全25問の解答・解説
平成30年(2018年7月1日実施)の二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)全25問を、選択肢ごとに正誤の理由を示して解説します。建築史・環境工学・各種建築物の計画・建築設備の4つの分野から出題されます。まず自分で解き、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

平成30年 二級建築士試験(学科)の概要
問題文は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)の試験問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各問の枠の右下に出典)。正答は、同センターの合格基準点等(正答肢)と全問を照らし合わせています。
解説は、出題当時の法令・基準によります(法令がからむ問題は平成30年1月1日時点の法令)。その後の改正や基準の改定で答えが変わる問題には「🔶 現在の基準では」、言い方だけが変わった問題には「ℹ️ その後の改正」の枠を付けています。
分野ごとの問題一覧
計画の25問は、毎年ほぼ同じ順番で、分野ごとに出題されます。解きたい問題を押すと、その問題へ移動します。
=その後の改正や基準の改定で、今の基準では答えが変わる問題
🏯 建築史(No.1〜No.2)
No.1日本の歴史的な建築物(住吉大社本殿・日光東照宮・伊勢神宮内宮正殿・桂離宮・東大寺南大門)
日本の歴史的な建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1住吉造りの住吉大社本殿(大阪府)は、奥行のある長方形の平面形状で、四周に回り縁がなく、内部は内陣と外陣に区分されている等の特徴をもった建築物である。2霊廟建築の日光東照宮(栃木県)は、本殿と拝殿とを石の間で繋ぐ権現造りの建築物である。3神明造りの伊勢神宮内宮正殿(三重県)は、柱が全て掘立て柱で、棟木を直接支える棟持柱が側柱の外側に独立して設けられた建築物である。4数寄屋造りの桂離宮(京都府)は、古書院、中書院、新御殿等から構成され、茶室建築の手法を取り入れた建築物である。5大仏様(天竺様)の東大寺南大門(奈良県)は、部材が細く、屋根の反りが強い等の特徴をもった建築物である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.1
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住吉大社本殿は、奥行の長い平面で、四周に回り縁がなく、内陣と外陣に分かれた住吉造り。
日光東照宮は、本殿と拝殿を石の間でつないだ権現造りの霊廟建築。
伊勢神宮内宮正殿は神明造りで、柱は全て掘立柱。棟木を直接支える棟持柱が、側柱の外側に独立して立つ。
桂離宮は、古書院・中書院・新御殿などからなる数寄屋造りの建築物で、茶室建築の手法を取り入れている。
東大寺南大門は大仏様(天竺様)で、太い部材を使い、柱に差し込んだ挿肘木や貫で組み上げた豪快な構造が特徴。部材が細く、屋根の反りが強いのは禅宗様(唐様)の特徴。
No.2建築物とその特徴(パルテノン神殿・ミラノ大聖堂・クリスタル・パレス・ファンズワース邸・落水荘)
建築物とその特徴に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1パルテノン神殿(アテネ)は、ドリス式のオーダーによる周柱式と細部にイオニア式の要素を用いたギリシア建築である。2ミラノ大聖堂(ミラノ)は、多数の小尖塔のある外観を特徴とした、ロマネスク建築の代表的な建築物である。3クリスタル・パレス(ロンドン)は、鉄骨、ガラス等の部材の寸法を規格化し、それらを工場でつくるプレファブリケーションの手法を用いて建築された、ロンドン万国博覧会(1851年)の展示館である。4ファンズワース邸(アメリカ・イリノイ州)は、中央コア部分以外に間仕切壁をもたず、外壁が全てガラスで覆われた住宅である。5落水荘(アメリカ・ペンシルヴェニア州)は、2層の床スラブが滝のある渓流の上に張り出し、周囲の自然を眺められるように意図された住宅である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.2
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パルテノン神殿は、ドリス式のオーダーによる周柱式のギリシア建築で、細部にイオニア式の要素も取り入れている。
ミラノ大聖堂は、多数の小尖塔が立ち並ぶ外観を特徴とするゴシック建築。ロマネスク建築ではない。
クリスタル・パレスは、1851年のロンドン万国博覧会の展示館で、規格化した鉄骨やガラスの部材を工場でつくるプレファブリケーションの手法で建てられた。
ファンズワース邸(ミース・ファン・デル・ローエ)は、中央のコア部分以外に間仕切壁がなく、外壁が全てガラスの住宅。
落水荘(フランク・ロイド・ライト)は、床スラブが滝のある渓流の上に張り出し、周りの自然を眺められるようにした住宅。
🌤️ 環境工学(No.3〜No.10)
No.3建築環境工学(BOD・残響時間・PMV・LCCO₂・対流熱伝達)
建築環境工学に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1BOD(生物化学的酸素要求量)は、空気汚染を評価する指標の一つである。2残響時間は、音源から発生した音が停止してから、室内の平均音圧レベルが60 dB低下するまでの時間をいう。3PMV(予測平均温冷感申告)は、温度、湿度、気流、放射の四つの温熱要素に加え、人の着衣量と作業量を考慮した温熱環境指標のことである。4建築物のLCCO2は、ライフサイクルを通しての二酸化炭素の総排出量を示したものである。5対流熱伝達は、壁面などの固体表面とそれに接している空気との間に生じる熱移動現象のことである。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.3
