全25問の解答・解説
令和2年(2020年7月12日実施)の一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)の全25問を、選択肢ごとに正誤の理由を示して解説します。施工計画・現場の管理・各種工事(地業・鉄筋・コンクリート・鉄骨・仕上げ・設備・改修)・契約から出題されます。まず自分で解き、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

令和2年 一級建築士試験(学科)の概要
問題文は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)の試験問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各問の枠の右下に出典)。正答は、同センターの合格基準点等(正答肢)と全問を照らし合わせています。
解説は、出題当時の法令・基準によります(法令がからむ問題は令和2年1月1日時点の法令)。その後の改正や基準の改定で答えが変わる問題には「🔶 現在の基準では」、言い方だけが変わった問題には「ℹ️ その後の改正」の枠を付けています。
分野ごとの問題一覧
施工の25問は、毎年おおむね同じ順番で、分野ごとに出題されます。解きたい問題を押すと、その問題へ移動します。
📋 監理業務・現場の管理・材料と品質の管理・届出・地盤調査と仮設(No.1〜No.5)
No.1業務報酬基準(平成31年国土交通省告示第98号)による監理業務(設計図書の矛盾の報告・工事材料の検討・施工計画の検討・指示や検査など)
監理者が行う一般的な監理業務に関する次の記述のうち、「建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準(平成31年国土交通省告示第98号)」の「工事監理に関する標準業務及びその他の標準業務」の内容に照らして、最も不適当なものはどれか。
1監理者は、設計図書の内容を把握し、設計図書に明らかな矛盾、誤謬、脱漏、不適切な納まり等を発見した場合には、工事施工者に確認したうえで、設計者に報告する。2監理者は、設計図書の定めにより、工事施工者が提案又は提出する工事材料、設備機器等(当該工事材料、設備機器等に係る製造者及び専門工事業者を含む。)及びそれらの見本が設計図書の内容に適合しているかについて検討し、建築主に報告する。3監理者は、設計図書の定めにより、工事施工者が作成し、提出する施工計画(工事施工体制に関する記載を含む。)について、工事請負契約に定められた工期及び設計図書に定められた品質が確保できないおそれがあるかについて検討し、確保できないおそれがあると判断するときは、その旨を建築主に報告する。4監理者は、工事請負契約に定められた指示、検査、試験、立会い、確認、審査、承認、助言、協議等(設計図書に定めるものを除く。)を行い、また工事施工者がこれを求めたときは、速やかにこれに応じる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.1
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設計図書に明らかな矛盾・誤謬・脱漏・不適切な納まりなどを見つけたときは、建築主に報告し、必要に応じて建築主を通じて設計者に確認する(業務報酬基準 別添一 2)。工事施工者に確認したうえで設計者に報告するのではない。
工事施工者が提案・提出する工事材料・設備機器など(製造者・専門工事業者を含む)とその見本が設計図書に適合しているかを検討し、建築主に報告するのは、工事監理に関する標準業務。
工事施工者が提出する施工計画(施工体制を含む)について、工期や品質が確保できないおそれがないかを検討し、おそれがあれば建築主に報告するのは、工事監理に関する標準業務。
工事請負契約に定められた指示・検査・試験・立会い・確認・審査・承認・助言・協議など(設計図書に定めるものを除く)を行い、工事施工者から求められたら速やかに応じるのは、その他の標準業務。
建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準(平成31年国土交通省告示第98号。令和6年1月に令和6年国土交通省告示第8号に改められた)別添一 2
No.2工事現場の管理等(特定建設作業の騒音・タイル割りの時期・監理技術者の研修時の代理・年少者の足場の作業)
工事現場の管理等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1騒音規制法に定める指定地域内で行われる特定建設作業に伴って発生する騒音が、当該作業の場所の敷地の境界線において、85dB以下となるように管理した。2鉄筋コンクリート造の外壁へのタイル割りについては、外周の躯体寸法、外壁開口寸法等にかかわるため、コンクリートの躯体図の作成に先立ち行った。3工事現場に専任の監理技術者を配置すべき工事であったが、監理技術者が技術研鑽のための研修への参加により短期間、当該工事現場を離れることとなったので、発注者の了解のもと、必要な資格を有する代理の技術者を配置した。4建築物内部の枠組足場の組立及び解体作業において、1段目の枠組足場上の作業であったので、満16歳の者を従事させた。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.2
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特定建設作業の騒音は、作業場所の敷地の境界線で85dBを超えないように管理する(騒音規制法に基づく基準)。
外壁のタイル割りは、外周の躯体寸法や開口寸法に関わるので、躯体図の作成に先立って行う。
専任の監理技術者が研修への参加などで短期間現場を離れる場合は、発注者の了解を得て、必要な資格をもつ代理の技術者を置けばよいとされている。
満18歳に満たない者は、足場の組立て・解体・変更の業務(地上または床上の補助作業を除く)に就かせてはならない(年少者労働基準規則 第8条)。1段目の枠組足場上の作業でも補助作業ではないので、満16歳の者を従事させてはならない。
年少者労働基準規則 第8条(足場の組立て・解体・変更の業務(地上または床上の補助作業を除く)は満18歳未満の者を就かせてはならない)
No.3材料管理、品質管理等(既製杭の荷降ろし・異形鉄筋の圧延マーク・押出成形セメント板の積置き・塗料の沈殿物)
