全25問の解答・解説
令和元年(2019年7月28日実施)の一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)の全25問を、選択肢ごとに正誤の理由を示して解説します。施工計画・現場の管理・各種工事(地業・鉄筋・コンクリート・鉄骨・仕上げ・設備・改修)・契約から出題されます。まず自分で解き、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

令和元年 一級建築士試験(学科)の概要
問題文は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)の試験問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各問の枠の右下に出典)。正答は、同センターの合格基準点等(正答肢)と全問を照らし合わせています。
解説は、出題当時の法令・基準によります(法令がからむ問題は平成31年1月1日時点の法令)。その後の改正や基準の改定で答えが変わる問題には「🔶 現在の基準では」、言い方だけが変わった問題には「ℹ️ その後の改正」の枠を付けています。
分野ごとの問題一覧
施工の25問は、毎年おおむね同じ順番で、分野ごとに出題されます。解きたい問題を押すと、その問題へ移動します。
📋 施工計画・現場の管理・材料と品質の管理・届出・地盤調査(No.1〜No.5)
No.1民間工事における一般的な施工計画(工種別施工計画書・品質計画・総合施工計画書・実施工程表の変更)
民間工事における一般的な施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1工種別の施工計画書は、どの工事においても共通的に利用できるように作成されたものではなく、対象となる個別の工事の条件や特徴等を踏まえて具体的に検討したうえで作成されたものであり、監理者は工種別の施工計画書の提出を受ける。2施工計画書の一部である品質計画は、工事において使用予定の材料、仕上げの程度、性能、精度等の施工の目標、品質管理及び管理の体制について具体的に記載したものであり、当該工事に相応して妥当である場合は、監理者は品質計画を承認する必要がある。3工事の総合的な計画をまとめて作成する総合施工計画書は、総合仮設を含めた工事の全般的な進め方や、主要工事の施工方法、品質目標と管理方針等の大要を定めたものであり、監理者は総合施工計画書の提出を受ける。4工事請負契約書の規定に基づく施工条件の変更等により、実施工程表を変更する必要が生じた場合は、施工に支障がないように、監理者は変更部分の工事と並行して変更された実施工程表を承認する必要がある。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.1
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工種別の施工計画書は、その工事の条件や特徴を踏まえて具体的に作るもので、監理者はその提出を受ける(公共建築工事標準仕様書 1.2.2(3))。
品質計画が工事にふさわしく妥当であれば、監理者は品質計画を承認する。
総合施工計画書は、総合仮設を含めた工事全般の進め方や主要工事の施工方法などの大要を定めたもので、監理者はその提出を受ける(公共建築工事標準仕様書 1.2.2(1))。
施工条件の変更などで実施工程表を変更する場合は、変更した実施工程表を変更部分の施工に先立って監理者が承認する。工事と並行して承認するのでは、変更後の工程の妥当性を事前に確かめられない。
No.2工事現場の管理(作業主任者の選任:コンクリート造の工作物の解体・石綿・土止め支保工・足場の組立て)
工事現場の管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1高さが5mの鉄筋コンクリート造の既存建築物の解体作業において、「コンクリート造の工作物の解体等作業主任者」を選任した。2既存建築物の解体工事において、石綿を重量で0.1%を超えて含有する建材を除去するに当たり、「石綿作業主任者」を選任した。3山留めの高さが5mである山留め支保工の切ばりの取付けにおいて、「地山の掘削作業主任者」を選任した。4高さが5mの枠組足場の解体作業において、「足場の組立て等作業主任者」を選任した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.2
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高さ5m以上のコンクリート造の工作物の解体・破壊の作業は、コンクリート造の工作物の解体等作業主任者を選任する(労働安全衛生法施行令 第6条第十五号の五)。
石綿を重量で0.1%を超えて含有する建材を取り扱う作業は、石綿作業主任者を選任する(同 第二十三号)。
山留め支保工の切ばり・腹起こしの取付け・取り外しの作業は、土止め支保工作業主任者を選任する(労働安全衛生法施行令 第6条第十号)。地山の掘削作業主任者は、掘削面の高さ2m以上の地山の掘削の作業(同 第九号)。
高さ5m以上の足場の組立て・解体・変更の作業は、足場の組立て等作業主任者を選任する(同 第十五号)。
労働安全衛生法施行令 第6条第九号(掘削面の高さ2m以上の地山の掘削)・第十号(土止め支保工の切りばり・腹起こしの取付け・取り外し)・第十五号(高さ5m以上の足場の組立て等)・第十五号の五(高さ5m以上のコンクリート造の工作物の解体)・第二十三号(石綿等を取り扱う作業)
No.3材料管理及び品質管理における監理者の行為(材料の抽出検査・JIS/JASマーク品・鉄筋の加工・杭の支持地盤の確認)
材料管理及び品質管理に関する記述において、監理者が一般に行うものとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
1工事現場に搬入した材料の検査において、立会い検査に合格した材料と同じ種別の材料については、以後の検査を、必要な証明書類により確認することとし、状況に応じて、抽出による立会い検査とした。2設計図書においてJIS又はJASによると指定された材料で、かつ、JIS又はJASのマーク表示があるものが使用されていたので、設計図書に定める品質及び性能を有することの証明となる書類等の確認を省略した。3鉄筋工事に用いる鉄筋については、有害な曲がりや損傷のあるものは使用せず、設計図書に従い、寸法及び形状に合わせて常温で加工し、組立てを行っていることを確認した。4セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、「アースオーガーの掘削深さ」、「アースオーガーの駆動用電動機の電流値又は積分電流値」等から行う支持地盤の確認については、施工する本杭のうち、工事施工者が過半の杭について行っていることを確認した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.3
