全25問の解答・解説
令和8年(2026年7月5日実施)の二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)全25問を、選択肢ごとに正誤の理由を示して解説します。構造力学(計算問題)・荷重と外力・地盤と基礎・木造や鉄筋コンクリート造などの各種構造・建築材料の分野から出題されます。計算問題は、式と途中の数値を順に示しています。まず自分で解き、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

令和8年 二級建築士試験(学科)の概要
問題文は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)の試験問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各問の枠の右下に出典)。正答は、同センターの合格基準点等(正答肢)と全問を照らし合わせています。
解説は、出題当時の法令・基準によります(法令がからむ問題は令和8年1月1日時点の法令)。その後の改正や基準の改定で答えが変わる問題には「🔶 現在の基準では」、言い方だけが変わった問題には「ℹ️ その後の改正」の枠を付けています。
分野ごとの問題一覧
構造の25問は、毎年ほぼ同じ順番で、分野ごとに出題されます。解きたい問題を押すと、その問題へ移動します。
📐 構造力学(No.1〜No.6)
No.1断面二次モーメントの比(長方形断面とH形断面)
図のような断面積の等しい断面A及び断面Bにおいて、強軸まわりの断面二次モーメントをそれぞれIA、IBとするとき、IB/IAの値として、最も近いものは、次のうちどれか。
図を押すと大きく表示します 10.621.431.642.053.2出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.1
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長方形の断面(幅b・せいh)の強軸まわりの断面二次モーメントは、I=bh³/12。
・断面A(幅6cm・せい10cm):IA=6×10³/12=500cm⁴
・断面B(H形):外形(幅12cm・せい10cm)の長方形から、ウェブの両側の空き(幅5cm×高さ6cmが2つ=幅10cm×高さ6cm)を引く。IB=(12×10³-10×6³)/12=(12,000-2,160)/12=820cm⁴
・IB/IA=820/500=1.64 → 最も近いのは1.6
断面積はどちらも60cm²で同じ(A=6×10、B=12×2×2+2×6)。材料を中立軸から遠いフランジに集めたH形のほうが、曲げに強い(断面二次モーメントが大きい)。
No.2片持ち梁の最大曲げ応力度(等分布荷重)
図のような等分布荷重を受ける片持ち梁に断面200 mm ×300 mmの部材を用いた場合、その部材に生じる最大曲げ応力度として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、部材の断面は一様とし、自重は無視するものとする。
図を押すと大きく表示します 10.01 N/mm²20.2 N/mm²30.4 N/mm²460 N/mm²5120 N/mm²出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.2
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・最大曲げモーメント(固定端):M=wL²/2=10N/mm×(6,000mm)²/2=1.8×10⁸N・mm
・断面係数:Z=bh²/6=200×300²/6=3.0×10⁶mm³
・最大曲げ応力度:σ=M/Z=1.8×10⁸/3.0×10⁶=60N/mm²
片持ち梁の曲げモーメントは、先端で0、固定端で最大になる。
No.3傾斜した梁の曲げモーメント(張り出し部分の等分布荷重)
図のような、水平投影長さ8 mで、水平投影長さ1 m当たり鉛直方向に6 kNの等分布荷重を受ける梁において、A点における曲げモーメントの大きさとして、正しいものは、次のうちどれか。
図を押すと大きく表示します 112 kN・m215 kN・m324 kN・m427 kN・m530 kN・m出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.3
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A点で切って、A点より左の張り出し部分(水平投影2m)だけを考える。
・張り出し部分の荷重:6kN/m×2m=12kN(水平投影長さ当たりの荷重なので、水平投影長さを掛ける)
・その荷重の中心は、A点から水平に1mの位置
・A点の曲げモーメント:MA=12kN×1m=12kN・m
荷重は鉛直方向なので、モーメントの腕の長さは水平距離で測る。梁の傾き(高さ1.5m・6m)や右側の支点の反力を求めなくても解ける。
No.4静定ラーメンの鉛直反力とせん断力(柱に等分布荷重)
図のような外力を受ける静定ラーメンにおいて、支点A、Bに生じる鉛直反力RA、RBの値と、C点に生じるせん断力QCの絶対値との組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、鉛直反力の方向は、上向きを「+」、下向きを「-」とする。
図を押すと大きく表示します
RA RB QCの絶対値 1. -6 kN +6 kN 6 kN 2. -6 kN +6 kN 12 kN 3. +6 kN -6 kN 6 kN 4. +6 kN -6 kN 12 kN 5. +6 kN +6 kN 12 kN 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.4
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・荷重の合力:2kN/m×6m=12kN(右向き)。柱の中央、高さ3mの位置に働く