材料管理、品質管理等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1既製コンクリート杭の荷降ろしに当たっては、杭の両端から杭の長さの1/5の位置付近の2点で支持しながら、杭に衝撃を与えないように行った。2JISに適合する異形鉄筋の種類の確認において、SD295Aについては圧延マークによる表示がないことを、SD345については圧延マークによる表示が「突起の数1個(・)」であることを、目視により行った。3外壁工事に使用する押出成形セメント板の保管については、積置き場所を平坦で乾燥した屋内とし、台木を配置したうえで、積置き高さを最大で1.2mとした。4塗料については、使用直前に撹拌したところ、撹拌しても再分散しない沈殿物、皮ばり、凝集等の現象が生じていたので、こしわけによりこれらを取り除いて使用した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.3
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既製コンクリート杭の荷降ろしは、杭の両端から杭の長さの1/5の位置付近の2点で支持し、衝撃を与えないように行う。
異形鉄筋の種類は圧延マークで見分けられ、SD295A は圧延マークなし、SD345 は突起の数1個(・)。
押出成形セメント板は、平坦で乾燥した屋内に台木を置いて保管し、積置き高さは 1.0m以下とする。1.2mは高すぎる(パネルの破損やたわみのおそれ)。
使用直前にかくはんしても再分散しない沈殿物、皮ばり、凝集などがある場合は、こし分けて取り除いて使う。
No.4建築工事等の届出等(安全上の措置等に関する計画届・高層建築物等予定工事届・建設工事計画届・建築物除却届)
建築工事等の届出等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
110階建ての病院(5階以上の階における病院部分の床面積の合計が1,500㎡を超えるもの)において、避難施設に関する工事中に当該病院を使用する計画であったので、その工事に先立ち、建築主が特定行政庁あてに「安全上の措置等に関する計画届」を提出した。2電波法に基づく伝搬障害防止区域内における高さ35mの建築物の新築工事において、当該工事の着手前に、建築主が総務大臣あてに「高層建築物等予定工事届」を提出した。3高さ35mの建築物の新築工事において、当該工事の開始の日の14日前までに、事業者が労働基準監督署長あてに「建設工事計画届」を提出した。4既存建築物を除却し、引き続き同じ敷地に床面積の合計が200㎡の建築物を新築する工事に先立ち、当該既存建築物の床面積の合計が100㎡であったので、当該工事の施工者が特定行政庁あてに「建築物除却届」を提出した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.4
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避難施設等に関する工事中に建築物を使用する場合で、一定規模以上の病院など(5階以上の階の病院部分の床面積の合計が1,500㎡を超えるもの)は、建築主が、安全上の措置等に関する計画を特定行政庁に届け出る(建築基準法 第90条の3)。
伝搬障害防止区域内で高さ31mを超える建築物を建てるときは、建築主が、着手前に高層建築物等予定工事届を総務大臣に提出する(電波法 第102条の3)。
高さ31mを超える建築物の建設の仕事は、開始の日の14日前までに、建設工事計画届を労働基準監督署長に提出する(労働安全衛生法 第88条第3項・労働安全衛生規則 第90条第一号)。
床面積の合計が10㎡を超える建築物を除却するときは、工事の施工者が、建築主事を経由して都道府県知事に建築物除却届を届け出る(建築基準法 第15条第1項)。特定行政庁あてではない。
建築基準法 第90条の3・第15条第1項、電波法 第102条の3、労働安全衛生法 第88条第3項・労働安全衛生規則 第90条第一号
No.5地盤調査及び仮設工事(平板載荷試験の整地の範囲・ベンチマーク・枠組足場の墜落防止措置・防護棚)
地盤調査及び仮設工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1地盤の平板載荷試験において、試験地盤面については、直径30cmの円形の載荷板の中心から1.2mの範囲を水平に整地した。2建築物の高さと位置の基準となるベンチマークについては、工事中に移動のおそれのない位置に設けたコンクリート杭及び前面道路の2箇所に設け、相互に確認できる位置とした。3風荷重を受けるシート類を設けない枠組足場の構面からの墜落防止措置として、交差筋かい及び高さ10cmの幅木を設けた。4工事を行う部分と隣家との水平距離が5mであったので、落下物による危害を防止するため、地上からの高さが5mの位置に防護棚(朝顔)の1段目を設けた。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.5
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平板載荷試験の試験地盤面は、載荷板の中心から載荷板の直径の3倍以上(直径30cmなら0.9m以上)の範囲を水平に整地するので、1.2mの範囲は適当。
ベンチマークは、移動のおそれのない位置に2か所以上設け、相互に確認できるようにする。
わく組足場の構面からの墜落防止措置は、交差筋かいに加えて、高さ15cm以上40cm以下の桟、または高さ15cm以上の幅木などを設ける(労働安全衛生規則 第563条第1項第三号)。高さ10cmの幅木では足りない。
工事を行う部分から水平距離5m以内に隣家などがある場合は、落下物による危害を防ぐ防護棚を設ける(建設工事公衆災害防止対策要綱(建築工事編))。1段目を地上5mの位置に設けるのは適当。
労働安全衛生規則 第563条第1項第三号(令和2年1月1日の版:わく組足場は、交差筋かいと高さ15cm以上40cm以下の桟または高さ15cm以上の幅木など)
🏗️ 土工事・地業・鉄筋・型枠・コンクリート・プレキャスト(No.6〜No.12)
No.6大規模な土工事及び山留め工事(ボイリング対策・盤ぶくれ対策・ソイルセメント壁のかくはん・盤圧計の設置位置)
