要点と過去問10年分
二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)の No.18・No.19 で毎年出題されるうち「構造計画」について、建物全体の計画、部材・接合部の計画、基礎・荷重・天井・屋根の決まりを要点にまとめ、令和8年〜平成29年の10年分の過去問を選択肢ごとに解説します。耐震設計と耐震診断は「耐震設計・耐震診断・耐震補強」の記事で解説します。

構造計画の出題の傾向(令和8年〜平成29年)
No.18・No.19 は2問とも構造の考え方の問題で、そのうち構造計画の問題が10年で8問ありました。火打材はたわみ対策ではない(3回)、袖壁・腰壁も偏心率に影響する(2回)、重心と剛心の距離は小さく、がくり返し出ます。
10年分の No.18・No.19 の20問のうち、構造計画の問題8問を集めました。この記事で解説する選択肢は40肢です。
過去問の問題文と選択肢は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している二級建築士試験の問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各選択肢の枠の右下に出典)。正答は、同センターの「合格基準点等(正答肢)」と照らし合わせています。
「要点」は、今の建築基準法・告示や日本建築学会の規準などでまとめています。過去問の解説は、年度別の記事と同じく出題当時の基準によります。その後の改定で答えが変わる選択肢には「🔶 現在の基準では」の枠を付けています。
🏢 建物全体の計画
📖 つり合いのよい建物
構造計画は、建物全体のつり合い(重心と剛心、上下階の剛性)と、部材・接合部の計画の考え方が問われます。
| 項目 | 決まり | 根拠 |
|---|---|---|
| 重心と剛心 | 距離(偏心距離)ができるだけ小さくなるように耐力壁を配置する(大きいとねじれる) | |
| 袖壁・腰壁 | 非耐力壁として扱っても、柱の剛性を高めて剛心の位置を変えるので、偏心率の計算では影響を考える | 令 第82条の6 |
| ピロティ階 | 単独柱は上下端で曲げ降伏するように設計し、直上・直下の床スラブに十分な剛性と強度を持たせる。必要保有水平耐力は、剛性率による割増しとピロティ階の強度割増しの大きい方を用いて算出する | |
| エキスパンションジョイント | それだけで接している建築物は、それぞれ別の建築物として構造計算する。温度による伸縮が大きい建築物の温度応力の対策にもなる | 令 第36条の4 |
| 屋根・床の面内剛性 | 高くして、水平力に建物全体で抵抗させる | |
| 層間変形角 | 一次設計用の地震力で原則1/200以内 | 令 第82条の2 |
| 建物の重さと設計 | 重い鉄筋コンクリート造は地震力の検討が重要(風圧力の検討が重要になりやすいのは軽い鉄骨造・木造) | |
| 強度と靱性 | 耐震性は強度と靱性で評価する。靱性が乏しければ強度を十分に高くする |
「令」は建築基準法施行令。
✏️ 過去問:建物全体の計画(10年で14肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。同じ文で何年も出た選択肢は1枚にまとめています(全13枚)。
問題:建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
建築物の各階における重心と剛心との距離ができるだけ大きくなるように、耐力壁を配置した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢1
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重心と剛心の距離(偏心距離)が大きいと、地震時にねじれが生じ、特定の部材に損傷が集中する。耐力壁は、重心と剛心の距離ができるだけ小さくなるように配置する。
問題:建築物の耐震設計、構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
地震時に建築物のねじれが生じないようにするため、建築物の重心と剛心との距離ができるだけ小さくなるように計画する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢5
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問題:建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
鉄筋コンクリート造の建築物において、袖壁と腰壁については非耐力壁として考え、偏心率を計算する際に影響はないものとした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢2
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袖壁・腰壁は、非耐力壁として扱っても、取り付く柱の剛性を高め、剛心の位置を変える。偏心率(建築基準法施行令第82条の6第二号ロ。各階15/100以下)の計算では、その影響を考慮する必要がある。
問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
鉄筋コンクリート造建築物において、柱や梁に接続する袖壁、腰壁については非耐力壁として考え、偏心率の算定に当たり、影響はないものとする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.19 選択肢5
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袖壁・腰壁は、非耐力壁として扱う場合でも、取り付く柱の剛性を高め、剛心の位置を変える。偏心率の算定では、その影響を考慮する必要がある。
問題:建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
ピロティ階の必要保有水平耐力について、「剛性率による割増し係数」と「ピロティ階の強度割増し係数」のうち、大きいほうの値を用いて算出した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢4
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ピロティ階の必要保有水平耐力は、剛性率による割増し係数と、ピロティ階の強度割増し係数のうち、大きいほうを用いて算出する。
問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
