全30問の解答・解説
令和4年(2022年7月24日実施)の一級建築士試験 学科Ⅲ(建築法規)全30問を、選択肢ごとに根拠の条文を示して解説します。法令の基準日は令和4年1月1日で、2024年4月の改正(特定主要構造部・建築副主事など)や2025年4月の改正(確認の対象・省エネ基準の適合義務の見直しなど)より前の条文で出題されています。その後の改正で条文が変わった所には注記を付けました。まず法令集を引きながら自分で解き、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

令和4年 一級建築士試験(学科)の概要
問題文は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)の試験問題(PDF)から、解説に必要な範囲で引用しています(各問の枠の右下に出典)。正答は、同センターの合格基準点等(正答肢)と全問を照らし合わせています。
解説は、出題当時(令和4年1月1日時点)の法令によります。その後の改正で答えが変わる問題には「🔶 現在の法令では」、条文の番号や言い方だけが変わった問題には「ℹ️ その後の改正」の枠を付けています。
分野ごとの問題一覧と正答一覧
法規の30問は、毎年おおむね同じ順番で、分野ごとに出題されます。解きたい問題を押すと、その問題へ移動します。
=その後の改正で、今の法令では答えが変わる問題
▼ 正答一覧(No.1〜No.30)を開く ※答えが表示されます
| No. | 内容 | 問題の形 | 正答 | 改正 |
|---|---|---|---|---|
| No.1 | 延べ面積・高さ・階数(傾斜地の地階・昇降機塔・防災センター・エレベーターの昇降路・図) | 誤っているもの | 1 | ℹ️ |
| No.2 | 用語(延焼のおそれのある部分の塀・談話室・防煙壁・屋外階段の取替え) | 誤っているもの | 4 | ℹ️ |
| No.3 | 確認済証が不要な行為(防火地域内の10㎡の増築・ゴルフ練習場の鉄柱・工事現場の仮設事務所・ホテルから共同住宅への用途変更) | 確認済証の交付を受ける必要がないもの | 3 | ℹ️ |
| No.4 | 手続き(定期報告の報告者・用途変更の完了・建築設備の軽微な変更・完了検査の申請後7日の仮使用) | 誤っているもの | 2 | ℹ️ |
| No.5 | 一般構造(指定建築材料の品質・傾斜路の幅と手すり・第三種ホルムアルデヒド発散建築材料・間仕切壁の遮音) | 誤っているもの | 4 | |
| No.6 | 防火(防火構造の外壁・共同住宅の界壁・11階以上の部分の防火区画・異種用途区画) | 誤っているもの | 3 | ℹ️ |
| No.7 | 直通階段の数(ホテル・物品販売店舗・共同住宅・6階建ての事務所) | 適合しないもの | 2 | ℹ️ |
| No.8 | 仮設建築物等(非常災害時の応急仮設建築物・災害時の応急仮設の官公署の屋根・仮設店舗・一時的に使用する興行場) | 誤っているもの | 2 | ℹ️ |
| No.9 | 避難施設等(ボーリング場の非常用の照明装置・病院の排煙設備・地下街の地下道・非常用の進入口に代わる窓) | 誤っているもの | 1 | |
| No.10 | 建築設備(非常用エレベーターの設置の緩和・地下街の中央管理室・住戸の調理室の換気・全館避難安全検証法と非常用の照明装置) | 誤っているもの | 3 | ℹ️ |
| No.11 | 構造計算(31mの建築物の保有水平耐力計算・45mの建築物の偏心率・標準せん断力係数・限界耐力計算の応力度) | 誤っているもの | 4 | |
| No.12 | 構造強度(コンクリートの短期の引張り・百貨店の屋上広場の積載荷重・高さ3mの塀のコンクリート・異形鉄筋の材料強度) | 誤っているもの | 1 | |
| No.13 | 保有水平耐力計算と仕様規定(異なる構造方法の基礎・土砂災害特別警戒区域の外壁・主筋と帯筋・特定天井) | 誤っているもの | 4 | |
| No.14 | 道路等(幅員4m以上の道に接する敷地の認定・道路の上空の渡り廊下・道路内の建築物と道路高さ制限・位置指定道路の廃止) | 誤っているもの | 4 | ℹ️ |
| No.15 | 用途の制限(第一種低層住居専用地域の児童厚生施設・第二種住居地域のカラオケボックス・近隣商業地域の自動車修理工場・商業地域の圧縮天然ガスの製造工場) | 誤っているもの | 3 | |
| No.16 | 防火地域・準防火地域(防火地域の120㎡の診療所・防火地域の門と塀・準防火地域の3階建て住宅・準防火地域の1,200㎡の倉庫) | 誤っているもの | 4 | |
| No.17 | 容積率の最高限度(2つの用途地域・特定道路による前面道路の幅員の緩和・図) | 計算・図 | 3 | |
| No.18 | 建築物の高さの最高限度(前面道路が敷地より3m低い・図) | 計算・図 | 3 | |
| No.19 | 雑則(ごみ焼却場の位置・再開発等促進区と用途の制限・許可の条件・指定確認検査機関の処分の審査請求) | 誤っているもの | 2 | ℹ️ |
| No.20 | 病院(定期報告・商業地域の採光補正係数・照明カバーの取替え工事中の使用・2つの用途地域にわたる敷地) | 誤っているもの | 3 | |
| No.21 | 工事監理(工事監理の定義と指導監督・工事監理報告・一級建築士でなければできない工事監理・構造設計一級建築士の関与と工事監理) | 誤っているもの | 1 | |
| No.22 | 管理建築士(技術的事項の総括・管理建築士を置かない場合・管理建築士の処分と事務所の閉鎖・管理建築士の要件) | 誤っているもの | 4 | ℹ️ |
| No.23 | 建築士法による義務付け(免許証の提示・定期講習・設計図書への記名・閲覧のために備え置く書類) | 義務付けの対象とされていないものを含むもの | 2 | |
| No.24 | 都市計画法(都市計画施設の区域内の改築・開発行為の定義・工事完了の公告前の建築・市街化区域の専修学校) | 誤っているもの | 1 | |
| No.25 | 消防法(図書館と特定防火対象物・ラック式倉庫のスプリンクラー設備・地階の駐車場の排煙設備・ホテルの連結送水管) | 誤っているもの | 1 | |
| No.26 | バリアフリー法(仮設建築物の店舗・500㎡の事務所・公立小学校の階段・敷地内の通路) | 誤っているもの | 2 | ℹ️ |
| No.27 | 建築物省エネ法(非住宅300㎡の新築の手続・特定建築主の努力・小規模住宅の説明義務・修繕と向上計画の認定) | 誤っているもの | 1 | 🔶 |
| No.28 | 設計者の判断(地上3階建て共同住宅の居室の窓:採光・外皮性能・排煙・図) | 正しいもののみの組合せ | 2 | ℹ️ |
| No.29 | 設計者の判断(地上6階建て・鉄筋コンクリート造・3,000㎡の物品販売店舗:構造計算・避難階段と排煙・省エネ基準・バリアフリーの認定) | 不必要な内容を含むもの | 2 | ℹ️ |
| No.30 | 関係法令(品確法の瑕疵担保責任・主任技術者の専任・長期優良住宅建築等計画・低炭素建築物新築等計画と確認) | 誤っているもの | 4 | ℹ️ |
🔶=その後の改正で答えが変わる問題 ℹ️=条文の番号や言い方が変わった問題(答えは同じ) 表は横にスクロールできます
📐 総則・手続き(No.1〜No.4)
No.1延べ面積・高さ・階数(傾斜地の地階・昇降機塔・防災センター・エレベーターの昇降路・図)
図のような建築物における延べ面積、建築物の高さ又は階数の算定に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、図及び【建築物の条件】に記載されていないことについては考慮しないものとする。
【建築物の条件】
・建築面積:600㎡
・昇降機塔の屋上部分の水平投影面積:30㎡
・最下階の防災センター(中央管理室)の水平投影面積:75㎡
・エレベーターの昇降路の各階の床面積の合計:40㎡図を押すと大きく表示します 1容積率の算定の基礎となる延べ面積は、2,435㎡である。2避雷設備の設置の必要性を検討するに当たっての建築物の高さは、15mである。3地階を除く階数は、3である。4階数は、5である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.1
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令第2条第1項第四号より、延べ面積は各階の床面積の合計で、600㎡×4+75㎡+30㎡=2,505㎡。昇降機塔は階数に算入しないが(同項第八号)、その床面積は延べ面積に算入する。法第52条第6項・令第135条の16より、容積率の算定の基礎となる延べ面積には、エレベーターの昇降路の部分の床面積は算入しないので、2,505㎡−40㎡=2,465㎡。2,435㎡は、昇降機塔の30㎡まで除いた誤った数値。
令第2条第2項より、地盤面は建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さ(高低差は3mで、3mを超えない)。接する線は最下階の事務所の床面から3m上まで傾いているので、地盤面は最下階の事務所の床面から1.5mの高さ。法第33条より、高さ20mを超える建築物には避雷設備が必要で、令第2条第1項第六号ロより、昇降機塔などの屋上部分(建築面積の1/8以内)を12mまで高さに算入しない特例は、法第33条の高さを算定する場合には使えない。地盤面から 1.5m+3m×3+1.5m(パラペット)+3m(昇降機塔)=15m。
令第1条第二号より、地階は、床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの1/3以上のもの。最下階の事務所は、床面から地盤面まで1.5m(階高3mなので、天井の高さの1/3は1m以下)で地階、その下の防災センターも地階。昇降機塔は、水平投影面積30㎡が建築面積600㎡の1/8(75㎡)以下なので、令第2条第1項第八号より階数に算入しない。地階を除く階数は、地上の事務所の3。
令第2条第1項第八号より、階数に算入しないのは、昇降機塔などの屋上部分又は地階の倉庫、機械室その他これらに類する建築物の部分で、水平投影面積の合計が建築面積の1/8以下のもの。防災センター(中央管理室)は倉庫・機械室などに類する部分ではないので、水平投影面積75㎡(1/8)でも階数に算入する。階数は、地上3+地階2(最下階の事務所・防災センター)=5。
選択肢1昇降機塔は階数に算入しなくても(令第2条第1項第八号)、その床面積は延べ面積に算入する。容積率の延べ面積から除けるのはエレベーターの昇降路の部分(法第52条第6項)。
選択肢2階段室・昇降機塔などの屋上部分を高さに算入しない特例(12mまで)は、避雷設備(法第33条)の高さには使えない(令第2条第1項第六号ロ)。
2023年4月1日施行の改正で、法第52条第6項は号に分けて書かれ、エレベーターの昇降路の部分は第一号になった(令第135条の16も「法第52条第6項第一号の政令で定める昇降機」)。答えは変わらない。
法第33条、法第52条第6項、令第1条第二号、令第2条第1項第四号・第六号ロ・第八号・第2項、令第135条の16
No.2用語(延焼のおそれのある部分の塀・談話室・防煙壁・屋外階段の取替え)
次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1一戸建て住宅に附属する塀で幅員4mの道路に接して設けられるものは、「延焼のおそれのある部分」に該当する。2病院の入院患者のための談話室は、「居室」に該当する。3天井面から50cm下方に突出した垂れ壁で、不燃材料で造られたものは、「防煙壁」に該当する。4既存建築物に設けられている木造の屋外階段を全て鉄骨造に取り替えることは、「大規模の模様替」に該当する。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.2
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法第2条第一号より、建築物に附属する塀は建築物に含まれる。同条第六号より、延焼のおそれのある部分は、隣地境界線、道路中心線などから、1階にあっては3m以下の距離にある建築物の部分。幅員4mの道路に接する塀は、道路中心線から2mの位置にあるので、延焼のおそれのある部分に該当する。
法第2条第四号より、居室とは、居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室。病院の入院患者のための談話室は居室に該当する(令第19条第2項第五号も、入院患者の談話、娯楽等の目的のために使用される居室として採光の決まりを定めている)。
令第126条の2第1項より、防煙壁とは、間仕切壁、天井面から50cm以上下方に突出した垂れ壁その他これらと同等以上に煙の流動を妨げる効力のあるもので、不燃材料で造り、又は覆われたもの。
法第2条第十五号より、大規模の模様替は、主要構造部の一種以上について行う過半の模様替。同条第五号より、主要構造部は壁、柱、床、はり、屋根又は階段だが、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分は除かれる。屋外階段を全て鉄骨造に取り替えても、大規模の模様替に該当しない。
選択肢4屋外階段は主要構造部から除かれている(法第2条第五号)。主要構造部ではないので、全てを取り替えても大規模の模様替(第十五号)に当たらない。
2025年11月1日施行の改正で、令第126条の2第1項の防煙壁は「間仕切壁、天井面から50cm以上下方に突出した垂れ壁又ははりその他これらと同等以上に煙の流動を妨げる効力のあるもので、準耐火構造であるもの(その下端から床面までの垂直距離が居室の床面積に応じ国土交通大臣の定める距離以上であるものに限る。)又は不燃材料で造り、若しくは覆われたもの」になった(はりと準耐火構造のものが加わった)。不燃材料で造られた50cmの垂れ壁が防煙壁に当たることは同じで、答えは変わらない。
法第2条第一号・第四号・第五号・第六号・第十五号、令第126条の2第1項
No.3確認済証が不要な行為(防火地域内の10㎡の増築・ゴルフ練習場の鉄柱・工事現場の仮設事務所・ホテルから共同住宅への用途変更)
防火地域内における次の行為のうち、建築基準法上、確認済証の交付を受ける必要がないものはどれか。ただし、建築物の建築等に関する確認済証の交付を受ける必要がない区域の指定はないものとする。