大規模な土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1掘削工事において、ボイリングの発生が予測されたので、地下水を遮断するために止水性のある山留め壁の根入れを難透水層まで延長した。2掘削工事において、盤ぶくれの発生が予測されたので、地下水位を低下させるために掘削底面(難透水層)下の被圧帯水層にディープウェルを差し込んだ。3ソイルセメント壁の施工において、掘削対象土が撹拌不良となりやすいロームを含んでいる地層であったので、入念に原位置土とセメント系懸濁液との撹拌を行った。4山留め支保工の架設において、切張りに設置する盤圧計については、その軸力を正しく計測するために、両側の腹起しから最も離れた位置として、切張り支点間の中央に設置した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.6
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ボイリングの対策として、止水性のある山留め壁の根入れを難透水層まで延ばし、地下水を遮断する。
盤ぶくれの対策として、掘削底面の下の被圧帯水層にディープウェルを入れ、被圧水頭を下げる。
ロームのようにかくはん不良になりやすい地層では、原位置土とセメント系懸濁液を入念にかくはんする。
盤圧計は切ばりの軸力を測る計器で、火打ちを設ける場合は火打ちの基部、設けない場合は腹起しと切ばりの接合部に設置する。切ばりの中央付近は、自重などによる曲げの影響を受けて軸力を正しく測れない。
No.7地業工事(安定液中に打ち込む杭のコンクリートの単位セメント量・杭頭処理の時期・硫酸塩を含む地下水・オーガーの引上げ)
地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1場所打ちコンクリート杭工事において、安定液中に打ち込む杭に使用するコンクリートの単位セメント量については、310kg/㎥とした。2場所打ちコンクリート杭工事において、余盛り部分を所定の位置まではつり処理を行う計画であったので、処理の時期をコンクリート打込み後14日経過した後とした。3セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、根固め液及び杭周固定液に使用するセメントについては、地下水に硫酸塩を含む場所であったので、高炉セメントを使用した。4セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、掘削後のアースオーガーの引き上げについては、掘削時と同様にアースオーガーを正回転させながら行った。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.7
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場所打ちコンクリート杭のコンクリートの単位セメント量の最小値は、無水掘りの場合は310kg/㎥だが、安定液中に打ち込む場合(それ以外の場合)は340kg/㎥(公共建築工事標準仕様書 表4.5.1)。310kg/㎥では少ない。
杭頭の余盛り部分のはつり処理は、コンクリートの打込みから14日程度経過した後に行う(公共建築工事標準仕様書 4.5.7)。
地下水に硫酸塩を含む場所では、化学抵抗性の高い高炉セメントを根固め液・杭周固定液に使う。
アースオーガーの引上げは、掘削時と同じく正回転させながら行う(逆回転させると土砂が孔の中に落ちる)。
No.8ガス圧接継手の外観検査(圧接面のずれ・膨らみの直径・膨らみの長さ・中心軸の偏心量)
鉄筋工事におけるガス圧接継手の外観検査の検査項目とその外観形状について、鉄筋の継手の構造方法の規定に照らして、最も不適当なものは、次のうちどれか。ただし、鉄筋の種類はSD345とする。
図を押すと大きく表示します
検査項目 外観形状(図の要点) 1. 圧接面のずれ 圧接面と膨らみの頂部のずれ6mm(鉄筋径25mm) 2. 圧接部の膨らみの直径 35mm(鉄筋径25mm) 3. 圧接部の膨らみの長さ 27mm(鉄筋径25mm) 4. 鉄筋中心軸の偏心量 4mm(鉄筋径25mm) 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8
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圧接面のずれは、鉄筋径の1/4以下(25÷4=6.25mm以下)なので、6mmは適当(平成12年建設省告示第1463号・公共建築工事標準仕様書 5.4.4)。
膨らみの直径は、鉄筋径の1.4倍以上(25×1.4=35mm以上)なので、35mmは適当。
膨らみの長さは、鉄筋径の1.1倍以上(25×1.1=27.5mm以上)必要なので、27mmでは足りない(平成12年建設省告示第1463号・公共建築工事標準仕様書 5.4.4)。
鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径の1/5以下(25÷5=5mm以下)なので、4mmは適当。
平成12年建設省告示第1463号(鉄筋の継手の構造方法:圧接部の膨らみの直径は鉄筋径の1.4倍以上、長さは1.1倍以上、ずれは1/4以下、偏心は1/5以下)
No.9型枠工事(柱と壁の側圧・パイプサポートの水平つなぎ・パラペットの浮かし型枠・高炉セメントB種のせき板の存置期間)
型枠工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1型枠の構造計算を行うに当たり、コンクリートの打込み速さを10m/h以下、コンクリートの打込み高さを1.5m以下として計画したので、柱の側圧と壁の側圧とを同じ値とした。2パイプサポートを支柱に用いる型枠支保工については、その高さが3.5mを超える計画としたので、高さ2.0mごとに水平つなぎを二方向に設け、かつ、水平つなぎの変位を防止する措置を行った。3パラペットのコンクリートとスラブとを一体に打ち込むに当たり、パラペットの型枠を浮かし型枠とする箇所については、コンクリートの打込み時に型枠が動かないように、外部足場に固定した。4基礎のコンクリートに使用するセメントが普通ポルトランドセメントから高炉セメントB種に変更となったので、コンクリートの材齢によるせき板の最小存置期間を普通ポルトランドセメントの場合より長く設定した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.9
