全25問の解答・解説
令和5年(2023年7月2日実施)の二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)全25問を、選択肢ごとに正誤の理由を示して解説します。構造力学(計算問題)・荷重と外力・地盤と基礎・木造や鉄筋コンクリート造などの各種構造・建築材料の分野から出題されます。計算問題は、式と途中の数値を順に示しています。まず自分で解き、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

令和5年 二級建築士試験(学科)の概要
問題文は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)の試験問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各問の枠の右下に出典)。正答は、同センターの合格基準点等(正答肢)と全問を照らし合わせています。
解説は、出題当時の法令・基準によります(法令がからむ問題は令和5年1月1日時点の法令)。その後の改正や基準の改定で答えが変わる問題には「🔶 現在の基準では」、言い方だけが変わった問題には「ℹ️ その後の改正」の枠を付けています。
分野ごとの問題一覧
構造の25問は、毎年ほぼ同じ順番で、分野ごとに出題されます。解きたい問題を押すと、その問題へ移動します。
📐 構造力学(No.1〜No.6)
No.1L形断面の図心軸まわりの断面二次モーメント
図のような断面において、図心を通りX軸に平行な図心軸に関する断面二次モーメントの値として、正しいものは、次のうちどれか。
図を押すと大きく表示します 140 cm4264 cm4388 cm44112 cm45160 cm4出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.1
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L形を、縦の長方形(幅2cm・高さ6cm)と、右の横の長方形(幅6cm・高さ2cm)に分ける。どちらも面積は12cm²。
・図心の高さ:(12×3+12×1)/24=2cm(X軸から)
・縦の長方形:2×6³/12+12×(3-2)²=36+12=48cm⁴
・横の長方形:6×2³/12+12×(1-2)²=4+12=16cm⁴
・合計:48+16=64cm⁴(平行軸の定理 I=I0+Ay²)
No.2単純梁のせん断応力度から最大の荷重を求める
図のような荷重Pを受ける単純梁に、断面300 mm×500 mmの部材を用いた場合、その部材に生じるせん断応力度が、許容せん断応力度1 N/mm²を超えないような最大の荷重Pとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、せん断力Qが作用する断面積Aの長方形断面に生じる最大せん断応力度τmaxは、下式によって与えられるものとし、部材の自重は無視するものとする。
図を押すと大きく表示します τmax=1.5Q/A1100 kN2150 kN3200 kN4250 kN5300 kN出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.2
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・断面積:A=300×500=150,000mm²
・τmax=1.5Q/A≦1N/mm² より、Q≦A/1.5=100,000N=100kN
・中央に荷重 P を受ける単純梁のせん断力は、支点の反力の P/2。P/2≦100kN より、P≦200kN
No.3単純梁の最大曲げモーメント(右側の一部に等分布荷重)
図のような荷重を受ける単純梁に生じる曲げモーメントの大きさの最大値として、正しいものは、次のうちどれか。
図を押すと大きく表示します 136 kN・m248 kN・m360 kN・m464 kN・m581 kN・m出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.3
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・荷重の合力:2kN/m×12m=24kN(右の支点から6mの位置)
・左の支点の反力:24×6/18=8kN、右の支点の反力:24-8=16kN
・せん断力が0になる位置:荷重の区間に入ってから 8kN÷2kN/m=4m、つまり左の支点から10m
・そこでの曲げモーメント:8×10-(2×4)×2=80-16=64kN・m(最大)
No.4静定ラーメンの反力と曲げモーメント(柱と梁に等分布荷重)
図のような外力を受ける静定ラーメンにおいて、支点Bに生じる鉛直反力RB、水平反力HBの値とE点に生じる曲げモーメントMEの絶対値との組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、鉛直反力の方向は上向きを「+」、下向きを「-」とし、水平反力の方向は左向きを「+」、右向きを「-」とする。
図を押すと大きく表示します
RB HB MEの絶対値 1. -9 kN -6 kN 0 kN・m 2. +9 kN -6 kN 54 kN・m 3. +3 kN +6 kN 36 kN・m 4. +9 kN +6 kN 12 kN・m 5. +9 kN +6 kN 18 kN・m 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.4