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立会い検査に合格した材料と同じ種別の材料は、以後は証明書類で確認し、状況に応じて抽出による立会い検査とすることができる。
設計図書に定める JIS・JAS の材料で、マーク表示のあるものは、品質・性能を証明する書類の確認を省略できる(公共建築工事標準仕様書 1.4.2)。
鉄筋は、有害な曲がりや損傷のあるものを使わず、設計図書に従って常温で加工し、組み立てる。
セメントミルク工法の支持地盤の確認(掘削深さ、駆動用電動機の電流値または積分電流値など)は、施工する全ての杭について行う。過半の杭だけでは、支持層に達していない杭を見落とすおそれがある。
No.4建築工事等の届出等の組合せ(特定粉じん排出等作業実施届出書・共同企業体代表者届・建築工事届・工事監理報告書)
建築工事等の届出等に関する組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
届出等 届出者等 時期 届出先等 1. 大気汚染防止法に基づく「特定粉じん排出等作業実施届出書」 特定工事の発注者 作業開始の日の14日前まで 労働基準監督署長 2. 労働安全衛生法に基づく「共同企業体代表者届」 事業者 工事開始の日の14日前まで 都道府県労働局長 3. 建築基準法に基づく「建築工事届」 建築主 確認申請時又は計画通知時 都道府県知事 4. 建築士法に基づく「工事監理報告書」 建築士 工事監理終了後、直ちに 建築主 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.4
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特定粉じん排出等作業実施届出書(吹付け石綿などの除去等の作業)は、特定工事の発注者が、作業開始の日の14日前までに都道府県知事に届け出る(大気汚染防止法)。労働基準監督署長あてではない。
共同企業体代表者届は、仕事の開始の日の14日前までに都道府県労働局長に提出する(労働安全衛生規則 第1条第2項。労働基準監督署長を経由)。
建築工事届は、建築主が、建築主事を経由して都道府県知事に届け出る(建築基準法 第15条第1項)。確認申請のときに合わせて提出する。
建築士は、工事監理を終了したときは、直ちに、その結果を文書で建築主に報告する(建築士法 第20条第3項)。
大気汚染防止法(特定粉じん排出等作業の届出)、労働安全衛生規則 第1条第2項、建築基準法 第15条第1項、建築士法 第20条第3項
No.5地盤調査等(ボーリングの調査深さ・PS検層・孔内水位・N値からの推定)
地盤調査等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1事前に地層構成が想定できない地盤のボーリング調査において、地震応答解析の必要がない直接基礎の建築物であったので、その調査深さを建築物の幅の2倍とした。2ボーリング孔を利用した弾性波速度検層(PS検層)により、地盤内を伝搬する弾性波(P波・S波)の速度を測定し、その速度値から地盤の硬軟を判定した。3ボーリング調査において、ボーリング孔内に地下水が認められたので、孔内をなるべく長時間放置し、水位が安定してから地下水位を測定した。4粘性土地盤において、ボーリング調査の標準貫入試験の結果から得られたN値により、内部摩擦角や相対密度を推定した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.5
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地層構成が想定できず、地震応答解析の必要がない直接基礎の建築物では、調査深さを建築物の幅の2倍程度とするのが目安。
PS検層では、ボーリング孔を使って P波・S波の伝わる速度を測り、その速度から地盤の硬軟を判定する。
孔内の地下水位は、なるべく長時間放置して水位が安定してから測る。
N値から内部摩擦角や相対密度を推定するのは、砂質土の場合。粘性土の N値からは、一軸圧縮強さ(粘着力)のおおよその値を推定する。
🏗️ 土工事・地業・鉄筋・型枠・コンクリート・プレキャスト(No.6〜No.12)
No.6土工事及び山留め工事(ソイルセメント壁の心材・根切り底の確認・埋戻しの締固め・ディープウェルの停止)
土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1ソイルセメント壁の心材としての形鋼に新品材を用いたので、心材の許容応力度については、短期許容応力度の値を採用した。2総掘りにおける根切り底において、地盤の状態については土質試料等を参考に目視により確認し、レベルチェックについては4mごとに1点を目安として行った。3埋戻しに当たり、埋戻し土が透水性の悪い山砂であったので、ローラー及びランマーによりまき出し厚さ50cmごとに締め固めた。4地下水処理におけるディープウェルの運転の停止については、「地下水の上昇による構造体の浮上りがないこと」、「地下外壁が自然地下水位よりも高く構築されていること」等を確認したうえで行った。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.6
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ソイルセメント壁の心材に新品の形鋼を使う場合は、山留めが仮設であることから、許容応力度として短期許容応力度の値を使う。
総掘りの根切り底は、土質試料などを参考に目視で地盤を確かめ、レベルは4mごとに1点程度を目安に確認する。
埋戻しは、300mm程度ごとに締め固める(公共建築工事標準仕様書 3.2.3)。まき出し厚さ50cmでは厚すぎて下の方まで締め固められない。
ディープウェルの運転は、地下水が上がっても構造体が浮き上がらないこと、地下外壁が自然地下水位より高く構築されていることなどを確かめてから停止する。
No.7地業工事(サンドコンパクションパイル工法・鉄筋籠の補強リング・既製杭の養生期間・PHC杭の杭頭切断)
