全25問の解答・解説
令和7年(2025年7月27日実施)の一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)の全25問を、選択肢ごとに正誤の理由を示して解説します。施工計画・現場の管理・各種工事(地業・鉄筋・コンクリート・鉄骨・仕上げ・設備・改修)・契約から出題されます。まず自分で解き、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

令和7年 一級建築士試験(学科)の概要
問題文は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)の試験問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各問の枠の右下に出典)。正答は、同センターの合格基準点等(正答肢)と全問を照らし合わせています。
解説は、出題当時の法令・基準によります(法令がからむ問題は令和7年1月1日時点の法令)。その後の改正や基準の改定で答えが変わる問題には「🔶 現在の基準では」、言い方だけが変わった問題には「ℹ️ その後の改正」の枠を付けています。
分野ごとの問題一覧
施工の25問は、毎年おおむね同じ順番で、分野ごとに出題されます。解きたい問題を押すと、その問題へ移動します。
📋 施工計画・現場の管理・品質管理・届出(No.1〜No.4)
No.1施工計画(強風後のクレーンの点検・工事用に使う本設エレベーター・総合施工計画書・特許の出願)
施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1瞬間風速が30m/sを超える風が吹いた後に、屋外に設置されているクレーンを用いて作業を行うときは、あらかじめクレーンの各部分の異常の有無について点検を行わなければならない。2建築物の新築工事において、積載荷重1tの本設エレベーターを工事用として使用する場合、あらかじめエレベーター設置届を労働基準監督署長あてに提出し、エレベーター据付工事完了後に監理者の検査に合格すれば、使用することができる。3総合施工計画書のうち、設計図書に指定されていない仮設物等については、監理者の承認の対象とはならない。4公共建築工事において、工事の施工上の必要から材料、施工方法等を考案し、これに関する特許の出願等を行う場合は、あらかじめ発注者と協議しなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.1
▼ 解答・解説を見る(No.1)▲ 解答・解説を閉じる
瞬間風速が30m/sを超える風が吹いた後に屋外のクレーンで作業を行うときは、あらかじめクレーンの各部分の異常の有無を点検する(クレーン等安全規則 第37条)。
積載荷重1t以上のエレベーターを工事用に使うときは、設置届を労働基準監督署長に出し、設置後に労働基準監督署長の落成検査を受けて合格したものでなければ使えない(クレーン等安全規則 第140条・第141条)。監理者の検査に合格すれば使える、というものではない。
総合施工計画書は、工事の総合的な計画をまとめたもので、監理者の承認の対象は、設計図書で指定された仮設物などに関する部分。設計図書に指定されていない仮設物などは、施工者の責任で計画するので、監理者の承認の対象とはならない。
工事の施工上の必要から材料・施工方法などを考案し、特許の出願などを行う場合は、あらかじめ発注者と協議する(公共建築工事標準仕様書 1.1.11)。
No.2工事現場の管理等(再生資源利用促進計画・土止め支保工作業主任者・元方安全衛生管理者・排水基準)
工事現場の管理等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
11,000㎥以上の建設発生土を工事現場から搬出する建設工事において、元請建設工事事業者は、あらかじめ再生資源利用促進計画を作成し、その計画及び実施状況の記録を当該建設工事の完成日から1年間保存しなければならない。2山留め支保工の切ばり及び腹起しの取付けについては、土止め支保工作業主任者を選任し、その者に作業の方法を決定させるとともに、作業を直接指揮させなければならない。3特定元方事業者は、元方安全衛生管理者を選任し、その者に労働災害を防止するために講じる措置のうち、技術的事項を管理させなければならない。4水質汚濁防止法の規定に基づく排水基準において、1日当たりの平均的な排出水の量が50㎥以上である場合、海域に排出されるものの水素イオン濃度はpH5.0以上9.0以下にしなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.2
▼ 解答・解説を見る(No.2)▲ 解答・解説を閉じる
元請業者が再生資源利用促進計画を作成しなければならないのは、令和5年5月の省令改正後は、建設発生土を500㎥以上搬出する建設工事など。計画と実施状況の記録は、工事の完成後5年間保存する。1,000㎥以上・1年間とするのは改正前の内容で誤り。
土止め支保工の切ばり・腹起しの取付け・取外しの作業は、土止め支保工作業主任者を選任し、作業の方法を決定させ、作業を直接指揮させる(労働安全衛生法施行令 第6条第十五号・労働安全衛生規則 第375条)。
統括安全衛生責任者を選任した特定元方事業者(建設業)は、元方安全衛生管理者を選任し、統括安全衛生責任者が統括管理する事項のうち技術的事項を管理させる(労働安全衛生法 第15条の2)。
水質汚濁防止法の排水基準では、1日当たりの平均的な排出水の量が50㎥以上の事業場などに生活環境項目の基準が適用され、水素イオン濃度は、海域に排出されるものは pH5.0以上9.0以下(海域以外は5.8以上8.6以下)。
No.3品質管理(押出成形セメント板の孔あけ・ロールカーペットの保管・セルフレベリング材の養生期間・あと施工アンカーの試験荷重)
