要点と過去問10年分
一級建築士試験 学科Ⅴ(建築施工)の No.8 で毎年出題される「鉄筋工事」について、加工・組立てとかぶり厚さ、継手と定着、ガス圧接を要点にまとめ、令和8年〜平成29年の10年分の過去問を解説します。

鉄筋工事の出題の傾向(令和8年〜平成29年)
No.8 は、10年とも鉄筋工事の問題でした(うち4年は図・表の問題)。ガス圧接(偏心量・ふくらみ・試験を行う人)が4回、継手・定着(長さ・位置)が4回、鉄筋相互のあきが2回正答になっています。
毎年 No.8 に1問(10年で10問)。ほかの問題の選択肢から、この分野のもの(2問から)も載せています。この記事で解説する選択肢は25肢、図・表・計算の問題は5問(問題ごとに掲載)です。
過去問の問題文と選択肢は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している一級建築士試験の問題から、解説に必要な範囲で引用しています(各選択肢の枠の右下に出典)。正答は、同センターの「合格基準点等(正答肢)」と照らし合わせています。
「要点」は、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版や日本建築学会の JASS など、今の基準でまとめています。過去問の解説は、年度別の記事と同じく出題当時の基準によります。その後の改定で答えが変わる選択肢には「🔶 現在の基準では」の枠を付けています。
🔧 加工・組立て・かぶり厚さ
📖 加工・組立てとかぶり厚さ
加工・組立ては、鉄筋相互のあき・かぶり厚さ・スペーサーの数字が問われます。あきは2回正答になっています。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 鉄筋相互のあき | 粗骨材の最大寸法の1.25倍・25mm・隣り合う鉄筋の平均径の1.5倍のうち、最大のもの以上(5.3.5) |
| かぶり厚さ | 最小かぶり厚さは表5.3.6(直接土に接する床(耐圧スラブを除く)・梁は40mm)。加工に用いる設計かぶり厚さは、最小かぶり厚さに10mmを加えた値。柱・梁の主筋が D29以上なら、主筋のかぶり厚さを径の1.5倍以上(5.3.5) |
| 土に接する部分のかぶり厚さ | 捨てコンクリートの厚さを含めない |
| スペーサー | 柱は上段が梁下から0.5m程度・中段は1.5m間隔程度。梁の下端筋は端部0.5m程度・それ以外1.5m間隔程度。スラブは上端筋・下端筋それぞれ間隔0.9m程度・端部0.1m以内(平成30年の出題当時は1㎡当たり1.3個程度) |
| フック | 煙突の鉄筋は異形鉄筋でも末端にフック。最上階の柱の四隅の主筋の柱頭にもフック(5.3.2)。180度フックの余長は、鉄筋の種類・径によらず4d以上 |
| スパイラル筋の加工寸法の許容差 | 特記がなければ±5mm |
| キャップタイ | U字形のあばら筋と組み合わせるときは、段差のないスラブが取り付く側を90度フックにできる |
| 埋め込む CD 管 | 打込み時に動かないよう、1m以下の間隔で鉄筋に結束する |
| 先組み鉄筋のガス圧接 | 圧接のときの縮み量(アプセット)を見込んで組み立てる |
( )内の番号は公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版の節
✏️ この項目の過去問を解く(10年で15肢)↓✏️ 過去問:加工・組立て・かぶり厚さ(10年で15肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。
問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
粗骨材の最大寸法が20mmのコンクリートを用いる柱において、主筋D22の鉄筋相互のあきについては、30mmとした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢1
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鉄筋相互のあきは、粗骨材の最大寸法の1.25倍、25mm、隣り合う鉄筋の平均径(呼び名の数値)の1.5倍のうち最大のもの以上とする(公共建築工事標準仕様書 5.3.5)。D22なら22×1.5=33mm以上が必要で、30mmでは足りない。
問題:鉄筋工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
SD345のD19とD22とが隣り合うときの鉄筋相互のあきについては、使用するコンクリートの粗骨材の最大寸法が20mmであったので、25mmとした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢3
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鉄筋相互のあきは、粗骨材の最大寸法の1.25倍、25mm、隣り合う鉄筋の径の平均の1.5倍のうち最大のもの以上とする(公共建築工事標準仕様書 5.3.5)。D19とD22なら(19+22)÷2×1.5=30.75mm、粗骨材20mm×1.25=25mm、25mm のうち最大の30.75mm以上が必要で、25mmでは足りない。
問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
鉄筋の加工に用いるかぶり厚さは、建築基準法に規定されている最小かぶり厚さに、施工誤差を考慮して、10mmを加えた数値とした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢2
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鉄筋の加工に用いるかぶり厚さ(設計かぶり厚さ)は、最小かぶり厚さに施工誤差を考えて10mmを加えた値とするのが一般的。
