要点と過去問10年分
一級建築士試験 学科Ⅳ(建築構造)の No.24 を中心に出題される「免震構造・制振構造」について、アイソレータとダンパー、上部構造の応答、制振ダンパーの働きと取付け方を要点にまとめ、令和8年〜平成29年の10年分の過去問を解説します。

免震構造・制振構造の出題の傾向(令和8年〜平成29年)
免震・制振は毎年出ていて、令和3年以降は毎年 No.24、令和2年以前は No.23〜26 などで出ています。正答は、免震(ダンパーの減衰量と応答・積層ゴムの性質・上部構造の剛性と床応答加速度・引張軸力)が6回、制振(ダンパーの接合形式・鋼材ダンパーの働き・制振改修の考え方・取付け部の剛性)が5回です。
No.17・No.23・No.24・No.25・No.26 に出題(10年のうち10年・13問)。ほかの問題の選択肢から、この分野のもの(1問から)も載せています。この記事で解説する選択肢は47肢です。
過去問の問題文と選択肢は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している一級建築士試験の問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各選択肢の枠の右下に出典)。正答は、同センターの「合格基準点等(正答肢)」と照らし合わせています。
「要点」は、今の建築基準法・告示や日本建築学会の規準などでまとめています。過去問の解説は、年度別の記事と同じく出題当時の基準によります。その後の改定で答えが変わる選択肢には「🔶 現在の基準では」の枠を付けています。
🌀 免震構造
📖 免震構造の決まり
免震構造は、アイソレータ(積層ゴム・すべり支承など)とダンパーの役割、積層ゴムの形状係数、上部構造の応答が問われます。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| アイソレータの役割 | 天然ゴム系積層ゴムは復元力はあるが減衰はほとんどない(ダンパーと組み合わせる)。すべり支承は減衰はあるが復元力はない。積層ゴムは引張りに弱いので、大きな引張軸力が生じるなら直動型転がり支承などを使う |
| 一次形状係数 S1 | ゴム1層の受圧面積÷側面積。大きいほど鉛直剛性・曲げ剛性・座屈応力度が大きい。ゴム1層を厚くすると S1 が小さくなり、鉛直支持能力は下がる |
| 二次形状係数 S2 | ゴム直径÷全ゴム層厚。主に座屈荷重や水平剛性に関係する |
| 面圧・剛性 | 面圧は支持軸力÷断面積。水平剛性は面圧で変わる。長期の圧縮応力度は中心部のほうが外周部より大きい。大変形ではハードニングで剛性が上がる |
| ダンパーの減衰量 | 大きくすると免震層の変位は小さくなるが、大きすぎると上部構造の応答せん断力がかえって大きくなる(単調には小さくならない)。少なすぎると免震層の応答変位が過大になる |
| オイル・粘性ダンパー | 速度に応じた減衰力で、床応答加速度や免震層の過大な変形を抑える。外周部に置くとねじれ変形を抑える |
| 上部構造の応答 | 上部構造の水平剛性が大きいほど一体で動き、床応答加速度は小さい。層せん断力係数は Ai 分布と異なり、高さ方向にほぼ一様。ねじれ変形も抑えられる |
| 効果の範囲 | 水平地震動には効果があるが、上下地震動には期待できない。戸建て住宅から超高層まで規模・用途にかかわらず使える |
✏️ 過去問:免震構造(10年で27肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。同じ文で何年も出た選択肢は1枚にまとめています(全26枚)。
問題:免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
転倒モーメントによりアイソレータに大きな引張軸力が生じる場合は、天然ゴム系の積層ゴムアイソレータを採用する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.26 選択肢3
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
積層ゴムは引張力に弱いので、大きな引張軸力が生じる場合は、天然ゴム系の積層ゴムではなく、引張力に抵抗できる直動型転がり支承などを採用する(又は引張力が生じないよう配置を工夫する)。
問題:制振構造及び免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
超高層の免震建築物に用いられる直動型転がり支承は、転倒モーメントによりアイソレータに大きな引張軸力が生じる場合などに採用される。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢3
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
直動型転がり支承は引張力にも抵抗できるので、超高層の免震建築物で、転倒モーメントによって大きな引張軸力が生じる場合などに使われる。
問題:免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造で用いられる天然ゴム系積層ゴムのアイソレータには、復元機能はあるが、減衰機能はほとんどない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢4
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問題:免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
天然ゴム系の積層ゴムアイソレータを用いた免震構造においては、アイソレータのみでは減衰能力が不足するので、オイルダンパーや鋼材ダンパー等を組み込む必要がある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.26 選択肢4
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問題:免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造に用いられるすべり支承には、減衰機能はあるが、復元機能はない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.25 選択肢4
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問題:耐震構造、免震構造及び制振構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造用の積層ゴムにおいて、積層ゴムを構成するゴム1層の厚みを大きくすることは、一般に、鉛直支持能力を向上させる効果がある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢3
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ゴム1層の厚さを大きくすると、一次形状係数S1が小さくなり、鉛直剛性と鉛直支持能力は低下する。
問題:免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造に用いられる、積層ゴムのアイソレータの1次形状係数S1(ゴム1層の自由表面積(側面積)に対するゴムの拘束面積(受圧面積)の比)は、主に積層ゴムの鉛直剛性及び曲げ剛性に関係する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢2
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問題:免震構造、制振構造及び耐震改修に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造において、積層ゴムアイソレータの座屈応力度は一次形状係数S1(ゴム1層の側面積に対するゴムの受圧面積の比)が大きいほど大きくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢1
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問題:耐震構造、免震構造及び制振構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造に用いられる、積層ゴムアイソレータの2次形状係数S2(全ゴム層厚に対するゴム直径の比)は、主に座屈荷重や水平剛性に関係する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢2