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打込み速さ10m/h以下、打込み高さ1.5m以下の場合は、側圧はフレッシュコンクリートの単位容積重量×打込み高さで求め、柱と壁で同じ値になる。
パイプサポートの高さが3.5mを超えるときは、高さ2m以内ごとに水平つなぎを二方向に設け、変位を防ぐ(労働安全衛生規則 第242条第七号ハ・第六号イ)。
浮かし型枠は、コンクリートの打込み時に動かないよう、躯体(スラブの鉄筋や型枠の支保工)など動かないものに固定する。外部足場は、作業や風で動くので固定先にしない。
高炉セメントB種は普通ポルトランドセメントより強度の出方が遅いので、せき板の最小存置期間は長くなる(公共建築工事標準仕様書 表6.8.2)。
労働安全衛生規則 第242条第七号ハ・第六号イ(パイプサポートの高さが3.5mを超えるときは、高さ2m以内ごとに水平つなぎを二方向に設ける)
No.10受入れ時の検査の調合管理強度の判定(3回の試験の各平均値と総平均値)
レディーミクストコンクリートの受入れ時の検査について、表のA~Cの圧縮強度試験の結果に対する調合管理強度の判定に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。ただし、コンクリートの調合管理強度は30N/mm²とし、1回の試験には任意の1台の運搬車から採取したコンクリート試料で作製した3個の供試体を用いるものとする。
1回目の平均値
(N/mm²)2回目の平均値
(N/mm²)3回目の平均値
(N/mm²)総平均値
(N/mm²)A 33.0 34.5 31.5 33.0 B 26.5 33.0 32.0 30.5 C 28.0 30.0 30.5 29.5 1Aは「合格」、B及びCは「不合格」と判定する。2A及びBは「合格」、Cは「不合格」と判定する。3A及びCは「合格」、Bは「不合格」と判定する。4A、B及びCを「合格」と判定する。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.10
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Bも合格なので、不適当(下の正答の説明を参照)。
調合管理強度の判定は3回の試験で行い、①1回の試験の平均値がすべて調合管理強度の85%以上(30×0.85=25.5N/mm²以上)、②3回の総平均値が調合管理強度(30N/mm²)以上、の両方を満たせば合格(公共建築工事標準仕様書 6.9.4)。Aは①②とも満たす。Bは1回目が26.5(25.5以上)で、総平均30.5なので合格。Cは総平均29.5で30未満なので不合格。よって「A及びBは合格、Cは不合格」。
Bは合格、Cは総平均値が30未満なので不合格。逆になっている。
Cは総平均値29.5N/mm²が調合管理強度30N/mm²未満なので不合格。
No.11コンクリート工事(高炉セメントB種の構造体強度補正値・高強度コンクリートの自己収縮・マスコンクリートの養生・自由落下による打込み)
コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1高炉セメントB種を使用したコンクリートの調合管理強度について、特記がなく、コンクリートの打込みから材齢28日までの期間の予想平均気温が8~10℃であったので、構造体強度補正値を3N/mm²とした。2高強度コンクリートの自己収縮を抑制するために、所要のワーカビリティーが得られる範囲で、高性能AE減水剤の使用量を増やして単位水量を小さくしたうえで、単位セメント量をできるだけ小さくした。3マスコンクリートの表面ひび割れの低減のため、表面を断熱養生マットで覆うことにより養生した。4柱や壁の型枠へのコンクリートの打込みにおいて、コンクリートが分離しない範囲で、自由落下により打ち込んだ。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.11
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高炉セメントB種の構造体強度補正値は、予想平均気温が13℃以上なら3N/mm²、0℃以上13℃未満なら6N/mm²(公共建築工事標準仕様書 表6.3.2)。8〜10℃では6N/mm²とする。
高強度コンクリートの自己収縮を抑えるには、高性能AE減水剤で単位水量を小さくしたうえで、単位セメント量をできるだけ小さくする。
マスコンクリートの表面のひび割れを減らすには、表面を断熱養生マットで覆って、内部との温度差を小さくする。
柱や壁の型枠へは、コンクリートが分離しない範囲で、自由落下により打ち込んでよい。
No.12プレキャスト鉄筋コンクリート工事(脱型時の強度の確認・梁部材の長さの許容差・エンクローズ溶接の順序・液状シールの塗布幅)
プレキャスト鉄筋コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1製造工場におけるプレキャスト部材コンクリートの脱型時の圧縮強度については、プレキャスト部材と同一養生を行った供試体の圧縮強度試験の結果により確認した。2プレキャスト梁部材の長さについては、特記がなかったので、許容差を±10mmとして製品の寸法精度の管理を行った。3エンクローズ溶接継手によるプレキャスト部材相互の接合において、溶接作業については、建築物の外周部から中央部へ順次行った。4液状シールによるプレキャスト屋根部材の接合部の防水において、液状シールの塗布幅については、目地幅端部より両端とも60mm以上とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.12
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脱型時の圧縮強度は、部材と同じ養生をした供試体の圧縮強度試験で確かめる。
プレキャスト梁部材の長さの寸法の許容差は、特記がなければ±10mmとする。
エンクローズ溶接継手による部材相互の接合は、溶接による収縮の拘束を少なくするため、建築物の中央部から外周部へ向かって順に行う。外周部から先に溶接すると、中央部の拘束が大きくなる。
液状シールによる屋根部材の接合部の防水は、塗布幅を目地幅の端部から両側とも60mm以上とする。
🔩 鉄骨工事・木工事(No.13〜No.15)
No.13鉄骨工事における監理者の行為(スタッドの打撃曲げ試験の再試験・鉄筋貫通孔の孔径・トルシア形高力ボルトの回転量の不良・耐火被覆の確認ピン)