1鉄骨造、延べ面積100㎡、平家建ての事務所における床面積10㎡の増築2ゴルフ練習場に設ける工作物で、ネットを支える高さ20mの鉄柱の築造3共同住宅の新築工事を施工するために現場に設ける延べ面積50㎡、平家建ての工事管理事務所の新築4鉄筋コンクリート造、延べ面積800㎡、地上3階建てのホテルから共同住宅への用途の変更(大規模の修繕又は大規模の模様替を伴わないもの)出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.3
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防火地域は都市計画区域内に定められるので、法第6条第1項第四号より、都市計画区域内における建築物の建築(増築を含む)には確認が必要。同条第2項で10㎡以内の増築などに確認が不要になるのは、防火地域及び準防火地域外の場合だけ。
法第88条第1項・令第138条第1項第二号より、高さが15mを超える鉄筋コンクリート造の柱、鉄柱、木柱その他これらに類するもの(旗ざおを除く)は、確認が必要な工作物。ゴルフ練習場のネットを支える高さ20mの鉄柱はこれに当たる。
法第85条第2項より、工事を施工するために現場に設ける事務所、下小屋、材料置場その他これらに類する仮設建築物には、法第6条から第7条の6までの規定(確認・検査など)は適用しない(同項ただし書より、防火地域・準防火地域内の延べ面積50㎡を超えるものには法第62条(屋根)が適用されるが、確認が必要になるわけではない)。延べ面積50㎡の工事管理事務所の新築に、確認は不要。
法第87条第1項より、用途を変更して法第6条第1項第一号の特殊建築物(共同住宅は法別表第1(い)欄(2)項)とする場合は、確認が必要。除かれるのは令第137条の18の類似の用途相互間の変更だが、同条第四号は「ホテル、旅館」、第五号は「下宿、寄宿舎」で、ホテルと共同住宅は類似の用途に当たらない。
選択肢110㎡以内の増築で確認が不要なのは、防火地域・準防火地域「外」だけ(法第6条第2項)。防火地域内は10㎡でも確認が必要。
選択肢3工事を施工するために現場に設ける事務所などの仮設建築物には、確認(法第6条から第7条の6まで)が適用されない(法第85条第2項)。
2025年4月1日施行の改正で法第6条第1項が組み替えられ、都市計画区域内などの建築物は第三号になった。防火地域・準防火地域外の10㎡以内の増築などだけ確認が不要になる第2項は同じで、答えは変わらない。
法第6条第1項・第2項、法第85条第2項、法第87条第1項、法第88条第1項、令第137条の18、令第138条第1項第二号
No.4手続き(定期報告の報告者・用途変更の完了・建築設備の軽微な変更・完了検査の申請後7日の仮使用)
次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1定期報告を要する建築物の所有者と管理者が異なる場合においては、管理者が特定行政庁にその定期報告をしなければならない。2建築主は、鉄骨造、延べ面積300㎡、地上2階建ての飲食店を物品販売業を営む店舗とする用途の変更(大規模の修繕又は大規模の模様替を伴わないもの)に係る確認済証の交付を受けた場合において、当該工事を完了したときは、建築主事の検査を申請しなければならない。3建築主は、確認済証の交付を受けた建築物について、当該建築物の建築設備の材料、位置又は能力の変更(性能が低下する材料の変更及び能力が減少する変更を除く。)をして、当該建築物を建築しようとする場合において、変更後も建築物の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなものは、あらためて、確認済証の交付を受ける必要はない。4建築主は、鉄骨造、延べ面積500㎡、地上3階建ての事務所を新築する場合において、完了検査の申請が建築主事により受理された日から7日を経過したときは、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用することができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.4
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法第12条第1項より、定期報告は、所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者)が、一級建築士などに調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告する。
法第87条第1項より、用途の変更の確認には法第7条第1項が準用され、「建築主事の検査を申請しなければならない」は「建築主事に届け出なければならない」と読み替えられる。工事が完了したときに建築主事の検査を申請する決まりはない。
法第6条第1項かっこ書より、確認を受けた建築物の計画の変更でも、国土交通省令で定める軽微な変更は確認が不要。規則第3条の2第1項第十五号より、建築設備の材料、位置又は能力の変更(性能が低下する材料の変更及び能力が減少する変更を除く)で、変更後も建築物の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなものは、軽微な変更に当たる。
鉄骨造・延べ面積500㎡・地上3階建ての事務所は、法第6条第1項第三号の建築物なので、法第7条の6第1項より、原則として検査済証の交付を受けた後でなければ使用できない。ただし、同項第三号より、完了検査の申請が受理された日から7日を経過したときは、検査済証の交付を受ける前でも、仮に使用することができる。
選択肢2用途変更の確認を受けた場合、工事が完了したときは、検査の申請ではなく建築主事に届け出る(法第87条第1項の読替え)。
2025年4月1日施行の改正で、法第6条第1項の組替えに合わせて法第7条の6第1項の対象は第一号・第二号の建築物になり、規則第3条の2第1項の建築設備の軽微な変更は第十六号になった。鉄骨造・地上3階建ての事務所は今の第二号(2以上の階数を有し、又は延べ面積が200㎡を超える建築物)に当たる。また、2024年4月1日施行の改正で建築副主事の制度ができ、法第87条第1項の読替えは「建築主事等(当該用途の変更が大規模建築物に係るものである場合にあつては、建築主事)に届け出なければならない」になった。どちらも答えは変わらない。
法第6条第1項、法第7条の6第1項第三号、法第12条第1項、法第87条第1項、規則第3条の2第1項第十五号
🔥 一般構造・防火・避難・仮設建築物・設備(No.5〜No.10)
No.5一般構造(指定建築材料の品質・傾斜路の幅と手すり・第三種ホルムアルデヒド発散建築材料・間仕切壁の遮音)
次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1建築物の構造耐力上主要な部分に木材、コンクリート等の指定建築材料を用いる場合には、その品質が、指定建築材料ごとに国土交通大臣の指定する日本産業規格若しくは日本農林規格に適合するもの、又は指定建築材料ごとに国土交通大臣が定める安全上、防火上若しくは衛生上必要な品質に関する技術的基準に適合するものであることについて国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。2直上階の居室の床面積の合計が300㎡である児童福祉施設の地上階に設ける階段に代わる傾斜路で、両側に側壁を設けるものにおいて、側壁の一方に幅15cmの手すりを設けた場合、側壁間の距離は125cm以上としなければならない。3居室の内装の仕上げに第三種ホルムアルデヒド発散建築材料を使用するときは、原則として、当該材料を使用する内装の仕上げの部分の面積に所定の数値を乗じて得た面積については、当該居室の床面積を超えないようにしなければならない。4老人福祉施設における防火上主要な間仕切壁で、小屋裏又は天井裏に達する準耐火構造としたものは、125Hz、500Hz、2,000Hzの振動数の音に対して、それぞれ透過損失25dB、40dB、50dB以上の遮音性能としなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.5
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法第37条・令第144条の3第一号より、建築物の基礎、主要構造部、構造耐力上主要な部分などに使用する指定建築材料は、その品質が、指定建築材料ごとに国土交通大臣の指定する日本産業規格若しくは日本農林規格に適合するもの、又は国土交通大臣が定める安全上、防火上若しくは衛生上必要な品質に関する技術的基準に適合するものであることについて国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。
令第26条第2項より、階段に代わる傾斜路には、令第23条(けあげ及び踏面に関する部分を除く)が準用される。児童福祉施設の直上階の居室の床面積の合計300㎡の地上階は、令第23条第1項の表の(三)(直上階の居室の床面積の合計が200㎡を超える地上階)なので、幅は120cm以上。同条第3項より、手すり等の幅は10cmを限度としてないものとみなすので、幅15cmの手すりを設けた場合は、側壁間の距離を 120cm+(15cm−10cm)=125cm以上としなければならない。
令第20条の7第1項第二号より、居室の内装の仕上げに第二種・第三種ホルムアルデヒド発散建築材料を使用するときは、それぞれの材料を使用する内装の仕上げの部分の面積に所定の数値を乗じて得た面積の合計が、当該居室の床面積を超えないようにしなければならない。
法第30条より、遮音性能の決まりがあるのは、長屋又は共同住宅の各戸の界壁。令第114条第2項より、老人福祉施設(児童福祉施設等)の防火上主要な間仕切壁は、準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならないが、遮音性能の決まりはない。
選択肢4遮音性能(法第30条)が求められるのは、長屋又は共同住宅の各戸の界壁。老人福祉施設の防火上主要な間仕切壁(令第114条第2項)に遮音の決まりはない。
選択肢2手すり等の幅は10cmを限度としてないものとみなす(令第23条第3項)。手すり15cmなら5cm分を幅に含めて考える。
法第30条、法第37条、令第20条の7第1項第二号、令第23条第1項・第3項、令第26条第2項、令第114条第2項、令第144条の3第一号
No.6防火(防火構造の外壁・共同住宅の界壁・11階以上の部分の防火区画・異種用途区画)
次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、自動式のスプリンクラー設備等は設けられていないものとする。
1非耐力壁である防火構造の外壁に必要とされる防火性能は、建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後30分間屋内面の温度が可燃物燃焼温度以上に上昇しないものでなければならない。2共同住宅(天井は強化天井でないもの)の各戸の界壁は、準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。3地上15階建ての事務所の12階部分で、執務室の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを難燃材料でし、かつ、その下地を難燃材料で造ったものは、床面積の合計200㎡以内ごとに防火区画しなければならない。41階及び2階を集会場(当該用途に供する部分の各階の客席部分の床面積の合計が1,000㎡)とし、3階以上の階を事務所とする地上10階建ての建築物においては、原則として、当該集会場部分と事務所部分とを防火区画しなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.6
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令第108条第二号より、防火構造の外壁及び軒裏は、建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後30分間当該加熱面以外の面(屋内に面するもの)の温度が可燃物燃焼温度以上に上昇しないものでなければならない(耐力壁である外壁は、あわせて同条第一号の非損傷性も必要)。
令第114条第1項より、長屋又は共同住宅の各戸の界壁(自動スプリンクラー設備等設置部分などの界壁を除く)は、準耐火構造とし、令第112条第4項各号のいずれか(天井が強化天井である階など)に該当する部分を除き、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。天井は強化天井でないので、小屋裏又は天井裏に達せしめる。
令第112条第7項より、建築物の11階以上の部分で各階の床面積の合計が100㎡を超えるものは、原則として床面積の合計100㎡以内ごとに区画しなければならない。同条第8項より、壁(床面からの高さ1.2m以下の部分を除く)及び天井の仕上げを準不燃材料でし、かつ、その下地を準不燃材料で造ったものは200㎡以内ごと(同条第9項より、不燃材料なら500㎡以内ごと)に緩和されるが、難燃材料では緩和されない。
集会場(法別表第1(い)欄(1)項)で客席の床面積の合計が200㎡以上の部分は、法第27条第1項(同表(は)欄)に該当する。令第112条第18項より、建築物の一部が法第27条第1項各号などに該当する場合は、その部分とその他の部分とを1時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で区画しなければならない(異種用途区画)。警報設備を設けることなどによる緩和(同項ただし書)は集会場には適用されないので、原則として区画する。
選択肢311階以上の部分の区画(高層区画)を200㎡以内に緩和できるのは、壁・天井の仕上げと下地を準不燃材料としたもの(令第112条第8項)。難燃材料では100㎡以内(同条第7項)。
選択肢3について、2025年11月1日施行の改正で、令第112条第8項・第9項は「国土交通大臣が定める基準に従い、…仕上げを準不燃材料(第9項は不燃材料)でし、かつ、その下地を準不燃材料(第9項は不燃材料)で造ることその他これに準ずる措置が講じられたもの」の書き方になった。難燃材料の仕上げ・下地では200㎡・500㎡ごとの区画に緩和されないことは同じで、答えは変わらない。