問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
柱及び梁において、主筋にD29以上の太物の異形鉄筋を使用するに当たり、付着割裂破壊を考慮し、主筋のかぶり厚さを主筋の呼び名の数値の1.5倍以上とした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢4
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柱・梁の主筋にD29以上を使う場合は、付着割裂破壊を防ぐため、主筋のかぶり厚さを径の1.5倍以上確保する(公共建築工事標準仕様書 5.3.5)。
問題:鉄筋工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
鉄筋コンクリート造の鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、特記がなかったので、耐圧スラブを除く直接土に接する床について、4cm以上確保できていることを確認した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢4
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問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
鉄筋の組立てにおいて、柱部材のスペーサーの配置は、特記がなかったので、上段は梁下より0.5m程度、中段は上段より1.5m間隔程度とした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢3
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柱のスペーサーは、特記がなければ、上段は梁下から0.5m程度、中段は上段から1.5m間隔程度に配置するのが一般的。
問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
スラブの鉄筋のスペーサーの配置は、特記がなかったので、上端筋、下端筋それぞれ、間隔は0.9m程度、端部は0.1m以内とした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和7年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢3
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スラブのスペーサーは、特記がなければ、上端筋・下端筋それぞれ間隔0.9m程度、端部は0.1m以内に配置するのが一般的。
問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
梁の下端筋の配筋において、特記がなかったので、鋼製スペーサーを、端部は0.5m程度の位置に、端部以外は1.5m程度の間隔で配置した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢2
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梁の下端筋のスペーサーは、特記がなければ、端部は0.5m程度の位置に、それ以外は1.5m程度の間隔で配置する。
問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
スラブの配筋において、特記がなかったので、上端筋、下端筋それぞれにスペーサーをスラブ1㎡当たり1.3個程度配置した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢1
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問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
鉄筋の加工において、煙突に使用する異形鉄筋の末端部には、フックを付けた。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢4
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問題:各種工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
鉄筋に180度フックを設けるための折曲げ加工において、鉄筋の種類がSD345、呼び名がD29であったので、その余長は4d以上とした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.21 選択肢3
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問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
スパイラル筋の加工寸法については、特記がなかったので、外側寸法の許容差を±5mmの範囲内とした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢3
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問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
大梁にU字形のあばら筋とともに用いるキャップタイについては、梁天端と段差のないスラブが取り付く側を90度フックとした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢4
