要点と過去問10年分
二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)の No.1 で毎年出題される「施工計画」と「ネットワーク工程表」について、施工計画書・施工図を誰がつくるか、書類の種類と中身、ネットワーク工程表の用語と最短日数の求め方を要点にまとめ、令和8年〜平成29年の10年分の過去問を解説します。過去問の解説は、年度別の記事と同じく出題当時の基準によります。

施工計画・工程表の出題の傾向(令和8年〜平成29年)
No.1 は、10年のうち5年が施工計画の文章問題、5年がネットワーク工程表(3年は図の読み取り、2年は用語)でした。施工計画では「誰がつくるか」を入れ替えた選択肢、工程表では作業日数を変えたときに全体が何日変わるかがよく問われます。
毎年 No.1 に1問(10年で10問)。この記事で解説する選択肢は25肢、図・表・計算の問題は5問(問題ごとに掲載)です。
過去問の問題文と選択肢は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している二級建築士試験の問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各選択肢の枠の右下に出典)。正答は、同センターの「合格基準点等(正答肢)」と照らし合わせています。
「要点」は、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版や日本建築学会の JASS など、今の基準でまとめています。過去問の解説は、年度別の記事と同じく出題当時の基準によります。その後の改定で答えが変わる選択肢には「🔶 現在の基準では」の枠を付けています。
📝 施工計画書と施工図
📖 誰がつくるか・誰が決めるか
施工計画の問題は、「誰がつくるか・誰が決めるか」の入れ替えがよく出ます。施工計画書・工程表・施工図は、工事を請け負った施工者がつくり、監理者(公共工事では監督職員)が確認・承認します。
| 書類・決めること | 誰が | 決まり | 標準仕様書 |
|---|---|---|---|
| 施工計画書・品質管理計画(品質計画) | 施工者 | 施工者が作成して監理者に提出する(品質計画の部分は監理者の承諾を受ける)。監理者が立案するのではない | 1.2.2 |
| 実施工程表・基本工程表 | 施工者 | 施工者が作成し、監理者の承諾を受ける。施工計画書・製作図・施工図の作成と承諾の時期も考えてつくる | 1.2.1 |
| 施工方法(仮設・工法など) | 施工者 | 設計図書に指定がなければ、必要に応じて監理者と協議し、施工者の責任で決める | |
| 施工図・見本 | 施工者 | 監理者と協議して作成し、監理者の承認を受けてから施工する | 1.2.3 |
| 施工管理技術者(施工管理を行う者) | 施工者 | 任務に必要な能力・資格をもつ者を選び、監理者に報告する | 1.3.2 |
| 専門工事業者 | 施工者 | 設計図書に候補が記載されていれば、その中から選ぶ。候補以外を選ぶときは、品質を確保できることを示して監理者と協議する |
「標準仕様書」の欄は、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版の項目の番号です。
✏️ この項目の過去問を解く(10年で10肢)↓✏️ 過去問:施工計画書・工程表・施工図は誰がつくるか(10年で10肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。同じ文で何年も出た選択肢は1枚にまとめています(全9枚)。
問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
監理者は、品質管理を行うために、工事開始前に品質管理計画を立案し、必要に応じて施工者と協議した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢1
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品質管理計画は、工事を行う施工者(受注者)が立案し、施工計画書に入れて提出する。監理者(公共工事では監督職員)は、その内容を確認・承諾する側で、自分で立案するのではない(公共建築工事標準仕様書 1.2.2 では、品質計画を含む施工計画書を受注者が作成し、品質計画の部分は監督職員の承諾を受ける)。
問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
施工計画書に含まれる基本工程表については、監理者が作成し、検査及び立会の日程等を施工者へ指示した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢1
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施工計画書や工程表は、工事を請け負った施工者が作成し、監理者に提出して確認・承認を受けるもの。公共建築工事標準仕様書でも、実施工程表は受注者が作成し、監督職員の承諾を受ける(1.2.1)。監理者が作成して施工者に指示するのは逆。
問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
設計図書に指定がなかったので、仮設・工法など工事を完成する手段・方法については、施工者が決定した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢4
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仮設・施工方法など、工事を完成するための手段・方法は、設計図書に特別の定めがなければ、施工者がその責任で定める。
問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
設計図書に指定がない工事の施工方法については、必要に応じて、監理者と施工者とが協議のうえ、施工者の責任において決定した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢1
