要点と過去問10年分
二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)の No.17 で毎年出題される「鉄骨構造の接合」について、高力ボルト・普通ボルト、溶接、接合法の併用と継手の設計を要点にまとめ、令和8年〜平成29年の10年分の過去問を選択肢ごとに解説します。

鉄骨造(接合)の出題の傾向(令和8年〜平成29年)
No.17 は、10年とも鉄骨構造の接合が1問出題されています。隅肉溶接のサイズ(薄いほうの板厚以下)とのど厚(0.7倍)、高力ボルトの中心間距離(2.5倍)、摩擦接合は摩擦力だけで伝えること、高力ボルトと溶接の併用の順序がくり返し出ます。
毎年 No.17 に1問(10年で10問)。この記事で解説する選択肢は50肢です。
過去問の問題文と選択肢は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している二級建築士試験の問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各選択肢の枠の右下に出典)。正答は、同センターの「合格基準点等(正答肢)」と照らし合わせています。
「要点」は、今の建築基準法・告示や日本建築学会の規準などでまとめています。過去問の解説は、年度別の記事と同じく出題当時の基準によります。その後の改定で答えが変わる選択肢には「🔶 現在の基準では」の枠を付けています。
🔩 高力ボルト・普通ボルト
📖 高力ボルト摩擦接合
高力ボルト摩擦接合は、締付け力でできる摩擦だけで力を伝えると考えます。すべり係数・二面摩擦・ボルトの間隔の数字が問われます。
| 項目 | 決まり | 根拠 |
|---|---|---|
| 力の伝わり方 | 締付け力で生じる鋼材間の摩擦力だけで応力を伝える(ボルトのせん断力との和にはしない)。せん断耐力は締付け力とすべり係数で決まる | |
| すべり係数 | 浮き錆を取り除いた赤錆面・ブラスト面で0.45 | 公共建築工事標準仕様書 7.4.2 |
| 二面摩擦 | 表面条件が同じなら、許容せん断力は一面摩擦の2倍(長期・短期とも) | 令 第92条の2 |
| フィラープレート | 両面を摩擦面として処理すれば、母材の鋼種にかかわらず400N/mm²級でよい | |
| ボルト孔の中心間距離 | 径の2.5倍以上 | 令 第68条第1項 |
| 普通ボルト | 軒の高さ9m超、張り間13m超、又は延べ面積3,000m²超の建築物の構造耐力上主要な部分には、原則として使えない(2025年4月からは、令和6年国土交通省告示第955号に適合する小規模な鉄骨造も、戻り止めをしたボルト接合が使える) | 令 第67条第1項 |
「令」は建築基準法施行令。
✏️ 過去問:高力ボルト・普通ボルト(10年で17肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。同じ文で何年も出た選択肢は1枚にまとめています(全13枚)。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
高力ボルト摩擦接合のせん断耐力は、ボルト締付け力と摩擦面の状態によるすべり係数によって決まる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢3
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
高力ボルト摩擦接合は、ボルトの締付け力で生じる摩擦で力を伝えるので、せん断耐力は締付け力と、摩擦面のすべり係数で決まる。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
高力ボルト摩擦接合部の許容応力度は、締め付けられる鋼材間の摩擦力と高力ボルトのせん断力との和として応力が伝達されるものとして計算する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢3
同じ文:平成29年 No.17 選択肢1
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
高力ボルト摩擦接合の許容応力度は、ボルトの締付けで生じる鋼材間の摩擦力だけで応力が伝わるものとして計算する。ボルトのせん断力との和にはしない(すべった後に初めてボルトがせん断で働く)。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
構造用鋼材の高力ボルト摩擦接合の表面処理方法として、浮き錆を取り除いた赤錆面とした場合、接合面のすべり係数の値は 0.45 とする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢2
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
高力ボルト摩擦接合の摩擦面は、浮き錆を取り除いた赤錆面やブラスト処理面とし、すべり係数0.45以上を確保する(公共建築工事標準仕様書 令和7年版 7.4.2)。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
構造用鋼材の高力ボルト摩擦接合部の表面処理方法として、浮き錆を取り除いた赤錆面とした場合、接合面のすべり係数の値は 0.45 とする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢4
同じ文:令和元年 No.17 選択肢5
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
浮き錆を取り除いた赤錆面(自然発錆)は、すべり係数0.45以上を確保できる表面処理(公共建築工事標準仕様書 令和4年版 7.4.2)。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
高力ボルト摩擦接合において、摩擦面のすべり係数など表面条件が同じ場合、二面摩擦の許容せん断力は、一面摩擦の許容せん断力の 2 倍とする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢4
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