・B点まわりのモーメントのつり合い:12kN×3m=36kN・m(時計回り)を、RA×6m で打ち消す。RA×6+36=0(時計回りを正。上向きの RA は B点まわりに時計回り)より、RA=-6kN=6kN(下向き)
・鉛直方向のつり合い:RA+RB=0 より、RB=+6kN(上向き)
・C点のせん断力:C点で梁を切り、左側(A点の柱と梁の左半分)の鉛直方向の力は RA の6kN(下向き)だけなので、絶対値は6kN
水平方向の反力12kNは、ピンのB点が受ける(ローラーのA点は水平方向の反力を受けない)。
No.5静定トラスの軸方向力(斜材)
図のような外力を受ける静定トラスにおいて、部材Aに生じる軸方向力の値として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、軸方向力は、引張力を「+」、圧縮力を「-」とする。
図を押すと大きく表示します 1-3√2 kN2-√2 kN30 kN4+√2 kN5+3√2 kN出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.5
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・支点の反力:3kNの荷重は左の支点から2m・右の支点から4mの位置。左の支点の反力=3×4/6=2kN(上向き)、右の支点の反力=3×2/6=1kN(上向き)
・中央のパネル(左から2〜4m)を縦に切り、左側を考える。左側にある外力は、左の支点の反力2kN(上向き)と荷重3kN(下向き)
・切った部材のうち、鉛直方向の力をもつのは斜材Aだけ(上弦材・下弦材は水平)。部材Aの軸方向力を N(引張りを正)とすると、左側の部分を右下へ引く向きで、鉛直成分は N/√2(下向き)
・鉛直方向のつり合い:2-3-N/√2=0 より、N=-√2kN(圧縮)
斜材の傾きは高さ2m・水平2mなので45°。
No.6柱の弾性座屈荷重(一端自由・他端固定)
図のような長さL(m)の柱(材端条件は、一端自由、他端固定とする。)に圧縮力Pが作用したとき、次のLとIとの組合せのうち、弾性座屈荷重が最も大きくなるものはどれか。ただし、Iは断面二次モーメントの最小値とし、それぞれの柱は同一の材質で、断面は一様とする。
図を押すと大きく表示します
L(m) I(m4) 1. 2 2 × 10-5 2. 3 4 × 10-5 3. 4 8 × 10-5 4. 5 15 × 10-5 5. 6 18 × 10-5 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.6
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弾性座屈荷重は Pk=π²EI/lk²(lk=座屈長さ)。一端自由・他端固定の柱の座屈長さは2L。材質(E)と材端条件が同じなので、I/L² が大きいほど座屈荷重は大きい(×10⁻⁵ を除いて比べる)。
・1:2/2²=0.50
・2:4/3²≒0.44
・3:8/4²=0.50
・4:15/5²=0.60(最大)
・5:18/6²=0.50
座屈荷重は、断面二次モーメントに比例し、座屈長さの2乗に反比例する。
⚖️ 荷重・外力と地盤・基礎(No.7〜No.9)
No.7荷重及び外力(積載荷重の低減・屋根の積雪荷重・多雪区域の長期の積雪荷重・標準せん断力係数・地下の水平震度)
構造計算における荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1各階が事務室である建築物において、基礎の垂直荷重による圧縮力を計算する場合の積載荷重は、その基礎が支える床の数に応じて低減することができる。2屋根の積雪荷重は、屋根に雪止めがある場合を除き、その勾配が60度を超える場合において、零とすることができる。3多雪区域において、長期に生ずる力の計算に用いる積雪荷重は、短期に生ずる力の計算に用いる積雪荷重の0.35倍の数値とする。4許容応力度等計算において、地盤が著しく軟弱な区域として指定された区域内における木造の建築物の標準せん断力係数C0は、原則として、0.3以上とする。5建築物の地下の各部分に作用する地震力の計算に用いる水平震度kの下限値は、一般に、地盤面から深さ20 mまでは深さが深くなるほど小さくなる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.7
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柱や基礎の垂直荷重による圧縮力を計算するときは、大ばり・柱・基礎用の積載荷重を、支える床の数に応じて減らすことができる(建築基準法施行令第85条第2項。支える床の数が2で0.95倍〜9以上で0.6倍)。減らせないのは劇場・集会場などの客席・集会室で、事務室は減らせる。
屋根の積雪荷重は、雪止めがある場合を除き、勾配が60度を超えるときは零とすることができる(同令第86条第4項)。60度以下では、勾配に応じた屋根形状係数を掛ける。
多雪区域では、長期に生ずる力(積雪時)を G+P+0.7S で計算する(同令第82条第二号の表)。つまり長期の積雪荷重は、短期(積雪時 G+P+S)の積雪荷重の0.7倍。0.35倍(0.35S)は、短期の暴風時・地震時に組み合わせる積雪荷重。
標準せん断力係数 C0 は0.2以上。ただし、地盤が著しく軟弱な区域として特定行政庁が指定する区域内の木造の建築物は、0.3以上とする(同令第88条第2項)。
地下部分の水平震度は k≧0.1(1-H/40)Z(H=地盤面からの深さ。20mを超えるときは20)で求める(同令第88条第4項)。下限値は深くなるほど小さくなり、深さ20m以深は一定(0.05Z)。
建築基準法施行令 第82条第二号の表(多雪区域の荷重の組合せ)・第85条第2項(積載荷重の低減)・第86条第4項(屋根の積雪荷重)・第88条第2項(標準せん断力係数)・第4項(地下部分の水平震度)
No.8風圧力(外圧係数と内圧係数)
図のような方向に風を受ける建築物のA点における風圧力の大きさとして、最も適当なものは、次のうちどれか。ただし、速度圧は1,000 N/㎡とし、建築物の外圧係数及び内圧係数は、図に示す値とする。
