要点と過去問10年分
一級建築士試験 学科Ⅳ(建築構造)の No.9・No.10 で出題される「木造の部材・接合・耐震改修」について、柱・横架材・筋かい、基礎と構造計算の要否、耐震改修の効果を要点にまとめ、令和8年〜平成29年の10年分の過去問を解説します。

木構造(部材・接合・耐震改修)の出題の傾向(令和8年〜平成29年)
木構造は、毎年 No.9・No.10 の2問で、そのうち1問がこの記事の内容です(もう1問は壁量・四分割法)。正答は、筋かいの寸法・通し柱の仕口・母屋の継手・布基礎の底盤など部材と規定が4回、耐震改修(効果の低いもの)が2回です。残りの4回は、同じ問題の中の壁量・倍率の選択肢が正答です。
No.9・No.10 に出題(10年のうち10年・10問)。この記事で解説する選択肢は30肢です。
過去問の問題文と選択肢は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している一級建築士試験の問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各選択肢の枠の右下に出典)。正答は、同センターの「合格基準点等(正答肢)」と照らし合わせています。
「要点」は、今の建築基準法・告示や日本建築学会の規準などでまとめています。過去問の解説は、年度別の記事と同じく出題当時の基準によります。その後の改定で答えが変わる選択肢には「🔶 現在の基準では」の枠を付けています。
🪵 柱・横架材・筋かい・接合
📖 部材と接合の決まり
柱・横架材・筋かいは、建築基準法施行令の数値と、部材の使い方の理由が問われます。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 柱の有効細長比 | 150以下(第43条第6項) |
| 3階建ての1階の柱の小径 | 13.5cm以上(第43条第2項) |
| 柱の欠込み | 所要断面積の1/3以上を欠き取るときは、その部分を補強する(第43条第4項) |
| 構造計算による緩和 | 柱の小径(横架材間の距離に対する割合)・小屋組の振れ止めは、大臣が定める基準の構造計算で安全を確かめれば、規定によらなくてよい |
| 隅柱 | 通し柱とする。接合部を通し柱と同等以上に補強すれば、通し柱としなくてよい(第43条第5項) |
| 筋かいの寸法 | 引張力だけを負担するものは厚さ1.5cm以上・幅9cm以上、圧縮力を負担するものは厚さ3cm以上・幅9cm以上(第45条) |
| 筋かいの端部・欠込み | 両端は柱又は横架材に金物で緊結し、一方は柱と横架材との仕口とする。筋かいには欠込みをしない(交差する間柱のほうを欠く) |
| 通し柱と胴差の仕口 | かね折り金物・羽子板ボルトなどで緊結する(かど金物ではない) |
| 方づえ | 柱に大きな曲げとせん断がかかるので、柱が先に壊れないことを確かめる |
| 背割り・梁の横座屈 | 心持ち材の柱は表面の割れを防ぐため背割りを入れることがある。梁の横座屈には、梁幅を大きくするのが効果的 |
| 母屋の継手・梁の切欠き | 母屋の継手は小屋束間の中央部付近を避け、小屋束の近くに設ける。梁の中央部の切欠きは上端(圧縮側)なら正味断面で計算でき、下端(引張側)は避ける |
( )内は建築基準法施行令の条
✏️ 過去問:柱・横架材・筋かい・接合(10年で19肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。同じ文で何年も出た選択肢は1枚にまとめています(全18枚)。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
圧縮力を負担する構造耐力上主要な部分である柱の有効細長比を150以下とした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢1
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
問題:木造軸組工法による建築物の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
地上3階建ての建築物において、構造耐力上主要な1階の柱の小径は、13.5cmを下回らないようにした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.10 選択肢4
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
地階を除く階数が2を超える建築物の1階の柱の小径は、13.5cmを下回ってはならない(建築基準法施行令 第43条第2項)。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
構造耐力上主要な柱について、やむを得ず柱の所要断面積の1/3を切り欠きしたので、切り欠きした部分が負担していた力を伝達できるように金物で補強した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.10 選択肢1
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柱の所要断面積の1/3以上を欠き取る場合は、その部分を補強する(建築基準法施行令 第43条第4項)。金物で補強するのは適当。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
構造耐力上主要な柱の小径を、横架材の相互間の垂直距離に対する割合によらず、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって決定した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.10 選択肢4
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柱の小径は、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算で安全を確かめた場合は、横架材の相互間の垂直距離に対する割合によらなくてよい(建築基準法施行令 第43条第1項ただし書)。
