要点と過去問10年分
一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)の No.9・No.10 で出題される「音」のうち、音の性質と聴覚、音のレベルと距離減衰、室内音響を要点にまとめ、令和8年〜平成29年の10年分の過去問を解説します。

音の性質・室内音響の出題の傾向(令和8年〜平成29年)
音は毎年 No.9・No.10 の2問で、そのうち音の性質と室内音響がこの記事の内容です(吸音・遮音・騒音対策は別の記事で、令和6年 No.9 の正答〔障壁による回折〕もそちらに入れています)。正答は、聴覚(マスキング・等ラウドネス・カラレーション・カクテルパーティー効果)が5回、室内音響(残響時間・音圧レベルの計算・天井高)が3回、空気の音響吸収が2回です。
No.9・No.10 に出題(10年のうち10年・11問)。この記事で解説する選択肢は32肢、図・表・計算の問題は2問(問題ごとに掲載)です。
過去問の問題文と選択肢は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している一級建築士試験の問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各選択肢の枠の右下に出典)。正答は、同センターの「合格基準点等(正答肢)」と照らし合わせています。
「要点」は、今の法令・基準や設計の資料でまとめています。過去問の解説は、年度別の記事と同じく出題当時の基準によります。その後の改定で答えが変わる選択肢には「🔶 現在の基準では」の枠を付けています。
👂 音の性質・聴覚
📖 音の性質と聴覚
音の性質と聴覚は、マスキング・等ラウドネス・カラレーションなど、聞こえ方の現象の向きが問われます。10年で5回正答になっています。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 可聴周波数 | およそ20Hz〜20kHz(波長は約17m〜約17mm)。これより高いのが超音波 |
| 音の大きさの感覚 | 音圧レベルが同じなら、低い音ほど小さく感じ、3〜4kHz付近で最も大きく感じる(100Hzより1,000Hzのほうが大きく聞こえる) |
| マスキング | マスクする音の周波数に近い音ほど、またマスクする音より高い周波数の音ほど、マスクされやすい |
| カラレーション | 直接音と短い遅れの反射音が干渉して、音色の変化が知覚される現象(音の高さではない) |
| カクテルパーティー効果 | 騒がしい中でも聞きたい音を選んで聞き取れる性質(聞き取りにくくなる現象はマスキング) |
✏️ 過去問:音の性質・聴覚(10年で11肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
聴覚のマスキング現象において、「マスクする音」と「マスクされる音」の周波数が異なる場合には、マスクする音より低い周波数の音のほうが高い周波数の音に比べてマスクされやすい。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.10 選択肢2
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
マスキングは、ある音(マスクする音)のために別の音が聞こえにくくなる現象。マスクする音より高い周波数の音のほうが、低い周波数の音よりマスクされやすい。説明は逆。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
聴覚のマスキングは、マスカー(マスクする音)の周波数に近い音ほどマスクされやすく、マスカーの周波数に比べ、低い音のほうが高い音よりもマスクされやすい。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢1
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
マスキングは、マスカーの周波数に近い音ほどマスクされやすく、マスカーより高い音のほうが低い音よりマスクされやすい。説明は逆。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
聴覚のマスキング現象において、「マスクする音」と「マスクされる音」の高さが異なる場合には、マスクする音より高い周波数の音のほうが低い周波数の音に比べてマスクされやすい。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢2
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
音の大きさの感覚量は、音圧レベルが一定の場合、低音域で小さく、10kHz付近で最大となる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.10 選択肢1
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音圧レベルが同じなら、人の耳は低い音に鈍感で、3〜4kHz付近の音を最も大きく感じる。10kHz 付近で最大になるのではない(等ラウドネス曲線)。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
音の大きさの感覚量は、音圧レベルが一定の場合、低音域で小さく、3~4kHz付近で最大となる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢3
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
音圧レベルが等しい純音を聴くと、一般に、100Hz の音より1,000Hz の音のほうが大きく感じられる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.10 選択肢1
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人の耳は低い音に鈍感なので、音圧レベルが同じ純音でも、100Hzより1,000Hzの音のほうが大きく聞こえる(等ラウドネス曲線)。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
人の可聴周波数の範囲はおよそ20Hzから20kHzであり、可聴域よりも高い周波数の音波を超音波という。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.10 選択肢3