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問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
施工図・見本等については、施工者が監理者と協議したうえで作成し、監理者の承認を得た。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢5
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問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
施工図・見本等の作成については、監理者と協議したうえで該当部分の施工図・見本等を作成し、承認を得た。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢5
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施工図・見本などは、工事に先立って作成し、承認(承諾)を受けてから施工する(公共建築工事標準仕様書 1.2.3)。
問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
施工管理技術者には、その任務に必要な能力、資格を有する管理者を選定し、監理者に報告した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢2
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施工管理技術者は、工事に相応した能力・資格をもつ者を選び、その資格などを監理者(監督職員)に報告する(公共建築工事標準仕様書 1.3.2)。
問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
施工管理には、その任務に必要な能力、資格を有する管理者を選定し、監理者に報告した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢4
同じ文:令和3年 No.1 選択肢3
問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
設計図書に選ぶべき専門工事業者の候補が記載されていたが、工事の内容・品質を達成し得ると考えられたので、候補として記載されていない専門工事業者を、施工者の責任で選定した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢4
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設計図書に専門工事業者の候補が記載されている場合は、その候補の中から選定する。候補以外の業者を選ぶ場合は、品質を確保できることを示して監理者と協議する。施工者の判断だけで候補以外を選ぶのは不適当。
📖 施工計画書・工程表・施工図の種類と中身
施工計画書には、工事全体の計画をまとめた総合施工計画書と、工事の種類ごとの工種別施工計画書があります。
| 書類 | 中身 |
|---|---|
| 総合施工計画書 | 工事全般の計画。工事期間中の仮設物・資材置場・工事用機械の配置、道路や近隣との取合いなどの総合仮設計画を示す(設計図書で指定された仮設物も含める) |
| 工種別施工計画書 | 工事の種類ごと(鉄骨工事・防水工事など)に、工程表・品質管理計画書・施工要領書・使用材料・施工方法などをまとめる。品質に大きな影響がある工事部分は、監理者と協議して作成する |
| 品質管理計画(品質計画) | 品質管理の組織・実施方法、管理項目と管理値、品質の評価方法、管理値を外れた場合の措置など。材料・仕上り状態・機能・性能などの基本要求品質を満たすようにつくる |
| 実施工程表 | 工事の施工順序と所要時間を示す。全体の工程表のほか、月間工程表・週間工程表などがある |
| 施工図 | 設計図を補うために施工者がつくる図面。コンクリート躯体図・製作図・工作図など(総合仮設計画書は施工図ではない) |
| 工事の記録 | 指示事項・進捗・試験結果などを記録したもの。工事日誌・工事写真など |
✏️ 過去問:施工計画書の種類と中身(10年で15肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。
問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
総合施工計画書には、設計図書において指定された仮設物を除き、施工計画に関する事項を記載した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢2
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総合施工計画書は工事全般の計画をまとめたもので、設計図書で指定された仮設物も含めて、仮設物の配置などの総合仮設計画を記載する。指定された仮設物を除くのは誤り。
問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
総合施工計画書には、工事期間中における工事敷地内の仮設資材や工事用機械の配置などを示した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢3
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総合施工計画書は、工事全般の計画をまとめたもので、仮設物・資材置場・工事用機械の配置などの総合仮設計画を示す。
問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
総合施工計画書には、設計図書において指定された仮設物の施工計画に関する事項についても記載した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢4