図を押すと大きく表示します 1150 N/㎡2200 N/㎡3350 N/㎡4400 N/㎡5600 N/㎡出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.8
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風圧力=速度圧×風力係数(建築基準法施行令第87条第1項)、風力係数=外圧係数-内圧係数(平成12年建設省告示第1454号 第3)。
・A点は風下の壁:外圧係数-0.40、内圧係数-0.20
・風力係数:-0.40-(-0.20)=-0.20
・風圧力:1,000N/㎡×0.20=200N/㎡(マイナスは、壁を外へ引く向き)
内圧係数を引き忘れて 1,000×0.40=400N/㎡ としないこと。
建築基準法施行令 第87条第1項(風圧力=速度圧×風力係数)、平成12年建設省告示第1454号 第3(風力係数=外圧係数-内圧係数)
No.9地盤及び基礎構造(沖積層・浮力と摩擦抵抗・地下水の水圧・負の摩擦力・N値と許容応力度)
地盤及び基礎構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1沖積層は、一般に、洪積層に比べて、支持力不足や地盤沈下が生じやすい。2直接基礎の水平抵抗の検討において、上部構造の重量として基礎底面から下方の地盤へ作用する鉛直力が地下水による浮力によって減少し、摩擦抵抗が減少する場合がある。3地下外壁に地下水による水圧が作用する場合、地下水位が低いほど、その水圧は大きくなる。4軟弱地盤等において、周囲の地盤が沈下することにより、杭の周面に下向きに作用する摩擦力を「負の摩擦力」という。5一般に、標準貫入試験によるN値が同じであっても、砂質地盤と粘土質地盤とでは長期許容応力度が異なる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.9
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沖積層は、新しい時代(約1万年前以降)に堆積した軟らかい地層で、古い洪積層に比べて支持力が小さく、地盤沈下も生じやすい。
直接基礎の水平抵抗(底面の摩擦抵抗)は、基礎底面に働く鉛直力に比例する。地下水の浮力で鉛直力が減ると、摩擦抵抗も減る。
地下外壁に働く水圧は、地下水面からの深さに比例して大きくなる。地下水位が高いほど、壁に働く水圧は大きい。
軟弱地盤で周りの地盤が沈下すると、杭の周面に下向きの摩擦力が働く。これを負の摩擦力(ネガティブフリクション)といい、杭に余分な圧縮力がかかる。
地盤の許容応力度を求める式(平成13年国土交通省告示第1113号 第2)は、土の粘着力と、内部摩擦角で決まる支持力係数を使う。砂質地盤では主に内部摩擦角、粘土質地盤では主に粘着力で決まるので、N値が同じでも、土の種類で長期許容応力度は違う。
🏠 各種構造・構造計画(No.10〜No.19)
No.10木造の部材と説明(内法貫・転び止め・長押・配付け垂木・根太掛け)
木造建築物の部材とその説明との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
1内法貫床板の端部などを受けるために、柱の根元近くに入れる部材2転び止め小屋組において、合掌の上に母屋を取り付ける際に、母屋が移動・回転しないように留めておく部材3長押鴨居の上部に水平に取り付けられる和室の化粧造作材4配付け垂木寄棟屋根において、隅木の側面に斜めに取り付ける部材5根太掛け柱の横や土台の側面に取り付けて、根太の端部を受ける部材出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.10
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内法貫は、柱と柱の間の、鴨居の上(内法)の高さに通す貫。柱の根元近くに入れて床板の端部などを受けるのは地貫。
転び止めは、小屋組で合掌(斜めの部材)の上に母屋を取り付けるとき、母屋が転んだり(回転)ずれたりしないように留める部材。
長押は、鴨居の上に水平に取り付ける、和室の化粧の造作材。
配付け垂木は、寄棟屋根などで、隅木の側面に斜めに取り付ける垂木。
根太掛けは、柱の横や土台の側面に取り付けて、根太の端部を受ける横木。
No.11木造2階建ての構造設計(筋かいの寸法・高さ3.2m超の壁倍率・柱の設計・耐力壁の配置・柱の切欠き)
木造2階建ての建築物の構造設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1圧縮力を負担する筋かいとして使用する木材の断面寸法は、一般に、幅9 cm以上、厚さ3 cm以上とする。2筋かいを入れた高さが3.2 mを超える軸組の壁倍率は、通常の壁倍率に低減係数を乗じた値とする。3風圧力は、柱を介して水平構面に伝達されるので、柱の断面及びその仕口の設計においては、水平荷重と鉛直荷重を考慮する。4耐力壁は、上下階の位置をできるだけ分散させ、かつ、市松状にならないように配置する。5柱にやむを得ず設ける切欠きの大きさは、原則として、柱の所要断面積の1/3未満とする。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.11
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圧縮力を負担する筋かいは、厚さ3cm以上で幅9cm以上の木材とする(建築基準法施行令第45条第2項)。引張力だけを負担する筋かいは、厚さ1.5cm以上で幅9cm以上。
筋かいを入れた軸組の高さ(横架材の上端の相互間の垂直距離)が3.2mを超えるときは、告示の倍率に低減の係数 αh=3.5×(柱の間隔)/(横架材の上端の相互間の垂直距離)(1を超えるときは1)を掛ける(昭和56年建設省告示第1100号 別表第1。令和7年4月1日施行の改正)。
外壁に受けた風圧力は、柱を通して床や屋根などの水平構面に伝わる。柱には鉛直荷重のほかに風による曲げも生じるので、柱の断面と仕口は、水平荷重と鉛直荷重の両方を考えて設計する。
