要点と過去問10年分
一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)の No.4 で毎年出題される「伝熱・断熱」について、熱貫流率と温度分布、断熱材と中空層、開口部の日射と熱を要点にまとめ、令和8年〜平成29年の10年分の過去問を図つきで解説します。

伝熱・断熱の出題の傾向(令和8年〜平成29年)
伝熱は、毎年 No.4(令和2年は No.2 にも)に出ています。正答は、熱貫流率と温度分布(断熱の位置・材料の入れ替え・熱伝導率の読み取り・熱伝導率を変えたときの温度)が5回、断熱材と中空層(真空・含水)が3回、日射(日射遮蔽係数・日射熱取得率)が2回、熱容量の図が1回です。
No.2・No.4 に出題(10年のうち10年・11問)。この記事で解説する選択肢は28肢、図・表・計算の問題は4問(問題ごとに掲載)です。
過去問の問題文と選択肢は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している一級建築士試験の問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各選択肢の枠の右下に出典)。正答は、同センターの「合格基準点等(正答肢)」と照らし合わせています。
「要点」は、今の法令・基準や設計の資料でまとめています。過去問の解説は、年度別の記事と同じく出題当時の基準によります。その後の改定で答えが変わる選択肢には「🔶 現在の基準では」の枠を付けています。
🧱 熱貫流率・温度分布・熱容量
📖 熱貫流率と温度分布
熱貫流率は、材料の熱抵抗と表面の熱伝達抵抗の合計で決まります。断熱の位置や材料の並び順では変わらない、が繰り返し問われます。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 熱貫流率と断熱の位置 | 材料の種類と厚さが同じなら、内断熱でも外断熱でも同じ(取合いの熱橋を考えない場合)。並び順を入れ替えても同じ |
| 大きくなる条件 | 屋外の風速が大きい・外壁の表面の放射率が大きいと、表面の熱伝達抵抗が小さくなり熱貫流率は大きい。各部材の熱伝導抵抗が大きいほど小さい |
| 表面の熱伝達 | 総合熱伝達率=対流熱伝達率+放射熱伝達率。対流熱伝達率は外部の風速が大きいほど大きく、室内の壁の自然対流熱伝達率は壁と空気の温度差が大きいほど大きい。外気側の総合熱伝達率は、外気温度と同じ温度の黒体に囲まれ、日射・夜間放射がないとみなした値 |
| 定常の温度分布 | どの層も同じ熱量が流れるので、温度の勾配が急な層ほど熱伝導率が小さい(断熱材)。材料を入れ替えても室内表面温度は変わらず、表面結露の防止には効果がない(内部結露のしやすさは変わる) |
| 熱容量 | 熱容量が大きいと暖まりにくく冷めにくい。断熱性能が高いほど到達する室温は高い。断熱材より室内側に熱容量の大きい層があると、暖房の立ち上がりが遅い |
| 断熱と室内環境 | 断熱性能を高めると、室温と室内表面温度の差が小さくなり、上下の温度差も小さい。熱橋は室内側の表面温度が外気温に近く(冬は低く)なり結露しやすい |
✏️ 過去問:熱貫流率・表面の熱伝達・断熱と室内環境(10年で12肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。
問題:外壁の熱貫流率に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
外壁の熱貫流率は、外壁と屋根や床等との取合い部における熱伝導を考慮しない場合、一般に、構造体の室内側で断熱するよりも室外側で断熱するほうが小さくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.2 選択肢1
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
外壁の熱貫流率は、構成する材料の熱抵抗の合計で決まるので、取合い部の熱橋を考えなければ、内断熱でも外断熱でも同じになる。
問題:熱伝導率・熱貫流率に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
外壁の熱貫流率は、外壁を構成する材料の種類や材厚が同じ条件の場合、一般に、躯体の屋外側で断熱するよりも、室内側で断熱するほうが大きくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢4
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熱貫流率は、構成する材料の熱抵抗の合計で決まるので、材料の種類と厚さが同じなら、外断熱でも内断熱でも同じになる。断熱の位置で変わるのは、熱容量の効き方(室温の変化の速さ)や結露のしやすさ。
問題:外壁の熱貫流率に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
外壁を構成する各部材の熱伝導抵抗が大きくなると、一般に、熱貫流率は小さくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.2 選択肢2
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問題:外壁の熱貫流率に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
外壁表面の放射率が大きくなると、一般に、熱貫流率は大きくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.2 選択肢3
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外壁の表面の放射率が大きいと、放射による熱伝達が大きくなって表面の熱伝達抵抗が小さくなるので、熱貫流率は大きくなる。
問題:外壁の熱貫流率に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
屋外の風速が大きくなると、一般に、熱貫流率は大きくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.2 選択肢4