地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1液状化のおそれのある地盤の地盤改良工事については、地盤内に締め固められた砂杭が形成されるサンドコンパクションパイル工法を採用した。2場所打ちコンクリート杭工事の鉄筋籠の組立てにおいて、補強リングについては、主筋に断面欠損を生じないように注意して、堅固に溶接した。3セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、建込み後の杭については、保持治具を用いて杭心に合わせて保持し、3日間養生を行った。4プレストレストコンクリート杭工事の杭頭処理において、ダイヤモンドカッター方式で杭頭を切断するに当たり、補強する範囲を当該切断面から350mm程度とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.7
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液状化のおそれのある地盤の改良に、締め固めた砂杭をつくるサンドコンパクションパイル工法を使うのは適当。
鉄筋籠の補強リングは、主筋に断面欠損を生じないよう注意して、堅固に溶接する(主筋と帯筋は溶接しないが、補強リングは溶接できる)。
セメントミルク工法の杭は、建込み後、鉛直度を確かめながら杭心に合わせて保持し、7日間程度養生する(公共建築工事標準仕様書 4.3.4)。3日間では根固め液などの強度が十分に出ない。
PHC杭の杭頭をダイヤモンドカッターで切断する場合は、切断面から350mm程度の範囲を補強する。
No.8柱主筋・大梁主筋等の継手位置の範囲(図のア〜エ)
図中のア~エについて、鉄筋工事における柱主筋、大梁主筋等の一般的な継手位置(範囲)として、最も不適当なものは、次のうちどれか。ただし、鉄筋の継手は、ガス圧接継手とする。
図を押すと大きく表示します 1ア2イ3ウ4エ出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8
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ア(柱主筋):梁上端から500mm以上、梁下端から柱の内法高さ H₀ の1/4以上離れた、柱の中間部の範囲。応力の小さい位置なので適当。
イ(大梁の上端筋):柱面から大梁の内法長さ L₀ の1/4以上離れた、梁の中央部の範囲。上端筋は中央部で引張応力が小さいので適当。
ウ(大梁の下端筋):柱面から a(=梁せい D)までの範囲は、柱際で応力の大きい部分。下端筋の継手は、柱面から梁せい D 以上離れた位置から設ける。
エ(片持ち梁):図の範囲は、片持ち梁の主筋の一般的な継手位置の範囲として適当とされる。
No.9型枠工事(鋼管枠の支保工の水平荷重・打放し仕上げのせき板の厚さ・せき板の存置・スラブ下の支保工の取外し)
型枠工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1型枠支保工の構造計算における水平荷重については、支柱に鋼管枠を使用するに当たり、支保工の上端に設計荷重(鉛直荷重)の2.5/100に相当する値が作用することとした。2コンクリート打放し仕上げに使用するせき板に、「合板の日本農林規格」第5条「コンクリート型枠用合板の規格」による表面加工品を使用するに当たり、特記がなかったので、厚さが9mmのものを使用した。3計画供用期間の級が「標準」の建築物において、せき板の取外し後に湿潤養生をしない計画となっていたので、構造体コンクリートの圧縮強度が10N/mm²以上に達するまで、せき板を存置した。4片持ちスラブを除くスラブ下の型枠支保工の取外しについては、コンクリートの圧縮強度によることとしたので、圧縮強度が12N/mm²以上であること、かつ、施工中の荷重及び外力について、構造計算により安全であることを確認したうえで行った。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.9
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鋼管枠を支柱とする型枠支保工は、上端に設計荷重(鉛直荷重)の2.5/100に相当する水平荷重が作用するものとして計算する(労働安全衛生規則 第240条)。
打放し仕上げのせき板に使うコンクリート型枠用合板(表面加工品)の厚さは、特記がなければ12mm(公共建築工事標準仕様書 6.8.2)。9mmでは薄く、たわみやすい。
計画供用期間の級が標準で、せき板を外した後に湿潤養生をしない場合は、圧縮強度が10N/mm²以上に達するまでせき板を存置する。
スラブ下の支保工の取外しを圧縮強度で決める場合、圧縮強度が12N/mm²以上で、かつ、施工中の荷重などに対して構造計算で安全を確かめれば取り外せる。
労働安全衛生規則 第240条(鋼管枠を支柱とする型枠支保工は、設計荷重の2.5/100の水平方向の荷重が作用しても安全な構造とする)
No.10コンクリート工事における監理者の行為(単位水量の確認・梁の鉛直打継ぎの位置・構造体コンクリートの供試体・打重ね時間)
コンクリート工事に関する記述において、監理者が一般に行うものとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
1単位水量が180kg/㎥と指定されたコンクリートにおいて、打込み中に品質変化が見られたので、単位水量が180kg/㎥であることを、レディーミクストコンクリート工場の製造管理記録により確認した。2特記のないコンクリートの打継ぎにおいて、やむを得ず、梁に鉛直打継ぎ部を設けなければならなかったので、スパンの中央又は端から1/4の付近に打継ぎ部が設けられていることを確認した。3普通コンクリートにおける構造体コンクリートの強度の検査において、1回の圧縮強度の試験に用いる供試体については、レディーミクストコンクリートの受入れ検査と併用しないこととなっていたので、工事現場において適切な間隔をあけた3台の運搬車から各1個ずつ、合計3個採取されていることを確認した。4同一区画のコンクリート打込み時における打重ね時間の限度については、外気温が25℃を超えていたので、150分を目安としていることを確認した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.10
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打込み中に品質の変化が見られた場合、単位水量が指定どおりかを、レディーミクストコンクリート工場の製造管理記録で確かめる。
