第61条など)、2024年4月・2025年4月の改正(特定主要構造部・確認の対象の見直し・木造の壁量基準など)より前の条文で出題されています。その後の改正で条文が変わった所には注記を付けました。まず法令集を引きながら自分で解き、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

平成30年 一級建築士試験(学科)の概要
問題文は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)の試験問題(PDF)から、解説に必要な範囲で引用しています(各問の枠の右下に出典)。正答は、同センターの合格基準点等(正答肢)と全問を照らし合わせています。
解説は、出題当時(平成30年1月1日時点)の法令によります。その後の改正で答えが変わる問題には「🔶 現在の法令では」、条文の番号や言い方だけが変わった問題には「ℹ️ その後の改正」の枠を付けています。
分野ごとの問題一覧と正答一覧
法規の30問は、毎年おおむね同じ順番で、分野ごとに出題されます。解きたい問題を押すと、その問題へ移動します。
=その後の改正で、今の法令では答えが変わる問題
▼ 正答一覧(No.1〜No.30)を開く ※答えが表示されます
| No. | 内容 | 問題の形 | 正答 | 改正 |
|---|---|---|---|---|
| No.1 | 用語(高架の工作物内の店舗・複数の避難階・遮炎性能・建築材料の品質とバルコニー) | 誤っているもの | 3 | |
| No.2 | 面積・高さ・階数(エレベーターの昇降路と容積率・北側高さ制限と階段室・日影規制の平均地盤面・物置のある塔屋) | 誤っているもの | 2 | ℹ️ |
| No.3 | 都市計画区域内で確認済証が不要な行為(100㎡の屋外観覧場・エレベーターの設置・200㎡の平家の事務所の屋根の修繕・共同住宅から寄宿舎への用途変更) | 確認済証の交付を受ける必要がないもの | 3 | ℹ️ |
| No.4 | 手続きなど(照明カバーの取替えと安全計画・準住居地域の卸売市場・自動車車庫の定期調査報告・用途変更の工事完了届) | 誤っているもの | 1 | |
| No.5 | 一般構造(縁側のある開口部の採光補正係数・集会場の居室の換気設備・物品販売店舗の階段の踊場・居室の天井の高さ) | 誤っているもの | 2 | |
| No.6 | 防火区画(昇降機の昇降路の竪穴区画・物品販売店舗と事務所の異種用途区画・3階建ての住宅の吹抜き・有料老人ホームの間仕切壁) | 誤っているもの | 3 | ℹ️ |
| No.7 | 特殊建築物の内装の制限(地階の飲食店・耐火建築物の2階建ての物品販売店舗・3階建ての図書館・2階建ての劇場の客席) | 適合しないもの | 1 | ℹ️ |
| No.8 | 避難施設(3階建ての共同住宅の直通階段・6階の事務室と避難上有効なバルコニー・物品販売店舗の避難階段・20階建ての共同住宅と特別避難階段) | 誤っているもの | 2 | ℹ️ |
| No.9 | 防火・避難(展示場の歩行距離・病院の排煙設備・スポーツの練習場の非常用の照明装置・物品販売店舗の避難階段の幅) | 誤っているもの | 4 | ℹ️ |
| No.10 | 建築設備(エレベーターの床先の距離・エスカレーターの勾配と踏段の幅・共同住宅の住戸の排煙設備・自然換気設備の給気口) | 誤っているもの | 4 | ℹ️ |
| No.11 | 荷重及び外力(荷重の種類・屋根の勾配と積雪荷重・教室の柱の積載荷重の低減・風圧力の速度圧の低減) | 誤っているもの | 3 | |
| No.12 | 構造強度(土砂災害特別警戒区域の外壁・摩損のおそれのある部分・SRC造の鉄骨のかぶり厚さ・コンクリートの養生) | 誤っているもの | 1 | |
| No.13 | 木造の軸組の長さ(2階建ての1階・桁行方向・軽い屋根・図) | 計算・図 | 2 | 🔶 |
| No.14 | 道路(学校の渡り廊下・計画道路と高さ制限の前面道路・工事現場の仮設事務所と接道・農道に接する敷地) | 誤っているもの | 3 | ℹ️ |
| No.15 | 用途の制限(第二種低層住居専用地域の650㎡の老人福祉センター・第一種住居地域の3,000㎡のホテル・近隣商業地域の映画館・工業専用地域の保育所) | 誤っているもの | 2 | ℹ️ |
| No.16 | 建蔽率と容積率の最高限度(商業地域・防火地域と準住居地域・準防火地域・角地・耐火建築物・特定道路・図) | 計算・図 | 4 | ℹ️ |
| No.17 | 建築物の高さの最高限度(第二種中高層住居専用地域・北側の隣地が1.2m高い・前面道路が2つ・図) | 計算・図 | 2 | |
| No.18 | 防火地域・準防火地域の建築物(A〜Dの4棟・テレビスタジオ・図) | 誤っているもの | 4 | ℹ️ |
| No.19 | 病院(2つの用途地域にわたる敷地・準防火地域の2階建ての病院・患者用の廊下の幅・談話室の採光) | 誤っているもの | 2 | ℹ️ |
| No.20 | 地区計画等・建築協定(建築主事を置かない市町村の条例・再開発等促進区と容積率・門と塀の意匠・建築協定区域隣接地の土地の所有者等の合意) | 誤っているもの | 4 | |
| No.21 | 建築士(他の建築士の設計図書の変更・構造設計一級建築士への確認・構造設計図書との照合の工事監理・定期講習を受けたことがない一級建築士) | 誤っているもの | 4 | |
| No.22 | 建築士事務所(管理建築士の要件・管理建築士の変更の届出・管理建築士が総括する技術的事項・都道府県知事の報告と立入検査) | 誤っているもの | 1 | |
| No.23 | 建築士の免許と建築士事務所の処分(二級建築士の免許の取消しと一級建築士の免許・禁錮以上の刑と免許の取消し・所属建築士の懲戒と登録の取消し・建築士でない者の設計) | 誤っているもの | 2 | ℹ️ |
| No.24 | 都市計画法(図書館の開発行為・市街化調整区域の仮設建築物・都市計画施設の区域内の鉄骨造の改築・地区計画の区域内の用途の変更の届出) | 誤っているもの | 1 | |
| No.25 | 消防法(準耐火構造の共同住宅の屋内消火栓設備・事務所の3階の自動火災報知設備・2の直通階段のある工場の避難器具・ホテルの連結送水管) | 誤っているもの | 3 | ℹ️ |
| No.26 | バリアフリー法(倉庫から物品販売店舗への用途変更・自動車教習所・既存建築物の車椅子用エレベーター・案内所と案内板) | 誤っているもの | 1 | ℹ️ |
| No.27 | 関係法令(景観地区の認定・緑化地域の緑化率・土砂災害特別警戒区域の店舗の開発行為・特定既存耐震不適格建築物) | 誤っているもの | 3 | |
| No.28 | 木造の建築物(軒の高さ10mの平家の体育館の構造計算・1,800㎡の図書館の防火壁・旅館の消火器具の減少・高さ14mの共同住宅の工事監理) | 誤っているもの | 4 | 🔶 |
| No.29 | 建築基準法・建築士法(構造設計一級建築士の定期講習・許容応力度等計算と構造計算適合性判定・報告をしない者の罰則・工事監理者を定めない建築主) | 誤っているもの | 4 | ℹ️ |
| No.30 | 関係法令(低炭素建築物の容積率の特例・低炭素建築物新築等計画と建築基準関係規定の審査・適合判定通知書の提出の時期・向上計画の認定と適合性判定) | 誤っているもの | 3 | ℹ️ |
🔶=その後の改正で答えが変わる問題 ℹ️=条文の番号や言い方が変わった問題(答えは同じ) 表は横にスクロールできます
📐 総則・手続き(No.1〜No.4)
No.1用語(高架の工作物内の店舗・複数の避難階・遮炎性能・建築材料の品質とバルコニー)
次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1高架の工作物内に設ける店舗は、「建築物」である。2傾斜地等で敷地に高低差のある場合は、建築物の避難階が複数となることがある。3「遮炎性能」とは、通常の火災時における火炎を有効に遮るために外壁に必要とされる性能をいう。4建築材料の品質における「安全上、防火上又は衛生上重要である建築物の部分」には、主要構造部以外のバルコニーで防火上重要であるものとして国土交通大臣が定めるものも含まれる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.1
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法第2条第一号より、建築物には、土地に定着する工作物のうち屋根及び柱若しくは壁を有するもののほか、地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設が含まれる。
令第13条第一号より、避難階とは直接地上へ通ずる出入口のある階をいう。傾斜地などで敷地に高低差がある場合は、直接地上へ通ずる出入口のある階が複数となり、避難階が複数となることがある。
法第2条第九号の二ロより、遮炎性能とは、通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。外壁に必要とされる性能ではない。
法第37条・令第144条の3第五号より、建築材料の品質の規定の対象となる「安全上、防火上又は衛生上重要である建築物の部分」には、主要構造部以外の間仕切壁、揚げ床、最下階の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段、バルコニーその他これらに類する部分で防火上重要であるものとして国土交通大臣が定めるものが含まれる。
選択肢3遮炎性能は「防火設備」に必要とされる性能(法第2条第九号の二ロ)。外壁に必要とされる性能(防火性能・準防火性能)と取り違えないこと。
法第2条第一号・第九号の二ロ、法第37条、令第13条第一号、令第144条の3第五号
No.2面積・高さ・階数(エレベーターの昇降路と容積率・北側高さ制限と階段室・日影規制の平均地盤面・物置のある塔屋)
面積、高さ又は階数に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1容積率を算定する場合、建築物のエレベーターの昇降路の部分の床面積は、容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入しない。2「北側高さ制限」において、建築物の屋上部分に設ける高さ4mの階段室の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の1/8である場合においては、その部分の高さは、当該建築物の高さに算入しない。3日影による中高層の建築物の高さの制限の緩和の規定において、建築物の敷地の平均地盤面が隣地(建築物があるもの)又はこれに連接する土地(建築物があるもの)で日影の生ずるものの地盤面より1m以上低い場合においては、その建築物の敷地の平均地盤面は、原則として、当該高低差から1mを減じたものの1/2だけ高い位置にあるものとみなす。4建築物の屋上部分で、水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の1/8の塔屋において、その一部に物置を設けたものは、当該建築物の階数に算入する。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.2
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法第52条第6項より、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積には、政令で定める昇降機の昇降路の部分又は共同住宅の共用の廊下若しくは階段の用に供する部分の床面積は、算入しない。
令第2条第1項第六号ロより、階段室、昇降機塔などの屋上部分で水平投影面積の合計が建築面積の1/8以内の場合に、その部分の高さを12mまでは算入しない特例は、法第33条及び法第56条第1項第三号(北側高さ制限)に規定する高さなどを算定する場合には使えない。北側高さ制限では、高さ4mの階段室も建築物の高さに算入する。
令第135条の12第1項第二号より、日影による中高層の建築物の高さの制限の緩和で、建築物の敷地の平均地盤面が隣地又はこれに連接する土地で日影の生ずるものの地盤面より1m以上低い場合は、その建築物の敷地の平均地盤面は、当該高低差から1mを減じたものの1/2だけ高い位置にあるものとみなす(特定行政庁が規則で別に定める場合を除く)。
令第2条第1項第八号より、階数に算入しないのは、昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これらに類する建築物の屋上部分などで、水平投影面積の合計が建築面積の1/8以下のもの。物置を設けた塔屋は昇降機塔などに類する部分ではないので、階数に算入する。
選択肢2屋上の階段室などを12mまで高さに算入しない特例は、北側高さ制限(法第56条第1項第三号)の高さには使えない(令第2条第1項第六号ロ)。
2018年9月25日施行の改正(基準日の後)で、日影による中高層の建築物の高さの制限の緩和(平均地盤面の高低差)は令第135条の12第3項第二号に移り、法第52条第6項には老人ホーム等の共用の廊下・階段も加わった(2023年4月1日施行の改正で号に分かれ、昇降機の昇降路の部分は今は同項第一号)。答えは変わらない。
法第52条第6項、法第56条第1項第三号、令第2条第1項第六号ロ・第八号、令第135条の12第1項第二号
No.3都市計画区域内で確認済証が不要な行為(100㎡の屋外観覧場・エレベーターの設置・200㎡の平家の事務所の屋根の修繕・共同住宅から寄宿舎への用途変更)
都市計画区域内における次の行為のうち、建築基準法上、確認済証の交付を受ける必要がないものはどれか。ただし、建築等に関する確認済証の交付を受ける必要がない区域の指定はないものとする。
1鉄骨造、延べ面積100㎡の、屋外観覧場の新築2鉄筋コンクリート造、延べ面積500㎡、地上3階建ての物品販売業を営む既存の店舗内における、エレベーター(認証型式部材等に該当するもの)の設置3鉄骨造、延べ面積200㎡、平家建ての事務所の、屋根の過半の修繕4木造、延べ面積300㎡、高さ8m、地上2階建ての共同住宅の、寄宿舎への用途の変更(大規模の修繕又は大規模の模様替を伴わないもの)出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.3