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U字形のあばら筋と組み合わせるキャップタイは、梁天端と段差のないスラブが取り付く側を90度フック(反対側は135度フック)とできる。
問題:鉄筋工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
コンクリート壁内に埋め込むCD管(合成樹脂製可とう電線管)は、バインド線を用いて1m以下の間隔で鉄筋に結束し、コンクリート打設時に移動しないようにした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢1
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コンクリートに埋め込むCD管は、打込み時に動かないよう、バインド線などで1m以下の間隔で鉄筋に結束する(公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)2.3.3)。
問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
先組み鉄筋において、軸方向鉄筋にガス圧接継手を用いることとしたので、圧接時の鉄筋のアプセット(縮み量)を見込んで組み立てた。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢2
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🔗 継手・定着
📖 継手と定着の長さ
継手と定着は、長さの決まり(何 d か・柱せいの何倍か)と、継手の位置が問われます。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 重ね継手の長さ | 表5.3.2による。径の異なる鉄筋は、細いほうの径を基準にする |
| 耐力壁の鉄筋の重ね継手 | 特記がなければ、40d と表5.3.2の値の大きいほう(5.3.4) |
| スパイラル筋の重ね継手 | 50d以上かつ300mm以上で、末端にフック |
| 小梁の下端筋の直線定着 | 設計基準強度にかかわらず20d(片持ち小梁は25d) |
| 柱内に折り曲げて定着する梁主筋 | 投影定着長さは表5.3.5の値以上、かつ柱せいの3/4倍以上(1/2では短い) |
| 隣り合う継手の位置 | ガス圧接・溶接継手は400mm以上ずらす。機械式継手はカップラーの中心間で400mm以上、かつ端部の間のあき40mm以上 |
| 梁の下端筋の継手の位置 | 柱際は応力が大きいので、柱面から梁せい以上離れた位置から設ける |
表・項目の番号は公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版
✏️ この項目の過去問を解く(10年で6肢)↓✏️ 過去問:継手・定着(10年で6肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。
問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
大梁の主筋の定着に当たり、所定のフックあり定着の長さを確保することができなかったので、大梁の主筋を柱仕口内に90度縦に折り曲げて定着することとし、柱仕口面から大梁の主筋の鉄筋外面までの投影定着長さを柱せいの1/2とした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢1
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大梁の主筋を柱内に折り曲げて定着するときの投影定着長さは、表の値以上、かつ、柱せいの3/4倍以上とする(公共建築工事標準仕様書 5.3.4)。柱せいの1/2では短い。
問題:鉄筋工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
径の異なる異形鉄筋の重ね継手の長さは、細いほうの鉄筋の径を基準とした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和6年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢2
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径の異なる鉄筋の重ね継手の長さは、細いほうの鉄筋の径を基準にして求める(公共建築工事標準仕様書 5.3.4)。
問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
普通コンクリート(設計基準強度27N/mm²)の耐力壁の脚部におけるSD295Aの鉄筋の重ね継手については、特記がなかったので、フックなしとし、その重ね継手の長さを40dとした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢2
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耐力壁の鉄筋の重ね継手の長さは、特記がなければ40dと表の値の大きいほう(SD295A・Fc27 では表の値35dなので40d)(公共建築工事標準仕様書 5.3.4)。
問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
設計基準強度が階によって異なる普通コンクリートを用いた建築物の上部構造において、片持ちでない小梁の下端筋(SD345)の直線定着の長さについては、特記がなかったので、設計基準強度にかかわらず20d(dは異形鉄筋の呼び名に用いた数値)とした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢4