梁の鉛直打継ぎ部は、特記がなければ、スパンの中央または端から1/4の付近に設ける(せん断力の小さい位置)。
受入れ検査と併用しない構造体コンクリートの強度の検査では、1回の試験の供試体を、適切な間隔をあけた3台の運搬車から1個ずつ、合計3個採る(公共建築工事標準仕様書 表6.9.2)。
打重ね時間間隔の限度の目安は、外気温25℃未満で150分、25℃以上で120分(JASS 5)。外気温が25℃を超えているのに150分を目安とするのは長すぎる。
No.11フレッシュコンクリートの受入れ時の品質検査(スランプ・空気量・温度・塩化物量)
図に示すコンクリート工事におけるフレッシュコンクリートの現場受入れ時の品質検査に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、設計図書において、コンクリートは普通コンクリートとし、調合管理強度は27N/mm²、スランプは18cmと指定されているものとする。また、「寒中コンクリート」には該当しないものとする。
図フレッシュコンクリートの現場受入れ時の品質検査状況(測定の値) スランプ 20.5cm 空気量 6.1% コンクリート温度 30.0℃ 塩化物含有量(塩化物イオン量) 0.25kg/㎥ 1スランプ試験の結果は、合格であると判断した。2空気量試験の結果は、合格であると判断した。3コンクリートの温度測定試験の結果は、合格であると判断した。4コンクリートの塩化物含有量試験の結果は、合格であると判断した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.11
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指定したスランプ18cmの許容差は±2.5cm(15.5〜20.5cm)なので、20.5cmは合格。
普通コンクリートの空気量は4.5%で、許容差は ±1.5%(3.0〜6.0%)。6.1%は範囲外なので不合格。
コンクリートの荷卸し時の温度は、寒中コンクリートでなければ35℃以下が目安なので、30.0℃は合格。
塩化物量は、塩化物イオン量として0.30kg/㎥以下なら合格なので、0.25kg/㎥は合格。
No.12プレキャスト鉄筋コンクリート工事(組立精度の検査・床部材の仮置きの台木・微細なひび割れの補修・脱型後の養生)
プレキャスト鉄筋コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1プレキャスト部材の組立精度の検査においては、特記がなかったので、柱・壁の垂直部材と梁・床の水平部材とも、組立て作業中の仮固定完了後、次のプレキャスト部材が組み立てられる前に、全数について、それぞれ±5mmを判定基準として行った。2工事現場において、バルコニー付きの床のプレキャスト部材を平置きで仮置きするので、ひび割れや変形等が生じないように、台木の位置を、組立て後にプレキャスト部材が支持される位置からできるだけ離した。3プレキャスト部材の製造工場における製品検査において、外壁のプレキャスト部材の屋外に面する部分に、幅0.10mm以下のひび割れがあったが、外壁の性能上支障がないと判断し、プレキャスト部材製造要領書に従って、初期補修用プレミックスポリマーセメントペーストによる補修を行ったうえで合格とした。4プレキャスト部材の製造に当たり、脱型時に表面温度が高いプレキャスト部材においては、表面部の温度が外気温と同程度となるまで水密シートによる養生を行った。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.12
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組立精度の検査は、特記がなければ、仮固定が終わって次の部材を組み立てる前に、全数について±5mmを判定基準として行う。
部材を仮置きするときの台木は、組立て後に部材が支持される位置にできるだけ近い位置に置く。支持される位置から離すと、設計で想定していない曲げがかかり、ひび割れや変形のおそれがある。
外壁の性能上支障のない幅0.10mm以下のひび割れは、製造要領書に従って補修すれば合格とできる。
脱型時に表面温度が高い部材は、急激な乾燥や温度変化を防ぐため、表面温度が外気温と同じくらいになるまで水密シートなどで養生する。
🔩 鉄骨工事・木工事(No.13〜No.15)
No.13鉄骨工事(固着したミルスケール・混用継手の施工順序・溶融亜鉛めっき面の摩擦面・柱の長さの管理許容差)
鉄骨工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1溶接部の清掃において、母材の溶接面について付着物の確認を行ったところ、固着したミルスケールがあったが、溶接に支障とならなかったので、除去しなかった。2工事現場において、H形鋼の梁と柱との接合に当たり、梁ウェブを高力ボルト接合とし梁フランジを溶接接合とする混用継手で、梁せいや梁フランジ厚が大きくなく、溶接部に割れ等の欠陥が生じるおそれがないと判断し、高力ボルトを締め付けた後に溶接を行った。3溶融亜鉛めっきを施した鉄骨の接合部の摩擦面については、すべり係数が0.40以上確保することができるように、特記がなかったので、りん酸塩処理を行った。4鉄骨の製作精度の管理において、特記がなかったので、鉄骨精度検査基準((一社)日本建築学会「建築工事標準仕様書鉄骨工事付則6」)に従い、柱の長さについては、10m未満であったので、柱の長さの管理許容差を±5mmとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.13
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固着したミルスケールで溶接に支障のないものは、除去しなくてよい。
梁ウェブを高力ボルト、梁フランジを溶接とする混用継手は、溶接部に割れなどのおそれがなければ、高力ボルトを締め付けた後に溶接する。
溶融亜鉛めっきした鉄骨の摩擦面は、特記がなければ、すべり係数0.40以上を確保できるようブラスト処理またはりん酸塩処理を行う(公共建築工事標準仕様書 7.12.5)。
鉄骨精度検査基準(JASS 6 付則6)で、柱の長さが10m未満の場合の管理許容差は ±3mm。±5mmは大きすぎる。
No.14鉄骨工事における監理者の行為(ブラストの摩擦面の赤錆・組立溶接の最小ビード長さ・レーザ孔あけの精度・トルシア形高力ボルトの長さ)
鉄骨工事に関する記述において、監理者が一般に行うものとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