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BOD(生物化学的酸素要求量)は、水中の有機物が微生物に分解されるときに使われる酸素の量で、水質汚濁を評価する指標。空気汚染の指標ではない。
残響時間は、音を止めてから室内の平均音圧レベルが60dB下がるまでの時間。
PMV(予測平均温冷感申告)は、温度・湿度・気流・放射の4つの温熱要素に、着衣量と作業量(代謝量)を加えた6つの要素から求める温熱環境指標。
LCCO₂は、建築物の建設から運用、解体・廃棄までのライフサイクルを通した二酸化炭素の総排出量。
対流熱伝達は、壁面などの固体の表面と、それに接する空気との間で起こる熱の移動。
No.4換気(換気回数・必要換気量・第3種換気・温度差換気・CO₂とCOの許容濃度)
換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1換気回数は、室の1時間当たりの換気量を室容積で除した値である。2汚染質が発生している室における必要換気量は、汚染質の発生量が同じ場合、その室の容積の大小によって変化する。3第3種機械換気方式は、室内を負圧に保持することにより、周辺諸室への汚染質の流出を防ぐことができるので、便所などに用いられる。4温度差換気において、外気温度が室内温度よりも低い場合、中性帯よりも下方から外気が流入する。5居室の空気中において、一般に、二酸化炭素の許容濃度は0.1%(1,000 ppm)であり、毒性の強い一酸化炭素の許容濃度は0.001%(10 ppm)である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.4
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換気回数(回/h)は、1時間当たりの換気量(㎥/h)を室容積(㎥)で割った値。
必要換気量=汚染質の発生量÷(室内の許容濃度−外気の濃度)で、室の容積は関係しない。汚染質の発生量が同じなら、容積の大小で必要換気量は変わらない。
第3種機械換気(自然給気・機械排気)は、室内を負圧に保つので、汚れた空気や臭気が周りの室へ流れ出しにくく、便所や浴室などに用いられる。
外気温度が室内温度より低いときは、暖かい室内の空気が上の開口から出ていき、中性帯より下の開口から外気が流入する。
居室の二酸化炭素の許容濃度は0.1%(1,000ppm)、一酸化炭素は出題当時0.001%(10ppm)とされていた(建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令第2条・建築基準法施行令第129条の2の6第3項の基準)。
一酸化炭素の含有率の基準は、建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令第2条が2022年4月1日から、建築基準法施行令第129条の2の5第3項(出題当時は第129条の2の6第3項)が2023年4月1日から、百万分の十(10ppm)から百万分の六(6ppm)以下に強化された。今の基準では、選択肢5の「一酸化炭素の許容濃度は0.001%(10ppm)」も適当とはいえず、不適当なものは選択肢2と5の2つになる。
No.5外壁の室内側表面結露の防止に有効な対策の組合せ
図に示す外壁におけるア~オの対策について、冬期の室内側表面結露を防止するうえで有効なもののみの組合せは、次のうちどれか。
図を押すと大きく表示します ア密閉空気層の厚さを、10 mmから20 mmにする。イ断熱材を、熱伝導率の小さいものに変更する。ウ密閉空気層の位置を、断熱材とコンクリートの間に変更する。エ室内側の壁付近に、気流を妨げる物を置かないようにする。オ断熱材の室内側に、防湿フィルムを設置する。1ア、イ、ウ2ア、イ、エ3ア、イ、オ4イ、エ、オ5ウ、エ、オ出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.5
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室内側の表面結露は、壁の室内側の表面温度が、室内の空気の露点温度より下がると起こる。表面温度を上げる対策が有効。
・ア 有効:密閉空気層を10mmから20mmに厚くすると、空気層の熱抵抗が大きくなり、壁の断熱性が上がる
・イ 有効:熱伝導率の小さい断熱材にすると、壁の断熱性が上がる
・ウ 有効でない:密閉空気層の位置を変えても、壁全体の熱抵抗(熱貫流率)は変わらず、室内側の表面温度はほとんど変わらない
・エ 有効:壁の近くに家具などを置いて気流を妨げると、壁の表面が暖まりにくくなる。気流を妨げないようにすると表面温度が下がりにくい
・オ 有効でない:断熱材の室内側の防湿フィルムは、水蒸気が壁の中に入るのを防ぐ内部結露の対策で、表面結露の防止には効果がない
No.6熱貫流率を下げるのに必要な断熱材の厚さ(計算)
熱貫流率が1.0 W/(㎡・K)の壁体について、熱伝導率0.03 W/(m・K)の断熱材を用いて熱貫流率を0.4 W/(㎡・K)とするために、必要となる断熱材の厚さは、次のうちどれか。
130 mm235 mm340 mm445 mm550 mm出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.6
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熱貫流率の逆数が、壁全体の熱貫流抵抗(㎡・K/W)。
・今の壁の熱貫流抵抗:1÷1.0=1.0㎡・K/W
・目標の熱貫流抵抗:1÷0.4=2.5㎡・K/W
・断熱材で増やす熱抵抗:2.5−1.0=1.5㎡・K/W
断熱材の熱抵抗=厚さ÷熱伝導率 なので、厚さ=1.5×0.03=0.045m=45mm。
熱貫流率の数字のまま引き算(1.0−0.4)しないこと。