2025年4月1日施行の改正で、柱の小径の横架材の相互間の垂直距離に対する割合は、建築基準法施行令 第43条第1項の表から平成12年建設省告示第1349号(第1)の算定式に移り、第43条第1項のただし書はなくなりました。今は、同告示 第2の構造計算で安全を確かめた場合に柱の小径の確認が不要とされているので、答えは変わりません。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
隅柱を通し柱としなかったので、1階と2階の管柱相互を通し柱と同等以上の耐力を有するように、金物により補強した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢3
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隅柱は通し柱とするが、1階と2階の管柱の接合部を通し柱と同等以上の耐力をもつように金物で補強すれば、通し柱としなくてよい(建築基準法施行令 第43条第5項)。
問題:木造軸組工法による建築物の柱又は横架材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
柱に心持ち材を用いる場合、背割りを入れることがある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢1
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心持ち材の柱は乾燥で表面に割れが出やすいので、背割り(あらかじめ見え隠れ側に入れる切れ目)を入れることがある。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
圧縮力と引張力の両方を負担する筋かいとして、厚さ1.5cm、幅9cmの木材を使用した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.10 選択肢2
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圧縮力を負担する筋かいは、厚さ3cm以上・幅9cm以上の木材とする(建築基準法施行令 第45条第2項)。厚さ1.5cmは引張力だけを負担する筋かいの数値。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
引張力のみを負担する筋かいとして、厚さ1.5cmで幅9cmの木材を使用した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢4
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引張力だけを負担する筋かいは、厚さ1.5cm以上・幅9cm以上の木材でよい(建築基準法施行令 第45条第1項)。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
圧縮力と引張力の両方を負担する筋かいとして、厚さ3cm、幅9cmの木材を使用した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢2
同じ文:令和3年 No.10 選択肢3
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圧縮力を負担する筋かいは厚さ3cm以上・幅9cm以上の木材(建築基準法施行令 第45条第2項)。引張力の規定(厚さ1.5cm以上)も満たす。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
筋かいの端部について、一方を柱と横架材との仕口に緊結し、もう一方を柱に緊結した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢2
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筋かいの両端は、柱または横架材に金物で緊結し、いずれか一方の端部は柱と横架材との仕口の部分とする(建築基準法施行令 第45条第3項)。一方を仕口、もう一方を柱に緊結するのは適当。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
筋かいが間柱と交差する部分は、間柱を欠き取り、筋かいは欠込みをせずに通すようにした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢4
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問題:木造軸組工法による地上2階建ての建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
筋かいが間柱と交差する部分は、間柱の断面を欠き取り、筋かいは欠込みをせずに通すようにした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢4
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問題:木造軸組工法による建築物の柱又は横架材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
母屋の継手は、できるだけ小屋束間の中央部付近に設ける。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢3
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母屋の継手は、曲げモーメントが大きくなる小屋束間の中央部付近を避け、小屋束の近く(束から持ち出した位置)に設ける。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって構造耐力上安全であることを確かめたので、小屋組の振れ止めを省略した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.10 選択肢3
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小屋組の振れ止めは、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算で安全を確かめた場合は、設けなくてよい(建築基準法施行令 第46条第3項ただし書)。
