条文の要点と過去問10年分
一級建築士試験 学科Ⅲ(建築法規)で毎年出題される「雑則」について、地区計画等の条例と再開発等促進区、建築協定、一団地の総合的設計、許可の条件・審査請求・工事中の措置、罰則の要点を今の法令でまとめ、令和8年〜平成29年の10年分の過去問を選択肢ごとに解説します。過去問の解説は、年度別の記事と同じく出題当時の法令によります。

雑則(地区計画・建築協定・一団地・許可・罰則など)の出題の傾向(令和8年〜平成29年)
雑則は、No.18〜No.20 の「次の記述のうち」の総合問題や、地区計画等・建築協定の問題として毎年出題されます。建築協定(合意・参加)と、一団地の総合的設計で用途の制限が一の敷地とみなされないことは、何度も同じ文で出ています。
過去問の問題文と選択肢は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している一級建築士試験の問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各選択肢の枠の右下に出典)。正答は、同センターの「合格基準点等(正答肢)」と照らし合わせています。
「条文の要点」は今の法令でまとめています。過去問の解説は、年度別の記事と同じく出題当時の法令(各年の法令の基準日)によります。その後の改正で答えが変わる選択肢には「🔶 現在の法令では」、条文の番号や言い方だけが変わった選択肢には「ℹ️ その後の改正」の枠を付けています。
法令集で開く条文
雑則などの問題は、主に次の条文から出題されます。地区計画等・建築協定は、総合問題の中でも毎年のように問われます。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 法第68条の2〜第68条の8 | 地区計画等の区域(条例・再開発等促進区・予定道路) |
| 法第69条〜第77条 | 建築協定 |
| 法第86条 | 一団地の総合的設計 |
| 法第92条の2・法第94条・法第40条 | 許可の条件・審査請求・条例による制限の附加 |
| 法第9条・法第90条の2・令第136条の3 | 違反建築物の措置・工事中の使用制限・根切りと山留め |
| 法第98条〜第101条 | 罰則 |
試験に持ち込む法令集に認められている書き込みは、次の4つだけです。
- 目次・見出し・関連する条文の指示(法令名・章・節・条などの名称、番号、ページまで)
- 改正年月日
- アンダーライン(二重線・囲み枠を含む)
- ○・△・×の記号
言葉の書き足しや、表・図・計算式の書き込み・貼り付けは「解説」「早見表」にあたり、認められません。紛らわしい書き込みがあると、確認が終わるまで法令集なしで受験することになる場合もあります。
どこに線を引き、どこにインデックスを貼るかは、文章で読むより見本を見るほうが確実です。法令集の出版社や資格学校が出している「線引き見本」を見ながら進めてください。
✏️法令集の線引き・インデックスの進め方二級建築士向けの「建築法規 攻略ガイド」の「STEP 2:法令集の初期セットアップ」で、見本の入手から作業の手順まで紹介しています(書き込みの決まりは一級も同じです)›出典:建築技術教育普及センター「使用が認められる法令集について」(一級建築士試験の試験当日の注意事項のページから)
🗺️ 地区計画等・建築協定
📖 地区計画等の区域
| 決まり | 内容(条文の要点) | 条文 |
|---|---|---|
| 市町村の条例による制限 | 地区計画等の区域(地区整備計画等が定められている区域)内では、市町村は、地区計画等の内容として定められた建築物の敷地・構造・建築設備・用途に関する事項を、政令の基準に従い条例で制限として定められる(建築主事を置かない市町村でもよい) | 法第68条の2第1項 |
| 条例で定める壁面の位置の制限 | 建築物の壁・これに代わる柱の位置の制限と、あわせて定めた建築物に附属する高さ2mを超える門・塀の位置の制限(高さ2m以内の門・塀やほかの工作物の制限は含まれない) | 令第136条の2の5第1項第五号 |
| 再開発等促進区の容積率 | 容積率の最高限度が定められている区域内で、地区計画の内容に適合し特定行政庁が支障がないと認める建築物には、法第52条を適用しない | 法第68条の3第1項 |
| 再開発等促進区の斜線制限 | 敷地内に有効な空地があるなどで、特定行政庁が支障がないと認めて許可した建築物には、法第56条(道路・隣地・北側の斜線制限)を適用しない | 法第68条の3第4項 |
| 再開発等促進区の用途の制限 | 法第48条の許可の理由に「土地利用に関する基本方針に適合し、業務の利便の増進上やむを得ない」場合が加わる(許可は必要) | 法第68条の3第6項 |
| 予定道路と容積率 | 敷地が予定道路に接する(又は敷地内にある)とき、特定行政庁が許可した建築物は、予定道路を前面道路とみなして容積率を適用する | 法第68条の7第5項 |
📖 建築協定
| 決まり | 内容(条文の要点) | 条文 |
|---|---|---|
| 建築協定を定められる区域 | 市町村が条例で定めた区域。建築協定は第4章の制度なので、都市計画区域・準都市計画区域の外でも定められる | 法第69条 |
| 協定の内容 | 建築物の敷地・位置・構造・用途・形態・意匠・建築設備に関する基準(建築物に附属する門・塀の意匠も含む) | 法第69条 |
| 協定書の合意 | 土地の所有者等(所有者と借地権者)の全員の合意。借地権の目的となっている土地は、その土地の所有者の合意は要らない(借地権者の合意で足りる) | 法第70条第3項 |
| あとから加わる | 協定区域内の土地の所有者で協定の効力が及ばない者は、公告の日以後いつでも特定行政庁に書面で意思表示すれば加われる。建築協定区域隣接地の土地の所有者等は、その土地の所有者等の全員の合意で加われる | 法第75条の2第1項・第2項 |
| 廃止 | 土地の所有者等の過半数の合意で定め、特定行政庁の認可を受ける(地区計画で同じ内容を定めても廃止とはみなされない) | 法第76条第1項 |