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屋外観覧場は特殊建築物(法別表第1(い)欄(1)項)だが、延べ面積100㎡は当時の法第6条第1項第一号(100㎡を超えるもの)に当たらず、第三号(木造以外で2以上の階数又は延べ面積200㎡超)にも当たらない。しかし、都市計画区域内の建築物は第四号の建築物として、新築には確認が必要。
鉄筋コンクリート造・地上3階建て・延べ面積500㎡の物品販売業を営む店舗は、法第6条第1項第一号・第三号の建築物。当時の法第87条の2・令第146条第1項第一号より、法第6条第1項第一号から第三号までの建築物にエレベーターを設ける場合は、建築設備について確認が必要(認証型式部材等に該当するものは審査が簡略になるが、確認が不要になるのではない)。
事務所は特殊建築物ではなく、鉄骨造・平家建て・延べ面積200㎡は、法第6条第1項第三号(木造以外の建築物で2以上の階数を有し、又は延べ面積が200㎡を超えるもの)に当たらない第四号の建築物。同項より、第四号の建築物は建築するときだけ確認が必要で、屋根の過半の修繕(大規模の修繕)には確認は要らない。
法第87条第1項より、用途を変更して法第6条第1項第一号の特殊建築物(寄宿舎(法別表第1(い)欄(2)項)で100㎡を超えるもの)とする場合は確認が必要。令第137条の18第五号の類似の用途は「下宿、寄宿舎」で、共同住宅は含まれないので、共同住宅から寄宿舎への用途の変更には確認が必要。
選択肢3木造以外の建築物で法第6条第1項第三号に当たるのは「2以上の階数又は延べ面積200㎡を超える」もの。鉄骨造・平家・200㎡は第四号で、大規模の修繕に確認は要らない。
選択肢1都市計画区域内の新築は、第四号の建築物でも確認が必要。
その後の改正で、法第6条第1項第一号の特殊建築物の規模は200㎡超(2019年6月25日施行)になり、建築設備の確認の準用は法第87条の4に繰り下がった(同日)。また、2025年4月1日施行の改正で法第6条第1項が組み替えられ、3の鉄骨造・平家建て・200㎡の事務所は今は第三号(都市計画区域内などの建築物)で、大規模の修繕に確認が要らないことは同じ。1の100㎡の屋外観覧場の新築、2のエレベーターの設置、4の300㎡の寄宿舎への用途の変更に確認が必要なことも同じで、答えは変わらない。
法第2条第五号・第十四号、法第6条第1項、法第87条第1項、法第87条の2、令第137条の18第五号、令第146条第1項第一号
No.4手続きなど(照明カバーの取替えと安全計画・準住居地域の卸売市場・自動車車庫の定期調査報告・用途変更の工事完了届)
次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1既存の地上5階建ての病院(5階における当該用途に供する部分の床面積の合計が2,000㎡のもの)に設けた非常用の照明装置に用いる照明カバーの取替えの工事の施工中に、当該建築物を使用する場合においては、当該建築主は、あらかじめ、工事の施工中における建築物の安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出なければならない。2都市計画区域内においては、延べ面積500㎡の卸売市場を準住居地域内に新築する場合には、都市計画においてその敷地の位置が決定していないものであっても、当該建築主は、特定行政庁の許可を受ける必要はない。3延べ面積1,000㎡、地上3階建ての、昇降機を設けていない自動車車庫の敷地、構造及び建築設備については、当該所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者)は、定期に、一級建築士等にその状況の調査をさせてその結果を特定行政庁に報告する必要はない。4鉄骨造、延べ面積300㎡、地上2階建ての飲食店を物品販売業を営む店舗とする用途の変更に係る確認済証の交付を受けた場合においては、当該建築主は、当該用途の変更に係る工事を完了したときは、建築主事に工事完了届を届け出なければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.4
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法第90条の3・令第147条の2第二号より、5階以上の階における病院の用途に供する部分の床面積の合計が1,500㎡を超える建築物で、新築の工事又は避難施設等に関する工事の施工中に建築物を使用する場合は、安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画を届け出なければならない。避難施設等に関する工事からは政令で定める軽易な工事が除かれ(法第7条の6第1項)、令第13条の2より、非常用の照明装置に用いる照明カバーの取替えの工事はこれに当たる。届け出る必要はない。
法第51条より、都市計画区域内では、卸売市場の用途に供する建築物は、都市計画においてその敷地の位置が決定しているものでなければ新築してはならないが、ただし書・令第130条の2の3第1項第一号より、第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域、第一種・第二種住居地域及び工業専用地域以外の区域内における卸売市場で、延べ面積の合計が500㎡以下のものは除かれる。準住居地域内の延べ面積500㎡の卸売市場は、特定行政庁の許可を受ける必要はない。
法第12条第1項より、定期調査報告が必要なのは、政令で定める建築物と、それ以外の特定建築物で特定行政庁が指定するもの。令第16条第1項は、劇場・病院・学校・百貨店など(法別表第1(い)欄(1)項から(4)項まで)の用途に供する建築物を定めていて、自動車車庫は含まれない。特定行政庁の指定がなければ、昇降機を設けていない自動車車庫について報告する必要はない。
飲食店と物品販売業を営む店舗は類似の用途(令第137条の18第八号は百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗)ではないので、延べ面積300㎡の物品販売業を営む店舗とする用途の変更には確認が必要。法第87条第1項より、法第7条第1項が準用され、工事を完了したときは「建築主事に届け出なければならない」と読み替えられる。
選択肢1非常用の照明装置の照明カバーの取替えは、避難施設等に関する工事に含まれない軽易な工事(令第13条の2)。工事中の安全計画の届出(法第90条の3)は要らない。
法第7条第1項、法第7条の6第1項、法第12条第1項、法第51条、法第87条第1項、法第90条の3、令第13条の2、令第16条第1項、令第130条の2の3第1項第一号、令第137条の18第八号、令第147条の2第二号
選択肢2は「用途の制限」の分野です。
🔥 一般構造・防火・避難・設備(No.5〜No.10)
No.5一般構造(縁側のある開口部の採光補正係数・集会場の居室の換気設備・物品販売店舗の階段の踊場・居室の天井の高さ)
次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1準工業地域内の有料老人ホームの居室(天窓を有しないもの)で、外側にぬれ縁ではない幅1mの縁側を有する開口部(道に面しないもの)の採光補正係数は、水平距離が6mであり、かつ、採光関係比率が0.24である場合においては、0.7とする。2集会場の用途に供する床面積400㎡の居室に、換気に有効な部分の面積が20㎡の窓を設けた場合においては、換気設備を設けなくてもよい。3物品販売業を営む店舗で床面積の合計が1,600㎡のものにおける客用の階段で、その高さが3mを超えるものにあっては、高さ3m以内ごとに踊場を設けなければならない。4居室の天井の高さは、室の床面から測り、1室で天井の高さの異なる部分がある場合においては、その平均の高さを2.1m以上としなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.5
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令第20条第2項第二号より、準工業地域の採光補正係数は、採光関係比率×8.0−1.0=0.24×8.0−1.0=0.92 だが、同号ロより、開口部が道に面しない場合で、水平距離が5m以上であり、かつ、算定値が1.0未満となる場合は1.0とする。同項本文より、外側に幅90cm以上の縁側(ぬれ縁を除く。)がある開口部は、その数値に0.7を乗じるので、1.0×0.7=0.7。
法第28条第2項より、居室には床面積の1/20以上の換気に有効な開口部を設ける(400㎡×1/20=20㎡)が、同条第3項より、法別表第1(い)欄(1)項に掲げる用途(劇場、映画館、集会場など)に供する特殊建築物の居室には、政令で定める技術的基準(令第20条の2)に従って換気設備を設けなければならない。換気に有効な窓が20㎡あっても、換気設備は必要。
物品販売業を営む店舗で床面積の合計が1,500㎡を超えるものの客用の階段は、令第23条第1項の表の(二)の階段で、令第24条第1項より、(一)又は(二)の階段で高さが3mを超えるものは、高さ3m以内ごとに踊場を設けなければならない。
令第21条第1項より、居室の天井の高さは2.1m以上でなければならず、同条第2項より、天井の高さは室の床面から測り、1室で天井の高さの異なる部分がある場合は、その平均の高さによる。
選択肢2劇場・集会場など(法別表第1(い)欄(1)項)の居室は、窓の大きさにかかわらず、政令で定める技術的基準に従った換気設備が必要(法第28条第3項)。
法第28条第2項・第3項、令第20条第2項第二号、令第20条の2、令第21条、令第23条第1項、令第24条第1項
No.6防火区画(昇降機の昇降路の竪穴区画・物品販売店舗と事務所の異種用途区画・3階建ての住宅の吹抜き・有料老人ホームの間仕切壁)
防火区画等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、自動式のスプリンクラー設備等は設けられていないものとし、耐火性能検証法、防火区画検証法、階避難安全検証法、全館避難安全検証法及び国土交通大臣の認定による安全性の確認は行わないものとする。
1主要構造部を準耐火構造とした延べ面積800㎡、地上4階建ての事務所であって、3階以上の階に居室を有するものの昇降機の昇降路の部分については、原則として、当該部分とその他の部分とを防火区画しなければならない。21階及び2階を物品販売業を営む店舗(当該用途に供する部分の各階の床面積の合計がそれぞれ1,000㎡)とし、3階以上の階を事務所とする地上8階建ての建築物においては、当該店舗部分と事務所部分とを防火区画しなければならない。3主要構造部を準耐火構造とした延べ面積200㎡、地上3階建ての一戸建ての住宅においては、吹抜きとなっている部分とその他の部分とを防火区画しなければならない。4有料老人ホームの用途に供する建築物の当該用途に供する部分(天井は強化天井でないもの)については、原則として、その防火上主要な間仕切壁を準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.6
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当時の令第112条第9項より、主要構造部を準耐火構造とした建築物などで、地階又は3階以上の階に居室を有するものの昇降機の昇降路の部分などの竪穴部分は、その他の部分と準耐火構造の床若しくは壁又は防火設備で区画しなければならない(同項各号の場合などを除くので、原則として)。
物品販売業を営む店舗(法別表第1(い)欄(4)項)で、その用途に供する2階の部分の床面積の合計が500㎡以上のもの(同表(は)欄)は、当時の法第27条第1項第二号に該当する。当時の令第112条第13項より、建築物の一部が法第27条に該当する場合は、その部分とその他の部分とを1時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で区画しなければならない(異種用途区画)。2階の店舗部分が1,000㎡なので、店舗部分と事務所部分を区画しなければならない。
当時の令第112条第9項第二号より、階数が3以下で延べ面積が200㎡以内の一戸建ての住宅などにおける吹抜きとなっている部分、階段の部分などは、竪穴区画をしなくてよい。延べ面積200㎡、地上3階建ての一戸建ての住宅の吹抜きは、防火区画しなくてよい。
令第114条第2項より、学校、病院、診療所(患者の収容施設を有しないものを除く。)、児童福祉施設等、ホテル、旅館、下宿、寄宿舎又はマーケットの用途に供する建築物の当該用途に供する部分は、その防火上主要な間仕切壁を準耐火構造とし、原則として、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。有料老人ホームは児童福祉施設等に含まれる(令第19条第1項)。
選択肢3階数3以下・延べ面積200㎡以内の一戸建ての住宅の吹抜き・階段などは、竪穴区画をしなくてよい(当時の令第112条第9項第二号)。
その後の改正で令第112条の項の番号が変わり、竪穴区画は今は第11項、異種用途区画は第18項である(2018年9月25日・2019年6月25日・2020年4月1日施行の改正)。答えは変わらない。
法第27条第1項第二号、法別表第1(4)項、令第112条第9項・第13項、令第114条第2項
No.7特殊建築物の内装の制限(地階の飲食店・耐火建築物の2階建ての物品販売店舗・3階建ての図書館・2階建ての劇場の客席)
「特殊建築物の内装」の制限に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。ただし、自動式のスプリンクラー設備等は設けられていないものとし、居室については、内装の「制限を受ける窓その他の開口部を有しない居室」には該当しないものとする。また、耐火性能検証法、防火区画検証法、階避難安全検証法、全館避難安全検証法及び国土交通大臣の認定による安全性の確認は行わないものとする。