No.7冬至の日の終日日影の範囲(コの字形の建築物の向き)
図は、北緯35度の地点において、水平面に建つ建築物の概略図である。この建築物の平面配置に応じた冬至の日における終日日影の範囲として、最も不適当なものは、次のうちどれか。
図を押すと大きく表示します 図を押すと大きく表示します 1(図の1.)2(図の2.)3(図の3.)4(図の4.)5(図の5.)出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.7
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北側に開いたコの字形。中庭は東・南・西の三方を建物に囲まれ、冬至の日の低い太陽の光が届かないので、中庭が終日日影になる。建物の北側にも、日の出・日の入りの方位で決まる三角形の終日日影ができる。
開いた側が北寄りを向いているので、南・東・西の光が建物に遮られ、中庭の大部分が終日日影になる。
開いた側が南西を向いているので、日中に南西からの光が中庭に差し込み、終日日影はできない。
開いた側が南を向いているので、中庭には日が当たる。北側の外に、建物の幅を底辺とし、日の出・日の入りの方位で決まる三角形の終日日影ができる。
灰色の範囲の北側の境界が真東西の線になっている。これは、日の出が真東・日の入りが真西の春分・秋分の日の終日日影の形。冬至の日は、北緯35度では日の出・日の入りの方位が真東・真西より約29°南に寄るので、終日日影の境界は東西の線から傾き、範囲はもっと広くなる。
No.8採光・照明(反射グレア・昼光率・事務作業の照度・色温度・北向きの窓の照度)
採光・照明等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1反射グレアは、視対象そのものや視対象の方向のショーウィンドウなどに、輝度の高い部分が正反射して生じるグレアである。2一つの側窓を有する室内のある点における昼光率は、一般に、窓からの距離が遠くなるほど低くなる。3事務室において、細かい視作業を伴う事務作業の作業面に必要な照度は、一般に、1,000 lx程度とされている。4光の色温度は、その光色の色度に近似する色度の光を放つ黒体の絶対温度で表される。5冬期における北向きの側窓によって得られる室内の照度は、一般に、薄曇りの時より晴天時のほうが高い。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.8
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反射グレアは、見ている物や、その方向にあるショーウィンドウなどに、輝度の高い部分が正反射して起こるまぶしさ。
一つの側窓の室では、窓から遠くなるほど見える空が小さくなるので、昼光率は低くなる。
細かい視作業を伴う事務作業の作業面の照度は、一般に、1,000lx程度とされる。
光の色温度は、その光の色に近い色の光を出す黒体の絶対温度(K)で表す。低いと赤みがかった暖かい色、高いと青白い色になる。
北向きの側窓には直射日光がほとんど入らず、室内は天空光で照らされる。天空光の明るさ(全天空照度)は、快晴の青空より薄曇りの時のほうが高い(設計用全天空照度は、快晴の青空10,000lx、薄曇りの特に明るい日50,000lx)。室内の照度も薄曇りの時のほうが高い。
No.9音(耳の感度・床衝撃音の等級・点音源の距離減衰・NC値・室内騒音の許容値)
音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1同じ音圧レベルの場合、一般に、1,000 Hzの純音より125 Hzの純音のほうが小さく聞こえる。2日本工業規格(JIS)における床衝撃音遮断性能の等級Lrについては、その数値が小さくなるほど床衝撃音の遮断性能が高くなる。3音が球面状に一様に広がる点音源の場合、音源からの距離が2倍になると音圧レベルは約3 dB低下する。4室内騒音レベルの許容値をNC値で示す場合、その数値が小さくなるほど許容される室内騒音レベルは低くなる。5室内騒音レベルの許容値は、「音楽ホール」より「住宅の寝室」のほうが高い。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.9
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人の耳は低い音に鈍いので、同じ音圧レベルなら、125Hzの純音は1,000Hzの純音より小さく聞こえる。
床衝撃音遮断性能の等級Lrは、数値が小さいほど、下の階に伝わる床衝撃音が小さく、遮断性能が高い(日本工業規格〔JIS〕は、2019年7月1日から「日本産業規格」に名前が変わった)。
点音源からの音は球面状に広がり、音の強さは距離の2乗に反比例するので、距離が2倍になると音圧レベルは約6dB下がる。約3dB下がるのは、円筒状に広がる線音源の場合。
NC値は、数値が小さいほど静かな状態を求める基準なので、許容される室内騒音レベルは低くなる。
室内騒音の許容値は、音楽ホールのほうが厳しく(NC-15〜20程度)、住宅の寝室(NC-25〜30程度)のほうが高い。
No.10屋外気候(二酸化炭素とヒートアイランド・海陸風・相対湿度の日変化・気温の遅れ・地中温度)
屋外気候に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1大気中の二酸化炭素濃度の上昇は、地球規模の気温上昇を招くとともに、ヒートアイランド現象の主たる原因となる。2快晴日における海岸地方の風は、日中は海から陸へ、夜間は陸から海へ吹く傾向がある。3快晴日における屋外の絶対湿度は、一般に、1日の中ではあまり変化しないので、相対湿度は気温の高い日中に低く、気温の低い夜間に高くなる。4我が国においては、夏至の頃に地表面に入射する日射量が最大になるが、土壌等に熱を蓄える性質があるので、月平均気温が最高になるのは夏至の頃よりも遅くなる。5深さ10~100 mの地中温度は、一般に、その地域の年平均気温よりわずかに高く、年間を通じて安定している。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.10