鉄骨工事に関する次の記述のうち、監理者が行った行為として、最も不適当なものはどれか。
1スタッド溶接完了後、1ロットにつき1本を抜き取って行った打撃曲げ試験の結果が不合格となったロットにおいて、当該ロットからさらに2本のスタッドを試験し2本とも合格したものについては、当該ロットが合格となっていることを確認した。2工作図において、鉄筋貫通孔の孔径についての特記がなかったので、異形鉄筋D25の孔径の最大値が38mmとなっていることを確認した。3トルシア形高力ボルトの締付け後の検査において、ナット回転量が群の平均値から算出した許容範囲から過小と判定されたものについては、その範囲に入るように追締めが行われていることを確認した。4ロックウール吹付け工法による耐火被覆において、柱の耐火材の吹付け厚さについては、厚さ確認ピンが柱の1面に各1箇所以上差し込まれていることを確認した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.13
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スタッドの打撃曲げ試験で1本が不合格になったロットは、さらに2本を試験し、2本とも合格ならロットを合格とする(公共建築工事標準仕様書 7.7.6)。
鉄筋貫通孔の孔径の最大値は、特記がなければ D25 で38mm(公共建築工事標準仕様書 表7.3.1)。
トルシア形高力ボルトで、ナット回転量が群の平均回転角度±30°の範囲を外れたものは、新しいボルトセットに取り替える(公共建築工事標準仕様書 7.4.8)。トルシア形は、追締めして張力を調整することができない。
吹付けロックウールの厚さは確認ピンで確かめ、柱は1面に各1か所以上差し込む。
No.14鉄骨工事(超音波探傷検査・柱の倒れの管理許容差・エレクションピースの仮ボルト・低温時の溶接)
鉄骨工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1受入検査において、完全溶込み溶接部の超音波探傷検査については、特記がなかったので、抜取検査により実施した。2鉄骨の建方精度の管理において、特記がなかったので、柱の各節の倒れの管理許容差を、節の高さの1/700以下、かつ、20mm以下とした。3建方作業において、溶接継手におけるエレクションピースに使用する仮ボルトは、高力ボルトを使用して全数締め付けた。4溶接作業において、作業場所の気温が-2℃であったので、溶接線より両側約100mmの範囲の母材部分を加熱して溶接した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.14
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受入検査で、完全溶込み溶接部の超音波探傷検査を、特記がなければ抜取検査とするのは適当とされる。
建方精度の柱の倒れの管理許容差は、節の高さの1/1,000以下、かつ、10mm以下(JASS 6 付則6 鉄骨精度検査基準)。1/700以下かつ15mm以下は限界許容差の値で、1/700・20mmは管理許容差として大きすぎる。
溶接継手のエレクションピースに使う仮ボルトは、高力ボルトを使い全数締め付ける。
作業場所の気温が−5℃以上5℃以下の場合は、溶接線から100mm程度の範囲の母材を適切な方法で加熱して溶接する(公共建築工事標準仕様書 7.6.8)。−2℃で加熱して溶接するのは適当。
No.15木工事(間仕切軸組の樹種・造作材の含水率・筋かいと間柱の取合い・アンカーボルトの位置)
木工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1鉄筋コンクリート造の建築物の内部工事において、間仕切軸組として使用する木材の樹種については、特記がなかったので、杉とした。2鉄筋コンクリート造の建築物の内部工事において、造作材に使用する木材の含水率については、特記がなかったので、工事現場搬入時に高周波水分計により測定した含水率が15%以下であることを確認した。3木造軸組工法において、筋かいが間柱と取り合う部分については、間柱を筋かいの厚さだけ欠き取って筋かいを通した。4木造軸組工法において、基礎と土台とを緊結するアンカーボルトについては、耐力壁の両端の柱の下部付近及び土台継手の下木の端部付近に設置した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.15
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鉄筋コンクリート造の内部の間仕切軸組の木材は、特記がなければ杉としてよい。
造作材の含水率は、特記がなければ A種の15%以下(公共建築工事標準仕様書 12.2.1)。高周波水分計で測ってよい。
筋かいと間柱が取り合う部分は、筋かいを欠き取らず、間柱を筋かいの厚さだけ欠き取って筋かいを通す。
アンカーボルトは、耐力壁の両端の柱の下部付近と、土台継手の上木の端部付近に設ける。下木の端部では、上木が浮き上がるのを押さえられない。
🧱 防水・左官・タイル・石・ガラス・金属・内外装・設備(No.16〜No.21)
No.16防水工事における監理者の行為(打継ぎ部の増張り・加硫ゴム系シートの接合幅・ステンレスシート防水の吊子・収縮目地の三面接着)
防水工事に関する次の記述のうち、監理者が行った行為として、最も不適当なものはどれか。
1屋内防水密着工法によるアスファルト防水工事において、平場の鉄筋コンクリートの打継ぎ部については、幅50mm程度の絶縁用テープを張り付けた後、幅300mm程度のストレッチルーフィングの増張りが行われていることを確認した。2接着工法による合成高分子系シート防水工事において、加硫ゴム系シートの接合幅(重ね幅)については、平場部、立上り面ともに100mmとなっていることを確認した。3陸屋根のステンレスシート防水工事において、部分吊子とした吊子の固定間隔(はぜ方向)については、一般部600mm、端部450mm、隅角部300mmとなっていることを確認した。4シーリング工事において、ノンワーキングジョイントの鉄筋コンクリート造の外壁の収縮目地については、三面接着となっていることを確認した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.16