法第27条第1項、令第108条第二号、令第112条第7項・第8項・第9項・第18項、令第114条第1項
No.7直通階段の数(ホテル・物品販売店舗・共同住宅・6階建ての事務所)
次の建築物のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。ただし、いずれの建築物も各階を当該用途に供するものとし、避難階は1階とする。
1主要構造部を耐火構造とした地上5階建てのホテルで、各階に宿泊室(1室当たりの床面積25㎡)が8室あるもの(2階以上の階には宿泊室以外の居室はないものとする。)に直通階段を1か所設けた。2主要構造部を耐火構造とした延べ面積1,200㎡、地上2階建ての物品販売業を営む店舗で、2階における売場の床面積の合計が450㎡のものに直通階段を1か所設けた。3主要構造部を耐火構造とした地上5階建ての共同住宅(住戸の居室以外の居室はないものとする。)で、各階に住戸(各住戸の居室の床面積の合計50㎡)が4戸あるものに直通階段を1か所設けた。4主要構造部を耐火構造とした地上6階建ての事務所で、各階の居室の床面積の合計が200㎡で、かつ、各階に避難上有効なバルコニーを設けたものに、避難階段の構造に適合する屋外の直通階段を1か所設けた。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.7
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令第121条第1項第五号より、ホテルの用途に供する階で宿泊室の床面積の合計が100㎡(同条第2項より、主要構造部が準耐火構造であるか不燃材料で造られている建築物は200㎡。主要構造部を耐火構造とした建築物もこれに当たる)を超えるものは2以上の直通階段が必要。各階の宿泊室は25㎡×8室=200㎡で「超える」に当たらず、同項第六号ロ(5階以下の階)にも当たらないので、直通階段は1か所でよい。
令第121条第1項第二号の物品販売業を営む店舗は床面積の合計が1,500㎡を超えるものなので、延べ面積1,200㎡の店舗は当たらない。しかし、同項第六号ロより、5階以下の階で、その階の居室の床面積の合計が避難階の直上階にあっては200㎡(同条第2項より、主要構造部が準耐火構造であるか不燃材料で造られている建築物は400㎡)を超えるものは2以上の直通階段が必要。避難階の直上階である2階の売場は450㎡で400㎡を超えるので、直通階段は1か所では足りない。
令第121条第1項第五号より、共同住宅の用途に供する階で居室の床面積の合計が100㎡(同条第2項より、主要構造部が準耐火構造であるか不燃材料で造られている建築物は200㎡)を超えるものは2以上の直通階段が必要。各階の居室は50㎡×4戸=200㎡で「超える」に当たらないので、直通階段は1か所でよい。
令第121条第1項第六号イより、6階以上の階で居室を有するものは2以上の直通階段が必要だが、居室の床面積の合計が100㎡(同条第2項より、主要構造部が準耐火構造であるか不燃材料で造られている建築物は200㎡)を超えず、かつ、避難上有効なバルコニーなどと、令第123条第2項(屋外の避難階段)又は第3項に適合する直通階段が設けられている階は除かれる。各階200㎡で、バルコニーと屋外の避難階段の構造の直通階段を設けているので、1か所でよい。
選択肢2物品販売店舗(1,500㎡以下)でも、避難階の直上階で居室の床面積の合計が200㎡(主要構造部が準耐火構造(耐火構造を含む)か不燃材料なら400㎡)を超えれば2以上の直通階段が必要(令第121条第1項第六号ロ・第2項)。売場450㎡は400㎡を超える。
選択肢1〜4について、2024年4月1日施行の改正で、令第121条第2項の「主要構造部が準耐火構造であるか、又は不燃材料で造られている建築物」は「主要構造部が準耐火構造である建築物(特定主要構造部が耐火構造である建築物を含む。)又は主要構造部が不燃材料で造られている建築物」の書き方になった(かっこ書は令第120条第2項による)。床面積を2倍に読み替えることは同じで、答えは変わらない。
令第121条第1項第二号・第五号・第六号・第2項、令第123条第2項
No.8仮設建築物等(非常災害時の応急仮設建築物・災害時の応急仮設の官公署の屋根・仮設店舗・一時的に使用する興行場)
仮設建築物等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1非常災害があった場合において、準防火地域である非常災害区域等に地方公共団体が災害救助のために建築する、延べ面積1,000㎡、地上3階建ての応急仮設建築物の病院で、災害が発生した日から1月以内にその工事に着手するものについては、建築基準法令の規定は適用されない。2災害があった場合において、準防火地域内に国が建築する、延べ面積500㎡、地上2階建ての応急仮設建築物である官公署については、市街地における火災を想定した火の粉による建築物の火災の発生を防止するために屋根に必要とされる性能に関する規定は適用されない。3防火地域内に建築する仮設店舗で、安全上、防火上及び衛生上支障がないものとして特定行政庁の許可を受けたものについては、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分への防火戸等の防火設備の設置に関する規定は適用されない。4建築物の用途を変更して一時的に興行場として使用する場合において、安全上、防火上及び衛生上支障がないものとして特定行政庁の許可を受けたものについては、内装の制限に関する規定は適用されない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.8
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法第85条第1項より、非常災害区域等内において、国、地方公共団体又は日本赤十字社が災害救助のために建築する応急仮設建築物の建築で、その災害が発生した日から1月以内にその工事に着手するものには、建築基準法令の規定は適用しない。除かれるのは防火地域内に建築する場合だけなので、準防火地域内の病院には適用されない(規模の制限もない)。
法第85条第2項より、災害があった場合において建築する官公署などの応急仮設建築物には第三章の規定などは適用しないが、同項ただし書より、防火地域又は準防火地域内にある延べ面積が50㎡を超えるものには、法第62条(屋根)の規定が適用される。準防火地域内の延べ面積500㎡の官公署には、屋根の規定が適用される。
当時の法第85条第5項より、特定行政庁が許可した仮設店舗などの仮設建築物には、法第12条第1項から第4項まで、第21条から第27条まで、第31条、第34条第2項、第35条の2、第35条の3、第37条の規定並びに第三章の規定は適用しない。外壁の開口部で延焼のおそれのある部分の防火設備の規定(法第61条)は第三章の規定なので、適用されない。
当時の法第87条の3第5項より、建築物の用途を変更して興行場等として一時的に使用する許可を受けた場合は、法第12条第1項から第4項まで、第21条、第22条、第24条、第26条、第27条、第34条第2項、第35条の2(内装の制限)、第35条の3、第三章及び第87条第2項の規定は適用しない。
選択肢2災害時の応急仮設建築物でも、防火地域・準防火地域内で延べ面積50㎡を超えるものには屋根の規定(法第62条)が適用される(法第85条第2項ただし書)。
2022年5月31日施行の改正で、仮設興行場等の許可は法第85条第6項、用途を変更して興行場等とする許可は法第87条の3第6項に、項の番号が繰り下がった(内容は同じ)。答えは変わらない。
法第61条、法第62条、法第85条第1項・第2項・第5項、法第87条の3第5項
No.9避難施設等(ボーリング場の非常用の照明装置・病院の排煙設備・地下街の地下道・非常用の進入口に代わる窓)
避難施設等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1延べ面積2,000㎡、地上2階建てのボーリング場の2階の居室から地上に通ずる屋内の廊下及び階段の部分には、非常用の照明装置を設けなければならない。2延べ面積2,000㎡の病院において、床面積100㎡以内ごとに防火区画した部分については、排煙設備を設けなくてもよい。3地下街の各構えが接する地下道の幅員は、5m以上でなければならない。4建築物の高さ31m以下の部分にある3階以上の各階において、道に面する外壁面に直径1m以上の円が内接できる窓で、格子その他の屋外からの進入を妨げる構造を有しないものを、当該壁面の長さ10m以内ごとに設けている場合には、非常用の進入口を設けなくてもよい。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.9
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令第126条の4より、延べ面積が1,000㎡を超える建築物の居室及び地上に通ずる廊下、階段などには非常用の照明装置を設けなければならないが、同条ただし書第三号より、学校等には設けなくてよい。令第126条の2第1項第二号より、学校等にはボーリング場が含まれる。
令第126条の2第1項第一号より、法別表第1(い)欄(2)項の用途(病院)に供する特殊建築物のうち、準耐火構造の床若しくは壁又は防火設備で区画された部分で、その床面積が100㎡以内のものには、排煙設備を設けなくてよい。
令第128条の3第1項第二号より、地下街の各構えが接する地下道は、幅員5m以上、天井までの高さ3m以上で、かつ、段及び1/8を超える勾配の傾斜路を有しないものとしなければならない。
令第126条の6第二号より、道又は道に通ずる幅員4m以上の通路その他の空地に面する各階の外壁面に、直径1m以上の円が内接できる窓(又は幅75cm以上・高さ1.2m以上のもの)で、格子その他の屋外からの進入を妨げる構造を有しないものを、当該壁面の長さ10m以内ごとに設けている場合は、非常用の進入口を設けなくてよい。
選択肢1非常用の照明装置は、学校等(学校、体育館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場、スポーツの練習場)には不要(令第126条の4第三号)。
令第126条の2第1項第一号・第二号、令第126条の4第三号、令第126条の6第二号、令第128条の3第1項第二号
選択肢3は「避難施設」の分野です。
No.10建築設備(非常用エレベーターの設置の緩和・地下街の中央管理室・住戸の調理室の換気・全館避難安全検証法と非常用の照明装置)
建築設備に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1高さ31mを超える部分の階数が4以下の主要構造部を耐火構造とした建築物で、当該部分が床面積の合計100㎡以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は所定の特定防火設備で区画されているものには、非常用エレベーターを設置しなくてもよい。2各構えの床面積の合計が1,500㎡の地下街における排煙設備の制御及び作動状態の監視は、中央管理室において行うことができるものとしなければならない。3床面積の合計が50㎡の住戸において、発熱量の合計(密閉式燃焼器具等又は煙突を設けた設備若しくは器具に係るものを除く。)が8kWの火を使用する器具を設けた床面積7㎡の調理室には、0.7㎡の有効開口面積を有する窓その他の開口部を換気上有効に設けた場合、所定の技術的基準に従った換気設備は設けなくてもよい。4鉄骨造、延べ面積1,500㎡、地上3階建ての物品販売業を営む店舗の売場においては、全館避難安全検証法により、全館避難安全性能を有することが確かめられた場合であっても、非常用の照明装置を設けなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.10
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令第129条の13の2第三号より、高さ31mを超える部分の階数が4以下の主要構造部を耐火構造とした建築物で、当該部分が床面積の合計100㎡以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は所定の特定防火設備で区画されているものには、非常用エレベーターを設けなくてよい。
令第126条の3第1項第十一号より、高さ31mを超える建築物(法第34条第2項)又は各構えの床面積の合計が1,000㎡を超える地下街における排煙設備の制御及び作動状態の監視は、中央管理室において行うことができるものとしなければならない。
法第28条第3項より、火を使用する設備又は器具を設けた室には換気設備を設けなければならないが、令第20条の3第1項第二号より、床面積の合計が100㎡以内の住宅又は住戸の調理室(発熱量の合計が12kW以下の火を使用する設備又は器具を設けたもの)で、当該調理室の床面積の1/10(0.8㎡未満のときは0.8㎡)以上の有効開口面積を有する窓その他の開口部を換気上有効に設けたものは除かれる。7㎡の調理室では0.8㎡以上が必要で、0.7㎡では足りないので、換気設備を設けなければならない。
令第129条の2第1項より、全館避難安全性能を有することが確かめられた建築物に適用しない規定は、令第112条第7項など、第119条、第120条、第123条の一部、第124条第1項、第125条第1項・第3項、第126条の2、第126条の3、第128条の5の一部などで、非常用の照明装置(令第126条の4)は含まれない。物品販売業を営む店舗(法別表第1(い)欄(4)項)の売場には、非常用の照明装置を設けなければならない。
選択肢3住宅の調理室で換気設備が不要になる開口部は、床面積の1/10以上で、かつ、0.8㎡以上(令第20条の3第1項第二号)。7㎡の調理室でも0.8㎡が必要。
2024年4月1日施行の改正で「特定主要構造部」という言葉ができ、令第129条の13の2第三号は「特定主要構造部を耐火構造とした建築物」、令第129条の2第1項は「主要構造部が準耐火構造であるもの(特定主要構造部が耐火構造であるものを含む。)」などの書き方に変わった。全館避難安全検証法で非常用の照明装置(令第126条の4)の規定が除かれないことなど、答えは変わらない。