1地階に設ける飲食店において、床面積の合計が80㎡の客席の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを、難燃材料とした。2耐火建築物である地上2階建ての物品販売業を営む店舗において、各階の当該用途に供する部分の床面積の合計をそれぞれ600㎡としたので、各階の売場の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを、難燃材料とした。3耐火建築物である延べ面積700㎡、地上3階建ての図書館において、3階部分にある図書室の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを、難燃材料とした。4耐火建築物である地上2階建ての劇場において、客席の床面積の合計を500㎡としたので、客席の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを、難燃材料とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.7
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令第128条の4第1項第三号より、地階に設ける居室で法別表第1(い)欄(1)項、(2)項又は(4)項の用途(飲食店は(4)項)に供するものを有する特殊建築物は、規模にかかわらず内装の制限を受ける。令第128条の5第3項より、当該居室及びこれから地上に通ずる主たる通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げは、同条第1項第二号の仕上げ(準不燃材料など)としなければならず、難燃材料とすることはできない。
耐火建築物の物品販売業を営む店舗((4)項)は、令第128条の4第1項第一号の表より、3階以上の部分の床面積の合計が1,000㎡以上のものが内装の制限を受け、地上2階建てはこれに当たらない。ただし、同条第3項より、階数が2で延べ面積が1,000㎡を超える建築物(600㎡×2=1,200㎡)は内装の制限を受け、令第128条の5第4項より、居室の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げは難燃材料などでよい。
図書館は学校等ではないので、令第128条の4第2項より、階数が3以上で延べ面積が500㎡を超える図書館は内装の制限を受ける。令第128条の5第4項より、居室の壁(床面からの高さが1.2m以下の部分を除く。)及び天井の室内に面する部分の仕上げは難燃材料などでよい。
耐火建築物の劇場((1)項)は、令第128条の4第1項第一号の表より、客席の床面積の合計が400㎡以上のものが内装の制限を受ける。令第128条の5第1項より、居室の壁(床面からの高さが1.2m以下の部分を除く。)及び天井の室内に面する部分の仕上げは難燃材料(3階以上の階に居室を有する建築物の居室の天井は準不燃材料)などとするので、2階建ての劇場の客席を難燃材料で仕上げることはできる。
選択肢1地階に飲食店などの居室を設ける特殊建築物は、規模にかかわらず内装の制限を受け、居室も通路も準不燃材料などで仕上げる(令第128条の4第1項第三号・令第128条の5第3項)。難燃材料は不可。
2024年4月1日施行の改正で、令第128条の4第1項第一号の表の構造の欄は「法第2条第九号の三イに該当する建築物(特定主要構造部を耐火構造とした建築物を含む。)であつて1時間準耐火基準に適合するもの」などの書き方になり、令第128条の5第1項の「耐火建築物、…」も「主要構造部を準耐火構造とした建築物…」の書き方になった。耐火建築物は今も表の左の欄に当たり、劇場の客席400㎡以上、物品販売業を営む店舗の3階以上の部分1,000㎡以上という数値は同じで、答えは変わらない。
法第35条の2、令第128条の4第1項第一号・第三号・第2項・第3項、令第128条の5第1項・第3項・第4項
No.8避難施設(3階建ての共同住宅の直通階段・6階の事務室と避難上有効なバルコニー・物品販売店舗の避難階段・20階建ての共同住宅と特別避難階段)
避難施設等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、いずれの建築物も各階を当該用途に供するものとし、避難階は地上1階とする。
1主要構造部を耐火構造とした地上3階建ての共同住宅で、各階に住戸(各住戸の居室の床面積60㎡)が4戸あるものは、避難階以外の階から避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければならない。2主要構造部を耐火構造とした地上6階建ての事務所において、6階の事務室の床面積の合計が300㎡であり、かつ、その階に避難上有効なバルコニーを設け、その階に通ずる屋外の直通階段を、屋外に設ける避難階段の構造の規定に適合するものとした場合には、2以上の直通階段を設けなくてもよい。3床面積の合計が3,000㎡の地上5階建ての物品販売業を営む店舗には、各階の売場及び屋上広場に通ずる2以上の直通階段を設け、これを避難階段又は特別避難階段としなければならない。4主要構造部が耐火構造である地上20階建ての共同住宅において、階段室、昇降機の昇降路、廊下等が所定の方法で区画され、各住戸の床面積の合計が200㎡(住戸以外は100㎡)以内ごとに防火区画されている場合には、15階以上の階に通ずる直通階段は、特別避難階段としなくてもよい。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.8
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令第121条第1項第五号・第2項より、共同住宅の用途に供する階で、その階の居室の床面積の合計が100㎡(主要構造部が準耐火構造であるか、又は不燃材料で造られている建築物は200㎡)を超えるものは、2以上の直通階段を設けなければならない。各階の居室の床面積の合計は60㎡×4戸=240㎡で200㎡を超えるので、2以上の直通階段が必要。
令第121条第1項第六号イより、6階以上の階でその階に居室を有するものは2以上の直通階段が必要だが、その階の居室の床面積の合計が100㎡(同条第2項により、主要構造部が準耐火構造であるか、又は不燃材料で造られている建築物は200㎡)を超えず、かつ、避難上有効なバルコニーなどと屋外避難階段の構造の直通階段を設けた階は除かれる。6階の事務室は300㎡で200㎡を超えるので、2以上の直通階段を設けなければならない。
令第122条第2項より、3階以上の階を物品販売業を営む店舗(床面積の合計が1,500㎡を超えるもの:令第121条第1項第二号のかっこ書)の用途に供する建築物は、各階の売場及び屋上広場に通ずる2以上の直通階段を設け、これを避難階段又は特別避難階段としなければならない。
令第122条第1項より、15階以上の階に通ずる直通階段は特別避難階段としなければならないが、ただし書より、主要構造部が耐火構造である建築物(階段室の部分、昇降機の昇降路の部分、廊下などで耐火構造の床・壁又は特定防火設備で区画されたものを除く。)で、床面積の合計100㎡(共同住宅の住戸は200㎡)以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で区画されている場合は、この限りでない。
選択肢26階以上の階の2以上の直通階段の緩和(令第121条第1項第六号イ)は、その階の居室の床面積の合計が100㎡(主要構造部が準耐火構造であるか、又は不燃材料で造られている建築物は200㎡)以下の場合に限られる。300㎡では緩和されない。
選択肢2について、2024年4月1日施行の改正で、令第121条第2項の「主要構造部が準耐火構造であるか、又は不燃材料で造られている建築物」は「主要構造部が準耐火構造である建築物(特定主要構造部が耐火構造である建築物を含む。)又は主要構造部が不燃材料で造られている建築物」の書き方になった(かっこ書は令第120条第2項による)。床面積を2倍に読み替えることは同じで、答えは変わらない。選択肢4について、2024年4月1日施行の改正で、令第122条第1項ただし書は「特定主要構造部が耐火構造である建築物」の書き方になった。床面積の合計100㎡(共同住宅の住戸は200㎡)以内ごとに区画されたものは15階以上の階に通ずる直通階段を特別避難階段としなくてよいことは同じで、答えは変わらない。
令第121条第1項第五号・第六号イ・第2項、令第122条第1項・第2項
No.9防火・避難(展示場の歩行距離・病院の排煙設備・スポーツの練習場の非常用の照明装置・物品販売店舗の避難階段の幅)
防火・避難に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、耐火性能検証法、防火区画検証法、階避難安全検証法、全館避難安全検証法及び国土交通大臣の認定による安全性の確認は行わないものとする。
1主要構造部を準耐火構造とした地上2階建ての展示場の避難階以外の階においては、主たる用途に供する居室の各部分から避難階又は地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離を、原則として、30m以下としなければならない。2延べ面積2,000㎡の病院において、床面積100㎡以内ごとに防火区画した部分については、排煙設備を設けなくてもよい。3延べ面積3,000㎡、地上3階建てのスポーツの練習場には、非常用の照明装置を設けなくてもよい。4各階を物品販売業を営む店舗の用途に供する地上3階建ての建築物(各階の床面積600㎡)においては、各階における避難階段の幅の合計を3.0m以上としなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.9
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展示場は法別表第1(い)欄(4)項の特殊建築物で、令第120条第1項の表(一)より、その主たる用途に供する居室の各部分から直通階段の一に至る歩行距離は、主要構造部が準耐火構造の場合は30m以下(内装を準不燃材料とした場合の加算(同条第2項)などがあるので、原則として)。
病院は法別表第1(い)欄(2)項の特殊建築物で、令第126条の2第1項第一号より、準耐火構造の床若しくは壁又は防火設備で区画された部分で、その床面積が100㎡以内のものには、排煙設備を設けなくてよい。
令第126条の4第三号より、学校等には非常用の照明装置を設けなくてよい。学校等にはスポーツの練習場が含まれる(令第126条の2第1項第二号)。
3階以上の階を物品販売業を営む店舗(床面積の合計600㎡×3=1,800㎡で1,500㎡超。令第122条第2項・令第124条第1項の物品販売業を営む店舗は、令第121条第1項第二号のかっこ書より、床面積の合計が1,500㎡を超えるもの)とする建築物は、令第122条第2項より2以上の直通階段を避難階段などとし、令第124条第1項第一号より、各階における避難階段の幅の合計は、その直上階以上の階のうち床面積が最大の階における床面積100㎡につき60cmの割合で計算した数値以上とする。600㎡÷100㎡×60cm=3.6m以上で、3.0mでは足りない。
選択肢4避難階段の幅の合計は、その階の直上階以上の階のうち床面積が最大の階の100㎡につき60cm(令第124条第1項第一号)。600㎡なら3.6m以上必要。
選択肢1について、2024年4月1日施行の改正で、令第120条第2項の「主要構造部が準耐火構造であるか又は不燃材料で造られている建築物」は「主要構造部が準耐火構造である建築物(特定主要構造部が耐火構造である建築物を含む。)又は主要構造部が不燃材料で造られている建築物」の書き方になった。主要構造部を準耐火構造とした展示場の歩行距離が30m以下(内装による加算あり)であることは同じで、答えは変わらない。
令第120条第1項、令第122条第2項、令第124条第1項第一号、令第126条の2第1項第一号・第二号、令第126条の4第三号
選択肢2・3は「排煙・非常用の照明・進入口・検証法」の分野です。
No.10建築設備(エレベーターの床先の距離・エスカレーターの勾配と踏段の幅・共同住宅の住戸の排煙設備・自然換気設備の給気口)
建築設備に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1乗用エレベーター(特殊な構造又は使用形態のもので国土交通大臣が定めたものを除く。)の昇降路については、昇降路の出入口の床先とかごの床先との水平距離は4cm以下とし、かごの床先と昇降路壁との水平距離は12.5cm以下としなければならない。2エスカレーター(特殊な構造又は使用形態のもので国土交通大臣が定めたものを除く。)は、勾配を30度以下とし、踏段の幅は1.1m以下としなければならない。3準耐火構造の床若しくは壁又は防火戸その他の政令で定める防火設備で床面積200㎡以内に区画された共同住宅の住戸には、窓その他の開口部で開放できる部分の面積にかかわらず、排煙設備を設けなくてもよい。4建築物(換気設備を設けるべき調理室等を除く。)に設ける自然換気設備の給気口は、居室の天井の高さの1/2を超える高さの位置に設け、常時外気に開放された構造としなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.10
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令第129条の7第四号より、エレベーターの昇降路の出入口の床先とかごの床先との水平距離は4cm以下とし、乗用エレベーター及び寝台用エレベーターでは、かごの床先と昇降路壁との水平距離は12.5cm以下としなければならない。
令第129条の12第1項第二号・第四号より、エスカレーターは、勾配を30度以下とし、踏段の幅は1.1m以下としなければならない(特殊な構造又は使用形態のもので国土交通大臣が定めたものを除く)。
令第126条の2第1項第一号より、法別表第1(い)欄(2)項の特殊建築物のうち、準耐火構造の床若しくは壁又は防火設備で区画された部分で、その床面積が100㎡(共同住宅の住戸は200㎡)以内のものには、排煙設備を設けなくてよい。
当時の令第129条の2の6第1項第二号より、自然換気設備の給気口は、居室の天井の高さの1/2以下の高さの位置に設け、常時外気に開放された構造としなければならない。1/2を超える高さの位置ではない(排気口は給気口より高い位置に設ける:同項第三号)。
選択肢4自然換気設備の給気口は、居室の天井の高さの1/2「以下」の高さの位置に設ける(当時の令第129条の2の6第1項第二号)。排気口は給気口より高い位置。
2019年6月25日施行の改正(基準日の後)で、自然換気設備の決まりは令第129条の2の5に繰り上がった(給気口は今は同条第1項第二号)。答えは変わらない。
令第126条の2第1項第一号、令第129条の2の6第1項第二号、令第129条の7第四号、令第129条の12第1項第二号・第四号
選択肢3は「排煙・非常用の照明・進入口・検証法」の分野です。