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密着工法で、防水上不具合のある打継ぎ部などは、幅50mm程度の絶縁用テープを張り、その上に幅300mm以上のストレッチルーフィングを増張りする(公共建築工事標準仕様書 9.2.4)。
加硫ゴム系ルーフィングシートの重ね幅は、幅方向・長手方向とも100mm以上だが、立上りと平場との重ね幅は150mm以上とする(公共建築工事標準仕様書 9.4.4)。立上り部まで100mmでは足りない。
ステンレスシート防水で部分吊子とする場合、吊子の固定間隔(はぜ方向)は、一般部600mm、端部450mm、隅角部300mm程度とする。
動きの小さいノンワーキングジョイント(収縮目地など)のシーリングは、三面接着とする。
No.17左官工事、タイル工事及び石工事(下塗りの1回の塗厚・密着張りの張付けモルタルの塗付け面積・有機系接着剤の下地・乾式工法のスペーサー)
左官工事、タイル工事及び石工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1鉄筋コンクリート造の外壁へのモルタル塗りにおいて、下塗りとしてポリマーセメントを調合したモルタルを塗り付ける際の1回の塗厚については、7mmとなるようにした。2セメントモルタルによるタイル後張り工法における密着張りにおいて、張付けモルタルの1回の塗付け面積の限度については、2㎡/人以下とし、かつ、60分以内に張り終える面積とした。3モルタル下地への有機系接着剤によるタイル後張り工法において、外壁のタイル張りの施工の前に下地面の清掃を行い、下地面を十分に乾燥させた。4外壁乾式工法による鉛直面への石工事において、上下の石材間の目地幅の調整に使用したスペーサーを撤去した後に、シーリング材を充填した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.17
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モルタル塗りの1回の塗厚は、床を除き7mm以下とする(公共建築工事標準仕様書 15.3.3)。
密着張りの張付けモルタルの1回の塗付け面積は、2㎡/人以内、かつ、20分以内に張り終える面積とする(公共建築工事標準仕様書 11.2.7)。60分では張付けモルタルが乾いて接着が悪くなる。
有機系接着剤によるタイル張りの下地は、清掃して十分に乾燥させる(湿っていると接着剤が硬化しにくい)。
外壁乾式工法の目地幅の調整に使ったスペーサーは、撤去してからシーリング材を充塡する。
No.18ガラス工事及び金属工事(グレイジングチャンネル・天井の吊りボルトの位置・スペーサーの間隔・手摺の支柱の錆止め)
ガラス工事及び金属工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1ガラス工事において、グレイジングチャンネル構法によりサッシにガラスをはめ込んだので、セッティングブロックを使用しなかった。2化粧せっこうボード張りの軽量鉄骨天井下地において、吊りボルトの間隔については900mm程度とし、天井の周辺部の吊りボルトについては端から200mmの位置に配置した。3軽量鉄骨壁下地のスペーサーについては、スタッドの両端及び振れ止めの位置を押さえ、間隔600mm程度に取り付けた。4鋼製の手摺の取付けに当たって、手摺の支柱については、コンクリート及びモルタルの中に入る部分であっても、錆止めの処置を行った。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.18
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グレイジングチャンネル(グレイジングガスケット)でガラスをはめ込む場合は、セッティングブロックを使わない(公共建築工事標準仕様書 16.14.4)。
野縁受け・吊りボルト・インサートの間隔は900mm程度とし、周辺部は端から150mm以内とする(公共建築工事標準仕様書 14.4.3)。端から200mmは離れすぎ。
スペーサーは、各スタッドの端部を押さえ、間隔600mm程度に取り付ける(公共建築工事標準仕様書 14.5.4)。
鋼製の手すりの支柱は、コンクリートやモルタルに埋め込まれる部分も錆止めの処置を行う。
No.19内外装工事(ビニル床シートの熱溶接・ALCパネルのパラペット・吹付け硬質ウレタンフォームの厚さの許容誤差・PCカーテンウォールの目地幅)
内外装工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1ビニル床シート張りにおける床シートの目地処理については、特記がなかったので、熱溶接工法とし、ビニル床シート張付け後、接着剤が硬化した状態を見計らって行った。2縦壁ロッキング構法によるALCパネル工事において、外壁の縦壁と連続するパラペット部分については、その外壁のALCパネルの厚さの6倍の長さをはね出して使用した。3吹付け硬質ウレタンフォームによる断熱材現場発泡工法において、吹付け厚さの許容誤差については、±10mmとした。4カーテンウォール工事において、プレキャストコンクリートカーテンウォール部材の取付け位置における目地の幅の寸法許容差については、特記がなかったので、±5mmとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.19
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ビニル床シートの目地処理は、特記がなければ熱溶接工法とし、張付け後、接着剤が硬化した状態を見計らって行う。
縦壁ロッキング構法の外壁と連続するパラペットは、ALCパネルの厚さの6倍以内であれば、はね出して使ってよい。
吹付け硬質ウレタンフォームの吹付け厚さの許容誤差は 0〜+10mm(薄くなる側は認めない)。±10mmでは、所定の厚さより薄い部分ができて断熱性能が不足するおそれがある。
PCカーテンウォールの取付け位置の目地幅の寸法許容差は、特記がなければ±5mm。
No.20設備工事における監理者の行為(雑用水管の通水試験・エレベーターの地震感知器・非常用照明の照度測定・接地工事の立会い)
鉄筋コンクリート造の建築物の設備工事に関する次の記述のうち、監理者が行った行為として、最も不適当なものはどれか。