法第28条第3項、令第20条の3第1項第二号、令第126条の3第1項第十一号、令第126条の4、令第129条の2第1項、令第129条の13の2第三号
選択肢4は「排煙・非常用の照明・進入口・検証法」の分野です。
🧱 構造強度(No.11〜No.13)
No.11構造計算(31mの建築物の保有水平耐力計算・45mの建築物の偏心率・標準せん断力係数・限界耐力計算の応力度)
建築物の構造計算に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1鉄筋コンクリート造、高さ31m、地上10階建ての建築物について、保有水平耐力計算によって安全性を確かめた場合には、許容応力度等計算又はこれと同等以上に安全性を確かめることができるものとして国土交通大臣が定める基準に従った構造計算を行わなくてもよい。2鉄骨鉄筋コンクリート造、高さ45mの建築物の地上部分について、保有水平耐力計算によって安全性を確かめた場合には、各階の偏心率が、それぞれ15/100を超えないことを確かめる必要はない。3建築物の地上部分に作用する地震力について、許容応力度等計算を行う場合における標準せん断力係数は0.2以上又は0.3以上とし、必要保有水平耐力を計算する場合における標準せん断力係数は1.0以上としなければならない。4限界耐力計算を行う場合、構造耐力上主要な部分の断面に生ずる長期(常時及び積雪時)及び短期(積雪時、暴風時及び地震時)の各応力度が、それぞれ長期に生ずる力又は短期に生ずる力に対する各許容応力度を超えないことを確かめなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.11
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令第81条第2項第二号より、高さが31m以下の建築物は、許容応力度等計算又は前号に定める構造計算(保有水平耐力計算・限界耐力計算など)によればよい。高さ31mの建築物を保有水平耐力計算によって確かめた場合は、許容応力度等計算を行わなくてよい。
各階の偏心率が15/100を超えないことを確かめるのは、許容応力度等計算(令第82条の6第二号ロ)の決まり。保有水平耐力計算(令第82条から第82条の4まで)では確かめなくてよい(偏心率による影響は必要保有水平耐力の計算で考慮する)。
令第88条第2項より、標準せん断力係数は0.2以上(地盤が著しく軟弱な区域として特定行政庁が指定する区域内の木造の建築物などは0.3以上)。同条第3項より、必要保有水平耐力を計算する場合は1.0以上としなければならない。
令第82条の5第一号より、限界耐力計算では、地震時を除き、令第82条第一号から第三号まで(地震に係る部分を除く)に定めるところにより、長期(常時及び積雪時)及び短期(積雪時及び暴風時)の各応力度が許容応力度を超えないことを確かめる。地震時は、同条第三号(損傷限界耐力)・第五号(保有水平耐力)などで確かめるので、「短期(積雪時、暴風時及び地震時)」は誤り。
選択肢4限界耐力計算で長期・短期の許容応力度の検討をするのは「地震時を除き」(令第82条の5第一号)。地震時は、損傷限界耐力・保有水平耐力などで別に確かめる。
令第81条第2項、令第82条の5第一号、令第82条の6第二号ロ、令第88条第2項・第3項
選択肢3は「荷重・外力・許容応力度」の分野です。
No.12構造強度(コンクリートの短期の引張り・百貨店の屋上広場の積載荷重・高さ3mの塀のコンクリート・異形鉄筋の材料強度)
構造強度に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1設計基準強度が21N/mm²のコンクリートの場合、短期に生ずる力に対する引張りの許容応力度は、長期に生ずる力に対する圧縮の許容応力度の1/3の値である。2建築物の実況によらないで、柱の垂直荷重による圧縮力を計算する場合、百貨店の屋上広場で、柱のささえる床の数が4のときは、床の積載荷重として採用する数値を2,040N/㎡とすることができる。3高さ3mの鉄筋コンクリート造の塀に使用するコンクリート(軽量骨材は使用しないものとする。)の四週圧縮強度は、12N/mm²以上とする必要はない。4異形鉄筋をせん断補強以外に用いる場合の引張りに対する材料強度は、異形鉄筋の圧縮に対する材料強度と同じ値である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.12
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令第91条の表より、コンクリートの長期に生ずる力に対する許容応力度は、圧縮がF/3、引張りがF/30で、短期は長期の2倍。短期の引張りは F/30×2=F/15 で、長期の圧縮 F/3 の1/5にあたる。1/3の値ではない。
令第85条第1項の表の(八)より、屋上広場の積載荷重は(一)の数値によるが、百貨店の用途に供する建築物は(四)(百貨店又は店舗の売場)の数値による。柱の計算用は(ろ)欄の2,400N/㎡。同条第2項より、ささえる床の数が4のときは0.85を乗じて減らせるので、2,400×0.85=2,040N/㎡とすることができる。
令第71条第2項より、高さが3m以下のへいには、鉄筋コンクリート造の規定(第3章第6節)のうち第72条、第75条及び第79条の規定に限り適用する。コンクリートの四週圧縮強度を12N/mm²以上とする規定(令第74条第1項第一号)は適用されない。
令第96条の表より、異形鉄筋の材料強度は、圧縮がF、引張り(せん断補強以外に用いる場合)がFで、同じ値(せん断補強に用いる場合の引張りは、Fが390を超えるときは390)。
選択肢1コンクリートの短期の引張りは長期(F/30)の2倍でF/15。長期の圧縮(F/3)の1/5で、1/3ではない(令第91条)。
選択肢3高さ3m以下の塀には、鉄筋コンクリート造の規定のうち令第72条・第75条・第79条だけが適用される(令第71条第2項)。コンクリートの強度(令第74条)は適用されない。
令第71条第2項、令第74条第1項第一号、令第85条第1項・第2項、令第91条、令第96条
選択肢3は「構造の仕様規定」の分野です。
No.13保有水平耐力計算と仕様規定(異なる構造方法の基礎・土砂災害特別警戒区域の外壁・主筋と帯筋・特定天井)
保有水平耐力計算によって安全性が確かめられた建築物に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、高さが4mを超える建築物とする。
1鉄骨造の建築物において、建築物の基礎は、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって構造耐力上安全であることを確かめた場合には、異なる構造方法による基礎を併用してもよい。2鉄筋コンクリート造の建築物において、土砂災害特別警戒区域内における居室を有する建築物の外壁等の構造は、原則として、自然現象の種類、最大の力の大きさ等及び土石等の高さ等に応じて、当該自然現象により想定される衝撃が作用した場合においても破壊を生じさせないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない。3鉄筋コンクリート造の建築物において、構造耐力上主要な部分である柱の主筋は帯筋と緊結する必要はない。4鉄骨造の建築物において、特定天井の構造は、構造耐力上安全なものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとする必要はない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.13
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令第38条第2項より、建築物には異なる構造方法による基礎を併用してはならないが、同条第4項より、建築物の基礎について国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合は、適用しない。
令第80条の3より、土砂災害特別警戒区域内における居室を有する建築物の外壁及び構造耐力上主要な部分は、原則として、自然現象の種類、最大の力の大きさ等及び土石等の高さ等に応じて、当該自然現象により想定される衝撃が作用した場合においても破壊を生じないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない。令第36条第2項第一号で除かれていないので、保有水平耐力計算の場合も適用される。
令第36条第2項第一号より、保有水平耐力計算によって安全性を確かめる場合は、令第77条第二号から第六号までの規定を適用しなくてよい。柱の主筋は帯筋と緊結すること(同条第二号)は、これに含まれる。
令第39条第3項より、特定天井の構造は、構造耐力上安全なものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。令第36条第2項第一号で保有水平耐力計算の場合に適用しなくてよいとされる規定に令第39条第3項は含まれないので、適用される。
選択肢4保有水平耐力計算で適用しなくてよい仕様規定は、令第36条第2項第一号に書かれたもの(令第73条、令第77条第二号から第六号までなど)だけ。特定天井(令第39条第3項)は適用される。
令第36条第2項第一号、令第38条第2項・第4項、令第39条第3項、令第77条第二号、令第80条の3
🗺️ 道路・用途・防火地域・容積率・高さ(No.14〜No.18)
No.14道路等(幅員4m以上の道に接する敷地の認定・道路の上空の渡り廊下・道路内の建築物と道路高さ制限・位置指定道路の廃止)
都市計画区域及び準都市計画区域内の道路等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1その敷地が、河川管理者が管理する幅員6mの公共の用に供する道で建築基準法上の道路に該当しないもののみに2m以上接する、延べ面積100㎡の一戸建て住宅は、特定行政庁の認定を受けることにより建築することができる。2特定行政庁の許可を受けて道路の上空に渡り廊下を設ける場合においては、その側面には、床面からの高さが1.5m以上の壁を設け、その壁の床面からの高さが1.5m以下の部分に開口部を設けるときは、これにはめごろし戸を設けなければならない。3道路内にある建築物については、高架の道路の路面下に設けるものを除き、道路高さ制限は適用されない。4特定行政庁から位置の指定を受けた幅員6mの私道を廃止する場合は、特定行政庁の許可が必要である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.14
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法第43条第2項第一号より、敷地が幅員4m以上の道(道路に該当するものを除き、国土交通省令で定める基準に適合するもの)に2m以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとして国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものは、接道の規定が適用されない。規則第10条の3第1項第一号より、道の基準には農道その他これに類する公共の用に供する道が、同条第3項より、建築物の基準には延べ面積200㎡以内の一戸建ての住宅が当たる。
令第145条第3項第三号より、特定行政庁の許可を受けて道路の上空に設けられる渡り廊下その他の通行又は運搬の用途に供する建築物は、その側面に、床面からの高さが1.5m以上の壁を設け、その壁の床面からの高さが1.5m以下の部分に開口部を設けるときは、これにはめごろし戸を設けなければならない。
法第57条第2項より、道路内にある建築物(高架の道路の路面下に設けるものを除く)には、法第56条第1項第一号(道路高さ制限)及び第2項から第4項までの規定は適用しない。
法第45条第1項より、私道の変更又は廃止によって、その道路に接する敷地が接道の規定(法第43条第1項など)に抵触することとなる場合は、特定行政庁は、その私道の変更又は廃止を禁止し、又は制限することができる。私道(位置指定道路)を廃止する場合に、特定行政庁の許可を受ける決まりはない。
選択肢4私道の変更・廃止は、接道の規定に抵触することになる場合に、特定行政庁が「禁止し、又は制限することができる」(法第45条)。許可の制度ではない。
選択肢1について、2023年12月13日施行の改正で、規則第10条の3第3項の建築物の基準は「延べ面積200㎡以内の一戸建ての住宅」から、道の区分に応じた用途(農道などの道に接する場合は法別表第1(い)欄(1)項の用途以外の用途)で延べ面積500㎡以内のものに広がった。延べ面積100㎡の一戸建て住宅が認定を受けて建築できることは同じで、答えは変わらない。
法第43条第2項第一号、法第45条第1項、法第57条第2項、令第145条第3項第三号、規則第10条の3第1項第一号・第3項
No.15用途の制限(第一種低層住居専用地域の児童厚生施設・第二種住居地域のカラオケボックス・近隣商業地域の自動車修理工場・商業地域の圧縮天然ガスの製造工場)
建築物の用途の制限に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、用途地域以外の地域、地区等の指定はなく、また、特定行政庁の許可等は考慮しないものとする。
1第一種低層住居専用地域において、「延べ面積500㎡、平家建ての児童厚生施設」は、新築することができる。2第二種住居地域内において、「延べ面積6,000㎡、地上3階建てのカラオケボックス(各階を当該用途に供するもの)」は、新築することができる。3近隣商業地域内において、「延べ面積500㎡(作業場の床面積の合計が400㎡)、平家建ての、原動機を使用する自動車修理工場」は、新築することができる。4商業地域内において、「延べ面積2,000㎡、平家建ての圧縮天然ガスの製造工場(内燃機関の燃料として自動車に充填するための圧縮天然ガスに係るもの)」は、新築することができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.15
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法別表第2(い)項第九号・令第130条の4第二号より、老人福祉センター、児童厚生施設その他これらに類するもので延べ面積が600㎡以内のものは、第一種低層住居専用地域内に建築できる。延べ面積500㎡は600㎡以内。