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大気中の二酸化炭素濃度の上昇は、地球規模の気温上昇(地球温暖化)の原因だが、ヒートアイランド現象の主な原因ではない。ヒートアイランド現象の主な原因は、地表面の舗装化、建物や車などからの人工排熱、緑地や水面の減少など。
快晴日の海岸地方では、日中は暖まりやすい陸に向かって海から風が吹き(海風)、夜間は冷えやすい陸から海へ風が吹く(陸風)。
快晴日の絶対湿度は1日の中であまり変わらないので、気温が高い日中は相対湿度が低く、気温が低い夜間は相対湿度が高くなる。
日射量は夏至の頃に最大になるが、地面や海などが熱を蓄えるので、月平均気温が最高になるのは夏至より遅れる(7月下旬〜8月)。
深さ10〜100m程度の地中温度は、一年中ほぼ一定で、その地域の年平均気温よりわずかに高い。
🏫 各種建築物の計画・まちづくり(No.11〜No.18)
No.11住宅の計画(夫婦の寝室の広さ・江戸間・ダイニングの広さ・スイッチの高さ・階段の手すり)
住宅の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1収納ユニット(幅2,400 mm、奥行600 mm)、シングルベッド2台、ナイトテーブル2台及び化粧台がある夫婦の寝室の広さを、内法面積で15㎡とした。2和室を江戸間(田舎間)とするに当たって、柱と柱の内法寸法を、基準寸法(畳の短辺寸法)の整数倍とした。3食器棚(幅1,800 mm、奥行450 mm)と6人掛けの食卓があるダイニングの広さを、内法面積で13㎡とした。4電灯の壁付きスイッチの高さを、床面から1,200 mmとした。5屋内階段における手摺の高さを、踏面の先端の位置から800 mmとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.11
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収納ユニット、シングルベッド2台、ナイトテーブル2台、化粧台を置く夫婦の寝室は、内法面積で15㎡程度あれば計画できる。
江戸間(田舎間)は、柱の中心間の寸法を基準寸法の整数倍とする(柱割り)。柱と柱の内法寸法を畳の寸法の整数倍とするのは京間(畳割り)。
食器棚と6人掛けの食卓を置くダイニングは、内法面積で13㎡程度あれば計画できる。
電灯の壁付きスイッチの高さは、床面から1,200mm程度が一般的(高齢者や車椅子使用者に配慮する場合は、もう少し低くする)。
屋内階段の手すりの高さは、踏面の先端から750〜850mm程度とする。800mmは適当。
No.12集合住宅(コンバージョン・ボイド型・テラスハウス・スケルトンインフィル・コモンアクセス)
集合住宅の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1コンバージョンは、既存の事務所ビル等を集合住宅等に用途変更・転用させる手法である。2ボイド型は、階段・エレベーター等をコアとして設け、コアとつながった共用廊下の中央に吹抜けを配置した形式である。3テラスハウスは、各住戸が区画された専用の庭をもつ連続住宅であり、各住戸が戸境壁を共有しながらも、庭があることで独立住宅としての要素を有する。4スケルトンインフィル住宅は、「建築物の躯体や共用設備部分」と「住戸専有部分の内装や設備」とを明確に分けて計画することによって、住戸の更新性や可変性を高めた集合住宅である。5コモンアクセスは、共用庭と各住戸へのアクセス路とを分離した形式で、動線はアクセス路側が中心となり、共用庭の利用は限られたものになりやすい。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.12
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コンバージョンは、使われなくなった事務所ビルなどを、集合住宅などの別の用途に変更して活用する手法。
ボイド型は、階段・エレベーターなどのコアとつながる共用廊下の中央に、吹抜け(ボイド)を設けた形式。
テラスハウスは、各住戸が戸境壁を共有しながら、区画された専用の庭をもつ連続住宅で、独立住宅に近い住み心地がある。
スケルトンインフィル住宅は、躯体や共用設備(スケルトン)と、住戸内の内装や設備(インフィル)を分けて計画し、住戸の更新性や可変性を高めた集合住宅。
コモンアクセスは、各住戸へのアクセス路を共用庭と一体にし、住民が共用庭を通って各住戸に出入りする形式。日常の動線が共用庭を通るので、共用庭がよく使われ、住民の交流も生まれやすい。記述は、共用庭とアクセス路を分けた形式の説明。
No.13事務所ビル・商業建築(システム天井・ダブルコアのレンタブル比・並行式レイアウト・ビジネスホテル・量販店)
事務所ビル、商業建築の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1システム天井は、モデュール割りに基づいて、設備機能を合理的に配置することができるユニット化された天井である。2ダブルコアプランにおいて、ブロック貸しや小部屋貸しの賃貸方式は、一般に、レンタブル比を高めることができる。3事務室の机の配置方式において、特に業務に集中することが必要な場合、一般に、対向式レイアウトよりも並行式レイアウトのほうが適している。4ビジネスホテルにおいて、客室部門の床面積の合計は、一般に、延べ面積の60~70%程度である。5量販店において、売場部分の床面積の合計(売場内の通路を含む。)は、一般に、延べ面積の60~65%程度である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.13