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総合施工計画書は、工事の総合的な計画をまとめた施工計画書(公共建築工事標準仕様書 1.2.2)。設計図書で指定された仮設物についても、その施工計画を書いておく。
問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
総合施工計画書には、工事期間中における工事敷地内の仮設資材や工事用機械の配置を示し、道路や近隣との取合いについても表示した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢1
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総合施工計画書には、工事期間中の仮設資材や工事用機械の配置、道路や近隣との取合いなど、工事全体の計画を示す。
問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
工事種別施工計画書には、工事の工程表、品質管理計画書、施工要領書及びその他の必要事項を記載した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢5
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工事種別施工計画書(工種別施工計画書)は、工事の種類ごとに、工程表・品質管理計画書・施工要領書などをまとめたもの。
問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
工種別施工計画書における品質管理計画には、品質管理組織及び品質管理実施方法についても記載した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢3
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問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
工事種別施工計画書における品質管理計画には、品質評価方法及び管理値を外れた場合の措置についても記載した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢2
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工種別施工計画書の品質管理計画には、品質管理の組織、管理項目と管理値、品質の評価方法、管理値を外れた場合の措置なども書いておく。公共建築工事標準仕様書でも、工種別施工計画書には品質計画を定める(1.2.2)。
問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
工種別の施工計画書は、各工種別に使用材料や施工方法について記載した文書であり、鉄骨工事施工計画書や防水工事施工計画書などがある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢3
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工種別施工計画書は、工事の種類ごとに材料や施工方法を記載したもので、鉄骨工事・防水工事などの施工計画書がある。
問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
工事の内容及び品質に多大な影響を及ぼすと考えられる工事部分については、監理者と協議したうえで、その工事部分の施工計画書を作成した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢2
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品質に大きな影響を及ぼす工事部分は、監理者と協議したうえで、その部分の施工計画書(工種別施工計画書)を作成する。
問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
工種別の施工計画書における品質計画は、使用する材料、仕上り状態及び機能・性能を定めた基本要求品質を満たすように作成した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢5
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品質計画は、設計図書で要求された品質を満たすために、使用予定の材料、仕上げの程度、性能、精度等の目標などを具体化するもの(公共建築工事標準仕様書 1.1.2)。工種別施工計画書の品質計画は、材料・仕上り状態・機能・性能などの基本要求品質を満たすように作成する。
問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
施工図は、工事の実施に際して設計図を補うために作成される図面であり、総合仮設計画書やコンクリート躯体図などがある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢4
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施工図は、設計図を補うために施工者がつくる図面で、コンクリート躯体図・製作図・工作図などがある。総合仮設計画書は、仮設物の配置などを示す施工計画書の一つで、施工図ではない。
問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
施工計画の作成に当たっては、設計図書をよく検討し、不明な点や不足の情報、図面相互の不整合がないか確認する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢1