カラオケボックスは、第一種住居地域内では建築できない(法別表第2(ほ)項第三号)が、第二種住居地域内で建築できない建築物(同表(へ)項)には含まれていない。同項第六号の店舗、飲食店、展示場、遊技場などの床面積の合計が1万㎡を超えるものの制限にも、延べ面積6,000㎡は当たらないので、新築できる。
法別表第2(り)項第一号より、近隣商業地域内では(ぬ)項に掲げる建築物を建築できない。同表(ぬ)項第二号より、原動機を使用する工場で作業場の床面積の合計が150㎡を超えるものは建築できず、除かれるのは日刊新聞の印刷所及び作業場の床面積の合計が300㎡を超えない自動車修理工場。作業場の床面積の合計が400㎡の自動車修理工場は、新築できない。
法別表第2(ぬ)項第一号より、商業地域内では(る)項第一号に掲げる事業を営む工場などは建築できない。同表(る)項第一号(十二)の圧縮ガスの製造は、特殊の方法による事業として政令で定めるものが除かれ、令第130条の9の7第二号イより、内燃機関の燃料として自動車に充塡するための圧縮天然ガスに係るものはこれに当たる。このため、商業地域内で新築できる。
選択肢3近隣商業地域・商業地域では、原動機を使用する工場で作業場の床面積の合計が150㎡を超えるものは建築できない。除かれる自動車修理工場は作業場300㎡以下のもの(法別表第2(ぬ)項第二号)。
法第48条、法別表第2(い)項第九号・(へ)項・(り)項第一号・(ぬ)項第一号・第二号・(る)項第一号(十二)、令第130条の4第二号、令第130条の9の7第二号イ
No.16防火地域・準防火地域(防火地域の120㎡の診療所・防火地域の門と塀・準防火地域の3階建て住宅・準防火地域の1,200㎡の倉庫)
防火地域及び準防火地域内の建築物の新築に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1防火地域内においては、延べ面積120㎡、平家建ての診療所の用途に供する建築物は、耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。2防火地域内にある建築物に附属する門又は塀で、高さ2mを超えるものは、延焼防止上支障のない構造としなければならない。3準防火地域内においては、延べ面積180㎡、地上3階建ての一戸建て住宅の用途に供する建築物は、耐火建築物若しくは準耐火建築物又はこれらと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。4準防火地域内においては、延べ面積1,200㎡、地上2階建ての倉庫の用途に供する建築物は、耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.16
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法第61条・令第136条の2第一号より、防火地域内にある建築物で階数が3以上のもの又は延べ面積が100㎡を超えるものは、耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。延べ面積120㎡の診療所はこれに当たる。
法第61条・令第136条の2第五号より、高さ2mを超える門又は塀で、防火地域内にある建築物に附属するもの(又は準防火地域内にある木造建築物等に附属するもの)は、延焼防止上支障のない構造としなければならない。
法第61条・令第136条の2第二号より、準防火地域内にある建築物のうち地階を除く階数が3で延べ面積が1,500㎡以下のものは、準耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止時間となる建築物(耐火建築物などを含む)としなければならない。
法第61条・令第136条の2より、準防火地域内で耐火建築物等としなければならないのは、地階を除く階数が4以上又は延べ面積が1,500㎡を超える建築物(第一号)。地階を除く階数が2以下で延べ面積が500㎡を超え1,500㎡以下の建築物は、第二号の準耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止時間となる建築物とすればよい。延べ面積1,200㎡・地上2階建ての倉庫は、耐火建築物等としなくてよい。
選択肢4準防火地域内で耐火建築物等が必要なのは、地階を除く階数4以上又は延べ面積1,500㎡超(令第136条の2第一号)。地上2階建て・1,200㎡は準耐火建築物等でよい(第二号)。
法第61条、令第136条の2第一号・第二号・第五号
No.17容積率の最高限度(2つの用途地域・特定道路による前面道路の幅員の緩和・図)
図のような敷地において、建築基準法上、新築することができる建築物の容積率(同法第52条に規定する容積率)の最高限度は、次のうちどれか。ただし、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定、許可等は考慮しないものとする。
図を押すと大きく表示します 130/10240/10345/10453/10出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.17
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【特定道路による緩和】南側の道路(幅員6m)は、敷地から35mの所で幅員15mの道路(特定道路)に接続している。法第52条第9項・令第135条の18より、前面道路の幅員に加える数値は Wa=(12−Wr)×(70−L)/70=(12−6)×(70−35)/70=3.0m。南側の道路の幅員は 6m+3.0m=9.0m とみなす。
【前面道路の幅員】法第52条第2項より、前面道路が2以上あるときは幅員の最大のものによる。西側8mより大きい9.0m。
【各地域の容積率】
・準住居地域:9.0m×4/10=36/10(同項第二号)。都市計画の40/10より小さいので36/10
・商業地域:9.0m×6/10=54/10(同項第三号)。都市計画の80/10より小さいので54/10
【敷地全体】法第52条第7項より、各地域の容積率の限度に、その地域の部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて合計する。2つの部分は同じ面積(10m×25m)なので、36/10×1/2+54/10×1/2=45/10
※特定道路による緩和を考えないと、前面道路は8mで 32/10×1/2+48/10×1/2=40/10(選択肢2)になる。
解き方幅員15m以上の道路(特定道路)に接続する幅員6m以上12m未満の前面道路で、特定道路からの延長70m以内の部分に接する敷地は、前面道路の幅員に Wa=(12−Wr)×(70−L)/70 を加えて容積率を計算する(法第52条第9項・令第135条の18)。
法第52条第1項・第2項・第7項・第9項、令第135条の18
No.18建築物の高さの最高限度(前面道路が敷地より3m低い・図)
図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、隣地との高低差はなく、門、塀等はないものとする。また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁による指定、許可等並びに日影による中高層の建築物の高さの制限及び天空率に関する規定は考慮しないものとする。なお、建築物は全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。
図を押すと大きく表示します 121.25m223.25m324.25m426.25m出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.18
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A点は、東側の道路境界線から 4m+3m=7m、南側の隣地境界線から 2m+1m=3m、北側の隣地境界線から 16m−3m=13m、西側の隣地境界線から 20m−7m=13m の位置にある。
【道路高さ制限】前面道路の幅員による容積率の限度は 10m×4/10=40/10で、都市計画の30/10が限度。法別表第3(一)の項より、適用距離は25m、勾配は1.25。建築物の後退距離は4m(法第56条第2項)なので、A点から道路の反対側の境界線を4m外側にずらした線までは 7m+10m+4m=21m(25m以内)→ 21m×1.25=26.25m。この高さは、前面道路の路面の中心からの高さ(令第2条第1項第六号イ)。道路は敷地より3m低いが、令第135条の2第1項より、前面道路は(3m−1m)÷2=1m 高い位置にあるとみなすので、前面道路の位置は地盤面より2m低い。地盤面からは 26.25m−2m=24.25m。
【隣地高さ制限】法第56条第1項第二号イより、20m+1.25×(隣地境界線までの水平距離+後退距離)。
・南側:20m+1.25×(3m+2m)=26.25m
・西側:20m+1.25×(13m+3m)=40.00m
・北側:20m+1.25×(13m+4m)=41.25m
【北側高さ制限】法第56条第1項第三号より、10m+1.25×13m=26.25m
【最高限度】最も小さい24.25m。
※道路の高低差の緩和を考えないと 26.25m−3m=23.25m(選択肢2)、高低差を考えないと26.25m(選択肢4)になる。
解き方敷地の地盤面が前面道路より1m以上高いときは、前面道路は(高低差−1m)÷2だけ高い位置にあるとみなす(令第135条の2第1項)。道路高さ制限の高さは前面道路の路面の中心から測るので、地盤面からの高さに直すときは注意。
法第52条第2項第二号、法第56条第1項第一号・第二号・第三号・第2項、法別表第3、令第2条第1項第六号イ、令第135条の2第1項
📋 雑則・総合(病院)(No.19〜No.20)
No.19雑則(ごみ焼却場の位置・再開発等促進区と用途の制限・許可の条件・指定確認検査機関の処分の審査請求)
次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1都市計画区域内においては、ごみ焼却場は、都市計画においてその敷地の位置が決定していない場合であっても、特定行政庁が都市計画審議会の議を経てその敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可した場合は、新築することができる。2地区計画の区域のうち再開発等促進区内において、当該地区計画において定められた土地利用に関する基本方針に適合した建築物については、用途地域内の建築物の制限に適合しない場合であっても、特定行政庁の許可を受けることなく新築することができる。3建築基準法の規定による許可には、建築物又は建築物の敷地を交通上、安全上、防火上又は衛生上支障がないものとするための条件等を付することができる。4建築基準法令の規定による指定確認検査機関の処分に不服がある者は、当該処分に係る建築物について建築確認をする権限を有する建築主事が置かれた市町村又は都道府県の建築審査会に対して審査請求をすることができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.19
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法第51条より、都市計画区域内においては、卸売市場、火葬場、と畜場、汚物処理場、ごみ焼却場などの用途に供する建築物は、都市計画においてその敷地の位置が決定しているものでなければ新築又は増築してはならないが、ただし書より、特定行政庁が都道府県都市計画審議会(市町村都市計画審議会が置かれている市町村の場合は当該審議会)の議を経てその敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可した場合は、この限りでない。
法第68条の3第6項より、再開発等促進区内の建築物に対する法第48条(用途地域)の適用については、同条のただし書の許可の理由に「地区計画において定められた土地利用に関する基本方針に適合し、かつ、当該地区計画の区域における業務の利便の増進上やむを得ない」場合が加わる。用途の制限に適合しない建築物を新築するには、特定行政庁の許可が必要。
法第92条の2より、建築基準法の規定による許可には、建築物又は建築物の敷地を交通上、安全上、防火上又は衛生上支障がないものとするための条件その他必要な条件を付することができる(許可を受けた者に不当な義務を課するものであってはならない)。
法第94条第1項より、指定確認検査機関の処分又はその不作為についての審査請求は、当該処分又は不作為に係る建築物又は工作物について確認をする権限を有する建築主事が置かれた市町村又は都道府県の建築審査会に対してすることができる。
選択肢2再開発等促進区で用途の制限に適合しない建築物を建てるには、法第48条のただし書の許可が必要。法第68条の3第6項は、その許可の理由を広げる読替えで、許可を不要にするものではない。
2024年4月1日施行の改正で法第94条第1項の「建築主事」は「建築主事等」になり、2024年11月1日施行の改正で、指定確認検査機関の処分についての審査請求先は「当該処分又は不作為に係る建築物又は工作物について確認その他の建築基準法令の規定による処分をする権限を有する建築主事等が置かれた市町村又は都道府県の建築審査会」になった。答えは変わらない。
法第48条、法第51条、法第68条の3第6項、法第92条の2、法第94条第1項
選択肢1は「用途の制限」の分野です。
No.20病院(定期報告・商業地域の採光補正係数・照明カバーの取替え工事中の使用・2つの用途地域にわたる敷地)