品質管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1押出成形セメント板への現場での孔あけは、振動ドリルを用いず、電気ドリルを用いた。2工事現場に搬入されたロールカーペットの保管については、縦置きとせずに、横に倒して3段までの俵積みとした。3ビニル床シート張りの下地において、セルフレベリング材塗りの養生期間は、特記がなかったので、5日間とし、低温の場合は10日間とする計画とした。4あと施工アンカーの施工において、引抜き耐力の引張試験に合格したものは、そのまま工事に採用するので、試験荷重は設計用引張強度までとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.3
▼ 解答・解説を見る(No.3)▲ 解答・解説を閉じる
押出成形セメント板に現場で孔をあけるときは、振動でパネルが割れたり欠けたりしないよう、振動ドリルではなく電気ドリルを使う。
ロールカーペットは、縦置きにすると変形しやすいので、横に倒して3段程度までの俵積みで保管する。
セルフレベリング材塗り後の養生期間は、7日以上、低温の場合は14日以上とする(公共建築工事標準仕様書 15.5.5)。5日・10日では短すぎる。
あと施工アンカーの引張試験に合格したものをそのまま工事に使う場合は、アンカーや母材を傷めないよう、試験荷重を設計用引張強度までとする。
No.4建築工事の届出等(危険物貯蔵所の設置許可・建築物除却届・クレーン設置届・建設リサイクル法の届出)
建築工事の届出等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1消防本部及び消防署を置く市町村の区域において、危険物に係る貯蔵所を設置しようとする者が、その設置に先立ち、危険物貯蔵所設置許可申請書を市町村長あてに提出した。2床面積が10㎡を超える既存建築物を除却するに当たり、当該除却工事を施工する者が、建築物除却届を、建築主事等を経由して都道府県知事あてに提出した。3つり上げ荷重が3tのクレーンを設置するに当たり、事業者が、その工事開始日の30日前までに、クレーン設置届を労働基準監督署長あてに提出した。4床面積の合計が500㎡の建築物の新築工事において、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律で定める特定建設資材を用いるので、発注者が、工事に着手する日の7日前までに、使用する特定建設資材の種類等その他必要な事項を記載した届出書を特定行政庁あてに提出した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.4
▼ 解答・解説を見る(No.4)▲ 解答・解説を閉じる
消防本部・消防署を置く市町村の区域で危険物の貯蔵所を設置するときは、市町村長の許可を受ける(消防法 第11条)。
床面積が10㎡を超える建築物を除却するときは、除却工事を施工する者が、建築主事などを経由して都道府県知事に届け出る(建築基準法 第15条第1項)。
つり上げ荷重3t以上のクレーンを設置するときは、工事開始の日の30日前までに、クレーン設置届を労働基準監督署長に提出する(労働安全衛生法 第88条第1項・クレーン等安全規則 第5条)。
床面積の合計が500㎡以上の建築物の新築工事は、建設リサイクル法の対象建設工事。発注者は、工事に着手する日の7日前までに、特定建設資材の種類などを都道府県知事(建築主事を置く市町村などではその長)に届け出る(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律 第10条第1項)。特定行政庁あてではない。
🏗️ 地盤調査・土工事・地業・鉄筋・型枠・コンクリート(No.5〜No.12)
No.5地盤調査(三軸圧縮試験・液状化の調査・スクリューウエイト貫入試験・平板載荷試験の整地)
地盤調査に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1粘性土地盤の粘着力を、三軸圧縮試験の結果を用いて求めた。2地表面から20m以浅の砂層の液状化の程度を調査するため、孔内水平載荷試験を行った。3深さ10m程度の軟弱層の地盤調査において、スクリューウエイト貫入試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)を行った。4平板載荷試験において、試験地盤面は、直径30cmの円形の載荷板の中心から1.2mの範囲を水平に整地した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.5
▼ 解答・解説を見る(No.5)▲ 解答・解説を閉じる
粘性土の粘着力(せん断強さ)は、乱さない試料の三軸圧縮試験(または一軸圧縮試験)の結果から求める。
砂層の液状化の程度を調べるには、標準貫入試験のN値と、試料の粒度試験(細粒分含有率など)を使って判定する。孔内水平載荷試験は、地盤の変形係数を求める試験で、液状化の判定には使わない。
スクリューウエイト貫入試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)は、深さ10m程度までの軟弱な層の調査に使われる。
平板載荷試験の試験地盤面は、載荷板の中心から載荷板の直径の3倍以上の範囲を水平に整地する。直径30cmの載荷板なら中心から0.9m以上の範囲なので、1.2mの範囲は十分。
No.6土工事及び山留め工事(ウェルポイント工法・リチャージ工法・盛替え梁・盤圧計の位置)
土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1地下水処理において、掘削規模が大きく、粘性土分が多い砂質土で比較的透水性の低い地盤であったので、ウェルポイント工法を用いた。2地下水処理において、ディープウェルからの揚水を同一帯水層に復水するリチャージ工法を採用したので、その必要揚水量については、復水しないディープウェル工法を採用した場合より多く計画した。3山留め壁と地下躯体との間に隙間がある山留め支保工の撤去において、切ばりの撤去に先立ち、必要強度、厚さ、養生期間に留意して、コンクリートにより盛替え梁を設けた。4山留め支保工の架設において、切ばりに設置する盤圧計については、その軸力を正しく計測するため、両側の支保工の腹起しから最も離れた位置として、切ばり支点間の中央に設置した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.6