| 一人協定 | 認可の日から3年以内に2以上の土地の所有者等が存することとなった時から、ふつうの建築協定と同じ効力をもつ | 法第76条の3第5項 |
✏️ 過去問:地区計画等(法第68条の2〜第68条の8)(10年で8肢)
正しいか誤りかを考えてから「正しい? 誤り?」を開いてください。解説は出題当時の法令によります。
問題:地区計画等又は建築協定に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
建築主事を置かない市町村であっても、地区計画等の区域(地区整備計画等が定められている区域に限る。)内において、建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する事項で当該地区計画等の内容として定められたものについて、所定の基準に従い、これらに関する制限として条例で定めることができる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.20 選択肢1
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第68条の2第1項より、市町村は、地区計画等の区域(地区整備計画等が定められている区域に限る。)内において、建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する事項で当該地区計画等の内容として定められたものを、政令で定める基準に従い、条例で、これらに関する制限として定めることができる。建築主事を置く市町村に限られない。
問題:地区計画等又は建築協定に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
地区整備計画等が定められている地区計画等の区域内において、市町村の条例で定めることができる制限としては、建築物に附属する高さ2m以内の門又は塀の位置の制限は含まれない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.18 選択肢1
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
令第136条の2の5第1項第五号より、地区計画等の区域内の市町村の条例で定める壁面の位置の制限は、建築物の壁若しくはこれに代わる柱の位置の制限又は当該制限と併せて定められた建築物に附属する門若しくは塀で高さ2mを超えるものの位置の制限。高さ2m以内の門又は塀の位置の制限は含まれない。
問題:地区計画等又は建築協定に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
地区計画等の区域内において、地区整備計画等で定められている壁面の位置の制限に係る建築物に附属する門又は塀で高さ2mを超えるもの以外の工作物の設置の制限は、地区計画等に関する市町村の条例による壁面の位置の制限としては定めることができない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.19 選択肢3
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第68条の2第1項より、市町村の条例で定めることができる制限は、地区計画等の内容として定められた建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する事項で、令第136条の2の5第1項第五号より、壁面の位置の制限は、建築物の壁若しくはこれに代わる柱の位置の制限又は当該制限と併せて定められた建築物に附属する門若しくは塀で高さ2mを超えるものの位置の制限であること。それ以外の工作物の設置の制限は、条例による壁面の位置の制限として定めることはできない。
問題:次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
再開発等促進区で地区整備計画が定められている地区計画の区域内においては、特定行政庁が認めて許可した建築物については、道路高さ制限、隣地高さ制限及び北側高さ制限は適用されない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.19 選択肢2
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第68条の3第4項より、再開発等促進区(地区整備計画が定められている区域に限る)内で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した建築物には、法第56条(道路高さ制限・隣地高さ制限・北側高さ制限)は適用しない。
再開発等促進区の許可で適用しなくなるのは法第56条(道路・隣地・北側高さ制限)。
問題:地区計画等又は建築協定に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
再開発等促進区で地区整備計画が定められている地区計画の区域内においては、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した建築物については、道路高さ制限、隣地高さ制限及び北側高さ制限は適用されない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.18 選択肢2
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第68条の3第4項より、地区計画の区域のうち再開発等促進区(地区整備計画が定められている区域に限る。)内で、敷地内に有効な空地が確保されていることなどにより、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した建築物には、法第56条(道路高さ制限、隣地高さ制限、北側高さ制限)の規定は適用されない。