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人の可聴周波数はおよそ20Hz〜20kHzで、これより高い周波数の音波を超音波という(低いほうは超低周波音)。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
人の可聴周波数の範囲はおよそ20Hzから20kHzであり、対応する波長の範囲は十数mから十数mmである。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢3
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可聴周波数はおよそ20Hz〜20kHzで、音速を約340m/sとすると、波長は約17m〜約17mm(十数m〜十数mm)になる。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
カラレーションは、「直接音」と「短い遅れ時間の反射音」の干渉によって、音の高さの変化が知覚される現象をいう。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢1
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カラレーションは、直接音と、少し遅れて届く反射音が干渉して、音色の変化が知覚される現象。音の高さ(ピッチ)の変化ではない。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
カラレーションは、「直接音」と「短い遅れ時間の反射音」の干渉によって、音色の変化等が知覚される現象をいう。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢2
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問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
カクテルパーティー効果は、周囲が騒がしいことにより、聞きたい音が聞き取りにくくなる現象をいう。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢4
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カクテルパーティー効果は、騒がしい中でも、聞きたい音を選んで聞き取ることができる聴覚の性質。騒がしくて聞き取りにくくなる現象ではない(それはマスキング)。
📶 音のレベル・距離減衰
📖 音のレベルと距離減衰
音のレベルは、デシベルの足し算・引き算と、音源の形による距離減衰が問われます。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| レベルの差 | 10log(エネルギーの比)dB。30dB下げるには1/1,000、50dB下げるには10⁻⁵倍 |
| 音源の数・パワー | 同じ音源が2つで約3dB、4つ(パワー4倍)で約6dB上がる |
| 距離減衰 | 点音源は距離2倍で約6dB(4倍で約12dB)、無限に長い線音源は約3dB下がる。無限に広い面音源は減衰しない |
| 空気の音響吸収 | 周波数が高いほど大きい(遠くでは高い音が弱まる) |
✏️ 過去問:音のレベル・距離減衰(10年で10肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
音響インテンシティレベルを50dB下げるためには、音響インテンシティを10−5倍にする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.10 選択肢4
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レベルの差は 10log(インテンシティの比)dB。50dB下げるには、10log(比)=−50 より、比=10−5倍にする。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
音の強さのレベルを30dB下げるためには、音の強さを 1/1,000 にする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢1
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レベルの差は 10log(音の強さの比)dB。30dB下げるには、10log(比)=−30 より、比=10−3=1/1,000 にする。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
同種で同じ音圧レベルの音源の数が、ほぼ同じ位置において4つになると、音源が1つの場合に比べて、音圧レベルの値は約6dB増加する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢4
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同じ音圧レベルの音源が4つになると、エネルギーが4倍になるので、10log4 で約6dB増える(2つなら約3dB)。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
音源の音響パワーを4倍にすると、受音点の音圧レベルは、約6dB上がる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢3
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問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
自由音場において、無指向性点音源から25m離れた位置における音圧レベルの値が約70dBの場合、100m離れた位置における音圧レベルは約58dBになる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢2
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自由音場の点音源では、距離が2倍になるごとに約6dB下がる。25mから100mは4倍の距離なので約12dB下がり、70−12=約58dB。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