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システム天井は、モデュール割りに合わせて照明・空調・防災などの設備をまとめて組み込んだ、ユニット化された天井。
ダブルコアプラン(両端にコアを置く形式)は、2方向避難がしやすく、1フロアを広く使う貸し方に向く。ブロック貸しや小部屋貸しにすると、各区画へ行く廊下(共用部分)が増えるので、レンタブル比は低くなる。
並行式レイアウトは、机を同じ向きに並べて互いに顔を合わせないので、業務に集中しやすい。対向式は、打合せや連絡がしやすい。
ビジネスホテルは、宴会場などが少ないので、客室部門の床面積の合計は延べ面積の60〜70%程度と大きい。
量販店の売場部分の床面積の合計(売場内の通路を含む)は、延べ面積の60〜65%程度。
No.14教育施設等(図書館の閲覧室・床の仕上げ・小学校の運営方式・車椅子の転回スペース・高齢者の照度)
教育施設等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1地域図書館において、書架を設置しない40人収容の閲覧室の床面積を、100㎡とした。2地域図書館において、閲覧室の床の仕上げは、歩行音の発生を抑制するため、タイルカーペットとした。3小学校において、学年ごとのカリキュラムに対応するため、低学年は総合教室型とし、高学年は特別教室型とした。4車椅子使用者に配慮し、居室入口前の廊下は、車椅子使用者が転回しやすくするため、直径1,200 mmの転回スペースを計画した。5高齢者の使用する居室の作業領域の照度は、日本工業規格(JIS)の照明設計基準の2倍を目安とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.14
▼ 解答・解説を見る(No.14)▲ 解答・解説を閉じる
書架を置かない閲覧室は、1人当たり2.5㎡程度(40人で100㎡)あれば計画できる。
閲覧室の床をタイルカーペットにすると、歩く音が出にくく、静かな環境を保ちやすい。
小学校では、学級の教室で多くの教科を学ぶ低学年は総合教室型、教科ごとに専門の教室を使う高学年は特別教室型とするなど、学年に応じて運営方式を変える。
車椅子使用者が転回(360°回転)するには、直径1,500mm程度の空間が必要。直径1,200mmでは転回しにくい。
高齢者は視力が低下するので、作業領域の照度は、JISの照明設計基準の1.5〜2倍程度を目安とする(日本工業規格〔JIS〕は、2019年7月1日から「日本産業規格」に名前が変わった)。
No.15文化施設(アダプタブルステージ・学芸員の研究部門・ミュージアムショップ・シューボックス型・コミュニティセンター)
文化施設の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1劇場において、演目に応じて舞台と観客席との関係を変化させることができるように、アダプタブルステージ形式を採用した。2博物館において、学芸員の研究部門は、収蔵部門に近接して配置した。3美術館において、ミュージアムショップを、エントランスホールに面して配置した。4コンサートホールにおいて、演奏者と聴衆との一体感を生み出すことを意図して、ステージを客席が取り囲むシューボックス型の空間形式を採用した。5コミュニティセンターにおいて、図書室や会議室などのゾーンと体育室や実習室などのゾーンとは、離して配置した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.15
▼ 解答・解説を見る(No.15)▲ 解答・解説を閉じる
アダプタブルステージは、舞台と客席の形や関係を、演目に応じて変えられる形式。
博物館の学芸員の研究部門は、資料の調査・研究をしやすいように、収蔵部門に近接させる。
ミュージアムショップは、展示を見ない人も利用しやすいように、エントランスホールに面して配置する。
ステージを客席が取り囲み、演奏者と聴衆の一体感を生む空間形式はアリーナ型(ヴィンヤード型)。シューボックス型は、靴箱のような長方形の箱形の空間で、ステージは一方の端にあり、客席がステージを取り囲むことはない。
コミュニティセンターでは、静かに使う図書室や会議室のゾーンと、音や振動の出る体育室や実習室のゾーンを離して配置する。
No.16各室の所要床面積(特別養護老人ホーム・ケアハウス・小児用病室・保育室・ほふく室)
建築物の各室の内法寸法による所要床面積に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1特別養護老人ホームにおいて、定員1人の居室の床面積を12㎡とした。2軽費老人ホーム(ケアハウス)において、定員1人の居室の床面積を24㎡とした。3病院において、定員4人の小児用病室の床面積を20㎡とした。4保育所において、4歳児を対象とした定員20人の保育室の床面積を44㎡とした。5保育所において、乳児及び2歳未満の幼児を対象とした定員10人のほふく室の床面積を28㎡とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.16
▼ 解答・解説を見る(No.16)▲ 解答・解説を閉じる
特別養護老人ホームの居室の床面積は、入所者1人当たり10.65㎡以上(特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準第11条第4項第一号ハ)。12㎡は満たしている。
軽費老人ホーム(ケアハウス)の居室の床面積は、1室21.6㎡以上(軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準第10条第4項第一号ハ)。24㎡は満たしている。
病室の床面積は内法で患者1人につき6.4㎡以上だが、小児だけの病室はその3分の2以上とすることができる(医療法施行規則第16条第1項第三号イ・第四号)。4人なら6.4×4×2/3≒17.1㎡以上で、20㎡は満たしている。