問題:地区計画等又は建築協定に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
地区計画の区域のうち再開発等促進区で地区整備計画が定められている区域のうち建築物の容積率の最高限度が定められている区域内においては、当該地区計画の内容に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める建築物については、建築基準法第52条の規定は、適用されない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.20 選択肢2
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第68条の3第1項より、地区計画の区域のうち再開発等促進区で地区整備計画が定められている区域のうち建築物の容積率の最高限度が定められている区域内では、当該地区計画の内容に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものには、法第52条(容積率)の規定は適用されない。
問題:次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
地区計画の区域のうち再開発等促進区内において、当該地区計画において定められた土地利用に関する基本方針に適合した建築物については、用途地域内の建築物の制限に適合しない場合であっても、特定行政庁の許可を受けることなく新築することができる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.19 選択肢2
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第68条の3第6項より、再開発等促進区内の建築物に対する法第48条(用途地域)の適用については、同条のただし書の許可の理由に「地区計画において定められた土地利用に関する基本方針に適合し、かつ、当該地区計画の区域における業務の利便の増進上やむを得ない」場合が加わる。用途の制限に適合しない建築物を新築するには、特定行政庁の許可が必要。
再開発等促進区で用途の制限に適合しない建築物を建てるには、法第48条のただし書の許可が必要。法第68条の3第6項は、その許可の理由を広げる読替えで、許可を不要にするものではない。
問題:地区計画等又は建築協定に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
地区計画等の区域内における建築物の敷地が特定行政庁の指定した予定道路に接する場合、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した建築物については、当該予定道路を前面道路とみなして建築物の容積率の規定が適用される。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.19 選択肢2
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第68条の7第5項より、予定道路が指定された場合で、建築物の敷地が予定道路に接するとき又は敷地内に予定道路があるときは、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した建築物については、当該予定道路を法第52条第2項の前面道路とみなして、容積率の規定を適用する。
✏️ 過去問:建築協定(法第69条〜第77条)(10年で10肢)
正しいか誤りかを考えてから「正しい? 誤り?」を開いてください。解説は出題当時の法令によります。同じ文で何年も出た選択肢は1枚にまとめています(全9枚)。
問題:次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、特定行政庁の許可は考慮しないものとする。
建築協定は、都市計画区域及び準都市計画区域外であっても定められることがある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.19 選択肢2
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第69条より、市町村は、その区域の一部について、土地の所有者等が建築協定を締結することができる旨を条例で定めることができる。建築協定の規定(法第4章)は都市計画区域・準都市計画区域内に限られないので、区域外でも建築協定が定められることがある。
問題:地区計画等又は建築協定に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
建築協定は、都市計画区域及び準都市計画区域外においては定めることができない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.18 選択肢3
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第69条より、市町村は、その区域の一部について、住宅地としての環境又は商店街としての利便を高度に維持増進するなどのため必要と認める場合は、条例で、土地の所有者等が建築協定を締結することができる旨を定めることができる。法第41条の2より、都市計画区域及び準都市計画区域内に限り適用されるのは第3章(第8節を除く。)の規定(集団規定)で、建築協定は第4章の制度なので、都市計画区域及び準都市計画区域外でも定めることができる。
建築協定(法第69条)は、市町村の条例で定める区域で締結できるもので、都市計画区域・準都市計画区域内に限られない(集団規定ではない)。
問題:地区計画等又は建築協定に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
建築協定には、建築物に附属する門及び塀の意匠に関する基準を定めることができる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.20 選択肢3