交通量の多い道路を無限に長い線音源と想定した場合には、受音点までの距離が2倍になるごとに、音圧レベルは約3dBずつ減衰する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢2
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無限に長い線音源では、音は円筒状に広がるので、距離が2倍になるごとに音圧レベルは約3dB下がる(点音源は約6dB)。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
無限大の面音源から放射された音は、距離減衰することなく伝搬する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.10 選択肢3
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問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
無限大の面音源の場合、音圧レベルは、距離によって減衰しない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢4
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問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
屋外において、遠方の音源から伝搬する音の強さは、空気の音響吸収によって、低周波数域の音ほど減衰する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢4
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空気の音響吸収(空気による減衰)は、高い周波数の音ほど大きい。遠くから伝わる音は高音が減衰して、低い音が残って聞こえる。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
空気中を伝搬する音のエネルギーの一部は、空気の粘性や分子運動等によって吸収され、その吸収率は、周波数が低くなるほど大きくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢2
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空気中を伝わる音は、空気の粘性や分子運動などで一部が吸収されるが、その吸収は周波数が高いほど大きい(遠くでは高音が弱まる)。
🎻 室内音響
📖 室内音響の決まり
室内音響は、残響時間の式と、吸音力による室内の音圧レベルの変化が問われます。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| セイビンの残響式 | 残響時間=0.161×室容積÷吸音力(等価吸音面積=室内表面積×平均吸音率) |
| 天井高を1/2 | 容積は1/2になるが、床・天井の面積は変わらず吸音力は1/2より大きく残るので、残響時間は1/2倍にはならない(1/2より長い) |
| セイビンとアイリング | 平均吸音率が大きい室では、セイビンの式のほうが残響時間を長く計算する(アイリングの式のほうが正確) |
| 室内の音圧レベル | 拡散音場では、吸音力(平均吸音率)が2倍で約3dB下がる。吸音力が小さい室ほど音圧レベルが高い |
| 最適残響時間 | 同じ用途なら室容積が大きいほど長い。同じ容積でも、コンサートホールとオペラハウスでは違う(オペラは短め) |
| 教室 | 学校の普通教室は平均吸音率0.2程度にするのが望ましい |
✏️ 過去問:室内音響(残響・室内の音圧レベル)(10年で11肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。同じ文で何年も出た選択肢は1枚にまとめています(全10枚)。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
内装材の吸音率が室内で一様な直方体の室において、その室の平面寸法は変えずに天井の高さを 1/2 倍にすると、残響時間は 1/2 倍になる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.10 選択肢2
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残響時間は室容積÷吸音力に比例する(セイビンの式)。天井高を1/2にすると室容積は1/2になるが、床と天井の面積は変わらず壁の面積だけが1/2になるので、吸音力は1/2より大きく残る。残響時間は1/2よりも長く(1/2倍にはならない)なる。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
セイビン(Sabine)の残響式による残響時間は、室容積に比例し、室の等価吸音面積に反比例する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢3
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セイビンの残響式では、残響時間=0.161×室容積÷等価吸音面積で、室容積に比例し、等価吸音面積に反比例する。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
室内の平均吸音率が大きい場合、セイビン(Sabine)の残響式により求めた残響時間は、アイリング(Eyring)の残響式により求めたものに比べると、長くなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.10 選択肢4
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平均吸音率が大きい室では、セイビンの残響式は残響時間を実際より長く計算してしまう。アイリングの式のほうが正確で、セイビンの式で求めた値のほうが長くなる。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