2歳以上の幼児の保育室の面積は、1人につき1.98㎡以上(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第32条第六号)。20人なら39.6㎡以上で、44㎡は満たしている。
ほふく室の面積は、乳児または2歳未満の幼児1人につき3.3㎡以上(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第32条第三号)。定員10人なら33㎡以上必要で、28㎡では足りない。
特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準 第11条第4項第一号ハ(居室の床面積)、軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準 第10条第4項第一号ハ(居室の床面積)、医療法施行規則 第16条第1項第三号イ・第四号(病室・小児の病室の床面積)、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第32条第三号・第六号(ほふく室・保育室の面積)
No.17車椅子使用者に配慮した計画(駐車場からの通路・キックプレートの高さ・コンセント・屋内傾斜路・便座の手すり)
車椅子使用者に配慮した建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1車椅子使用者専用駐車場から建築物の入口までの通路は、屋根を設けるとともに、車椅子使用者及び歩行者の専用とし、幅員を120 cmとした。2室内の廊下において、キックプレートと兼用した幅木を設けるに当たり、その高さを床面から25 cmとした。3壁付きコンセントの取付け高さを、床面から40 cmとした。4高低差が16 cmの屋内傾斜路において、傾斜路の両側とも手摺を設けず、勾配を1/15とした。5腰掛け便座の両側に手摺を設け、手摺同士の間隔を70 cmとした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.17
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車椅子使用者用の駐車場から入口までの通路の幅は、120cm以上とする(バリアフリー法施行令第18条第2項第七号イ)。あわせて屋根を設け、雨にぬれずに移動できるようにするのは、車椅子使用者への配慮として適当。
キックプレートを兼ねた幅木は、車椅子のフットレストや車輪が当たって壁が傷つくのを防ぐもので、フットレストの高さに合わせて床面から35cm程度とする。25cmでは低い。
車椅子使用者が使いやすいコンセントの高さは、床面から40cm程度。
勾配が1/12を超えるか、高さが16cmを超える傾斜路には手すりが必要(バリアフリー法施行令第13条第一号)。高低差16cm・勾配1/15なら、どちらにも当たらないので手すりを設けなくてよく、勾配も1/12以下を満たす。
腰掛け便座の両側の手すりの間隔は、70cm程度とする。
バリアフリー法施行令 第13条第一号(傾斜路の手すり)、第18条第2項第四号ロ(傾斜路の勾配)・第七号イ(敷地内の通路の幅)
No.18まちづくり(パークアンドライド・トランジットモール・ボンエルフ・スプロール・ペデストリアンデッキ)
まちづくりに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1パークアンドライドは、周辺の駅に整備された駐車場まで自動車で行き、そこから公共交通機関を利用して、中心市街地へ移動することによって、中心市街地への自動車の流入を減らすための手法である。2トランジットモールは、歩行者用の空間であるモールの形態の一つであり、一般の自動車の進入を排除して、路面電車やバスなどの公共交通機関に限って走行を認めたものである。3ボンエルフは、住宅地において、通過交通を排除し、歩行者と自動車の動線を完全に分離させるための手法である。4スプロールは、都市周辺部において、市街地が無計画、無秩序に拡大していく現象である。5ペデストリアンデッキは、歩行者と自動車の動線分離を目的とした高架の歩廊である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.18
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パークアンドライドは、郊外の駅などの駐車場まで自動車で行き、公共交通機関に乗り換えて中心市街地へ向かう手法で、中心市街地への自動車の流入を減らせる。
トランジットモールは、一般の自動車を入れず、路面電車やバスなどの公共交通機関だけ走行を認めた歩行者のための空間。
ボンエルフは、住宅地の道路を蛇行させたり、ハンプ(路面の盛り上がり)を設けたりして自動車の速度を落とさせ、歩行者と自動車の共存を図る手法。歩行者と自動車の動線を完全に分離するのはラドバーン方式。
スプロールは、都市の周辺で、市街地が無計画・無秩序に広がっていく現象。
ペデストリアンデッキは、駅前などで歩行者と自動車の動線を分けるための高架の歩廊。
🔧 建築設備(No.19〜No.25)
No.19建築設備の用語の組合せ(ミキシングバルブ・膨張管・ダンパー・アウトレットボックス・ウォールウォッシャ)
建築設備に関する次の用語の組合せのうち、最も関係の少ないものはどれか。
1排水設備ミキシングバルブ2給湯設備膨張管3換気設備ダンパー4電気設備アウトレットボックス5照明設備ウォールウォッシャ出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.19
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ミキシングバルブ(混合弁)は、湯と水を混ぜて適温にする弁で、給湯設備の用語。排水設備とは関係が少ない。
膨張管は、湯を加熱したときの水の膨張分を逃がす管で、給湯設備の用語。