鉄筋コンクリート造の建築物のピロティ階について、単独柱の上下端で曲げ降伏となるように設計するとともに、ピロティ階の直上、直下の床スラブに十分な剛性と強度を確保した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢2
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ピロティ階の単独柱は、せん断破壊させずに上下端で曲げ降伏するように設計し、直上・直下の床スラブには、水平力を伝えるための十分な剛性と強度を確保する。
問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
温度変化によって部材の伸縮量が大きくなることが予想される建築物について、大きな温度応力が生じないための対策として、エキスパンションジョイントを設けた。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢5
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温度変化による伸縮が大きい建築物は、エキスパンションジョイントで建物を分け、大きな温度応力が生じないようにする。
問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
エキスパンションジョイントのみで接している複数の建築物については、それぞれ別の建築物として構造計算を行う。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.19 選択肢2
同じ文:平成30年 No.18 選択肢3
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エキスパンションジョイントなど、相互に応力を伝えない構造方法だけで接している部分は、それぞれ別の建築物として構造計算を行う(建築基準法施行令第36条の4)。
問題:建築物の耐震設計、構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
建築物は、一般に、屋根や床の面内剛性を高くし、地震力や風圧力などの水平力に対して建築物の各部が一体となって抵抗できるように計画する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢4
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問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
各階における層間変形角の値は、一次設計用地震力に対し、原則として、1/200 以内となるようにする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.19 選択肢3
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問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
建築物の耐震性は、一般に、強度と靱性によって評価されるが、靱性が乏しい場合には、強度を十分に高くする必要がある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.19 選択肢1
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問題:建築物の耐震設計、構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
耐震設計の一次設計では、まれに発生する地震(中程度の地震)に対して建築物の損傷による性能の低下を生じないことを確かめる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢1
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一次設計では、まれに発生する中程度の地震に対して、建築物が損傷して性能が低下しないこと(許容応力度以内であること)を確かめる。
問題:建築物の耐震設計、構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
鉄筋コンクリート造の建築物は、一般に、鉄骨造や木造の建築物より単位床面積当たりの重量が大きいので、構造設計においては地震力よりも風圧力に対する検討が重要となる。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢2
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地震力は建築物の重量に比例するので、単位床面積当たりの重量が大きい鉄筋コンクリート造では、地震力に対する検討が重要となる。風圧力の検討が重要になりやすいのは、軽い鉄骨造や木造の建築物。
🔧 部材・接合部の計画
📖 部材と接合部
部材と接合部の計画は、火打材の役目と、保有耐力接合の考え方がくり返し出ます。
| 項目 | 決まり | 根拠 |
|---|---|---|
| 火打材 | 床組・小屋梁組の隅に斜めに入れて、水平方向の変形(ゆがみ)を防ぐ部材。鉛直方向のたわみを減らす部材ではない | |
| 小梁付き床スラブ | 小梁に十分な曲げ剛性を持たせ、小梁のたわみと大梁沿いのスラブのひび割れを防ぐ | |
| 鉄骨鉄筋コンクリート造の梁 | せい÷有効長さが1/12以下なら、使用上の支障がないことを計算で確かめる | 告示1459 |
| クレーンを支える梁 | 繰返し応力を受けるので、高サイクル疲労を検討する | |
| 保有耐力接合 | 鉄骨造では、大梁は材端部が十分に塑性化するまで継手が、筋かいは軸部の全断面が降伏するまで接合部が、破断しないようにする。木造も耐力壁が壊れるまで柱頭・柱脚の接合部が先に壊れないようにする | |
| 露出型柱脚 | ピンと仮定せず、回転剛性(固定度)を評価して柱脚の力を計算する | |
| 木造の柱の欠込み | 所要断面積の1/3以上なら補強が必要(1/4でも補強しておくのは安全側) | 令 第43条第4項 |
| 鉄骨造の筋かい(ルート2) | 筋かいの水平力分担率に応じて地震時の応力を割り増す | |
| 木造の筋かいの向き | 同じ構面内の同種の筋かいは、傾きの向きが交互になるように配置する | |
| 耐震スリット | 柱と腰壁の間に設けると、柱の脆性破壊(せん断破壊)の防止に有効 | |