▼ 解答・解説を見る(No.6)▲ 解答・解説を閉じる
ウェルポイント工法は、真空ポンプで強制的に排水する工法で、粘性土分の多い砂質土のように比較的透水性の低い地盤の地下水位の低下に向く。
リチャージ工法は、くみ上げた地下水を同じ帯水層に戻す工法。戻した水の分だけ地下水位が下がりにくくなるので、必要な揚水量は、戻さないディープウェル工法より多く計画する。
山留め壁と地下躯体の間に隙間がある場合、切ばりを撤去する前に、コンクリートなどで盛替え梁を設け、必要な強度・厚さ・養生期間に注意する。
盤圧計(切ばりの軸力を測る計器)は、切ばりの中央部では曲げの影響を受けやすいので、火打ちを設ける場合は火打ちの基部、設けない場合は腹起しと切ばりの接合部に設置する。切ばりの支点間の中央に設置するのは不適当。
No.7地業工事(掘削孔の先端深度の検測・鉄筋かごの補強リング・既製杭の溶接継手・杭頭の処理)
地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1アースドリル工法において、底ざらい実施直後に行う掘削孔の先端深度の検測は、重錘と検測テープを用いて、孔底の中心1か所で行った。2場所打ちコンクリート杭工事の鉄筋かごの組立てにおいて、補強リングについては、特記がなかったので、平鋼を用い、2~3mの間隔で配置した。3既製コンクリート杭の現場継手において、継手部の開先の目違い量は2mm以下、許容できるルート間隔の最大値は4mm以下とした。4アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭工事において、杭頭の処理については、コンクリートの打込みから14日程度経過した後、杭本体を傷めないように、可能な限り平坦に斫り取り、所定の高さにそろえた。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.7
▼ 解答・解説を見る(No.7)▲ 解答・解説を閉じる
アースドリル工法の掘削孔の先端深度の検測は、底ざらいの後、重錘と検測テープで、孔底の中心だけでなく周囲も含めた複数か所(4か所程度)で行い、スライムの残りや孔底の傾きも確かめる。中心の1か所だけでは不十分。
場所打ちコンクリート杭の鉄筋かごの補強リングは、特記がなければ平鋼を使い、2〜3m程度の間隔で配置するのが一般的(鉄筋量が多く補強リングが変形するおそれがある場合は協議する=公共建築工事標準仕様書 4.5.4)。
既製コンクリート杭の溶接継手では、開先の目違いは2mm以下、ルート間隔は4mm以下とする。
場所打ちコンクリート杭の杭頭の余盛り部分は、コンクリートの打込みから14日程度経過した後、杭体を傷めないようはつり取る(公共建築工事標準仕様書 4.5.7)。
No.8鉄筋工事(鉄筋相互のあき・加工に用いるかぶり厚さ・スラブのスペーサー・太径の主筋のかぶり厚さ)
鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1粗骨材の最大寸法が20mmのコンクリートを用いる柱において、主筋D22の鉄筋相互のあきについては、30mmとした。2鉄筋の加工に用いるかぶり厚さは、建築基準法に規定されている最小かぶり厚さに、施工誤差を考慮して、10mmを加えた数値とした。3スラブの鉄筋のスペーサーの配置は、特記がなかったので、上端筋、下端筋それぞれ、間隔は0.9m程度、端部は0.1m以内とした。4柱及び梁において、主筋にD29以上の太物の異形鉄筋を使用するに当たり、付着割裂破壊を考慮し、主筋のかぶり厚さを主筋の呼び名の数値の1.5倍以上とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8
▼ 解答・解説を見る(No.8)▲ 解答・解説を閉じる
鉄筋相互のあきは、粗骨材の最大寸法の1.25倍、25mm、隣り合う鉄筋の平均径(呼び名の数値)の1.5倍のうち最大のもの以上とする(公共建築工事標準仕様書 5.3.5)。D22なら22×1.5=33mm以上が必要で、30mmでは足りない。
鉄筋の加工に用いるかぶり厚さ(設計かぶり厚さ)は、最小かぶり厚さに施工誤差を考えて10mmを加えた値とするのが一般的。
スラブのスペーサーは、特記がなければ、上端筋・下端筋それぞれ間隔0.9m程度、端部は0.1m以内に配置するのが一般的。
柱・梁の主筋にD29以上を使う場合は、付着割裂破壊を防ぐため、主筋のかぶり厚さを径の1.5倍以上確保する(公共建築工事標準仕様書 5.3.5)。
No.9型枠工事(型枠の水平荷重・型枠支保工の鋼材の許容応力・パイプサポートの継ぎ方・コーン穴の処理)
型枠工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1型枠の構造計算におけるコンクリート打込み時の水平荷重については、鉛直方向の荷重に対する割合で定めることとし、地震力については考慮しなかった。2型枠支保工に用いる鋼材の許容曲げ応力及び許容圧縮応力の値については、鋼材の「降伏強さの値」又は「引張強さの値の3/4の値」のうち、いずれか小さい値の2/3の値以下とした。3支柱の高さが3.5mの型枠支保工において、2本のパイプサポートを2本のボルトを用いて継いだものを支柱とした。4防水下地となるコンクリート面における型枠緊張材(丸セパB型)のコーン穴の処理については、水量の少ない硬練りモルタルでコンクリート面と同一になるように充塡した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.9
▼ 解答・解説を見る(No.9)▲ 解答・解説を閉じる
型枠の構造計算では、打込み時の水平荷重を鉛直荷重に対する割合で見込み、型枠は一時的なものなので地震力は考えないのが一般的。
型枠支保工の鋼材の許容曲げ応力・許容圧縮応力は、降伏強さの値と引張強さの値の3/4のうち小さいほうの値の2/3以下とする(労働安全衛生規則 第241条)。