ダンパーは、ダクトの中の風量を調整したり、火災時に閉じて煙や炎を遮ったりする装置で、換気設備(空調設備)の用語。
アウトレットボックスは、配線の接続やスイッチ・コンセントなどの器具の取付けのために、配管の途中や端に設ける箱で、電気設備の用語。
ウォールウォッシャは、壁面を均一に明るく照らす照明の手法(器具)で、照明設備の用語。
No.20空気調和設備(水方式の換気・二重ダクト方式・ファンコイルユニット・氷蓄熱・置換換気)
空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1中央熱源方式の空気調和設備において、水方式の場合は、換気機能を有する装置が必要となる。2二重ダクト空調方式は、建築物内の間仕切の変更に対して柔軟に対応できる。3ファンコイルユニットは、屋外に設置するもので、一般に、冷温水コイルを用いて冷却・加熱した空気を循環送風する小型ユニットである。4同一量の蓄熱をする場合、氷蓄熱方式は、水蓄熱方式に比べて、蓄熱槽の容積を小さくすることができる。5置換換気・空調は、空気の浮力を利用した換気・空調方式である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.20
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水方式(ファンコイルユニット方式など)は、冷温水で室内の空気を冷却・加熱するだけで、外気を取り入れる機能がないので、別に換気の装置が必要。
二重ダクト方式は、冷風と温風を室ごとに混ぜて温度を調整できるので、間仕切の変更に柔軟に対応できる。
ファンコイルユニットは、送風機と冷温水コイルなどを組み込んだ小型の空調機で、室内(窓下・天井内など)に設置し、室内の空気を冷却・加熱して循環させる。屋外に設置するものではない。
氷蓄熱は、水が氷になるときの潜熱も使って蓄熱するので、同じ熱量なら水蓄熱より蓄熱槽を小さくできる。
置換換気・空調は、床近くから室温より少し低い空気を低速で供給し、人や機器で暖められた空気が浮力で上昇するのを利用して、天井近くから排気する方式。
No.21給水設備(給水引込管の管径・受水槽の容量・残留塩素・上向き配管・さや管ヘッダ工法)
給水設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1高置水槽方式は、一般に、水道直結増圧方式に比べて、給水引込管の管径が大きくなる。2事務所ビルにおける飲料水の受水槽の有効容量は、一般に、1日当たりの予想給水量の1/3~1/2程度とする。3上水道の給水栓からの飲料水には、所定の値以上の残留塩素が含まれていなければならない。4ポンプ直送方式などで用いられる給水管の上向き配管方式は、一般に、最下階の天井に主管を配管し、これより上方の器具へ上向きに給水する。5さや管ヘッダ配管工法は、管の更新性に優れ、同時使用時の水量の変化が少なく、安定した給水ができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.21
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高置水槽方式は、水道の水をいったん受水槽にためるので、給水引込管は平均的な使用水量に応じた太さでよい。水道直結増圧方式は、使う瞬間の最大の水量を水道管から直接引き込むので、給水引込管の管径は水道直結増圧方式のほうが大きくなる。
受水槽の有効容量は、一般に、1日当たりの予想給水量の1/3〜1/2程度とする(大きすぎると水が滞留して水質が悪くなる)。
給水栓の水は、遊離残留塩素を0.1mg/l以上保つように消毒する(水道法施行規則第17条第1項第三号)。
上向き配管方式は、最下階の天井などに主管を配管し、そこから上の階の器具へ上向きに給水する方式。
さや管ヘッダ工法は、ヘッダから各器具まで継手なしで配管するので管を交換しやすく、同時に使っても水量の変化が少なく安定して給水できる。
水道法施行規則 第17条第1項第三号(給水栓の遊離残留塩素 0.1mg/l 以上)
No.22排水設備(Sトラップ・雨水立て管・通気管・雨水排水ます・間接排水)
排水設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1Sトラップは、掃除流しなどに用いると、ため洗い後に自己サイホン作用による破封を起こすおそれがある。2雨水立て管は、排水立て管、通気立て管のいずれとも兼用してはならない。3通気管は、排水管内の圧力変動を緩和するために設ける。4雨水排水ますには、雨水中に混在する泥などが円滑に自然流下できるように、流れの方向にインバートを設ける。5間接排水の目的は、一般排水系統からの逆流や臭気等の侵入を防止することである。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.22
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Sトラップは、掃除流しなどでため洗いの水を一気に流すと、自己サイホン作用で封水が引き出され、破封するおそれがある。
雨水立て管は、大雨のときに満流になるおそれがあるので、排水立て管や通気立て管と兼用してはならない。
通気管は、排水管内の圧力変動を緩和して、トラップの封水が破られるのを防ぐために設ける。
雨水排水ますには、雨水に混ざった泥などを沈めて下流に流さないように、深さ150mm以上の泥だめを設ける。流れの方向に沿ってインバート(溝)を設けるのは、汚物を滞らせずに流す汚水ます。
間接排水は、排水管に直接つながず、排水口空間を設けて排水する方法で、一般排水系統からの逆流や臭気の侵入を防ぐことが目的。
No.23事務所ビルの電気設備(幹線サイズ・分電盤の位置・遮断器・受電の電圧・進相コンデンサ)