1高力ボルト接合の摩擦面については、ショットブラストにより表面粗度を50μmRz以上確保できていたので、摩擦面に赤錆を発錆させないことを承認した。2組立溶接において、鋼材の板厚が6mmを超えていたので、ショートビードとならないように、組立溶接の最小溶接長さが30mmを基準としていることを確認した。3特記により、高力ボルト孔の孔あけ加工をレーザ孔あけとしたので、溶損部を含む孔径の精度を±0.5mmとしていることを確認した。4ねじの呼びM22のトルシア形高力ボルトにおいて、ボルトの長さについては締付け長さに35mmを加えたものを標準長さとし、標準長さに最も近い寸法のボルトが使用されていることを確認した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.14
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ショットブラストなどで摩擦面の表面粗度が50μmRz以上確保されていることを確かめた場合は、赤錆を発生させなくてよい(公共建築工事標準仕様書 7.4.2)。
組立溶接の最小ビード長さは、被覆アーク溶接などの場合、板厚6mm以下は30mm、板厚6mmを超える場合は40mm(公共建築工事標準仕様書 表7.6.1)。板厚6mm超で30mmは短い(ショートビードは割れやすい)。
特記によりレーザ孔あけとする場合、溶損部を含む孔径の精度は±0.5mmとする(JASS 6 の記述)。
M22のトルシア形高力ボルトの長さは、締付け長さに35mmを加えたものを標準長さとし、それに最も近い寸法のものを使う(公共建築工事標準仕様書 表7.2.2)。
No.15木工事における監理者の行為(ねこ土台の換気孔・木れんが・筋かいの壁倍率と金物・RC造内の土台のアンカー)
木工事に関する記述において、監理者が一般に行うものとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
1最下階の床が木造の床組の建築物において、床下をコンクリートで覆わなかったので、ねこ土台を用い、外周部の土台の全周にわたって、1m当たり有効面積75cm²以上の換気孔が設けられていることを確認した。2鉄筋コンクリート造の建築物において、建具枠や間仕切壁下地を留め付けるための「木れんが」については、樹種がヒノキで、「木れんが用接着剤」によりコンクリート面に張り付けられていることを確認した。3軸組工法による木造の建築物における構造用合板等の面材を併用しない耐力壁において、壁倍率2.0に適合させるために30mm×90mmの木材を片筋かいとし、その端部がプレートBP‒2により緊結されていることを確認した。4鉄筋コンクリート造の建築物の内部仕上げの下地を木工事とするに当たり、床組の土台の取付けに使用するアンカーボルトは、位置や埋込み深さが不正確とならないことを重視して、「あと施工アンカー」が適切に使用されていることを確認した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.15
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床下をコンクリートで覆わない場合、ねこ土台を使い、外周部の土台の全周にわたって1m当たり有効面積75cm²以上の換気孔を設ける。
建具枠や間仕切壁下地を留める木れんがは、ヒノキなどを使い、木れんが用接着剤でコンクリート面に張り付ける。
片筋かいで壁倍率2.0とするには、厚さ4.5cm以上・幅9cm以上(45mm×90mm)の筋かいが必要(建築基準法施行令 第46条第4項 表1)。30mm×90mmの片筋かいは壁倍率1.5で、端部の金物も BP(30mm×90mm 用)を使う。BP-2 は 45mm×90mm 用の金物。
鉄筋コンクリート造の内部で、床組の土台を後から取り付ける場合は、位置や埋込み深さを正確にできるあと施工アンカーを使ってよい。
建築基準法施行令 第46条第4項 表1(木材の筋かい:厚さ1.5cm以上・幅9cm以上は1.0、厚さ3cm以上・幅9cm以上は1.5、厚さ4.5cm以上・幅9cm以上は2.0(片筋かいの場合))
🧱 防水・石・タイル・左官・金属・ガラス・内外装・設備・各種工事(No.16〜No.21)
No.16防水工事等(合成高分子系シート防水の下地・アスファルトプライマーの乾燥・バルコニーの塗膜防水・屋上緑化の耐根層)
防水工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1合成高分子系シート防水工事において、防水層の下地の入隅については直角とし、出隅については45度の面取りとした。2アスファルト防水工事において、アスファルトプライマーを刷毛でむらなく均一となるよう塗布し、30~60分程度の経過後、一層目のアスファルトルーフィングを張り付けた。3共同住宅において、現場打ち鉄筋コンクリートのバルコニーを塗膜防水としたので、防水層の塗膜防水材をウレタンゴム系とし、その仕上げを軽歩行用仕上塗料とした。4屋上緑化システム工事において、防水層に植物の根が直接触れないようにするために、耐根層を防水層直上部に設けた。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.16
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合成高分子系シート防水の下地は、入隅を直角、出隅を45°の面取りとする。
アスファルトプライマーは、塗布した後、十分に乾燥させてから(一般に8時間以上、翌日など)1層目のアスファルトルーフィングを張り付ける。30〜60分では乾燥が不十分で、接着不良やふくれの原因になる。
共同住宅のバルコニーの塗膜防水は、ウレタンゴム系とし、軽歩行用の仕上塗料で仕上げる。
屋上緑化では、植物の根が防水層に直接触れないよう、防水層の直上に耐根層を設ける。
No.17石張り工事、タイル工事及び左官工事における監理者の行為(乾式工法のシーリング目地・床石張りの伸縮調整目地・密着張りの目地深さ・下地モルタルの伸縮調整目地)
石張り工事、タイル工事及び左官工事に関する記述において、監理者が一般に行うものとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