パイプサポートを継いで支柱にするときは、4以上のボルト又は専用の金具で継ぐ(労働安全衛生規則 第242条)。2本のボルトでは足りない(パイプサポートを3本以上継いで使うことも禁止)。
コーンを使った型枠締付け金物の穴は、コーンを外して、保水剤や防水剤入りのモルタルなどを充塡する(公共建築工事標準仕様書 6.8.5)。防水下地では、硬練りのモルタルでコンクリート面と平らに充塡するのは適当。
労働安全衛生規則 第241条(型枠支保工の鋼材の許容応力)・第242条第七号(パイプサポートは3以上継いで用いない・継ぐときは4以上のボルト又は専用の金具)
No.10コンクリートの計画調合の材料の絶対容積と質量(細骨材率・空気量・表乾密度・水セメント比)
表は、コンクリートの計画調合において使用する材料の絶対容積及び質量を記号で表したものである。この表の材料を使用したコンクリートに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、細骨材及び粗骨材は、表面乾燥飽水状態とする。
絶対容積(l/㎥) 質量(kg/㎥) 水 セメント 細骨材 粗骨材 水 セメント 細骨材 粗骨材 A B C D E F G H 1細骨材率(%)は、 C/(C+D)×100である。2空気量(%)は、{1,000-(E+F+G+H)}/1,000×100である。3細骨材の表乾密度(g/cm3)は、 G/C である。4水セメント比(%)は、 E/F ×100である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.10
▼ 解答・解説を見る(No.10)▲ 解答・解説を閉じる
細骨材率は、骨材全体の絶対容積に対する細骨材の絶対容積の割合なので、C/(C+D)×100(%)。
空気量は、コンクリート1㎥(1,000l)のうち、水・セメント・骨材の絶対容積以外の部分なので、{1,000-(A+B+C+D)}/1,000×100(%)。質量(E〜H)を使った式は誤り。
細骨材の表乾密度は、質量÷絶対容積なので G/C(kg/l=g/cm³)。
水セメント比は、水の質量÷セメントの質量なので E/F×100(%)。
No.11フレッシュコンクリートの受入れ検査(スランプ・スランプフロー・空気量の許容差)
表は、フレッシュコンクリートの「スランプ又はスランプフロー」及び「空気量」の指定値と、そのレディーミクストコンクリートの受入れ時の検査における測定値を示したものである。次の組合せのうち、検査結果が不合格と判定されるものはどれか。
コンクリートの種類 指定値:スランプ又はスランプフロー(cm) 指定値:空気量(%) 測定値:スランプ又はスランプフロー(cm) 測定値:空気量(%) 1. 普通コンクリート 18 4.5 16.0 6.0 2. 普通コンクリート 45 4.5 55.0 3.0 3. 軽量コンクリート 15 5.0 17.0 6.5 4. 高強度コンクリート 60 4.5 50.0 5.5 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.11
▼ 解答・解説を見る(No.11)▲ 解答・解説を閉じる
スランプ18cmの許容差は±2.5cm(16.0は範囲内)、普通コンクリートの空気量4.5%の許容差は±1.5%(6.0は範囲内)。合格。
スランプフロー45cmの許容差は±7.5cm(JIS A 5308)なので、測定値は37.5〜52.5cmでなければならない。55.0cmは範囲を超えるので不合格(空気量3.0%は4.5±1.5%の範囲内)。
スランプ15cmの許容差は±2.5cm(17.0は範囲内)、軽量コンクリートの空気量5.0%の許容差は±1.5%(6.5は範囲内)。合格。
スランプフロー60cmの許容差は±10cm(50.0は範囲内)、高強度コンクリートの空気量4.5%の許容差は±1.5%(5.5は範囲内)。合格。
No.12プレキャスト鉄筋コンクリート工事(屋内側のかぶり厚さ・目地部グラウトの強度・柱部材の幅の許容差・仮置きの段数)
プレキャスト鉄筋コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1計画供用期間の級が「標準」の建築物において、プレキャスト部材の屋内側の設計かぶり厚さは、特記がなかったので、柱・梁・耐力壁では35mm、床スラブ・屋根スラブでは25mmとした。2柱脚目地部に施される目地部等グラウトの圧縮強度は、特記がなかったので、供試体の養生を現場水中養生として、材齢28日の圧縮強度をプレキャスト部材コンクリートの品質基準強度以上とした。3プレキャスト柱部材の幅については、特記がなかったので、許容差を±5mmとして管理した。4現場におけるプレキャスト部材の仮置きについては、品質、安定性及び安全性を考慮して、床部材では10枚、梁部材及び柱部材では2段まで積み重ねて置く計画とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.12
▼ 解答・解説を見る(No.12)▲ 解答・解説を閉じる
計画供用期間の級が「標準」のプレキャスト部材の屋内側の設計かぶり厚さは、特記がなければ、柱・梁・耐力壁で35mm、床スラブ・屋根スラブで25mm程度とするのが一般的(工場で製造するので現場打ちより小さくできる)。
柱脚の目地部などに使うグラウトの圧縮強度は、現場水中養生の供試体の材齢28日の強度が、プレキャスト部材のコンクリートの品質基準強度以上であることを確かめる。
プレキャスト柱部材の幅の許容差は、特記がなければ±5mm程度とするのが一般的。
プレキャスト部材を現場に仮置きするときは、ひび割れや荷崩れを防ぐため、積み重ねの数を抑える。目安は、床部材など板状の部材は6枚(段)程度まで、柱部材は平置きで2段まで。柱部材などの2段はよいが、床部材の10枚は多すぎる。
🔩 鉄骨工事・木工事(No.13〜No.15)
No.13鉄骨工事(立上げ鉄筋の加熱曲げ・常温曲げ加工の内側曲げ半径・鉄筋貫通孔の孔径・板厚差による段違い)