🧱 構造強度(No.11〜No.13)
No.11荷重及び外力(荷重の種類・屋根の勾配と積雪荷重・教室の柱の積載荷重の低減・風圧力の速度圧の低減)
建築物の構造計算に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1建築物に作用する荷重及び外力としては、固定荷重、積載荷重、積雪荷重、風圧力、地震力のほか、建築物の実況に応じて、土圧、水圧、震動及び衝撃による外力を採用しなければならない。2屋根の積雪荷重は、屋根に雪止めがある場合を除き、その勾配が60度を超える場合においては、零とすることができる。3教室の柱の垂直荷重による圧縮力の計算において、建築物の実況によらないで積載荷重を計算する場合、床の積載荷重として採用する数値は、柱のささえる床の数が3のときは1,800N/㎡とすることができる。4建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物、防風林その他これらに類するものがある場合においては、その方向における風圧力の計算に用いる速度圧は、通常の速度圧の1/2まで減らすことができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.11
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令第83条第1項より、建築物に作用する荷重及び外力としては、固定荷重、積載荷重、積雪荷重、風圧力、地震力を採用しなければならず、同条第2項より、そのほか建築物の実況に応じて、土圧、水圧、震動及び衝撃による外力を採用しなければならない。
令第86条第4項より、屋根の積雪荷重は、屋根に雪止めがある場合を除き、その勾配が60度以下の場合は勾配に応じた屋根形状係数を乗じた数値とし、その勾配が60度を超える場合は零とすることができる。
令第85条第1項の表の(三)より、教室の床の積載荷重は、大ばり、柱又は基礎の構造計算をする場合は2,100N/㎡。同条第2項より、柱の垂直荷重による圧縮力を計算する場合は、ささえる床の数が3のときは0.9を乗じた数値まで減らすことができ、2,100×0.9=1,890N/㎡。1,800N/㎡まで減らすことはできない。
令第87条第3項より、建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物、防風林その他これらに類するものがある場合は、その方向における速度圧は、通常の速度圧の1/2まで減らすことができる。
選択肢3教室の柱の計算用の積載荷重は2,100N/㎡で、ささえる床の数が3のときは0.9を乗じて1,890N/㎡まで(令第85条)。1,800N/㎡まで減らすことはできない。
令第83条、令第85条第1項・第2項、令第86条第4項、令第87条第3項
No.12構造強度(土砂災害特別警戒区域の外壁・摩損のおそれのある部分・SRC造の鉄骨のかぶり厚さ・コンクリートの養生)
構造強度に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1土砂災害特別警戒区域内における建築物の外壁の構造は、原則として、居室を有しない建築物であっても、自然現象の種類、最大の力の大きさ等及び土石等の高さ等に応じて、当該自然現象により想定される衝撃が作用した場合においても破壊を生じないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない。2構造耐力上主要な部分で特に摩損のおそれのあるものには、摩損しにくい材料又は摩損防止のための措置をした材料を使用しなければならない。3鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物において、鉄骨に対するコンクリートのかぶり厚さは、原則として、5cm以上としなければならない。4鉄筋コンクリート造と鉄骨造とを併用する建築物の鉄筋コンクリート造の構造部分は、原則として、コンクリート打込み中及び打込み後5日間は、コンクリートの温度が2度を下らないようにし、かつ、乾燥、震動等によってコンクリートの凝結及び硬化が妨げられないように養生しなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.12
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令第80条の3より、土砂災害特別警戒区域内における居室を有する建築物の外壁及び構造耐力上主要な部分は、自然現象の種類、最大の力の大きさ等及び土石等の高さ等に応じて、当該自然現象により想定される衝撃が作用した場合でも破壊を生じないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの(衝撃を遮る所定の門又は塀が設けられている場合を除く)としなければならない。居室を有しない建築物は対象ではない。
令第37条より、構造耐力上主要な部分で特に腐食、腐朽又は摩損のおそれのあるものには、腐食、腐朽若しくは摩損しにくい材料又は有効なさび止め、防腐若しくは摩損防止のための措置をした材料を使用しなければならない。
令第79条の3第1項より、鉄骨鉄筋コンクリート造の鉄骨に対するコンクリートのかぶり厚さは、5cm以上としなければならない(同条第2項の国土交通大臣の認定を受けたものなどを除くので、原則として)。
令第71条より、鉄筋コンクリート造の規定(第6節)は、鉄筋コンクリート造と鉄骨造その他の構造とを併用する建築物の鉄筋コンクリート造の構造部分にも適用される。令第75条より、コンクリート打込み中及び打込み後5日間は、コンクリートの温度が2度を下らないようにし、かつ、乾燥、震動等によってコンクリートの凝結及び硬化が妨げられないように養生しなければならない(凝結及び硬化を促進するための特別の措置を講ずる場合を除く)。
選択肢1土砂災害特別警戒区域内で外壁などの構造が定められているのは「居室を有する建築物」(令第80条の3)。居室を有しない建築物は対象外。
令第37条、令第71条、令第75条、令第79条の3第1項、令第80条の3
No.13木造の軸組の長さ(2階建ての1階・桁行方向・軽い屋根・図)
図のような木造、地上2階建ての住宅(屋根を金属板で葺いたもの)の1階部分について、桁行方向に設けなければならない構造耐力上必要な軸組の最小限の長さとして、建築基準法上、正しいものは、次のうちどれか。ただし、小屋裏等に物置等は設けず、区域の地盤及び地方の風の状況に応じた「地震力」及び「風圧力」に対する軸組の割増はないものとし、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算は行わないものとする。なお、図は略図とする。
図を押すと大きく表示します 11,392cm21,560cm31,695cm42,100cm出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.13
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令第46条第4項より、各階の軸組の長さ(倍率を乗じたもの)の合計は、地震力に対する数値と風圧力に対する数値のどちらも満たさなければならない。
【地震力】金属板で葺いた屋根は令第43条第1項の表の(二)の建築物(軽い屋根)で、令第46条第4項の表2より、階数が2の建築物の1階の数値は29cm/㎡。48㎡×29cm/㎡=1,392cm
【風圧力】桁行方向の軸組は、桁行方向から見た面(南側立面図)の見付面積で検討する。1階の床面は地盤面から0.45mの高さなので、1階の床面からの高さが1.35m以下の部分(地盤面から1.8m以下の部分)6m×1.8m=10.8㎡を除いて、42㎡−10.8㎡=31.2㎡。表3(二)より、31.2㎡×50cm/㎡=1,560cm
【最小限の長さ】大きい方の1,560cm。
※地震力だけで求めると1,392cm(選択肢1)、1階の床面の高さ0.45mを考えず地盤面から1.35mまでを除くと(42㎡−8.1㎡)×50=1,695cm(選択肢3)、見付面積から何も除かないと42㎡×50=2,100cm(選択肢4)になる。
解き方地震力(床面積×表2の数値)と風圧力(見付面積からその階の床面から1.35m以下の部分を除いた面積×表3の数値)を比べ、大きい方とする(令第46条第4項)。この問題は風圧力の方が大きい。1階の床面が地盤面より0.45m高いので、除く部分は地盤面から1.8mまで。
2025年4月1日から、令第46条第4項の表(軸組の種類と倍率、床面積・見付面積に乗ずる数値)は施行令からなくなり、「国土交通大臣が定める基準」(告示)に従って軸組を設置する形に変わりました(木造の壁量基準の見直し)。今の法令では、この問題の数値(軽い屋根の2階建ての1階の29cm/㎡、見付面積の50cm/㎡など)を施行令の表では確かめられず、必要な軸組の長さも当時の表とは違う方法で求めます。今の基準は、昭和56年建設省告示第1100号(木造の軸組の構造方法と設置の基準を定めた告示)で確かめてください。
令第43条第1項、令第46条第4項(表2・表3)
🗺️ 道路・用途・建蔽率と容積率・高さ・防火地域(No.14〜No.18)
No.14道路(学校の渡り廊下・計画道路と高さ制限の前面道路・工事現場の仮設事務所と接道・農道に接する敷地)
都市計画区域及び準都市計画区域内の道路等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1道路の上空に設ける学校の渡り廊下で、生徒の通行の危険を防止するために必要であり、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上他の建築物の利便を妨げ、その他周囲の環境を害するおそれがないと認めて許可したものは、道路内に建築することができる。2建築物の各部分の高さの制限において、建築物の敷地が都市計画において定められた計画道路(建築基準法第42条第1項第四号に該当するものを除く。)に接し、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める建築物については、当該計画道路が前面道路とみなされる。3工事を施工するために2年間現場に設ける事務所の敷地は、道路に2m以上接しなければならない。4幅員4mの農道に2m以上接する敷地においては、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した建築物は、建築することができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.14
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法第44条第1項第四号・令第145条第2項第一号より、道路の上空に設けられる渡り廊下で、学校、病院、老人ホームその他これらに類する用途に供する建築物に設けられるもので、生徒、患者、老人等の通行の危険を防止するために必要なもの(主要構造部が耐火構造であり、又は不燃材料で造られている建築物に設けられるもの)は、特定行政庁が許可した場合は道路内に建築できる(建築審査会の同意も必要:法第44条第2項)。
令第131条の2第2項より、建築物の敷地が都市計画において定められた計画道路(法第42条第1項第四号に該当するものを除く。)に接する場合などで、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める建築物については、高さの制限(法第56条)の適用について、当該計画道路を前面道路とみなす。
法第85条第2項より、工事を施工するために現場に設ける事務所、下小屋、材料置場その他これらに類する仮設建築物には、確認などの規定のほか、第3章の規定(法第43条の接道義務などの集団規定)は適用されない。設置期間が2年間でも、敷地が道路に2m以上接する必要はない。
当時の法第43条第1項ただし書・規則第10条の2の2第二号より、その敷地が農道その他これに類する公共の用に供する道(幅員4m以上のもの)に2m以上接する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものは、道路に2m以上接しなくても建築できる。
選択肢3工事を施工するために現場に設ける事務所などの仮設建築物には、第3章の規定(接道義務の法第43条を含む集団規定)が適用されない(法第85条第2項)。
2018年9月25日施行の改正(基準日の後)で、法第43条の接道の特例は第2項に移り、幅員4m以上の農道などの道に2m以上接する延べ面積200㎡以内の一戸建て住宅などは特定行政庁の認定(第一号)、その他は建築審査会の同意を得た許可(第二号)となった。4の「許可した建築物は建築することができる」ことは同じで、答えは変わらない。選択肢1について、2024年4月1日施行の改正で、令第145条第2項の「主要構造部が耐火構造であり、又は不燃材料で造られている建築物」は「特定主要構造部が耐火構造であるか又は主要構造部が不燃材料で造られている建築物」の書き方になった(自動車専用道路に設ける給油所などに、電気自動車の充電施設なども加わった)。学校の渡り廊下で生徒の通行の危険を防止するために必要なものを、許可を受けて道路の上空に設けられることは同じで、答えは変わらない。
法第43条第1項、法第44条第1項第四号、法第56条、法第85条第2項、令第131条の2第2項、令第145条第2項第一号、規則第10条の2の2第二号
No.15用途の制限(第二種低層住居専用地域の650㎡の老人福祉センター・第一種住居地域の3,000㎡のホテル・近隣商業地域の映画館・工業専用地域の保育所)
建築物の用途の制限に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、用途地域以外の地域、地区等の指定はなく、また、特定行政庁の許可等は考慮しないものとする。
1第二種低層住居専用地域内において、「延べ面積650㎡、平家建ての老人福祉センター」は、新築することができない。2第一種住居地域内において、「延べ面積3,000㎡、地上3階建てのホテル」は、新築することができない。3近隣商業地域内において、「客席の部分の床面積の合計が300㎡、地上2階建ての映画館」は、新築することができる。4工業専用地域内において、「延べ面積300㎡、地上2階建ての保育所」は、新築することができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.15