二面摩擦は摩擦面が2つあるので、表面条件が同じなら、許容せん断力は一面摩擦の2倍とする(建築基準法施行令第92条の2の表:長期の許容せん断応力度は、一面せん断0.3T0・二面せん断0.6T0)。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
高力ボルト摩擦接合において、2 面摩擦とする場合の許容耐力は、長期、短期ともに 1 面摩擦とする場合の 2 倍の数値とすることができる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢2
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
高力ボルト摩擦接合において、両面とも摩擦面としての処理を行ったフィラープレートは、接合する母材の鋼種にかかわらず、400 N/mm²級の鋼材でよい。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢5
同じ文:平成29年 No.17 選択肢2
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
両面を摩擦面として処理したフィラープレートは、母材の鋼種にかかわらず、400N/mm²級の鋼材でよい。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
高力ボルト摩擦接合において、両面とも母材と同等の摩擦面としての処理を行ったフィラープレートは、接合する母材の鋼種に関わらず、母材と同強度の鋼材とする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢1
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
両面を母材と同等の摩擦面として処理したフィラープレートは、母材の鋼種にかかわらず400N/mm²級の鋼材でよい。母材と同強度の鋼材とする必要はない。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
高力ボルトの接合において、ボルト孔の中心間の距離は、ねじの呼び径の 2.5 倍以上とする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢3
同じ文:令和4年 No.17 選択肢3
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
高力ボルト・ボルト・リベットの相互間の中心距離は、その径の2.5倍以上とする(建築基準法施行令第68条第1項)。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
高力ボルトの接合において、ボルト孔の中心間の距離は、公称軸径の 2.5 倍以上とする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢5
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
高力ボルト・ボルト・リベットの相互間の中心距離は、その径の2.5倍以上とする(建築基準法施行令第68条第1項)。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
高力ボルトの接合において、ボルト孔の中心間の距離は、公称軸径の 2 倍以上とする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢4
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
高力ボルト・ボルト・リベットの相互間の中心距離は、その径の2.5倍以上とする(建築基準法施行令第68条第1項)。2倍では足りない。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
軒の高さが 9 mを超える、又は張り間が 13 mを超える建築物の構造耐力上主要な部分である鋼材の接合には、原則として、普通ボルトを使用してはならない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢4
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
鋼材の接合は高力ボルト接合・溶接接合などによる。ボルト接合(戻り止めをしたもの)を使えるのは、軒の高さ9m以下かつ張り間13m以下(延べ面積3,000㎡以下)の建築物などに限られる(建築基準法施行令第67条第1項)。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
軒の高さが 9 mを超える、又は張り間が 13 mを超える建築物の構造耐力上主要な部分には、原則として、普通ボルトを使用してはならない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢1
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
普通ボルト接合(戻り止めをしたもの)を使えるのは、軒の高さ9m以下、張り間13m以下、延べ面積3,000㎡以下の建築物(建築基準法施行令第67条第1項ただし書)。これを超える建築物には、原則として使えない。
🔥 溶接
📖 隅肉溶接の決まり
溶接は、隅肉溶接のサイズ・のど厚・有効長さの決まりがよく問われます。
| 項目 | 決まり | 根拠 |
|---|---|---|
| 隅肉溶接のサイズ | 薄いほうの母材の厚さ以下 | |
| 有効のど厚 | 隅肉サイズの0.7倍 | |
| 有効長さ | まわし溶接を含めた溶接の全長から、隅肉サイズの2倍を引く。応力を伝える隅肉溶接は、サイズの10倍以上かつ40mm以上 | |
| まわし溶接 | かどで終わる隅肉溶接は、かどを連続してまわし、長さは隅肉サイズの2倍を原則とする | |
| 隅肉溶接の角度 | 母材の間の角度が60度以下(未満)又は120度以上(超)のときは、応力を負担させない | |
| 片面の部分溶込み溶接 | 偏心による付加曲げでルート部に引張りがかかる所には使わない | |
| 重ね継手 | 2列以上の隅肉溶接とし、薄いほうの板厚の5倍以上、かつ、30mm以上重ねる | 日本建築学会 鋼構造設計規準 |