鉄骨工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物の建方において、柱脚の立上げ鉄筋が障害となったので、その立上げ鉄筋を850~900℃で温度管理しながら加熱して、30度以下の角度で曲げた。2ブレース端のハンチ等の塑性変形能力が要求される部位において、常温曲げ加工による内側曲げ半径は、特記がなかったので、材料の板厚の8倍とした。3鉄筋貫通孔の孔径についての特記がなかったので、工作図において、異形鉄筋D25の孔径の最大値を38mmとした。4完全溶込み溶接とする板厚の異なる突合せ継手において、部材の板厚差による段違いが12mmであったので、薄いほうの部材から厚いほうの部材へ溶接表面が滑らかに移行するように溶接した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.13
▼ 解答・解説を見る(No.13)▲ 解答・解説を閉じる
建方の障害となる立上げ鉄筋は、やむを得ない場合、850〜900℃程度で温度管理しながら加熱し、30度以下の角度で曲げることができる(急冷はしない)。
塑性変形能力が要求される部位(ブレース端のハンチなど)の常温曲げ加工の内側曲げ半径は、板厚の8倍以上とする(それ以外は4倍以上)。
鉄筋貫通孔の孔径の最大値は、D25では38mm(鉄筋の呼び名の数値に13mmを加えた程度)。
板厚差による段違いが、薄いほうの板厚の1/4を超える場合または10mmを超える場合は、T継手に準じた高さの余盛りを設ける(公共建築工事標準仕様書 7.6.7)。段違い12mmでは、溶接表面を滑らかに移行させるだけでは不十分。
No.14鉄骨工事(勾配座金・トルシア形高力ボルトの長さ・鉄筋の貫通孔径の統一・溶接部の外観検査)
鉄骨工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1I形鋼のフランジ部分における高力ボルト接合において、ボルト頭部又はナットと接合部材の面とが1/20以上傾斜していたので、勾配座金を使用した。2ねじの呼び径M22のトルシア形高力ボルトにおいて、ボルトの長さについては、締付け長さに30mmを加えたものを標準長さとし、標準長さに最も近い寸法のボルトを使用した。3鉄骨鉄筋コンクリート造における鉄骨の工作図の作成において、鉄筋の主筋の貫通孔径については、同一の部位に種々の径があったので、混同を避けるため、設計担当者と打合せをして、最大径の鉄筋の貫通孔径に統一した。4受入検査における溶接部の外観検査は、特記がなかったので、溶接部の全てについて、表面欠陥及び精度に対する目視検査を行い、基準を逸脱していると思われる箇所に対してのみ、適正な器具により測定した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.14
▼ 解答・解説を見る(No.14)▲ 解答・解説を閉じる
ボルト頭部やナットと接合部材の面が1/20以上傾斜している場合は、勾配座金を使う(公共建築工事標準仕様書 7.4.6)。
高力ボルトの長さは、締付け長さに表の長さを加えたものを標準長さとし、それに最も近い寸法のものを使う。M22のトルシア形高力ボルトの締付け長さに加える長さは35mm(公共建築工事標準仕様書 表7.2.2)。30mmでは短い。
同じ部位に種々の径の鉄筋の貫通孔があるときは、混同を防ぐため、設計担当者と打ち合わせて、最大径の鉄筋の貫通孔径にそろえることがある。
受入検査の溶接部の外観検査は、全ての溶接部について表面欠陥と精度を目視で検査し、基準を外れていると思われる箇所だけを適正な器具で測る。
No.15木造軸組工法の住宅(アンカーボルトの位置・径と埋込み長さ・筋かいと間柱の取合い・火打梁)
木造軸組工法による地上2階建て住宅の建築工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1基礎工事において、アンカーボルトを、耐力壁の両端の柱の下部付近及び土台継手の上木の端部付近に設置した。2基礎工事において、アンカーボルトの径が12mm以上及び埋込み長さが基礎天端から250mm以上となっていることを、コンクリート打設前に確認した。3筋かいによる耐力壁において、木材の筋かいと間柱との取合い部分は、相欠きとした。42階床組の補強に用いる木製の火打梁において、断面寸法を90mm×90mmとし、横架材との仕口を傾ぎ大入れとし、六角ボルト締めとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.15
▼ 解答・解説を見る(No.15)▲ 解答・解説を閉じる
アンカーボルトは、耐力壁の両端の柱の下部付近や、土台の継手の上木の端部付近などに設ける。
アンカーボルトは径12mm以上、埋込み長さは基礎天端から250mm程度以上とし、コンクリート打設前に位置と長さを確かめる。
筋かいと間柱が交差する部分は、筋かいの断面を欠くと耐力が落ちるので、間柱のほうを欠き取って筋かいを通す。相欠きにするのは不適当。
木製の火打梁は、90mm×90mm程度の断面とし、横架材との仕口を傾ぎ大入れとして六角ボルトで締める。
🧱 防水・タイル・左官・ガラス・内外装・設備(No.16〜No.21)
No.16防水工事及び屋根工事(保護コンクリートの伸縮目地・屋上緑化の耐根層・加硫ゴム系シートの接合幅・折板のタイトフレーム)
防水工事及び屋根工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1アスファルト防水工事において、平場部の防水層の保護コンクリートに設ける伸縮目地の割付けについては、パラペット等の立上り部の仕上り面から600mm程度とし、中間部は縦横の間隔を3,000mm程度とした。2屋上の大面積に施工する屋上緑化システムにおいて、耐根層を保護コンクリート(絶縁シートも含む。)の下に設けることで、保護コンクリートを耐根層保護層とみなした。3接着工法による合成高分子系シート防水工事において、加硫ゴム系シートの接合幅(重ね幅)については、平場部を100mmとし、平場と立上り部の取合い部を120mmとした。4金属板による折板葺において、タイトフレームと受け梁との接合については、風による繰返し荷重による緩みを防止するため、ボルト接合とせずに隅肉溶接とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.16