問題:木造軸組工法による建築物の柱又は横架材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
梁の横座屈を防止するためには、梁せいを大きくするよりも、梁幅を大きくするほうが効果的である。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢2
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問題:木造軸組工法による建築物の柱又は横架材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
床梁の中央部付近の上端に切欠きを設ける場合、床梁の有効な断面は、切欠きを除いた部分の断面(正味断面)とすることができる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢4
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梁の中央部付近の上端(圧縮側)の切欠きは、切欠きを除いた正味断面を有効な断面として計算できる(下端〔引張側〕の切欠きは避ける)。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
建築物の出隅にある通し柱と胴差との仕口部分を、かど金物を用いて接合した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢2
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出隅にある通し柱と胴差の仕口は、胴差が通し柱から抜け出さないよう、かね折り金物や羽子板ボルトなどで緊結する(木造住宅工事仕様書などの仕様。平成12年建設省告示第1460号 第三号は「存在応力を伝えるように緊結」と定める)。かど金物は、柱の柱頭・柱脚を土台や横架材に留める L字型・T字型の金物(同告示 表三(ろ)(は))で、通し柱と胴差の仕口に用いるものではない。
問題:木造軸組工法による建築物の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
軸組に方づえを設けて水平力に抵抗させることとしたので、柱が先行破壊しないことを確認した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.10 選択肢2
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🏠 基礎・構造計算の要否
📖 基礎と構造計算の決まり
基礎と構造計算の要否、地震力の係数も、木造の問題の中で問われます。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 布基礎の底盤の厚さ | 構造計算をしない場合は15cm以上(平成12年建設省告示第1347号)。12cmは立上り部分やべた基礎の底盤の厚さ |
| 構造計算が必要な木造 | 今は、階数3以上又は延べ面積300㎡を超えるもの(2025年3月までは階数3以上又は延べ面積500㎡・高さ13m・軒の高さ9mを超えるもの)(建築基準法 第20条第1項) |
| 標準せん断力係数 | 0.2以上。地盤が著しく軟弱な区域として指定された区域内の木造は0.3以上(施行令 第88条第2項) |
✏️ 過去問:基礎・構造計算の要否・地震力(10年で3肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
布基礎の底盤の厚さを、所定の構造計算を行わず、12cmとした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢3
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構造計算をしない場合、布基礎の底盤の厚さは15cm以上とする(平成12年建設省告示第1347号 第4項第一号ただし書)。12cmは、立上り部分の厚さ(12cm以上)や、べた基礎の底盤の厚さ(12cm以上・同第3項第三号)の数値。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
建築物の高さが7m、延べ面積が300㎡であったので、壁量の検討及び耐力壁の釣合いのよい配置の検討を行い、許容応力度計算は行わなかった。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢4
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令和7年の試験は、問題集の注意事項により、令和7年4月1日施行の改正(令和4年法律第69号など)の後の規定で考える。木造で構造計算(許容応力度計算など)が必要になるのは、階数3以上、延べ面積300㎡を超えるもの、または高さ16mを超えるもの(建築基準法 第20条第1項第二号・第三号。改正前は、階数3以上または延べ面積500㎡・高さ13m・軒の高さ9mを超えるもの)。延べ面積300㎡ちょうどは「超える」に当たらないので、2階建て・高さ7m・延べ面積300㎡なら、壁量と釣合いのよい配置の検討(建築基準法施行令 第46条)でよい。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
地盤が著しく軟弱な区域として指定されている区域内の建築物ではなかったので、標準せん断力係数C0を0.2として、地震力を算定した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢2
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標準せん断力係数は0.2以上。地盤が著しく軟弱な区域として指定された区域内の木造建築物は0.3以上とする(建築基準法施行令 第88条第2項)。
🔨 木造の耐震改修
📖 耐震改修の考え方
木造の耐震改修は、「どの方法がいちばん効果が低いか」の形で2年出ています。地震力の流れ(屋根・床 → 耐力壁 → 基礎 → 地盤)のどこを補うかで判断します。
| 方法 | 効果 |
|---|---|
| 無筋の布基礎に RC を増し打ち | あと施工アンカーで差し筋をして一体にすると、耐力壁の力を地盤に伝えられる=効果がある |