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第69条より、建築協定は、その区域内における建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠又は建築設備に関する基準についての協定。建築物に附属する門及び塀は建築物に含まれる(法第2条第一号)ので、その意匠に関する基準を定めることができる。
問題:次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
建築協定書の作成に当たって、建築協定区域内の土地で借地権の目的となっている土地については、その土地の所有者及び借地権を有する者の合意がなければならない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.19 選択肢4
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第70条第3項より、建築協定書については、土地の所有者等の全員の合意がなければならないが、建築協定区域内の土地に借地権の目的となっている土地がある場合は、その土地の所有者以外の土地の所有者等(借地権を有する者を含む)の全員の合意があれば足りる。借地権の目的となっている土地の所有者の合意は不要。
借地権の目的となっている土地は、所有者ではなく借地権者の合意で足りる(法第70条第3項ただし書)。
問題:地区計画等又は建築協定に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
建築協定書の作成に当たって、建築協定区域内の土地に借地権の目的となっている土地がある場合においては、借地権を有する者の全員の合意がなければならない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.18 選択肢4
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第70条第3項より、建築協定書については土地の所有者等(土地の所有者及び借地権を有する者)の全員の合意がなければならないが、ただし書より、借地権の目的となっている土地がある場合は、当該借地権の目的となっている土地の所有者以外の土地の所有者等の全員の合意があれば足りる。借地権を有する者の全員の合意は必要。
問題:次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
建築協定区域内の土地の所有者で当該建築協定の効力が及ばないものは、建築協定の認可等の公告のあった日以後いつでも、特定行政庁に対して書面でその意思を表示することによって、当該建築協定に加わることができる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.19 選択肢1
同じ文:令和3年 No.20 選択肢4
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第75条の2第1項より、建築協定区域内の土地の所有者で建築協定の効力が及ばないものは、建築協定の認可等の公告のあった日以後いつでも、特定行政庁に対して書面でその意思を表示することによって、建築協定に加わることができる。
問題:地区計画等又は建築協定に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
建築協定区域隣接地の区域内の土地に係る土地の所有者等は、建築協定の認可等の公告があった日以後いつでも、当該土地に係る土地の所有者等の過半数の合意により、特定行政庁に対して書面でその意思を表示することによって、当該建築協定に加わることができる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.20 選択肢4
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第75条の2第2項より、建築協定区域隣接地の区域内の土地に係る土地の所有者等は、建築協定の認可等の公告のあった日以後いつでも、当該土地に係る土地の所有者等の全員の合意により、特定行政庁に対して書面でその意思を表示することによって、建築協定に加わることができる。過半数の合意では足りない。
建築協定区域隣接地の土地の所有者等が建築協定に加わるには、当該土地に係る土地の所有者等の「全員」の合意が必要(法第75条の2第2項)。過半数ではない。
問題:地区計画等又は建築協定に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
建築協定における建築協定区域及び当該区域内の建築物に関する基準について、同様の内容が地区計画において定められた場合には、その建築協定は廃止されたものとみなされる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.19 選択肢1
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
建築基準法には、建築協定と同様の内容が地区計画において定められた場合に、その建築協定が廃止されたものとみなす規定はない。法第76条第1項より、建築協定を廃止しようとする場合は、建築協定区域内の土地の所有者等の過半数の合意をもってその旨を定め、特定行政庁の認可を受けなければならない。
地区計画で同様の内容が定められても、建築協定が廃止されたものとみなす規定はない。建築協定の廃止は、土地の所有者等の過半数の合意と特定行政庁の認可による(法第76条第1項)。
問題:地区計画等又は建築協定に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