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問題:建築物の構造設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造において、積層ゴムアイソレータの2次形状係数S2(全ゴム層厚に対するゴム直径の比)は、主に座屈荷重や水平剛性に関係する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.26 選択肢2
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問題:制振構造及び免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造に用いられる積層ゴムアイソレータでは、長期荷重時の外周部の圧縮応力度は、中心部の圧縮応力度より大きくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢4
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積層ゴムの長期荷重時の圧縮応力度は、ゴムが横にはみ出そうとするのを鋼板が拘束するため、中心部のほうが外周部より大きくなる(外周部は小さい)。
問題:免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
長期荷重を受ける積層ゴムアイソレータの設計に用いる面圧は、支持軸力を積層ゴムの断面積で除した値とする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.26 選択肢2
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問題:免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造に用いられる積層ゴムアイソレーターの水平剛性は、面圧(支持軸力を積層ゴムの水平断面積で除した値)の大きさによって変化する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢4
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積層ゴムの水平剛性は、面圧(支持軸力÷水平断面積)の大きさによって変化する(面圧が大きいと水平剛性は下がる)。
問題:耐震構造、制振構造及び免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造に用いられる積層ゴムアイソレータは、座屈が生じない範囲では、ある変形までは水平変位に比例してせん断力が大きくなり、水平剛性はほぼ一定であるが、さらに変形が進むと徐々に水平剛性が大きくなり、最終的にゴム層の破断に至る。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢4
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積層ゴムは、ある変形までは水平剛性がほぼ一定だが、さらに変形が進むと徐々に剛性が大きくなり(ハードニング)、最後にゴム層が破断する。
問題:免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造において、免震層に設置するダンパーの減衰力を大きくすると、上部構造の地震時応答せん断力は単調に小さくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢1
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免震層のダンパーの減衰力を大きくすると、免震層の変位は小さくなるが、減衰力が大きすぎると上部構造に伝わる力が増えるので、上部構造の応答せん断力は単調には小さくならない(ある程度を超えると大きくなる)。
問題:免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造において、上部構造の地震時応答せん断力を小さくするには、一般に、ダンパーの減衰量をできるだけ大きくすることが有効である。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.25 選択肢1
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ダンパーの減衰量を大きくすると、免震層の変位は小さくなるが、大きすぎると上部構造に伝わる力が増え、応答せん断力がかえって大きくなる。減衰量には適切な範囲がある。
問題:建築構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震建築物の性能は、一般に、アイソレータとダンパーとの組合せによって決定され、ダンパーのエネルギー吸収量が少ないと免震層の応答変位が過大となることがある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.23 選択肢3
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免震建築物の性能はアイソレータとダンパーの組合せで決まり、ダンパーのエネルギー吸収量が少ないと免震層の応答変位が過大になることがある。
問題:免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造に用いられるオイルダンパーは、免震層平面の外周部に設置すると、免震層のねじれ変形を抑制する効果がある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢3
同じ文:令和2年 No.25 選択肢3
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問題:制振構造及び免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造に用いられるオイルダンパー及び粘性ダンパーは、速度に応じた減衰力を発揮し、上部構造の床応答加速度を抑制する効果がある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢4
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問題:免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造に用いられる粘性ダンパーは、速度に応じた減衰力を発揮し、免震層の過大な変形を抑制する働きがある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢3
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問題:免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造は、一般に、上部構造の水平剛性が大きくなると、上部構造の床応答加速度も大きくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢1
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免震構造では、上部構造の水平剛性が大きいほど上部構造が一体で動き、床応答加速度は小さくなる。
問題:制振構造及び免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造は、一般に、上部構造の水平剛性が大きくなると、上部構造の床応答加速度は小さくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢3
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問題:免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造において、上部構造の層せん断力係数は、一般に、Ai分布と異なる分布となる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.25 選択肢2