▼ 解答・解説を見る(No.16)▲ 解答・解説を閉じる
平場の保護コンクリートの伸縮目地は、周辺の立上り部の仕上り面から600mm程度とし、中間部は縦横の間隔3,000mm程度に割り付ける(公共建築工事標準仕様書 9.2.5)。
屋上緑化で、耐根層を保護コンクリート(絶縁シートを含む)の下に設ければ、保護コンクリートが耐根層を保護する層になる。
加硫ゴム系シートの接合幅(重ね幅)は、平場では100mm、平場と立上りの取合い部などでは150mmとする。取合い部を120mmとするのは不適当。
折板葺のタイトフレームと受け梁は、風による繰返しの荷重で緩まないよう、ボルト接合ではなく隅肉溶接で接合する。
No.17タイル工事及び左官工事(タイル張りの伸縮調整目地・下地モルタルの目地・密着張りの塗付け面積・モルタルの調合)
タイル工事及び左官工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1外部側に柱形がある場合のタイル張りの外壁に設ける垂直方向の伸縮調整目地の位置は、特記がなかったので、柱形の入隅部及び中間3~4m間隔とした。2タイル張りの下地モルタルの伸縮調整目地は、タイル張り面の伸縮調整目地及びコンクリート躯体のひび割れ誘発目地と一致するように設けた。3セメントモルタルによるタイル後張り工法における密着張りにおいて、張付けモルタルの1回の塗付け面積の限度については、2㎡/人以内とした。4コンクリート壁面へのモルタル塗りにおいて、下塗りの調合については容積比でセメント1に対し砂2.5とし、中塗り及び上塗りの調合については容積比でセメント1に対し砂1とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.17
▼ 解答・解説を見る(No.17)▲ 解答・解説を閉じる
外部側に柱形がある外壁のタイル張りの垂直方向の伸縮調整目地は、柱形の入隅部と、中間3〜4m程度の間隔に設ける。
下地モルタルの伸縮調整目地は、タイル張り面の伸縮調整目地と、コンクリート躯体のひび割れ誘発目地に合わせて設ける。
密着張りの張付けモルタルの1回の塗付け面積は、塗り置きで硬化が進まないよう2㎡/人以内とする。
コンクリート壁面のモルタル塗りの調合(容積比)は、下塗りはセメント1:砂2.5、中塗り・上塗りはセメント1:砂3程度とする(下地に近い層ほど富調合にする)。中塗り・上塗りを1:1とするのは富調合すぎて、ひび割れの原因になる。
No.18ガラス工事及び金属工事(エッジクリアランス・アルミニウム製笠木の取付け順序・点検口の開口補強・天井下地の切断面)
ガラス工事及び金属工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1はめ込み構法によるガラス工事において、地震時における建築物の躯体の面内変形によって窓枠が変形した場合の板ガラスと窓枠との接触防止のため、エッジクリアランスを確保した。2アルミニウム製笠木の取付けにおいて、割付けを事前に検討したうえで、直線部分を先に取り付け、コーナー部分を最後に取り付けた。3内装改修工事において、天井に点検口を取り付けるに当たり、軽量鉄骨天井下地の野縁や野縁受けを切断したので、その開口部を補強した。4軽量鉄骨天井下地工事において、JISによる建築用鋼製下地材を使用したので、高速カッターで切断した面には、亜鉛の犠牲防食作用が期待できることから、錆止め塗料塗りを省略した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.18
▼ 解答・解説を見る(No.18)▲ 解答・解説を閉じる
はめ込み構法のガラスは、地震で窓枠が面内に変形してもガラスが枠に当たらないよう、エッジクリアランスを確保する。
アルミニウム製笠木は、割付けを検討したうえで、コーナー部分を先に取り付け、そのあとに直線部分を取り付けて、継手部で長さを調整する。直線部分を先に取り付けてコーナー部分を最後にするのは不適当。コーナー部は、留め加工して溶接または裏板で補強し、止水処理をした部材を使う(公共建築工事標準仕様書 14.7.3)。
天井に点検口を設けるため野縁や野縁受けを切断したときは、その開口部を補強材で補強する。
JIS の建築用鋼製下地材は亜鉛めっきされていて、高速カッターで切断した面は亜鉛の犠牲防食作用が期待できるので、錆止め塗料塗りを省略できる。
No.19内外装工事(複合フローリングの接着剤・湿気の影響を受けやすい所の接着剤・ALCパネルの目地・仕上塗材の下地の含水率)
内外装工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1モルタル下地への接着工法による直張り用複合フローリング張りに、ウレタン樹脂系接着剤を用いた。2湿気の影響を受けやすい箇所におけるビニル床シート張りに、エポキシ樹脂系接着剤を用いた。3縦壁ロッキング構法によるALCパネル工事において、外壁のパネル間の目地のシーリングについては二面接着とした。4コンクリートの外壁面への仕上塗材の吹付け工事は、コンクリート下地の表面含水率が20%の状態で行った。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.19
▼ 解答・解説を見る(No.19)▲ 解答・解説を閉じる
モルタル下地に直張り用複合フローリングを接着工法で張るときは、ウレタン樹脂系接着剤を使う。
湿気の影響を受けやすい所でビニル床シートを張るときは、エポキシ樹脂系やウレタン樹脂系の接着剤を使う。
縦壁ロッキング構法の ALC パネルは、パネルが動くので、外壁のパネル間の目地のシーリングは、目地の動きに追従できる2面接着とする。
仕上塗材を吹き付けるコンクリート下地は、十分に乾燥させ、表面の含水率を10%以下にしてから施工する。含水率20%では、ふくれやはく離の原因になる。