耐力壁は、上下階の位置をそろえて配置し(2階の耐力壁の下に1階の耐力壁を置く)、上下でずれた市松状の配置にならないようにする。上下階で分散させると、2階の耐力壁の力が1階の耐力壁に直接伝わらない。
柱の所要断面積の1/3以上を欠き取るときは、その部分を補強しなければならない(同令第43条第4項)。やむを得ず設ける切欠きは、原則として1/3未満とする。
建築基準法施行令 第43条第4項(柱の欠き取り)・第45条第2項(圧縮筋かいの寸法)、昭和56年建設省告示第1100号 別表第1(令和7年4月1日施行の改正で、筋かいを入れた軸組の高さが3.2mを超える場合の倍率の低減を追加)
No.12枠組壁工法の2階建て住宅(床根太の間隔・まぐさ・アンカーボルト・耐力壁の倍率の上限・耐力壁線相互の距離)
枠組壁工法による2階建ての住宅に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、構造計算は行わないものとする。
1床根太相互及び床根太と側根太との間隔は、65 cm以下とする。2幅90 cm以上の開口部の上部には、まぐさ受けによって支えられたまぐさを設ける。3アンカーボルトは、その間隔を2 m以下とし、隅角部及び土台の継手部に配置する。4同じ壁に複数の仕様が併用されている耐力壁の倍率は、7倍を上限として、各仕様の倍率を合算した値とすることができる。5耐力壁線相互の間隔は、15 m以下とする。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.12
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床根太相互及び床根太と側根太との間隔(床根太間隔)は、65cm以下とする(平成13年国土交通省告示第1540号 第四第三号)。
幅90cm以上の開口部の上部には、開口部を構成するたて枠と同寸法以上の断面のまぐさ受けで支えたまぐさを設ける(同告示 第五第十二号)。
土台は、径12mm以上・長さ35cm以上のアンカーボルトで基礎に緊結し、アンカーボルトは間隔を2m以下として、隅角部と土台の継手の部分に配置する(同告示 第三第二号イ)。
同じ壁に複数の仕様を併用した耐力壁の倍率は、それぞれの倍率の和とし、7を超えるときは7とする(同告示 第五第四号の表)。
耐力壁線相互の距離は12m以下とし、耐力壁線で囲まれた部分の水平投影面積は40㎡以下(床版を補強すれば60㎡以下など)とする(同告示 第五第五号)。15mは不可。
平成13年国土交通省告示第1540号 第三第二号イ(アンカーボルト)・第四第三号(床根太間隔)・第五第四号の表(倍率の和の上限7)・第五第五号(耐力壁線相互の距離)・第五第十二号(まぐさ)
No.13壁式鉄筋コンクリート造3階建ての住宅(耐力壁の厚さ・壁梁のせい・階高・設計基準強度・耐力壁の実長)
壁式鉄筋コンクリート造3階建ての住宅に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造ではないものとする。
11階及び2階の耐力壁の厚さを15 cmとした。2構造計算によって構造耐力上安全であることを確認したので、壁梁のせいを40 cmとした。3各階の階高を3.5 mとした。4構造耐力上主要な部分のコンクリートの設計基準強度を18 N/mm²とした。5耐力壁の実長を45 cm以上、かつ、同一の実長を有する部分の高さの30%以上とした。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.13
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地階を除く階数が3の建築物の耐力壁の厚さは、最上階が15cm以上、その他の階は18cm以上(平成13年国土交通省告示第1026号 第六第五号イの表)。1階・2階を15cmとするのは薄い(構造計算で安全を確かめた場合は、計算による厚さ〔12cm以上〕にできる)。
壁ばりの丈(せい)は45cm以上。ただし、構造計算によって構造耐力上安全であることを確かめた場合は、この限りでない(同告示 第七第一号)。
階高は3.5m以下とする(同告示 第一第二号)。3.5mは満たしている。
構造耐力上主要な部分のコンクリートの設計基準強度は、18N/mm²以上とする(同告示 第二第一号)。
耐力壁として扱う壁の実長は、45cm以上、かつ、同一の実長を有する部分の高さの30%以上とする(日本建築学会の壁式構造の規準)。
平成13年国土交通省告示第1026号 第一第二号(階高3.5m以下)・第二第一号(設計基準強度18N/mm²以上)・第六第五号イの表(耐力壁の厚さ)・第七第一号(壁ばりの丈45cm以上)
No.14鉄筋コンクリート構造(柱の小径・T形梁・耐震壁の許容せん断力・片持ちスラブの厚さ・せん断破壊)
鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1普通コンクリートを用いた柱の小径は、原則として、その構造耐力上主要な支点間の距離の1/30以上とする。2長方形梁とスラブが一体となった構造とみなされるT形梁において、スラブが圧縮側になる場合、スラブの効果を取り入れて許容曲げモーメントを算定してよい。3耐震壁の短期許容せん断力は、「壁にせん断ひび割れが生じないという条件から求めたせん断力」と「壁のせん断ひび割れの発生以降に壁と柱が負担しうるせん断力」のうち、大きいほうとすることができる。4普通コンクリートを用いた片持ちスラブの厚さは、建築物の使用上の支障が起こらないことを計算によって確かめた場合を除き、片持ちスラブの出の長さの1/10を超える値とする。5柱、梁のせん断破壊は、脆性的な破壊であり、建築物の崩壊につながるおそれがあるので、一般に、曲げ破壊よりも先行しないように設計する。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.14
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鉄筋コンクリート造の柱の小径は、構造耐力上主要な支点間の距離の1/15以上とする(建築基準法施行令第77条第五号。構造計算で安全を確かめた場合を除く)。