病院に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1地上3階建て、床面積の合計が1,500㎡の病院(国等の建築物を除く。)の所有者等は、当該建築物の敷地、構造及び建築設備について、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員にその状況の調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。2商業地域内の病院の病室(天窓及び縁側を有しないもの)の開口部の採光補正係数は、開口部が道に面していない場合であって、水平距離が4m以上であり、かつ、採光関係比率に10を乗じた数値から1.0を減じて得た算定値が1.0未満となる場合においては、1.0とする。3既存の地上5階建ての病院(5階における当該用途に供する部分の床面積の合計が1,600㎡のもの)に設けた非常用の照明装置に用いる照明カバーの取替えの工事の施工中に、当該建築物を使用する場合においては、当該建築主は、あらかじめ、工事の施工中における建築物の安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出なければならない。4敷地が準工業地域内に400㎡、工業地域内に600㎡と二つの用途地域にわたる場合、当該敷地には、特定行政庁の許可を受けなければ病院を新築することができない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.20
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法第12条第1項・令第16条第1項第三号より、法別表第1(い)欄(2)項の用途(病院)に供する建築物(国等の建築物を除く。避難上支障が少ないものとして国土交通大臣が定めるものを除く)の所有者等は、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員にその状況の調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。地上3階建て・床面積の合計1,500㎡の病院はこれに当たる。
令第20条第2項第三号より、商業地域などの採光補正係数は、採光関係比率に10を乗じた数値から1.0を減じた数値で、開口部が道に面しない場合であって、水平距離が4m以上であり、かつ、算定値が1.0未満となる場合は1.0とする。
法第90条の3・令第147条の2第二号より、5階以上の階における病院の用途に供する部分の床面積の合計が1,500㎡を超える建築物で、新築の工事又は避難施設等に関する工事の施工中に建築物を使用する場合は、安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画の届出が必要。しかし、法第7条の6第1項・令第13条の2より、非常用の照明装置に用いる照明カバーの取替えの工事は、避難施設等に関する工事から除かれる軽易な工事なので、届出は不要。
法第91条より、建築物の敷地が2つの用途地域にわたる場合は、用途の制限について、敷地の過半の属する地域の規定を適用する。敷地の過半(600㎡)は工業地域で、法別表第2(を)項第六号より、工業地域内には病院を建築できないので、特定行政庁の許可(法第48条第12項)を受けなければ新築できない。
選択肢3非常用の照明装置の照明カバーの取替えは、避難施設等に関する工事から除かれる軽易な工事(令第13条の2)。工事中の安全計画の届出(法第90条の3)は不要。
法第7条の6第1項、法第12条第1項、法第48条第12項、法第90条の3、法第91条、法別表第2(を)項第六号、令第13条の2、令第16条第1項第三号、令第20条第2項第三号、令第147条の2第二号
選択肢2は「一般構造」、選択肢4は「用途の制限」の分野です。
👷 建築士法(No.21〜No.23)
No.21工事監理(工事監理の定義と指導監督・工事監理報告・一級建築士でなければできない工事監理・構造設計一級建築士の関与と工事監理)
工事監理を行う建築士に関する次の記述のうち、建築士法上、誤っているものはどれか。
1建築士が工事監理を行う場合は、その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認するとともに、当該工事の指導監督を行わなければならない。2建築士が工事監理を行う場合は、当該建築士が自ら設計図書を作成した建築物であるか、他の建築士が設計図書を作成した建築物であるかに関わらず、工事監理を終了したときは、直ちに、建築主に結果報告を行わなければならない。3一級建築士でなければ設計をしてはならない建築物の工事監理については、一級建築士の指導を受けている場合であっても、二級建築士は行うことができない。4構造設計一級建築士の関与が義務付けられた建築物の工事監理については、構造設計一級建築士以外の一級建築士であっても行うことができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.21
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建築士法第2条第8項より、工事監理とは、その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することをいう。工事の指導監督は工事監理に含まれず(同法第21条の「建築工事の指導監督」は別の業務)、工事監理を行う場合に指導監督を行わなければならない決まりはない。
建築士法第20条第3項より、建築士は、工事監理を終了したときは、直ちに、その結果を文書で建築主に報告しなければならない。自ら設計図書を作成した建築物かどうかにかかわらない。
建築士法第3条第1項より、同項各号の建築物を新築する場合においては、一級建築士でなければ、その設計又は工事監理をしてはならない。一級建築士の指導を受けていても、二級建築士は工事監理を行うことができない。
構造設計一級建築士の関与が義務付けられているのは、一定の建築物の構造設計(建築士法第20条の2)で、工事監理ではない。工事監理は、建築物に応じて一級建築士などが行えばよく、構造設計一級建築士以外の一級建築士でも行うことができる。
選択肢1工事監理は、その者の責任において、工事を設計図書と照合し、設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認すること(建築士法第2条第8項)。工事の指導監督は含まれない(別の業務=第21条)。
建築士法第2条第8項、第3条第1項、第20条第3項、第20条の2第1項
No.22管理建築士(技術的事項の総括・管理建築士を置かない場合・管理建築士の処分と事務所の閉鎖・管理建築士の要件)
建築士事務所の管理建築士に関する次の記述のうち、建築士法上、誤っているものはどれか。
1管理建築士は、建築士事務所において、業務の内容に応じて必要となる期間の設定や、受託しようとする業務を担当させる建築士の選定などの技術的事項を総括する。2建築士事務所の開設者が、管理建築士の退職後に代わりの管理建築士を置かなかった場合、その建築士事務所の登録は取り消され、その開設者は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処される。3管理建築士が建築基準法の違反によって免許取消しや業務停止等の処分を受けた場合、その処分が自宅の設計など建築士事務所の業務によらないものであっても、当該建築士事務所は閉鎖処分の対象となる。4一級建築士事務所に置かれる管理建築士となるための業務要件としては、一級建築士として3年以上の建築物の設計や工事監理等に従事することが求められる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.22
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建築士法第24条第3項第一号・第二号より、管理建築士は、受託可能な業務の量及び難易並びに業務の内容に応じて必要となる期間の設定、受託しようとする業務を担当させる建築士その他の技術者の選定及び配置などの技術的事項を総括する。
建築士法第24条第1項より、建築士事務所の開設者は、建築士事務所ごとに専任の管理建築士を置かなければならない。管理建築士を置かず同項の要件を欠いたときは、同法第26条第1項第二号(第23条の4第1項第十号)により、都道府県知事は登録を取り消さなければならない。また、同法第37条第十号より、第24条第1項の規定に違反したときは、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる。
建築士法第26条第2項第四号より、管理建築士が第10条第1項の規定による処分(免許の取消し、業務の停止など)を受けたときは、都道府県知事は、開設者に対し、戒告し、若しくは1年以内の期間を定めて建築士事務所の閉鎖を命じ、又は登録を取り消すことができる。所属建築士の場合(同項第五号)と違い、建築士事務所の業務として行った行為による処分に限られていない。
建築士法第24条第2項より、管理建築士は、建築士として3年以上の設計その他の国土交通省令で定める業務(同法施行規則第20条の4:設計、工事監理、建築工事契約に関する事務、建築工事の指導監督、建築物に関する調査又は鑑定、法令に基づく手続の代理)に従事した後、管理建築士講習の課程を修了した建築士でなければならない。一級建築士事務所でも、「一級建築士として」3年以上従事することは求められていない。
選択肢4管理建築士の要件は、「建築士として」3年以上の設計その他の業務に従事した後、管理建築士講習を修了すること(建築士法第24条第2項)。「一級建築士として」3年以上ではない。
2025年6月1日施行の改正で、建築士法第37条の「懲役」は「拘禁刑」になった(1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金)。答えは変わらない。
建築士法第23条の4第1項第十号、第24条第1項・第2項・第3項、第26条第1項第二号・第2項第四号、第37条第十号、同法施行規則第20条の4
No.23建築士法による義務付け(免許証の提示・定期講習・設計図書への記名・閲覧のために備え置く書類)
A欄に掲げる「建築士等に義務付けられる行為等」とB欄に掲げる「義務付けの対象等」の組合せのうち、B欄において、建築士法による義務付けの対象等とされていないものを含むものは、次のうちどれか。
A欄(建築士等に義務付けられる行為等) B欄(義務付けの対象等) 1. 建築士免許証(免許証明書を含む。)の提示 ・設計等の委託者から請求があったとき
・建築主に対して、契約内容などの重要事項の説明をするとき2. 定期講習の受講 ・全ての一級建築士
・全ての二級建築士
・全ての木造建築士
・全ての構造設計一級建築士
・全ての設備設計一級建築士3. 設計図書その他の書面への記名 ・一級建築士、二級建築士又は木造建築士が、設計を行ったとき
・構造設計一級建築士が、構造関係規定の法適合確認を行ったとき
・設備設計一級建築士が、設備関係規定の法適合確認を行ったとき4. 建築士事務所に閲覧のために備え置く書類 ・建築士事務所の業務の実績を記載した書類
・建築士事務所に属する建築士の氏名及び業務の実績を記載した書類
・損害賠償に必要な金額を担保するための措置の内容を記載した書類
・建築士事務所の業務及び財務に関する書類出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.23
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建築士法第19条の2より、建築士は、設計等の委託者から請求があったときは、建築士免許証又は建築士免許証明書を提示しなければならない。同法第24条の7第2項より、管理建築士等は、重要事項の説明をするときは、建築主に対し、建築士免許証又は建築士免許証明書を提示しなければならない。
建築士法第22条の2より、定期講習の受講が義務付けられるのは、建築士事務所に属する一級建築士、二級建築士及び木造建築士(第一号から第三号まで)と、構造設計一級建築士(第四号)及び設備設計一級建築士(第五号)。建築士事務所に属していない一級建築士・二級建築士・木造建築士には受講の義務がないので、「全ての一級建築士」「全ての二級建築士」「全ての木造建築士」は義務付けの対象ではない。
建築士法第20条第1項より、建築士は、設計を行った場合、その設計図書に建築士である旨の表示をして記名しなければならない。同法第20条の2第3項・第20条の3第3項より、構造設計一級建築士・設備設計一級建築士は、確認を求められた構造関係規定・設備関係規定への適合を確認したとき(又は確認できないとき)は、その旨を記載するとともに、表示をして記名しなければならない。
建築士法第24条の6より、建築士事務所の開設者は、①建築士事務所の業務の実績を記載した書類、②建築士事務所に属する建築士の氏名及び業務の実績を記載した書類、③損害賠償に必要な金額を担保するための保険契約の締結その他の措置を講じている場合はその内容を記載した書類、④その他建築士事務所の業務及び財務に関する書類で国土交通省令で定めるものを、建築士事務所に備え置き、設計等を委託しようとする者の求めに応じ、閲覧させなければならない。
選択肢2定期講習の受講義務があるのは、建築士事務所に属する一級・二級・木造建築士と、構造設計一級建築士・設備設計一級建築士(建築士法第22条の2)。建築士事務所に属さない一級・二級・木造建築士には義務がない。
建築士法第19条の2、第20条第1項、第20条の2第3項、第20条の3第3項、第22条の2、第24条の6、第24条の7第2項
選択肢4は「建築士事務所」の分野です。
📚 関係法令(No.24〜No.27)
No.24都市計画法(都市計画施設の区域内の改築・開発行為の定義・工事完了の公告前の建築・市街化区域の専修学校)
次の記述のうち、都市計画法上、誤っているものはどれか。
1都市計画施設の区域内において、木造、地上3階建ての建築物を改築する場合は、都道府県知事等の許可を受ける必要はない。2建築物の建築の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更は、その土地の規模にかかわらず「開発行為」である。3開発許可を受けた開発区域内の土地においては、当該開発行為に関する工事が完了した場合であっても、都道府県知事による当該工事が完了した旨の公告があるまでの間は、原則として、建築物を建築してはならない。4市街化区域内において、専修学校の建築の用に供する目的で行う開発行為で、その規模が1,000㎡のものについては、開発許可を受けなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.24