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・荷重:柱の水平荷重 1kN/m×6m=6kN(高さ3m)、梁の鉛直荷重 2kN/m×6m=12kN(中央)
・水平反力:ローラーのA点は水平反力をもたないので、B点が 6kN(左向き=+6kN)
・A点まわりのモーメントのつり合い:RB×6=12×3+6×3 より、RB=9kN(上向き=+9kN)。RA=12-9=3kN(上向き)
・E点の曲げモーメント(左半分で考える):RA(3kN・腕3m)、柱の水平荷重(6kN・E点より3m下)、梁の左半分の荷重(6kN・腕1.5m)より、3×3-6×3-6×1.5=-18 → 絶対値18kN・m
No.5静定トラスの軸方向力(両側に張り出したトラス・切断法)
図のような荷重を受ける静定トラスにおいて、部材A、B、Cに生じる軸方向力の組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、軸方向力は、引張力を「+」、圧縮力を「-」とする。なお、節点間距離は全て2 mとする。
図を押すと大きく表示します
A B C 1. -√3 kN -2√3/3 kN -4√3/3 kN 2. -√3 kN -2√3/3 kN +4√3/3 kN 3. -√3 kN -2√3/3 kN +2√3/3 kN 4. +√3 kN -2√3/3 kN -2√3/3 kN 5. +√3 kN +2√3/3 kN -4√3/3 kN 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.5
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・支点の反力:荷重の合計 1+2+2+2+1=8kN、左右対称なので各4kN(上向き)。トラスの高さは 2×sin60°=√3m
・A・B・Cを切って左側を考える(左側の荷重は 1kN〔左の支点から左へ1m〕と 2kN〔右へ1m〕)
・A:BとCが交わる下弦の節点(左の支点から2m)まわりのモーメントのつり合い。1×3+2×1-4×2-NA×√3=0(NAは引張りを正)より NA=-3/√3=-√3kN(圧縮)
・C:AとBが交わる上弦の節点(左の支点から3m)まわりのモーメントのつり合い。4×3-1×4-2×2-NC×√3=0 より NC=4/√3=+4√3/3kN(引張り)
・B:鉛直方向のつり合い。左側の外力は 4-1-2=1kN(上向き)なので、斜材Bの鉛直成分 NB×sin60°=-1 より NB=-2/√3=-2√3/3kN(圧縮)
No.6柱の弾性座屈荷重(両端ピン・長さと断面二次モーメントの組合せ)
図のような長さl(m)の柱(材端条件は、両端ピン、水平移動拘束とする。)に圧縮力Pが作用したとき、次のlとIとの組合せのうち、弾性座屈荷重が最も大きくなるものはどれか。ただし、Iは断面二次モーメントの最小値とし、それぞれの柱は同一の材質で、断面は一様とする。
図を押すと大きく表示します
l(m) I(m4) 1. 3.0 3×10-5 2. 3.5 4×10-5 3. 4.0 5×10-5 4. 4.5 7×10-5 5. 5.0 8×10-5 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.6
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Pk=π²EI/lk²。両端ピンなので座屈長さ lk=l。同じ材質なので I/l² を比べる(×10⁻⁵ を除く)。
・1:3/3.0²≒0.333
・2:4/3.5²≒0.327
・3:5/4.0²≒0.313
・4:7/4.5²≒0.346(最大)
・5:8/5.0²=0.320
⚖️ 荷重・外力と地盤・基礎(No.7〜No.9)
No.7荷重及び外力(積載荷重の低減・多雪区域の基準・速度圧・標準せん断力係数・Rtと地盤種別)
構造計算における荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1各階が事務室である建築物において、柱の垂直荷重による圧縮力を計算する場合、積載荷重は、その柱が支える床の数に応じて低減することができる。2多雪区域を指定する基準は、「垂直積雪量が1 m以上の区域」又は「積雪の初終間日数の平年値が30日以上の区域」と定められている。3風圧力を計算する場合の速度圧qは、その地方において定められた風速V0の2乗に比例する。4地震力の計算に用いる標準せん断力係数Coの値は、一般に、許容応力度計算を行う場合においては0.2以上とし、必要保有水平耐力を計算する場合においては1.0以上とする。5地震力の計算に用いる振動特性係数Rtの地盤種別による大小関係は、建築物の設計用一次固有周期Tが長い場合、第一種地盤 > 第二種地盤 > 第三種地盤となる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.7
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柱・基礎の垂直荷重による圧縮力を計算するときは、支える床の数に応じて積載荷重を減らせる(建築基準法施行令第85条第2項。劇場・集会場などの客席を除く)。
多雪区域は、垂直積雪量が1m以上の区域、又は積雪の初終間日数の平年値が30日以上の区域を基準に、特定行政庁が指定する(平成12年建設省告示第1455号)。
速度圧は q=0.6EV0²(同令第87条第2項)で、基準風速 V0 の2乗に比例する。
標準せん断力係数は、許容応力度計算で0.2以上、必要保有水平耐力の計算で1.0以上(同令第88条第2項・第3項)。