梁とスラブが一体に打ち込まれたT形梁では、スラブが圧縮側になるとき(梁の中央部など)、スラブの一部を圧縮側の断面に含めて許容曲げモーメントを算定してよい。
耐震壁の短期許容せん断力は、①せん断ひび割れが生じないという条件から求めた値と、②ひび割れ後に壁の鉄筋と柱が負担できる値の、大きいほうとすることができる。
鉄筋コンクリート造の片持ちの床版は、厚さが出の長さの1/10を超える場合を除き、たわみなどで使用上の支障が起こらないことを計算で確かめる(平成12年建設省告示第1459号 第1の表)。
せん断破壊は、粘りがなく急に壊れる脆性的な破壊なので、粘りのある曲げ破壊が先に起きるように(せん断破壊が先行しないように)設計する。
建築基準法施行令 第77条第五号(柱の小径)、平成12年建設省告示第1459号 第1の表(片持ちの床版の厚さ)
No.15鉄筋コンクリート構造の配筋(折曲げ定着・帯筋の末端・スラブの配筋・出隅の主筋・重ね継手)
鉄筋コンクリート構造における配筋等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1折曲げによる梁主筋の柱への定着における投影定着長さは、原則として、柱せいの0.75倍以上とする。2柱の帯筋の末端部は、135度以上に折り曲げて定着させるか、又は相互に溶接する。3床スラブの最大曲げモーメントを受ける部分における配筋は、一般に、異形鉄筋を用いる場合、短辺方向では200 mm以下の間隔とする。4柱の出隅部分に設ける主筋の末端は、一般に、異形鉄筋を用いる場合、直線定着としてもよい。5鉄筋の重ね継手は、原則として、部材応力並びに鉄筋存在応力度の小さい箇所に設け、同一断面で全数継手としない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.15
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梁主筋を柱に折り曲げて定着するとき、柱の中に入る水平部分の長さ(投影定着長さ)は、原則として柱せいの0.75倍以上とする(日本建築学会 RC規準。公共建築工事標準仕様書 令和7年版 5.3.4(5)(イ) も「柱せいの3/4倍以上」)。
帯筋の末端は、135°以上に折り曲げて、主筋に囲まれた内側のコンクリートに定着させるか、相互に溶接する(帯筋にフックを付けることと135°の折曲げの形は、公共建築工事標準仕様書 令和7年版 5.3.2(2)・表5.3.1 にもある)。
床スラブの最大曲げモーメントを受ける部分の鉄筋の間隔は、異形鉄筋の場合、短辺方向で200mm以下、長辺方向で300mm以下かつスラブの厚さの3倍以下とする。
鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げて定着する。異形鉄筋は折り曲げないことができるが、柱及びはり(基礎ばりを除く)の出すみ部分と煙突は除かれている(建築基準法施行令第73条第1項)。出隅の主筋は、異形鉄筋でもフックが必要。
重ね継手は、応力の小さい所に設け、同じ断面に全数の継手を集めない(引張力の最も小さい部分に設ける場合と、それ以外とで、必要な重ね長さも違う=同令第73条第2項)。
建築基準法施行令 第73条第1項(鉄筋の末端・出すみ部分)・第2項(重ね継手)
No.16鉄骨構造(細長比と許容圧縮応力度・疲労・露出柱脚のアンカーボルト・埋込み柱脚・梁のたわみ)
鉄骨構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1細長比の大きい部材ほど、座屈の影響により、許容圧縮応力度が小さくなる。2クレーン走行桁など、1×104 回を超える繰返し応力を受ける部材及び接合部に対しては、一般に、疲労の検討を行う。3露出柱脚に用いられるアンカーボルトの設計において、柱脚に引張力が作用する場合、一般に、引張力とせん断力との組合せ応力を考慮する必要がある。4側柱や隅柱の埋込み柱脚において、鋼柱から基礎梁のない側の基礎コンクリート端までの距離が小さい場合、パンチングシヤー破壊が生じやすい。5長期に作用する荷重に対する梁材のたわみは、通常の場合ではスパンの1/200以下とし、片持ち梁の場合ではスパンの1/250以下とする。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.16
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細長比(座屈長さ÷断面二次半径)が大きい部材ほど座屈しやすいので、許容圧縮応力度は小さくなる。
クレーン走行桁のように、繰返し回数が1×10⁴回を超える繰返し応力を受ける部材・接合部は、疲労の検討を行う。
露出柱脚のアンカーボルトは、柱脚に引張力が働くとき、引張力と、水平力によるせん断力が同時にかかるので、両方を組み合わせた応力を考えて設計する。
側柱・隅柱の埋込み柱脚で、鋼柱から基礎梁のない側のコンクリートの端までが近いと、柱から押される力でコンクリートが押し抜かれるパンチングシヤー破壊が起こりやすい。
長期荷重による梁のたわみは、通常の梁でスパンの1/300以下、片持ち梁で1/250以下とする(日本建築学会 鋼構造設計規準)。1/200は大きすぎる。
No.17鉄骨構造の接合(重ね継手・溶接と高力ボルトの併用・ボルト孔の中心間距離・普通ボルト・溶接の許容応力度)
鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1重ね継手は、2列以上の隅肉溶接を原則とし、薄いほうの板厚の5倍以上、かつ、30 mm以上重ね合わせなければならない。2一つの継手に溶接接合と高力ボルト摩擦接合とを併用する場合において、溶接接合が高力ボルト摩擦接合より先に施工されるときは、溶接接合と高力ボルト摩擦接合の両方の耐力を加算することができる。3高力ボルトの接合において、ボルト孔の中心間の距離は、ねじの呼び径の2.5倍以上とする。4軒の高さが9 mを超える、又は張り間が13 mを超える建築物の構造耐力上主要な部分である鋼材の接合には、原則として、普通ボルトを使用してはならない。5溶接継目ののど断面に対する短期許容せん断応力度は、長期許容せん断応力度の1.5倍とする。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17