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都市計画法第53条第1項より、都市計画施設の区域内において建築物の建築をしようとする者は、原則として都道府県知事等の許可を受けなければならない。同項第一号・同法施行令第37条より、許可が不要な軽易な行為は、階数が2以下で、かつ、地階を有しない木造の建築物の改築又は移転。木造・地上3階建ての建築物の改築は、許可が必要。
都市計画法第4条第12項より、開発行為とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいい、土地の規模による限定はない(開発許可が不要となる規模は、同法第29条第1項第一号で別に定められている)。
都市計画法第37条より、開発許可を受けた開発区域内の土地においては、工事が完了した旨の公告(同法第36条第3項)があるまでの間は、原則として、建築物を建築し、又は特定工作物を建設してはならない(工事用の仮設建築物などを除く)。
都市計画法第29条第1項第一号・同法施行令第19条第1項より、市街化区域内で開発許可が不要になるのは、規模が1,000㎡未満の開発行為。同法第29条第1項第三号で開発許可が不要となる公益上必要な建築物(同法施行令第21条)には学校が掲げられておらず、国等が設置する建築物(同条第二十六号)からも、学校教育法の学校・専修学校・各種学校の用に供するものは除かれている(同号イ)。1,000㎡の専修学校の建築の用に供する開発行為は、開発許可が必要。
選択肢1都市計画施設の区域内で許可が不要な軽易な行為は、階数2以下・地階なしの木造建築物の改築・移転だけ(都市計画法施行令第37条)。3階建ては許可が必要。
都市計画法第4条第12項、第29条第1項第一号・第三号、第37条、第53条第1項、同法施行令第19条第1項、第21条第二十六号、第37条
No.25消防法(図書館と特定防火対象物・ラック式倉庫のスプリンクラー設備・地階の駐車場の排煙設備・ホテルの連結送水管)
次の記述のうち、消防法上、誤っているものはどれか。
1図書館は、消防用設備等の技術上の基準に関する政令等の規定の施行又は適用の際、現に存する建築物であっても、新築の場合と同様に消防用設備等の規定が適用される「特定防火対象物」である。2天井の高さ12m、延べ面積700㎡のラック式倉庫については、原則として、スプリンクラー設備を設置しなければならない。3地階に設ける駐車場で、床面積が1,000㎡のものについては、原則として、排煙設備を設置しなければならない。4延べ面積6,000㎡、地上5階建てのホテルについては、原則として、連結送水管を設置しなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.25
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消防法第17条の2の5第2項第四号より、消防用設備等の技術上の基準の施行又は適用の際に現に存する防火対象物でも新しい基準が適用されるのは、百貨店、旅館、病院、地下街、複合用途防火対象物(政令で定めるもの)など多数の者が出入りする特定防火対象物。同法施行令第34条の4第2項で定める防火対象物は、別表第1(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項、(9)項イ及び(16の3)項の防火対象物(百貨店、旅館及び病院以外のもの)で、図書館((8)項)は含まれない。
消防法施行令第12条第1項第五号より、別表第1(14)項の防火対象物のうち、天井の高さが10mを超え、かつ、延べ面積が700㎡以上のラック式倉庫には、スプリンクラー設備を設置しなければならない。
地階に設ける駐車場は消防法施行令別表第1(13)項イ。消防法施行令第28条第1項第三号より、(2)項、(4)項、(10)項及び(13)項の防火対象物の地階又は無窓階で、床面積が1,000㎡以上のものには、排煙設備を設置しなければならない。
消防法施行令第29条第1項第二号より、地階を除く階数が5以上の別表第1の建築物で、延べ面積が6,000㎡以上のものには、連結送水管を設置しなければならない。
選択肢1特定防火対象物は、百貨店、旅館、病院、地下街など多数の者が出入りするもの(消防法第17条の2の5第2項第四号・同法施行令第34条の4第2項)。図書館(別表第1(8)項)は含まれない。
消防法第17条の2の5第2項第四号、同法施行令第12条第1項第五号、第28条第1項第三号、第29条第1項第二号、第34条の4第2項
No.26バリアフリー法(仮設建築物の店舗・500㎡の事務所・公立小学校の階段・敷地内の通路)
次の記述のうち、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」上、誤っているものはどれか。
1建築主等は、仮設建築物(建築基準法第85条第5項の許可を受けたもの)として、床面積の合計が2,000㎡の物品販売業を営む店舗を新築する場合、当該建築物を建築物移動等円滑化基準に適合させなければならない。2建築主等は、床面積の合計が500㎡の事務所を新築する場合、当該建築物を建築物移動等円滑化基準に適合させなければならない。3床面積の合計が5,000㎡の公立小学校を新築する場合、当該小学校に設ける階段のうち、多数の者が利用するものは、踏面の端部とその周囲の部分との色の明度、色相又は彩度の差が大きいことにより段を容易に識別できるものとしなければならない。4移動等円滑化経路を構成する敷地内の通路は、幅を120cm以上とし、50m以内ごとに車椅子の転回に支障がない場所を設けなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.26
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物品販売業を営む店舗は特別特定建築物(バリアフリー法施行令第5条第六号)。バリアフリー法第14条第1項・同法施行令第9条より、床面積の合計2,000㎡以上の特別特定建築物の建築をしようとするときは、建築物移動等円滑化基準に適合させなければならない。仮設建築物を除く決まりはないので、仮設建築物でも適合させなければならない。
事務所は特定建築物(バリアフリー法施行令第4条)だが、特別特定建築物(同法施行令第5条)ではない。バリアフリー法第16条第1項より、特定建築物(特別特定建築物を除く)の建築をしようとするときは、建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない(努力義務)。床面積500㎡の事務所を適合させなければならない決まりはない。
公立小学校は特別特定建築物(バリアフリー法施行令第5条第一号)で、床面積5,000㎡は2,000㎡以上なので適合義務がある。同法施行令第12条第三号より、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する階段は、踏面の端部とその周囲の部分との色の明度、色相又は彩度の差が大きいことにより段を容易に識別できるものとしなければならない。
バリアフリー法施行令第18条第2項第七号イ・ロより、移動等円滑化経路を構成する敷地内の通路は、幅を120cm以上とし、50m以内ごとに車椅子の転回に支障がない場所を設けなければならない。
選択肢2事務所は特定建築物だが特別特定建築物ではない(バリアフリー法施行令第4条・第5条)。新築の際の基準適合は努力義務(法第16条第1項)。
選択肢1の法第85条第5項の許可は、2022年5月31日施行の改正で第6項になった。また、2025年6月1日施行の改正で、バリアフリー法施行令の移動等円滑化経路の決まりは第18条から第19条に繰り下がった(内容は同じ)。答えは変わらない。
バリアフリー法第14条第1項、第16条第1項、同法施行令第4条、第5条第一号・第六号、第9条、第12条第三号、第18条第2項第七号
No.27建築物省エネ法(非住宅300㎡の新築の手続・特定建築主の努力・小規模住宅の説明義務・修繕と向上計画の認定)
次の記述のうち、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」上、誤っているものはどれか。
1建築主は、非住宅部分の床面積の合計が300㎡の建築物を新築しようとするときは、その工事に着手する日の21日前までに、当該行為に係る建築物のエネルギー消費性能の確保のための構造及び設備に関する計画を所管行政庁に届け出なければならない。2特定建築主は、新築する分譲型一戸建て規格住宅を当該住宅のエネルギー消費性能の一層の向上のために必要な住宅の構造及び設備に関する基準に適合させるよう努めなければならない。3建築士は、床面積の合計が100㎡の住宅の新築に係る設計を行うときは、原則として、当該住宅の建築物エネルギー消費性能基準への適合性について評価を行うとともに、当該設計の委託をした建築主に対し、当該評価の結果について、書面を交付して説明しなければならない。4建築主等は、エネルギー消費性能の向上のために建築物の修繕をしようとするときは、建築物エネルギー消費性能向上計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.27
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非住宅部分の床面積の合計が300㎡の建築物は、当時の建築物省エネ法施行令第4条の特定建築物。当時の建築物省エネ法第11条第1項・第12条第1項より、特定建築物の新築(特定建築行為)は、建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならず、工事に着手する前に建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けなければならない。21日前までに所管行政庁に届け出る決まり(当時の第19条第1項第一号)は、特定建築物以外の床面積300㎡以上の建築物(住宅など)の新築の決まりで、特定建築物には当たらない。
当時の建築物省エネ法第28条より、特定建築主(分譲型一戸建て規格住宅を1年間に政令で定める数(150戸)以上新築し、分譲することを業として行う建築主)は、新築する分譲型一戸建て規格住宅を、エネルギー消費性能の一層の向上のために必要な住宅の構造及び設備に関する基準に適合させるよう努めなければならない。
当時の建築物省エネ法第27条第1項より、建築士は、小規模建築物(特定建築物及び床面積300㎡以上の建築物以外の建築物)の建築に係る設計を行うときは、建築物エネルギー消費性能基準への適合性について評価を行うとともに、設計の委託をした建築主に対し、評価の結果について、書面を交付して説明しなければならない。同条第2項より、建築主から評価及び説明を要しない旨の意思の表明があった場合は適用しないので、「原則として」となる。
当時の建築物省エネ法第34条第1項より、建築主等は、エネルギー消費性能の向上に資する建築物の新築又はエネルギー消費性能の向上のための建築物の増築、改築若しくは修繕等(同法第6条第2項:修繕、模様替、空気調和設備等の設置又は改修)をしようとするときは、建築物エネルギー消費性能向上計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。
選択肢1非住宅部分300㎡以上の特定建築物の新築は、届出(当時の第19条)ではなく、適合義務と建築物エネルギー消費性能適合性判定(当時の第11条・第12条)の対象。届出は特定建築物以外の300㎡以上の建築物の決まり。
2025年4月1日から、建築物省エネ法が全面的に見直され、原則として全ての建築物の新築・増改築に省エネ基準への適合が義務付けられ(第10条)、届出の制度(当時の第19条)と、小規模建築物の建築士による評価・説明の義務(当時の第27条)はなくなりました(建築士の説明は今は第6条第3項の努力義務)。今の法令では、3の「書面を交付して説明しなければならない」も誤りとなり、誤っているものは1と3の2つになります。
当時の建築物省エネ法第6条第2項、第11条第1項、第12条第1項、第19条第1項第一号、第27条、第28条、第34条第1項、同法施行令第4条、第8条、第11条
🧩 設計者の判断(総合)・関係法令(No.28〜No.30)
No.28設計者の判断(地上3階建て共同住宅の居室の窓:採光・外皮性能・排煙・図)
建築主から以下の条件Aに基づく「地上3階建て共同住宅」の設計を求められた際に、各居室に以下の条件Bに該当する窓を設置しようとした場合、建築基準法その他の建築関係法令の規定の適用に関する設計者の判断として、イ~ハの記述について、正しいもののみの組合せは、次のうちどれか。
条件A(建築主の要請)
・各居室の床面積:40㎡(各階に3室ずつ)
・階の床面積:160㎡
・延べ面積:480㎡
・建築物エネルギー消費性能基準における「地域の区分」が6の地域の基準に適合させる。
・住戸ごとの防火区画は設けない。
条件B(各居室の窓)
※採光補正係数は1.0とする。
※天井面近くの窓は、全面開放できるものとする。
※窓の性能を基に算出した住戸単位での「外皮平均熱貫流率」は0.75W/(㎡・度)、「冷房期の平均日射熱取得率」は1.4である。図を押すと大きく表示します イ.適切に採光を確保することができる規模の窓であることを確認した。ロ.それぞれの住戸について「外皮平均熱貫流率」及び「冷房期の平均日射熱取得率」が基準値以下となることを確認した。ハ.排煙設備を設置することなく、避難上の支障をきたす煙・ガスを適切に屋外に排出することができる規模の窓であることを確認した。1イとロとハ2イとロ3イとハ4ロとハ出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.28
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法第28条第1項より、住宅(共同住宅の住戸)の居室の採光に有効な部分の面積は、居室の床面積の1/7以上。40㎡×1/7≒5.71㎡ 以上が必要。令第20条第1項より、採光に有効な部分の面積=開口部の面積×採光補正係数(1.0)。開口部の面積は、引違い窓 0.96m×1.84m×3=5.2992㎡ と天井面近くの窓 1.14m×0.44m=0.5016㎡ で、合計 5.8008㎡。5.71㎡以上なので、適切に採光を確保できる。
建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令第1条第1項第二号イ(1)(i)より、住宅の外皮の基準は、単位住戸の外皮平均熱貫流率と冷房期の平均日射熱取得率が、地域の区分に応じた数値以下であること。地域の区分6の数値は、外皮平均熱貫流率0.87、冷房期の平均日射熱取得率2.8で、0.75及び1.4はいずれも基準値以下。