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問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
実施工程表は、工事の施工順序や所要時間を示したものであり、月間工程表などが含まれる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢2
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問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
工事の記録は、工事中の指示事項や進捗の経過、各種試験の結果を記載したものであり、工事日誌や工事写真などがある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢5
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問題:施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
基本工程表を作成するに当たって、施工計画書、製作図及び施工図の作成並びに承諾の時期を考慮した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1 選択肢3
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📅 ネットワーク工程表
📖 ネットワーク工程表の用語と最短日数の求め方
ネットワーク工程表は、作業を矢線(アロー)、作業の始まりと終わりを結合点(ノード)で表し、作業の前後関係を一目で分かるようにした工程表です。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| アクティビティ(作業)・アロー | 作業を表す矢線 |
| ノード(結合点) | 作業の始まりと終わりを表す丸印 |
| ダミー | 作業の前後関係だけを表す点線の矢線(日数はゼロ) |
| EST(最早開始時刻) | その作業を最も早く始められる時刻 |
| フロート | 作業の余裕時間。フリーフロートは、後続作業の最早開始時刻に影響しない範囲で、その作業で自由に使える余裕 |
| クリティカルパス | 開始から終了までの経路のうち最も長い(余裕のない)経路。この経路の作業を延ばすと全体が延び、縮めると全体が縮む |
| バーチャート・ガントチャート | 横線式工程表。ネットワーク工程表とは別のもの(作業どうしの関係が分かりにくい) |
最短日数と、作業日数を変えたときの影響は、次の順に考えます。
- 結合点ごとに、最も早く始められる日(最早開始時刻)を左から求める複数の矢線(ダミーを含む)が入る結合点は、いちばん遅く終わる作業に合わせる
- 終了の結合点の日数が、工事全体の最短日数その日数を決めている経路がクリティカルパス
- クリティカルパス上の作業を延ばす・縮めると、全体も同じだけ変わるただし縮めるときは、ほかの経路のほうが長くなった所で止まる(2日縮めても1日しか縮まないなど)
- クリティカルパス上にない作業は、余裕の分までなら延ばしても全体は変わらないフリーフロート=後続作業の最早開始時刻 −(その作業の最早開始時刻+所要日数)
✏️ 過去問:ネットワーク工程表の用語(10年で2問)
「関係のないもの」を選ぶ問題は、5つの用語を並べて見ないと解けないので、問題ごとに載せています。
令和4年 No.1ネットワーク工程表の用語(ノード・アロー・バーチャート・EST・フロート)
次の用語のうち、ネットワーク工程表に最も関係のないものはどれか。
1ノード2アロー3バーチャート4EST5フロート出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1
▼ 解答・解説を見る(No.1)▲ 解答・解説を閉じる
ノード(結合点)は、作業の始まりと終わりを表す丸印で、ネットワーク工程表の用語。
アロー(矢線)は、作業を表す矢印で、ネットワーク工程表の用語。
バーチャートは、縦に作業、横に日付をとり、作業の期間を横線で表す横線式工程表。作業どうしの関係が分かりにくいのが欠点で、ネットワーク工程表とは別の工程表。
EST(最早開始時刻)は、作業を最も早く始められる時刻で、ネットワーク工程表の用語。
フロートは、作業の余裕時間で、ネットワーク工程表の用語。
令和元年 No.1ネットワーク手法の用語(ダミー・アクティビティ・フリーフロート・ガントチャート・クリティカルパス)
工程の計画と管理に関する次の用語のうち、ネットワーク手法に最も関係の少ないものはどれか。
1ダミー2アクティビティ(作業)3フリーフロート4ガントチャート5クリティカルパス出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1
▼ 解答・解説を見る(No.1)▲ 解答・解説を閉じる
ダミーは、作業の前後関係だけを表す点線の矢印で、ネットワーク手法の用語。
アクティビティ(作業)は、矢線(アロー)で表す作業で、ネットワーク手法の用語。
フリーフロートは、後続の作業の最早開始時刻に影響しない範囲で使える余裕時間で、ネットワーク手法の用語。
ガントチャートは、縦に作業、横に達成度(%)をとり、各作業の進み具合を横棒で表す横線式工程表。作業の前後関係や全体の工期は分からず、ネットワーク手法とは別の工程表。
クリティカルパスは、開始から終了までの経路のうち最も長い(余裕のない)経路で、ネットワーク手法の用語。
✏️ 過去問:ネットワーク工程表の読み取り(最短日数・作業日数の増減)(10年で3問)
図の工程表を見ながら解く問題です。結合点ごとの最早開始時刻を書き出してから「解答・解説を見る」を開いてください。
令和7年 No.1ネットワーク工程表(最短日数・作業の前後関係・並行作業・延長と短縮)
下に示すネットワーク工程表に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