| 2階の床に構造用合板を直張り | 上下の耐力壁の位置がずれているとき、2階の耐力壁の力を1階へ伝えやすくなる=効果がある |
| 吹抜けの補強 | 構造用合板を張ったキャットウォークや火打梁で水平構面をつなぐ=効果がある |
| 屋根の軽量化 | 日本瓦から化粧スレートなどに葺き替えると、地震力そのものが小さくなる=効果がある |
| べた基礎の上の1階の床を合板に | べた基礎の上の床は水平構面としての役割が小さい=効果が低い |
| 不同沈下に1階の床の火打ち | 不同沈下は基礎・地盤で直すべき問題=効果が低い |
✏️ 過去問:木造の耐震改修(効果の低いもの)(10年で8肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。同じ文で何年も出た選択肢は1枚にまとめています(全7枚)。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての既存建築物の耐震性を向上させる方法として、一般に、最も効果の低いものは、次のうちどれか。
鉄筋コンクリート造のべた基礎を有する1階の床組において、床下地材に挽板が用いられていたので、これを構造用合板に張り替えた。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢2
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べた基礎の上にある1階の床は、地震力を耐力壁に伝える水平構面としての役割が小さいので、床下地を挽板から構造用合板に張り替えても、耐震性を高める効果は低い。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての既存建築物の耐震性を向上させる方法として、一般に、最も効果の低いものは、次のうちどれか。
基礎に不同沈下がみられたので、1階の床組に火打ち材を入れ、1階の床組の水平剛性を高めた。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.10 選択肢2
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基礎の不同沈下は、基礎や地盤の補強で直すべき問題で、1階の床組に火打ち材を入れて水平剛性を高めても、不同沈下は解消せず、耐震性の向上の効果は低い。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての既存建築物の耐震性を向上させる方法として、一般に、最も効果の低いものは、次のうちどれか。
既存の布基礎が無筋コンクリート造であったので、布基礎の外部側面に接着系のあと施工アンカーによる差し筋を行い、新たに鉄筋コンクリート造の基礎を増し打ちした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢1
同じ文:令和2年 No.10 選択肢1
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無筋コンクリートの布基礎に、あと施工アンカーで差し筋をして鉄筋コンクリートの基礎を増し打ちすると、基礎が一体となって耐力壁の力を地盤に伝えられるようになる。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての既存建築物の耐震性を向上させる方法として、一般に、最も効果の低いものは、次のうちどれか。
1階と2階の耐力壁線の位置がずれていたので、2階の床組の床下地材として新たに構造用合板を梁及び桁に直張りした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢3
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1階と2階の耐力壁線がずれている場合、2階の床に構造用合板を直張りして床の剛性を高めると、2階の耐力壁の力を1階の耐力壁へ伝えやすくなる。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての既存建築物の耐震性を向上させる方法として、一般に、最も効果の低いものは、次のうちどれか。
1階と2階の耐力壁の位置がずれて設置されていたので、2階の床組の下地の構造用合板を梁及び桁に直張りして、2階の床組の水平剛性を高めた。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.10 選択肢3
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1階と2階の耐力壁の位置がずれている場合、2階の床組に構造用合板を直張りして水平剛性を高めると、2階の耐力壁の力を1階の耐力壁へ伝えやすくなる。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての既存建築物の耐震性を向上させる方法として、一般に、最も効果の低いものは、次のうちどれか。
大きな吹抜けが設けられていたので、その部分を、構造用合板を張り付けたキャットウォークや火打梁を用いて補強した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.9 選択肢4
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大きな吹抜けは水平構面が途切れて力を伝えにくいので、構造用合板を張ったキャットウォークや火打梁で補強すると効果がある。
問題:木造軸組工法による地上2階建ての既存建築物の耐震性を向上させる方法として、一般に、最も効果の低いものは、次のうちどれか。
屋根葺き材が日本瓦であったので、住宅屋根用化粧スレートに葺き替えて、屋根を軽量化した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)」No.10 選択肢4
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まとめ:木構造(部材・接合・耐震改修)で覚えておくこと
試験の前に見直すことを、章ごとにまとめました。左が覚える数字や言葉、右がその説明です。「要点 ›」を押すと、くわしい説明に戻ります。
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