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小梁の下端筋の直線定着の長さ(L3)は、コンクリートの設計基準強度にかかわらず20d(片持ち小梁は25d)(公共建築工事標準仕様書 表5.3.4)。
問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
機械式継手を用いる大梁の主筋の配筋において、隣り合う鉄筋の継手位置をずらして配筋するに当たり、カップラーの中心間で400mm以上、かつ、カップラー端部の間のあきが40mm以上となるように組み立てた。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢3
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機械式継手の位置をずらすときは、カップラーの中心間で400mm以上、かつ、カップラー端部の間のあきを40mm以上とする。
問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
溶接継手を用いる大梁の主筋は、隣り合う鉄筋の溶接継手の位置を400mm以上離れるようにずらして配筋した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢2
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✏️ 過去問:部位ごとの寸法・継手の位置(図・表の問題)(10年で3問)
あき・重ね継手・投影定着長さ・かぶり厚さ・継手の位置を、図や表の数字で確かめる問題です。上の2つの表の数字で計算します。ただし、令和4年の3(耐力壁の縦筋 D13とD10 の重ね継手350mm)は、JASS 5 の値(SD295・Fc24 で35d)により適当とされています(公共建築工事標準仕様書の「40dと表の値の大きいほう」では400mm以上)。
令和4年 No.8鉄筋工事の部位と形状及び寸法(スパイラル筋の重ね継手・柱頭のフック・耐力壁の縦筋の継手・基礎梁のかぶり厚さ)
鉄筋工事に関する「部位」に対する「形状及び寸法」として、最も不適当なものは、次のうちどれか。ただし、コンクリートの設計基準強度は24N/mm²とする。また、設計図書には特記がないものとし、図に記載のない鉄筋は適切に配筋されているものとする。
図を押すと大きく表示します
部位 形状及び寸法(図の要点) 1. 柱中間部のスパイラル筋(D10)の重ね継手の長さ 重ね継手の長さ400mm(スパイラル筋 SD295 D10、柱主筋 SD345 D22) 2. 柱頭の出隅部の末端に設ける柱主筋(D22)のフックの形状及び寸法 180°フック、折曲げの内法直径90mm、余長90mm(SD345 D22) 3. 耐力壁の縦筋(D13とD10)の継手長さ 打継ぎ位置からの重ね継手の長さ350mm(下の階から SD295 D13、上の階は SD295 D10) 4. 土に接する基礎梁の設計かぶり厚さ 側面・底面とも50mm(梁主筋 SD345 D29、あばら筋 SD295 D10。底面は厚さ50mmの捨てコンクリートの上面から) 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8
▼ 解答・解説を見る(No.8)▲ 解答・解説を閉じる
スパイラル筋の重ね継手の長さは、50d以上、かつ、300mm以上とし、末端にフックを付ける(公共建築工事標準仕様書 5.3.4・図5.3.5)。D10なら500mm以上必要で、400mmでは足りない。
最上階の柱の四隅にある主筋の柱頭の定着には、末端にフックを付ける(公共建築工事標準仕様書 5.3.2)。SD345 D22 の折曲げの内法直径は4d以上(88mm以上)で、180°フックの余長も4d以上なので、90mm・90mmは適当(同 表5.3.1)。
径の異なる鉄筋の重ね継手の長さは、細いほうの鉄筋の径による(公共建築工事標準仕様書 5.3.4)。日本建築学会の JASS 5 では、SD295・Fc24 の重ね継手の長さは35dなので、D10で350mmは適当とされる。なお、公共建築工事標準仕様書(5.3.4)は、特記がなければ耐力壁の鉄筋の重ね継手を「40dと表5.3.2の値の大きいほう」としているので、官庁営繕の工事では400mm以上になる。
土に接する梁の最小かぶり厚さは40mm(公共建築工事標準仕様書 表5.3.6)。加工に用いる設計かぶり厚さは、最小かぶり厚さに10mmを加えた50mmが標準(同 5.3.5)。土に接する部分のかぶり厚さには捨てコンクリートの厚さを含めないので、底面も捨てコンクリートの上面から50mmで適当。
令和3年 No.8図に示す鉄筋工事の寸法(鉄筋のあき・耐力壁の鉄筋の継手長さ・梁下端筋の投影定着長さ・ガス圧接継手の位置)
図に示す鉄筋工事に関する寸法について、最も不適当なものは、次のうちどれか。ただし、鉄筋はSD345、コンクリートの設計基準強度は24N/mm²とし、コンクリートの粗骨材の最大寸法は20mmとする。また、設計図書には特記がないものとし、図に記載のない鉄筋は適切に配筋されているものとする。
図を押すと大きく表示します 1鉄筋(D19)のあき(図:隣り合う鉄筋のリブの頂部どうしの間隔30mm)2地上の耐力壁の鉄筋(D13)の継手長さ(図:打継ぎ位置からの重ね継手の長さ500mm)3大梁の下端筋(D32)の柱内折曲げ定着の投影定着長さ(図:柱面から折曲げ部の外側まで650mm、柱せい800mm)4鉄筋(D25)のガス圧接継手の位置(図:隣り合う鉄筋の圧接部を400mmずらす)出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和3年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8