固有周期 T が長い範囲では、Rt は軟らかい地盤ほど大きい(地盤の周期 Tc は第一種0.4秒・第二種0.6秒・第三種0.8秒で、Tc が長いほど Rt が下がり始めるのが遅い)。第三種>第二種>第一種で、設問は逆。
建築基準法施行令 第85条第2項(積載荷重の低減)・第87条第2項(速度圧 q=0.6EV0²)・第88条第2項・第3項(標準せん断力係数)、昭和55年建設省告示第1793号(Rt)
No.8多雪区域の暴風時の荷重の組合せ
多雪区域内の建築物の構造計算を許容応力度等計算により行う場合において、暴風時の応力度の計算で採用する荷重及び外力の組合せとして、最も適当なものは、次のうちどれか。
凡例G:固定荷重によって生ずる力P:積載荷重によって生ずる力S:積雪荷重によって生ずる力W:風圧力によって生ずる力K:地震力によって生ずる力1G+P+0.7S+W2G+P+0.35S+W3G+P+0.7S+W+K4G+P+0.35S+W+K5G+P+S+W出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.8
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建築基準法施行令第82条第二号の表で、多雪区域の短期の暴風時は「G+P+W」と「G+P+0.35S+W」の両方で計算する。
・0.7S は長期の積雪時(G+P+0.7S)に使う係数
・地震力 K と風圧力 W は同時に組み合わせない
・G+P+S は短期の積雪時の組合せで、W は加えない
建築基準法施行令 第82条第二号の表(多雪区域の暴風時:G+P+W 又は G+P+0.35S+W)
No.9地盤及び基礎構造(土の粒径・静止土圧係数・フーチング基礎・土かぶり・無筋の布基礎)
地盤及び基礎構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1土の粒径の大小関係は、砂 > 粘土 > シルトである。2地下外壁に作用する土圧を静止土圧として算定する場合の静止土圧係数は、一般に、砂質土、粘性土のいずれの場合であっても、0.5とする。3フーチング基礎は、フーチングによって上部構造からの荷重を支持する基礎であり、独立基礎、複合基礎、連続基礎等がある。4基礎に直接作用する固定荷重は、一般に、基礎構造各部の自重のほか、基礎スラブ上部の土かぶりの重量を考慮する。5布基礎は、地盤の長期許容応力度が70 kN/㎡以上であって、かつ、不同沈下等の生ずるおそれのない地盤にあり、基礎に損傷を生ずるおそれのない場合にあっては、無筋コンクリート造とすることができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.9
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土の粒径は、砂(0.075〜2mm)>シルト(0.005〜0.075mm)>粘土(0.005mm未満)の順。粘土がいちばん細かい。
静止土圧として算定する場合の静止土圧係数は、一般に砂質土・粘性土とも0.5とする。
フーチング基礎は、フーチング(底を広げた部分)で上部構造の荷重を支える基礎で、独立基礎・複合基礎・連続基礎(布基礎)などがある。
基礎の固定荷重には、基礎各部の自重のほか、基礎スラブの上の土かぶりの重量を含める。
布基礎は、地盤の長期許容応力度が70kN/㎡以上で、著しい不同沈下などのおそれがなく、基礎に損傷を生ずるおそれのない場合は、無筋コンクリート造とすることができる(平成12年建設省告示第1347号 第1)。
平成12年建設省告示第1347号 第1(無筋コンクリート造の布基礎)
🏠 各種構造・構造計画(No.10〜No.19)
No.10木造の部材と説明(破風板・回り縁・飛梁・雇いざね・木ずり)
木造建築物の部材の名称とその説明との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
1破風板切妻屋根や入母屋屋根などの妻の部分に、垂木を隠すようにして取り付けた板材2回り縁天井と壁の接する部分に取り付ける棒状の化粧部材3飛梁小屋組、床組における水平面において、胴差、梁、桁材に対して斜めに入れて隅角部を固める部材4雇いざね2枚の板をはぎ合わせるときに、相互の板材の側面の溝に、接合のためにはめ込む細長い材5木ずりしっくいやモルタルなどを塗るために、下地として取り付ける小幅の板材出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.10
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破風板は、切妻屋根・入母屋屋根の妻側で、垂木の端を隠すように取り付ける板。
回り縁は、天井と壁の取合い部分に取り付ける棒状の化粧材。
小屋組・床組の水平面で、胴差・梁・桁に斜めに入れて隅角部を固めるのは火打梁。飛梁は、小屋組で、離れた梁や桁をつなぐ(寄棟の隅木を受けるなど)梁。
雇いざねは、2枚の板の側面にそれぞれ溝を彫り、その溝にはめ込んで板をはぎ合わせる細長い材。
木ずりは、しっくいやモルタルを塗る壁の下地として、柱や間柱に打ち付ける小幅の板。
No.11木質構造の接合(木ねじ・ドリフトピンの先孔・ラグスクリュー・接着接合・木口の釘)