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問題:熱伝導率・熱貫流率に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
屋外の風速が大きくなると、一般に、外壁の熱貫流率は大きくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢3
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問題:建築物の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
壁体の総合熱伝達率は、「対流熱伝達率」と「放射熱伝達率」の合計である。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢3
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問題:建築物の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
外壁表面の対流熱伝達率は、外部風速が大きいほど大きくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢4
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問題:建築物の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
室内の壁表面における自然対流熱伝達率は、壁表面と室内空気との温度差が大きくなるほど高くなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢2
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問題:建築物の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
外壁面の外気側における総合熱伝達率は、外壁面が外気温度に等しい黒体で覆われていると仮定し、日射や夜間放射の影響がないものとみなした値である。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢4
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外気側の総合熱伝達率は、外壁面が外気温度と同じ温度の黒体に囲まれていると仮定し、日射や夜間放射の影響がないものとして、対流と放射の熱伝達をまとめた値。
問題:伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
室の断熱性能を高めることにより、一般に、室温と室内表面温度との差を小さくすることができ、室内の上下の温度差も小さくすることができる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢1
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断熱性能を高めると、壁などの室内表面温度が室温に近づき、冷たい面による下降気流も減るので、室内の上下の温度差も小さくなる。
問題:建築物の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
外壁において、熱橋部分の室内側表面温度は、一般に、熱橋部分以外の部分の室内側表面温度に比べて、外気温度に近くなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢1
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熱橋(柱・梁などで断熱が途切れた所)は熱が流れやすいので、室内側の表面温度が外気温度に近く(冬は低く)なり、結露しやすい。
✏️ 過去問:外壁の内部の温度分布・熱容量(図の問題)(10年で4問)
温度の勾配が急な層が断熱材、と読み取ってから選択肢を確かめます。熱容量の問題は「熱容量は速さ、断熱は高さ」です。
令和8年 No.4外壁A・Bの内部の温度分布(熱貫流率・熱容量・熱伝導率・防湿層)
図は、冬期において、定常状態にある外壁A、Bの内部における温度分布を示したものである。次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、図中の外壁A、Bを構成する部材ア~エの各材料と厚さ、室内外の温度、対流、熱放射等の条件は、それぞれ同じものとする。
図を押すと大きく表示します 1AとBの熱貫流率は等しい。2イの熱容量が大きい場合、Bは、Aに比べて、暖房を開始してから設定温度に達するまでに時間を要する。3ウは、イに比べて、熱伝導率が大きい。4冬期における内部結露を防ぐための防湿層を設ける場合、A、Bともに、ウより室内側に設ける必要がある。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4
▼ 解答・解説を見る(No.4)▲ 解答・解説を閉じる
A と B は、同じ材料・同じ厚さの部材ア〜エの並び順が違うだけなので、熱抵抗の合計が同じで、熱貫流率は等しい。
B では、イが断熱材のウより室内側にある。イの熱容量が大きいと、暖房の熱がまずイを温めるのに使われるので、A に比べて設定温度に達するまでに時間がかかる。
定常状態では、どの層にも同じ量の熱が流れるので、温度の勾配が急な層ほど熱を通しにくい。図ではウの勾配がイより急なので、ウはイに比べて熱伝導率が小さい(ウが断熱材)。
冬期の内部結露を防ぐ防湿層は、断熱材(ウ)の室内側(高温・高湿の側)に設ける。A・B とも、ウより室内側に設ける。
令和5年 No.4外壁の内部の温度分布(熱伝導率の大小・熱伝導率を変えたときの温度・材料の入れ替えと表面結露)
図は、冬期において、定常状態にある外壁の内部及び周囲の温度分布を示したものである。次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、図中の屋外温度to、室内温度ti及び材料の厚さdの条件は変わらないものとする。