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重ね継手は、2列以上の隅肉溶接とし、薄いほうの板厚の5倍以上、かつ、30mm以上重ね合わせる(日本建築学会 鋼構造設計規準)。
溶接と高力ボルト摩擦接合を併用するとき、両方の耐力を加算できるのは、高力ボルトを先に締め付けた場合。溶接を先に行うと、溶接の熱による変形で接合面が密着せず、高力ボルトの摩擦力が期待できないので、溶接だけで力を負担させる。
高力ボルト・ボルト・リベットの相互間の中心距離は、その径の2.5倍以上とする(建築基準法施行令第68条第1項)。
鋼材の接合は高力ボルト接合・溶接接合などによる。ボルト接合(戻り止めをしたもの)を使えるのは、軒の高さ9m以下かつ張り間13m以下(延べ面積3,000㎡以下)の建築物などに限られる(同令第67条第1項)。
溶接継目ののど断面の短期の許容応力度は、長期の許容応力度の1.5倍(同令第92条の表)。
建築基準法施行令 第67条第1項(普通ボルトを使える規模)・第68条第1項(中心距離は径の2.5倍以上)・第92条(溶接継目ののど断面の許容応力度)
No.18構造計画(異なる基礎の併用・開口のある耐力壁・制振装置・火打ち材・エキスパンションジョイント)
建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1同一の建築物に異なる構造方法による基礎を採用するので、自重による圧密沈下等を考慮した許容応力度計算を行い、建築物又は建築物の部分に有害な損傷、変形及び沈下が生じないことを確かめた。2開口周比が0.3の開口部を有する鉄筋コンクリート造の耐力壁について、無開口の耐力壁のせん断剛性とせん断耐力の数値に、開口部の寸法を用いて計算したそれぞれの低減率を乗じて、構造計算を行った。3暴風時の揺れを抑える目的のために、同調質量型の制振装置を建築物の頂部に集中配置した。4木造の建築物について、床組や小屋梁組のたわみを減少させるために、火打ち材を用いて補強した。5温度変化によって部材の伸縮量が大きくなることが予想される建築物について、大きな温度応力が生じないための対策として、エキスパンションジョイントを設けた。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18
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異なる構造方法の基礎の併用は原則禁止だが、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算で安全を確かめれば併用できる(建築基準法施行令第38条第2項・第4項)。不同沈下を考えた計算で確かめているので適当。
開口周比が0.4以下の開口のある耐力壁は、無開口の耐力壁のせん断剛性・せん断耐力に、開口の大きさから求めた低減率を掛けて扱うことができる。0.3はその範囲。
同調質量型の制振装置(TMD)は、建築物の揺れに同調して逆向きに動くおもりで揺れを抑える装置で、揺れの大きい頂部に置くと効果的。暴風時の揺れの対策に使われる。
火打ち材は、床組や小屋梁組の隅に斜めに入れて、水平方向の変形(水平構面のゆがみ)を防ぐ部材。床組や小屋梁組のたわみ(鉛直方向)を減らすには、梁のせいを大きくする・間隔を詰めるなどの対策をとる。
温度変化による伸縮が大きい建築物は、エキスパンションジョイントで建物を分け、大きな温度応力が生じないようにする。
建築基準法施行令 第38条第2項・第4項(異なる構造方法による基礎の併用)
No.19耐震設計(共振・減衰定数・強度指向型と靱性指向型・剛床仮定・保有耐力接合)
建築物の耐震設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1建築物の固有周期と地震の揺れの周期が一致すると、建築物の揺れが増幅されて徐々に大きくなる共振現象が起き、建築物が激しく揺れ、被害が発生する場合がある。2建築物には振動エネルギーを吸収することで揺れを減少させる性質があり、この減少の度合いを表す指標として、減衰定数を用いる。3一般に、壁の多い鉄筋コンクリート造やブレースの多い鉄骨造の建築物は強度を大きくして地震力に抵抗する「強度指向型の構造」であり、ラーメン構造の建築物は弾性限を超えて大きな変形を生じることのできる「靱性指向型の構造」である。4鉄筋コンクリート造のスラブなどにより床の一体性の確保が図られた剛床仮定のもとでは、建築物の各層の地震力は、一般に、柱や耐震壁などにそれらの水平剛性が比例して分配される。5鉄骨造の建築物において、保有耐力接合の検討は、柱及び梁部材の局部座屈を防止するために行う。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.19
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建築物の固有周期と地震動の周期が一致すると、揺れがしだいに大きくなる共振が起こり、被害が大きくなることがある。
建築物は、振動のエネルギーを吸収して揺れを小さくする性質(減衰)をもつ。その度合いを表すのが減衰定数。
壁の多いRC造やブレースの多いS造は、強さで地震力に抵抗する強度指向型。ラーメン構造は、弾性限を超えて大きく変形しながらエネルギーを吸収する靱性指向型。
床が一体で変形しないとみなせる(剛床仮定)とき、各層の地震力は、柱や耐震壁にそれぞれの水平剛性に比例して分配される。
保有耐力接合は、柱・梁などの部材が十分に塑性変形するまで、接合部が破断しないようにするための検討。部材の局部座屈を防ぐのは、幅厚比の制限による。
🧱 建築材料(No.20〜No.25)
No.20木材・木質材料(繊維板・クリープ・繊維飽和点と収縮・LVL・耐腐朽性)