木質構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1木ねじ接合において、木材を主材として、鋼板との1面せん断接合とする場合、有効主材厚は木ねじの呼び径の6倍以上とする。2ドリフトピン接合において、先孔の径は、ドリフトピンと先孔との隙間の存在により構造部に支障をきたす変形を生じさせないために、ドリフトピンの径と同径とする。3ラグスクリュー接合において、ラグスクリューが緩む可能性があるため、潤滑剤を用いてはならない。4接着接合において、木材の含水率は20%を超えない範囲で、接着される木材間の含水率の差は5%以内とする。5木造軸組工法の釘接合において、木材の木口面に打たれた釘を引抜力に抵抗させることはできない。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.11
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木ねじで鋼板と木材を1面せん断接合する場合、木材(主材)の有効厚さは木ねじの呼び径の6倍以上とする。
ドリフトピンの先孔は、隙間による初期のずれを防ぐため、ドリフトピンと同じ径とする。
ラグスクリューは、木材にねじ込みにくいので、ねじ込みを容易にするため石けんなどの潤滑剤を用いてよい。用いてはならないのではない。
接着接合では、木材の含水率は20%以下とし、接着する木材どうしの含水率の差は5%以内とする。
木口面(繊維の切り口)に打った釘は抜けやすく、引抜力に抵抗させることはできない。
No.12木造の構造設計(N値法・曲げ材の切欠き・四分割法の壁率比・ストレスト・スキン効果・鉄筋の筋かい)
木造建築物の構造設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1耐力壁両端の柱の接合金物を選定するためのN値法は、当該柱の両側の耐力壁の壁倍率の差、周辺部材の押さえ効果、長期軸力を考慮してN値を決定する方法である。2曲げ材の支持点付近で引張側に切欠きを設ける場合、切欠きの深さ(高さ)は、材せいの1/2以下とする。3四分割法における耐力壁配置のバランスを確認するための壁率比は、小さいほうの壁量充足率を大きいほうの壁量充足率で除して求める。4工場生産によりたて枠と面材とを接着したパネル壁は、実験や計算で確認された場合において、ストレスト・スキン効果を考慮して鉛直荷重に対して抵抗させることができる。5引張力を負担する筋かいとして鉄筋を使用する場合、径が9 mm以上のものを使用する。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.12
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N値法は、柱の両側の耐力壁の倍率の差、周辺部材による押さえ効果、長期軸力を考えて N値を求め、柱頭・柱脚の接合金物を選ぶ方法(平成12年建設省告示第1460号)。
曲げ材の支持点付近で引張側に切欠きを設けるとき、切欠きの深さは材せいの1/3以下とする。引張側の切欠きは割れが生じやすいので、1/2では深すぎる。
四分割法の壁率比は、各方向について、両端の側端部分の壁量充足率の小さいほうを大きいほうで割った値(0.5以上が必要=平成12年建設省告示第1352号)。
工場でたて枠と面材を接着したパネルは、実験や計算で確かめれば、面材とたて枠が一体となって働くストレスト・スキン効果を考えて鉛直荷重に抵抗させることができる。
引張力を負担する筋かいに鉄筋を使う場合は、径9mm以上とする(建築基準法施行令第45条第1項)。
四分割法を定めていた平成12年建設省告示第1352号は、令和7年4月1日施行の改正で廃止され、内容は昭和56年建設省告示第1100号に移った。答えは同じ。
建築基準法施行令 第45条第1項(引張筋かい)、平成12年建設省告示第1352号(四分割法)・第1460号(N値計算)
No.13補強コンクリートブロック造(耐力壁で囲まれた面積・A種ブロック・耐力壁の長さ・横筋の定着・端部の縦筋)
補強コンクリートブロック造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1床及び屋根が鉄筋コンクリート造であったので、耐力壁の中心線によって囲まれた部分の水平投影面積を、60㎡とした。22階建て、軒の高さ7 m(1階の階高3.5 m)の建築物に、A種の空洞ブロックを用いた。3両側に開口部のある耐力壁の長さ(実長)を75 cmとし、かつ、耐力壁の有効高さの30%以上を確保した。4耐力壁の端部において、横筋に用いた異形鉄筋(D13)は、直交する耐力壁の内部に定着させ、その定着長さを300 mmとした。5耐力壁の端部において、縦筋に、異形鉄筋(D13)を用いた。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.13
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耐力壁の中心線で囲まれた部分の水平投影面積は60㎡以下とする(建築基準法施行令第62条の4第1項)。60㎡は満たしている。
A種の空洞ブロックは、階数2以下・軒の高さ7.5m以下の建築物に使える。2階建て・軒高7mは範囲内。
両側に開口部のある耐力壁の長さ(実長)は、55cm以上、かつ、耐力壁の有効高さの30%以上とする(日本建築学会の規準)。75cm・30%以上は満たしている。
耐力壁の端部が直交する耐力壁などに接する場合、横筋の末端はそこに定着し、定着長さは溶接する場合を除き径の25倍以上とする(同令第62条の4第6項第三号)。D13 では 25×13=325mm以上が必要で、300mm は足りない。
耐力壁の端部と隅角部には、径12mm以上の鉄筋を縦に配置する(同令第62条の4第4項)。D13 は満たしている。
建築基準法施行令 第62条の4第1項(耐力壁の中心線で囲まれた面積60㎡以下)・第4項(端部の縦筋は径12mm以上)・第6項第三号(横筋の定着は径の25倍以上)
No.14鉄筋コンクリート構造(柱の主筋比・柱梁接合部の帯筋・スラブの鉄筋比・釣合鉄筋比・平面保持の仮定)
鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1柱のコンクリート全断面積に対する主筋全断面積の割合は、一般に、0.4%以上とする。2柱梁接合部において、その接合部に隣接する柱の帯筋間隔が10 cmの場合、接合部内の帯筋の間隔を15 cm以下、帯筋比を0.2%以上とする。3床スラブ各方向の全幅について、コンクリート全断面積に対する鉄筋全断面積の割合は、0.2%以上とする。4梁の引張鉄筋比が、釣り合い鉄筋比以下の場合、梁の許容曲げモーメントは、引張鉄筋の断面積にほぼ比例する。5鉄筋コンクリート造部材の曲げモーメントに対する断面算定は、一般に、曲げ材の各断面が材の湾曲後も平面を保ち、コンクリートの圧縮応力度が中立軸からの距離に比例するとの仮定に基づいて行う。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.14
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柱の主筋の断面積の和は、コンクリートの断面積の0.8%以上とする(建築基準法施行令第77条第六号)。0.4%では少ない。
柱梁接合部内の帯筋は、間隔150mm以下、帯筋比0.2%以上とする(隣接する柱の帯筋間隔の1.5倍以下)。
床スラブの各方向の全幅について、鉄筋の全断面積はコンクリートの全断面積の0.2%以上とする。
引張鉄筋比が釣合鉄筋比以下なら、引張鉄筋が先に許容応力度に達するので、許容曲げモーメントは引張鉄筋の断面積にほぼ比例する。
曲げに対する断面算定は、平面保持(断面は曲がっても平面のまま)と、コンクリートの圧縮応力度が中立軸からの距離に比例するという仮定で行う。
建築基準法施行令 第77条第六号(主筋の断面積の和は0.8%以上)
No.15大梁と柱の主筋の重ね継手の位置(図)
鉄筋コンクリート構造の建築物において、図-1のような大梁及び図-2のような柱における主筋の重ね継手の位置ア~キの組合せとして、最も適当なものは、次のうちどれか。なお、図中の○印は、継手の中心位置を示す。
図を押すと大きく表示します
大梁主筋の継手位置 柱主筋の継手位置 上端筋 下端筋 1. ア エ キ 2. ア オ カ 3. イ ウ キ 4. イ エ カ 5. イ オ キ 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.15
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・大梁の上端筋:長期荷重で端部の上端が引張りになるので、継手は引張力の小さい中央部(柱面から L0/4 より内側)=イ
・大梁の下端筋:中央部の下端が引張りになるので、継手は端部寄り。ただし柱面から梁せい D の範囲(大きな力がかかる所)は避け、D 〜 L0/4 の範囲=エ(ウは D 以内、オは中央)
・柱の主筋:柱の上下の端部は曲げモーメントが大きいので避け、床(梁上端)から500mm以上、梁下から H0/4 の範囲を外した中間部=カ(キは床から500mm以内)
No.16鉄骨構造(横座屈補剛材・梁のたわみ・根巻き柱脚・露出柱脚のせん断・角形鋼管柱の補強)
鉄骨構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1梁材の圧縮側フランジに設ける横座屈補剛材は,材に元たわみがある場合においても、その耐力が確保されるように、補剛材に十分な耐力と剛性を与える必要がある。2長期に作用する荷重に対する梁材のたわみは、通常の場合はスパンの1/300以下、片持ち梁では1/250以下とする。3根巻き形式の柱脚において、柱下部の根巻き鉄筋コンクリートの高さは、一般に、柱せいと柱幅の大きいほうの2.0倍以上とする。4露出柱脚に作用するせん断力は、「ベースプレート下面とモルタル又はコンクリートとの摩擦力」又は「アンカーボルトの抵抗力」によって伝達するものとして算定する。5角形鋼管柱に筋かい材を取り付ける場合、角形鋼管の板要素の面外変形で、耐力上の支障をきたすことのないように、鋼管内部や外部に十分な補強を行う必要がある。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.16
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横座屈補剛材は、梁に元たわみ(初期の曲がり)があっても補剛の効果が保てるように、十分な耐力と剛性をもたせる。
長期荷重による梁のたわみは、通常スパンの1/300以下、片持ち梁は1/250以下とする(日本建築学会 鋼構造設計規準)。
根巻き形式の柱脚の根巻き鉄筋コンクリートの高さは、柱幅(柱せいと柱幅の大きいほう)の2.5倍以上とする(平成12年建設省告示第1456号)。2.0倍では足りない。
露出柱脚のせん断力は、ベースプレート下面とモルタル・コンクリートの摩擦力か、アンカーボルトの抵抗力で伝わるものとして算定する。
角形鋼管柱に筋かいを取り付けると、鋼管の板が面外に変形しやすいので、ダイアフラムなどで内部・外部を十分に補強する。
No.17鉄骨構造の接合(部分溶込み溶接・隅肉溶接の角度・摩擦接合の許容応力度・すべり係数・フィラープレート)
鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1片面溶接による部分溶込み溶接は、荷重の偏心によって生じる付加曲げによる引張応力がルート部に作用する箇所には使用しない。2一般に、接合しようとする母材の間の角度が60度未満又は120度を超える場合の隅肉溶接には、応力を負担させない。3高力ボルト摩擦接合部の許容応力度は、締め付けられる鋼材間の摩擦力と高力ボルトのせん断力との和として応力が伝達されるものとして計算する。4構造用鋼材の高力ボルト摩擦接合部の表面処理方法として、浮き錆を取り除いた赤錆面とした場合、接合面のすべり係数の値は0.45とする。5高力ボルト摩擦接合において、両面とも摩擦面としての処理を行ったフィラープレートは、接合する母材の鋼種にかかわらず、400 N/mm²級の鋼材でよい。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17
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片面溶接の部分溶込み溶接は、ルート部に引張応力がかかると割れやすいので、偏心による付加曲げでルート部が引張りになる箇所には使わない。
母材の間の角度が60度未満、又は120度を超える隅肉溶接は、のど厚が確保しにくいので、応力を負担させない。
高力ボルト摩擦接合の許容応力度は、ボルトの締付けで生じる鋼材間の摩擦力だけで応力が伝わるものとして計算する。ボルトのせん断力との和にはしない(すべった後に初めてボルトがせん断で働く)。
浮き錆を取り除いた赤錆面(自然発錆)は、すべり係数0.45以上を確保できる表面処理(公共建築工事標準仕様書 令和4年版 7.4.2)。
両面を摩擦面として処理したフィラープレートは、母材の鋼種にかかわらず、400N/mm²級の鋼材でよい。
No.18耐震設計・構造計画(剛性率・梁の塑性ヒンジ・免震・制振装置の配置・短周期の応答)
建築物の耐震設計、構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1剛性率は、「各階の層間変形角の逆数」を「全ての階の層間変形角の逆数の相加平均の値」で除した値であり、その値が大きいほど、その階に損傷が集中する危険性が高いことを示している。2極めて稀に生じる地震に対しては、できる限り多くの梁に塑性ヒンジができて全体の階が一様に塑性化するような構造計画とすることが望ましい。3免震構造には、建築物の長周期化を図ることにより、地震動との共振現象を避ける働きがある。4制振構造について、一般に、大地震に対しては制振装置を各層に分散配置する方式が用いられ、暴風時の居住性向上には制振装置を頂部に集中配置する方式が用いられることが多い。5固有周期が短い建築物では、一般に、最大応答加速度が地面の最大加速度より大きい。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18
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剛性率は、その階の層間変形角の逆数を、全階の平均で割った値。値が小さい階ほど、他の階より柔らかく、その階に損傷が集中しやすい(建築基準法施行令第82条の6第二号イで6/10以上)。大きいほど危険なのではない。
極めてまれな地震に対しては、柱より梁に先に塑性ヒンジができ、全体の階が一様に塑性化する(全体崩壊形)ように計画するのが望ましい。
免震構造は、建築物の固有周期を長くして、地震動の周期との共振を避け、揺れを小さくする。
制振構造は、大地震には制振装置(ダンパーなど)を各層に分散して配置し、暴風時の居住性には頂部に集中配置する(TMD など)ことが多い。
固有周期の短い(剛な)建築物は、地面とほぼ一体に揺れ、最大応答加速度は地面の最大加速度より大きくなる。
建築基準法施行令 第82条の6第二号イ(剛性率は6/10以上)
No.19既存建築物の耐震診断・耐震補強(第2次診断法・耐震スリット・耐震壁の増設・炭素繊維巻き・一般診断法)
既存建築物の耐震診断、耐震補強等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1既存の鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準における第2次診断法は、梁の変形能力などは考慮せずに、柱や壁の強さと変形能力などをもとに耐震性能を判定する診断手法である。2耐震スリットとは、耐震設計で考慮されていなかった既存の鉄筋コンクリート壁が、柱や架構に悪影響を及ぼし耐震性能を低下させることを防止するために設ける構造目地である。3耐震壁の開口部をふさいだり壁厚を増したりすることは、既存の鉄筋コンクリート造建築物の保有水平耐力を増して強度的に地震外力に抵抗させる補強に適している。4既存の鉄筋コンクリート柱における炭素繊維巻き付け補強は、柱の曲げ耐力の向上を目的とした補強方法である。5既存の木造住宅の耐震診断法における一般診断法は、「壁や柱の耐力」に「耐力要素の配置等による低減係数」と「劣化度による低減係数」を乗じて、当該住宅が保有する耐力を算定する手法である。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.19
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RC造の第2次診断法は、梁の変形能力などは考えず、柱と壁の強さと変形能力(靱性)から耐震性能を判定する方法。
耐震スリットは、設計で考えていなかった腰壁・垂れ壁などが柱を短柱にして悪影響を与えるのを防ぐため、壁と柱の間などに設ける構造目地。
耐震壁の開口部をふさぐ・壁を厚くするといった補強は、保有水平耐力を増して、強度で地震力に抵抗させる補強に向く。
炭素繊維を柱に巻き付ける補強は、柱を横から拘束して、せん断耐力と靱性(変形能力)を高める補強。柱の曲げ耐力の向上を目的としたものではない。