特定行政庁の認可を受けた建築協定のうち、建築協定区域内の土地について一の所有者以外に土地の所有者等が存しないものは、認可の日から起算して3年以内において当該建築協定区域内の土地に2以上の土地の所有者等が存しない場合には、効力を有するものとはならない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.19 選択肢4
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第76条の3第5項より、建築協定区域内の土地の所有者等が一人の場合に認可を受けた建築協定(一人協定)は、認可の日から起算して3年以内において当該建築協定区域内の土地に2以上の土地の所有者等が存することとなった時から、認可の公告のあった建築協定と同一の効力を有する建築協定となる。3年以内に2以上の土地の所有者等が存しない場合は、効力を有するものとはならない。
📜 一団地・許可の条件・審査請求・罰則
📖 一団地の総合的設計
| 決まり | 内容(条文の要点) | 条文 |
|---|---|---|
| 一団地の総合的設計 | 一団地内で建築等をする1又は2以上の構えを成す建築物(2以上は総合的設計によるもの)で、特定行政庁が位置・構造が安全上・防火上・衛生上支障がないと認めるものは、特例対象規定の適用で一団地を一の敷地とみなす | 法第86条第1項 |
| 特例対象規定 | 接道(法第43条)・容積率(法第52条)・建蔽率(法第53条第1項・第2項)・斜線制限(法第56条)・日影規制(法第56条の2)・法第22条の区域の外壁(法第23条)など。用途の制限(法第48条)は入らない | 法第86条第1項 |
📖 許可の条件・審査請求・工事中の措置
| 決まり | 内容(条文の要点) | 条文 |
|---|---|---|
| 許可の条件 | 建築基準法の許可には、交通上・安全上・防火上・衛生上支障がないものとするための条件などを付けられる(不当な義務を課してはならない) | 法第92条の2 |
| 指定確認検査機関の処分の審査請求 | 処分又は不作為に係る建築物又は工作物について確認その他の処分をする権限を有する建築主事等が置かれた市町村又は都道府県の建築審査会に対してする | 法第94条第1項 |
| 条例による制限の附加 | 地方公共団体は、気候・風土の特殊性や特殊建築物の用途・規模により必要なとき、条例で敷地・構造・建築設備に関する制限を附加できる | 法第40条 |
| 根切り・山留め | 施工中は点検し、山留めの補強・排水などで安全な状態に維持し、矢板などの抜取りでは周辺の地盤の沈下による危害を防止する | 令第136条の3第6項 |
| 工事中の建築物の使用制限 | 工事の施工中に使用されている法第6条第1項第一号・第二号の建築物が、安全上・防火上・避難上著しく支障があると認めるときは、特定行政庁が使用禁止・使用制限などを命じられる | 法第90条の2第1項 |
| 違反建築物の工事の停止 | 違反が明らかな工事中の建築物で、緊急の必要があって手続によれない場合に限り、手続によらずに工事の施工の停止を命じられる(建築監視員に行わせることができる) | 法第9条第10項・第9条の2 |
📖 罰則
| 違反 | 罰則 | 条文 |
|---|---|---|
| 構造耐力(第20条)・防火区画などの違反の設計者・工事施工者 | 3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金 | 法第98条第1項 |
| 確認を受けずに建築・用途の変更、確認済証の交付前の工事、立入検査の拒否など | 1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 | 法第99条第1項 |
| 用途地域(第48条第1項〜第14項)の違反の建築主など | 100万円以下の罰金 | 法第101条第1項 |
2025年6月1日から、刑法の改正で「懲役」は「拘禁刑」に改められました(罰則の重さは同じ)。
✏️ 過去問:一団地の総合的設計(法第86条)(10年で5肢)
正しいか誤りかを考えてから「正しい? 誤り?」を開いてください。解説は出題当時の法令によります。同じ文で何年も出た選択肢は1枚にまとめています(全4枚)。
問題:次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
一団地内に2以上の構えを成す建築物で総合的設計によって建築されるもののうち、特定行政庁が認定したものに対する特例対象規定の適用については、これらの建築物は、同一敷地内にあるものとみなす。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.19 選択肢4
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第86条第1項より、一団地内に2以上の構えを成す建築物で総合的設計によって建築等をするもののうち、特定行政庁が位置及び構造が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、特例対象規定の適用について、これらの建築物は同一敷地内にあるものとみなす。
問題:次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、特定行政庁の許可は考慮しないものとする。
一団地内に建築される1又は2以上の構えを成す建築物のうち、特定行政庁がその位置及び構造が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものに対する用途地域等による用途の制限の規定の適用については、当該一団地は一の敷地とみなされる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.19 選択肢1
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第86条第1項より、一団地の認定を受けた建築物について一の敷地とみなされるのは、法第23条、第43条、第52条第1項から第14項まで、第53条第1項・第2項、第56条などの特例対象規定の適用についてだけ。用途地域による用途の制限(法第48条)は特例対象規定に含まれないので、一団地は一の敷地とみなされない。