| 開口のある耐力壁(RC造) | 開口周比0.4以下なら、無開口の剛性・耐力に低減率を掛けて扱える |
「告示1459」は平成12年建設省告示第1459号。
✏️ 過去問:部材・接合部の計画(10年で16肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。同じ文で何年も出た選択肢は1枚にまとめています(全15枚)。
問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
木造の建築物について、床組や小屋梁組のたわみを減少させるために、火打ち材を用いて補強した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢4
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火打ち材は、床組や小屋梁組の隅に斜めに入れて、水平方向の変形(水平構面のゆがみ)を防ぐ部材。床組や小屋梁組のたわみ(鉛直方向)を減らすには、梁のせいを大きくする・間隔を詰めるなどの対策をとる。
問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
木造の建築物について、床組や小屋梁組のたわみを減少させるために、火打材を用いて補強した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.19 選択肢2
同じ文:令和元年 No.18 選択肢3
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火打材は、床組や小屋梁組の隅に斜めに入れて、水平方向の変形(ゆがみ)を防ぐ部材。床組や小屋梁組のたわみを減らす効果はない。
問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
鉄筋コンクリート造の建築物の小梁付き床スラブは、小梁の過大なたわみ及び大梁に沿った床スラブの過大なひび割れを防止するため、小梁に十分な曲げ剛性を確保した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.19 選択肢1
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小梁付き床スラブでは、小梁の剛性が小さいと小梁が大きくたわみ、大梁に沿ってスラブにひび割れが生じやすい。小梁に十分な曲げ剛性を確保する。
問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
鉄筋コンクリート造の建築物の小梁付き床スラブについて、小梁の過大なたわみ及び大梁に沿った床スラブの過大なひび割れを防止するため、小梁に十分な曲げ剛性を確保した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢1
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小梁の剛性が不足すると、小梁のたわみが大きくなり、大梁に沿った床スラブにひび割れが生じやすい。小梁に十分な曲げ剛性を確保する。
問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
床面に用いる鉄骨鉄筋コンクリート造の梁について、梁のせいを梁の有効長さで除した数値が 1/12 以下であったので、過大な変形や振動による使用上の支障が起こらないことを計算によって確認した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.19 選択肢4
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鉄骨鉄筋コンクリート造の梁は、せいを有効長さで割った値が1/12を超える場合を除き、使用上の支障が起こらないことを計算で確かめる(平成12年建設省告示第1459号 第1の表)。1/12以下なので確認したのは適当。
問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
稼動するクレーンを支持する鉄骨造の梁は、繰返し応力を受けるので、高サイクル疲労の検討を行った。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.19 選択肢3
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問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
木造の建築物について、終局状態において耐力壁が破壊するまで、柱頭・柱脚の接合部が破壊しないことを計算によって確認した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢4
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問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
鉄骨造の建築物の筋かいについて、軸部の全断面が降伏するまで、接合部が破断しないことを計算によって確認した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢5
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問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
鉄骨造建築物において、大梁は、材端部が十分に塑性化するまで、継手で破断が生じないようにする。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.19 選択肢4
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問題:建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
鉄骨造の露出型柱脚の設計において、固定度があることからピンと仮定せずに、回転剛性を適切に評価して、柱脚に生じる力を計算した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢1
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露出型柱脚は、完全なピンではなく、ある程度の回転剛性(固定度)をもつ。その回転剛性を適切に評価して柱脚の応力を計算するのが適当。