建築材料として使用される木材及び木質材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1JISにおいて、繊維板は、密度、用途及び製法によってインシュレーションボード、ミディアムデンシティファイバーボード(MDF)、ハードボードに分類される。2木材に一定の荷重を継続して載荷すると、時間の経過に伴って変形が徐々に増加していくクリープが生じる。3含水率が繊維飽和点以上の木材において、膨張・収縮は、ほぼ含水率に比例する。4単板積層材(LVL)は、一般に、厚さ2~6 mm程度の単板の繊維方向をほぼ平行にして積層接着したものである。5耐腐朽性及び耐蟻性が高い木材として、ヒバ、ベイヒバ等がある。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.20
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JIS(JIS A 5905)では、繊維板を密度などによって、インシュレーションボード、ミディアムデンシティファイバーボード(MDF)、ハードボードに分けている。
木材に一定の荷重をかけ続けると、時間とともに変形が少しずつ増えていく。これをクリープという。
繊維飽和点(含水率約30%)以上では、含水率が変わっても木材の寸法はほとんど変わらない(細胞の中の自由水が出入りするだけ)。膨張・収縮が含水率にほぼ比例するのは、繊維飽和点以下の範囲。
単板積層材(LVL)は、丸太をかつらむきにした単板を、繊維方向をほぼそろえて積層接着した材料。
ヒバ・ベイヒバは、腐りにくく、シロアリにも強い木材として知られている。
No.21コンクリート(調合管理強度・線膨張係数・ひび割れ・ヤング係数・中性化)
コンクリートに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1コンクリートの調合管理強度は、品質基準強度に構造体強度補正値を加えて求める。2常温時において、コンクリートの線膨張係数は鉄筋とほぼ等しいので、鉄筋コンクリート部材内で、温度変化によってコンクリートと鉄筋との間にずれが生じることはない。3コンクリートの引張強度は小さく、乾燥収縮ひずみが引張破壊ひずみを上回ることがあるので、変形を拘束されている部材では、常にひび割れの発生を予期する必要がある。4気乾単位容積質量が大きいコンクリートほど、ヤング係数は大きくなる。5コンクリートの耐久性に関わる中性化の進行は、水セメント比が大きいほど遅くなる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.21
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調合管理強度は、品質基準強度(設計基準強度と耐久設計基準強度の大きいほう)に、構造体強度補正値を加えて求める(JASS 5)。
コンクリートと鉄筋の線膨張係数は、常温ではどちらも約1×10⁻⁵/℃前後(鋼材は約1.2×10⁻⁵/℃)でほぼ等しい。そのため温度が変わっても両者の間にずれが生じにくく、鉄筋コンクリートが成り立つ。
コンクリートは引張強度が小さく(圧縮強度の1/10程度)、乾燥収縮による縮みが拘束されると、ひび割れが生じやすい。変形が拘束される部材では、ひび割れが生じることを前提に考える。
コンクリートのヤング係数は、気乾単位容積質量が大きいほど、また圧縮強度が大きいほど大きくなる。
中性化は、水セメント比が大きいほど速く進む。水セメント比が大きいとコンクリートが密実でなく、空気中の二酸化炭素が入りやすいため。
No.22コンクリートの材料(塩化物イオン量・骨材・AE剤・高炉スラグ微粉末・練混ぜ水)
コンクリートの材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1コンクリート中に含まれる塩化物イオン量は、原則として、1㎥につき0.30 kg以下とする必要がある。2コンクリートの骨材は、適切な粒形及び粒度分布を有したものでないと、コンクリート打設時のワーカビリティー低下の原因となる。3AE 剤は、コンクリート中に無数の微細な気泡を生じさせることから、凍結融解に対する抵抗性を低下させる。4高炉スラグ微粉末を使用することにより、硬化後のコンクリートの水密性や化学抵抗性を向上させることができる。5コンクリート用練混ぜ水の水質は、コンクリートの凝結時間、硬化後の強度に大きな影響を及ぼす。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.22
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コンクリートに含まれる塩化物量は、塩化物イオン量で0.30kg/㎥以下とする(公共建築工事標準仕様書 令和7年版 6.3.2)。鉄筋の腐食を防ぐため。
骨材は、粒の形がよく、大小の粒が適度に混ざった(粒度分布のよい)ものでないと、コンクリートのワーカビリティー(打ち込みやすさ)が悪くなる。
AE剤がつくる無数の微細な気泡は、コンクリート中の水が凍って膨張するときの圧力を逃がすので、凍結融解に対する抵抗性を向上させる。ワーカビリティーもよくなる。
高炉スラグ微粉末を使うと、組織が緻密になり、硬化後の水密性や、海水・化学物質への抵抗性が向上する。
練混ぜ水に不純物が多いと、凝結の時間や硬化後の強度に悪い影響が出る。そのため練混ぜ水の品質が定められている。
No.23鋼材(熱による伸び・熱伝導率・炭素量・比重・SD345の強さ)
鋼材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1長さ10 mの棒材は、常温においては、鋼材の温度が10℃上がると長さが約1 mm伸びる。2鋼材の熱伝導率は、ステンレス鋼よりも大きい。3軟鋼は、炭素含有量が多くなると硬質になり、引張強さが大きくなる。4鋼材の比重は、アルミニウム材の比重の約3倍である。5異形棒鋼SD345の引張強さの下限値は、345 N/mm²である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.23