一団地の認定で一の敷地とみなされるのは特例対象規定(接道・容積率・建蔽率・高さ制限・防火地域など)だけ。用途地域の用途の制限(法第48条)は含まれない。
問題:次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
一団地内に建築される1又は2以上の構えを成す建築物のうち、特定行政庁がその位置及び構造が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものに対する用途地域等の規定の適用については、当該一団地を当該1又は2以上の建築物の一の敷地とみなす。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.19 選択肢1
同じ文:令和2年 No.19 選択肢2
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第86条第1項より、一団地の認定を受けた建築物について一の敷地とみなされるのは、法第23条、第43条、第52条第1項から第14項まで、第53条第1項・第2項、第56条などの特例対象規定の適用についてだけ。用途地域等による用途の制限(法第48条)は含まれない。
一団地の認定で一の敷地とみなされるのは特例対象規定(接道・容積率・建蔽率・高さ制限など)だけで、用途地域による用途の制限(法第48条)は含まれない(法第86条第1項)。
2023年4月1日施行の改正で、法第86条第1項は「一団地内において建築、大規模の修繕又は大規模の模様替(建築等)をする1又は2以上の構えを成す建築物」の書き方になりました(大規模の修繕・模様替も対象に加わりました)。用途地域による用途の制限(法第48条)が特例対象規定に含まれないことは同じで、答えは変わりません。
問題:次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、特定行政庁の許可は考慮しないものとする。
一団地内に建築される1又は2以上の構えを成す建築物のうち、特定行政庁がその位置及び構造が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものに対する用途地域の規定の適用については、当該一団地は一の敷地とみなされる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.20 選択肢2
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第86条第1項より、一団地内の建築物で特定行政庁が認めるものについて、一団地を一の敷地とみなして適用されるのは、法第23条、第43条、第52条、第53条、第56条などの特例対象規定で、用途地域の規定(法第48条)は含まれない。
一団地の認定(法第86条第1項)で一の敷地とみなされるのは、法第23条・第43条・第52条・第53条・第56条など列挙された規定(特例対象規定)。用途地域の規定(法第48条)は含まれない。
2023年4月1日施行の改正で、法第86条第1項は「一団地内において建築、大規模の修繕又は大規模の模様替(建築等)をする1又は2以上の構えを成す建築物」の書き方になりました(大規模の修繕・模様替も対象に加わりました)。用途地域による用途の制限(法第48条)が特例対象規定に含まれないことは同じで、答えは変わりません。
✏️ 過去問:許可の条件・審査請求・条例・工事中の措置(10年で8肢)
正しいか誤りかを考えてから「正しい? 誤り?」を開いてください。解説は出題当時の法令によります。同じ文で何年も出た選択肢は1枚にまとめています(全7枚)。
問題:次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
建築基準法の規定による許可には、建築物又は建築物の敷地を交通上、安全上、防火上又は衛生上支障がないものとするための条件等を付することができる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.19 選択肢3
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第92条の2より、建築基準法の規定による許可には、建築物又は建築物の敷地を交通上、安全上、防火上又は衛生上支障がないものとするための条件その他必要な条件を付することができる(許可を受けた者に不当な義務を課するものであってはならない)。
問題:次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
建築基準法令の規定による指定確認検査機関の処分に不服がある者は、当該処分に係る建築物について建築確認をする権限を有する建築主事が置かれた市町村又は都道府県の建築審査会に対して審査請求をすることができる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.19 選択肢2
同じ文:令和4年 No.19 選択肢4
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第94条第1項より、指定確認検査機関の処分又はその不作為についての審査請求は、当該処分又は不作為に係る建築物について確認をする権限を有する建築主事が置かれた市町村又は都道府県の建築審査会に対してすることができる。
2024年4月1日施行の改正で法第94条第1項の「建築主事」は「建築主事等」になり、2024年11月1日施行の改正で、指定確認検査機関の処分についての審査請求先は「当該処分又は不作為に係る建築物又は工作物について確認その他の建築基準法令の規定による処分をする権限を有する建築主事等が置かれた市町村又は都道府県の建築審査会」になりました。答えは変わりません。