木造住宅の一般診断法は、壁や柱の耐力に、耐力要素の配置などによる低減係数と劣化度による低減係数を掛けて、保有する耐力を算定する。
🧱 建築材料(No.20〜No.25)
No.20木材・木質材料(真比重・軟木・木杭・集成材の異方性・インシュレーションボード)
建築材料として使用される木材及び木質材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1木材の真比重は、樹種によらずほぼ一定であり、樹種によって比重が異なるのは木材中の空隙率の違いによるものである。2スギやヒノキなどの針葉樹は軟木と言われ、一般に、加工がしやすく構造材にも適している。3木杭は、通常の場合、腐朽を避けるために、常水面下に設置する。4構造用集成材は、繊維方向、積層方向等によって強度性能上の異方性を示す。5インシュレーションボードは、木材の小片(チップ)に接着剤を加えて、熱圧・成形したボードである。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.20
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木材をつくる細胞壁そのものの比重(真比重)は、樹種によらずほぼ一定(約1.5)。樹種で比重が違うのは、空隙の割合が違うため。
スギ・ヒノキなどの針葉樹は軟木と呼ばれ、加工しやすく、まっすぐで長い材がとれるので構造材に適している。
木杭は、腐朽を防ぐため常水面下に設ける(建築基準法施行令第38条第6項。平家建ての木造建築物に使う場合を除く)。
構造用集成材は、繊維方向・積層方向などによって強度性能が異なる(異方性がある)。
木材の小片(チップ)に接着剤を加えて熱圧成形したボードはパーティクルボード。インシュレーションボードは、木材などの繊維を成形した密度の低い繊維板で、断熱性・吸音性がある。
建築基準法施行令 第38条第6項(木ぐいは常水面下)
No.21コンクリート(設計基準強度と品質基準強度・調合強度・圧縮強度と曲げ強度・乾燥収縮・ヤング係数)
コンクリートに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1コンクリートの設計基準強度は、品質基準強度よりも大きい。2コンクリートの調合強度は、調合管理強度よりも大きい。3コンクリートの圧縮強度は、曲げ強度よりも大きい。4単位水量が少ないコンクリートほど、乾燥収縮は小さくなる。5気乾単位容積質量が大きいコンクリートほど、ヤング係数は大きくなる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.21
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品質基準強度は、設計基準強度と耐久設計基準強度の大きいほうとする(JASS 5)。設計基準強度は品質基準強度と等しいか小さく、品質基準強度より大きくはならない。
調合強度は、調合管理強度に、強度のばらつきを考えた割増しを加えた値なので、調合管理強度より大きい。
コンクリートの圧縮強度は、曲げ強度(圧縮強度の1/5〜1/8程度)よりずっと大きい。
乾燥収縮は、主に水が蒸発して起こるので、単位水量が少ないほど小さい。
ヤング係数は、気乾単位容積質量(重さ)が大きいほど、また強度が大きいほど大きい。
No.22コンクリートの材料(セメントの水硬性・せっこう・膨張材・高炉スラグ微粉末・流動化剤)
コンクリートの材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1ポルトランドセメントは、水和反応後、時間が経過して乾燥するにしたがって強度が増大する気硬性材料である。2ポルトランドセメントには、凝結時間を調整するためにせっこうが混合されている。3膨張材を使用することにより、硬化後のコンクリートの乾燥収縮によるひび割れを低減することができる。4高炉スラグ微粉末を使用することにより、硬化後のコンクリートの水密性や化学抵抗性を向上させることができる。5流動化剤を使用することにより、硬化後のコンクリートの強度や耐久性に影響を及ぼさずに、打込み時のフレッシュコンクリートの流動性を増大させることができる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.22
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ポルトランドセメントは、水と反応(水和反応)して固まる水硬性の材料。強度は、乾燥ではなく水和が進むことで増す(乾燥させると水和が止まる)。
ポルトランドセメントには、急に固まらないよう凝結時間を調整するため、せっこうが加えられている。
膨張材を使うと、硬化するときにわずかに膨張し、乾燥収縮によるひび割れを減らせる。
高炉スラグ微粉末を使うと、組織が緻密になり、水密性や化学抵抗性が向上する。
流動化剤は、硬化後の強度や耐久性に影響を与えずに、打込み時の流動性を高める。
No.23鋼材(ヤング係数・焼入れ・比重・耐火鋼・脆性破壊)
鋼材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1常温において、SN400材とSS400材のヤング係数は、同じである。2鋼材を焼入れすると、硬さ・耐摩耗性が減少するが、粘り強くなる。3鋼材の比重は、アルミニウム材の比重の約3倍である。4建築構造用耐火鋼(FR鋼)は、一般の鋼材よりも高温時の強度を向上させ、600℃における降伏点が常温規格値の2/3以上あることを保証した鋼材である。5鋼材は通常、伸びと絞りを伴って破断(延性破壊)するが、低温状態や鋼材に切欠きがある場合に衝撃力がかかると脆性破壊しやすくなる。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.23