図を押すと大きく表示します 1この工事全体は、最短16日で終了する。2C作業及びE作業が終了しなければ、G作業は開始できない。3C作業、D作業及びE作業は、並行して行うことができる。4C作業の所要日数を1日延長すると、この工事全体の作業日数は、1日の延長となる。5G作業の所要日数を1日短縮すると、この工事全体の作業日数は、1日の短縮となる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1
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各結合点の最早開始時刻を左から順に求めると、Aの後の結合点=4日、B・Eの間の結合点=4日(ダミーでAの終了を待つ)、Cの後=5日、Gの前=6日(Eの終了)、Gの後=10日、Jの前=10日(ダミーでGの終了を待つ)、Kの前=14日(J)、終了=16日。最短16日で終わる(クリティカルパスは A→ダミー→E→G→ダミー→J→K)。
G作業の前の結合点には、E作業と、C作業の後からのダミーが入っている。C作業とE作業がどちらも終わらないと、G作業は始められない。
C作業は0〜5日、D作業は4〜8日、E作業は4〜6日に行えるので、4〜5日目には3つの作業を並行して行える。
C作業の終了(5日)から、ダミーを通ってG作業の前の結合点(6日)までには1日の余裕がある。C作業を1日延ばしても6日で間に合うので、工事全体の日数(16日)は変わらない。
G作業はクリティカルパス上にある。Gを1日短くすると、Gの後の結合点が9日、Jの前が9日(Hの経路は7日)、Kの前が13日(F・Iの経路も13日)となり、全体は15日で1日短くなる。
令和2年 No.1ネットワーク工程表(最短日数・クリティカルパス・作業日数の増減)
下に示すネットワーク工程表に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
図を押すと大きく表示します 1この工事全体は、最短14日で終了する。2C作業の所要日数を2日短縮すると、この工事全体の作業日数は、1日の短縮となる。3E作業の所要日数を1日延長すると、この工事全体の作業日数は、1日の延長となる。4F作業の所要日数を1日短縮すると、この工事全体の作業日数は、1日の短縮となる。5G作業の所要日数を1日延長しても、この工事全体の作業日数は、変わらない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1
▼ 解答・解説を見る(No.1)▲ 解答・解説を閉じる
各結合点の最も早い時刻を順に求めると、A(2日)→C(4日)で6日目、ダミーを通ってD(2日)で8日目、F(4日)で12日目、H(2日)で14日となる。最短14日で、クリティカルパスはA→C→ダミー→D→F→H。
Cを2日短縮して2日にすると、B側(2+3=5日)がDの開始を決めるようになり、Dの終了が7日目、Fの終了が11日目、全体は13日。2日短縮しても、全体は1日の短縮にとどまる。
Eの経路(A→C→E→G)は、Eの終了が7日目だが、Gの開始はダミーを通ってDの終了(8日目)を待つので、Eには1日の余裕がある。Eを1日延長して2日にしても、Eの終了は8日目でGの開始は変わらず、全体は14日のまま延長しない。
Fはクリティカルパス上の作業。Fを1日短縮して3日にすると、Fの終了が11日目となり、Gの経路(8+3=11日目)と並んで、全体は13日(1日の短縮)。
Gの経路は、Gの開始が8日目、終了が11日目で、Fの経路(12日目)より1日早い。Gを1日延長しても終了は12日目で、全体は14日のまま変わらない。
平成29年 No.1ネットワーク工程表(最短日数・作業日数の増減・作業の前後関係・フリーフロート)
下に示すネットワーク工程表に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
図を押すと大きく表示します 1この工事全体は、最短15日で終了する。2A作業の所要日数を1日短縮しても、この工事全体の作業日数は変わらない。3D作業の所要日数を3日短縮すると、この工事全体の作業日数は、2日の短縮となる。4E作業が終了しなければ、G作業は開始できない。5F作業のフリーフロート(後続作業に影響せず、その作業で自由に使える余裕時間)は、1日である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)」No.1
▼ 解答・解説を見る(No.1)▲ 解答・解説を閉じる
各結合点の最も早い時刻を求めると、A(6日)→E(1日)で7日目、B(2日)→C(5日)でも7日目。B→D(6日)で8日目となり、G(4日)で12日目、Fの経路(7+3=10日目)より遅いので、H(3日)を加えて最短15日。クリティカルパスはB→D→G→H。
Aの経路(A→E)は、Eの終了が7日目で、B→Cの経路と同じ。Aを1日短縮しても、Cの経路が7日目のままなので、全体の15日は変わらない。
Dを3日短縮して3日にすると、Dの終了は5日目になるが、Gは、ダミーを通ってE・Cの終了(7日目)を待つので、Gの開始は7日目、終了は11日目。Fの経路は10日目なので、全体は 11+3=14日で、短縮は1日にとどまる。2日の短縮とはならない。
Gの開始の結合点には、Dの矢線と、E・Cの終わる結合点からのダミーが入る。ダミーは「前の作業が終わらないと次が始められない」ことを表すので、Gは、DだけでなくE・Cも終了しなければ開始できない。
フリーフロートは、後続作業の最早開始時刻から、その作業の最早終了時刻を引いた余裕。Fの最早終了時刻は 7+3=10日目、後続のHの最早開始時刻は12日目なので、Fのフリーフロートは2日。1日ではないので、この記述も誤り(公式は枝3とともにこの枝5も正答としている)。
まとめ:施工計画・工程表で覚えておくこと
試験の前に見直すことを、章ごとにまとめました。左が覚える数字や言葉、右がその説明です。「要点 ›」を押すと、くわしい説明に戻ります。
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