| 裏はつり | 完全溶込み溶接を両側から行うとき、先に溶接した面の裏側から第1層を削り取ること | |
| スカラップ | 応力集中で破断の原因になることがあるので、設けない工法(ノンスカラップ)もある | |
| 溶接の許容応力度 | 隅肉溶接ののど断面の許容引張応力度は、突合せ溶接の1/√3倍。短期は長期の1.5倍 | 令 第92条 |
✏️ 過去問:溶接(10年で21肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。同じ文で何年も出た選択肢は1枚にまとめています(全19枚)。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
溶接接合において、隅肉溶接のサイズは、一般に、厚いほうの母材厚さ以上の値とする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢1
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
隅肉溶接のサイズは、一般に、薄いほうの母材の厚さ以下とする。厚いほうの母材厚さ以上とすると、薄い板が溶け落ちたり、ひずみが大きくなったりする。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
溶接接合において、隅肉溶接のサイズは、一般に、薄いほうの母材厚さ以下の値とする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢2
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
溶接接合において、隅肉溶接のサイズは、一般に、薄いほうの母材の厚さ以下とする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢4
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
溶接接合において、隅肉溶接のサイズは、一般に、薄いほうの母材の厚さを超える値とする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢5
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
隅肉溶接のサイズは、一般に、薄いほうの母材の厚さ以下とする。母材の厚さを超える大きさにしても、母材のほうが先に壊れるので意味がなく、溶接の欠陥やひずみの原因にもなる。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
構造計算に用いる隅肉溶接の溶接部の有効のど厚は、一般に、隅肉サイズの 0.7 倍とする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢4
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
構造計算に用いる隅肉溶接の溶接部の有効のど厚は、一般に、隅肉サイズの 1/2 とする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢4
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
隅肉溶接の有効のど厚は、一般に、隅肉サイズの0.7倍とする(脚の長さが等しい直角三角形の、直角の頂点から斜辺までの高さ=サイズ×1/√2)。1/2ではない。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
構造計算に用いる隅肉溶接の溶接部の有効のど厚は、一般に、隅肉サイズの 0.7 倍である。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢4
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
隅肉溶接の有効長さは、まわし溶接を含めた溶接の全長として算出する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢1
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
隅肉溶接の有効長さは、まわし溶接を含めた溶接の全長から、始端と終端の欠陥を見込んで隅肉サイズの2倍を引いた長さとする。全長そのままではない。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
応力を伝達する隅肉溶接の有効長さは、一般に、隅肉サイズの 10 倍以上で、かつ、40 mm以上とする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢5
同じ文:平成29年 No.17 選択肢5
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
重ね継手において、かど部で終わる側面隅肉溶接又は前面隅肉溶接を行う場合、連続的にそのかどをまわして溶接し、まわし溶接の長さは、隅肉サイズの 2 倍を原則とする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢3
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
一般に、接合しようとする母材の間の角度が 60 度未満又は 120 度を超える場合の隅肉溶接には、応力を負担させない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢2
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
隅肉溶接においては、一般に、接合しようとする母材間の角度が 60 度以下、又は 120 度以上である場合、溶接部に応力を負担させてはならない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢4
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