図を押すと大きく表示します 1材料(ア)は、材料(イ)より熱伝導率が小さい。2材料(ア)の熱伝導率を大きくすると、材料(イ)の各部分の温度が下がる。3材料(イ)の熱伝導率を小さくすると、材料(ア)の各部分の温度が上がる。4材料(ア)と材料(イ)を入れ替えたとしても、室内表面結露の防止には効果がない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4
▼ 解答・解説を見る(No.4)▲ 解答・解説を閉じる
定常状態では、どの層にも同じ量の熱が流れるので、厚さが同じなら、温度の勾配が急な層ほど熱伝導率が小さい。図では材料(ア)の勾配のほうが急なので、(ア)は(イ)より熱伝導率が小さい。
(ア)の熱伝導率を大きくすると、壁全体の熱抵抗が小さくなって流れる熱が増える。室内側から見ると、室内表面と(イ)の中の温度降下が大きくなるので、(イ)の各部分の温度は下がる。
(イ)の熱伝導率を小さくすると、壁全体の熱抵抗が大きくなって流れる熱が減る。屋外側から見ると、屋外表面と(ア)の中の温度上昇が小さくなるので、(ア)の各部分の温度は下がる。上がるのではない。
材料を入れ替えても、熱抵抗の合計(熱貫流率)は変わらないので、流れる熱も室内側の表面温度も変わらない。室内表面結露の防止には効果がない(内部結露のしやすさは変わる)。
平成29年 No.4外壁の内部の温度分布(熱伝導率の大小・熱伝導率を変えたときの温度・材料の入れ替えと表面結露)
図は、冬期において、定常状態にある外壁の内部及び周囲の温度分布を示したものである。次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、図中の屋外温度t0、室内温度ti及び材料の厚さdの条件は変わらないものとする。
図を押すと大きく表示します 1材料(A)は、材料(B)より熱伝導率が大きい。2材料(A)の熱伝導率を大きくすると、材料(B)の各部分の温度が下がる。3材料(B)の熱伝導率を大きくすると、材料(A)の各部分の温度が上がる。4室内表面結露の防止には、材料(A)と材料(B)を入れ替えると効果的である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4
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定常状態では、どの層にも同じ量の熱が流れるので、厚さが同じなら、温度の勾配がゆるやかな層ほど熱伝導率が大きい。図では材料(A)の勾配がゆるやかなので、(A)は(B)より熱伝導率が大きい。
(A)の熱伝導率を大きくすると、壁全体の熱抵抗が小さくなって流れる熱が増える。室内側から見ると、室内表面と(B)の中の温度降下が大きくなるので、(B)の各部分の温度は下がる。
(B)の熱伝導率を大きくすると、壁全体の熱抵抗が小さくなって流れる熱が増える。屋外側から見ると、屋外表面と(A)の中の温度上昇が大きくなるので、(A)の各部分の温度は上がる。
材料を入れ替えても、熱抵抗の合計(熱貫流率)は変わらないので、流れる熱も室内側の表面温度も変わらない。室内表面結露の防止には効果がない(内部結露のしやすさは変わる)。
令和2年 No.4熱容量と断熱性能が違う建築物の暖房時の室温変動(組合せ)
図-1のA~Dに示すような熱性能(熱容量と断熱性能)を有する建築物について、室内空間の暖房開始前から暖房停止後までの室温変動を、図-2のイ~ニとして模式的に示している。A~Dとイ~ニとの組合せとして、最も適当なものは、次のうちどれか。ただし、A~Dの室形状・暖房時間・発熱量は同一であり、AとC、BとDの断熱性能は同一であるものとする。
図を押すと大きく表示します
A B C D 1. ハ ロ ニ イ 2. ハ イ ニ ロ 3. ニ イ ハ ロ 4. ニ ロ ハ イ 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4
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B(熱容量が小さく断熱性能が高い)はすぐに暖まって高い室温になる「イ」で、D(熱容量が大きく断熱性能が高い)はゆっくり暖まって冷めにくい「ロ」。B と D が逆。
熱容量が小さいと室温は早く上がって早く下がり、熱容量が大きいとゆっくり上がってゆっくり下がる。断熱性能が高いほど、到達する室温が高い。
・A(熱容量小・断熱低):すぐ上がるが室温は低め、停止後すぐ下がる=ハ
・B(熱容量小・断熱高):すぐ上がって室温が高い、停止後すぐ下がる=イ
・C(熱容量大・断熱低):ゆっくり上がり室温は低い=ニ
・D(熱容量大・断熱高):ゆっくり上がって高くなり、停止後もゆっくり下がる=ロ
A(熱容量小・断熱低)は早く暖まるので「ハ」、C(熱容量大・断熱低)はゆっくりで室温も低い「ニ」。A と C が逆。
A と C、B と D の組合せがどちらも逆。熱容量が大きい C・D は室温の変化がゆるやかな「ニ」「ロ」になる。
🧤 断熱材・中空層
📖 断熱材と中空層
断熱材と中空層は、熱伝導率の目安と、含水・気泡・厚さの影響が問われます。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| グラスウールの熱伝導率 | 0.04W/(m・K)前後。板ガラスの1/10以下、アルミニウムの1/1,000以下 |
| 発泡系の断熱材 | 空隙率が同じなら、気泡が大きいほど熱伝導率は大きい |
| 繊維系の断熱材の含水 | 水は空気より熱を伝えやすいので、含水率が増えると断熱性能は低下する |
| 密閉中空層 | 熱抵抗は2〜3cm程度までは厚いほど増えるが、それ以上はほとんど変わらない(100mmを超えればほぼ一定) |
| 真空の中空層 | ガラスどうしの放射や表面の熱伝達があるので、完全な真空でも熱貫流率は0にならない |
| 防湿層 | 冬期の内部結露を防ぐため、断熱材の室内側に設ける |
✏️ 過去問:断熱材・中空層(10年で7肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。
問題:建築物の外壁に設ける開口部の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