No.20給排水衛生設備工事(給水管と排水管の間隔・地中埋設深さ・ステンレス鋼管の支持間隔・間接排水の排水口空間)
給排水衛生設備工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1給水管と排水管を平行して埋設する部分については、給水管を排水管の上方に埋設し、両配管の水平実間隔を300mm確保した。2寒冷地での配管の地中埋設深さは、車両道路では管の上端より600mm以上、それ以外では300mm以上とし、かつ、凍結深度以上とした。3呼び径80の一般配管用ステンレス鋼鋼管を用いた給水管の横走り配管については、吊り金物による支持間隔を2.0mとした。4飲料用貯水槽の間接排水管の管径が65mmであったので、排水口空間を150mmとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.20
▼ 解答・解説を見る(No.20)▲ 解答・解説を閉じる
給水管と排水管を平行して埋設するときは、給水管を排水管の上方に埋設し、両配管の水平の実間隔を500mm以上とする。300mmでは足りない。
配管の地中埋設深さは、車両道路では管の上端から600mm以上、それ以外では300mm以上とし、寒冷地では凍結深度以上とする。
ステンレス鋼鋼管の横走り配管の吊り金物による支持間隔は、2.0m以下とする(呼び径80で2.0mは適当)。
間接排水管の排水口空間は、管径65mm以上では150mm以上とする(飲料用の貯水槽では最小150mm)。
No.21各種建築工事(雨水ますの泥だめ・乾式工法の取付け代・タイル面の酸洗い・吹付け硬質ウレタンフォームの厚さ)
各種建築工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1排水工事において、雨水用排水ます及びマンホールの底部には、排水管等に泥が詰まらないように、深さ100mmの泥だめを設けた。2外壁乾式工法による張り石工事において、石材の裏面と躯体コンクリート面との間隔(取付け代)を70mmとした。3セメントモルタルによるタイル後張り工法におけるタイル面の清掃において、モルタルによる汚れが著しかったので、監理者の承認を得て、30倍程度に希釈した工業用塩酸を用いて酸洗いを行った。4吹付け工法による断熱工事において、吹付け硬質ウレタンフォームの1層の吹付け厚さを30mm以下とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.21
▼ 解答・解説を見る(No.21)▲ 解答・解説を閉じる
雨水用排水ますやマンホールの底部には、深さ150mm以上の泥だめを設ける。100mmでは浅い。
外壁乾式工法の張り石は、石材の裏面と躯体コンクリート面の間隔(取付け代)を70mm程度とするのが標準。
タイル面のモルタルの汚れが著しいときは、監理者の承認を受けて、30倍程度に薄めた工業用塩酸で酸洗いし、すぐに水洗いして酸分を残さないようにする。
吹付け硬質ウレタンフォームの1層の吹付け厚さは30mm以下とする(1日の総厚さは80mm以下)。
📐 改修工事・用語・契約(No.22〜No.25)
No.22鉄筋コンクリート造の耐震改修工事(既存躯体の目荒し・コアドリルの冷却水・割裂補強筋・上向きの接着系アンカーの養生)
鉄筋コンクリート造の建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1枠付き鉄骨ブレースの設置工事において、既存の柱や梁に施す目荒しについては、打継ぎ部の付着性能を向上させるため、電動ピックを用いて、柱や梁の主筋が露出する程度に全面にわたって行った。2コンクリート躯体の穿孔において、コアドリルの冷却に使用した水は、コンクリート中のアルカリ成分を含んでいるので、中和剤を使用して、アルカリ性を中和してから排水した。3現場打ち鉄筋コンクリート壁の増設工事において、既存構造体にあと施工アンカーが一定の間隔で多数打ち込まれる増設壁部分には、新設コンクリートの割裂防止のため、スパイラル筋による割裂補強筋を設けた。4あと施工アンカーの施工において、接着系アンカーを用いて上向き施工としたアンカー筋の養生は、アンカー筋が抜け出ないようにくさびを打って脱落防止の措置を施し、養生時間を24時間とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.22
▼ 解答・解説を見る(No.22)▲ 解答・解説を閉じる
既存の柱・梁の打継ぎ面の目荒しは、電動ピックなどで、平均深さ2〜5mm程度の凹凸をつける程度とする。主筋が露出するほど削ると、既存の躯体を傷める。
コアドリルの冷却に使った水はアルカリ性なので、中和してから排水する。
あと施工アンカーが一定の間隔で多数打ち込まれる増設壁の周辺部には、新しいコンクリートの割裂を防ぐため、スパイラル筋などの割裂補強筋を設ける。
上向きに施工する接着系アンカーは、硬化するまでアンカー筋が抜け出さないよう、くさびなどで脱落防止の措置をして養生する。
No.23外壁の改修工事(エポキシ樹脂モルタル充塡工法・引張接着試験の省略・ひび割れの樹脂注入工法・Uカットシール材充塡工法)
外壁の改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1コンクリート打放し仕上げ外壁の欠損部改修において、コンクリート表面の欠損が比較的深かったので、エポキシ樹脂モルタル充塡工法を適用した。2タイル張り仕上げ外壁の改修において、植込み等により人が近づけないような安全上の配慮がなされている外壁面については、タイル張替え工法施工後の引張接着試験を省略した。3コンクリート打放し仕上げ外壁のひび割れ部改修において、幅が0.2mm以上0.5mm未満のひび割れに対しては、樹脂注入工法を適用し、高粘度形のエポキシ樹脂を使用した。4モルタル塗り仕上げ外壁のひび割れ部改修において、幅が1.0mmを超えるひび割れに対しては、Uカットシール材充塡工法を適用した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.23