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第二種低層住居専用地域内に建築できる(い)項第九号の公益上必要な建築物は、令第130条の4第二号より、老人福祉センター、児童厚生施設などで延べ面積が600㎡以内のもの((ろ)項第一号)。延べ面積650㎡の老人福祉センターは新築できない。
法別表第2(ほ)項第四号より、第一種住居地域内では、(は)項に掲げる建築物以外の建築物の用途に供する部分の床面積の合計が3,000㎡を超えるものは建築できない。延べ面積3,000㎡のホテルは「超える」に当たらないので、新築できる。
当時の法別表第2(ち)項より、近隣商業地域内に建築してはならないのは、(り)項(商業地域)に掲げるもの、キャバレー、料理店その他これらに類するもの、個室付浴場業に係る公衆浴場などで、映画館は含まれない(客席200㎡以上の映画館が制限されるのは準住居地域((と)項第五号))。客席の部分の床面積の合計が300㎡の映画館は新築できる。
当時の法別表第2(を)項第四号より、工業専用地域内に建築してはならないのは「老人ホーム、福祉ホームその他これらに類するもの」で、(い)項第六号が「老人ホーム、保育所、福祉ホームその他これらに類するもの」としているのと違い、保育所は含まれない。延べ面積300㎡の保育所は新築できる。
選択肢2第一種住居地域で建築できないのは、(は)項以外の用途の床面積の合計が3,000㎡を「超える」もの(法別表第2(ほ)項第四号)。3,000㎡のホテルは建築できる。
2018年4月1日施行の改正(基準日の後)で田園住居地域ができて法別表第2の記号が繰り下がり、近隣商業地域は今は(り)項、工業専用地域は今は(わ)項(保育所が含まれないのは同項第四号)である。答えは変わらない。
法第48条、法別表第2(い)項第九号・(ろ)項第一号・(ほ)項第四号・(ち)項・(を)項第四号(いずれも当時)、令第130条の4第二号
No.16建蔽率と容積率の最高限度(商業地域・防火地域と準住居地域・準防火地域・角地・耐火建築物・特定道路・図)
図のような敷地において、耐火建築物を新築する場合、建築基準法上、新築することができる建築物の建蔽率(同法第53条に規定する建蔽率)と建築物の容積率(同法第52条に規定する容積率)の最高限度の組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定、許可等は考慮しないものとする。
図を押すと大きく表示します
建蔽率の最高限度 容積率の最高限度 1. 8.5/10 40/10 2. 8.5/10 48/10 3. 9/10 40/10 4. 9/10 48/10 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.16
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【建蔽率】敷地は防火地域と準防火地域にわたるが、建築物の全部が耐火建築物なので、当時の法第53条第6項より、敷地は全て防火地域内にあるものとみなす。
・商業地域(建蔽率8/10):同条第5項第一号より、建蔽率の限度が8/10とされている地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物には、建蔽率の制限が適用されない → 10/10
・準住居地域(建蔽率6/10):同条第3項より、8/10の地域外で防火地域内にある耐火建築物(第一号)と、街区の角にある敷地(第二号)でそれぞれ1/10を加え、6/10+2/10=8/10
・敷地全体(同条第2項):2つの部分は同じ面積(30m×20m)なので、10/10×1/2+8/10×1/2=9/10
【容積率】西側の道路(幅員10m)は、敷地から35mの所で幅員15mの道路(特定道路)に接続している。法第52条第9項・令第135条の18より、Wa=(12−10)×(70−35)/70=1.0mで、西側の道路の幅員は11mとみなし、南側の4mより大きいので前面道路の幅員は11m。
・商業地域:11m×6/10=66/10。都市計画の80/10より小さいので66/10
・準住居地域:11m×4/10=44/10。都市計画の30/10の方が小さいので30/10
・敷地全体(法第52条第7項):66/10×1/2+30/10×1/2=48/10
※準住居地域の部分を防火地域とみなさないと、建蔽率は6/10+1/10(角地)=7/10で、敷地全体は8.5/10(選択肢1・2)になる。
解き方建蔽率:敷地が防火地域の内外にわたり、敷地内の建築物の全部が耐火建築物なら、敷地は全て防火地域内とみなす(当時の法第53条第6項)。建蔽率8/10の地域内で防火地域内の耐火建築物は建蔽率の制限なし(同条第5項第一号)。容積率:西側の10mの道路は特定道路(15m)から35mなので、Wa=(12−10)×(70−35)/70=1.0m を加えて11m。
2019年6月25日施行の改正(基準日の後)で法第53条が組み替えられ、建蔽率の制限が適用されない決まりは今は第6項第一号、敷地が防火地域の内外にわたる場合のみなしは第7項になった(耐火建築物は延焼防止建築物を含む「耐火建築物等」になり、準防火地域内の耐火建築物等・準耐火建築物等にも1/10の加算が加わった)。この問題では敷地の全部を防火地域内とみなすので、答えは変わらない。
法第52条第1項・第2項・第7項・第9項、法第53条第1項・第2項・第3項・第5項第一号・第6項、令第135条の18
No.17建築物の高さの最高限度(第二種中高層住居専用地域・北側の隣地が1.2m高い・前面道路が2つ・図)
図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、南側道路、西側道路及び東側隣地との高低差はなく、北側隣地より1.2m低いものとし、門、塀等はないものとする。また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁による指定、許可等並びに日影による中高層の建築物の高さの制限及び天空率に関する規定は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。
図を押すと大きく表示します 122.50m222.60m323.10m425.00m出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.17
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A点は、西側の道路境界線から 20m−4m−6m=10m、北側の隣地境界線から 2m+12m−4m=10m、南側の道路境界線から 10m、東側の隣地境界線から 4m+6m=10m の位置にある。
【北側高さ制限】法第56条第1項第三号より、第二種中高層住居専用地域は10m+1.25×(北側の隣地境界線までの真北方向の水平距離)。令第135条の4第1項第二号より、北側の隣地の地盤面が1.2m高いので、敷地の地盤面は(1.2m−1m)÷2=0.1m高い位置にあるとみなす。10m+1.25×10m=22.5m に0.1mを加えて、地盤面からは22.60m。
【道路高さ制限】前面道路の幅員による容積率の限度は 8m×4/10=32/10で、都市計画の30/10が限度。法別表第3(一)の項より、30/10(20/10を超え30/10以下)の適用距離は25m、勾配は1.25。令第132条第1項より、A点(南側の8mの道路から10m)は、西側の道路も幅員8mとみなす区域。南側:10m+8m+2m(後退距離)=20m → 25.0m、西側:10m+8m+2m=20m → 25.0m。
【隣地高さ制限】法第56条第1項第二号イより、20m+1.25×(隣地境界線までの水平距離+後退距離)。北側(敷地の地盤面を0.1m高いとみなす):20m+1.25×(10m+2m)+0.1m=35.1m、東側:20m+1.25×(10m+2m)=35.0m。
【最高限度】最も小さい22.60m。
※高低差の緩和を考えないと22.50m(選択肢1)、高低差1.2mの1/2(0.6m)を加えると23.10m(選択肢3)、道路高さ制限だけだと25.00m(選択肢4)になる。
解き方北側の隣地の地盤面が1m以上高いときは、敷地の地盤面は(高低差−1m)÷2だけ高い位置にあるとみなす(北側高さ制限は令第135条の4第1項第二号、隣地高さ制限は令第135条の3第1項第二号)。(1.2m−1m)÷2=0.1m。
法第52条第2項第二号、法第56条第1項第一号・第二号イ・第三号・第2項、法別表第3(一)の項、令第132条第1項、令第135条の3第1項第二号、令第135条の4第1項第二号
No.18防火地域・準防火地域の建築物(A〜Dの4棟・テレビスタジオ・図)
図のような敷地において、用途上不可分の関係にあるA~Dの建築物を新築する場合、建築基準法上、誤っているものは、次のうちどれか。ただし、いずれの建築物も防火壁を設けていないものとし、建築物に附属する門又は塀はないものとする。また、図に記載されているものを除き、地域、地区等の制限については考慮しないものとし、危険物の貯蔵等は行わないものとする。
図を押すと大きく表示します 1Aは、耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。2Bは、耐火建築物としなければならない。3Cは、耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。4Dは、耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.18
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当時の法第61条より、防火地域内では、階数が3以上又は延べ面積が100㎡を超える建築物は耐火建築物とし、その他の建築物は耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない(延べ面積50㎡以内の平家建ての附属建築物で外壁・軒裏が防火構造のものなどを除く)。Aは延べ面積60㎡・平家建ての事務所なので、耐火建築物又は準耐火建築物。
テレビスタジオは、令第115条の3第四号より法別表第1(い)欄(6)項の用途に類するもので、当時の法第27条第2項第二号より、(6)項の用途を3階以上の階(同表(ろ)欄)に設ける特殊建築物は耐火建築物としなければならない(準防火地域内の地上3階建て・900㎡は法第62条第1項では耐火建築物又は準耐火建築物でよいが、法第27条第2項による)。
Cは防火地域内の延べ面積100㎡(100㎡を超えない)・平家建ての附属自動車車庫で、当時の法第61条より、耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない(延べ面積50㎡以内の附属建築物の緩和には当たらず、自動車車庫で耐火建築物などとするのは150㎡以上(法第27条第3項第一号))。
Dは防火地域と準防火地域にわたるので、当時の法第67条第2項より、その全部について防火地域内の建築物に関する規定を適用する(防火壁で区画されていない)。当時の法第61条より、防火地域内で延べ面積が100㎡を超える建築物は耐火建築物としなければならず、延べ面積200㎡の倉庫は準耐火建築物とすることはできない。
選択肢4建築物が防火地域と準防火地域にわたるときは、その全部に防火地域の規定を適用する(当時の法第67条第2項)。Dは防火地域内の延べ面積100㎡超の建築物として耐火建築物(当時の法第61条)。
選択肢2テレビスタジオ(法別表第1(6)項の類似用途:令第115条の3第四号)を3階に設けると、当時の法第27条第2項第二号で耐火建築物。
2019年6月25日施行の改正(基準日の後)で、防火地域・準防火地域の決まりは法第61条・令第136条の2(建築物の規模に応じた技術的基準)に、建築物が地域にわたる場合は法第65条にまとめられた(耐火建築物などと同等以上の延焼防止時間となる建築物も認められた)。A・Cは準耐火建築物等、Dは耐火建築物等となることは同じで、答えは変わらない。
法第27条第2項第二号、法第61条、法第62条第1項、法第67条第2項、法別表第1(6)項、令第115条の3第四号
📋 総合(病院)・地区計画等・建築協定(No.19〜No.20)
No.19病院(2つの用途地域にわたる敷地・準防火地域の2階建ての病院・患者用の廊下の幅・談話室の採光)
病院に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、階避難安全検証法、全館避難安全検証法及び国土交通大臣の認定による安全性の確認は行わないものとする。
1敷地が第一種中高層住居専用地域内に300㎡、第二種低層住居専用地域内に700㎡と二つの用途地域にわたる場合、当該敷地には、特定行政庁の許可を受けなければ新築することができない。2準防火地域内の地上2階建てで、各階の床面積が300㎡のもの(各階とも患者の収容施設があるもの)は、耐火建築物としなければならない。3患者用の廊下の幅は、両側に居室がある場合、1.6m以上としなければならない。4入院患者の談話のために使用される居室には、原則として、採光のための窓その他の開口部を設けなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.19
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法第91条より、敷地が用途の制限の異なる地域にわたる場合は、敷地の過半の属する地域の規定を適用する。700㎡の第二種低層住居専用地域が過半なので同地域の制限による。病院は法別表第2(は)項第三号の建築物で、第二種低層住居専用地域((ろ)項)には建築できないので、特定行政庁の許可(法第48条第2項ただし書)を受けなければ新築できない。
病院(法別表第1(い)欄(2)項)で、2階の部分(患者の収容施設があるもの)の床面積の合計が300㎡以上のものは、当時の法第27条第1項第二号の特殊建築物で、主要構造部を令第110条の技術的基準(特定避難時間に応じた第一号の基準、又は令第107条各号若しくは令第108条の3第1項第一号イ及びロの第二号の基準)に適合させなければならないが、耐火建築物に限られない。また、準防火地域内の延べ面積600㎡の建築物は、法第62条第1項より耐火建築物又は準耐火建築物とすればよい。耐火建築物としなければならないのではない。
令第119条より、病院における患者用の廊下の幅は、両側に居室がある廊下では1.6m以上、その他の廊下では1.2m以上としなければならない。