問題:次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
建築基準法令の規定による指定確認検査機関の処分についての審査請求は、当該処分に係る建築物について建築確認をする権限を有する建築主事が置かれた市町村又は都道府県の建築審査会に対してすることができる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.19 選択肢1
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第94条第1項より、建築基準法令の規定による指定確認検査機関の処分についての審査請求は、当該処分に係る建築物について建築確認をする権限を有する建築主事が置かれた市町村又は都道府県の建築審査会に対してするものとされている。
2024年4月1日施行の改正で法第94条第1項の「建築主事」は「建築主事等」になり、2024年11月1日施行の改正で、指定確認検査機関の処分についての審査請求先は「当該処分又は不作為に係る建築物又は工作物について確認その他の建築基準法令の規定による処分をする権限を有する建築主事等が置かれた市町村又は都道府県の建築審査会」になりました。答えは変わりません。
問題:共同住宅に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
地方公共団体は、共同住宅の規模により、条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を附加することができる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.20 選択肢4
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第40条より、地方公共団体は、その地方の気候若しくは風土の特殊性又は特殊建築物の用途若しくは規模により、建築基準法の規定のみによっては建築物の安全、防火又は衛生の目的を充分に達し難いと認める場合は、条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を附加することができる。共同住宅は特殊建築物。
問題:次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
建築工事等における根切り及び山留めについては、その工事の施工中必要に応じて点検を行い、山留めを補強し、排水を適当に行う等これを安全な状態に維持するための措置を講ずるとともに、矢板等の抜取りに際しては、周辺の地盤の沈下による危害を防止するための措置を講じなければならない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.20 選択肢1
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
令第136条の3第6項より、建築工事等における根切り及び山留めについては、工事の施工中必要に応じて点検を行い、山留めを補強し、排水を適当に行う等安全な状態に維持するための措置を講ずるとともに、矢板等の抜取りに際しては、周辺の地盤の沈下による危害を防止するための措置を講じなければならない。
問題:次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
模様替の工事中に使用されている共同住宅について、特定行政庁により、避難上著しく支障があると認められた場合には、使用制限が命ぜられることがある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.20 選択肢2
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第90条の2第1項より、特定行政庁は、修繕若しくは模様替などの工事の施工中に使用されている法第6条第1項第一号から第三号までの建築物(共同住宅など)が、安全上、防火上又は避難上著しく支障があると認める場合は、建築主や所有者などに対して、相当の猶予期限を付けて、使用禁止又は使用制限などを命ずることができる。
2025年4月1日施行の改正で法第6条第1項の号が組み替えられ、法第90条の2第1項の対象は「第6条第1項第一号又は第二号に掲げる建築物」になりました。工事中に使用されている共同住宅に使用制限などが命ぜられることがある点は同じで、答えは変わりません。
問題:次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
建築基準法令の規定に違反することが明らかな増築の工事中の建築物については、緊急の必要があって所定の手続によることができない場合に限り、建築監視員により、これらの手続によらないで、当該工事の請負人等に対して、当該工事の施工の停止が命ぜられることがある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.20 選択肢4
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第9条第10項より、特定行政庁は、建築基準法令の規定に違反することが明らかな建築などの工事中の建築物については、緊急の必要があって所定の手続によることができない場合に限り、手続によらないで、建築主や工事の請負人などに対して、工事の施工の停止を命ずることができる。法第9条の2より、この権限は建築監視員に行わせることができる。
✏️ 過去問:罰則(法第98条〜第101条)(10年で5肢)
正しいか誤りかを考えてから「正しい? 誤り?」を開いてください。解説は出題当時の法令によります。
問題:次の記述のうち、建築基準法又は建築士法上、誤っているものはどれか。
建築基準法の構造耐力の規定に違反する建築物の設計を建築主が故意に指示し、建築士がそれに従って設計及び工事監理をした場合、当該建築主及び建築士のいずれも罰則の適用の対象となる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.28 選択肢1