室内の平均吸音率が大きい場合、セイビン(Sabine)の残響式により求めた残響時間は、アイリング(Eyring)の残響式により求めたものに比べて、長くなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢1
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平均吸音率が大きい室では、セイビンの式は残響時間を実際より長く計算する。アイリングの式で求めたものより長くなる。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
拡散音場とみなせる室においては、音響パワーが一定の音源がある場合、室の平均吸音率が2倍になると、室内の音圧レベルは約3dB減少する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢3
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拡散音場の音圧レベルは、室の吸音力が大きいほど下がる。平均吸音率が2倍になって吸音力が2倍になると、10log2 で約3dB下がる。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
拡散性の高い室に音響パワーが一定の音源がある場合、室の平均吸音率が2倍になると、室内平均音圧レベルは約3dB減少する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢1
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問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
室の最適残響時間として推奨される値は、室の用途が同じであれば、一般に、室容積が大きくなるほど大きくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.10 選択肢1
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
コンサートホール等の最適残響時間として推奨される値は、一般に、室容積が大きくなるほど長くなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢2
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
室容積が同じ場合であっても、一般に、西洋音楽のためのコンサートホールとオペラハウスとでは、最適残響時間が異なる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢3
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
同じ室容積でも、豊かな響きが求められるコンサートホールと、歌詞やせりふの明瞭さが求められるオペラハウスでは、最適残響時間が違う(オペラハウスのほうが短め)。
問題:音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
学校の普通教室においては、平均吸音率が0.2程度となるように、吸音対策を施すことが望ましい。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9 選択肢4
同じ文:令和元年 No.9 選択肢4
✏️ 過去問:残響時間・平均音圧レベルの大小(計算の問題)(10年で2問)
残響時間は「容積÷吸音力」、平均音圧レベルは「吸音力が小さいほど高い」で比べます。
令和5年 No.10室A・B・Cの残響時間の大小(室容積・室内表面積・平均吸音率)
表に示す条件をもつ室A、B、Cにおける残響時間の大小関係として、最も適当なものは、次のうちどれか。
室名 室容積(㎥) 室内表面積(㎡) 平均吸音率 A 1,000 750 0.2 B 1,500 1,000 0.3 C 3,000 1,500 0.2 1A > B > C2A > C > B3C > A > B4C > B > A出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.10
▼ 解答・解説を見る(No.10)▲ 解答・解説を閉じる
A(6.7)が最も長いとするのは誤り。室容積の大きい C の残響時間が最も長い。
A が最も長いとするのは誤り。残響時間は室容積÷吸音力に比例する。
セイビンの式より、残響時間は 0.161×室容積÷吸音力(室内表面積×平均吸音率)に比例する。
・A:1,000÷(750×0.2=150)≒6.7
・B:1,500÷(1,000×0.3=300)=5.0
・C:3,000÷(1,500×0.2=300)=10
長い順に C > A > B。
C が最も長いのは合っているが、A(6.7)のほうが B(5.0)より長い。
令和7年 No.9室A・B・Cの平均音圧レベルの大小(表面積と平均吸音率)
表に示す条件の、拡散性の高い室A、B、Cに、同じ音響パワーをもつ音源があるとき、それぞれの室内の平均音圧レベルの大小関係として、最も適当なものは、次のうちどれか。
室名 室表面積(㎡) 平均吸音率 A 400 0.25 B 250 0.10 C 100 0.40 1A > B > C2A > C > B3B > A > C4B > C > A出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)」No.9
▼ 解答・解説を見る(No.9)▲ 解答・解説を閉じる
吸音力が最も大きい室A(100㎡)が、平均音圧レベルは最も低い。A が最も大きいとするのは誤り。
A が最も大きいとするのは誤り。吸音力が小さい室ほど音がたまって音圧レベルが高くなる。
B が最も大きいのは合っているが、C(吸音力40㎡)のほうが A(100㎡)より吸音力が小さいので、C のほうが A より高い。
同じ音響パワーの音源なら、拡散音場の平均音圧レベルは、室の吸音力(室表面積×平均吸音率)が小さいほど高くなる。
・A:400×0.25=100㎡
・B:250×0.10=25㎡
・C:100×0.40=40㎡
吸音力の小さい順(音圧レベルの高い順)に B > C > A。
まとめ:音の性質・室内音響で覚えておくこと
試験の前に見直すことを、章ごとにまとめました。左が覚える数字や言葉、右がその説明です。「要点 ›」を押すと、くわしい説明に戻ります。
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