隅肉溶接は、母材間の角度が60度以下又は120度以上の場合、溶接部に応力を負担させてはならない(有効なのど厚が確保しにくい)。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
片面溶接による部分溶込み溶接は、荷重の偏心によって生じる付加曲げによる引張応力がルート部に作用する箇所には使用しない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢1
同じ文:令和2年 No.17 選択肢1
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
片面溶接の部分溶込み溶接は、ルート部に引張応力がかかると割れやすいので、偏心による付加曲げでルート部が引張りになる箇所には使わない。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
重ね継手は、2 列以上の隅肉溶接を原則とし、薄いほうの板厚の 5 倍以上、かつ、30 mm以上重ね合わせなければならない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢1
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
重ね継手は、2列以上の隅肉溶接とし、薄いほうの板厚の5倍以上、かつ、30mm以上重ね合わせる(日本建築学会 鋼構造設計規準)。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
応力を伝達する重ね継手の溶接には、原則として、2 列以上の隅肉溶接を用いる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢3
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
完全溶込み溶接を鋼材の両側から行う場合において、先に溶接した面の裏側から溶接部分の第 1 層を削り落とすことを、裏はつりという。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢5
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
完全溶込み溶接を両側から行うとき、先に溶接した面の裏側から、溶接の第1層(欠陥が生じやすい)を削り取ることを裏はつりという。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
柱梁接合部において、スカラップは、応力集中により部材の破断の原因となることがあるので、スカラップを設けない方法もある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢2
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
スカラップ(溶接線の交差を避ける切欠き)は応力集中で破断の原因になることがあるので、スカラップを設けない工法(ノンスカラップ工法)もある。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
溶接継目ののど断面に対する短期許容せん断応力度は、長期許容せん断応力度の 1.5 倍とする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢5
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
隅肉溶接における溶接継目ののど断面に対する許容引張応力度は、突合せ溶接による溶接継目の許容引張応力度の 1/√3 倍である。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢4
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
のど断面に対する許容引張応力度は、突合せ溶接が F/1.5、突合せ以外(隅肉溶接)が F/(1.5√3)(建築基準法施行令第92条の表)。隅肉溶接は突合せ溶接の1/√3倍。
🔗 接合法の併用・継手の設計
📖 併用と継手
1つの継手で接合法を併用するときの考え方と、継手の設計用の耐力が問われます。
| 項目 | 決まり |
|---|---|
| 高力ボルトと溶接 | 高力ボルトを先に締め付けたときだけ、両方の耐力を足せる(溶接が先だと熱でひずみ、摩擦面が密着しない) |
| 普通ボルトと溶接 | 普通ボルトには初期すべりがあるので、全応力を溶接で負担する |
| 高力ボルトと普通ボルト | 全応力を高力ボルトで負担する |
| 突合せ溶接と隅肉溶接 | 各溶接継目の許容耐力に応じて応力を分担させてよい |
| 継手の設計用の耐力 | 柱の継手は部材の各応力に対する許容耐力の1/2を超える耐力。梁の高力ボルト継手の設計用曲げモーメントは降伏曲げモーメントの1/2以上。トラスの接合部は部材の許容応力の1/2以下にしない |
| 曲げを伝える接合部 | ボルト・溶接の応力は、回転中心からの距離に比例するとみなす |
| 山形鋼・溝形鋼の片側接合 | 偏心の影響を考えて設計する |
✏️ 過去問:接合法の併用・継手の設計(10年で12肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。同じ文で何年も出た選択肢は1枚にまとめています(全11枚)。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
一つの継手に溶接接合と高力ボルト摩擦接合とを併用する場合において、溶接接合が高力ボルト摩擦接合より先に施工されるときは、溶接接合と高力ボルト摩擦接合の両方の耐力を加算することができる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢2
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
溶接と高力ボルト摩擦接合を併用するとき、両方の耐力を加算できるのは、高力ボルトを先に締め付けた場合。溶接を先に行うと、溶接の熱による変形で接合面が密着せず、高力ボルトの摩擦力が期待できないので、溶接だけで力を負担させる。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