1石張り工事における外壁乾式工法において、止水のために石材間の目地をシーリング材で充塡するに当たり、特記がなかったので、シーリング材の目地寸法が幅、深さともに5mm以上となっていることを確認した。2床を石張りとする部分の面積が広く、特記がなかったので、床面積30㎡程度ごと及び石材と他の仕上材とが取り合う箇所に、伸縮調整目地が設けられていることを確認した。3セメントモルタルによる陶磁器質タイル張り工事における壁タイルの密着張りにおいて、タイル剥離防止のため、タイルの化粧目地の深さが、タイルの厚さの1/2以下となっていることを確認した。4コンクリート外壁面へのタイル張りの下地モルタル塗りにおいて、タイルの伸縮調整目地に合わせて、幅10mm以上の伸縮調整目地が発泡合成樹脂板で設けられていることを確認した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.17
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外壁乾式工法の目地をシーリング材で仕上げる場合、目地寸法は幅・深さとも8mm以上とする(公共建築工事標準仕様書 10.5.3)。5mmでは小さすぎる。
床の石張りの伸縮調整目地は、特記がなければ床面積30㎡程度ごと、細長い通路は6m程度ごと、他の部材と取り合う箇所に設ける(公共建築工事標準仕様書 10.6.2)。
密着張りのタイルの目地の深さは、タイル厚さの1/2以下とする。
外壁の下地モルタル塗りでは、タイルの伸縮調整目地に合わせて、幅10mm以上の伸縮調整目地を設ける。
No.18金属工事及びガラス工事における監理者の行為(振れ止めの切断部の補強・天井の段違い部の斜め補強・屋外の手すりの伸縮調整・合わせガラスの水抜き孔)
金属工事及びガラス工事に関する記述において、監理者が一般に行うものとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
1軽量鉄骨壁下地工事において、床ランナー下端から1.2mごとに設ける振れ止めを電気配管の敷設により切断せざるを得なかったので、切断する箇所を振れ止めと同材又は吊りボルト(外径9.0mm)で補強する計画であることを確認した。2軽量鉄骨天井下地工事において、天井面に下がり壁による段違いがあったので、野縁受と同材又は山形鋼(L-30×30×3(mm))を補強材に用いて、3.6m程度の間隔で斜め補強されていることを確認した。3屋外に設置する鋼製の手摺において、温度差40℃の場合の部材伸縮の目安を1m当たり0.5mmとして、伸縮調整部が5~10mごとに設けられていることを確認した。4屋外に面する建具に合わせガラスを使用するに当たり、建具のガラス溝内に雨水が浸入した場合に雨水を排水するため、建具下枠のガラス溝に設ける水抜き孔の直径が6mm以上となっていることを確認した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.18
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電気配管で振れ止めを切断せざるを得ない場合は、切断箇所を振れ止めと同材または吊りボルトで補強する。
天井に段違いがある場合は、野縁受けと同材または L−30×30×3(mm)程度の部材で、間隔2.7m程度に斜め補強を行う(公共建築工事標準仕様書 平成31年版 14.4.4)。3.6m程度では間隔が広すぎる。
屋外の鋼製手すりは、温度差40℃で1m当たり0.5mm程度伸縮するので、5〜10mごとに伸縮調整部を設ける。
建具下枠のガラス溝の水抜き孔は、直径6mm以上とする(公共建築工事標準仕様書 16.14.3)。
No.19内外装工事における監理者の行為(冬期のコンクリートの素地の乾燥期間・直張り工法の寒冷期の養生・ECP横張りの自重受け金物・タイルの引張接着強度)
内外装工事に関する記述において、監理者が一般に行うものとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
1コンクリート下地への塗装工事において、素地調整を行うことができる乾燥期間を、冬期であったので、コンクリートの材齢が14日確保されていることを確認した。2下地面がコンクリートとなる「せっこうボードのせっこう系直張り用接着材による直張り工法」において、張付け時の室温が5℃以下となる寒冷期に、やむを得ず施工しなければならなかったので、採暖等の養生を行い、室温が10℃以上に保たれていることを確認した。3押出成形セメント板を用いる外壁工事において、横張り工法により取り付けたフラットパネル(働き幅600mm、厚さ60mmの標準パネル)については、構造体に固定した下地鋼材に取り付け、パネル枚数3枚以下ごとに自重受け金物で受けていることを確認した。4外壁のセメントモルタルによる陶磁器質タイル(セラミックタイル)後張りにおける引張接着強度検査については、引張接着強度が0.4N/mm²以上で、かつ、コンクリート下地の接着界面における破壊率が50%以下のものを合格とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.19
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コンクリートの素地は十分に乾燥させてから塗装する(公共建築工事標準仕様書 18.2.6)。乾燥期間の目安は、夏期で21日以上、冬期で28日以上。冬期に材齢14日では乾燥が不十分。
室温が5℃以下の寒冷期にせっこう系直張り用接着材で張る場合は、採暖などで室温を10℃以上に保つ。
横張り工法の押出成形セメント板は、下地鋼材に取り付け、パネル3枚以下ごとに自重受け金物で受ける。
セメントモルタルによるタイル張りの引張接着強度は、0.4N/mm²以上、かつ、コンクリート下地の接着界面の破壊率が50%以下なら合格。
No.20設備工事における監理者の行為(昇降路内の配管・非常用照明の配線・給水管と排水管の埋設・自然換気の給気口)
設備工事に関する記述において、監理者が一般に行うものとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
1昇降機設備工事において、乗用エレベーターの昇降路内に、エレベーターに必要な配管設備を設けることとなっていたので、その配管設備が地震時においてエレベーターの籠又は釣合おもりに触れるおそれのないことを確認した。2非常用の照明装置の電気配線は、他の電気回路(電源又は誘導灯に接続する部分を除く。)に接続されず、かつ、非常用の照明装置の電気配線の途中に一般の者が、容易に電源を遮断することのできる開閉器が設けられていないことを確認した。3配管の埋設工事において、給水管と排水管とを平行して埋設する部分については、給水管を排水管の上方に埋設し、両配管の水平実間隔が300mm程度確保されていることを確認した。4共同住宅の居室に設ける自然換気設備の給気口については、居室の天井の高さの1/2以下の高さの位置に設けられ、常時外気に開放されている構造となっていることを確認した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.20