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第98条第1項第二号より、法第20条(第1項第一号から第三号までに係る部分)の規定に違反した建築物の設計者などは罰則の対象となり、法第98条第2項より、その違反が建築主の故意によるものであるときは、当該設計者又は工事施工者を罰するほか、当該建築主に対しても同項の刑を科する。建築主の指示に従って違反建築物の設計及び工事監理をした建築士と、その建築主のいずれも罰則の対象となる。
問題:次の記述のうち、建築基準法又は建築士法上、誤っているものはどれか。
特定行政庁が、建築物の所有者、管理者、設計者、工事監理者、工事施工者又は建築物に関する調査をした者に対して、建築物の構造又は建築設備に関する調査の状況について報告を求めたにもかかわらず、報告をしなかった当該所有者等は、罰則の適用の対象となる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.29 選択肢3
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第12条第5項第一号より、特定行政庁などは、建築物の所有者、管理者、設計者、工事監理者、工事施工者又は建築物に関する調査をした者などに対して、建築物の構造又は建築設備に関する調査の状況などについて報告を求めることができ、法第99条第1項第五号より、その報告をせず、又は虚偽の報告をした者は罰則(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)の対象となる。
2025年6月1日施行の改正で、法第99条の「懲役」は「拘禁刑」になりました(1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金)。報告をしなかった所有者等が罰則の対象となることは同じで、答えは変わりません。
問題:次の記述のうち、建築基準法又は建築士法上、誤っているものはどれか。
建築主が工事監理者を定めないまま、一級建築士でなければ工事監理ができない建築物の工事をさせた場合においては、当該建築主は、罰則の適用の対象となる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.29 選択肢4
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第5条の6第4項より、建築主は、一級建築士でなければ工事監理ができない建築物などの工事をする場合は、所定の建築士である工事監理者を定めなければならず、同条第5項より、工事監理者を定めない工事はすることができない。法第101条第1項第一号より、これらに違反した場合に罰則(100万円以下の罰金)の対象となるのは、当該建築物の工事施工者で、建築主ではない。
工事監理者を定めないまま工事をした場合に罰則(法第101条第1項第一号)の対象となるのは、工事施工者。建築主ではない(建築主の義務は法第5条の6第4項)。
問題:次の記述のうち、建築基準法及び建築士法上、誤っているものはどれか。
特定行政庁が特定工程の指定と併せて指定する特定工程後の工程に係る工事を、工事施工者が当該特定工程に係る中間検査合格証の交付を受ける前に施工した場合、当該工事施工者は罰則の適用の対象となる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.30 選択肢1
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第7条の3第6項より、特定行政庁が特定工程の指定と併せて指定する特定工程後の工程に係る工事は、当該特定工程に係る中間検査合格証の交付を受けた後でなければ施工してはならない。法第99条第1項第二号より、これに違反した場合の工事施工者は罰則の対象となる。
問題:次の記述のうち、建築基準法及び建築士法上、誤っているものはどれか。
一級建築士でなければ行ってはならない建築物の設計及び工事監理を二級建築士が行い、工事が施工された場合、当該建築物の工事施工者は罰則の適用の対象とならないが、当該二級建築士は罰則の適用の対象となる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.30 選択肢2
▼ 正しい? 誤り?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
法第5条の6第1項より、建築士法第3条第1項などに規定する建築物の工事は、それぞれ当該各条に規定する建築士の設計によらなければ、することができず、法第101条第1項第一号より、これに違反した場合の当該建築物の工事施工者は罰則の対象となる。また、一級建築士でなければ行ってはならない設計・工事監理を行った二級建築士は、建築士法第3条第1項に違反し、同法第38条第三号の罰則の対象となる。工事施工者も罰則の対象となる。
建築士法で定める建築士の設計によらない工事をした場合、工事施工者も建築基準法の罰則(法第101条第1項第一号:法第5条の6第1項違反)の対象となる。
2021年8月26日施行の改正で建築士法の罰則の条が繰り上がり、建築士法第3条第1項に違反した者の罰則は今は同法第37条第三号です(2025年6月1日から「懲役」は「拘禁刑」)。工事施工者が法第101条第1項第一号の罰則の対象となることは同じで、答えは変わりません。
まとめ:雑則(地区計画・建築協定・一団地・許可・罰則など)で覚えておく数字
試験の前に見直す数字を、章ごとにまとめました。数字の右の説明が「何の数字か」です。「要点 ›」を押すと、くわしい説明に戻ります。
ほかの分野の解説・年度別の過去問
分野別の解説(27の分野)の一覧です。
関連記事
勉強の進め方、法令集の選び方、一級建築士 学科の教材は次の記事で紹介しています。