事務所ビルの電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1許容電流と電圧降下を考慮して、負荷容量と電線の長さから、幹線サイズを決定する。2分電盤は、一般に、保守・点検が容易で、かつ、負荷の中心の近くに設ける。3遮断器やヒューズを設ける目的は、回路に事故が発生した場合、直ちに事故回路を電源から切り離し、事故の拡大を防止することである。4電力の供給において、想定契約電力が40 kWとなる場合、一般に、高圧受電となる。5誘導電動機への進相コンデンサの接続は、力率が改善されるので、無効電流による電力損失を少なくできる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.23
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幹線のサイズは、許容電流と電圧降下を考えて、負荷の容量と電線の長さから決める。
分電盤は、保守・点検がしやすく、電圧降下を小さくできるように、負荷の中心の近くに設ける。
遮断器やヒューズは、短絡や過電流などの事故が起きたときに、すぐに事故の回路を電源から切り離し、事故の拡大を防ぐために設ける。
電気事業者から受電する電圧は、一般に契約電力で決まり、50kW未満は低圧受電(100V・200V)、50kW以上2,000kW未満は高圧受電(6,600V)が目安。40kWなら一般に低圧受電。
進相コンデンサを誘導電動機に接続すると力率が改善され、無効電流が減るので、配線などの電力損失を少なくできる。
No.24照明(照明率・保守率・室指数・配光・演色性)
照明に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1照明率は、光源から出た全光束のうち、作業面に到達する光束の割合である。2保守率は、時間の経過に伴う照度低下の補正係数である。3室指数は、対象の室の光源の高さにかかわらず、その室の間口と奥行から求められる。4配光は、光源の各方向に対する光度の分布である。5演色性は、物体色の見え方に変化を起こす光源の性質である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.24
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照明率は、光源から出た全光束のうち、作業面に届く光束の割合。
保守率は、ランプの光束の低下や器具の汚れなどで、時間とともに照度が下がることを見込む補正係数。
室指数は、室の間口をX、奥行をY、作業面から光源までの高さをHとすると、X・Y÷{H×(X+Y)}で求める。光源の高さも関係する。
配光は、光源から各方向に出る光の強さ(光度)の分布。
演色性は、物の色の見え方に影響する光源の性質。自然光に近い見え方をするものほど演色性がよい。
No.25省エネルギー・省資源(自然換気による冷房・昼光の併用・雨水の集水・屋上緑化・ダブルスキンとエアバリア)
省エネルギー・省資源に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1空調エネルギーを低減するため、夏期の夜間や中間期において自然換気による冷房を行った。2使用電力量を低減するため、自然採光と人工照明を併用した。3雨水利用システムにおける雨水の集水場所を、集水する雨水の汚染度を考慮して、屋根面とした。4冷房負荷を低減するため、屋上・壁面緑化や屋根散水を採用した。5窓システムにおいて、日射による窓部からの熱負荷低減を図るため、ダブルスキン方式に比べて日射による熱負荷の低減効果が高いエアバリア方式を採用した。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅰ(建築計画)」No.25
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夏期の夜間や中間期に、外の涼しい空気を取り入れる自然換気で冷房すると(ナイトパージなど)、空調のエネルギーを減らせる。
自然採光を取り入れ、明るさが足りない分だけ人工照明で補うと、照明の使用電力量を減らせる。
雨水利用の集水場所は、汚れが少なく集水しやすい屋根面とするのが一般的。
屋上・壁面緑化や屋根散水は、日射による建物の温度上昇を抑え、冷房負荷を減らせる。
ダブルスキン方式は、外壁の外側にもう一枚ガラスを設け、その間の中空層のブラインドで受けた日射熱を、換気で屋外に排出する方式で、日射による熱負荷の低減効果が高い。エアバリア方式は、窓の室内側のブラインドとの間に空気を流して窓まわりの熱を排気する方式で、日射熱負荷の低減効果は一般にダブルスキン方式より低い。
平成30年の合格基準点(学科の試験)
配点は各問題1点(各科目25点・合計100点)で、各科目の基準点と総得点の基準点のすべてに達した人が合格です。
| 学科Ⅰ 計画 | 学科Ⅱ 法規 | 学科Ⅲ 構造 | 学科Ⅳ 施工 | 総得点 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 合格基準点 | 13点 | 13点 | 13点 | 13点 | 60点 |
出典:建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験『学科の試験』の合格基準点等について」
平成30年の計画の基準点は13点でした。計画は法令集を使えない科目で、建築史・環境工学・各種建築物の計画・建築設備と範囲が広いので、毎年ほぼ同じ順番で出る分野ごとに、過去問で正誤の理由まで説明できるようにしておくと安心です。
ほかの年度・ほかの科目の過去問
この記事の問題文と図は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している平成30年 二級建築士試験(学科の試験)の問題から、著作権法第32条の引用として掲載しています。著作権は同センターにあります。
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