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免震構造の上部構造は一体に近い動きをするので、層せん断力係数の分布はAi分布と異なり、高さ方向にほぼ一様になる。
問題:免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造は、一般に、上部構造の質量及び剛性の偏在等によるねじれ変形が抑制される。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢2
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免震構造では、免震層の剛心を上部構造の重心に合わせやすいので、質量や剛性の偏りによるねじれ変形が抑えられる。
問題:免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
積層ゴムアイソレータを用いた免震構造は、一般に、水平地震動に対する免震効果はあるが、上下地震動に対する免震効果は期待できない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.26 選択肢1
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問題:建築構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
免震構造は、規模や用途にかかわらず、戸建て住宅や超高層建築物等、幅広く適用することが可能である。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.22 選択肢3
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🔧 制振構造
📖 制振構造の決まり
制振構造は、ダンパーの種類ごとの働き方と、ダンパーの効果を落とさない取付け方が問われます。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 鋼材ダンパー(履歴型) | 金属が塑性化するときのエネルギー吸収を利用するので、弾性範囲に留まる揺れでは吸収しない。主架構より先に降伏させる(耐力を主架構より小さくする)。層間変形が小さい段階から塑性化させると有効。安定した復元力特性と疲労強度が必要で、疲労は累積損傷度で検討する |
| オイルダンパー | 速度に応じた抵抗力なので、揺れが小さい段階から効果を発揮する |
| 接合形式 | エネルギー吸収効率は、一般に間柱型よりブレース型のほうがよい |
| 取付け部・周辺部材 | 取付け部や周辺部材が変形すると、ダンパーの変形が小さくなり効率が下がる。取付け部の剛性は大きくし、モデル化ではその変形を評価する。ダンパーの接合部は、ダンパーが十分に塑性化するまで弾性範囲にとどめる |
| せん断パネルダンパー | 剛性の高い支持部材を介して設置すると、せん断変形角は層間変形角より大きくなる |
| 使う鋼材 | 主架構は地震時に無損傷とするため高強度鋼(SA440 など)、ダンパーは伸び能力の優れた低降伏点鋼(LY225 など) |
| 配置・改修 | 建築物全体の耐力分布や振動性状を踏まえて配置する。特定の層を柔らかくしてダンパーを集中させる方法もある。制振による改修は減衰を加えて応答を小さくする方法で、固有周期を長くして地震力を下げるのは免震の考え方 |
✏️ 過去問:制振構造(10年で20肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。
問題:耐震構造、制振構造及び免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
制振構造に用いられる鋼材ダンパーは、ダンパーが弾性範囲に留まる地震動レベルにおいてもエネルギー吸収能力を発揮する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢2
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鋼材ダンパー(履歴型ダンパー)は、降伏して塑性変形することでエネルギーを吸収するので、弾性範囲に留まる地震動ではエネルギー吸収能力をほとんど発揮しない。
問題:制振構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
制振構造に用いられる履歴型ダンパーの耐力は、地震後の建築物の残留変形を抑制するために、柱と梁からなる主架構の耐力よりも大きくする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.25 選択肢3
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履歴型ダンパーは、主架構より先に降伏してエネルギーを吸収させるため、耐力を主架構より小さくする。地震後の残留変形は、弾性範囲に留まる主架構の復元力で戻す考え方。
問題:建築構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
制振構造に用いられる制振部材のうち、鋼材ダンパーは、金属素材の塑性変形能力を利用したものである。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.23 選択肢2
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問題:制振構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
鋼材や鉛等の金属製の履歴型ダンパーは、金属が塑性化する際のエネルギー吸収能力を利用するものであり、安定した復元力特性と十分な疲労強度が必要である。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.25 選択肢4
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鋼材や鉛などの金属製の履歴型ダンパーは、塑性化によるエネルギー吸収を利用するので、安定した復元力特性と十分な疲労強度が必要。
問題:耐震構造、免震構造及び制振構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
制振構造に用いられる鋼材ダンパー等の履歴減衰型の制振部材は、鋼材等の履歴エネルギー吸収能力を利用するものであり、大地震時には層間変形が小さい段階から当該部材を塑性化させることが有効である。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢4
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問題:鋼材ダンパーを用いた制振構造を採用した鉄骨造の建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
せん断パネルタイプの鋼材ダンパーについて、地震等による繰返し変形下の疲労に対して累積損傷度による検討を行った。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.17 選択肢4
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問題:制振構造及び免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
制振構造に用いられるオイルダンパーは、建築物の揺れが比較的小さな段階から制振効果を発揮する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢2
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問題:制振構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
制振構造に用いられるオイルダンパーは、建築物の動きが比較的小さな段階から制振効果を発揮する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.25 選択肢2