複層ガラスは、中空層が完全な真空である場合、熱貫流率が0W/㎡・Kとなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢4
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中空層が完全な真空でも、ガラスどうしの間では放射による熱の移動があり、ガラスの表面での熱伝達もあるので、熱貫流率は0にはならない(真空ガラスは断熱性が高いが、熱貫流率は0より大きい)。
問題:建築物の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
複層ガラスの中空層が完全な真空であると仮定すると、複層ガラスの熱貫流率は、0(ゼロ)となる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢2
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中空層が完全な真空でも、ガラスどうしの間では放射による熱の移動があり、ガラスの表面での熱伝達もあるので、熱貫流率は0にはならない。
問題:建築物の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
繊維系断熱材は、含水率が増加すると水の熱伝導抵抗が加わるので、断熱性能が向上する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢3
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繊維系の断熱材は、内部の空気が熱を伝えにくいことで断熱する。水は空気より熱を伝えやすいので、含水率が増えると熱伝導率が大きくなり、断熱性能は低下する。
問題:熱伝導率・熱貫流率に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
断熱材に用いられるグラスウールの熱伝導率は、一般に、板ガラスの 1/10 以下、アルミニウムの 1/1,000 以下である。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢1
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グラスウールの熱伝導率は0.04W/(m・K)前後で、板ガラス(約1W/(m・K))の1/10以下、アルミニウム(約200W/(m・K))の1/1,000以下。
問題:熱伝導率・熱貫流率に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
同種の発泡系の断熱材で空隙率が同じ場合の熱伝導率は、一般に、断熱材内部の気泡寸法が大きいものほど大きくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢2
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発泡系の断熱材は、空隙率が同じなら、気泡が大きいほど泡の中の対流や放射で熱が伝わりやすくなり、熱伝導率は大きくなる。
問題:伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
同種の発泡系の断熱材で空隙率が同じ場合、熱伝導率は、一般に、断熱材内部の気泡寸法が大きいものほど大きくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢4
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発泡系の断熱材は、空隙率が同じなら、気泡が大きいほど泡の中の対流や放射で熱が伝わりやすくなり、熱伝導率は大きくなる。
問題:建築物の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
壁体内の密閉された中空層の熱抵抗は、中空層の厚さが100mmを超えるとほとんど変化しない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢3
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密閉された中空層の熱抵抗は、厚さが2〜3cm程度までは厚いほど増えるが、それ以上では中の対流が強くなってほとんど変わらない。100mmを超えればほとんど変化しない。
☀️ 開口部の日射と熱
📖 開口部の日射と熱
開口部の日射と熱は、日射熱取得率・日射遮蔽係数の定義と、ブラインド・ガラスの使い分けが問われます。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 日射熱取得率 | 入射した日射量に対する、透過した日射量と、ガラスが吸収してから室内側に放出した熱量の和の割合(透過だけの割合は日射透過率) |
| 日射遮蔽係数 | 厚さ3mmの透明ガラスの日射熱取得率を1とした比で、小さいほど遮る効果が大きい |
| ブラインドの位置 | 外側に設けたほうが遮蔽効果が大きい(内側だとブラインドが吸収した熱が室内に放出される) |
| ガラスの種類 | Low-E ガラスを屋外側に使うと遮熱性が高い。熱線吸収ガラスは日射熱の侵入を抑えるが、熱貫流率は透明ガラスと同程度。透明フロートガラスは長い波長の赤外線を吸収しやすく通しにくい(温室効果) |
| 相当外気温度(SAT) | 日射吸収量や、風速で変わる表面の熱伝達率の影響を受ける |
| 二重サッシの結露 | 室内側のサッシの気密性を屋外側より高くする |
✏️ 過去問:開口部の日射と熱(10年で9肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。
問題:建築物の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
開口部(窓ガラス+ブラインド等)の日射遮蔽係数は、その値が大きいほど日射遮蔽効果が大きくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢1