問題:建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
木造軸組工法の建築物について、構造耐力上主要な柱の所要断面積の 1/4 を欠込みしたので、欠込みした部分を補強した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢3
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柱の所要断面積の1/3以上を欠き取るときは補強が必要(建築基準法施行令第43条第4項)。1/4の欠込みで補強しておくのは、安全側で適当。
問題:建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
鉄骨造の建築物において、筋かいによって地震力に抵抗する計画とした場合、耐震計算ルート 2 では、筋かいの水平力分担率の値に応じて、地震時応力を割り増す必要がある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢1
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鉄骨造でルート2により筋かいで地震力に抵抗させる場合は、筋かいの水平力分担率に応じて、地震時の応力を割り増す。
問題:建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
木造建築物において、同じ構面内の同種の筋かいは、一般に、傾きの方向が同じ向きとなるように配置する。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢2
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筋かいは、引張りと圧縮で耐力が異なるので、同じ構面内の同種の筋かいは、傾きの向きが交互(左右対称)になるように配置する。同じ向きにそろえると、地震力や風圧力の向きによって耐力が偏る。
問題:建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
鉄筋コンクリート造の建築物において、柱と腰壁との間に耐震スリットを設けることは、柱の脆性破壊の防止に有効である。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢3
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問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
開口周比が 0.3 の開口部を有する鉄筋コンクリート造の耐力壁について、無開口の耐力壁のせん断剛性とせん断耐力の数値に、開口部の寸法を用いて計算したそれぞれの低減率を乗じて、構造計算を行った。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢2
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開口周比が0.4以下の開口のある耐力壁は、無開口の耐力壁のせん断剛性・せん断耐力に、開口の大きさから求めた低減率を掛けて扱うことができる。0.3はその範囲。
🏗️ 基礎・荷重・天井・屋根
📖 そのほかの決まり
基礎・荷重・天井・屋根など、構造計画のそのほかの決まりも出題されています。
| 項目 | 決まり | 根拠 |
|---|---|---|
| 異なる構造方法の基礎 | 原則として併用しないが、大臣が定める基準の構造計算で安全を確かめれば併用できる | 令 第38条 |
| 地盤の長期許容応力度20kN/m²未満 | 基礎ぐいを用いた構造とする | 告示1347 |
| スクリューウエイト貫入試験(旧スウェーデン式サウンディング試験) | おもりを載せたロッドを回転させて貫入させる簡便な調査(手動式は10m程度まで) | |
| 積雪後の降雨(多雪区域以外) | 大スパン・緩勾配の屋根は、屋根の勾配と最上端から最下端までの水平投影の長さに応じて積雪荷重を割り増す | 告示594 |
| 山形架構の固有周期 | 屋根勾配の大きい山形の架構は、固有周期の計算に使う高さを屋根の高さの平均にできる | |
| 片持ちのバルコニー | 外壁から2mを超えて突出するものは、鉛直震度による地震力で安全を確かめる | |
| 特定天井 | 人が日常立ち入る場所の吊り天井で、高さ6mを超える部分の水平投影面積200m²超、単位面積質量2kg/m²超 | 告示771 |
| 瓦屋根 | すべての瓦を緊結する。基準風速38〜46m/sの地域の平部は、防災瓦をくぎ等で緊結する | 告示109 |
| 同調質量型の制振装置(TMD) | 揺れの大きい頂部に置き、暴風時の揺れを抑える |
「告示1347」「告示771」「告示594」「告示109」は、平成12年建設省告示第1347号・平成25年国土交通省告示第771号・平成19年国土交通省告示第594号・昭和46年建設省告示第109号。
✏️ この項目の過去問を解く(10年で10肢)↓✏️ 過去問:基礎・荷重・天井・屋根(10年で10肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。
問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
同一の建築物に異なる構造方法による基礎を採用するので、自重による圧密沈下等を考慮した許容応力度計算を行い、建築物又は建築物の部分に有害な損傷、変形及び沈下が生じないことを確かめた。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢1
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異なる構造方法の基礎の併用は原則禁止だが、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算で安全を確かめれば併用できる(建築基準法施行令第38条第2項・第4項)。不同沈下を考えた計算で確かめているので適当。
問題:建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
建築物の基礎の構造は、地盤の長期許容応力度が 20 kN/㎡未満であったので、基礎杭を用いた構造を採用した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢5