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問題:制振構造及び免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
制振構造において、鋼材ダンパーのエネルギー吸収効率は、一般に、主架構とダンパーとの接合の構造形式をブレース型とするより、間柱型とするほうがよい。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢1
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間柱型は、梁や間柱自体の変形でダンパーの変形が小さくなりやすいので、エネルギー吸収効率は一般にブレース型のほうがよい。
問題:建築物の構造設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
制振構造において、ダンパーのエネルギー吸収効率は、一般に、主架構とダンパーとの接合の構造形式を間柱型とするより、ブレース型とするほうがよい。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.26 選択肢1
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ダンパーのエネルギー吸収効率は、一般に、間柱型よりブレース型のほうがよい(間柱型は梁などの変形でダンパーの変形が小さくなりやすい)。
問題:鋼材ダンパーを用いた制振構造を採用した鉄骨造の建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
制振効果を高めるために、鋼材ダンパーの主架構への取付け部の剛性を小さくした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.17 選択肢3
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ダンパーの取付け部の剛性が小さいと、層間変形が取付け部の変形に費やされ、ダンパーが十分に変形せずエネルギーを吸収しにくい。制振効果を高めるには、取付け部の剛性を大きくする。
問題:耐震構造、制振構造及び免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
制振構造において、ダンパーの接合部及び周辺部材が変形する場合や、ダンパーの取りつく柱の軸変形により架構全体が曲げ変形する場合には、ダンパーの効率が低下する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢3
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ダンパーの接合部や周辺部材が変形したり、架構全体が曲げ変形したりすると、ダンパー自体の変形が小さくなり、効率が低下する。
問題:免震構造、制振構造及び耐震改修に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
制振ダンパーによるエネルギー吸収機構を適用した建築物のモデル化においては、制振ダンパーの取付け部周辺の変形を適切に評価しなければならない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢3
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制振ダンパーを使う建築物のモデル化では、ダンパーの取付け部周辺の変形でダンパーの効果が下がるので、その変形を適切に評価する。
問題:制振構造及び免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
制振構造において、鋼材ダンパーの制振効果を高めるために、一般に、ダンパーが十分塑性化してエネルギーを吸収するまで、ダンパーの接合部が弾性範囲にあることを確認する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢2
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鋼材ダンパーの効果を確保するため、ダンパーが十分に塑性化してエネルギーを吸収するまで、接合部が弾性範囲にあることを確かめる。
問題:制振構造及び免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
制振構造において、せん断パネルを鋼材ダンパーとして比較的高い剛性の支持部材を介して架構に設置した場合、せん断パネルのせん断変形角は層間変形角に比べて大きくなる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢1
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せん断パネルを剛性の高い支持部材を介して設置すると、層間変位がせん断パネルに集中し、パネルの高さは階高より小さいので、せん断変形角は層間変形角より大きくなる。
問題:鋼材ダンパーを用いた制振構造を採用した鉄骨造の建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
地震時に主架構を無損傷とする目的で、柱梁部材には建築構造用圧延鋼材SN490に比べて、基準強度Fが大きい建築構造用高性能鋼材SA440を用いた。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.17 選択肢1
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問題:鋼材ダンパーを用いた制振構造を採用した鉄骨造の建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
地震エネルギーを効率的に吸収させるために、鋼材ダンパーには建築構造用圧延鋼材SN400と比べて、伸び能力の優れた建築構造用低降伏点鋼材LY225を用いた。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.17 選択肢2
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問題:制振構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
制振構造に設置するダンパーは、建築物全体の耐力分布や振動性状を踏まえて、適切に配置する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.25 選択肢1
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問題:建築構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
制振構造には、特定の層を柔らかく設計して、その層にダンパーを設置し、建築物に入力された地震エネルギーを効果的に吸収させる方法もある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.22 選択肢2
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問題:免震構造、制振構造及び耐震改修に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
制振構造による耐震改修は、制振装置を既存建築物に設置し、建築物の固有周期を長くすることにより、建築物に作用する地震力を低減し、耐震性の向上を図るものである。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.24 選択肢2
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制振構造による耐震改修は、ダンパーで建築物に減衰(エネルギー吸収)を加えて、揺れ(応答)を小さくする方法。建築物の固有周期を長くして地震力を低減するのは免震構造の考え方。
まとめ:免震構造・制振構造で覚えておくこと
試験の前に見直すことを、章ごとにまとめました。左が覚える数字や言葉、右がその説明です。「要点 ›」を押すと、くわしい説明に戻ります。
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