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鋼材の線膨張係数は約1.2×10⁻⁵/℃。長さ10mの棒が10℃上がると、10m×10×1.2×10⁻⁵=0.0012m=1.2mm=約1mm伸びる。
ステンレス鋼は、ふつうの鋼材(炭素鋼)より熱を伝えにくく、熱伝導率は炭素鋼のおよそ1/3。よって鋼材の熱伝導率は、ステンレス鋼より大きい。
軟鋼は、炭素の量が多くなるほど硬く、引張強さが大きくなる。その代わり、伸び(粘り)は小さくなり、溶接もしにくくなる。
鋼材の比重は約7.85、アルミニウムは約2.7なので、鋼材はアルミニウムの約3倍。
異形棒鋼 SD345 の「345」は、降伏点(耐力)の下限値(345N/mm²)を表す。引張強さの下限値は490N/mm²(JIS G 3112)。
No.24ガラス(フロート板ガラス・合わせガラス・複層ガラス・熱線吸収板ガラス・強化ガラス)
ガラスに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1フロート板ガラスは、平面精度が高く、透明性と採光性に優れている。2合わせガラスは、2枚の板ガラスを透明で強靱な中間膜で張り合わせたガラスであり、割れても破片の飛散を防ぐことができる。3複層ガラスは、複数枚の板ガラスを一定の間隔に保ち、中空層に乾燥空気等を封入したものであり、断熱性が高く、結露防止に有効である。4熱線吸収板ガラスは、ガラスの片面又は両面に金属酸化膜をコーティングしたガラスであり、太陽光線を反射して冷房負荷を軽減する。5強化ガラスは、同じ厚さのフロート板ガラスより強度が高く、割れても破片が粒状になるので、安全性が高い。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.24
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フロート板ガラスは、溶けた金属(すず)の上にガラスを浮かべてつくる板ガラスで、表面が平らでゆがみが少なく、透明性・採光性がよい。
合わせガラスは、2枚の板ガラスの間に強靱な中間膜をはさんで張り合わせたガラスで、割れても破片が膜に付いて飛び散りにくい。
複層ガラスは、板ガラスの間に乾燥空気などを封入した中空層をもつガラスで、断熱性が高く、結露の防止に有効。
熱線吸収板ガラスは、ガラスの原料に鉄・ニッケル・コバルトなどの金属を加えて着色し、日射を吸収して室内に入る熱を減らすガラス。ガラスの表面に金属酸化膜をコーティングし、日射を反射するのは熱線反射ガラス。
強化ガラスは、フロート板ガラスを加熱して急冷し、強度を高めたガラス。割れると破片が細かい粒状になるので、けがをしにくい。
No.25建築材料(複層仕上塗材・しっくい・窯業系サイディング・せっこうラスボード・チタン)
建築材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1複層仕上塗材(吹付タイル等)は、下塗材・主材・上塗材の3層からなる塗厚3~5 mm程度のものであり、防水性に優れている。2しっくいは、消石灰にすさ・のり・砂などを混ぜて水で練ったものであり、水と反応して固まる水硬性の材料である。3窯業系サイディングは、セメント質原料及び繊維質原料を板状に成形したものであり、外装材として用いられる。4せっこうラスボードは、左官材の付着をよくするために、表面に多数のくぼみを付けたせっこうボードである。5チタンは、耐食性や意匠性に優れており、屋根や内外壁に使用される。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.25
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複層仕上塗材(吹付タイルなど)は、下塗材・主材・上塗材の3層からなる、塗厚3〜5mm程度の仕上塗材で、防水性に優れている。
しっくいは、消石灰にすさ・のり・砂などを混ぜて水で練った塗り壁材で、空気中の二酸化炭素と反応して固まる気硬性の材料。セメントのように水と反応して固まる水硬性ではない。
窯業系サイディングは、セメント質の原料と繊維質の原料を板状に成形したもので、外壁の仕上げ材として使われる。
せっこうラスボードは、表面に多数のくぼみを付けたせっこうボードで、塗る左官材がくぼみに食い込んで付着しやすくなる(せっこうプラスターの下地)。
チタンは、さびにくく(耐食性)、意匠性もよいので、屋根や内外壁の仕上げに使われる。
令和8年の合格基準点(学科の試験)
配点は各問題1点(各科目25点・合計100点)で、各科目の基準点と総得点の基準点のすべてに達した人が合格です。
| 学科Ⅰ 計画 | 学科Ⅱ 法規 | 学科Ⅲ 構造 | 学科Ⅳ 施工 | 総得点 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 合格基準点 | 14点※ | 13点 | 13点 | 13点 | 60点 |
※ 令和8年は、学科Ⅰ(建築計画)の平均点が例年に比べて著しく高く、試験問題の難易度の差によると認められたため、学科Ⅰの基準点が13点から14点に補正されました。学科Ⅲ(建築構造)は13点のままです。
出典:建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験『学科の試験』の合格基準点等について」
令和8年の構造の基準点は13点でした。構造は法令集を使えない科目で、前半の構造力学(断面の性質・応力・反力・トラス・座屈など)は毎年同じ形の計算問題が出ます。計算問題を確実に解けるようにし、後半の各種構造と材料は、建築基準法施行令や告示の数値と材料の性質をセットで覚えておくと安心です。
ほかの年度・ほかの科目の過去問
この記事の問題文と図は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和8年 二級建築士試験(学科の試験)の問題から、著作権法第32条の引用として掲載しています。著作権は同センターにあります。
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