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地盤の長期許容応力度が20kN/㎡未満の場合は、基礎ぐいを用いた構造とする(平成12年建設省告示第1347号 第1)。
問題:建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)は、載荷したロッドを回転して地盤に貫入する簡便な地盤調査方法であり、手動式の場合、適用深度は 10 m程度である。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢4
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スウェーデン式サウンディング試験は、おもりを載せたロッドを回転させて地盤に貫入させる簡便な調査で、手動式の適用深度は10m程度。
問題:建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
多雪区域以外の区域における規模が比較的大きい緩勾配の鉄骨造屋根について、積雪後の降雨の影響を考慮するために、「屋根の勾配」及び「屋根の最上端から最下端までの水平投影長さ」に応じて積雪荷重を割り増した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢2
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多雪区域以外でも、大スパン・緩勾配の屋根は、積雪後の降雨で荷重が増えるので、屋根の勾配と、屋根の最上端から最下端までの水平投影長さに応じて積雪荷重を割り増す(平成19年国土交通省告示第594号 第2第三号。平成30年の改正で加わり、平成31年1月15日から施行)。
問題:建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
屋根勾配が大きな山型架構の建築物において、設計用一次固有周期を計算する際の高さは、当該建築物の振動性状を十分に考慮し、屋根の高さの平均とした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢3
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屋根勾配の大きい山形の架構では、設計用一次固有周期の計算に使う高さを、振動の性状を考えて屋根の高さの平均とすることができる。
問題:建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
建築物の外壁から突出する部分の長さが 2 mを超える片持ちのバルコニーを設ける場合、当該部分の鉛直震度に基づき計算した地震力に対して安全であることを確かめる必要がある。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢5
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外壁から2mを超えて突出する片持ちのバルコニーは、上下方向の揺れの影響が大きいので、鉛直震度に基づく地震力に対して安全であることを確かめる。
問題:建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
高さが 7 m、水平投影面積が 230 ㎡、天井面構成部材等の単位面積質量が 3 kg/㎡の吊り天井について、人が日常立ち入る場所に設置するために、特定天井の規定に従った構造方法とした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢4
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特定天井は、人が日常立ち入る場所に設ける吊り天井で、高さ6mを超える天井の部分で水平投影面積が200㎡を超えるものを含み、単位面積質量が2kgを超えるもの(平成25年国土交通省告示第771号 第二)。高さ7m・230㎡・3kg/㎡は特定天井に当たる。
問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
周囲の壁との間に隙間を設けない特定天井に該当する天井面について、天井面の許容耐力、天井面を設ける階に応じた水平震度、天井面構成部材などの単位面積重量を用いて、天井面の長さの検討を行った。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.19 選択肢5
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周囲の壁との間に隙間を設けない特定天井は、天井面の許容耐力・天井面を設ける階に応じた水平震度・単位面積重量などを用いて、天井面の長さの検討を行う(平成25年国土交通省告示第771号 第3)。
問題:建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
瓦屋根の構造方法において、建設地の基準風速が 38 m/sであるので、平部においては、隣接する瓦と構造耐力上有効に組み合わせることができるフックが付いた桟瓦を採用し、各桟瓦を釘で下地に緊結する方法とした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢5
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令和4年1月1日施行の改正で、瓦はすべての瓦を緊結することになった。基準風速が38〜46m/sの地域の平部は、防災瓦(フックなどで構造耐力上有効に組み合わせる瓦)をくぎ等1本以上で緊結する(昭和46年建設省告示第109号)。
問題:建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
暴風時の揺れを抑える目的のために、同調質量型の制振装置を建築物の頂部に集中配置した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)」No.18 選択肢3
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同調質量型の制振装置(TMD)は、建築物の揺れに同調して逆向きに動くおもりで揺れを抑える装置で、揺れの大きい頂部に置くと効果的。暴風時の揺れの対策に使われる。
まとめ:構造計画で覚えておくこと
試験の前に見直すことを、章ごとにまとめました。左が覚える数字や言葉、右がその説明です。「要点 ›」を押すと、くわしい説明に戻ります。
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