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昇降路内に設ける配管設備は、地震時にかごや釣合おもりに触れるおそれのないものとする。
非常用の照明装置の配線は、他の電気回路(電源・誘導灯に接続する部分を除く)に接続せず、途中に一般の者が容易に電源を遮断できる開閉器を設けない。
給水管と排水管を平行して埋設する場合は、原則として、両配管の水平実間隔を500mm以上とし、給水管を排水管の上方に埋設する(公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)2.7.1)。300mm程度では近すぎる。
居室の自然換気設備の給気口は、天井の高さの1/2以下の高さに設け、常時外気に開放された構造とする。
No.21各種工事における監理者の行為(コンストラクションキー・屋上緑化のルーフドレン・野縁の切断・フリーアクセスフロアの調整)
各種工事に関する記述において、監理者が一般に行うものとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
1施工中における建具の鍵については、コンストラクションキーシステムを用いたので、施工完了後に、シリンダーは取り替えずに工事用の鍵から本設用の鍵に切り替え、不用となった工事用の鍵が回収されていることを確認した。2屋上緑化システムを採用した屋根に設けるルーフドレンについては、その口径が目詰まりを考慮して余裕のある管径になっていることを確認したうえで、1排水面積に対して2箇所以上設置されていることを確認した。3軽量鉄骨天井下地工事において、照明器具の設置に当たり、野縁及び野縁受をやむを得ず切断しなければならなかったので、溶断することを承認した。4内装工事において、タイルカーペットをフリーアクセスフロア(高さ調整式)に敷設するに当たり、フリーアクセスフロアの床パネルの段違いや隙間が0.5mm以下に調整されていることを確認した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.21
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コンストラクションキーシステムは、シリンダーを取り替えずに、工事用の鍵から本設用の鍵に切り替えられる仕組み。不用になった工事用の鍵は回収する。
屋上緑化の屋根のルーフドレンは、目詰まりを考えて余裕のある管径とし、1つの排水面積に2か所以上設ける。
野縁・野縁受けをやむを得ず切断する場合は、溶断せず、切断工具で切断し、同材で補強する。溶断すると亜鉛めっきが焼けて錆びやすくなり、熱で部材が変形する。
フリーアクセスフロアにタイルカーペットを張るときは、張付けに先立ち、下地面の段違いや床パネルの隙間を1mm以下に調整する(公共建築工事標準仕様書 19.3.3)。0.5mm以下はそれより厳しい調整なので、適当。
📐 改修工事・用語・契約(No.22〜No.25)
No.22鉄筋コンクリート造の耐震改修工事(開口閉塞のあと施工アンカーの埋込み長さ・グラウトの隙間・鋼板の一体化・溶接金網の継手)
鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1現場打ち鉄筋コンクリート壁の増設工事において、壁厚が厚い複配筋の既存開口壁を鉄筋コンクリートにより閉塞するに当たり、開口周囲に埋め込む「あと施工アンカー」の埋込み長さについては、特記がなかったので、10da(da:アンカー筋径)とした。2枠付き鉄骨ブレースの設置工事において、鉄骨枠と既存躯体との間にグラウト材(無収縮モルタル)を圧入したところ、圧入したグラウト材と既存躯体との間に3mmの隙間ができてしまったので、その隙間にエポキシ系樹脂を圧入した。3鋼板巻き工法による柱補強工事において、二分割した鋼板を現場で一体化するに当たり、鋼板の厚さが6mmであったので、突合せ溶接とした。4溶接金網巻き工法による柱補強工事において、溶接金網の継手を重ね継手とするに当たり、溶接金網の縦筋の間隔が100mmであったので、その継手長さを200mmとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.22
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壁厚が厚い複配筋の既存壁なら、開口周囲にあと施工アンカー(接着系アンカー)を埋め込んで新しい壁と接合できる。開口部まわりの定着は引き抜けないよう、特記がなければ埋込み長さを11da以上とするのが目安で、10daでは足りない(壁厚が薄い場合やシングル配筋の場合は、既存の壁筋に溶接して接合する)。
グラウト材と既存躯体との間にできた隙間が小さい(一般に5mm程度以下の)場合は、エポキシ樹脂を圧入して隙間を埋める(監理指針などの扱い)。3mmの隙間にエポキシ系樹脂を圧入したのは適当。
二分割した鋼板を現場で一体化するとき、鋼板の厚さが6mm程度なら突合せ溶接とする。
溶接金網の継手を重ね継手とする場合、縦筋の間隔が100mmなら、重ね継手の長さを200mm程度とする。
No.23各種改修工事(防水層非撤去の場合の立上り部・塗膜防水の膨れ・高圧水洗工法の範囲・充塡工法)
各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1既存のアスファルト防水の改修工事において、既存防水層を非撤去とすることとしたので、立上り部及びルーフドレン回りの防水層についても非撤去とした。2既存のウレタンゴム系塗膜防水を撤去せず、新規にウレタンゴム系塗膜防水を施す改修工事において、既存防水層の膨れ部分については、カッターナイフで切除し、ポリマーセメントモルタルで平坦に仕上げた。3既存のモルタル塗り仕上げ外壁の仕上塗材の改修工事において、既存塗膜の劣化部の除去を高圧水洗工法で行うに当たり、その処理範囲については、特記がなかったので、既存仕上げ面全体とした。4コンクリート打放し仕上げ外壁の改修工事において、鉄筋が露出していない比較的浅い欠損部であったので、ポリマーセメントモルタル充塡工法を採用して補修した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.23