▼ 解答・解説を見る(No.23)▲ 解答・解説を閉じる
コンクリート打放しの外壁で欠損が比較的深い場合は、エポキシ樹脂モルタル充塡工法を使う。
人が近づけないよう安全上の配慮がされた外壁面では、タイル張替え工法の施工後の引張接着試験を省略できることがある。
幅0.2mm以上0.5mm未満の比較的細いひび割れに樹脂注入工法を使う場合は、ひび割れの奥まで入るよう、低粘度形(または中粘度形)のエポキシ樹脂を使う。高粘度形は、幅の広いひび割れ(0.5mm以上1.0mm以下など)に使う。
モルタル塗りの外壁で、幅が1.0mmを超えるひび割れには、Uカットシール材充塡工法を使う。
No.24建築工事に関する用語(スカラップ・チェッキング・バスダクト・ラミネーション)
建築工事に関する用語とその説明との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
用語 説明 1. スカラップ 溶接線の交差を避けるために、一方の母材に設ける扇形の切欠き 2. チェッキング 充塡したシーリング材や塗膜表面に生じる細かいひび割れ 3. バスダクト 騒音を吸収するため、空調ダクト系の分岐部などに挿入される箱型の装置 4. ラミネーション 圧延鋼材の欠陥で、鋼材に含まれる硫黄その他の不純物部分が熱応力で開裂する現象 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.24
▼ 解答・解説を見る(No.24)▲ 解答・解説を閉じる
スカラップは、溶接線が交差しないように、一方の母材に設ける扇形の切欠き。
チェッキングは、シーリング材や塗膜の表面にできる細かいひび割れ。
空調ダクトの分岐部などに入れて騒音を吸収する箱型の装置は、消音ボックス(消音器)。バスダクトは、銅やアルミニウムの導体を金属のケースに収めた、大容量の電気の幹線。
ラミネーションは、圧延鋼材の内部に、硫黄などの不純物などによる層状の欠陥(はく離)がある状態。
No.25工事請負契約・監理業務委託契約(第三者の権利の対象となる工事材料・発注者の中止と解除・監理業務の再委託・原設計者への設計変更の委託)
建築物の工事請負契約又は監理業務委託契約に関する次の記述のうち、民間(七会)連合協定「工事請負契約約款」(令和5年1月改正)又は四会連合協定「建築設計・監理等業務委託契約約款」(令和2年4月改正)に照らして、最も不適当なものはどれか。
1工事請負契約において、受注者は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利の対象となっている工事材料を使用するときは、その使用に関する一切の責任を負わない。2工事請負契約において、発注者は、受注者が工事を完成しない間は、必要によって、書面をもって受注者に通知してこの工事を中止し又はこの契約を解除することができ、これによって生じる受注者の損害を賠償する。3監理業務委託契約において、受託者は、委託者の承諾を得て監理業務の一部について、他の建築士事務所の開設者に委託した場合、委託者に対し、当該他の建築士事務所の開設者の受託に基づく行為全てについて責任を負う。4監理業務委託契約において、委託者は、当該監理業務を原設計者と異なる建築士に委託したとき、監理業務の段階において、設計成果物について変更の必要が生じた場合には、原設計者が受託しない場合を除き、当該設計変更業務を原設計者に別途委託しなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.25
▼ 解答・解説を見る(No.25)▲ 解答・解説を閉じる
特許権などの第三者の権利の対象となっている工事材料・施工方法を使うときは、受注者がその使用に関する一切の責任を負う(発注者が指定したものを除く。民間(七会)連合協定 工事請負契約約款)。責任を負わないとするのは誤り。
発注者は、受注者が工事を完成しない間は、必要によって、書面で通知して工事を中止させたり契約を解除したりでき、これによって生じた受注者の損害を賠償する。
受託者が委託者の承諾を得て監理業務の一部を他の建築士事務所の開設者に委託した場合でも、受託者は、その再委託先の行為の全てについて委託者に責任を負う。
監理業務を原設計者と異なる建築士に委託した場合、監理の段階で設計成果物の変更が必要になったときは、原設計者が受託しない場合を除き、その設計変更業務を原設計者に別途委託する。
令和7年の合格基準点(学科の試験)
配点は各問題1点(学科Ⅰ・Ⅱは各20点、学科Ⅲ・Ⅳは各30点、学科Ⅴは25点、合計125点)で、各科目の基準点と総得点の基準点のすべてに達した人が合格です。
| 学科Ⅰ 計画 | 学科Ⅱ 環境・設備 | 学科Ⅲ 法規 | 学科Ⅳ 構造 | 学科Ⅴ 施工 | 総得点 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 合格基準点 | 11点 | 11点 | 16点 | 16点 | 13点 | 88点 |
※ 合格基準点は、各科目は過半の得点、総得点はおおむね90点程度を基本的な水準として想定し、令和7年は総じて難度が高かったことから、総得点の基準点が88点とされました。
出典:建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験『学科の試験』の合格基準点等について」
令和7年の施工の基準点は13点(25点中)でした。施工は工事の数値(寸法・温度・日数など)が多く問われる科目なので、公共建築工事標準仕様書の数値と結びつけて、過去問で正誤の理由まで説明できるようにしておくと安心です。
ほかの年度・ほかの科目の過去問
この記事の問題文は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和7年 一級建築士試験(学科の試験)の問題から、著作権法第32条の引用として掲載しています。著作権は同センターにあります。
関連記事
一級建築士の過去問の一覧や、学科の教材・勉強の進め方は次の記事で紹介しています。