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日射遮蔽係数は、厚さ3mmの透明ガラスの日射熱取得率を1としたときの比で、値が小さいほど日射を遮る効果が大きい。値が大きいほど効果が大きいのではない。
問題:伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
窓ガラスの日射熱取得率(日射侵入率)は、「ガラスに入射した日射量」に対する「ガラスを透過した日射量」の割合である。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢3
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窓ガラスの日射熱取得率は、入射した日射量に対する、透過した日射量と、ガラスが吸収してから室内側に放出した熱量との和の割合。透過した日射量だけの割合は日射透過率。
問題:建築物の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
窓ガラスの日射熱取得率は、「ガラスに入射した日射量」に対する「ガラスを透過した日射量とガラスが吸収した後に室内側に放出された熱量との和」の比率で表される。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢2
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窓ガラスの日射熱取得率は、ガラスに入射した日射量に対する、ガラスを透過した日射量と、ガラスが吸収してから室内側に放出した熱量との和の割合。
問題:建築物の外壁に設ける開口部の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
開口部(窓ガラス+ブラインド)の日射熱取得率は、形状や材料の条件が同じ場合、ブラインドを窓ガラスの外側に設置した状態に比べて、内側に設置したほうが大きくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢1
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ブラインドを窓ガラスの内側に設けると、ブラインドが吸収した日射熱が室内に放出されるので、外側に設けた場合より日射熱取得率は大きくなる(外付けのほうが日射遮蔽の効果が大きい)。
問題:建築物の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
複層ガラスにおいて、Low-Eガラスを屋外側に用いると、室内側に用いる場合に比べて遮熱性が高まる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢4
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Low-E ガラスを屋外側に使うと、日射熱を屋外側で反射するので、室内側に使う場合より遮熱性が高い(冬の断熱を重視するなら室内側)。
問題:建築物の外壁に設ける開口部の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
熱線吸収板ガラスは、同じ厚さの透明フロート板ガラスと比べて、室内への日射熱侵入を抑える効果はあるが、熱貫流率は同程度である。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢3
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熱線吸収板ガラスは、日射を吸収して室内への日射熱の侵入を抑えるが、熱の伝わりやすさ(熱貫流率)は同じ厚さの透明フロート板ガラスとほぼ同じ。
問題:建築物の外壁に設ける開口部の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
透明フロート板ガラスは、可視光線に比べて、波長の長い赤外線の吸収率が高いため、一般に、日射が当たると室内の温度が上昇する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢2
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透明フロート板ガラスは、日射(可視光線・近赤外線)はよく通すが、波長の長い赤外線は吸収しやすく通しにくい。日射が入ると室内の温度が上がる(温室効果)。
問題:伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
日射を受ける外壁面に対する相当外気温度(SAT)は、その面における日射吸収量、風速等の影響を受ける。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢2
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
相当外気温度(SAT)は、外気温度に日射の吸収の効果などを加えた見かけの外気温度で、日射吸収量や、風速で変わる表面の熱伝達率の影響を受ける。
問題:建築物の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
冬期において、二重サッシの間の結露を防止するためには、屋外側よりも室内側のサッシの気密性能を高くするとよい。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.4 選択肢1
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二重サッシの間の結露を防ぐには、室内の湿った空気がサッシの間に入らないよう、室内側のサッシの気密性能を屋外側より高くする。
まとめ:伝熱・断熱で覚えておくこと
試験の前に見直すことを、章ごとにまとめました。左が覚える数字や言葉、右がその説明です。「要点 ›」を押すと、くわしい説明に戻ります。
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