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既存の保護層・防水層を撤去しない工法でも、立上り部やルーフドレン回りの既存防水層は撤去する(公共建築改修工事標準仕様書 3.1.4・表3.1.1)。立上り部などは劣化が進みやすく、新しい防水層の納まりも悪くなる。
既存のウレタンゴム系塗膜防水の上に新しく施工する場合、膨れ部分はカッターで切除し、ポリマーセメントモルタルで平滑にする(公共建築改修工事標準仕様書 3.2.6)。
高圧水洗工法で既存塗膜の劣化部を除去する場合、特記がなければ処理範囲は既存仕上げ面全体とする。
鉄筋が露出していない比較的浅い欠損部は、ポリマーセメントモルタル充塡工法で補修する。
No.24建築工事に関する用語・試験機器(腹起し・スランプフロー・エンドタブ・タッピングマシン)
建築工事に関する用語・試験機器とその説明との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
用語・試験機器 説明 1. 腹起し 山留め壁に作用する側圧を切ばり又は地盤アンカーに伝えるための水平部材 2. スランプフロー スランプコーンを引き上げた後の試料の広がりを直径で表したフレッシュコンクリートの流動性を示す指標 3. エンドタブ 鋼材の溶接において、アークの始端部や終端部が欠陥となりやすいため、溶接ビードの始点と終点に取り付ける補助板 4. タッピングマシン 子供の飛び跳ねや走り回り等の比較的重く柔らかい衝撃が加わったときの床衝撃音の遮断性能を調査するための床衝撃音発生器 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.24
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腹起しは、山留め壁にかかる側圧を受けて切ばりや地盤アンカーに伝える水平部材。
スランプフローは、スランプコーンを引き上げた後のコンクリートの広がりの直径で、流動性を表す。
エンドタブは、欠陥の出やすい溶接の始端・終端を本体の外に出すため、溶接線の両端に付ける補助板。
タッピングマシンは、小さなハンマーで床をたたき、靴音や物の落下のような軽く硬い衝撃(軽量床衝撃音)を出す装置。子供の飛び跳ねなど重く柔らかい衝撃(重量床衝撃音)の測定には、バングマシンやインパクトボールを使う。
No.25工事請負契約・監理業務委託契約(部分使用の手続き・不適当な者への措置・進捗の報告・監理業務方針の再説明)
建築物の工事請負契約又は監理業務委託契約に関する次の記述のうち、民間(旧四会)連合協定「工事請負契約約款」又は四会連合協定「建築設計・監理等業務委託契約約款」に照らして、最も不適当なものはどれか。
1工事請負契約において、工事中に本契約の目的物の一部を発注者が使用する場合につき、法令に基づいて必要となる手続きは、発注者から手続きを委託された場合は監理者が行い、受注者は、これに協力するとともに手続きに要する費用を負担する。2工事請負契約において、発注者は、監理者の意見に基づいて、受注者の現場代理人、監理技術者又は主任技術者、専門技術者及び従業員並びに下請負者及びその作業員のうちに、工事の施工又は管理について著しく適当でないと認められる者があるときは、受注者に対して、その理由を明示した書面をもって、必要な措置をとることを求めることができる。3監理業務委託契約において、受託者は、本契約に定めがある場合、又は委託者の請求があるときは、監理業務の進捗状況について、委託者に説明・報告しなければならない。4監理業務委託契約において、建築設計・監理等業務委託契約約款の規定により履行期間又は業務委託書の内容が変更された場合において、委託者は、必要があると認めるときは、受託者に対して、監理業務方針の再説明を請求することができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.25
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工事中に目的物の一部を発注者が使用する(部分使用)場合の法令上の手続きは、発注者(委託を受けた場合は監理者)が行い、受注者はこれに協力する。手続きに要する費用は発注者が負担する(民間(旧四会)連合協定 工事請負契約約款)。受注者が負担するのではない。
発注者は、監理者の意見に基づいて、受注者の現場代理人・監理技術者・下請負者などのうち、施工・管理について著しく適当でない者がいるときは、理由を明示した書面で受注者に必要な措置を求められる(同約款)。
受託者は、契約に定めがある場合や委託者の請求があるときは、監理業務の進捗状況を委託者に説明・報告する(四会連合協定 建築設計・監理等業務委託契約約款)。
約款の規定で履行期間や業務委託書の内容が変更された場合、委託者は、必要があれば受託者に監理業務方針の再説明を請求できる(同約款)。
令和元年の合格基準点(学科の試験)
配点は各問題1点(学科Ⅰ・Ⅱは各20点、学科Ⅲ・Ⅳは各30点、学科Ⅴは25点、合計125点)で、各科目の基準点と総得点の基準点のすべてに達した人が合格です。
| 学科Ⅰ 計画 | 学科Ⅱ 環境・設備 | 学科Ⅲ 法規 | 学科Ⅳ 構造 | 学科Ⅴ 施工 | 総得点 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 合格基準点 | 11点 | 11点 | 16点 | 16点 | 13点 | 97点 |
※ 合格基準点は、各科目は過半の得点、総得点はおおむね90点程度を基本的な水準として想定し、令和元年は総じて難易度が低かったことから、総得点の基準点が97点とされました。
出典:建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験『学科の試験』の合格基準点等について」
令和元年の施工の基準点は13点(25点中)でした。施工は工事の数値(寸法・温度・日数など)が多く問われる科目なので、公共建築工事標準仕様書の数値と結びつけて、過去問で正誤の理由まで説明できるようにしておくと安心です。
ほかの年度・ほかの科目の過去問
この記事の問題文と図は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和元年 一級建築士試験(学科の試験)の問題から、著作権法第32条の引用として掲載しています。著作権は同センターにあります。
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