法第28条第1項・令第19条第2項第五号より、病院の居室のうち入院患者の談話、娯楽その他これらに類する目的のために使用されるものには、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は床面積の1/10以上としなければならない(地階に設ける居室などを除くので、原則として)。
選択肢22階の病院の部分(患者の収容施設があるもの)が300㎡以上の病院は、当時の法第27条第1項第二号の特殊建築物で、主要構造部を令第110条の技術的基準に適合させればよく、耐火建築物に限られない。準防火地域内の600㎡は法第62条第1項で耐火建築物又は準耐火建築物。
2019年6月25日施行の改正(基準日の後)で、準防火地域内の建築物の決まりは法第61条・令第136条の2に移った。準防火地域内の地上2階建て・延べ面積600㎡の建築物は、今も耐火建築物に限られず、準耐火建築物と同等以上の性能のもの(令第136条の2第二号)でよい。法第27条第1項第二号の病院も耐火建築物に限られないことは同じで、答えは変わらない。
法第27条第1項第二号、法第28条第1項、法第48条、法第62条第1項、法第91条、法別表第1(2)項、法別表第2(ろ)項・(は)項第三号、令第19条第2項第五号、令第110条、令第119条
選択肢1は「用途の制限」、選択肢3は「避難施設」、選択肢4は「一般構造」の分野です。
No.20地区計画等・建築協定(建築主事を置かない市町村の条例・再開発等促進区と容積率・門と塀の意匠・建築協定区域隣接地の土地の所有者等の合意)
地区計画等又は建築協定に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1建築主事を置かない市町村であっても、地区計画等の区域(地区整備計画等が定められている区域に限る。)内において、建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する事項で当該地区計画等の内容として定められたものについて、所定の基準に従い、これらに関する制限として条例で定めることができる。2地区計画の区域のうち再開発等促進区で地区整備計画が定められている区域のうち建築物の容積率の最高限度が定められている区域内においては、当該地区計画の内容に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める建築物については、建築基準法第52条の規定は、適用されない。3建築協定には、建築物に附属する門及び塀の意匠に関する基準を定めることができる。4建築協定区域隣接地の区域内の土地に係る土地の所有者等は、建築協定の認可等の公告があった日以後いつでも、当該土地に係る土地の所有者等の過半数の合意により、特定行政庁に対して書面でその意思を表示することによって、当該建築協定に加わることができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.20
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法第68条の2第1項より、市町村は、地区計画等の区域(地区整備計画等が定められている区域に限る。)内において、建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する事項で当該地区計画等の内容として定められたものを、政令で定める基準に従い、条例で、これらに関する制限として定めることができる。建築主事を置く市町村に限られない。
法第68条の3第1項より、地区計画の区域のうち再開発等促進区で地区整備計画が定められている区域のうち建築物の容積率の最高限度が定められている区域内では、当該地区計画の内容に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものには、法第52条(容積率)の規定は適用されない。
法第69条より、建築協定は、その区域内における建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠又は建築設備に関する基準についての協定。建築物に附属する門及び塀は建築物に含まれる(法第2条第一号)ので、その意匠に関する基準を定めることができる。
法第75条の2第2項より、建築協定区域隣接地の区域内の土地に係る土地の所有者等は、建築協定の認可等の公告のあった日以後いつでも、当該土地に係る土地の所有者等の全員の合意により、特定行政庁に対して書面でその意思を表示することによって、建築協定に加わることができる。過半数の合意では足りない。
選択肢4建築協定区域隣接地の土地の所有者等が建築協定に加わるには、当該土地に係る土地の所有者等の「全員」の合意が必要(法第75条の2第2項)。過半数ではない。
法第68条の2第1項、法第68条の3第1項、法第69条、法第75条の2第2項
👷 建築士法(No.21〜No.23)
No.21建築士(他の建築士の設計図書の変更・構造設計一級建築士への確認・構造設計図書との照合の工事監理・定期講習を受けたことがない一級建築士)
次の記述のうち、建築基準法又は建築士法上、誤っているものはどれか。
1一級建築士は、他の一級建築士の設計した設計図書の一部を変更しようとするときは、当該一級建築士の承諾を求め、承諾が得られなかったときは、自己の責任において、その設計図書の一部を変更することができる。2構造設計一級建築士以外の一級建築士は、高さが60mを超える建築物の構造設計を行った場合においては、構造設計一級建築士に当該構造設計に係る建築物が建築基準法に規定する構造関係規定に適合するかどうかの確認を求めなければならない。3構造設計一級建築士の関与が義務付けられた建築物については、工事監理において、構造設計図書との照合に係る部分についても、構造設計一級建築士以外の一級建築士が行うことができる。4一級建築士定期講習を受けたことがない一級建築士は、一級建築士の免許を受けた日の次の年度の開始の日から起算して3年を超えた日以降に建築士事務所に所属した場合には、所属した日から3年以内に一級建築士定期講習を受けなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.21
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建築士法第19条より、一級建築士は、他の一級建築士の設計した設計図書の一部を変更しようとするときは、当該一級建築士の承諾を求めなければならないが、ただし書より、承諾を求めることのできない事由があるとき、又は承諾が得られなかったときは、自己の責任において、その設計図書の一部を変更することができる。
建築士法第20条の2第1項・第2項より、建築基準法第20条第1項第一号(高さ60m超)又は第二号の建築物で一級建築士でなければ設計できないものの構造設計を、構造設計一級建築士以外の一級建築士が行った場合は、構造設計一級建築士に構造関係規定に適合するかどうかの確認を求めなければならない。
構造設計一級建築士の関与(建築士法第20条の2)は、構造設計を行う場合と、構造関係規定に適合するかどうかの確認についての決まりで、工事監理については定められていない。一級建築士でなければ工事監理できない建築物の工事監理は、構造設計図書との照合に係る部分も含め、構造設計一級建築士以外の一級建築士が行うことができる(建築士法第3条第1項・第18条。建築基準法第5条の6第4項より、建築主が定める工事監理者は建築士法第3条第1項などに規定する建築士で、構造設計一級建築士に限られない)。
建築士法第22条の2第一号・同法施行規則第17条の37第1項の表より、一級建築士定期講習を受けたことがない一級建築士で、一級建築士試験に合格した日の属する年度の翌年度の開始の日から起算して3年を超えた日以降に建築士事務所に所属した者は、遅滞なく一級建築士定期講習を受けなければならない。免許を受けた日からではなく、所属した日から3年以内に受ければよいのでもない。
選択肢4合格した日の属する年度の翌年度の開始の日から3年を超えた日以降に建築士事務所に所属した一級建築士(定期講習を受けたことがない者)は、「遅滞なく」受ける(建築士法施行規則第17条の37第1項の表)。起算は免許を受けた日ではなく合格した日。
法第5条の6第4項、建築士法第3条第1項、第18条、第19条、第20条の2第1項・第2項、第22条の2第一号、同法施行規則第17条の37第1項
No.22建築士事務所(管理建築士の要件・管理建築士の変更の届出・管理建築士が総括する技術的事項・都道府県知事の報告と立入検査)
次の記述のうち、建築士法上、誤っているものはどれか。ただし、指定事務所登録機関の指定は考慮しないものとする。
1一級建築士事務所に置かれる管理建築士は、一級建築士として3年以上の建築物の設計又は工事監理に関する業務に従事した後に管理建築士講習の課程を修了した建築士でなければならない。2建築士事務所の開設者は、当該建築士事務所の管理建築士の氏名について変更があったときは、2週間以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。3管理建築士が総括する技術的事項には、他の建築士事務所との提携及び提携先に行わせる業務の範囲の案の作成が含まれる。4都道府県知事は、建築士法の施行に関し必要があると認めるときは、一級建築士事務所の開設者又は管理建築士に対し、必要な報告を求め、又は当該職員をして建築士事務所に立ち入り、図書等の物件を検査させることができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.22
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建築士法第24条第2項より、管理建築士は、建築士として3年以上の設計その他の国土交通省令で定める業務に従事した後、管理建築士講習の課程を修了した建築士でなければならない。同法施行規則第20条の4第1項より、その業務には、設計、工事監理のほか、建築工事契約に関する事務、建築工事の指導監督、建築物に関する調査又は鑑定、建築物の建築に関する法令又は条例の規定に基づく手続の代理も含まれる。一級建築士としての3年以上の設計又は工事監理の業務に限られるのではない。
建築士法第23条の5第1項より、建築士事務所の開設者は、管理建築士の氏名など(第23条の2第四号)について変更があったときは、2週間以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
建築士法第24条第3項第三号より、管理建築士が総括する技術的事項には、他の建築士事務所との提携及び提携先に行わせる業務の範囲の案の作成が含まれる。
建築士法第26条の2第1項より、都道府県知事は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、建築士事務所の開設者若しくは管理建築士に対し、必要な報告を求め、又は当該職員をして建築士事務所に立ち入り、図書その他の物件を検査させることができる。
選択肢1管理建築士の要件は「建築士として」3年以上の設計その他の国土交通省令で定める業務(建築士法第24条第2項)。一級建築士としての期間に限られず、業務も設計・工事監理に限られない(同法施行規則第20条の4)。
建築士法第23条の2第四号、第23条の5第1項、第24条第2項・第3項第三号、第26条の2第1項、同法施行規則第20条の4第1項
No.23建築士の免許と建築士事務所の処分(二級建築士の免許の取消しと一級建築士の免許・禁錮以上の刑と免許の取消し・所属建築士の懲戒と登録の取消し・建築士でない者の設計)
次の記述のうち、建築士法上、誤っているものはどれか。
1建築基準法の規定に違反して二級建築士の免許を取り消された者は、その後に一級建築士試験に合格した場合であっても、その取消しの日から起算して5年を経過しない間は、一級建築士の免許を受けることができない。2建築士が道路交通法違反等の建築物の建築に関係しない罪を犯し、禁錮以上の刑に処せられた場合には、建築士の免許の取消しの対象とはならない。3建築士事務所に属する建築士が、その属する建築士事務所の業務として行った行為により建築基準法の規定に違反し、懲戒処分を受けたときは、都道府県知事は、当該建築士事務所の登録を取り消すことができる。4建築士事務所に属する者で建築士でないものが、当該建築士事務所の業務として、建築士でなければできない建築物の設計をしたときは、都道府県知事は、当該建築士事務所の登録を取り消すことができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.23
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当時の建築士法第7条第五号より、同法第10条第1項の規定(建築基準法の規定に違反した場合などの懲戒)により免許を取り消され、その取消しの日から起算して5年を経過しない者には、一級建築士、二級建築士又は木造建築士の免許を与えない。二級建築士の免許を取り消された者は、一級建築士試験に合格しても、5年を経過するまで一級建築士の免許を受けられない。
当時の建築士法第7条第三号より、禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わるなどした日から5年を経過しない者には免許を与えず、同法第8条の2第三号・第9条第1項第二号・第三号より、建築士がこれに該当するに至ったときは、免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事は、その免許を取り消さなければならない。罪の種類は問わないので、建築物の建築に関係しない道路交通法違反などの罪でも、免許の取消しの対象となる。
建築士法第26条第2項第五号より、建築士事務所に属する建築士が、その属する建築士事務所の業務として行った行為を理由として、第10条第1項の規定による処分(懲戒)を受けたときは、都道府県知事は、当該建築士事務所の開設者に対し、戒告し、1年以内の事務所の閉鎖を命じ、又は登録を取り消すことができる。
建築士法第26条第2項第八号より、建築士事務所に属する者で建築士でないものが、その属する建築士事務所の業務として、建築士でなければできない建築物の設計又は工事監理をしたときは、都道府県知事は、当該建築士事務所の登録を取り消すことができる。
選択肢2禁錮以上の刑に処せられた建築士は、罪の種類にかかわらず、免許を取り消さなければならない(当時の建築士法第7条第三号・第8条の2第三号・第9条第1項)。