一つの継手に高力ボルト摩擦接合と溶接接合とを併用する場合において、高力ボルト摩擦接合が溶接接合より先に施工されるときは、高力ボルト摩擦接合と溶接接合の両方の耐力を加算することができる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢2
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
高力ボルト摩擦接合を溶接より先に施工する場合は、両方の耐力を加算できる(溶接を先にすると、溶接のひずみで摩擦面が密着しないおそれがあるので加算しない)。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
一つの継手に高力ボルト摩擦接合と溶接接合とを併用する場合において、高力ボルト摩擦接合が溶接接合より先に施工されるときは、高力ボルト摩擦接合部と溶接継目に応力を分担させることができる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢3
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
一つの継手に普通ボルトと溶接とを併用する場合は、ボルトには初期すべりがあるので、全応力を溶接で負担する必要がある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢1
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
一つの継手に高力ボルトと普通ボルトを併用する場合には、一般に、全応力を高力ボルトが負担するものとして設計する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢2
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
高力ボルトと普通ボルトを併用する場合は、普通ボルトはすべりが生じてから力を負担するので、全応力を高力ボルトが負担するものとして設計する。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
一つの継手に突合せ溶接と隅肉溶接を併用する場合、それぞれの応力は、各溶接継目の許容耐力に応じて分担させることができる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢3
同じ文:令和2年 No.17 選択肢2
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
突合せ溶接と隅肉溶接を一つの継手に併用する場合は、各溶接継目の許容耐力に応じて応力を分担させることができる。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
柱の継手の接合用ボルト、高力ボルト及び溶接は、原則として、継手部の存在応力を十分に伝え、かつ、部材の各応力に対する許容耐力の 1/3 を超える耐力とする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢5
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
柱の継手のボルト・高力ボルト・溶接は、継手部の存在応力を十分に伝え、かつ、部材の各応力に対する許容耐力の1/2を超える耐力とする。1/3では足りない。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
高力ボルト摩擦接合によるH形鋼梁継手の設計において、継手部に作用する曲げモーメントが十分に小さい場合であっても、設計用曲げモーメントは、梁の降伏曲げモーメントの 1/2 を下回らないようにする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢1
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
高力ボルト摩擦接合の梁継手は、継手部の曲げモーメントが小さくても、設計用曲げモーメントを梁の降伏曲げモーメントの1/2以上とする。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
トラス部材の接合部は存在応力を十分に伝えるものとし、その耐力は部材の許容応力の 1/2 以下であってはならない。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢3
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
曲げモーメントを伝える接合部のボルト、高力ボルト及び溶接継目の応力は、回転中心からの距離に比例するものとみなして算定する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢3
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
曲げモーメントを伝える接合部のボルト・高力ボルト・溶接の応力は、回転中心からの距離に比例するとみなして算定する。
問題:鉄骨構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
山形鋼や溝形鋼をガセットプレートの片側にのみ接合する場合は、偏心の影響を考慮して設計する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.17 選択肢5
▼ 適当? 不適当?(解説を見る)▲ 解説を閉じる
山形鋼や溝形鋼をガセットプレートの片側だけに接合すると、力の作用線がずれるので、偏心の影響を考えて設計する。
まとめ:鉄骨造(接合)で覚えておくこと
試験の前に見直すことを、章ごとにまとめました。左が覚える数字や言葉、右がその説明です。「要点 ›」を押すと、くわしい説明に戻ります。
ほかの分野の解説・年度別の過去問
二級建築士 建築構造の分野別の解説(25分野)の一覧です。
関連記事
二級建築士の過去問の一覧や、学科の教材・勉強の進め方は次の記事で紹介しています。