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鋼材のヤング係数は、種類や強度にかかわらず約2.05×10⁵N/mm²で、SN400とSS400で同じ。
焼入れ(高温から急冷)すると、硬さ・耐摩耗性は増すが、粘りが減ってもろくなる。設問は逆。粘りを回復させるには、焼戻しを行う。
鋼材の比重は約7.85、アルミニウムは約2.7なので、約3倍。
建築構造用耐火鋼(FR鋼)は、高温での強度を高め、600℃での降伏点が常温の規格値の2/3以上あることを保証した鋼材。
鋼材はふつう伸びや絞りを伴って破断する(延性破壊)が、低温や切欠きがある所に衝撃がかかると、脆性破壊しやすい。
No.24建築材料(タイルの吸水率・合成樹脂調合ペイント・大谷石・複層ガラス・スギとベイマツの基準強度)
建築材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1セラミックタイルのⅠ類は、Ⅱ類、Ⅲ類に比べて、吸水率が低い。2合成樹脂調合ペイントは、コンクリート面やモルタル面の塗装には不適である。3大谷石は凝灰岩の一種で、軟らかく加工が容易で耐火性に優れる。4複層ガラスは、複数枚の板ガラスを一定の間隔を保ち、中空層に乾燥空気を封入したもので、断熱性が高く、結露防止に有効である。5針葉樹の基準強度について、年輪の幅などの条件を一定にして比較すると、一般に、スギはベイマツよりも高い。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.24
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セラミックタイルは吸水率で区分され、Ⅰ類(3%以下)がⅡ類(10%以下)・Ⅲ類(50%以下)より吸水率が低い。
合成樹脂調合ペイントはアルカリに弱いので、コンクリート面やモルタル面には向かない(木部・鉄部に使う)。
大谷石は凝灰岩の一種で、軟らかく加工しやすく、耐火性に優れる。
複層ガラスは、板ガラスの間の中空層に乾燥空気を封入したもので、断熱性が高く結露防止に有効。
針葉樹の無等級材の基準強度は、ベイマツのほうがスギより高い(例:曲げ ベイマツ28.2・スギ22.2N/mm²、圧縮 ベイマツ22.2・スギ17.7N/mm²=平成12年建設省告示第1452号)。
No.25建築材料(木毛セメント板・せっこうボード・チタン・ガルバリウム鋼板・スレート波板)
建築材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1木毛セメント板は、ひも状の木片とセメントを用いて加圧成形した板材で、保温性、耐火性、遮音性に優れ、壁や天井などの下地材として使用される。2せっこうボードは、防火、耐火、遮音の性能に優れ、壁内装下地材や浴室の天井などに使用される。3チタンは、耐食性や意匠性に優れ、屋根や内外壁に使用される。4ガルバリウム鋼板は、耐食性に優れ、防音材、断熱材を裏打ちしたものが、屋根や外壁材に使用される。5スレート波板は、セメント、補強繊維、混和材に水を混合して成形したもので、屋根や外壁材に使用される。出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.25
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木毛セメント板は、ひも状の木片(木毛)とセメントを加圧成形した板で、保温性・耐火性・吸音性があり、壁や天井の下地に使われる。
せっこうボードは防火・耐火・遮音性能に優れるが、水や湿気に弱いので、浴室の天井など湿気の多い所には使わない(使うならシージングせっこうボードなど)。
チタンは、耐食性や意匠性に優れ、屋根や内外壁に使われる。
ガルバリウム鋼板(アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板)は耐食性に優れ、断熱材などを裏打ちしたものが屋根や外壁に使われる。
スレート波板は、セメント・補強繊維・混和材に水を混ぜて波形に成形したもので、屋根や外壁に使われる。
令和5年の合格基準点(学科の試験)
配点は各問題1点(各科目25点・合計100点)で、各科目の基準点と総得点の基準点のすべてに達した人が合格です。
| 学科Ⅰ 計画 | 学科Ⅱ 法規 | 学科Ⅲ 構造 | 学科Ⅳ 施工 | 総得点 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 合格基準点 | 13点 | 13点 | 13点 | 13点 | 60点 |
出典:建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験『学科の試験』の合格基準点等について」
令和5年の構造の基準点は13点でした。構造は法令集を使えない科目で、前半の構造力学(断面の性質・応力・反力・トラス・座屈など)は毎年同じ形の計算問題が出ます。計算問題を確実に解けるようにし、後半の各種構造と材料は、建築基準法施行令や告示の数値と材料の性質をセットで覚えておくと安心です。
ほかの年度・ほかの科目の過去問
この記事の問題文と図は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している令和5年 二級建築士試験(学科の試験)の問題から、著作権法第32条の引用として掲載しています。著作権は同センターにあります。
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