令第126条の2第1項より、延べ面積480㎡の共同住宅は、規模による排煙設備の決まり(特殊建築物で延べ面積500㎡超など)には当たらないが、令第116条の2第1項第二号に該当する窓その他の開口部を有しない居室には、排煙設備が必要。同号より、開放できる部分(天井又は天井から下方80cm以内の距離にある部分)の面積の合計が居室の床面積の1/50(40㎡×1/50=0.8㎡)以上必要。引違い窓の上端は床面から190cm(天井から80cm)の位置なので算入できず、天井面近くの窓(全面開放)の 1.14m×0.44m≒0.50㎡ だけでは0.8㎡に足りない。住戸ごとの防火区画も設けないので、同項第一号の除外にも当たらず、排煙設備が必要。
ハ排煙上の無窓居室かどうかは、天井又は天井から下方80cm以内の距離にある開放できる部分の面積が床面積の1/50以上かで判断する(令第116条の2第1項第二号)。引違い窓の上端は天井から80cmの位置で、算入できない。
2023年4月1日施行の改正で、住宅の居室の採光の割合1/7は法第28条第1項から令第19条第3項に移った(国土交通大臣が定める基準に従い照明設備を設けた場合などは1/10まで緩和できる)。また、2025年11月1日施行の改正で、令第116条の2第1項第二号の開放できる部分は「天井又は壁(床面から天井までの垂直距離に応じて国土交通大臣が定める部分に限る)にある部分」になり、令和7年国土交通省告示第992号で、天井の高さが2.6m以下なら天井から下方80cm以内、2.6mを超えるなら床面からの高さが1.8m以上の部分と定められた。この居室は天井の高さ2.7mなので床面から1.8m以上の部分で判断するが、引違い窓は上端が床面から1.9mで1.8mを超える部分はわずか(10cm以下)なので、天井面近くの窓(約0.50㎡)と合わせても0.8㎡に届かず、答えは変わらない。
法第28条第1項、令第20条第1項、令第116条の2第1項第二号、令第126条の2第1項、建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令第1条第1項第二号イ
この問題は、「排煙・非常用の照明・進入口・検証法」「建築物省エネ法」の分野にも入っています。
No.29設計者の判断(地上6階建て・鉄筋コンクリート造・3,000㎡の物品販売店舗:構造計算・避難階段と排煙・省エネ基準・バリアフリーの認定)
以下の条件に該当する建築物の設計に際して、建築基準法その他の建築関係法令の規定の適用に関する設計者の判断として、次の記述のうち、不必要な内容を含むものはどれか。
【条件】
・規模:地上6階建て、高さ27m
・構造:鉄筋コンクリート造
・延べ面積:3,000㎡(各階の床面積は500㎡)
・用途:物品販売業を営む店舗(各階に売場)1構造耐力上の安全性を確認するため、構造計算の実施に当たっては「保有水平耐力計算」によることとし、「保有水平耐力が必要保有水平耐力以上であること」、「構造耐力上主要な部分の断面に生ずる各応力度が、各許容応力度を超えないこと」、「層間変形角が、基準値以内であること」、「屋根ふき材等が、風圧に対して構造耐力上安全であること」を確かめて設計した。2避難上の安全性を確保するため、避難経路となる屋内の直通階段を、「特別避難階段に適合する階段として、2か所に設置すること」、「階段室に排煙機による排煙設備を設置すること」、「非常用の照明装置を設置すること」として設計した。3建築物の備えるべきエネルギー消費性能を確保するため、空気調和設備、照明設備等に関して、実際の設計仕様の条件を基に算定した「設計一次エネルギー消費量」が、床面積、設備等の条件によって定まる「基準一次エネルギー消費量」を超えないものとして設計した。4建築主の要請により、高齢者や障害者など誰もが利用しやすい建築物とするため、廊下の幅などについて移動がしやすいように配慮したところ、床面積の増加によって容積率の基準を超えたことから、容積率の特例の対象となる「認定特定建築物」の認定を受けることとして、「建築物移動等円滑化誘導基準」に適合するものとして設計した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.29
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鉄筋コンクリート造で高さ20mを超える建築物は法第20条第1項第二号の建築物で、高さ27m(31m以下)なので、令第81条第2項第二号より、許容応力度等計算又は保有水平耐力計算などによる。令第82条より、保有水平耐力計算は、応力度の計算(同条各号)、層間変形角(令第82条の2)、保有水平耐力が必要保有水平耐力以上であること(令第82条の3)、屋根ふき材等の風圧(令第82条の4)を確かめる構造計算で、記述の内容はいずれも必要。
令第122条第2項より、3階以上の階を物品販売業を営む店舗の用途に供する建築物は、各階の売場及び屋上広場に通ずる2以上の直通階段を設け、これを避難階段又は特別避難階段としなければならず、同条第3項より、5階以上の売場に通ずるものはその1以上を特別避難階段としなければならない。令第126条の4より、非常用の照明装置は必要。しかし、令第126条の2第1項第三号より、階段の部分には排煙設備を設けなくてよいので、階段室に排煙機による排煙設備を設けることは不必要な内容に当たる(特別避難階段を2か所とすることも、1以上でよいので最低限の基準を超えている)。
延べ面積3,000㎡の物品販売業を営む店舗は、当時の建築物省エネ法第11条第1項の特定建築物(非住宅部分300㎡以上)で、建築物エネルギー消費性能基準への適合が義務付けられている。建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令第1条第1項第一号より、非住宅部分の基準は、設計一次エネルギー消費量が基準一次エネルギー消費量を超えないことで、記述の内容は必要。
バリアフリー法第19条より、容積率の算定の基礎となる延べ面積には、認定特定建築物(同法第17条の認定を受けた計画に係る特定建築物)の建築物特定施設の床面積のうち、移動等円滑化の措置をとることにより通常の建築物の建築物特定施設の床面積を超えることとなる場合における政令で定める床面積は算入しない。同条第3項第一号より、認定には建築物移動等円滑化誘導基準に適合することが必要なので、記述の内容は必要。
選択肢2階段の部分には排煙設備を設けなくてよい(令第126条の2第1項第三号)。また、5階以上の売場に通ずる直通階段で特別避難階段とする必要があるのは1以上(令第122条第3項)。
2025年4月1日施行の改正(令和4年法律第69号)で、建築物省エネ法の省エネ基準への適合義務は第10条(原則として全ての建築物の新築・増改築)になった。選択肢3の記述が必要な内容であることは同じで、答えは変わらない。
令第81条第2項、令第82条から第82条の4まで、令第121条第1項第二号、令第122条第2項・第3項、令第126条の2第1項第三号、令第126条の4、建築物省エネ法(当時)第11条第1項、建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令第1条第1項第一号、バリアフリー法第17条、第19条
選択肢1は「構造計算」、選択肢3は「建築物省エネ法」、選択肢4は「バリアフリー法」の分野です。
No.30関係法令(品確法の瑕疵担保責任・主任技術者の専任・長期優良住宅建築等計画・低炭素建築物新築等計画と確認)
次の記述のうち、関係法令上、誤っているものはどれか。
1「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、住宅新築請負契約又は新築住宅の売買契約においては、住宅の構造耐力上主要な部分等について、引き渡した時から10年間の瑕疵担保責任を義務付けており、これに反する特約で注文者又は買主に不利なものは無効とされる。2「建設業法」に基づき、建設業者は、発注者から請負代金の額が3,500万円の診療所の建築一式工事を請け負った場合、当該工事を施工するときは、当該工事現場に置く主任技術者を専任の者としなくてよい。3「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき、住宅の建築をしてその構造及び設備を長期使用構造等とし、自らその建築後の住宅の維持保全を行おうとする者は、長期優良住宅建築等計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。4「都市の低炭素化の促進に関する法律」に基づき、低炭素建築物新築等計画の認定の申請をしようとする場合には、あらかじめ、建築基準法に基づく確認済証の交付を受けなければならない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)」No.30
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住宅の品質確保の促進等に関する法律第94条第1項・第95条第1項より、住宅新築請負契約又は新築住宅の売買契約においては、住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵について、引き渡した時から10年間、担保の責任を負う。同法第94条第2項・第95条第2項より、これに反する特約で注文者又は買主に不利なものは、無効とする。
建設業法第26条第3項・同法施行令第27条第1項より、主任技術者又は監理技術者を工事現場ごとに専任の者としなければならないのは、公共性のある施設若しくは工作物又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事で、当時は工事一件の請負代金の額が3,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上のもの。請負代金の額3,500万円の建築一式工事は、これに当たらない。
長期優良住宅法第5条第1項より、住宅の建築をしてその構造及び設備を長期使用構造等とし、自らその建築後の住宅の維持保全を行おうとする者は、長期優良住宅建築等計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。
都市の低炭素化の促進に関する法律第53条第1項より、低炭素建築物新築等計画は、所管行政庁の認定を申請することができるが、あらかじめ確認済証の交付を受ける決まりはない。同法第54条第2項より、認定の申請をする者は、所管行政庁に対し、計画を建築主事に通知し、建築基準関係規定に適合するかどうかの審査を受けるよう申し出ることができる(同条第5項より、この審査で確認済証の交付を受けたうえで認定をしたときは、認定を受けた計画は確認済証の交付があったものとみなされる)。
選択肢4低炭素建築物新築等計画の認定の申請に、確認済証は要らない。申請者は、建築基準関係規定への適合の審査を所管行政庁に申し出ることができる(都市の低炭素化の促進に関する法律第54条第2項)。
建設業法施行令第27条第1項の金額は、2023年1月1日施行の改正で「4,000万円(建築一式工事は8,000万円)以上」、2025年2月1日施行の改正で「4,500万円(建築一式工事は9,000万円)以上」に引き上げられた。3,500万円の建築一式工事は今の基準でも専任としなくてよい。また、2024年12月13日施行の改正で、建設業法第26条第3項ただし書に、請負代金の額が政令で定める金額未満で、情報通信技術を利用して工事現場の状況を確認できるなどの要件を満たす工事の主任技術者・監理技術者は専任としなくてよい例外が加わった。選択肢3の長期優良住宅法第5条第1項は、2022年2月20日施行の改正で区分所有住宅を除く住宅の決まりになり(区分所有住宅は同条第4項・第5項で管理者等が申請する)、選択肢4の低炭素建築物新築等計画の通知先は、2024年4月1日施行の改正で「建築主事又は建築副主事」になった。いずれも答えは変わらない。
住宅の品質確保の促進等に関する法律第94条、第95条、建設業法第26条第3項、同法施行令第27条第1項、長期優良住宅法第5条第1項、都市の低炭素化の促進に関する法律第53条第1項、第54条第2項・第5項
令和4年の合格基準点(学科の試験)
配点は各問題1点(学科Ⅰ・Ⅱは各20点、学科Ⅲ・Ⅳは各30点、学科Ⅴは25点、合計125点)で、各科目の基準点と総得点の基準点のすべてに達した人が合格です。
| 学科Ⅰ 計画 | 学科Ⅱ 環境・設備 | 学科Ⅲ 法規 | 学科Ⅳ 構造 | 学科Ⅴ 施工 | 総得点 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 合格基準点 | 11点 | 11点 | 16点 | 16点 | 13点 | 91点 |
※ 合格基準点は、各科目は過半の得点、総得点はおおむね90点程度を基本的な水準として想定し、令和4年は総じて難易度が低かったことから、総得点の基準点が91点とされました。
出典:建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験『学科の試験』の合格基準点等について」
法規の基準点は16点(30点中)です。法令集を持ち込める科目なので、条文を引けば確かめられる問題が多く、ほかの科目の取りこぼしを補う得点源にしやすい科目です。本番は1問あたり約3分半なので、法令集の引き方に慣れておくことが大切です(勉強の進め方は関連記事の「一級建築士は独学で合格できる」で紹介しています)。
ほかの年度の過去問・分野別の解説
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![No.1の図:断面図。左側の地面は最下階の事務所の天井の高さ、右側の地面は最下階の事務所の床の高さで、建築物と地面とが接する線は左から右へ下がっている(高低差3m)。地上側に事務所[各階600㎡]が4層(各階高3m)、その下に防災センター(中央管理室)[75㎡](階高3m)。屋上にパラペット(高さ1.5m)と昇降機塔[30㎡](パラペットの上端からさらに3m)。[ ]内は各階の床面積](https://kenchikukijyunhou.com/wp-content/uploads/2026/10/R4_1k_No1.png)