2019年12月1日施行の改正で建築士法第7条の号が繰り上がり、禁錮以上の刑は今は同条第二号、免許を取り消されてから5年を経過しない者は第四号である(届出は第8条の2第二号。2025年6月1日からは「禁錮以上の刑」は「拘禁刑以上の刑」)。罪の種類を問わず免許を取り消さなければならないことは同じで、答えは変わらない。
建築士法第7条第三号・第五号、第8条の2第三号、第9条第1項第二号・第三号、第10条第1項、第26条第2項第五号・第八号
選択肢3・4は「建築士事務所」の分野です。
📚 関係法令(No.24〜No.27)
No.24都市計画法(図書館の開発行為・市街化調整区域の仮設建築物・都市計画施設の区域内の鉄骨造の改築・地区計画の区域内の用途の変更の届出)
次の記述のうち、都市計画法上、誤っているものはどれか。
1都市計画区域又は準都市計画区域内において、図書館の建築の用に供する目的で行う開発行為で、その規模が4,000㎡のものについては、都道府県知事の許可を受けなければならない。2市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内における仮設建築物の新築については、都道府県知事の許可を受ける必要はない。3都市計画施設の区域内において、地階を有しない鉄骨造、地上2階建ての建築物を改築する場合は、原則として、都道府県知事等の許可を受けなければならない。4地区整備計画が定められている地区計画の区域内において、建築物等の用途の変更を行おうとする場合に、用途変更後の建築物等が地区計画において定められた用途の制限及び用途に応じた建築物等に関する制限に適合するときは、当該行為の種類、場所、着手予定日等を市町村長に届け出る必要はない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.24
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都市計画法第29条第1項第三号より、駅舎その他の鉄道の施設、図書館、公民館、変電所その他これらに類する公益上必要な建築物のうち政令で定めるものの建築の用に供する目的で行う開発行為は、開発許可が不要で、同法施行令第21条第十七号は、図書館法第2条第1項に規定する図書館を定めている。規模が4,000㎡でも許可を受ける必要はない。
都市計画法第43条第1項より、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内で建築物を新築するときは都道府県知事の許可が必要だが、同項第三号より、仮設建築物の新築は除かれる。
都市計画法第53条第1項より、都市計画施設の区域内で建築物の建築(改築を含む)をしようとする者は、原則として都道府県知事等の許可を受けなければならない。同項第一号・同法施行令第37条で許可が不要な軽易な行為は、階数が2以下で地階を有しない木造の建築物の改築又は移転で、鉄骨造の改築は許可が必要。
都市計画法第58条の2第1項・同法施行令第38条の4第1項第一号より、地区計画において用途の制限などが定められている土地の区域で届出が必要な建築物等の用途の変更は、用途変更後の建築物等が地区計画において定められた用途の制限又は用途に応じた建築物等に関する制限に適合しないこととなる場合に限られる。適合するときは届け出る必要はない。
選択肢1図書館の建築の用に供する目的で行う開発行為は、公益上必要な建築物として開発許可が不要(都市計画法第29条第1項第三号・同法施行令第21条第十七号)。
都市計画法第29条第1項第三号、第43条第1項第三号、第53条第1項、第58条の2第1項、同法施行令第21条第十七号、第37条、第38条の4第1項第一号
No.25消防法(準耐火構造の共同住宅の屋内消火栓設備・事務所の3階の自動火災報知設備・2の直通階段のある工場の避難器具・ホテルの連結送水管)
次の記述のうち、消防法上、誤っているものはどれか。ただし、建築物は、いずれも無窓階を有しないものとし、指定可燃物の貯蔵又は取扱いは行わないものとする。
1主要構造部を準耐火構造とした延べ面積1,500㎡、地上2階建ての共同住宅で、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを難燃材料でしたものについては、原則として、屋内消火栓設備を設置しなければならない。2地上3階建ての事務所で、各階の床面積が300㎡のものについては、原則として、3階に自動火災報知設備を設置しなければならない。3各階から避難階又は地上に直通する2の階段が設けられた地上3階建ての工場で、各階の収容人員が100人のものについては、原則として、3階に避難器具を設置しなければならない。4延べ面積6,000㎡、地上5階建てのホテルについては、連結送水管を設置しなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.25
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共同住宅は消防法施行令別表第1(5)項ロで、消防法施行令第11条第1項第二号より延べ面積700㎡以上のものに屋内消火栓設備が必要。同条第2項より、準耐火建築物(建築基準法第2条第九号の三イ又はロに該当するもの)で内装を難燃材料でしたものは、この面積を2倍(1,400㎡)とする。延べ面積1,500㎡の共同住宅は、原則として設置が必要。
消防法施行令第21条第1項第十一号より、別表第1に掲げる建築物の地階、無窓階又は3階以上の階で、床面積が300㎡以上のものには、自動火災報知設備を設置しなければならない。地上3階建ての事務所の3階(300㎡)は、原則として設置が必要。
工場は消防法施行令別表第1(12)項イで、消防法施行令第25条第1項第四号より、(12)項の防火対象物の3階以上の階で避難器具が必要なのは、収容人員が、無窓階又は地階では100人以上、その他の階では150人以上のもの。また、同項第五号の避難器具の決まりは、避難階又は地上に直通する階段が2以上設けられていない階(収容人員10人以上)が対象。2の直通階段があり収容人員100人の3階には、避難器具を設置しなくてよい。
消防法施行令第29条第1項第二号より、地階を除く階数が5以上で、延べ面積が6,000㎡以上の別表第1に掲げる建築物には、連結送水管を設置しなければならない。延べ面積6,000㎡、地上5階建てのホテルは設置が必要。
選択肢3工場((12)項)の避難器具は、3階以上の階で収容人員が150人以上(無窓階は100人以上)のもの(消防法施行令第25条第1項第四号)。避難階又は地上に直通する階段が2以上ない階で10人以上の決まり(第五号)は、2の階段があれば当たらない。
選択肢1について、2024年4月1日施行の改正で、消防法施行令第11条第2項の「主要構造部を耐火構造とし」は「特定主要構造部(建築基準法第2条第九号の二イに規定する特定主要構造部)を耐火構造とし」の書き方になった。準耐火建築物で内装を難燃材料とした共同住宅で延べ面積の数値を2倍(1,400㎡)にすることは同じで、答えは変わらない。
消防法施行令第11条第1項第二号・第2項、第21条第1項第十一号、第25条第1項第四号・第五号、第29条第1項第二号、別表第1
No.26バリアフリー法(倉庫から物品販売店舗への用途変更・自動車教習所・既存建築物の車椅子用エレベーター・案内所と案内板)
次の記述のうち、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」上、誤っているものはどれか。
1既存の倉庫の一部の用途を変更し、床面積の合計が2,500㎡の物品販売業を営む店舗に用途の変更をしようとするときは、当該用途の変更に係る部分に限り、建築物移動等円滑化基準に適合させればよい。2自動車教習所を新築しようとするときは、建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。3この法律の施行の際現に存する特定建築物に、専ら車椅子を使用している者の利用に供するエレベーターを設置する場合において、当該エレベーターが所定の基準に適合し、所管行政庁が防火上及び避難上支障がないと認めたときは、建築基準法の一部の規定の適用については、当該エレベーターの構造は耐火構造とみなされる。4建築物移動等円滑化基準への適合が求められる建築物において、案内所を設ける場合には、当該建築物内の移動等円滑化の措置がとられたエレベーター等の配置を表示した案内板を設けなくてもよい。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.26
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バリアフリー法第14条第1項・同法施行令第9条より、用途の変更をして特別特定建築物にする場合で、用途の変更に係る部分の床面積の合計が2,000㎡以上のものは、建築物移動等円滑化基準に適合させなければならない。同法施行令第22条より、その基準は、用途の変更に係る部分(第一号)のほか、道等から当該部分にある利用居室までの一以上の経路を構成する出入口、廊下等(第二号)、便所(第三号)、駐車場(第五号)などにも適用される。用途の変更に係る部分に限られない。
自動車教習所は特定建築物(バリアフリー法施行令第4条第十七号)で、特別特定建築物ではない。バリアフリー法第16条第1項より、特定建築物(特別特定建築物を除く。)の建築をしようとするときは、建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
バリアフリー法第23条第1項より、この法律の施行の際現に存する特定建築物に専ら車椅子を使用している者の利用に供するエレベーターを設置する場合で、当該エレベーターが所定の基準に適合し、所管行政庁が防火上及び避難上支障がないと認めたときは、建築基準法第27条第2項などの規定の適用については、当該エレベーターの構造は耐火構造とみなす。
バリアフリー法施行令第20条第3項より、建築物移動等円滑化基準で、エレベーター等の配置を表示した案内板などの案内設備を設ける決まり(同条第1項・第2項)は、案内所を設ける場合には適用しない。
選択肢1用途の変更で特別特定建築物にする場合も、建築物移動等円滑化基準は、変更部分のほか、道等から利用居室までの経路、便所、駐車場などにも適用される(バリアフリー法施行令第22条)。変更部分に限られない。
2025年6月1日施行の改正でバリアフリー法施行令の条が繰り下がり、増築等(用途の変更をして特別特定建築物にすることを含む。)の場合の適用範囲は今は同法施行令第23条、案内設備の決まりは第21条(案内所を設ける場合の適用除外は同条第3項)である。答えは変わらない。選択肢3について、2019年6月25日施行の改正で、バリアフリー法第23条第1項で耐火構造とみなす建築基準法の規定は第27条第2項だけになった(第61条・第62条第1項の読替えはなくなった)。建築基準法の一部の規定の適用について耐火構造とみなすことは同じで、答えは変わらない。
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第14条第1項、第16条第1項、第23条第1項、同法施行令第4条第十七号、第9条、第20条第3項、第22条
No.27関係法令(景観地区の認定・緑化地域の緑化率・土砂災害特別警戒区域の店舗の開発行為・特定既存耐震不適格建築物)
次の記述のうち、関係法令上、誤っているものはどれか。
1「景観法」に基づき、景観地区内において建築物の建築等をしようとする者は、原則として、あらかじめ、その計画が、所定の規定に適合するものであることについて、市町村長の認定を受けなければならない。2「都市緑地法」に基づき、緑化地域内において、敷地面積が1,000㎡の建築物の新築又は増築をしようとする者は、原則として、当該建築物の緑化率を、緑化地域に関する都市計画において定められた建築物の緑化率の最低限度以上としなければならない。3「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」に基づき、土砂災害特別警戒区域内において、予定建築物の用途が店舗である都市計画法に基づく開発行為をしようとする者は、原則として、あらかじめ、「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」に基づく都道府県知事の許可を受けなければならない。4「建築物の耐震改修の促進に関する法律」に基づき、特定既存耐震不適格建築物の所有者は、当該建築物について耐震診断を行い、その結果、地震に対する安全性の向上を図る必要があると認められるときは、耐震改修を行うよう努めなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.27
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景観法第63条第1項より、景観地区内において建築物の建築等をしようとする者は、あらかじめ、その計画が同法第62条の規定(景観地区の都市計画に定められた建築物の形態意匠の制限)に適合するものであることについて、申請書を提出して市町村長の認定を受けなければならない。
都市緑地法第35条第1項・同法施行令第9条より、緑化地域内では、敷地面積が1,000㎡(条例で300㎡以上1,000㎡未満の範囲で別に定めることができる。)以上の建築物の新築又は増築をしようとする者は、当該建築物の緑化率を、緑化地域に関する都市計画において定められた建築物の緑化率の最低限度以上としなければならない。
土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第10条第1項より、土砂災害特別警戒区域内で許可が必要なのは、予定建築物の用途が制限用途である開発行為(特定開発行為)で、同条第2項より、制限用途は住宅(自己の居住の用に供するものを除く。)並びに社会福祉施設、学校及び医療施設(政令で定めるもの)。予定建築物の用途が店舗である開発行為には、許可は要らない。
建築物の耐震改修の促進に関する法律第14条より、特定既存耐震不適格建築物の所有者は、当該建築物について耐震診断を行い、その結果、地震に対する安全性の向上を図る必要があると認められるときは、当該建築物について耐震改修を行うよう努めなければならない。
選択肢3土砂災害特別警戒区域内で許可が必要な特定開発行為は、予定建築物が住宅(自己の居住用を除く。)や社会福祉施設・学校・医療施設のもの(土砂災害防止法第10条)。店舗は対象外。