1雑用水管については、誤接続がないことを確認するために、衛生器具等の取付け完了後、系統ごとに着色水を用いた通水試験が行われたことを確認した。2機械室が屋上階にある乗用エレベーターの地震感知器については、P波感知器が機械室に、S波感知器が昇降路底部に、設置されていることを確認した。3電池内蔵形の非常用の照明装置における照度測定については、外光の影響を受けない状況下において、内蔵電池への切替え後に行われたことを確認した。4接地工事において、接地極の埋設については掘削部埋戻し前に、接地線の構造体への接続についてはコンクリート打設前に、立会い確認を行った。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.20
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雑用水管は、衛生器具等の取付け完了後、系統ごとに着色水を用いた通水試験で誤接続がないことを確かめる(公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)2.9.3)。
エレベーターの地震感知器は、地震の初期微動(P波)をできるだけ早く感知するため、P波感知器は昇降路の底部(ピット)に、S波感知器は機械室に設ける。設問は逆。
電池内蔵形の非常用照明の照度測定は、外光の影響を受けない状態で、内蔵電池に切り替えてから行う。
接地極の埋設は掘削部の埋戻し前に、接地線の構造体への接続はコンクリート打設前に、立会いで確かめる。
No.21設備工事(スリーブの径・躯体に埋設するPF管・高圧と低圧のケーブルの隔壁・ステンレス鋼鋼管の吊り間隔)
設備工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1機械設備工事におけるスリーブについては、保温材の厚さを含んだ管の外径よりも40mm大きい径のものとした。2鉄筋コンクリートの躯体に埋設する合成樹脂製可とう電線管については、PF管を使用した。3建築物内部の同一のコンクリートピット内に高圧ケーブルと低圧ケーブルとを配線するに当たり、それらの間に耐火性のある堅牢な隔壁を設けたので、高圧ケーブルと低圧ケーブルとの間の離隔距離については、特に配慮しなかった。4呼び径80の一般配管用ステンレス鋼鋼管を用いた給水管の横走り配管については、吊り金物による支持間隔を3.0mとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.21
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スリーブは、保温材の厚さを含んだ管の外径より40mm程度大きい径とする。
躯体に埋め込む合成樹脂製可とう電線管には、PF管も使える(CD管はコンクリート埋込みの部分だけに使える)。
高圧ケーブルと低圧ケーブルの間に耐火性のある堅牢な隔壁を設ければ、離隔距離は問わない。
呼び径80のステンレス鋼鋼管の横走り配管の吊り金物による支持間隔は、2.0m以下とする。3.0mは広すぎる。
📐 改修工事・用語・契約(No.22〜No.25)
No.22鉄筋コンクリート造の耐震改修工事(鋼板巻きの角部の曲げ・目荒し・圧入工法のオーバーフロー管・あき重ね継手)
鉄筋コンクリート造の建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1鋼板巻き工法による柱補強工事において、鋼板の形状を角形としたので、コーナー部分の曲げ加工の内法半径については、鋼板の板厚の2.5倍とした。2枠付き鉄骨ブレースの設置工事において、既存の柱や梁に施す目荒しについては、電動ピックを用いて、平均深さで2~5mm程度の凹面を、その合計の面積が打継ぎ面の20%程度の面積となるように全体にわたって付けた。3耐震壁を増設する工事において、コンクリートの打込みを圧入工法で行うに当たり、型枠上部に設けたオーバーフロー管の流出先の高さについては、既存梁の下端から10cm高い位置とした。4既存壁の開口部を閉塞して耐震壁とする工事において、開口部周囲のはつり出した壁筋と新設の壁筋との継手については、無理に台直しを行わず、0.2L(L:重ね継手の長さ)以下、かつ、150mm以下の隙間を開けた「あき重ね継手」とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.22
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鋼板巻き工法で角形とする場合、コーナー部の曲げ加工の内法半径は板厚の3倍以上とする。2.5倍では曲げがきつい。
既存の柱・梁の目荒しは、電動ピックなどで平均深さ2〜5mm程度の凹面を、合計が打継ぎ面の15〜30%程度になるように全体にわたって付けるのが一般的(耐震改修のマニュアル・監理指針などの値。公共建築改修工事標準仕様書では「目荒しの程度は特記による」)。20%程度は適当。
圧入工法では、型枠上部のオーバーフロー管の流出先を既存梁の下端より10cm程度高い位置とし、充塡を確かめる。
開口部周囲のはつり出した壁筋と新設の壁筋との継手は、無理に台直しをせず、0.2L以下かつ150mm以下のあきをとった「あき重ね継手」とできる。
No.23鉄筋コンクリート造の各種改修工事(既存アスファルト防水層の処理・コンクリートの欠損部・アンカーピンの穿孔深さ・ひび割れの改修工法)
鉄筋コンクリート造の建築物の各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1既存保護層を撤去し、既存アスファルト防水層を残して行う防水改修工事において、既存アスファルト防水層の継目等の剥離箇所及び浮き部分については、切開し、バーナーで熱した後、溶融アスファルトを充填し、張り合わせた。2防水改修工事において、防水層撤去後の新設防水層の下地となる既存コンクリート面の欠損部については、ポリマーセメントモルタルにより平滑に補修した。3タイル張り仕上げ外壁で、構造体コンクリートと下地モルタルとの間に浮きが発生している箇所を、アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法により固定する工事において、アンカーピン固定部の穿孔については、タイルの目地部分に構造体コンクリート中に30mmの深さに達するまで行った。4コンクリート打放し仕上げ外壁の改修工事において、ひび割れ幅が0.2mmから1.0mmの間に分布していたので、ひび割れ部改修工法としてシール工法を採用した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.23