▼ 解答・解説を見る(No.8)▲ 解答・解説を閉じる
鉄筋相互のあきは、粗骨材の最大寸法の1.25倍(25mm)、25mm、隣り合う鉄筋の径の平均の1.5倍(19×1.5=28.5mm)のうち最大のもの以上(公共建築工事標準仕様書 5.3.5)。28.5mm以上なので30mmは適当。
SD345・Fc24 の重ね継手の長さは40d(公共建築工事標準仕様書 表5.3.2。耐力壁の鉄筋は、特記がなければ40dと表の値の大きいほう=5.3.4)。D13なら40×13=520mm以上必要で、500mmでは足りない。
梁主筋の柱内折曲げ定着の投影定着長さ La は、SD345・Fc24で20d(32×20=640mm)以上、かつ、柱せいの3/4倍(600mm)以上(公共建築工事標準仕様書 5.3.4・表5.3.5)。650mmは適当。
隣り合うガス圧接継手の位置は、400mm以上ずらす(公共建築工事標準仕様書 5.3.4・表5.3.3)。
令和元年 No.8柱主筋・大梁主筋等の継手位置の範囲(図のア〜エ)
図中のア~エについて、鉄筋工事における柱主筋、大梁主筋等の一般的な継手位置(範囲)として、最も不適当なものは、次のうちどれか。ただし、鉄筋の継手は、ガス圧接継手とする。
図を押すと大きく表示します 1ア2イ3ウ4エ出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和元年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8
▼ 解答・解説を見る(No.8)▲ 解答・解説を閉じる
ア(柱主筋):梁上端から500mm以上、梁下端から柱の内法高さ H₀ の1/4以上離れた、柱の中間部の範囲。応力の小さい位置なので適当。
イ(大梁の上端筋):柱面から大梁の内法長さ L₀ の1/4以上離れた、梁の中央部の範囲。上端筋は中央部で引張応力が小さいので適当。
ウ(大梁の下端筋):柱面から a(=梁せい D)までの範囲は、柱際で応力の大きい部分。下端筋の継手は、柱面から梁せい D 以上離れた位置から設ける。
エ(片持ち梁):図の範囲は、片持ち梁の主筋の一般的な継手位置の範囲として適当とされる。
✏️ 過去問:工法の名前(No.24 の用語の表の問題)(10年で1問)
スリーブをかぶせて油圧ジャッキで圧着し、鉄筋の節に食い込ませる継手はスリーブ圧着継手(グリップジョイント)です。グリッパー工法は、カーペットの敷き込みの工法です。
令和8年 No.24建築工事に関する工法の説明(トーチ工法・グリッパー工法・バイブロフローテーション工法・リフトアップ工法)
建築工事に関する工法の説明として、最も不適当なものは、次のうちどれか。
工法 説明 1. トーチ工法 専用のバーナーで改質アスファルトシート裏面及び下地を均一にあぶり、裏面の改質アスファルトを溶融させながら均一に押し広げて密着させる防水工法 2. グリッパー工法 突き合わせた異形鉄筋の端部にスリーブを被せた後、このスリーブを油圧ジャッキで圧着し、異形鉄筋の節に食い込ませて接合する鉄筋継手工法 3. バイブロフローテーション工法 主として砂質土地盤を締め固めるための地盤改良のうち、振動体を地盤内に貫入させ、砂礫などを充塡しながら引き上げることで密に詰まった砂杭を造成する工法 4. リフトアップ工法 地上等の低所であらかじめ組み立てた大スパン構造の屋根架構等を、ジャッキ又は吊上げ装置を用いて所定の位置まで上昇させ設置する建方工法 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.24
▼ 解答・解説を見る(No.24)▲ 解答・解説を閉じる
トーチ工法は、専用のバーナーで改質アスファルトシートの裏面と下地をあぶり、溶けた改質アスファルトで下地に密着させる防水工法。
スリーブをかぶせて油圧ジャッキで圧着し、鉄筋の節に食い込ませる継手は、スリーブ圧着継手(グリップジョイント)。グリッパー工法は、カーペットの敷き込みの工法で、部屋の周りの床にグリッパー(釘の出た木製の部材)を固定し、カーペットを引っ張って引っ掛けて留める。
バイブロフローテーション工法は、振動体を砂質土の地盤に入れ、振動と注水で地盤を締め固めながら砂礫を詰めて、密な砂杭をつくる地盤改良の工法。
リフトアップ工法は、地上などの低い所で組み立てた大スパンの屋根架構などを、ジャッキや吊上げ装置で所定の高さまで持ち上げて設置する建方の工法。
🔥 ガス圧接
📖 圧接部の品質と試験
ガス圧接は、圧接部の品質の数字と、不合格のときの直し方、試験を行う人が問われます。10年で4回正答になっています。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| ふくらみの直径 | 鉄筋径の1.4倍以上 |
| ふくらみの長さ | 鉄筋径の1.1倍以上(なだらかな形) |
| 圧接面のずれ | 鉄筋径の1/4以下 |
| 鉄筋中心軸の偏心量 | 鉄筋径の1/5以下(D22なら4.4mm以下) |
| 不合格のときの直し方 | ふくらみの直径・長さの不足は再加熱して圧力を加えて修正する。偏心量・圧接面のずれが大きいときは、切り取って再圧接する(5.4.11) |
| 外観試験 | 全ての圧接部について行う(5.4.10) |
| 試験を行う技能資格者 | その工事の圧接部の品質管理を行っていない者(5.4.3) |
(径の異なる鉄筋は細い方の径)。圧接部の品質は公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 5.4.4・平成12年建設省告示第1463号
✏️ 過去問:ガス圧接(10年で4肢)
答えを考えてから、選択肢の下の「解説を見る」を開いてください。解説は出題当時の基準によります。
問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