景観法第63条第1項、都市緑地法第35条第1項、同法施行令第9条、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第10条第1項・第2項、建築物の耐震改修の促進に関する法律第14条
🧩 総合(木造)・罰則・関係法令(No.28〜No.30)
No.28木造の建築物(軒の高さ10mの平家の体育館の構造計算・1,800㎡の図書館の防火壁・旅館の消火器具の減少・高さ14mの共同住宅の工事監理)
木造の建築物に関する次の記述のうち、関係法令上、誤っているものはどれか。
1「建築基準法」に基づき、延べ面積1,500㎡、高さ13m、軒の高さ10mの木造の平家建ての体育館については、許容応力度等計算により構造耐力上の安全性を確かめることができる。2「建築基準法」に基づき、防火地域及び準防火地域以外の区域内における、延べ面積1,800㎡、耐火建築物及び準耐火建築物以外の木造の地上2階建ての図書館については、床面積の合計1,000㎡以内ごとに防火上有効な構造の防火壁によって有効に区画しなければならない。3「消防法」に基づき、延べ面積600㎡、木造の地上2階建ての旅館(無窓階を有しないものとし、少量危険物又は指定可燃物の貯蔵又は取扱いは行わないもの)については、所定の基準に従って屋内消火栓設備を設置した場合には、原則として、消火器具の設置個数を減少することができる。4「建築士法」に基づき、延べ面積500㎡、高さ14m、軒の高さ9mの木造の地上3階建ての共同住宅の新築については、一級建築士事務所の管理建築士の監督の下に、当該建築士事務所に属する二級建築士が工事監理をすることができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.28
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木造で軒の高さが9mを超える(10m)建築物は、当時の法第20条第1項第二号の建築物。高さ31m以下なので、令第81条第2項第二号イより、許容応力度等計算又はこれと同等以上に安全性を確かめることができる構造計算(保有水平耐力計算などを含む)によって安全性を確かめることができる。
法第26条より、延べ面積が1,000㎡を超える建築物は、防火上有効な構造の防火壁によって有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000㎡以内としなければならない(耐火建築物・準耐火建築物などを除く)。延べ面積1,800㎡の木造の図書館は、防火壁で区画しなければならない。
延べ面積600㎡の旅館(消防法施行令別表第1(5)項イ)には消防法施行令第10条より消火器具が必要で、消防法施行規則第8条第1項より、屋内消火栓設備を技術上の基準に従って設置した場合は、その有効範囲内の部分について、消火器具の能力単位の数値の合計数の1/3までを減少した数値とすることができる。
当時の建築士法第3条第1項第二号より、木造の建築物で高さが13m又は軒の高さが9mを超えるものを新築する場合は、一級建築士でなければ、その設計又は工事監理をしてはならない。高さ14mの木造の共同住宅の新築の工事監理は、管理建築士の監督の下であっても、二級建築士がすることはできない。
選択肢4当時、木造で高さ13m又は軒の高さ9mを超える建築物は、一級建築士でなければ設計・工事監理できない(建築士法第3条第1項第二号)。管理建築士の監督の下でも、二級建築士は工事監理できない。
2025年4月1日施行の改正で、建築士法第3条第1項第二号は「木造の建築物又は建築物の部分で、高さが16mを超えるもの又は地階を除く階数が4以上であるもの」になりました。延べ面積500㎡、高さ14m、地上3階建ての木造の共同住宅は、今は一級建築士又は二級建築士が設計・工事監理できる建築物(同法第3条の2第1項第二号)になり、二級建築士が工事監理をすることができます。今の法令では4も正しくなり、誤っているものはなくなります(1は今は法第20条第1項第三号の建築物になりますが、許容応力度等計算で安全性を確かめることは今もできます)。
選択肢1について、2025年4月1日施行の改正で、法第20条第1項第二号の木造の建築物は「地階を除く階数が4以上又は高さが16mを超えるもの」になった。延べ面積1,500㎡・高さ13mの木造の平家建ての体育館は今は同項第三号の建築物だが、許容応力度等計算(同等以上の構造計算)で安全性を確かめることができることは同じで、答えは変わらない。
法第20条第1項第二号、法第26条、令第81条第2項第二号イ、消防法施行令第10条、消防法施行規則第8条第1項、建築士法第3条第1項第二号
選択肢1は「構造計算」、選択肢2は「防火」、選択肢3は「消防法」の分野です。
No.29建築基準法・建築士法(構造設計一級建築士の定期講習・許容応力度等計算と構造計算適合性判定・報告をしない者の罰則・工事監理者を定めない建築主)
次の記述のうち、建築基準法又は建築士法上、誤っているものはどれか。
1構造設計一級建築士は、建築士事務所に属さず、教育に関する業務を行っている場合であっても、構造設計一級建築士定期講習を受けなければならない。2許容応力度等計算を要する建築物について、許容応力度等計算を行ったものであっても、構造計算適合判定資格者である建築主事が、確認申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するかどうかを審査したものは、構造計算適合性判定を受けなくてもよい。3特定行政庁が、建築物の所有者、管理者、設計者、工事監理者、工事施工者又は建築物に関する調査をした者に対して、建築物の構造又は建築設備に関する調査の状況について報告を求めたにもかかわらず、報告をしなかった当該所有者等は、罰則の適用の対象となる。4建築主が工事監理者を定めないまま、一級建築士でなければ工事監理ができない建築物の工事をさせた場合においては、当該建築主は、罰則の適用の対象となる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.29
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建築士法第22条の2第四号より、構造設計一級建築士は、建築士事務所に属するかどうかにかかわらず、構造設計一級建築士定期講習を受けなければならない(一級建築士定期講習(第一号)は建築士事務所に属する一級建築士)。
法第6条の3第1項ただし書より、許容応力度等計算(確認審査が比較的容易にできるものとして政令で定めるもの)について、構造計算に関する高度の専門的知識及び技術を有する者として国土交通省令で定める要件を備える建築主事(特定建築基準適合判定資格者)が審査する場合などは、構造計算適合性判定を求めなくてよい。
法第12条第5項第一号より、特定行政庁などは、建築物の所有者、管理者、設計者、工事監理者、工事施工者又は建築物に関する調査をした者などに対して、建築物の構造又は建築設備に関する調査の状況などについて報告を求めることができ、法第99条第1項第五号より、その報告をせず、又は虚偽の報告をした者は罰則(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)の対象となる。
法第5条の6第4項より、建築主は、一級建築士でなければ工事監理ができない建築物などの工事をする場合は、所定の建築士である工事監理者を定めなければならず、同条第5項より、工事監理者を定めない工事はすることができない。法第101条第1項第一号より、これらに違反した場合に罰則(100万円以下の罰金)の対象となるのは、当該建築物の工事施工者で、建築主ではない。
選択肢4工事監理者を定めないまま工事をした場合に罰則(法第101条第1項第一号)の対象となるのは、工事施工者。建築主ではない(建築主の義務は法第5条の6第4項)。
2025年6月1日施行の改正で、法第99条の「懲役」は「拘禁刑」になった。答えは変わらない。選択肢2について、2025年4月1日施行の改正で、法第6条の3第1項ただし書は、確認審査の区分(第一号・第二号)ごとに、省令で定める要件を備える建築主事等・確認検査員が審査する場合の書き方になった。許容応力度等計算について要件を備える建築主事が審査する場合に構造計算適合性判定を受けなくてよいことは同じで、答えは変わらない。
法第5条の6第4項・第5項、法第6条の3第1項、法第12条第5項第一号、法第99条第1項第五号、法第101条第1項第一号、建築士法第22条の2第四号
選択肢1は「建築士」、選択肢2は「構造計算」の分野です。
No.30関係法令(低炭素建築物の容積率の特例・低炭素建築物新築等計画と建築基準関係規定の審査・適合判定通知書の提出の時期・向上計画の認定と適合性判定)
次の記述のうち、関係法令上、誤っているものはどれか。
1「都市の低炭素化の促進に関する法律」に基づき、低炭素建築物新築等計画の認定基準に適合させるための措置をとることにより通常の建築物の床面積を超えることとなる場合、建築基準法第52条第1項に基づく容積率の算定の基礎となる延べ面積には、一定の限度内の床面積は、算入しないものとする。2「都市の低炭素化の促進に関する法律」に基づき、低炭素建築物新築等計画の認定を申請する者は、所管行政庁に対し、当該計画を建築主事に通知し、当該計画が建築基準法に規定する建築基準関係規定に適合するかどうかの審査を受けるよう申し出ることができる。3「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」に基づき、建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けた者は、建築基準法に基づく確認申請書を建築主事に提出するときに、併せて適合判定通知書又はその写しを提出しなければならない。4「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」に基づき、建築物エネルギー消費性能向上計画の認定を受けたときは、当該建築物の新築等のうち、建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けなければならないものについては、原則として、適合判定通知書の交付を受けたものとみなされる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.30
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都市の低炭素化の促進に関する法律第60条より、低炭素建築物の床面積のうち、認定基準に適合させるための措置をとることにより通常の建築物の床面積を超えることとなる場合の政令で定める床面積(延べ面積の1/20が限度)は、容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入しない。
都市の低炭素化の促進に関する法律第54条第2項より、低炭素建築物新築等計画の認定の申請をする者は、所管行政庁に対し、当該計画を建築主事に通知し、当該計画が建築基準関係規定に適合するかどうかの審査を受けるよう申し出ることができる。
当時の建築物省エネ法第12条第6項より、建築物エネルギー消費性能適合性判定を受け適合判定通知書の交付を受けた建築主は、確認をする建築主事又は指定確認検査機関に、適合判定通知書又はその写しを提出しなければならない。同条第7項より、建築主事の確認に係るものは、確認の審査の期間(延長された場合は延長後の期間)の末日の3日前までに提出すればよく、確認申請書を提出するときに併せて提出しなければならないのではない(建築主事等は、提出を受けた場合に限り確認できる:同条第8項)。
当時の建築物省エネ法第30条第8項より、建築物エネルギー消費性能向上計画の認定を受けたときは、当該建築物の新築等のうち建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けなければならないものについては、建築基準関係規定の審査の申出があった場合を除き、適合判定通知書の交付を受けたものとみなす。
選択肢3当時の建築物省エネ法で、建築主事の確認に係る建築物の適合判定通知書(又はその写し)は、確認の審査期間の末日の3日前までに建築主事に提出する(同法第12条第7項)。確認申請書の提出の時に併せて提出しなければならないのではない。
2025年4月1日施行の改正で建築物省エネ法の条が組み替えられ、適合判定通知書の提出の決まりは今は同法第11条第6項・第7項(建築主事等の確認に係るものは審査の期間の末日の3日前までに提出)、向上計画の認定を受けた場合のみなしは第30条第8項である。答えは変わらない。選択肢2について、2024年4月1日施行の改正で、低炭素建築物新築等計画の通知先は「建築主事又は建築副主事」になった(都市の低炭素化の促進に関する法律第54条第2項)。建築基準関係規定に適合するかどうかの審査を受けるよう申し出ることができることは同じで、答えは変わらない。
都市の低炭素化の促進に関する法律第54条第2項、第60条、建築物省エネ法(当時)第12条第6項・第7項・第8項、第30条第8項
選択肢1・2は「その他の関係法令」の分野です。
平成30年の合格基準点(学科の試験)
配点は各問題1点(学科Ⅰ・Ⅱは各20点、学科Ⅲ・Ⅳは各30点、学科Ⅴは25点、合計125点)で、各科目の基準点と総得点の基準点のすべてに達した人が合格です。
| 学科Ⅰ 計画 | 学科Ⅱ 環境・設備 | 学科Ⅲ 法規 | 学科Ⅳ 構造 | 学科Ⅴ 施工 | 総得点 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 合格基準点 | 11点 | 11点 | 16点 | 16点 | 13点 | 91点 |
※ 平成30年の合格基準点は、各科目が計画11点・環境設備11点・法規16点・構造16点・施工13点、総得点が91点でした。
出典:建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験『学科の試験』の合格基準点等について」
法規の基準点は16点(30点中)です。法令集を持ち込める科目なので、条文を引けば確かめられる問題が多く、ほかの科目の取りこぼしを補う得点源にしやすい科目です。本番は1問あたり約3分半なので、法令集の引き方に慣れておくことが大切です(勉強の進め方は関連記事の「一級建築士は独学で合格できる」で紹介しています)。
ほかの年度の過去問・分野別の解説
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