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既存アスファルト防水層の継目などのはく離箇所や浮き部分は、切開し、バーナーで熱した後、溶融アスファルトを充塡して張り合わせる(公共建築改修工事標準仕様書 3.2.6)。
防水層撤去後の既存コンクリート面の欠損部は、ポリマーセメントモルタルで平滑に補修する。
アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法のアンカーピンの穿孔は、タイルの目地部分に、構造体コンクリート中に30mm程度の深さまで行う。
ひび割れ幅0.2mm以上1.0mm以下のひび割れは、樹脂注入工法(エポキシ樹脂の注入)で改修する。シール工法は、幅0.2mm未満の微細なひび割れに使う工法。
No.24建築工事に関する用語(CLT・粉体塗装・ミルシート・溶接ゲージ)
建築工事に関する用語とその説明との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
用語 説明 1. CLT 切削機械により切削した単板を、主としてその繊維方向を互いにほぼ平行にして積層接着した木質材料 2. 粉体塗装 アルミニウム建材等に使用される塗装方法で、溶剤などの溶媒を含まず、VOC(揮発性有機化合物)の低減が図れる粉体塗料を用いて塗膜を形成させる塗装方法 3. ミルシート 製鋼所で発行する鋼材の化学成分、機械的性質などが記されている試験成績書で、その材料がJIS等に適合していることを保証する規格品証明書 4. 溶接ゲージ 隅肉溶接ののど厚、脚長やビード幅、アンダーカット深度等を測定する器具 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.24
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CLT(直交集成板)は、ひき板(ラミナ)を繊維方向が直交するように積層接着した厚いパネル。説明文は、単板を繊維方向をほぼ平行にして積層接着した LVL(単板積層材)のこと。
粉体塗装は、溶剤を含まない粉体塗料で塗膜をつくる塗装方法で、VOC を減らせる。
ミルシートは、製鋼所が発行する鋼材の規格品証明書(化学成分・機械的性質などの試験成績)。
溶接ゲージは、隅肉溶接ののど厚・脚長、ビード幅、アンダーカットの深さなどを測る器具。
No.25工事請負契約・監理業務委託契約(請負代金内訳書と工程表・現場代理人の兼務・再委託の責任・原設計者への設計変更の委託)
建築物の工事請負契約又は監理業務委託契約に関する次の記述のうち、民間(旧四会)連合協定「工事請負契約約款」(平成29年12月改正)又は四会連合協定「建築設計・監理等業務委託契約約款」(平成27年2月改正)に照らして、最も不適当なものはどれか。
1工事請負契約において、受注者は、この契約を締結した後すみやかに請負代金内訳書及び工程表を監理者に提出し、工程表については監理者の承認を受ける。2工事請負契約において、受注者が定める現場代理人は、当該工事現場における施工の技術上の管理をつかさどる監理技術者と兼務することができる。3監理業務委託契約において、受託者は、委託者の承諾を得て監理業務の一部について、他の建築士事務所の開設者に委託した場合、委託者に対し、当該他の建築士事務所の開設者の受託に基づく行為全てについて責任を負う。4監理業務委託契約において、監理業務を原設計者と異なる建築士に委託したとき、委託者は、監理業務の段階において、設計成果物について変更の必要が生じた場合、原則として、設計変更業務を原設計者に別途委託しなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.25
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受注者は、契約の締結後すみやかに、請負代金内訳書は監理者に提出して確認を受け、工程表は発注者と監理者に提出する(民間(旧四会)連合協定 工事請負契約約款 平成29年12月改正 第4条)。工程表について監理者の承認を受ける決まりはない。
現場代理人は、監理技術者などと兼務できる(同約款)。
受託者が、委託者の承諾を得て監理業務の一部を他の建築士事務所の開設者に委託した場合も、その者の受託に基づく行為の全てについて、受託者が委託者に責任を負う(四会連合協定 建築設計・監理等業務委託契約約款)。
監理業務を原設計者と異なる建築士に委託した場合、監理の段階で設計変更が必要になったときは、原則として、設計変更業務を原設計者に別途委託する(同約款)。
令和2年の合格基準点(学科の試験)
配点は各問題1点(学科Ⅰ・Ⅱは各20点、学科Ⅲ・Ⅳは各30点、学科Ⅴは25点、合計125点)で、各科目の基準点と総得点の基準点のすべてに達した人が合格です。
| 学科Ⅰ 計画 | 学科Ⅱ 環境・設備 | 学科Ⅲ 法規 | 学科Ⅳ 構造 | 学科Ⅴ 施工 | 総得点 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 合格基準点 | 11点 | 10点※ | 16点 | 16点 | 13点 | 88点 |
※ 合格基準点は、各科目は過半の得点、総得点はおおむね90点程度を基本的な水準として想定し、令和2年は学科Ⅱの難易度が高く、総じて難易度が高かったことから、学科Ⅱ(環境・設備)の基準点が10点、総得点の基準点が88点とされました。
出典:建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験『学科の試験』の合格基準点等について」
令和2年の施工の基準点は13点(25点中)でした。施工は工事の数値(寸法・温度・日数など)が多く問われる科目なので、公共建築工事標準仕様書の数値と結びつけて、過去問で正誤の理由まで説明できるようにしておくと安心です。
ほかの年度・ほかの科目の過去問
この記事の問題文と図は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和2年 一級建築士試験(学科の試験)の問題から、著作権法第32条の引用として掲載しています。著作権は同センターにあります。
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