ガス圧接において、圧接部の外観試験及び超音波探傷試験を行う技能資格者は、当該工事における圧接部の品質管理を行った者とした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和8年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢1
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圧接部の外観試験と超音波探傷試験を行う技能資格者は、その工事の圧接部の品質管理を行っていない者とする(公共建築工事標準仕様書 5.4.3)。品質管理を行った者が自分で試験するのは不適当。
問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
ガス圧接継手の外観検査において、圧接部における鉄筋中心軸の偏心量が鉄筋径の1/4であったので、再加熱して修正した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和5年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢1
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圧接部の鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径の1/5以下とする(公共建築工事標準仕様書 5.4.4)。1/4は規定値を超えているので、圧接部を切り取って再圧接する(同 5.4.11)。再加熱して修正するのは、ふくらみの不足や折れ曲がりの場合。
問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
D22の主筋のガス圧接継手の外観検査において、鉄筋中心軸の偏心量の合格基準値を5mmとした。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成30年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢4
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ガス圧接部の鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径の1/5以下(D22 なら22÷5=4.4mm以下)(公共建築工事標準仕様書 5.4.3)。合格基準値を5mmとするのは大きすぎる。
問題:鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
大梁の主筋のガス圧接継手の外観検査において、圧接部の膨らみの直径が母材の鉄筋径の1.4倍であったが、膨らみの長さが母材の鉄筋径の1.1倍未満であったので、再加熱し、圧力を加えて所定の膨らみの長さに修正した。
出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「平成29年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8 選択肢3
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圧接部の膨らみの直径や長さが規定値に満たない場合は、再加熱し、圧力を加えて所定の膨らみに修正する(公共建築工事標準仕様書 5.4.10)。
✏️ 過去問:圧接部の外観検査(表の問題)(10年で1問)
鉄筋径25mm のとき、ずれ6.25mm以下・直径35mm以上・長さ27.5mm以上・偏心5mm以下です。
令和2年 No.8ガス圧接継手の外観検査(圧接面のずれ・膨らみの直径・膨らみの長さ・中心軸の偏心量)
鉄筋工事におけるガス圧接継手の外観検査の検査項目とその外観形状について、鉄筋の継手の構造方法の規定に照らして、最も不適当なものは、次のうちどれか。ただし、鉄筋の種類はSD345とする。
図を押すと大きく表示します
検査項目 外観形状(図の要点) 1. 圧接面のずれ 圧接面と膨らみの頂部のずれ6mm(鉄筋径25mm) 2. 圧接部の膨らみの直径 35mm(鉄筋径25mm) 3. 圧接部の膨らみの長さ 27mm(鉄筋径25mm) 4. 鉄筋中心軸の偏心量 4mm(鉄筋径25mm) 出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和2年一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)」No.8
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圧接面のずれは、鉄筋径の1/4以下(25÷4=6.25mm以下)なので、6mmは適当(平成12年建設省告示第1463号・公共建築工事標準仕様書 5.4.4)。
膨らみの直径は、鉄筋径の1.4倍以上(25×1.4=35mm以上)なので、35mmは適当。
膨らみの長さは、鉄筋径の1.1倍以上(25×1.1=27.5mm以上)必要なので、27mmでは足りない(平成12年建設省告示第1463号・公共建築工事標準仕様書 5.4.4)。
鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径の1/5以下(25÷5=5mm以下)なので、4mmは適当。
平成12年建設省告示第1463号(鉄筋の継手の構造方法:圧接部の膨らみの直径は鉄筋径の1.4倍以上、長さは1.1倍以上、ずれは1/4以下、偏心は1/5以下)
まとめ:鉄筋工事で覚えておくこと
試験の前に見直すことを、章ごとにまとめました。左が覚える数字や言葉、右がその説明です。「要点 ›」を押すと、くわしい説明に戻ります。
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